(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022178361
(43)【公開日】2022-12-02
(54)【発明の名称】段ボールシートの製造装置、段ボールシートの製造方法、および、段ボール原紙の管理のためのプリンタ
(51)【国際特許分類】
B31F 1/00 20060101AFI20221125BHJP
【FI】
B31F1/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021085116
(22)【出願日】2021-05-20
(71)【出願人】
【識別番号】521219420
【氏名又は名称】松本 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100115510
【弁理士】
【氏名又は名称】手島 勝
(72)【発明者】
【氏名】松本 拓也
【テーマコード(参考)】
3E078
【Fターム(参考)】
3E078AA20
3E078BB03
3E078CE08X
(57)【要約】
【課題】使用途中の原紙ロール(段ボール原紙)の管理を効率的に行うことができる段ボールシート製造装置を提供する。
【解決手段】本発明の段ボールシート製造装置500は、シングルフェーサ装置501と、ダブルフェーサ装置503とを備え、中芯104のための第1原紙ロール10Aと、ライナ102を含む第2原紙ロール10Bと、他のライナ103を含む第3原紙ロール10Cの少なくとも一つの原紙ロール10の側面13において、原紙ロール10を特定するバーコード25を印刷する原紙管理プリンタ100を備えている。原紙管理プリンタ100は、原紙ロール10のバーコード75をスキャンするスキャナ部32と、原紙ロール10の側面13にバーコード25を印刷する印刷部30とから構成されている。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
段ボールシートを製造する段ボールシート製造装置であって、
段が形成された中芯とライナとを貼り合わせて片面段ボールシートを作製するシングルフェーサ装置と、
片面段ボールシートに他のライナを貼り合わせて両面段ボールシートを作製するダブルフェーサ装置と
を備え、
さらに、前記中芯を作製する第1原紙シートを含む第1原紙ロールと、前記ライナを含む第2原紙ロールと、前記他のライナを含む第3原紙ロールの少なくとも一つの原紙ロールの側面において、当該原紙ロールを特定するバーコードを印刷する原紙管理プリンタを備えており、
前記原紙管理プリンタは、
前記少なくとも一つの原紙ロールに貼り付けされていたバーコードをスキャンするスキャナ部と、
前記スキャナ部によって読み取られた前記バーコードのデータに基づいて、少なくとも一つの原紙ロールの側面に前記バーコードを印刷する印刷部と
から構成されている、段ボールシート製造装置。
【請求項2】
前記原紙管理プリンタは、前記第1原紙ロールと、第2原紙ロールと、前記第3原紙ロールとのいずれの原紙ロールの側面において前記バーコードを印刷するプリンタであり、
前記原紙管理プリンタは、前記原紙ロールの側面に印刷する際に前記原紙管理プリンタを把持して固定する把持部を備えており、
前記原紙管理プリンタによって前記バーコードは、前記原紙ロールの側面における芯部の近傍の領域に印刷されるものである、請求項1に記載の段ボールシート製造装置。
【請求項3】
前記原紙管理プリンタにおける前記印刷部は、インクジェットヘッドを備えており、
前記原紙管理プリンタは、さらに、原紙管理を行う段ボール原紙管理システムと通信する通信部を備えている、請求項1または2に記載の段ボールシート製造装置。
【請求項4】
段ボールシートを製造する段ボールシートの製造方法であって、
段ボールシートの原紙が巻かれた原紙ロールを用意する工程と、
前記原紙ロールに貼り付けされているバーコードを、スキャナで読み取る工程と、
前記スキャナで読み取った前記バーコードを、前記原紙ロールの側面に印刷する工程と
を含む、製造方法。
【請求項5】
前記スキャナで読み取る工程および前記印刷する工程は、スキャナ付きプリンタで実行され、
前記原紙ロールの側面に印刷する工程において、前記バーコードは、前記原紙ロールの側面における芯部の近傍の領域に印刷され、
前記芯部の近傍の領域は、前記原紙ロールの半径の半分の位置から中心部に向かう領域である、請求項4に記載の製造方法。
【請求項6】
前記印刷する工程の後、さらに、
前記バーコードが印刷された前記原紙ロールを、段ボールシートを製造する製造ラインに投入する工程を実行し、
その後、使用途中の前記原紙ロールを倉庫に戻す工程を実行し、
前記スキャナ付きプリンタは、データを送受信する通信機能を有しており、
前記戻す工程において、使用途中の前記原紙ロールにおける前記バーコードをスキャンする工程を実行し、そして、前記使用途中の前記原紙ロールの情報データを、原紙管理システムのためのコンピュータに送信することを実行する、請求項5の何れか一つに記載の製造方法。
【請求項7】
段ボールシートを製造するための段ボール原紙の管理方法であって、
段ボールシートの原紙が巻かれた原紙ロールに表示されているバーコードを、スキャナで読み取る工程と、
前記スキャナで読み取った前記バーコードを、前記原紙ロールの側面に印刷する工程と、
使用途中の前記原紙ロールを倉庫に戻す際に、当該使用途中の前記原紙ロールにおける前記バーコードをスキャンする工程と
を含む、段ボール原紙の管理方法。
【請求項8】
前記スキャナで読み取る工程および前記印刷する工程は、スキャナ付きプリンタで実行され、
前記原紙ロールの側面に印刷する工程において、前記バーコードは、前記原紙ロールの側面における芯部の近傍の領域に印刷され、
前記芯部の近傍の領域は、前記原紙ロールの半径の半分の位置から中心部に向かう領域である、請求項7に記載の段ボール原紙の管理方法。
【請求項9】
段ボール原紙の管理のためのプリンタであって、
原紙ロールに貼り付けされていたバーコードをスキャンするスキャナ部と、
記スキャナ部によって読み取られた前記バーコードのデータに基づいて、前記原紙ロールの側面に前記バーコードを印刷する印刷部と
を備えている、プリンタ。
【請求項10】
前記プリンタは、前記原紙ロールの側面に印刷する際に前記プリンタを把持して固定する把持部を備えており、
前記プリンタにおける前記印刷部は、インクジェットヘッドを備えており、
前記プリンタは、さらに、原紙管理を行う段ボール原紙管理システムと通信する通信部を備えている、請求項9に記載のプリンタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、段ボールシートの製造装置、段ボールシートの製造方法、および、段ボールシート原紙の管理のためのプリンタに関する。特に、段ボールシート製造において、使用途中の段ボール原紙の管理を効率的に行うことができる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、段ボールシート製造装置(所謂コルゲータ)によって製造された段ボールシートの生産情報などを管理することが行われている(例えば、特許文献1)。近年、コルゲータによって製造される段ボールシートについて、中芯原紙とライナとの糊による貼合の状態や、スリッタやカッタ装置による加工寸法の精度等に関して、一層高い水準の品質管理が要望されている。そのような背景から、コルゲータによって製造された段ボールシートを箱に加工する製函工程や、さらにその後、製造された箱がエンドユーザーに利用される場面において、1枚1枚の段ボールシートがコルゲータによって製造されたときの情報を照合可能とすることが望まれている。すなわち、トレーサビリティを確保することが望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、段ボールシートの製造工程おいて、個体識別情報を1枚1枚の段ボールシートに対して適切に印刷する段ボールシート製造装置が開示されている。具体的には、カッタ装置の下流側の位置において、段ボールシートに個体識別情報を印刷する印刷装置が設けられており、その印刷装置によって、個体識別情報を1枚1枚の段ボールシートに印刷する。
【0005】
本願発明者は、1枚1枚の段ボールシートのトレーサビリティの問題でなく、段ボールシートの製造工程における段ボールシート原紙(段ボール原紙)の管理について検討をしていた。さらに説明すると、段ボールシートを製造する際には、ロール状の原紙(段ボール原紙)を用いるが、段ボール原紙は、工場(段ボールシートの製造工場)に搬入(入庫)される時には、段ボール原紙の外側を覆うカバー(被覆紙)に各原紙を特定するバーコードシールが貼られていて、その各原紙のバーコードをスキャンすることで容易に特定することができる。一方で、工場で原紙を使用している途中に、他の原紙に入れ替える時には、その使用途中の原紙(半端な原紙)を倉庫に戻すことになる。この時には、もうカバー(被覆紙)は外されていてバーコードシールも付いていない。それゆえに、現状では、その使用途中の原紙(半端な原紙)に手書きで、人が認識できる文字を書いて、それによって、使用途中の原紙(半端な原紙)を特定している。
【0006】
これが現状であるので、それについて特に問題を感じている人がいなかったが、本願発明者はこれでは、手書きの文字の書き間違いがあったら使用途中の原紙の特定が困難になるとともに、手書きの文字を正確に書いたとしてもコンピュータ管理に向いていないことに気づいた。そのような中、本願発明者は鋭意検討する中、使用途中の段ボール原紙の管理を効率的に行うことができる技術を思いつき、本発明を想到するに至った。
【0007】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、使用途中の段ボール原紙の管理を効率的に行うことができる段ボールシート製造装置、段ボールシート製造方法、および、段ボール原紙の管理のためのプリンタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る段ボールシート製造装置は、段ボールシートを製造する段ボールシート製造装置であり、段が形成された中芯とライナとを貼り合わせて片面段ボールシートを作製するシングルフェーサ装置と、片面段ボールシートに他のライナを貼り合わせて両面段ボールシートを作製するダブルフェーサ装置とを備えている。さらに、前記中芯を作製する第1原紙シートを含む第1原紙ロールと、前記ライナを含む第2原紙ロールと、前記他のライナを含む第3原紙ロールの少なくとも一つの原紙ロールの側面において、当該原紙ロールを特定するバーコードを印刷する原紙管理プリンタを備えている。前記原紙管理プリンタは、前記少なくとも一つの原紙ロールに貼り付けされていたバーコードをスキャンするスキャナ部と、前記スキャナ部によって読み取られた前記バーコードのデータに基づいて、少なくとも一つの原紙ロールの側面に前記バーコードを印刷する印刷部とから構成されている。
【0009】
ある好適な実施形態において、前記原紙管理プリンタは、前記第1原紙ロールと、第2原紙ロールと、前記第3原紙ロールとのいずれの原紙ロールの側面において前記バーコードを印刷するプリンタである。前記原紙管理プリンタは、前記原紙ロールの側面に印刷する際に前記原紙管理プリンタを把持して固定する把持部を備えている。前記原紙管理プリンタによって前記バーコードは、前記原紙ロールの側面における芯部の近傍の領域に印刷されるものである。
【0010】
ある好適な実施形態では、前記原紙管理プリンタにおける前記印刷部は、インクジェットヘッドを備えている。前記原紙管理プリンタは、さらに、原紙管理を行う段ボール原紙管理システムと通信する通信部を備えている。
【0011】
本発明に係る段ボールシートの製造方法は、段ボールシートを製造する段ボールシートの製造方法であり、段ボールシートの原紙が巻かれた原紙ロールを用意する工程と、前記原紙ロールに貼り付けされているバーコードを、スキャナで読み取る工程と、前記スキャナで読み取った前記バーコードを、前記原紙ロールの側面に印刷する工程とを含む。
【0012】
ある好適な実施形態において、前記スキャナで読み取る工程および前記印刷する工程は、スキャナ付きプリンタで実行される。前記原紙ロールの側面に印刷する工程において、前記バーコードは、前記原紙ロールの側面における芯部の近傍の領域に印刷され、前記芯部の近傍の領域は、前記原紙ロールの半径の半分の位置から中心部に向かう領域である。
【0013】
ある好適な実施形態では、前記印刷する工程の後、さらに、前記バーコードが印刷された前記原紙ロールを、段ボールシートを製造する製造ラインに投入する工程を実行する。その後、使用途中の前記原紙ロールを倉庫に戻す工程を実行する。前記スキャナ付きプリンタは、データを送受信する通信機能を有しており、前記戻す工程において、使用途中の前記原紙ロールにおける前記バーコードをスキャンする工程を実行し、そして、前記使用途中の前記原紙ロールの情報データを、原紙管理システムのためのコンピュータに送信することを実行する。
【0014】
本発明に係る管理方法は、段ボールシートを製造するための段ボール原紙の管理方法であり、段ボールシートの原紙が巻かれた原紙ロールに表示されているバーコードを、スキャナで読み取る工程と、前記スキャナで読み取った前記バーコードを、前記原紙ロールの側面に印刷する工程と、使用途中の前記原紙ロールを倉庫に戻す際に、当該使用途中の前記原紙ロールにおける前記バーコードをスキャンする工程とを含む。
【0015】
ある好適な実施形態において、前記スキャナで読み取る工程および前記印刷する工程は、スキャナ付きプリンタで実行される。前記原紙ロールの側面に印刷する工程において、前記バーコードは、前記原紙ロールの側面における芯部の近傍の領域に印刷される。前記芯部の近傍の領域は、前記原紙ロールの半径の半分の位置から中心部に向かう領域である。
【0016】
本発明に係るプリンタは、段ボール原紙の管理のためのプリンタであり、原紙ロールに貼り付けされていたバーコードをスキャンするスキャナ部と、記スキャナ部によって読み取られた前記バーコードのデータに基づいて、前記原紙ロールの側面に前記バーコードを印刷する印刷部とを備えている。
【0017】
ある好適な実施形態において、前記プリンタは、前記原紙ロールの側面に印刷する際に前記プリンタを把持して固定する把持部を備えている。前記プリンタにおける前記印刷部は、インクジェットヘッドを備えている。前記プリンタは、さらに、原紙管理を行う段ボール原紙管理システムと通信する通信部を備えている。
【0018】
ある実施形態における製品の管理方法は、外包装に表示されているバーコードを、スキャナで読み取る工程と、前記スキャナで読み取った前記バーコードを、前記外包装の中身である製品の一部に印刷する工程とを含む。前記スキャナで読み取る工程および前記印刷する工程は、スキャナ付きプリンタで実行される。
【0019】
ある実施形態における管理のためのプリンタは、外包装に表示されているバーコードをスキャンするスキャナ部と、前記スキャナ部によって読み取られた前記バーコードのデータに基づいて、前記外包装の中身である製品の一部にバーコードを印刷する印刷部とを備えている。前記プリンタにおける前記印刷部は、インクジェットヘッドを備えている。前記プリンタは、さらに、管理システムと通信する通信部を備えている。
【発明の効果】
【0020】
本発明では、スキャナ部が設けられた原紙管理プリンタによって、原紙ロールに貼り付けされているバーコードをスキャナ部で読み取って、そのバーコードを原紙ロールの側面に印刷することができる。したがって、使用途中の原紙を倉庫に戻す時でも、その原紙ロールを特定するバーコードが原紙ロールの側面に印刷されているので、その原紙ロールを再度使用する時にバーコードをスキャンすると原紙ロールの特定が完了する。また、原紙ロールの側面にバーコードが印刷されているので、その原紙ロールを使用しても問題が生じないし、再度倉庫に戻すことも可能である。また、使用途中の原紙ロールに手書きで識別文字を書いて管理するよりも、使用途中の原紙ロールの管理が大幅に正確かつ簡便になる。その結果、本発明によれば、使用途中の原紙ロール(段ボール原紙)の管理を効率的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の実施形態に係る段ボール原紙の管理方法を説明するためのフローチャートである。
【
図2】段ボール原紙管理システムの管理画面50の一例を示す図である。
【
図3】段ボール原紙(原紙ロール)を特定するバーコード75が表示されたラベル70を示す図である。
【
図4】段ボール原紙(原紙ロール)10を運搬車両90で搬送する様子を示す図である。
【
図5】段ボール原紙10にバーコード75が表示されている様子を示す図である。
【
図6】段ボール原紙10の側面13にバーコード25(75)を印刷した様子を示す図である。
【
図7】本発明の実施形態に係るプリンタ(原紙管理プリンタ)100の構成を説明するブロック図である。
【
図8】本発明の実施形態に係る段ボールシート製造装置500の構成を模式的に示す図である。
【
図9】本発明の実施形態に係る段ボールシートの製造方法を説明するためのフローチャートである。る。
【
図10】本発明の実施形態に係るプリンタ100の構成の一例を示す上面である。
【
図11】本発明の実施形態に係るプリンタ100の構成の一例を示す断面図(正面図)である。
【
図12】本発明の実施形態に係るプリンタ100の構成の一例を示す側面図(正面図)である。
【
図13】本発明の実施形態に係るプリンタ100の構成の一例を示す側面図である。
【
図14】本発明の実施形態に係る段ボール原紙管理プロセスの一例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本願発明者は、段ボールシート原紙(原紙ロール)の管理を行うにあたって、原紙ロールを覆うカバー(被覆紙)に貼られていたシール(バーコード付きのシール)が、工場に入ると無くなってしまうのが大きな問題ではないかと気づいた。そして、原紙ロールを特定するバーコードをスキャンして、そのスキャンしたバーコードを印刷できるプリンタを開発したら、原紙ロールの管理が一気に楽になることを思いついた。具体的には、原紙ロールの側面のうちの中心部付近に当該バーコードを印刷すれば、使用途中の原紙ロール(半端な原紙)を倉庫に戻しても(また、さらに工場に投入しても)、段ボール原紙(原紙ロール)の管理ができることに気づいた。また、原紙ロールの側面は、段ボールの完成品で使用しない箇所であるので、そこにバーコードを印刷しても何も問題にならない。そして、原紙ロールの側面のうちの中心部付近に当該バーコードを印刷することにより、原紙ロールを使い着るまでバーコードを利用することができて便利であることに気づき、本発明に至った。
【0023】
以下、図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態を説明する。以下の図面においては、説明の簡潔化のために、同じ作用を奏する部材、部位には同じ符号を付し、重複する説明は省略または簡略化することがある。また、各図における寸法関係(長さ、幅、厚さ等)は、必ずしも実際の寸法関係を正確に反映していない場合がある。また、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事項は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書及び図面によって開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施するこ
とができる。加えて、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
【0024】
図1は、本発明の実施形態に係る段ボール原紙の管理方法を説明するためのフローチャートである。また、
図2は、段ボール原紙管理システムの管理画面の一例を示している。そして、
図3は、段ボール原紙(原紙ロール)を特定するバーコード75が表示されたラベル70を示している。
【0025】
本発明の実施形態における段ボール原紙の管理方法は、段ボールシートを製造する段ボールシート製造方法の一部の工程である。本実施形態の段ボール原紙の管理方法は、まず、段ボールシートの原紙が巻かれた原紙ロールを用意した後、その原紙ロールに貼り付けされているバーコードを、スキャナで読み取り、次いで、その読み取ったバーコードを、原紙ロールの側面に印刷することによって行われる。以下、これについてさらに説明していく。
【0026】
図1に示すように、まず、段ボール原紙である原紙ロールを、段ボールシート製造工場の倉庫に搬入(入庫)する(工程S200)。
図2は、段ボール原紙管理システムの管理画面(50)の一例である。段ボール原紙(原紙ロール)の注文により、発注番号が付されて、原紙の発注が実行される。
【0027】
また、原紙の発注においては、
図3に示した発注を受けた原紙を特定する特定ラベル70が発行される。特定ラベル70は、シール用紙71から構成されており、そのシール用紙71には、原紙を特定するバーコード75が表示されている。また、シール用紙71には、バーコード75以外の情報(原紙の情報)も表示されている。なお、
図3に示したバーコード75は、ITF(インターリーブド2of5)のものであるが、それ以外のバーコード(例えば、JAN(EAN、UPC)、CODE39、CODE128、NW-7)でもよいし、二次元バーコード(例えば、QRコード(登録商標))であってもよい。
【0028】
図4に示すように、原紙ロール10は、原紙の発注があれば、製紙メーカから搬送車両90(例えば、トラック)によって、段ボールシート製造工場に搬送される。
図5に示すように、原紙ロール10には、
図3に示した特定ラベル70(バーコード75のシール)が貼り付けられている。具体的には、原紙ロール10の外側(表面)にカバー(被覆紙)が形成されており、そのカバーに特定ラベル70(バーコード75)が付与されている。このバーコード75を、バーコードリーダー(スキャナー)で読み取ることにより、原紙ロール10を特定することができる。
【0029】
原紙ロール10が段ボールシート製造工場(または、その倉庫)に搬入されると、原紙ロール10を用意することができる(工程S200)。そこで、搬入(入庫)された原紙ロール10のそれぞれの特定ラベル70のバーコード75を、バーコードリーダー(スキャナー)で読み取る(工程S220)。次いで、その読み取ったバーコード75のデータに基づいて、原紙ロール10の側面にバーコード(25)を印刷する(工程S240)。具体的には、
図6に示すように、原紙ロール10の側面13のうちの芯部15(円筒中心部)の近傍の領域17にバーコード25を印刷する。
図6では、バーコード25を含む印刷箇所(印刷物)20を示しており、印刷箇所(印刷情報、印刷物)20は、バーコード25だけでもよいし、バーコード25とその他の情報(原紙情報、製造情報など)を含めてもよい。
【0030】
本実施形態の構成では、原紙ロール10の側面13における芯部15の近傍の領域17は、原紙ロール10の半径の半分の位置から中心部に向かう領域である。原紙ロール10のうちの側面13の外縁側(中心部から遠い側)にバーコード25を印刷すると、原紙ロール10を製造工程で使用している際に(原紙ロール10から原紙が送り出されていくと)、そのバーコード25が早くに消えてしまうので、芯部15の近傍の領域17に印刷することが好ましい。原紙ロール10の半径は、典型的には350~1100mmであり、そして、好適な例では、バーコード25は、芯部15から少し離れた位置(例えば、直径方向で150~250mm程度の位置付近に印刷することが好ましい。芯部15に近いところに印刷するほど、原紙ロール10を製造工程で使用しても、より長い間、バーコード25を表示させておくことができる。そして、
図1に示すように、バーコード25が側面13に印刷された後(工程S240)は、その印刷済みの原紙ロール10は、製造工場の倉庫に移動させる(払出を行う)(工程S300)。
【0031】
図1に示した原紙バーコードスキャン工程(S220)および原紙バーコード印刷工程(S240)は、本実施形態の構成においては、バーコードをスキャンするスキャナ部を備えたプリンタ(原紙管理プリンタ)によって行われることが好ましい。
図7は、本実施形態の原紙管理プリンタ100の構成を説明するためのブロック図である。
【0032】
図7に示したプリンタ(原紙管理プリンタ)100は、原紙ロール10に貼り付けされていたバーコード75をスキャンするスキャナ部32と、スキャナ部32によって読み取られたバーコード75のデータに基づいて、原紙ロール10の側面13にバーコード25を印刷する印刷部30とから構成されている。本実施形態の原紙管理プリンタ100における印刷部30は、インクジェットプリンタであり、印刷部30にはインクジェットヘッドが設けられている。なお、本実施形態の構成では、印刷部30はインクジェットプリンタ方式を採用しているが、原紙ロール10の側面13にバーコード25を印刷することができるものであれば、他の方式のもの(例えば、レーザープリンタなど)を採用しても構わない。
【0033】
スキャナ部32は、印刷部30と別体にして無線通信で繋ぐことも可能であるが、本実施形態の原紙管理プリンタ100は、スキャナ部32と印刷部30とは一つの筐体に配置されている構造を有するものであり、スキャナ部32でバーコード75をスキャンしながら、印刷部30でバーコード25を原紙ロール10の側面13(領域17)に印刷できる構成をしている。スキャナ部32と印刷部30と納める筐体には、原紙ロール10の側面13(領域17)にバーコード25を印刷するときに便利なように、作業者が手で原紙管理プリンタ100を持って固定することができる把持部が設けられていることが好ましい。
【0034】
また、本実施形態の原紙管理プリンタ100において通信部34を設けて、バーコード75をスキャンしたステップ・バーコード情報、及び/又は、バーコード25を印刷したステップ(事実)・バーコード情報を、外部の情報端末との間で通信(送受信)できる構成にすることもできる。そのような情報端末は、原紙管理を行う段ボール原紙管理システム(ソフトウエア)が導入された携帯情報端末(タブレット端末、スマートフォン、携帯電話、ノートパソコン(ノートPC))またはパーソナルコンピュータ(PC)である。外部の情報端末との間で通信(送受信)は、有線通信(有線LAN)のものでもよいが、倉庫内・工場内での作業のことを考慮すると、無線通信(無線LAN、Wifiなど)のものが好ましい。さらに、原紙管理プリンタ100にディスプレイを設けてもよいし、そのようなディスプレイを無線(又は有線)で原紙管理プリンタ100に接続してもよい。ディスプレイ(画面表示装置)を設けることで、作業手順(作業マニュアル)を表示させたり、原紙情報、原紙管理情報、製造スケジュール情報などを表示させることが可能となり、作業者が便利になる。そのようなディスプレイ(画面表示装置)は、例えば、液晶表示装置、有機EL装置などであるが、グラス型(眼鏡型)のディスプレイ、投影型のディスプレイであっても構わない。
【0035】
図8は、本実施形態の段ボールシート製造装置500(所謂コルゲータ)の構成を模式的に示している。また、
図9は、本実施形態の段ボールシートの製造方法を説明するためのフローチャートを示している。
【0036】
図8に示した段ボールシート製造装置500は、段ボールシート510を製造する装置である。本実施形態の段ボールシート製造装置500は、シングルフェーサ装置501と、ダブルフェーサ装置503とを備えている。シングルフェーサ装置501は、段が形成された中芯104とライナ102(ここでは、裏ライナ)とを貼り合わせて片面段ボールシート105を作製する装置である。ダブルフェーサ装置503は、片面段ボールシート105に他のライナ103(ここでは、表ライナ)を貼り合わせて両面段ボールシート107を作製する装置である。
【0037】
本実施形態の構成では、中芯104を作製する第1原紙シート(中芯原紙)101を含む第1原紙ロール10A、ライナ102(裏ライナ)を含む第2原紙ロール10B(10)と、他のライナ(表ライナ)103を含む第3原紙ロール10C(10)が、段ボールシート製造に使用される。第1原紙ロール10A、第2原紙ロール10Bおよび第3原紙ロール10Cは、矢印19に示すように倉庫から供給されて(
図1の原紙払出工程S300)、ミルロールスタンド(不図示)にセットされる。
【0038】
本実施形態では、原紙ロール10(10A~10C)の側面13において、原紙管理プリンタ100によってバーコード25(印刷情報20)が印刷されている。原紙ロール10A~10Cのうちの少なくとも1つにおいて、原紙ロール10の側面13にバーコード25が印刷されているが、原紙ロール10A~10Cのすべてにおいて側面13にバーコード25が印刷されていることが好ましい。さらにいえば、段ボールシート製造の倉庫および製造工場における全ての原紙ロール10(10A~10C)の側面13にバーコード25が印刷されていることが好ましい。
【0039】
図8に示した例においては、第1原紙ロール10Aから第1原紙シート(中芯原紙)101が供給され、次いで、その中芯原紙を波形に成形して糊を付けて、中芯104を作る。その一方で、第2原紙ロール10Bからライナ102(裏ライナ)が供給され、シングルフェーサ装置501において中芯104とライナ102(裏ライナ)とを貼り合わせることにより、片面段ボールシート105を作製する。次いで、片面段ボールシート105は、もう一面に糊付けがされる(シート106)。さらに、第3原紙ロール10Cから他のライナ(表ライナ)103が供給され、続いて、ダブルフェーサ装置503において、片面段ボールシート105と他のライナ103(表ライナ)とが貼り合わせて、両面段ボールシート107が得られる。その後、スリッタースコアラ505で罫線を入れ(シート108)、次いで、カットオフ507で裁断し(シート109)、その結果、段ボール箱を作る材料となる段ボールシート510が得られる。
【0040】
また、本実施形態における原紙ロール10の流れの一例は、
図9に示す通りとなる。まず、原紙が発注され(工程S100)、その段階で、
図3に示したラベル70(バーコード75)が発行される(工程S120)。原紙を発注する際に、ロール番号(個体番号)が自動的に採番される。発注データは、ロール番号(個体番号)とともに、原紙管理システムに送信しておき、予めラベル発行または入荷予定データの準備をしておく。そのラベル70(バーコード75)は、
図5に示すように原紙ロール10に貼られる。
【0041】
その後、原紙ロール10は搬入(入庫)される(工程S200)。該当のラベル70のバーコード75を読み込み、または、入荷予定データから選定して入庫データを確定しておく。続いて、原紙バーコード75は、原紙管理プリンタ100でスキャンされ(工程S220)、次いで、原紙管理プリンタ100で原紙バーコード25が原紙ロール10の側面13に印刷される(工程S240)。入荷した原紙ロール10に印刷をした後は倉庫に移動し、そして、原紙管理システムから入庫データを受信して、仕入計上をする。
【0042】
その後は、原紙ロール10は製造工場へ払出される(工程S300)。原紙ロール10は、原紙掛け予定表に従って、原紙倉庫から必要本を払い出しされる。続いて、工場のミルロールスタンド(不図示)に投入(セット)される(工程S320)。原紙掛け前またはミルロールスタンドに掛けた後、ラベル20(70)のバーコード25(75)を読み、使用する原紙10を認識される。計画通りの原紙10であること、さらにロッドm(ロッドメートル)を満たすまで原紙10を投入して認識する。
【0043】
続いて、段ボールシート製造工程において貼り合わせが行われ、貼り合せ工程が終了したら(工程S340)、使用途中の原紙ロール10は、保管場所に戻される(工程S360)。貼合が終了した時、各原紙10の残m(残メートル)、使用日、使用回数などの個体情報を更新する。また、原紙バーコード25をスキャンし、そのデータを、段ボール原紙管理システムと同期されることで、在庫データをアップデートすることができる(工程S400)。毎日、在庫データ同期処理を実行することで、管理システムにおいて原紙個体情報(在庫数、残mなど)を同期させる。
【0044】
図10から
図13は、本実施形態に係る原紙管理プリンタ100の構成の一例を示している。
図10は、プリンタ100の上面構成を示しており、
図11は、プリンタ100の正面構成(断面図)を示している。
図12は、プリンタ100の側面構成(右側面の断面図)を示している。
図13は、プリンタ100の側面構成(左側面)を示している。
【0045】
図示したプリンタ100は、バーコード75(25)を読み取ることができるスキャナ部32と、バーコード25を印刷できる印刷部30とを備えている。印刷部30は、インクジェットヘッド30aを備えている。印刷部30およびスキャナ部32は、筐体(ハウジング)35で固定されている。また、本実施形態のプリンタ100には、原紙10の側面13にバーコード25を印刷する際に便利なように、把持バー39aを備えた把持部39が設けられている。この把持部39(39a)を作業者が手で持ってその状態で、
図10に示した印刷領域31(インクジェットヘッド30aの可動領域・範囲)において、バーコード25(印刷情報20)を印刷することができる。
【0046】
図14は、本実施形態に係る段ボール原紙管理プロセスの一例を説明するフローである。原紙管理プロセス(管理フロー)は、手配フェーズ600、投入フェーズ700、在庫フェーズ800にわけることができる。
【0047】
まず、手配フェーズ600では、原紙一覧発注(ステップ601)に基づいて、発注データ604が送信され、そして、原紙ラベル70が発行され、入荷予定データが送信される(ステップ605)。バーコード75の読み込みが行われて(ステップ606)、原紙10の受入がされる(ステップ609)。それにより、入庫データ608が送信され、原紙一覧発注(ステップ601)とともに原紙仕入計上がされる(ステップ602)。そして、入庫データ608に基づいて、
図4に示すように、原紙ロール10は配送される。
【0048】
投入フェーズ700では、貼合計画701に基づいて、原紙掛け予定表702が作成される。次いで、原紙掛け予定表702に基づいて、原紙の払出しが行われる(ステップ703)。その時に、バーコード読み込みによる個体認識が実行される(ステップ704)。続いて、原紙掛けが行われて、コルゲートで使用される(ステップ705)。コルゲートでの使用において、使用メートルのデータが取得され、残長が更新されていく(ステップ706)。この投入フェーズ700では、原紙の払出の時に(矢印708から709のループ)、半端原紙10Eは、更新された残長に基づいて投入され、使い切りの原紙10Fは廃棄される。
【0049】
在庫フェーズ800では、原紙在庫データの送信が行われ(ステップ805)、その出庫・在庫データ802に基づいて、原紙在庫801のデータが最新(リアルタイム、当日在庫)のものに同期されて、アップデートされる。
【0050】
ここで、
図10等に示したプリンタ100の動作を例示的に説明すると次の通りである。
(1)プリンタ100の電源を入れる。
(2)プリンタ100のコントロールパネル(制御装置、制御回路)をオンにする。
(3)原紙情報が格納されたバーコードを転送する(元データの転送)。
(4)バーコード75の情報を読み取り済みの後、移動ボックス(インクジェットヘッド30a)がホームポジションであることを条件にスタート可能の信号を出す。
(5)プリンタ100(ハンディープリンタ)のスタートボタンを押す。
(6)インクジェットガン(インクジェットヘッド30a)とバーコードリーダ32が一体となった移動ボックスがスライドシリンダにて移動する(速度2メートル/分)。
(7)移動ボックスのリミット片がリミットスイッチに当たると、インクジェットガン(インクジェットヘッド30a)が作動する。
(8)移動ボックスが前進限界で作動ストップし、後進動作に入る。
(9)所定のタイマー秒の後にバーコードリーダの作動がオンになる。
(10)バーコードリーダ32がバーコード75(一次元ITF、または、二次元QRコード)を読み取ると、コントローラに認識したバーコード情報を転送する。
(11)転送終了後に、ネクストデータを受け入れる。
(12)あとは、これらの動作を繰り返す。
【0051】
そして、原紙データ管理の手法を例示的に説明すると次の通りである。
(1)製紙メーカから積み込まれた新原紙を指定仮置き場に移動する。
(2)指定仮置き場にて新原紙が貼られたバーコードを、バーコードリーダで読み取り、そのデータをプリンタ100のコントローラパネルに転送する。
(基本的には、トラック1車両分はまとめてバーコード75を読み取り、ホストコンピュータと、プリンタ100のコントローラパネルに転送する。すなわち、上記プリンタ100の動作におけるステップ(3)に対応))
(3)原紙10ごとにバーコード25を印刷する(ここでは、原紙10の側面13の両側に、1箇所ずつバーコード25を印刷)
(4)プリンタ100によってバーコード25の印刷が終了したら、原紙10を倉庫に入れる。
(5)製造時には、予定表に基づいて原紙10を払い出す。
(6)払い出された原紙10に印刷されたバーコード25を、バーコードリーダ32で読み取り、生産管理装置の原紙データとの照合確認の後、現生産中の原紙に次のオーダーの原紙を紙継ぎするためのスプライスのセットの準備をする。
(7)仮に原紙10のバーコード25の印字部分が損傷して読み取り不可になった場合は、コルゲータ管理装置から原紙データを入手して、バーコード25を印刷(印字)する。
【0052】
以上のようにして、本実施形態の手法を用いて、段ボール原紙の管理方法、そして、段ボールシートの製造方法を行うことができる。本発明の実施形態の構成では、スキャナ部32が設けられた原紙管理プリンタ100によって、原紙ロール10に貼り付けされているバーコード75をスキャナ部32で読み取って、そのバーコード75(25)を原紙ロール10の側面13に印刷することができる。したがって、使用途中の原紙10を倉庫に戻す時でも、その原紙ロールを特定するバーコード25が原紙ロール10の側面13に印刷されているので、その原紙ロール10を再度使用する時にバーコード25をスキャンすると原紙ロール10の特定が完了する。また、原紙ロール10の側面13にバーコード25が印刷されているので、その原紙ロール10を使用しても問題が生じないし、再度倉庫に戻すことも可能である。また、使用途中の原紙ロール10に手書きで識別文字を書いて管理するよりも、使用途中の原紙ロール10の管理が大幅に正確かつ簡便になる。その結果、使用途中の原紙ロール10(段ボール原紙)の管理を効率的に行うことができる。
【0053】
以上、本発明を好適な実施形態により説明してきたが、こうした記述は限定事項ではなく、勿論、種々の改変が可能である。また、本実施形態の技術は、段ボール原紙の管理技術および段ボールシートの製造技術に最も適しているが、それ以外にも、外包装に印字されたバーコードがなくなってしまったら、内容物の特定が難しいものにも応用しても構わない。そのようなものとしては、以下のようなものをあげることができる。例えば、製函機械(フレキソフォルダーグルアー)からできた製品はロボットにてパレットに積まれるところ、オーダーの最後のパレットは計画数量と違うためオペレーターが結束数を数えてプラカードの製品数を手書きで変えている。仮に製品プラカードにリアルなパレット数量およびバーコードを印刷することができれば、パレット単位の数量管理が正確になる。さらに、物流係が製品倉庫に製品を置く際にプラカードのバーコードを読み取ってGPSも使って位置データも事務所に転送することができれば、製品倉庫内でのパレット単位の得意先、品名、数量、生産完了時間が正確になるため、製品倉庫の在庫管理、出荷指示のリアルな合理化を進めることができる。本発明の実施形態の手法によれば、出来上がったA式段ボールケースのパレット単位での数量管理等を正確にリアルタイムで管理することができる。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明によれば、使用途中の原紙ロール(段ボール原紙)の管理を効率的に行うことができる。
【符号の説明】
【0055】
10 段ボール原紙(原紙ロール)
13 原紙ロールの側面
15 原紙ロールの芯部
20 ラベル
25 バーコード
30 印刷部
30a インクジェットヘッド
32 スキャナ部(バーコードリーダ)
34 通信部
35 筐体(ハウジング)
39 把持部
39a 把持バー
70 特定ラベル(原紙ラベル)
71 シール用紙
75 バーコード
100 プリンタ(原紙管理プリンタ)
500 段ボールシート製造装置
501 シングルフェーサ装置
503 ダブルフェーサ装置
505 スリッタースコアラ
507 カットオフ
510 段ボールシート