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特開2022-178424情報処理装置及び情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022178424
(43)【公開日】2022-12-02
(54)【発明の名称】情報処理装置及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/60 20060101AFI20221125BHJP
   G06T 1/00 20060101ALI20221125BHJP
【FI】
H04N1/60 300
G06T1/00 510
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021085217
(22)【出願日】2021-05-20
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】泉澤 裕介
(72)【発明者】
【氏名】岩渕 稔弘
【テーマコード(参考)】
5B057
5C079
【Fターム(参考)】
5B057AA11
5B057CA01
5B057CA08
5B057CA12
5B057CA16
5B057CB01
5B057CB08
5B057CB12
5B057CB16
5B057CE05
5B057CE17
5B057CE18
5B057CH18
5B057DA17
5B057DB02
5B057DB06
5B057DB09
5B057DC25
5C079HB01
5C079HB03
5C079HB08
5C079HB11
5C079LA02
5C079LA14
5C079LA31
5C079LB01
5C079NA03
5C079NA05
5C079PA02
5C079PA03
(57)【要約】
【課題】階調性と色再現性との両立を図ることができる、情報処理装置及び情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【解決手段】情報処理装置は、目標となるデバイス非依存表色系の値の各々に対して、特色を含むデバイス依存表色系の一部の色の値を算出し、デバイス非依存表色系の値の変化に対する、前記デバイス依存表色系の一部の色の値の変化を平滑化するように、前記デバイス依存表色系の一部の色の値を変更し、前記目標となるデバイス非依存表色系の値の各々に対して、変更後の前記デバイス依存表色系の一部の色の値に基づいて、前記デバイス依存表色系の残りの色の値を算出し、前記デバイス非依存表色系の値を入力とし、変更後の前記デバイス依存表色系の一部の色の値と、前記デバイス依存表色系の残りの色の値を出力する色変換プロファイルを作成するCPUを含む。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
目標となるデバイス非依存表色系の値の各々に対して、特色を含むデバイス依存表色系の一部の色の値を算出し、
デバイス非依存表色系の値の変化に対する、前記デバイス依存表色系の一部の色の値の変化を平滑化するように、前記デバイス依存表色系の一部の色の値を変更し、
前記目標となるデバイス非依存表色系の値の各々に対して、変更後の前記デバイス依存表色系の一部の色の値に基づいて、前記デバイス依存表色系の残りの色の値を算出し、前記デバイス非依存表色系の値を入力とし、変更後の前記デバイス依存表色系の一部の色の値と、前記デバイス依存表色系の残りの色の値を出力する色変換プロファイルを作成する
情報処理装置。
【請求項2】
前記デバイス依存表色系の一部の色は、前記特色又は黒色である請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記デバイス依存表色系の一部の色は、前記特色であり、
前記プロセッサは、
前記目標となるデバイス非依存表色系の値の各々に対して、変更後の前記デバイス依存表色系の前記特色の値に基づいて、前記デバイス依存表色系の黒色の値を算出し、
前記目標となるデバイス非依存表色系の値の各々に対して、変更後の前記デバイス依存表色系の前記特色の値と、黒色の値とに基づいて、前記デバイス依存表色系の残りの色の値を算出し、前記デバイス非依存表色系の値を入力とし、変更後の前記デバイス依存表色系の前記特色の値と、黒色の値と、前記デバイス依存表色系の残りの色の値を出力する色変換プロファイルを作成する
請求項2記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記デバイス依存表色系の一部の色は、複数の特色であり、
前記プロセッサは、
前記複数の特色の各々に対し、
前記目標となるデバイス非依存表色系の値の各々に対して、前記特色の値を算出し、
前記デバイス非依存表色系の値の変化に対する、前記デバイス依存表色系の前記特色の値の変化を平滑化するように、前記デバイス依存表色系の前記特色の値を変更する請求項2記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記デバイス依存表色系の一部の色は、前記特色及び黒色であり、
前記プロセッサは、
前記目標となるデバイス非依存表色系の値の各々に対して、前記特色の値を算出し、
前記デバイス非依存表色系の値の変化に対する、前記デバイス依存表色系の前記特色の値の変化を平滑化するように、前記デバイス依存表色系の前記特色の値を変更し、
前記目標となるデバイス非依存表色系の値の各々に対して、変更後の前記特色の値に基づいて、黒色の値を算出し、
前記デバイス非依存表色系の値の変化に対する、前記デバイス依存表色系の黒色の値の変化を平滑化するように、前記デバイス依存表色系の黒色の値を変更し、
前記目標となるデバイス非依存表色系の値の各々に対して、変更後の前記デバイス依存表色系の前記特色の値と、変更後の黒色の値とに基づいて、前記デバイス依存表色系の残りの色の値を算出し、前記デバイス非依存表色系の値を入力とし、変更後の前記デバイス依存表色系の前記特色の値と、変更後の黒色の値と、前記デバイス依存表色系の残りの色の値を出力する色変換プロファイルを作成する請求項2記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記デバイス依存表色系の一部の色は、黒色であり、
前記プロセッサは、
前記目標となるデバイス非依存表色系の値の各々に対して、変更後の前記デバイス依存表色系の黒色の値に基づいて、前記デバイス依存表色系の前記特色の値を算出し、
前記目標となるデバイス非依存表色系の値の各々に対して、変更後の前記デバイス依存表色系の黒色の値と、前記特色の値とに基づいて、前記デバイス依存表色系の残りの色の値を算出し、前記デバイス非依存表色系の値を入力とし、変更後の前記デバイス依存表色系の黒色の値と、前記特色の値と、前記デバイス依存表色系の残りの色の値を出力する色変換プロファイルを作成する
請求項2記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記特色は、複数の特色であり、
前記プロセッサは、
前記複数の特色の各々に対し、
前記目標となるデバイス非依存表色系の値の各々に対して、変更後の前記デバイス依存表色系の黒色の値に基づいて、前記デバイス依存表色系の前記特色の値を算出し、
前記目標となるデバイス非依存表色系の値の各々に対して、変更後の前記デバイス依存表色系の黒色の値と、前記複数の特色の各々の値とに基づいて、前記デバイス依存表色系の残りの色の値を算出し、前記デバイス非依存表色系の値を入力とし、変更後の前記デバイス依存表色系の黒色の値と、前記複数の特色の各々の値と、前記デバイス依存表色系の残りの色の値を出力する色変換プロファイルを作成する
請求項6記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記デバイス依存表色系の一部の色は、前記特色及び黒色であり、
前記プロセッサは、
前記目標となるデバイス非依存表色系の値の各々に対して、黒色の値を算出し、
前記デバイス非依存表色系の値の変化に対する、前記デバイス依存表色系の黒色の値の変化を平滑化するように、前記デバイス依存表色系の黒色の値を変更し、
前記目標となるデバイス非依存表色系の値の各々に対して、変更後の黒色の値に基づいて、前記特色の値を算出し、
前記デバイス非依存表色系の値の変化に対する、前記デバイス依存表色系の前記特色の値の変化を平滑化するように、前記デバイス依存表色系の前記特色の値を変更し、
前記目標となるデバイス非依存表色系の値の各々に対して、変更後の前記デバイス依存表色系の黒色の値と、変更後の前記特色の値とに基づいて、前記デバイス依存表色系の残りの色の値を算出し、前記デバイス非依存表色系の値を入力とし、変更後の前記デバイス依存表色系の黒色の値と、変更後の前記特色の値と、前記デバイス依存表色系の残りの色の値を出力する色変換プロファイルを作成する請求項2記載の情報処理装置。
【請求項9】
目標となるデバイス非依存表色系の値の各々に対して、特色を含むデバイス依存表色系の一部の色の値を算出し、
デバイス非依存表色系の値の変化に対する、前記デバイス依存表色系の一部の色の値の変化を平滑化するように、前記デバイス依存表色系の一部の色の値を変更し、
前記目標となるデバイス非依存表色系の値の各々に対して、変更後の前記デバイス依存表色系の一部の色の値に基づいて、前記デバイス依存表色系の残りの色の値を算出し、前記デバイス非依存表色系の値を入力とし、変更後の前記デバイス依存表色系の一部の色の値と、前記デバイス依存表色系の残りの色の値を出力する色変換プロファイルを作成する
ことをコンピュータに実行させる、情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、プロセスカラーを色成分とする格子点を設定し、各格子点上の色を、前記プロセスカラーと特色の混色で近似したときの各色成分の分解値で表した色分解テーブルを作成する初期ステップと、前記色分解テーブルの各格子点に対応する分解値を平滑化する平滑化ステップと、平滑化後の前記色分解テーブルの各格子点に対応する分解値を、前記平滑化による色ずれが修正されるように変更する色ズレ修正ステップと、を有し、前記色ズレ修正ステップでは、プロセスカラーと特色のうちの一部の色成分の分解値を固定したまま他の色成分の分解値を変更することを特徴とする色分解テーブル作成方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-120318号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
平滑化を行って色変換プロファイルを作成する技術がある。この技術では、全ての色に対して平滑化を行って色変換プロファイルを作成する。
【0005】
しかしながら、全ての色に対して平滑化を行うため、階調性が向上するものの、色再現性が低下してしまう。特に、色変換プロファイルの色に特色を含む場合には、特色の色変換プロファイルの精度が低いため、階調性と色再現性の両立が難しい。
【0006】
本発明は、色変換プロファイルの全ての色に対して平滑化をする場合と比較して、階調性と色再現性との両立を図ることができる情報処理装置及び情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1態様に係る情報処理装置は、プロセッサを備え、前記プロセッサは、目標となるデバイス非依存表色系の値の各々に対して、特色を含むデバイス依存表色系の一部の色の値を算出し、デバイス非依存表色系の値の変化に対する、前記デバイス依存表色系の一部の色の値の変化を平滑化するように、前記デバイス依存表色系の一部の色の値を変更し、前記目標となるデバイス非依存表色系の値の各々に対して、変更後の前記デバイス依存表色系の一部の色の値に基づいて、前記デバイス依存表色系の残りの色の値を算出し、前記デバイス非依存表色系の値を入力とし、変更後の前記デバイス依存表色系の一部の色の値と、前記デバイス依存表色系の残りの色の値を出力する色変換プロファイルを作成する。
【0008】
また、第2態様に係る情報処理装置は、第1態様に係る情報処理装置において、前記デバイス依存表色系の一部の色は、前記特色又は黒色である。
【0009】
また、第3態様に係る情報処理装置は、第2態様に係る情報処理装置において、前記デバイス依存表色系の一部の色は、前記特色であり、前記プロセッサは、前記目標となるデバイス非依存表色系の値の各々に対して、変更後の前記デバイス依存表色系の前記特色の値に基づいて、前記デバイス依存表色系の黒色の値を算出し、前記目標となるデバイス非依存表色系の値の各々に対して、変更後の前記デバイス依存表色系の前記特色の値と、黒色の値とに基づいて、前記デバイス依存表色系の残りの色の値を算出し、前記デバイス非依存表色系の値を入力とし、変更後の前記デバイス依存表色系の前記特色の値と、黒色の値と、前記デバイス依存表色系の残りの色の値を出力する色変換プロファイルを作成する。
【0010】
また、第4態様に係る情報処理装置は、第2態様に係る情報処理装置において、前記デバイス依存表色系の一部の色は、複数の特色であり、前記プロセッサは、前記複数の特色の各々に対し、前記目標となるデバイス非依存表色系の値の各々に対して、前記特色の値を算出し、前記デバイス非依存表色系の値の変化に対する、前記デバイス依存表色系の前記特色の値の変化を平滑化するように、前記デバイス依存表色系の前記特色の値を変更する。
【0011】
また、第5態様に係る情報処理装置は、第2態様に係る情報処理装置において、前記デバイス依存表色系の一部の色は、前記特色及び黒色であり、前記プロセッサは、前記目標となるデバイス非依存表色系の値の各々に対して、前記特色の値を算出し、前記デバイス非依存表色系の値の変化に対する、前記デバイス依存表色系の前記特色の値の変化を平滑化するように、前記デバイス依存表色系の前記特色の値を変更し、前記目標となるデバイス非依存表色系の値の各々に対して、変更後の前記特色の値に基づいて、黒色の値を算出し、前記デバイス非依存表色系の値の変化に対する、前記デバイス依存表色系の黒色の値の変化を平滑化するように、前記デバイス依存表色系の黒色の値を変更し、前記目標となるデバイス非依存表色系の値の各々に対して、変更後の前記デバイス依存表色系の前記特色の値と、変更後の黒色の値とに基づいて、前記デバイス依存表色系の残りの色の値を算出し、前記デバイス非依存表色系の値を入力とし、変更後の前記デバイス依存表色系の前記特色の値と、変更後の黒色の値と、前記デバイス依存表色系の残りの色の値を出力する色変換プロファイルを作成する。
【0012】
また、第6態様に係る情報処理装置は、第2態様に係る情報処理装置において、前記デバイス依存表色系の一部の色は、黒色であり、前記プロセッサは、前記目標となるデバイス非依存表色系の値の各々に対して、変更後の前記デバイス依存表色系の黒色の値に基づいて、前記デバイス依存表色系の前記特色の値を算出し、前記目標となるデバイス非依存表色系の値の各々に対して、変更後の前記デバイス依存表色系の黒色の値と、前記特色の値とに基づいて、前記デバイス依存表色系の残りの色の値を算出し、前記デバイス非依存表色系の値を入力とし、変更後の前記デバイス依存表色系の黒色の値と、前記特色の値と、前記デバイス依存表色系の残りの色の値を出力する色変換プロファイルを作成する。
【0013】
また、第7態様に係る情報処理装置は、第6態様に係る情報処理装置において、前記特色は、複数の特色であり、前記プロセッサは、前記複数の特色の各々に対し、前記目標となるデバイス非依存表色系の値の各々に対して、変更後の前記デバイス依存表色系の黒色の値に基づいて、前記デバイス依存表色系の前記特色の値を算出し、前記目標となるデバイス非依存表色系の値の各々に対して、変更後の前記デバイス依存表色系の黒色の値と、前記複数の特色の各々の値とに基づいて、前記デバイス依存表色系の残りの色の値を算出し、前記デバイス非依存表色系の値を入力とし、変更後の前記デバイス依存表色系の黒色の値と、前記複数の特色の各々の値と、前記デバイス依存表色系の残りの色の値を出力する色変換プロファイルを作成する。
【0014】
また、第8態様に係る情報処理装置は、第2態様に係る情報処理装置において、前記デバイス依存表色系の一部の色は、前記特色及び黒色であり、前記プロセッサは、前記目標となるデバイス非依存表色系の値の各々に対して、黒色の値を算出し、前記デバイス非依存表色系の値の変化に対する、前記デバイス依存表色系の黒色の値の変化を平滑化するように、前記デバイス依存表色系の黒色の値を変更し、前記目標となるデバイス非依存表色系の値の各々に対して、変更後の黒色の値に基づいて、前記特色の値を算出し、前記デバイス非依存表色系の値の変化に対する、前記デバイス依存表色系の前記特色の値の変化を平滑化するように、前記デバイス依存表色系の前記特色の値を変更し、前記目標となるデバイス非依存表色系の値の各々に対して、変更後の前記デバイス依存表色系の黒色の値と、変更後の前記特色の値とに基づいて、前記デバイス依存表色系の残りの色の値を算出し、前記デバイス非依存表色系の値を入力とし、変更後の前記デバイス依存表色系の黒色の値と、変更後の前記特色の値と、前記デバイス依存表色系の残りの色の値を出力する色変換プロファイルを作成する。
【0015】
また、第9態様に係る情報処理プログラムは、目標となるデバイス非依存表色系の値の各々に対して、特色を含むデバイス依存表色系の一部の色の値を算出し、デバイス非依存表色系の値の変化に対する、前記デバイス依存表色系の一部の色の値の変化を平滑化するように、前記デバイス依存表色系の一部の色の値を変更し、前記目標となるデバイス非依存表色系の値の各々に対して、変更後の前記デバイス依存表色系の一部の色の値に基づいて、前記デバイス依存表色系の残りの色の値を算出し、前記デバイス非依存表色系の値を入力とし、変更後の前記デバイス依存表色系の一部の色の値と、前記デバイス依存表色系の残りの色の値を出力する色変換プロファイルを作成することをコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0016】
第1態様によれば、色変換プロファイルの全ての色に対して平滑化をする場合と比較して、階調性と色再現性との両立を図ることができる。
【0017】
第2態様によれば、特色又は黒色に対して平滑化をしない場合と比較して、色再現性を向上することができる。
【0018】
第3態様によれば、特色に対して平滑化をしない場合と比較して、色再現性を向上することができる。
【0019】
第4態様によれば、特色が複数ある場合であっても、階調性と色再現性との両立を図ることができる。
【0020】
第5態様によれば、特色及び黒色に対して平滑化をしない場合と比較して、階調性を向上することができる。
【0021】
第6態様によれば、黒色に対して平滑化をしない場合と比較して、色再現性を向上することができる。
【0022】
第7態様によれば、特色が複数ある場合であっても、階調性と色再現性との両立を図ることができる。
【0023】
第8態様によれば、特色及び黒色に対して平滑化をしない場合と比較して、階調性を向上することができる。
【0024】
第9態様によれば、色変換プロファイルの全ての色に対して平滑化をする場合と比較して、階調性と色再現性との両立を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本実施形態に係る画像形成装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図2】本実施形態に係る画像形成装置の機能ブロック図である。
図3】第1実施形態に係る画像形成装置で行われる具体的な処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図4】第2実施形態に係る画像形成装置で行われる具体的な処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面を参照して本発明の実施形態の一例を詳細に説明する。なお、各図面において同一又は等価な構成要素及び部分には同一の参照符号を付与している。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
【0027】
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係る情報処理装置としての画像形成装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0028】
画像形成装置10は、印刷ジョブに基づいて用紙等の記録媒体に画像を形成する装置であり、プリンタ又は複合機等のいかなる装置であっても良い。
【0029】
本実施形態に係る画像形成装置10は、プロセッサの一例としてのCPU(Central Processing Unit)10A、ROM(Read Only Memory)10B、RAM(Random Access Memory)10C、HDD(hard disk drive)10D、ディスプレイ10F、通信回線I/F(インタフェース)部10G、及び出力部10Hを備えている。
【0030】
CPU10Aは、画像形成装置10の全体の動作を司る。ROM10Bは、各種制御プログラムや各種パラメータ等が予め記憶される。RAM10Cは、CPU10Aによる各種プログラムの実行時のワークエリア等として用いられる。HDD10Dは、各種のデータやアプリケーション・プログラム等が記憶される。ディスプレイ10Fは、タッチパネルディスプレイが適用され、各種の情報を入力し、かつ、各種の情報を表示するために用いられる。
【0031】
通信回線I/F部10Gは、通信回線(図示省略)に接続され、当該通信回線に接続された他の装置と各種データの送受信を行う。
【0032】
出力部10Hは、印刷ジョブに基づいてCMYK(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)及び特色(例えば、蛍光ピンク)の各色のインク又はトナーを用いて用紙等の記録媒体に画像を形成する。
【0033】
以上の画像形成装置10の各部はシステムバス10Jにより電気的に相互に接続されている。なお、本実施形態に係る画像形成装置10では、HDD10Dを記憶部として適用しているが、これに限らず、フラッシュメモリ等の他の不揮発性の記憶部を適用してもよい。
【0034】
以上の構成により、本実施形態に係る画像形成装置10は、CPU10Aにより、ROM10B、RAM10C、及びHDD10Dに対するアクセス、ディスプレイ10Fを介した各種データの取得、ディスプレイ10Fに対する各種情報の表示を各々実行する。また、画像形成装置10は、CPU10Aにより、通信回線I/F部10Gを介した通信データの送受信の制御を実行する。例えば、PC(パーソナル・コンピュータ)等で実現される情報処理端末から、通信回線I/F部10Gを介した画像データを受信する。
【0035】
本実施形態に係る画像形成装置10では、ROM10BまたはHDD10Dに予め記憶されたプログラムをCPU10Aが実行することにより、デバイス非依存表色系の値を入力とし、デバイス依存表色系の値を出力する色変換プロファイルを作成する処理を行う。
【0036】
続いて、上述のように構成された本実施形態に係る画像形成装置10の機能的構成について説明する。図2は、本実施形態に係る画像形成装置10の機能ブロック図である。なお、各機能部は、ROM10BまたはHDD10Dに予め記憶されたプログラムをCPU10Aが実行することにより実現される。
【0037】
画像形成装置10は、第1プロファイル算出部12、平滑化部14、第2プロファイル算出部16、プロファイル記憶部18、及び色変換部20の機能を有する。
【0038】
第1プロファイル算出部12は、情報処理端末の入力色域内の各格子点の第1デバイス依存表色系(例えば、RGB(レッド、グリーン、ブルー))の値(例えば、R,G,B=0,0,0~255,255,255)に対応するデバイス非依存表色系(例えば、L空間)の値の各々を、目標となるデバイス非依存表色系の値とする。第1プロファイル算出部12は、目標となるデバイス非依存表色系の値の各々に対して、特色を含む第2デバイス依存表色系(例えば、CMYK(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)及び特色)の特色の値を各々算出する。
【0039】
平滑化部14は、デバイス非依存表色系の値の変化に対する、第2デバイス依存表色系の特色の値の変化を平滑化するように、特色の値を変更する。
【0040】
第2プロファイル算出部16は、目標となるデバイス非依存表色系の値の各々に対して、変更後の特色の値に基づいて、第2デバイス依存表色系のK色の値を各々算出する。
【0041】
第2プロファイル算出部16は、目標となるデバイス非依存表色系の値の各々に対して、変更後の特色の値、及びK色の値に基づいて、第2デバイス依存表色系のCMY色の値を各々算出する。
【0042】
第2プロファイル算出部16は、変更後の特色の値、K色の値、及びCMY色の値の算出結果に基づいて、デバイス非依存表色系の値を入力とし、第2デバイス依存表色系の変更後の特色の値、K色の値、及びCMY色の値を出力する、特色版、K版、及びCMY版の色変換プロファイルを作成する。
【0043】
プロファイル記憶部18は、作成された特色版、K版、及びCMY版の色変換プロファイルを記憶する。
【0044】
色変換部20は、特色版、K版、及びCMY版の色変換プロファイルを用いて、情報処理端末から受信した画像データの色変換処理を行い、CMYK特色データで表される印刷ジョブを生成し、出力部10Hに出力する。
【0045】
続いて、上述のように構成された第1実施形態に係る画像形成装置10で行われる処理について説明する。図3は、本実施形態に係る画像形成装置10で行われる具体的な処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、図3の処理は、画像形成装置10において、色変換プロファイルの作成が指示されたときに開始する。
【0046】
ステップS100では、第1プロファイル算出部12は、目標となるデバイス依存表色系の値の各々に対して、第2デバイス依存表色系の特色の値を各々算出する。
【0047】
ステップS102では、平滑化部14は、デバイス非依存表色系の値の変化に対する、第2デバイス依存表色系の特色の値の変化を平滑化するように、特色の値を変更する。
【0048】
ステップS104では、第2プロファイル算出部16は、目標となるデバイス非依存表色系の値の各々に対して、変更後の特色の値に基づいて、第2デバイス依存表色系のK色の値を各々算出する。
【0049】
ステップS106では、第2プロファイル算出部16は、目標となるデバイス非依存表色系の値の各々に対して、変更後の特色の値、及びK色の値に基づいて、第2デバイス依存表色系のCMY色の値を各々算出する。
【0050】
第2プロファイル算出部16は、変更後の特色の値、K色の値、及びCMY色の値の算出結果に基づいて、デバイス非依存表色系の値を入力とし、第2デバイス依存表色系の変更後の特色の値、K色の値、及びCMY色の値を出力する、特色版、K版、及びCMY版の色変換プロファイルを作成する。
【0051】
そして、プロファイル記憶部18に、作成された特色版、K版、及びCMY版の色変換プロファイルが記憶され、当該処理を終了する。
【0052】
上述したように、デバイス非依存表色系の値から、特色を含むデバイス依存表色系の値を出力する色変換プロファイルを作成する際に、デバイス依存表色系の一部の色の値に対して、平滑化を行ってから、残りの色の値を算出し、色変換プロファイルを作成することで、階調性と色再現性とを両立することができる。
【0053】
また、特色の色変換プロファイルの作成精度が低いことから、特色の値に対して平滑化を行ってから、残りの色を算出し、色変換プロファイルを作成することにより、色変換プロファイルの階調性を改善することができる。これにより、階調性と色再現性とを両立することができる。
【0054】
なお、上記の実施形態では、特色版に対してのみ平滑化を行う場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。K版に対しても平滑化を行うようにしてもよい。
【0055】
また、特色が一つである場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。特色が複数であってもよい。例えば、蛍光ピンク及びグリーンを特色としてもよい。この場合、複数の特色の全てに対して平滑化を行うようにしてもよい。具体的には、複数の特色の各々に対し、以下の処理を行えばよい。目標となるデバイス非依存表色系の値の各々に対して、当該特色の値を算出し、デバイス非依存表色系の値の変化に対する、デバイス依存表色系の当該特色の値の変化を平滑化するように、デバイス依存表色系の当該特色の値を変更する。また、複数の特色のうちの一部の特色に対して平滑化を行うようにしてもよい。また、特色の種類は蛍光ピンクやグリーンに限定されるものではない。
【0056】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態に係る画像形成装置について説明する。なお、第2実施形態に係る画像形成装置は、第1実施形態と同様の構成であるため、同一符号を付して説明を省略する。
【0057】
第2実施形態では、K版に対して平滑化を行っている点が、第1実施形態と異なっている。
【0058】
第2実施形態の画像形成装置10の第1プロファイル算出部12は、情報処理端末の入力色域内の各格子点の第1デバイス依存表色系の値に対応するデバイス非依存表色系の値の各々を、目標となるデバイス依存表色系の値とする。第1プロファイル算出部12は、目標となるデバイス非依存表色系の値の各々に対して、特色を含む第2デバイス依存表色系のK色の値を各々算出する。
【0059】
平滑化部14は、デバイス非依存表色系の値の変化に対する、第2デバイス依存表色系のK色の値の変化を平滑化するように、K色の値を変更する。
【0060】
第2プロファイル算出部16は、目標となるデバイス非依存表色系の値の各々に対して、変更後のK色の値に基づいて、第2デバイス依存表色系の特色の値を各々算出する。
【0061】
第2プロファイル算出部16は、目標となるデバイス非依存表色系の値の各々に対して、変更後のK色の値、及び特色の値に基づいて、第2デバイス依存表色系のCMY色の値を各々算出する。
【0062】
第2プロファイル算出部16は、変更後のK色の値、特色の値、及びCMY色の値の算出結果に基づいて、デバイス非依存表色系の値を入力とし、第2デバイス依存表色系の変更後のK色の値、特色の値、及びCMY色の値を出力する、特色版、K版、及びCMY版の色変換プロファイルを作成する。
【0063】
プロファイル記憶部18は、作成された特色版、K版、及びCMY版の色変換プロファイルを記憶する。
【0064】
続いて、上述のように構成された第2実施形態に係る画像形成装置10で行われる処理について説明する。図4は、第2実施形態に係る画像形成装置10で行われる具体的な処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、図4の処理は、画像形成装置10において、色変換プロファイルの作成が指示されたときに開始する。
【0065】
ステップS200では、第1プロファイル算出部12は、目標となるデバイス非依存表色系の値の各々に対して、第2デバイス依存表色系のK色の値を各々算出する。
【0066】
ステップS202では、平滑化部14は、デバイス非依存表色系の値の変化に対する、第2デバイス依存表色系のK色の値の変化を平滑化するように、K色の値を変更する。
【0067】
ステップS204では、第2プロファイル算出部16は、目標となるデバイス非依存表色系の値の各々に対して、変更後のK色の値に基づいて、第2デバイス依存表色系の特色の値を各々算出する。
【0068】
ステップS206では、第2プロファイル算出部16は、目標となるデバイス非依存表色系の値の各々に対して、変更後のK色の値、及び特色版の色変換プロファイルにおける特色の値に基づいて、第2デバイス依存表色系のCMY色の値を各々算出する。
【0069】
第2プロファイル算出部16は、変更後のK色の値、特色の値、及びCMY色の値の算出結果に基づいて、デバイス非依存表色系の値を入力とし、第2デバイス依存表色系の変更後のK色の値、特色の値、及びCMY色の値を出力する、特色版、K版、及びCMY版の色変換プロファイルを作成する。
【0070】
そして、プロファイル記憶部18に、作成された特色版、K版、及びCMY版の色変換プロファイルが記憶され、当該処理を終了する。
【0071】
上述したように、デバイス非依存表色系の値から、特色を含むデバイス依存表色系の値を出力する色変換プロファイルを作成する際に、デバイス依存表色系の黒色に対して、平滑化を行ってから、残りの色を算出し、色変換プロファイルを作成することで、階調性と色再現性とを両立することができる。
【0072】
なお、上記第2実施形態では、K版に対してのみ平滑化を行う場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。特色版に対しても平滑化を行うようにしてもよい。
【0073】
また、特色が一つである場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。特色が複数であってもよい。この場合、K版に対して平滑化を行った後に、複数の特色の各々に対し、以下の処理を行えばよい。目標となるデバイス非依存表色系の値の各々に対して、変更後のK色の値に基づいて、デバイス依存表色系の当該特色の値を算出する。そして、目標となるデバイス非依存表色系の値の各々に対して、変更後のK色の値と、複数の特色の各々の値とに基づいて、デバイス依存表色系のCMY色の値を算出し、特色版、K版、及びCMY版の色変換プロファイルを作成する。
【0074】
また、上記第1、第2実施形態では、デバイス非依存表色系が、L空間である場合を例に説明したが、これに限定されるものではなく、他のデバイス非依存表色系であってもよい。
【0075】
また、第2デバイス依存表色系が、特色とCMYK色である場合を例に説明したが、これに限定されるものではなく、特色以外がCMYK色以外の色であってもよい。
【0076】
また、画像形成装置に本発明を適用する場合を例に説明したが、これに限定されない。スマホやコンピュータなどの情報処理装置に本発明を適用してもよい。
【0077】
また、上記の実施形態において、CPU10Aをプロセッサの一例として説明したが、プロセッサとは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPU: Central Processing Unit、等)や、専用のプロセッサ(例えばGPU: Graphics Processing Unit、ASIC: Application Specific Integrated Circuit、FPGA: Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス、等)を含むものである。
【0078】
また上記各実施形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は上記各実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
【0079】
また、上記の実施形態に係る画像形成装置10で行われる処理は、ソフトウエアで行われる処理としてもよいし、ハードウェアで行われる処理としてもよいし、双方を組み合わせた処理としてもよい。また、画像形成装置10で行われる処理は、プログラムとして記憶媒体に記憶して流通させるようにしてもよい。
【0080】
また、本発明は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0081】
10 画像形成装置
10A CPU
12 第1プロファイル算出部
14 平滑化部
16 第2プロファイル算出部
18 プロファイル記憶部
20 色変換部
図1
図2
図3
図4