IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 富士通クライアントコンピューティング株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-ケーブルクランプ 図1
  • 特開-ケーブルクランプ 図2
  • 特開-ケーブルクランプ 図3
  • 特開-ケーブルクランプ 図4
  • 特開-ケーブルクランプ 図5
  • 特開-ケーブルクランプ 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022178359
(43)【公開日】2022-12-02
(54)【発明の名称】ケーブルクランプ
(51)【国際特許分類】
   B65D 63/10 20060101AFI20221125BHJP
   F16L 3/137 20060101ALI20221125BHJP
   H02G 3/30 20060101ALI20221125BHJP
   H02G 1/06 20060101ALI20221125BHJP
【FI】
B65D63/10 G
F16L3/137
H02G3/30
H02G1/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021085109
(22)【出願日】2021-05-20
(71)【出願人】
【識別番号】518133201
【氏名又は名称】富士通クライアントコンピューティング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 和紀
(72)【発明者】
【氏名】立神 一樹
【テーマコード(参考)】
3E085
3H023
5G352
5G363
【Fターム(参考)】
3E085BA22
3E085BB34
3E085BE04
3E085BE10
3E085BG01
3E085BG02
3H023AA04
3H023AB07
3H023AD08
5G352CH03
5G363BA01
5G363DA13
5G363DC08
(57)【要約】
【課題】ケーブルを任意の拘束方法で容易に束ねることができるケーブルクランプを得る。
【解決手段】ケーブルクランプは、フック状の突起を有する第一面と、前記突起が引っかかることで前記第一面に付着可能な第二面と、のうち少なくとも一方が設けられた面ファスナーを有する拘束部と、前記拘束部に設けられた変形可能な棒状の金属部材と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フック状の突起を有する第一面と、前記突起が引っかかることで前記第一面に付着可能な第二面と、のうち少なくとも一方が設けられた面ファスナーを有する拘束部と、
前記拘束部に設けられた変形可能な棒状の金属部材と、
を備えるケーブルクランプ。
【請求項2】
前記面ファスナーは、前記第一面と、前記第一面の反対側に位置する第二面と、を有する、
請求項1に記載のケーブルクランプ。
【請求項3】
前記金属部材は、前記拘束部に内在している請求項1または2に記載のケーブルクランプ。
【請求項4】
前記拘束部に設けられ、他の物に前記拘束部を取り付けることが可能な、固定部材、
をさらに備える請求項1~3のいずれか1項に記載のケーブルクランプ。
【請求項5】
前記固定部材は、前記拘束部から取り外し可能に設けられた、
請求項4に記載のケーブルクランプ。
【請求項6】
前記拘束部は、当該拘束部の内部で前記金属部材が収容された内部空間と、前記内部空間と前記拘束部の外部とを連通するとともに前記金属部材が通過可能な開口部と、が設けられる、
請求項5に記載のケーブルクランプ。
【請求項7】
前記面ファスナーは、内部に前記内部空間が設けられた収容部と、前記収容部の長手方向の端部から延びる閉塞部と、を有し、
前記開口部は、前記収容部の長手方向の端部に設けられ、
前記閉塞部は、前記開口部を覆うように折り曲げられた状態で前記第一面と前記第二面との付着により前記収容部に固定されることが可能である、
請求項6に記載のケーブルクランプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケーブルクランプに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パーソナルコンピューター(PC)のような電子機器に、マウスのような周辺機器が有線で接続される。当該周辺機器のケーブルのうち、余分な部分を束ねるため、合成樹脂材のような単一材料により形成されたケーブルクランプが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007-89364号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のケーブルクランプでは、束ねるケーブルのサイズや本数によってはケーブルクランプの長さ不足又は拘束力不足が原因で束ねることが困難であったり、ケーブルクランプが外れてしまったりする虞がある。また、束ねたケーブル及びケーブルクランプにより作業スペースが占有されてしまうことがある。
【0005】
本発明が解決する課題の一例は、ケーブルを任意の拘束方法で容易に束ねることができるケーブルクランプを得ることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1態様に係るケーブルクランプは、フック状の突起を有する第一面と、前記突起が引っかかることで前記第一面に付着可能な第二面と、のうち少なくとも一方が設けられた面ファスナーを有する拘束部と、前記拘束部に設けられた変形可能な棒状の金属部材と、を備える。
【0007】
前記ケーブルクランプでは、前記面ファスナーは、前記第一面と、前記第一面の反対側に位置する第二面と、を有する。
【0008】
前記ケーブルクランプでは、前記金属部材は、前記拘束部に内在している。
【0009】
前記ケーブルクランプは、前記拘束部に設けられ、他の物に前記拘束部を取り付けることが可能な、固定部材、をさらに備える。
【0010】
前記ケーブルクランプでは、前記固定部材は、前記拘束部から取り外し可能に設けられる。
【0011】
前記ケーブルクランプでは、前記拘束部は、当該拘束部の内部で前記金属部材が収容された内部空間と、前記内部空間と前記拘束部の外部とを連通するとともに前記金属部材が通過可能な開口部と、が設けられる。
【0012】
前記ケーブルクランプでは、前記面ファスナーは、内部に前記内部空間が設けられた収容部と、前記収容部の長手方向の端部から延びる閉塞部と、を有し、前記開口部は、前記収容部の長手方向の端部に設けられ、前記閉塞部は、前記開口部を覆うように折り曲げられた状態で前記第一面と前記第二面との付着により前記収容部に固定されることが可能である。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係るケーブルクランプによれば、ケーブルを任意の拘束方法で容易に束ねることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、第1実施形態のケーブルクランプの斜視図である。
図2図2は、第1実施形態のケーブルを拘束するケーブルクランプの平面図である。
図3図3は、第2実施形態のケーブルクランプの側面図である。
図4図4は、第3実施形態のケーブルを拘束するケーブルクランプの平面図である。
図5図5は、第3実施形態のケーブルを拘束するケーブルクランプの側面図である。
図6図6は、第4実施形態のケーブルクランプの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(実施形態)
以下、実施形態に係るケーブルクランプを図面に基づいて説明する。以下に記載する実施形態の構成、並びに当該構成によってもたらされる作用及び結果(効果)は、あくまで一例であって、以下の記載内容に限られるものではない。
【0016】
また、以下に開示される複数の実施形態には、同様の構成要素が含まれる。よって、以下では、それら同様の構成要素には共通の符号が付与されるとともに、重複する説明が省略される。なお、本明細書では、序数は、部品や部材を区別するためだけに用いられており、順番や優先度を示すものではない。
【0017】
<第1実施形態>
図1は、本実施形態にかかるケーブルクランプ1の斜視図である。ケーブルクランプ1は、例えば、パーソナルコンピューターのような電子機器に、有線で接続されたマウス及びACアダプタのような周辺機器のケーブルを束ねるための装置である。なお、ケーブルクランプ1は、他の用途に用いられても良い。
【0018】
図1に示すように、本実施形態におけるケーブルクランプ1は、拘束部11と、二本の針金12と、二つのアタッチメント13と、を備える。なお、針金12は金属部材の一例であり、アタッチメント13は固定部材の一例である。
【0019】
拘束部11は、矩形の帯状の面ファスナー111を有する。面ファスナー111は、複数のフック状の突起を有する第一面111Aと、複数のフック状の突起を引っかけるための第二面111Bと、のうち少なくとも一方が設けられている。
【0020】
第二面111Bは、第一面111Aの複数のフック状の突起が引っかかることで第一面111Aに付着可能である。例えば、第二面111Bには、フック状の突起が引っかかる複数のループ状の突起が設けられる。また、第一面111Aと第二面111Bとに、互いに引っかかることが可能な複数のフック状の突起が設けられても良い。
【0021】
本実施形態では、一例として、面ファスナー111は、第一面111Aと第二面111Bとの両方を有している。第二面111Bは、第一面111Aの反対側に位置する。この場合、拘束部11の面ファスナー111は、ケーブルにループ状に巻き付けられることで、当該ケーブルを拘束することができる。
【0022】
面ファスナー111は、同一面上に第一面111Aと第二面111Bとの両方を有しても良い。また、面ファスナー111は、一つの第一面111Aと、当該第一面111Aの反対側に位置するもう一つの第一面111Aを有しても良い。同様に、面ファスナー111は、一つの第二面111Bと、当該第二面111Bの反対側に位置するもう一つの第二面111Bとを有しても良い。また、面ファスナー111は、第一面111A又は第二面111Bを有し、当該面の反対側に第一面111A及び第二面111Bと異なる面を有しても良い。
【0023】
針金12は、ケーブルクランプ1の長手方向に沿って延びた変形可能な棒状(線状)の金属部材であり、拘束部11に内在している。すなわち、針金12は、拘束部11に設けられている。なお、本実施形態では、拘束部11の幅方向の両端に二本の針金12が内在しているが、針金12の本数、直径、及び位置は適宜変更されても良い。例えば、針金12は、拘束部11の外に位置しても良い。
【0024】
針金12の長さは、例えば、拘束部11の長さと同等、又は若干短く設定される。針金12は、拘束部11の長手方向の一方の端部から他方の端部まで延びている。なお、針金12の長さは、この例に限られず、適宜変更されても良い。
【0025】
針金12は、拘束部11の変形に合わせて、拘束部11と同様の形状に変形する。例えば、拘束部11がケーブルを拘束している時、針金12は拘束部11の拘束力を向上させるために、拘束部11の内部において、同様にケーブルに巻き付く。
【0026】
アタッチメント13は、拘束部11に設けられ、他の物に拘束部11を取り付けることが可能である。複数のアタッチメント13は、例えば、拘束部11の長手方向の両端にそれぞれ設けられている。本実施形態において、一方のアタッチメント13は、フック状の突起を有し、他方のアタッチメント13は、リングを有する。アタッチメント13は、例えば、壁のフックに引っかけられることで、ケーブルを拘束した拘束部11を壁に固定することが可能である。
【0027】
アタッチメント13には、例えば、磁石であっても良い。磁石であるアタッチメント13は、磁力によってケーブルを拘束した拘束部11を他の磁性体に貼り付けることができる。また、複数のアタッチメント13が拘束部11に設けられても良いし、アタッチメント13のサイズは変更可能である。
【0028】
また、アタッチメント13は、例えばループであっても良い。ループであるアタッチメント13は、他の物から突出した突起に当該ループを通すことで、ケーブルを拘束した拘束部11を当該物に固定することができる。
【0029】
アタッチメント13は、直接的に拘束部11に設けられても良いし、リングのような他の部品を介して設けられても良い。本実施形態では、アタッチメント13は、拘束部11の端部に直接的に取り付けられている。
【0030】
例えば、拘束部11の面ファスナー111が、アタッチメント13に巻き付けられた状態で縫い留められる。これにより、アタッチメント13が拘束部11に設けられる。なお、アタッチメント13の取付方法は、この例に限られない。
【0031】
図2は、本実施形態にかかるケーブルB1、B2を拘束するケーブルクランプ1の平面図である。図2に示すように、ケーブルクランプ1は、例えば、パーソナルコンピューターAに接続された複数のケーブルB1とB2を同時に拘束可能である。
【0032】
本実施形態においてパーソナルコンピューターAに有線接続されたケーブルB1、B2を拘束する場合、ケーブルクランプ1は、例えば、ケーブルB1、B2の延長方向に対して交差するように配置される。そして、拘束部11がケーブルB1、B2に対して螺旋状に巻き付けられることで、ケーブルクランプ1は、ケーブルB1、B2を拘束する。
【0033】
拘束部11の拘束を解除する際は、例えば、前記の作業と逆の手順が行われる。なお、拘束部11の端部は、面ファスナー111の第一面111Aと第二面111Bとを互いに付着させ固定されても良いし、拘束部11は両端に設けられたアタッチメント13を互いに嵌合させ固定されても良い。
【0034】
また、図2に示すように、ケーブルクランプ1は、ケーブルB1を拘束部11の巻き目の隙間に通し、ケーブルB2に対して拘束部11を巻き付けることで、ケーブルB1とケーブルB2を分岐して拘束することも可能である。
【0035】
以上のように、ケーブルクランプ1の拘束部11は、複数のフック状の突起を有する第一面111Aと、複数のフック状の突起を引っかけるための第二面111Bと、のうち少なくとも一方が設けられた面ファスナー111を有する。そして、針金12は、拘束部11に設けられている。
【0036】
本実施形態のケーブルクランプ1の拘束部11がケーブルを拘束する場合、例えば、ケーブルクランプ1は、拘束部11がケーブルに巻き付けられ、針金12が拘束部11の形状を保持することでケーブルを拘束することができる。
【0037】
また、本実施形態では、拘束部11の面ファスナー111が第一面111A及び第二面111Bを有する場合、ケーブルクランプ1の拘束部11は、第一面111Aと第二面111Bとが互いに付着することによりケーブルを拘束することができる。
【0038】
また、本実施形態では、ケーブルクランプ1は、拘束部11に設けられた針金12によってケーブルを拘束できるため、ケーブル配置を任意に固定し易い。例えば、ケーブルクランプ1は、ケーブルが机の上から落下したり、キーボード上に乗り上げたりしないように、ケーブルの配置を固定することができる。
【0039】
また、例えば、ケーブルクランプ1は、針金12が拘束部11をケーブルに巻き付けられた形状に保持できるため、拘束部11が複数のケーブルを拘束する場合、一部のケーブルを巻き付けられた拘束部11の巻き目の隙間から分岐して拘束することもできる。
【0040】
また、例えば、ケーブルクランプ1は、面ファスナー111及び針金12の両方によってケーブルを拘束することができるため、反発するケーブルがケーブルクランプ1による拘束から外れてしまうことを抑制できる。従って、本実施形態のケーブルクランプ1は、ケーブルを任意の拘束方法で容易に束ねることができる。
【0041】
また、本実施形態の面ファスナー111は、第一面111Aと、第一面111Aの反対側に第二面111Bとを有する。これにより、面ファスナー111は、第一面111Aと第二面111Bで互いに付着可能となり、第一面111Aと第二面111Bとが互いに付着することによりケーブルを拘束することができる。また、面ファスナー111は、同様の構成の面ファスナー111が貼り付けられることで長さを延長することができる。従って、ケーブルクランプ1の拘束部11は、長さを自由に調整でき、様々なサイズのケーブルを拘束することが可能である。
【0042】
また、例えば、針金12が拘束部11の外部に露出している場合、針金12は面ファスナー111の第一面111Aと第二面111Bとの付着を妨げる虞がある。対して、本実施形態の針金12は、拘束部11に内在している。従って、ケーブルクランプ1は、針金12が面ファスナー111の第一面111Aと第二面111Bとの付着を妨げることを虞が抑制でき、ケーブルを拘束する力の低下を抑制できる。
【0043】
ケーブルクランプ1は、拘束部11に設けられ、当該拘束部11に他の物を取り付けることが可能なアタッチメント13を備える。例えば、アタッチメント13は、ケーブルを拘束した拘束部11を壁に取り付けることができる。これにより、ケーブルクランプ1は、作業スペースを占有してしまうことを抑制できる。
【0044】
<第2実施形態>
図3に示される第2実施形態のケーブルクランプ1Aは、前記第1実施形態のケーブルクランプ1と同様の構成を備えている。よって、第2実施形態によっても、前記第1実施形態と同様の構成に基づく効果が得られる。ただし、第2実施形態では、例えば、拘束部11の両端にアタッチメント13は設けられていない。
【0045】
図3は、本実施形態にかかるケーブルクランプ1Aの側面図である。図3に示すように、ケーブルクランプ1Aは、複数の面ファスナー111を有しても良い。この場合、一つの面ファスナー111の第一面111Aと、他方の面ファスナー111の第二面111Bは互いに付着する。
【0046】
以上のように、第2実施形態の複数の面ファスナー111は、第1実施形態と同じく、第一面111Aと、第一面111Aの他方の面に第二面111Bを有する。これにより、複数の面ファスナー111は、第一面111Aと第二面111Bで互い付着可能となり、第一面111Aと第二面111Bとが互いに付着することによりケーブルを拘束することができる。
【0047】
また、第2実施形態のケーブルクランプ1Aは、第1実施形態と同じく、例えば、複数の面ファスナー111同士を貼り付けることで、拘束部11の長さを延長することができる。従って、ケーブルクランプ1Aの拘束部11は、長さを自由に調整でき、様々なサイズのケーブルを拘束することが可能である。
【0048】
<第3実施形態>
図4、5に示される第3実施形態のケーブルクランプ1Bは、第1及び第2実施形態のケーブルクランプ1、1Aと同様の構成を備えている。よって、第3実施形態によっても、前記第1実施形態及び第2実施形態と同様の構成に基づく効果が得られる。
【0049】
ただし、第3実施形態では、図4に示すように、前記第2実施形態と同様の構成に加えて、例えば、アタッチメント13として、穴4が開いた面ファスナー111Cが拘束部11の面ファスナー111に付着している。また、例えば、図5に示すように、フック状の突起を有するアタッチメント13に設けられた短冊状の固定用面ファスナー111Dが、拘束部11の面ファスナー111に付着している。
【0050】
図4は、本実施形態にかかるケーブルを拘束するケーブルクランプ1Bの平面図である。図4に示すように、ケーブルBを拘束した状態のケーブルクランプ1Bの拘束部11の面ファスナー111に、穴4が開いた面ファスナー111Cがアタッチメント13として付着している。すなわち、アタッチメント13としての面ファスナー111Cは、拘束部11から取り外し可能に、拘束部11に設けられている。
【0051】
本実施形態のケーブルクランプ1Bは、例えば、虫ピンを穴4に通して壁に刺すことで、ケーブルBを束ねた拘束部11を壁に固定される。これにより、ケーブルクランプ1Bは、作業スペースを占有してしまうことを抑制できる。
【0052】
以上のように、ケーブルクランプ1Bは、拘束部11に設けられるアタッチメント13を有する。アタッチメント13は、当該拘束部11を、他の物に取り付けることが可能である。
【0053】
なお、本実施形態では、穴4が開いた面ファスナー111Cは、拘束部11に面ファスナー111による付着で固定されているが、例えば、面ファスナー111に縫い付けられていても良い。
【0054】
図5は、本実施形態にかかるケーブルを拘束するケーブルクランプ1Bの側面図である。図5に示すように、アタッチメント13は、フック状の突起131と、取付部132とを有する。アタッチメント13の取付部132に、短冊状の固定用面ファスナー111Dが設けられる。固定用面ファスナー111Dは、ケーブルBを拘束した状態のケーブルクランプ1Bの拘束部11の面ファスナー111に付着している。すなわち、アタッチメント13は、拘束部11に取り外し可能に設けられている。
【0055】
これにより、アタッチメント13の突起131がフックや窪みに引っかけられることで、拘束部11が作業スペースから落下することを防止できる。
【0056】
固定用面ファスナー111Dの一方の端部は、アタッチメント13の取付部132に縫い合わせ又は他の方法により接合されている。固定用面ファスナー111Dは、第一面111Aと、当該第一面111Aの反対側に位置する第二面111Bとを有し、拘束部11の面ファスナー111と互いに付着可能である。
【0057】
これにより、短冊状の固定用面ファスナー111Dが設けられているアタッチメント13は、自由に変更可能である。また、拘束部11に取り付けられるアタッチメント13は、取り付ける数、種類、及びサイズを用途に合わせて選択できる。
【0058】
なお、本実施形態では、穴4が開いた面ファスナー111C及び固定用面ファスナー111Dに針金12は内在していないが、用途に合わせて、針金12が内在していても良い。また、固定用面ファスナー111Dの形状は拘束部11の面ファスナー111に付着できる形状であれば、どのような形状をしていても良い。
【0059】
<第4実施形態>
図6に示される第4実施形態のケーブルクランプ1Cは、前記第1、第2及び第3実施形態のケーブルクランプ1、1A、1Bと同様の構成を備えている。よって、第4実施形態によっても、前記第1実施形態、第2実施形態及び第3形態と同様の構成に基づく効果が得られる。ただし、第2実施形態では、例えば、拘束部11の両端にアタッチメント13は設けられていない。
【0060】
また、第4実施形態では、拘束部11の内部に針金12が収容された内部空間2が設けられるとともに、内部空間2と拘束部11の外部とを連通するとともに針金12が通過可能な開口部3が拘束部11に設けられる。さらに、面ファスナー111は、前記内部空間2が設けられた収容部21と、前記収容部21の長手方向の端部から延びる二つの閉塞部22を有する。
【0061】
図6は、本実施形態にかかるケーブルクランプ1Cの断面図である。図6に示すように、本実施形態の面ファスナー111は、重ねられた二枚の面ファスナー111を含む。二枚の面ファスナー111は、例えば、当該面ファスナー111の幅方向における両端部において、互いに縫い合わせ又は他の方法により接合されている。これにより、二枚の面ファスナー111の間に、内部空間2が設けられる。接合された二枚の面ファスナー111を一体の面ファスナー111とすれば、面ファスナー111の内部に内部空間2が設けられる。
【0062】
二枚の面ファスナー111はそれぞれ、第一面111Aと、当該第一面111Aの反対側に位置する第二面111Bとを有する。二枚の面ファスナー111は、第一面111Aと第二面111Bとが向かい合うように重ねられている。なお、面ファスナー111は、この例に限られない。
【0063】
二枚の面ファスナー111は、当該面ファスナー111の長手方向における両端部においては、接合されていない。このため、開口部3は収容部21の長手方向の端部に設けられる。
【0064】
一方の閉塞部22は、端部の両面が第一面111Aとなるように形成される。また、他方の閉塞部22は、端部の両面が第二面111Bとなるように形成される。例えば、閉塞部22の端部は、折り曲げられた状態で縫い合わせ又は他の方法により接合される。なお、閉塞部22は、この例に限られない。
【0065】
閉塞部22は、開口部3を覆うように折り曲げられることで、面ファスナー111の第一面111Aと第二面111Bとの付着により、収容部21に固定されることが可能である。例えば、第一面111Aを有する閉塞部22は、開口部3を覆うように折り曲げられ、収容部21の第二面111Bに付着する。また、第二面111Bを有する閉塞部22は、開口部3を覆うように折り曲げられ、収容部21の第一面111Aに付着する。
【0066】
収容部21は、開口部3を通して一つ又は複数の針金12を収容可能である。収容部21に針金12が収容された後は、閉塞部22が折り曲げられて開口部3を塞ぐことで、針金12が外部に飛び出すことを防ぐ。
【0067】
以下、図6を参照して、本実施形態のケーブルクランプ1Cに内在する針金12の本数を調整する手順について説明する。
【0068】
図6の二点鎖線で示すように、閉塞部22が折り曲げられることで、収容部21に設けられた開口部3を開閉する。開口部3が開いた状態で、二枚の面ファスナー111同士を剥離させる。露出した内部空間2に複数の針金12が配置された後、面ファスナー111同士が付着させられ、露出した内部空間2を隠す。そして、閉塞部22が折り曲げられて、開口部3を閉じる。
【0069】
以上のように、ケーブルクランプ1Cの拘束部11の内部に針金12が収容された内部空間2と、内部空間2と拘束部11の外部とを連通するとともに針金12が通過可能な開口部3が設けられる。
【0070】
本実施形態のケーブルクランプ1Cは、例えば、拘束部11に内在する針金12を自由に出し入れ可能となる。従って、ケーブルクランプ1Cは、針金12の本数を自由に変更し、ケーブルクランプの拘束力を調整することができる。
【0071】
また、面ファスナー111は、内部に内部空間2が設けられた収容部21と、収容部21の長手方向の端部から延びる閉塞部22とを有する。開口部3は、収容部21の長手方向の端部に設けられる。閉塞部22は、開口部3を覆うように折り曲げられた状態で第一面111Aと第二面111Bとの付着により収容部21に固定されることが可能である。これにより、閉塞部22は、収容部21に収容された針金12が外部に飛び出すことを防ぐことができる。
【0072】
以上、本発明の実施形態を説明したが、上記実施形態はあくまで一例であって、発明の範囲を限定することは意図していない。上記実施形態は、その他様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、組み合わせ、変更を行うことができる。また、各構成や、形状、等のスペック(構造や、種類、方向、形式、大きさ、長さ、幅、厚さ、高さ、数、配置、位置、材質等)は、適宜に変更して実施することができる。
【符号の説明】
【0073】
1 ケーブルクランプ
11 拘束部
111 面ファスナー
111A 第一面
111B 第二面
12 針金(金属部材)
13 アタッチメント(固定部材)
2 内部空間
21 収容部
22 閉塞部
3 開口部
図1
図2
図3
図4
図5
図6