IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 東 史の特許一覧

<>
  • 特開-トレーニング器具 図1
  • 特開-トレーニング器具 図2
  • 特開-トレーニング器具 図3
  • 特開-トレーニング器具 図4
  • 特開-トレーニング器具 図5
  • 特開-トレーニング器具 図6
  • 特開-トレーニング器具 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022017841
(43)【公開日】2022-01-26
(54)【発明の名称】トレーニング器具
(51)【国際特許分類】
   A63B 23/00 20060101AFI20220119BHJP
   A63B 23/12 20060101ALI20220119BHJP
   A61H 1/00 20060101ALI20220119BHJP
【FI】
A63B23/00 F
A63B23/12
A61H1/00 311D
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020120639
(22)【出願日】2020-07-14
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-01-27
(71)【出願人】
【識別番号】519205534
【氏名又は名称】東 史
(72)【発明者】
【氏名】東 史
【テーマコード(参考)】
4C046
【Fターム(参考)】
4C046AA06
4C046AA46
4C046AA47
4C046BB08
4C046CC11
4C046DD08
4C046DD33
4C046DD35
(57)【要約】
【課題】
自らトレーニングすることの難しい筋力低下の著しい対象者の骨盤周辺の筋肉のストレッチと筋力トレーニングを、介助者が行うサポートを簡単で効果的にするトレーニング器具を提供する。
【解決手段】
使用者が座るための円形の座板10と座板10の傾斜を可能にする左右と前後の揺動可能な支持部材20と、座板10の中心から見て0度の位置に丸みのある楕円形の突起部1を設けるとともに、90度、180度、270度の位置それぞれ操作板4a、操作板4c、操作板4bを備えたトレーニング器具である。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者が座るための円形の座板と、上記座板の底面に設けられ、上記座板を前後および左右に揺動可能に支持する支持部材と、上記座板の周縁部に設けられ、上記座板に座る使用者の座位を一定にするため丸みのある突起部と、上記突起部と向かい合う位置の上記座板の周縁部に突設された第1の操作板と、上記座板の周縁部の上記突起部と上記第1の操作板の間の互いに向かい合う位置にそれぞれ突設された第2および第3の操作板を備えたトレーニング器具。
【請求項2】
操作板の先端部には操作者の指を挿入するための取っ手穴が設けられている請求項1記載のトレーニング器具。
【請求項3】
突起部の一部は座板の周縁部から前方に突出するように構成されている請求項1記載のトレーニング器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は介助者の負担を少なくして体幹の筋力低下のある人に対し骨盤のゆがみを矯正しながら骨盤周辺の筋力を強化することを可能にするトレーニング器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、障害者や高齢者などで筋力がなく自ら運動できない人にとっては使用の対象になる器具が少なく、特に、筋力の低下によって起こる骨盤の歪みは、体のあちこちに起る張りや痛みの原因となり、運動をしても体の軸が作りづらいため効果を得にくくなる原因である。しかし、筋力低下の著しい時に、自身で骨盤周辺のインナーマッスルを動かして強化することは難しく、リハビリにおいてもマッサージや矯正で緊張や痛みをとる程度に終わっていて、筋力を強化できるものでない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007-175385
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1は、高齢者に負担を少なく背臥位での運動で骨盤周辺を刺激できる器具であるが、そもそも筋力が少なく体のコントロールが効きにくい高齢者に寝ている姿勢で、運動として骨盤を動かすように意識すること自体が難しいと考えられる。そのため、対象者が自ら意識して動かせない場合に骨盤周辺の筋肉の刺激は介助者が行うか電動の器械で対象者の骨盤に動きを持たせる以外には実現は難しいと考えられる。本発明は、障害者や高齢者のように自身で運動することが難しい対象者に、介助者が行うサポートを簡単で効果的にして対象者の骨盤周辺の筋肉を強化できる運動器具を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のトレーニング器具は、使用者が座るための円形の座板と座板の傾斜を可能にする左右と前後の揺動可能な支持部材と、円形の座板の端の1カ所に対象者が安定した座位をとるために適度に膝を広げさせる表面が丸みのある突起部を備え、その突起部と向き合う位置に操作板を一つと、その突起部と操作板の間の座板の両端に向かい合う2つの操作板を備えている。
【発明の効果】
【0006】
本発明のトレーニング器具は、対象者に介助者がつくる座板の角度で対象者の自重を活かして骨盤周辺の筋肉に伸縮運動を可能にし、ストレッチと筋力トレーニングの状態を作り柔軟性と筋力を強化することができ、前後左右に筋肉を刺激することで対象者の骨盤のゆがみを矯正し、体幹をバランスよく強化することができる。
【0007】
本発明のトレーニング器具は、座板からつながる操作板があることでテコの原理で介助者が少ない力で座板に傾斜を作ることができる。
【0008】
本発明のトレーニング器具は、座板からつながる操作板があることで介助者が対象者の腰やお尻に触れずに座板に傾斜を作れるため、介助者と対象者が他人や異性であってもトレーニングしやすくしている。
【0009】
本発明のトレーニング器具は、筋力低下から筋膜や筋肉の硬化の進んだ対象者が筋を傷めないように座板が傾く以外は本人の意志で上半身に逃げる余地を与えて、使用を続けることで徐々に骨盤周辺の筋肉の可動域を増やし筋力トレーニングの効果を得られるものである。
【0010】
本発明のトレーニング器具は、トレーニングを行う時、前に手擦りのある場所や両肘を置ける机などで上半身を支えて行うことができるので、今までトレーニングを行うことが難しかった上半身の不安定な対象者にもトレーニングを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】トレーニング器具の本体の平面図である。
図2】トレーニング器具の本体の下面図である。
図3】トレーニング器具の本体の側面図である。
図4】トレーニング器具の本体の上からの斜視図である。
図5】トレーニング器具の本体の下からの斜視図である。
図6】(A)トレーニング器具の台の平面図である。(B)トレーニング器具の台の側面図である。
図7】(A)トレーニング器具の前後の運動の図である。(B)トレーニング器具の左右の運動の図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1から図5に示すように、本発明のトレーニング器具は、上部から見ると円形の座板10と座板10の中心から見て0度の位置に丸みのある楕円形の突起部1を設けるとともに、90度、180度、270度の位置にそれぞれ操作板4a、操作板4c、操作板4bを備えている。突起部1は、対象者が座板に座る時に正面の位置が分かるよう、座板10の外周から一部はみ出して設けている。突起部1は、頂上部に平面部1aを、平面部1aの周辺に傾斜部1bをそれぞれ備えている。さらに突起部1は使用者が安定した座位をとるとともに適度に膝を広げさせる働きもある。座板10の表面は、対象者の体を座板10の中央部に寄せるために、縁から中央部に向けて中央部が低くなる方向に傾斜している。座板10の表面には、使用者が座って運動する時にお尻の位置をズレにくくするための幅の広いドーナツ状の滑り止めのゴム製素材のシート10aを張っている。操作板4a、操作板4b、操作板4cは、それぞれに介助者が色々な持ち方を選べるように先端から握る幅を残してそれぞれ取っ手穴5a、取っ手穴5b、取っ手穴5cを備えている。操作板4a、操作板4b、操作板4cは、それぞれ座板10の外周に滑らかな曲線を描きながらつながるように幅が広がりながら接続するよう構成されている。
20は、座板10の裏面に設けられた角が丸い四角柱状の支持部材であり、四角形の平面部2aと、その周りに丸みのある傾斜部2bを備えている。支持部材20は、四つの側面の両端部には、突起部1と、操作板4a、操作板4b、操作板4cの方に向かって座板10の裏面の座板10の縁まで伸びた補強部材3a、3a、補強部材3b、3b、補強部材3c、3c、補強部材3d、3dを備えている。補強部材3a、3b、3c、3dは支持部材20の側面全高にわたってつながっている。
座板10、突起部1、操作板4a、操作板4b、操作板4c、支持部材20、補強部材3a、補強部材3b、補強部材3c、補強部材3dは一体に形成されている。
臀部の肉付きの無くなっている対象者の為に、座板10の形に合わせた低反発クッションを用意しても良い。
【0013】
図6は、本発明のトレーニング器具を乗せる台を示すもので、図6(A)は正面図で、図6(B)は側面図である。図6に示す天板11の高さは、天板11の上に上述の座板10を載せてトレーニングを行うに際し、座板10の上面の高さが適当な高さとなるように設定されている。天板11の形は、天板11の上に座板10を置いて使用するのに際し、操作板4の動きを妨げない正方形に近い角の丸い四角形にすることが望ましい。図2に示すように、天板11を支える支持部12が天板11の四隅にあり、それぞれを補強部13でつないでいるが、天板11の上でトレーニングを行ったときにグラつかない重さと安定感があれば支持部12と補強部13の仕様は変更可能である。
【0014】
図7(A)は、本発明のトレーニング器具を使って対象者の骨盤の前後の運動を行う状態を示す図である。図7(B)は、骨盤の左右の運動を行う状態を示す図である。図7(A)に示すように、対象者は突起部1を前にして座板10に座り、手擦り20につかまる。介助者は対象者の背後から操作板の取っ手穴5cに指を入れて操作板4cを掴んで上下に動かすことにより座板10を傾斜させるのを繰り返すことで対象者の骨盤を前後にストレッチするとともに、筋力トレーニング行うことができる。図7(B)に示すように、突起部1を前にして座板10に座っている対象者を操作板の取っ手穴5aまたは取っ手穴5bに指を入れて操作板4aまたは操作板4bを掴んで上下に動かすことにより座板10を傾斜させるのを繰り返すことで対象者の骨盤周辺の筋肉を左右にストレッチと筋力トレーニングを行うことができる。筋力低下の著しい対象者の場合には数秒傾斜したまま静止させて、対象者の骨盤の傾きを戻そうとする動きを待つと効果的である。対象者が傾斜した座板10を戻そうとする筋肉の自発的な動きを期待できるため、続けることで柔軟で筋力のある腰を作ることが可能である。
【符号の説明】
【0015】
10 座板
20 支持部材
1 突起部
1a 平面部
1b 傾斜部
2a 平面部
2b 傾斜部
3a、3b、3c、3d 補強部材
4a、4b、4c 操作板
5a、5b、5c 取っ手穴
10a シート
11 天板
12a、12b 支持部材
13a 補強部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2020-11-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項1】
使用者が座るための円形の座板と、上記座板の底面に設けられ、上記座板を揺動可能に支持する支持部材と、上記座板の周縁部に設けられ、上記座板に座る使用者の座位を一定にするため丸みのある突起部と、上記突起部と向かい合う位置の上記座板の周縁部に突設された第1の操作板と、上記座板の周縁部の上記突起部と上記第1の操作板の間の互いに向かい合う位置にそれぞれ突設された第2および第3の操作板を備え、上記支持部材は四角柱状に構成されその底面部には平面部とその周りに設けられた丸みのある傾斜部を備えるとともに、上記支持部材は上記座板の裏面において上記突起部及び上記第1の操作板の巾方向の中心部を結ぶ第1の仮想線と、同じく上記座板の裏面において上記第2及び第3の操作板の巾方向の中心部を結ぶ第2の仮想線の交点に上記座板裏面との結合面の中心部が位置するように構成するとともに、上記支持部材の4つの側面はそれぞれ上記突起部、上記第1の操作板、上記第2の操作板、および上記第3の操作板と向かい合うとともに上記支持部材の上記突起部と向かい合う側面と上記第1の操作板と向かい合う側面は上記第1の仮想線と直交し、上記支持部材の上記第2の操作板と向かい合う側面と上記第3の操作板と向かい合う側面は上記第2の仮想線と直交するように構成され、上記座板の裏面には上記支持部材の側面と上記座板の底面にそれぞれ結合する補強部材を設け、上記座板を上記三つの操作板および上記突起部の方向に揺動可能に構成したことを特徴とするトレーニング器具。