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特開2022-178436情報処理装置、テープ印刷装置、印刷システム、情報処理装置の制御方法およびプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022178436
(43)【公開日】2022-12-02
(54)【発明の名称】情報処理装置、テープ印刷装置、印刷システム、情報処理装置の制御方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20221125BHJP
   G06F 40/106 20200101ALI20221125BHJP
   B41J 3/36 20060101ALI20221125BHJP
【FI】
G06F3/12 354
G06F40/106
G06F3/12 305
G06F3/12 353
G06F3/12 356
G06F3/12 378
B41J3/36 T
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021085233
(22)【出願日】2021-05-20
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001623
【氏名又は名称】弁理士法人真菱国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】奥村 洋一
【テーマコード(参考)】
2C055
5B109
【Fターム(参考)】
2C055CC00
2C055CC01
2C055CC05
5B109NB11
5B109NB14
(57)【要約】      (修正有)
【課題】エラー表示を行う頻度を減らし、ユーザーの操作性を向上させる。
【解決手段】印刷媒体の印刷可能領域に印刷される複数行の文字列の編集が可能な編集画面を表示部に表示させる表示制御部110と、編集画面に入力された複数行の文字列の文字サイズを設定する文字サイズ設定部120と、編集画面に入力された複数行の文字列を、文字サイズ設定部120により設定された文字サイズで印刷させる印刷制御部130と、を備える携帯端末1であって、文字サイズ設定部120は、行単位で文字列の文字サイズを設定可能であり、編集画面において、ユーザーにより指定された文字サイズを設定したn行目(nは、n≧1となる整数)の行頭または行末で改行操作が行われると、改行後のn行目およびn+1行目の少なくとも一方の文字サイズを、編集画面に入力された複数行の文字列の行方向における長さが、印刷可能領域の行方向の長さに収まるように設定する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
テープ印刷装置により印刷媒体の印刷可能領域に印刷される複数行の文字列の編集が可能な編集画面を、表示部に表示させる表示制御部と、
前記編集画面に入力された複数行の前記文字列の文字サイズを設定する文字サイズ設定部と、
前記編集画面に入力された複数行の前記文字列を、前記文字サイズ設定部により設定された文字サイズで前記テープ印刷装置に印刷させる印刷制御部と、を備え、
前記文字サイズ設定部は、
行単位で前記文字列の文字サイズを設定可能であり、
前記編集画面において、ユーザーにより指定された文字サイズを設定したn行目(nは、n≧1となる整数)の行頭または行末で改行操作が行われると、改行後のn行目およびn+1行目の少なくとも一方の文字サイズを、前記編集画面に入力された複数行の前記文字列の、行の並び方向である行方向における長さが、前記印刷可能領域の前記行方向の長さに収まるように設定する自動サイズ設定とすることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記文字サイズ設定部は、前記編集画面において、n行目の行中で改行操作が行われると、改行後のn行目およびn+1行目の文字サイズを、改行前にn行目に設定されていた文字サイズに設定することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記文字サイズ設定部は、前記編集画面において、文字が入力されているn行目の行頭で改行操作が行われると、改行後のn行目の文字サイズを、前記自動サイズ設定とし、改行後のn+1行目の文字サイズを、改行前にn行目に設定されていた文字サイズに設定することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記文字サイズ設定部は、前記編集画面において、n行目の行末で改行操作が行われると、改行後のn行目の文字サイズを、改行前にn行目に設定されていた文字サイズに設定し、改行後のn+1行目の文字サイズを、前記自動サイズ設定とすることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
印刷媒体に印刷を行う印刷部と、
前記印刷部により前記印刷媒体の印刷可能領域に印刷される複数行の文字列の編集が可能な編集画面を、表示部に表示させる表示制御部と、
前記編集画面に入力された複数行の前記文字列の文字サイズを設定する文字サイズ設定部と、
前記編集画面に入力された複数行の前記文字列を、前記文字サイズ設定部により設定された文字サイズで前記印刷部に印刷させる印刷制御部と、を備え、
前記文字サイズ設定部は、
行単位で前記文字列の文字サイズを設定可能であり、
前記編集画面において、ユーザーにより指定された文字サイズを設定したn行目(nは、n≧1となる整数)の行頭または行末で改行操作が行われると、改行後のn行目およびn+1行目の少なくとも一方の文字サイズを、前記編集画面に入力された複数行の前記文字列の、行の並び方向である行方向における長さが、前記印刷可能領域の前記行方向の長さに収まるように設定することを特徴とするテープ印刷装置。
【請求項6】
前記文字サイズ設定部は、前記編集画面において、n行目の行中で改行操作が行われると、改行後のn行目およびn+1行目の文字サイズを、改行前にn行目に設定されていた文字サイズに設定することを特徴とする請求項5に記載のテープ印刷装置。
【請求項7】
情報処理装置と、テープ印刷装置と、が通信可能に接続される印刷システムであって、
前記情報処理装置は、
前記テープ印刷装置により印刷媒体の印刷可能領域に印刷される複数行の文字列の編集が可能な編集画面を、表示部に表示させる表示制御部と、
前記編集画面に入力された複数行の前記文字列の文字サイズを設定する文字サイズ設定部と、
前記編集画面に入力された複数行の前記文字列を、前記文字サイズ設定部により設定された文字サイズで前記テープ印刷装置に印刷させる印刷制御部と、を備え、
前記文字サイズ設定部は、
行単位で前記文字列の文字サイズを設定可能であり、
前記編集画面において、ユーザーにより指定された文字サイズを設定したn行目(nは、n≧1となる整数)の行頭または行末で改行操作が行われると、改行後のn行目およびn+1行目の少なくとも一方の文字サイズを、前記編集画面に入力された複数行の前記文字列の、行の並び方向である行方向における長さが、前記印刷可能領域の前記行方向の長さに収まるように設定することを特徴とする印刷システム。
【請求項8】
前記文字サイズ設定部は、前記編集画面において、n行目の行中で改行操作が行われると、改行後のn行目およびn+1行目の文字サイズを、改行前にn行目に設定されていた文字サイズに設定することを特徴とする請求項7に記載の印刷システム。
【請求項9】
情報処理装置が、
テープ印刷装置により印刷媒体の印刷可能領域に印刷される複数行の文字列の編集が可能な編集画面を、表示部に表示させるステップと、
前記編集画面に入力された複数行の前記文字列の文字サイズを設定するステップと、
前記編集画面に入力された複数行の前記文字列を、設定された文字サイズで前記テープ印刷装置に印刷させるステップと、を実行し、
複数行の前記文字列の文字サイズを設定するステップでは、
行単位で前記文字列の文字サイズを設定可能であり、
前記編集画面において、ユーザーにより指定された文字サイズを設定したn行目(nは、n≧1となる整数)の行頭または行末で改行操作が行われると、改行後のn行目およびn+1行目の少なくとも一方の文字サイズを、前記編集画面に入力された複数行の前記文字列の、行の並び方向である行方向における長さが、前記印刷可能領域の前記行方向の長さに収まるように設定することを特徴とする情報処理装置の制御方法。
【請求項10】
複数行の前記文字列の文字サイズを設定するステップでは、前記編集画面において、n行目の行中で改行操作が行われると、改行後のn行目およびn+1行目の文字サイズを、改行前にn行目に設定されていた文字サイズに設定することを特徴とする請求項9に記載の情報処理装置の制御方法。
【請求項11】
情報処理装置に、
テープ印刷装置により印刷媒体の印刷可能領域に印刷される複数行の文字列の編集が可能な編集画面を、表示部に表示させるステップと、
前記編集画面に入力された複数行の前記文字列の文字サイズを設定するステップと、
前記編集画面に入力された複数行の前記文字列を、設定された文字サイズで前記テープ印刷装置に印刷させるステップと、を実行させ、
複数行の前記文字列の文字サイズを設定するステップでは、
前記情報処理装置が、
行単位で前記文字列の文字サイズを設定可能であり、
前記編集画面において、ユーザーにより指定された文字サイズを設定したn行目(nは、n≧1となる整数)の行頭または行末で改行操作が行われると、改行後のn行目およびn+1行目の少なくとも一方の文字サイズを、前記編集画面に入力された複数行の前記文字列の、行の並び方向である行方向における長さが、前記印刷可能領域の前記行方向の長さに収まるように設定することを特徴とするプログラム。
【請求項12】
複数行の前記文字列の文字サイズを設定するステップでは、前記編集画面において、n行目の行中で改行操作が行われると、改行後のn行目およびn+1行目の文字サイズを、改行前にn行目に設定されていた文字サイズに設定することを特徴とする請求項11に記載のプログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、テープ印刷装置、印刷システム、情報処理装置の制御方法およびプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に開示されているように、印刷媒体に印刷される文字列の編集を行うための編集画面を表示するテープ印刷装置が知られている。このテープ印刷装置は、編集画面に複数行の文字列が入力された場合、行単位で文字列の文字サイズの指定が可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-021248号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般的に、特許文献1の記載のようなテープ印刷装置は、文字サイズが指定されているn行目(nは、n≧1となる整数)で改行操作が行われると、n行目およびn+1行目の文字サイズを、改行操作が行われる前にn行目に設定されていた文字サイズに設定する。また、印刷媒体がテープであり、複数行の文字列の行の並び方向である行方向がテープ幅方向となるように印刷される場合は、印刷可能領域の行方向の長さが制限される。テープ印刷装置は、このような場合、文字サイズが指定されているn行目で改行操作が行われ、印刷可能領域の行方向の長さに、編集中の複数行の文字列の行方向の長さが収まらなくなったとき、エラー表示を行って改行操作を無効とする。エラー表示が行われると、ユーザーは、n行目の文字サイズを小さくして改行操作を行った後、再度、n行目の文字サイズを元の文字サイズに戻すなど、煩雑な操作が必要となる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の情報処理装置は、テープ印刷装置により印刷媒体の印刷可能領域に印刷される複数行の文字列の編集が可能な編集画面を表示部に表示させる表示制御部と、編集画面に入力された複数行の文字列の文字サイズを設定する文字サイズ設定部と、編集画面に入力された複数行の文字列を、文字サイズ設定部により設定された文字サイズでテープ印刷装置に印刷させる印刷制御部と、を備え、文字サイズ設定部は、行単位で文字列の文字サイズを設定可能であり、編集画面において、ユーザーにより指定された文字サイズを設定したn行目(nは、n≧1となる整数)の行頭または行末で改行操作が行われると、改行後のn行目およびn+1行目の少なくとも一方の文字サイズを、編集画面に入力された複数行の文字列の、行の並び方向である行方向における長さが、印刷可能領域の行方向の長さに収まるように設定する自動サイズ設定とする。
【0006】
本発明のテープ印刷装置は、印刷媒体に印刷を行う印刷部と、印刷部により印刷媒体の印刷可能領域に印刷される複数行の文字列の編集が可能な編集画面を表示部に表示させる表示制御部と、編集画面に入力された複数行の文字列の文字サイズを設定する文字サイズ設定部と、編集画面に入力された複数行の文字列を、文字サイズ設定部により設定された文字サイズで印刷部に印刷させる印刷制御部と、を備え、文字サイズ設定部は、行単位で文字列の文字サイズを設定可能であり、編集画面において、ユーザーにより指定された文字サイズを設定したn行目(nは、n≧1となる整数)の行頭または行末で改行操作が行われると、改行後のn行目およびn+1行目の少なくとも一方の文字サイズを、編集画面に入力された複数行の文字列の、行の並び方向である行方向における長さが、印刷可能領域の行方向の長さに収まるように設定する。
【0007】
本発明の印刷システムは、情報処理装置と、テープ印刷装置と、が通信可能に接続される印刷システムであって、情報処理装置は、テープ印刷装置により印刷媒体の印刷可能領域に印刷される複数行の文字列の編集が可能な編集画面を表示部に表示させる表示制御部と、編集画面に入力された複数行の文字列の文字サイズを設定する文字サイズ設定部と、編集画面に入力された複数行の文字列を、文字サイズ設定部により設定された文字サイズでテープ印刷装置に印刷させる印刷制御部と、を備え、文字サイズ設定部は、行単位で文字列の文字サイズを設定可能であり、編集画面において、ユーザーにより指定された文字サイズを設定したn行目(nは、n≧1となる整数)の行頭または行末で改行操作が行われると、改行後のn行目およびn+1行目の少なくとも一方の文字サイズを、編集画面に入力された複数行の文字列の、行の並び方向である行方向における長さが、印刷可能領域の行方向の長さに収まるように設定する。
【0008】
本発明の情報処理装置の制御方法は、情報処理装置が、テープ印刷装置により印刷媒体の印刷可能領域に印刷される複数行の文字列の編集が可能な編集画面を表示部に表示させるステップと、編集画面に入力された複数行の文字列の文字サイズを設定するステップと、編集画面に入力された複数行の文字列を、設定された文字サイズでテープ印刷装置に印刷させるステップと、を実行し、複数行の文字列の文字サイズを設定するステップでは、行単位で文字列の文字サイズを設定可能であり、編集画面において、ユーザーにより指定された文字サイズを設定したn行目(nは、n≧1となる整数)の行頭または行末で改行操作が行われると、改行後のn行目およびn+1行目の少なくとも一方の文字サイズを、編集画面に入力された複数行の文字列の、行の並び方向である行方向における長さが、印刷可能領域の行方向の長さに収まるように設定する。
【0009】
本発明のプログラムは、情報処理装置に、テープ印刷装置により印刷媒体の印刷可能領域に印刷される複数行の文字列の編集が可能な編集画面を表示部に表示させるステップと、編集画面に入力された複数行の文字列の文字サイズを設定するステップと、編集画面に入力された複数行の文字列を、設定された文字サイズでテープ印刷装置に印刷させるステップと、を実行させ、複数行の文字列の文字サイズを設定するステップでは、情報処理装置が、行単位で文字列の文字サイズを設定可能であり、編集画面において、ユーザーにより指定された文字サイズを設定したn行目(nは、n≧1となる整数)の行頭または行末で改行操作が行われると、改行後のn行目およびn+1行目の少なくとも一方の文字サイズを、編集画面に入力された複数行の文字列の、行の並び方向である行方向における長さが、印刷可能領域の行方向の長さに収まるように設定する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】印刷システムに含まれる携帯端末およびテープ印刷装置の外観図である。
図2】携帯端末およびテープ印刷装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図3】ラベルの作成例を示す図である。
図4】携帯端末の機能構成を示すブロック図である。
図5】改行操作が行われた場合の文字サイズ設定処理を示すフローチャートである。
図6】行削除操作が行われた場合の文字サイズ設定処理を示すフローチャートである。
図7】複数行の範囲選択削除操作が行われた場合の文字サイズ設定処理を示すフローチャートである。
図8】編集画面の表示例を示す図である。
図9】テープ幅対応表の一例を示す図である。
図10図8の状態から1行目の文字サイズが拡大された場合の編集画面の表示例を示す図である。
図11】エラー表示画面の一例を示す図である。
図12】編集画面の他の表示例を示す図である。
図13図12の状態から改行操作が行われた場合の編集画面の表示例を示す図である。
図14】編集画面の他の表示例を示す図である。
図15図14の状態から改行操作が行われた場合の編集画面の表示例を示す図である。
図16】編集画面の他の表示例を示す図である。
図17図16の状態から改行操作が行われた場合の編集画面の表示例を示す図である。
図18】編集画面の他の表示例を示す図である。
図19図18の状態から改行操作が行われた場合の編集画面の表示例を示す図である。
図20】編集画面の他の表示例を示す図である。
図21図20の状態から行削除操作が行われた場合の編集画面の表示例を示す図である。
図22】編集画面の他の表示例を示す図である。
図23図22の状態から行削除操作が行われた場合の編集画面の表示例を示す図である。
図24】編集画面の他の表示例を示す図である。
図25図24の状態から行削除操作が行われた場合の編集画面の表示例を示す図である。
図26】編集画面の他の表示例を示す図である。
図27図26の状態から行削除操作が行われた場合の編集画面の表示例を示す図である。
図28】編集画面の他の表示例を示す図である。
図29図28の状態から複数行の範囲選択削除操作が行われた場合の編集画面の表示例を示す図である。
図30】編集画面の他の表示例を示す図である。
図31図30の状態から複数行の範囲選択削除操作が行われた場合の編集画面の表示例を示す図である。
図32】編集画面の他の表示例を示す図である。
図33図32の状態から複数行の範囲選択削除操作が行われた場合の編集画面の表示例を示す図である。
図34】編集画面の他の表示例を示す図である。
図35図34の状態から複数行の範囲選択削除操作が行われた場合の編集画面の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付の図面を参照して、情報処理装置、テープ印刷装置、印刷システム、情報処理装置の制御方法およびプログラムについて説明する。なお、一部の図面では、XYZ直交座標系を表示するが、説明の便宜上のものにすぎず、以下の実施形態を何ら限定するものではない。
【0012】
図1は、携帯端末1およびテープ印刷装置2の外観図である。携帯端末1は、「情報処理装置」の一例である。また、テープ印刷装置2は、「印刷装置」の一例である。印刷システムSYは、携帯端末1と、テープ印刷装置2と、を備え、これらは無線通信5を介して接続されている。なお、携帯端末1とテープ印刷装置2は、無線通信5を介して接続されるのではなく、ケーブル等を介して有線接続されてもよい。
【0013】
携帯端末1は、タッチパネル11を備えている。タッチパネル11は、「表示部」の一例である。また、携帯端末1は、テープ印刷装置2と連携してラベルL(図3参照)を作成するためのラベル作成アプリケーション30(図2参照)がインストールされている。ラベル作成アプリケーション30は、「プログラム」の一例である。携帯端末1は、ラベル作成アプリケーション30を用いて、ラベルLを作成するための印刷データを生成し、生成した印刷データをテープ印刷装置2に送信する。なお、図1では、携帯端末1としてスマートフォンを図示しているが、タブレット端末やノート型PC(Personal Computer)などを用いてもよい。また、携帯端末1以外の情報処理装置により、印刷データを生成し、生成した印刷データをテープ印刷装置2に送信してもよい。
【0014】
テープ印刷装置2は、キーボード21と、ディスプレー22と、カートリッジ装着部23と、テープ排出口24と、を備えている。
【0015】
キーボード21は、ラベルLに印刷される印刷画像G(図3参照)の編集など、各種操作を受け付ける。本実施形態では、印刷画像Gとして、1行以上の文字列がラベルLに印刷される。ディスプレー22は、印刷画像Gを編集するための操作画面など、各種情報を表示する。カートリッジ装着部23には、テープカートリッジCが着脱可能に装着される。テープカートリッジCには、そのケース内に、テープTと、インクリボンRと、が収容されている。テープTは、「印刷媒体」の一例である。
【0016】
カートリッジ装着部23には、サーマルヘッド25が設けられている。サーマルヘッド25は、カートリッジ装着部23にテープカートリッジCが装着された状態で、印刷画像Gの編集結果に応じて発熱駆動する。これにより、インクリボンRのインクがテープTに転写され、印刷画像GがテープTに印刷される。
【0017】
印刷されたテープTは、テープ排出口24から排出される。カートリッジ装着部23とテープ排出口24との間には、カッター26が設けられている。カッター26は、テープTを幅方向に切断する。これにより、テープTの印刷済み部分が切り離される。切り離されたテープTの印刷済み部分は、ラベルLとして用いられる。
【0018】
なお、テープ印刷装置2は、キーボード21を用いた印刷画像Gの編集結果に基づく印刷の他、携帯端末1から送信された印刷データに基づく印刷が可能である。本実施形態では、後者のように、テープ印刷装置2が、携帯端末1から送信された印刷データに基づいて印刷を行う場合について説明する。
【0019】
図2は、携帯端末1およびテープ印刷装置2のハードウェア構成を示すブロック図である。携帯端末1は、タッチパネル11と、携帯端末側通信部12と、携帯端末側制御部13と、を備える。
【0020】
タッチパネル11は、ユーザーによる各種操作を受け付けると共に各種情報を表示する。例えば、タッチパネル11は、印刷画像Gを編集するための編集画面D1(図8等参照)を表示する。
【0021】
携帯端末側通信部12は、無線通信5を介してテープ印刷装置2と通信する。例えば、携帯端末側通信部12は、テープ印刷装置2に印刷データを送信したり、テープ印刷装置2から、テープ印刷装置2に装着されているテープカートリッジCの種別を示すカートリッジ情報を受信したりする。
【0022】
携帯端末側制御部13は、携帯端末側CPU(Central Processing Unit)13aと、携帯端末側ROM(Read Only Memory)13bと、携帯端末側RAM(Random Access Memory)13cと、を含む。
【0023】
携帯端末側CPU13aは、携帯端末側ROM13bに記憶された各種制御プログラムを携帯端末側RAM13cに展開して実行することにより、各種制御を行う。なお、携帯端末側制御部13は、携帯端末側CPU13aに代え、プロセッサーとしてASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のハードウェア回路を用いてもよい。また、プロセッサーは、1以上のCPUとASIC等のハードウェア回路が協働して動作する構成でもよい。
【0024】
携帯端末側ROM13bは、書き換え可能なROMであり、各種制御プログラムおよび各種制御データを記憶する。例えば、携帯端末側ROM13bは、ラベル作成アプリケーション30を記憶している。ラベル作成アプリケーション30は、上述のとおり、ラベルLを作成するためのアプリケーションプログラムである。
【0025】
テープ印刷装置2は、印刷装置側通信部41と、カートリッジ情報取得部42と、印刷部43と、印刷装置側制御部44と、を備える。
【0026】
印刷装置側通信部41は、無線通信5を介して携帯端末1と通信する。
【0027】
カートリッジ情報取得部42は、テープカートリッジCのケースに印刷、またはラベルとして貼付されたコード画像を光学的に読み取る光学読取部(図示省略)を備え、光学読取部により読み取った画像をデコードすることにより、カートリッジ情報を取得する。カートリッジ情報には、テープカートリッジCに収容されているテープTのテープ幅、色、素材、インクリボンRの色を示す情報などが含まれる。
【0028】
印刷部43は、テープTに印刷を行うための機構であり、サーマルヘッド25と、送りモーター43aと、カッターモーター43bと、を含む。サーマルヘッド25は、複数の発熱素子を備え、インクリボンRからテープTにインクを熱転写することにより印刷を行う。送りモーター43aは、テープTおよびインクリボンRを送る駆動源である。カッターモーター43bは、カッター26を駆動する駆動源である。
【0029】
印刷装置側制御部44は、印刷装置側CPU44aと、印刷装置側ROM44bと、印刷装置側RAM44cと、を含む。
【0030】
印刷装置側CPU44aは、印刷装置側ROM44bに記憶された各種制御プログラムを印刷装置側RAM44cに展開して実行することにより、各種制御を行う。なお、印刷装置側制御部44は、印刷装置側CPU44aに代え、ASIC等のハードウェア回路をプロセッサーとして用いてもよい。また、プロセッサーは、1以上のCPUとASIC等のハードウェア回路が協働して動作する構成でもよい。
【0031】
印刷装置側ROM44bは、ファームウェアなど、各種制御プログラムを記憶する。印刷装置側CPU44aは、印刷装置側ROM44bに記憶された制御プログラムを用いて、携帯端末1から送信された印刷データに基づき、テープTに印刷を行う。また、印刷装置側CPU44aは、携帯端末1からカートリッジ情報要求信号を受信したとき、およびテープカートリッジCが交換されたときに、カートリッジ情報取得部42を介して、テープカートリッジCからカートリッジ情報を取得し、取得したカートリッジ情報を携帯端末1に送信する。
【0032】
次に、図3を参照し、テープ印刷装置2により作成されるラベルLについて説明する。図3は、複数行の文字列を示す印刷画像Gが印刷されたラベルLの作成例を示す図である。図3において、X方向はテープTの長さ方向、Y方向はテープTの幅方向、Z方向はテープTの厚み方向を示している。本実施形態において、複数行の文字列は、テープTの幅方向、すなわちY方向に複数の行が並ぶように印刷される。Y方向は、「行方向」の一例である。なお、後述する編集画面D1についても、テープTの長さ方向をX方向、テープTの幅方向をY方向として説明する。
【0033】
テープTは、印刷層Taと、印刷層Taの-Z方向に設けられた剥離紙層Tbと、を備えている。印刷層Taの+Z方向の面は、印刷面であり、印刷層Taの-Z方向の面は、粘着剤が塗布された粘着面である。テープTに印刷画像Gが印刷されたラベルLは、印刷層Taから剥離紙層Tbが剥がされ、印刷層Taが貼付対象物(図示省略)に貼付される。
【0034】
印刷画像Gは、テープTの印刷可能領域PEに印刷される。図3において、印刷可能領域PEは、破線で示される矩形の領域である。X方向において、印刷可能領域PEの長さL3は、テープTの長さL1から、テープTの-X方向の余白である前余白の長さL5aと、テープTの+X方向の余白である後ろ余白の長さL5bと、を差し引いた長さである。前余白の長さL5aと、後ろ余白の長さL5bと、はいずれも一定の長さである。また、印刷モードが、指定された長さのラベルLを作成する定長印刷に設定されている場合、X方向における印刷可能領域PEの長さL3は、指定された定長に応じて決定される。また、印刷モードが、編集画面D1に入力された文字列に応じてラベルLの長さが変化する自由長印刷に設定されている場合、X方向における印刷可能領域PEの長さL3は、入力された文字列の文字数および文字サイズに応じて決定される。
【0035】
また、Y方向において、印刷可能領域PEの長さL4は、テープTの幅L2から、テープTの+Y方向の余白である上余白の長さL6aと、テープTの-Y方向の余白である下余白の長さL6bと、を差し引いた長さである。上余白の長さL6aと、下余白の長さL6bと、はいずれも一定の長さである。また、Y方向における印刷可能領域PEの長さL4は、テープTのテープ幅に応じて決定される。
【0036】
次に、図4を参照し、携帯端末1の機能構成について説明する。携帯端末1は、機能構成として、表示制御部110と、文字サイズ設定部120と、印刷制御部130と、を備えている。これらの機能は、いずれも携帯端末側CPU13aが、ラベル作成アプリケーション30を実行することにより実現される機能である。
【0037】
表示制御部110は、テープ印刷装置2によりテープTの印刷可能領域PEに印刷される複数行の文字列の編集が可能な編集画面D1をタッチパネル11に表示させる。表示制御部110は、編集画面D1に、テープTを模したテープイメージ64と、編集対象となる1行以上の文字列を示す文字列イメージCIと、編集位置を示すカーソルKと、を表示する(図8等参照)。
【0038】
文字サイズ設定部120は、編集画面D1に入力された文字列の文字サイズを設定する。文字サイズ設定部120は、編集画面D1に複数行の文字列が入力されている場合、行単位で文字列の文字サイズを設定可能である。例えば、文字サイズ設定部120は、ユーザーにより文字サイズが指定された行については、指定された文字サイズに設定する。また、文字サイズ設定部120は、ユーザーにより文字サイズが指定されていない行については、自動サイズ設定とする。
【0039】
自動サイズ設定とは、ユーザーにより文字サイズが指定されていない行の文字サイズを、編集画面D1に入力された複数行の文字列の、行の並び方向であるY方向における長さが、印刷可能領域PEのY方向の長さに収まるように設定する設定方法である。より具体的には、文字サイズ設定部120は、ユーザーにより文字サイズが指定されていない行の文字サイズを、印刷可能領域PEのY方向の長さから、ユーザーにより文字サイズが指定された行のY方向の合計長さを差し引いた長さである残長さに収まる最大のサイズとなるように設定する。また、文字サイズ設定部120は、ユーザーにより文字サイズが指定されていない行が複数行ある場合、文字サイズが指定されていない複数行の文字サイズが同じ文字サイズとなるように設定する。
【0040】
なお、文字サイズ設定部120は、印刷モードが定長印刷に設定されている場合であって、ユーザーにより定長詰め機能の実行が指示された場合、指定されたテープTの長さである定長に応じて自動サイズ設定の行の文字サイズを決定する。定長詰め機能とは、指定された定長に、編集画面D1に入力されている1以上の段落のX方向の長さが収まらない場合、1以上の段落のX方向の長さが収まるように、各段落の文字サイズを自動設定する機能である。段落とは、行の集まり、または1行を指す。携帯端末1は、編集画面D1に複数の段落が入力されている場合、複数の段落をテープTのX方向に並べて配置する。文字サイズ設定部120は、定長詰め機能の実行が指示された場合、1以上の段落のうち、定長詰め機能の対象として指定された段落の中で、テープTの+X側にある段落から順に段落単位で文字サイズを一段階ずつ小さくしていく。但し、定長詰め機能の対象となる段落であっても、ユーザーにより文字サイズが指定された行については、文字サイズが変更されず、自動サイズ設定の行のみ文字サイズが変更される。また、段落の中で、X方向の長さが最大の行が、ユーザーにより文字サイズが指定された行である場合、その段落は、定長詰め機能の対象外となる。
【0041】
また、文字サイズ設定部120は、編集画面D1において、ユーザーにより指定された文字サイズを設定したn行目(nは、n≧1となる整数)で改行操作が行われると、改行後のn行目およびn+1行目の少なくとも一方の文字サイズを自動サイズ設定とする。
【0042】
より具体的には、文字サイズ設定部120は、文字が入力されているn行目の行頭で改行操作が行われると、n行目の文字サイズを、自動サイズ設定とし、改行後のn+1行目の文字サイズを、改行前にn行目に設定されていた文字サイズに設定する。なお、「行頭」とは、カーソルKが表示されている行において、カーソルKの前に文字がない状態を指す。
【0043】
また、文字サイズ設定部120は、n行目の行末で改行操作が行われると、n行目の文字サイズを、改行前にn行目に設定されていた文字サイズに設定し、改行後のn+1行目の文字サイズを、自動サイズ設定とする。なお、「行末」とは、カーソルKが表示されている行において、カーソルKの後ろに文字がない状態を指す。
【0044】
また、文字サイズ設定部120は、n行目の行中で改行操作が行われると、改行後のn行目およびn+1行目の文字サイズを、改行前にn行目に設定されていた文字サイズに設定する。なお、n行目の行中とは、n行目の行頭でもなく行末でもない箇所を指す。
【0045】
なお、文字サイズ設定部120は、ユーザーにより文字サイズが指定されていないn行目、すなわち自動サイズ設定のn行目で改行操作が行われると、改行後のn行目およびn+1行目の文字サイズを自動サイズ設定とする。
【0046】
印刷制御部130は、編集画面D1に入力された複数行の文字列を、文字サイズ設定部120により設定された文字サイズでテープ印刷装置2に印刷させる。より具体的には、印刷制御部130は、編集画面D1に入力された複数行の文字列を、文字サイズ設定部120により設定された文字サイズで印刷させるための印刷データを生成し、生成した印刷データをテープ印刷装置2に送信する。
【0047】
次に、図5ないし図7を参照し、携帯端末1の文字サイズ設定部120による文字サイズ設定処理について説明する。文字サイズ設定処理は、携帯端末1のタッチパネル11に編集画面D1が表示されている状態において、ユーザーにより何らかの操作が行われたことをトリガーとして実行される。
【0048】
図5は、改行操作が行われた場合の文字サイズ設定処理を示すフローチャートである。ステップS01において、携帯端末1は、ユーザーにより改行操作が行われたか否かを判別する。携帯端末1は、改行操作が行われたと判別した場合、ステップS02に進む。また、携帯端末1は、改行操作が行われていないと判別した場合、ユーザーが行った操作に応じた処理を行う。
【0049】
ステップS02において、携帯端末1は、行末で改行操作が行われたか否かを判別する。携帯端末1は、行末で改行操作が行われたと判別した場合、ステップS06に進む。また、携帯端末1は、行末で改行操作が行われていないと判別した場合、ステップS03に進む。
【0050】
ステップS03において、携帯端末1は、行頭で改行操作が行われたか否かを判別する。携帯端末1は、行頭で改行操作が行われたと判別した場合、ステップS05に進む。また、携帯端末1は、行頭で改行操作が行われていないと判別した場合、ステップS04に進む。
【0051】
ステップS04において、携帯端末1は、改行操作が行われた行がn行目である場合、n行目およびn+1行目の文字サイズを、改行前にn行目に設定されていた文字サイズに設定する。なお、「改行前にn行目に設定されていた文字サイズに設定する」とは、ユーザーによりn行目に文字サイズが指定されていた場合、指定されていた文字サイズに設定することを意味する。また、ユーザーによりn行目に文字サイズが指定されていない場合、自動サイズ設定とすることを意味する。
【0052】
ステップS05において、携帯端末1は、行頭で改行操作が行われた行に文字が入力されているか否かを判別する。携帯端末1は、行頭で改行操作が行われた行に文字が入力されていると判別した場合、ステップS07に進む。また、携帯端末1は、行頭で改行操作が行われた行に文字が入力されていないと判別した場合、ステップS06に進む。
【0053】
ステップS06において、携帯端末1は、改行操作が行われた行がn行目である場合、n行目の文字サイズを、改行前にn行目に設定されていた文字サイズに設定し、n+1行目の文字サイズを、自動サイズ設定とする。
【0054】
ステップS07において、携帯端末1は、改行操作が行われた行がn行目である場合、n行目の文字サイズを、自動サイズ設定とし、n+1行目の文字サイズを、改行前にn行目に設定されていた文字サイズに設定する。
【0055】
図6は、行の削除操作が行われた場合の文字サイズ設定処理を示すフローチャートである。行の削除操作とは、行頭にカーソルKがある場合の削除操作を指す。携帯端末1は、例えばn+1行目で行の削除操作が行われると、n+1行目の文字列を、n行目の行末に移動させる。
【0056】
ステップS11において、携帯端末1は、ユーザーにより行の削除操作が行われたか否かを判別する。携帯端末1は、行の改行操作が行われたと判別した場合、ステップS12に進む。また、携帯端末1は、行の削除操作が行われていないと判別した場合、ユーザーが行った操作に応じた処理を行う。
【0057】
ステップS12において、携帯端末1は、カーソルKがある行の前の行に文字が入力されているか否かを判別する。携帯端末1は、カーソルKがある行の前の行に文字が入力されていると判別した場合、ステップS15に進む。また、携帯端末1は、カーソルKがある行の前の行に文字が入力されていないと判別した場合、ステップS13に進む。
【0058】
ステップS13において、携帯端末1は、行頭で改行操作が行われた行に文字が入力されているか否かを判別する。携帯端末1は、行頭で改行操作が行われた行に文字が入力されていると判別した場合、ステップS14に進む。また、携帯端末1は、行頭で改行操作が行われた行に文字が入力されていないと判別した場合、ステップS15に進む。
【0059】
ステップS14において、携帯端末1は、削除後にカーソルKがあるn行目の文字サイズを、削除前にn+1行目に設定されていた文字サイズに設定する。
【0060】
ステップS15において、携帯端末1は、削除後にカーソルKがあるn行目の文字サイズを、削除前にn行目に設定されていた文字サイズに設定する。
【0061】
図7は、複数行の範囲選択削除操作が行われた場合の文字サイズ設定処理を示すフローチャートである。複数行の範囲選択削除操作とは、複数行に亘って範囲選択された場合の削除操作を指す。
【0062】
ステップS21において、携帯端末1は、ユーザーにより複数行の範囲選択削除操作が行われたか否かを判別する。携帯端末1は、複数行の範囲選択削除操作が行われたと判別した場合、ステップS22に進む。また、携帯端末1は、複数行の範囲選択削除操作が行われていないと判別した場合、ユーザーが行った操作に応じた処理を行う。
【0063】
ステップS22において、携帯端末1は、選択範囲81(図28等参照)の削除後にカーソルKの前に文字があるか否かを判別する。「選択範囲81の削除後にカーソルKの前に文字がある」とは、選択範囲81の削除後にカーソルKがある行において、カーソルKの前に文字があることを意味する。携帯端末1は、選択範囲81の削除後にカーソルKの前に文字があると判別した場合、ステップS25に進む。また、携帯端末1は、選択範囲81の削除後にカーソルKの前に文字がないと判別した場合、ステップS23に進む。
【0064】
ステップS23において、携帯端末1は、選択範囲81の削除後にカーソルKの後ろに文字がある否かを判別する。「選択範囲81の削除後にカーソルKの後ろに文字がある」とは、選択範囲81の削除後にカーソルKがある行において、カーソルKの後ろに文字があることを意味する。携帯端末1は、選択範囲81の削除後にカーソルKの後ろに文字があると判別した場合、ステップS24に進む。また、携帯端末1は、選択範囲81の削除後にカーソルKの後ろに文字がないと判別した場合、ステップS25に進む。
【0065】
ステップS24において、携帯端末1は、削除後にカーソルKがある行の文字サイズを、削除前に選択範囲81の末尾行に設定されていた文字サイズに設定する。
【0066】
ステップS25において、携帯端末1は、削除後にカーソルKがある行の文字サイズを、削除前に選択範囲81の先頭行に設定されていた文字サイズに設定する。
【0067】
次に、図8ないし図11を参照し、携帯端末1のタッチパネル11に表示される編集画面D1について説明する。図8に示すように、編集画面D1は、画面上部の第1領域51と、画面中央部の第2領域52と、画面下部の第3領域53と、を含む。第1領域51には、テープサイズ情報61と、文字サイズ情報62と、が表示される。
【0068】
テープサイズ情報61は、編集中の文字列がテープTに印刷されたときのテープTの長さL1と、テープTの幅L2と、を示す情報である(図3参照)。図8および図10に示すテープTの長さL1は、印刷モードが自由長印刷に設定されている場合の表示例を示している。したがって、携帯端末1は、後述する第2領域52に表示される編集結果に応じて、テープサイズ情報61のテープTの長さL1を変化させる。また、携帯端末1は、テープ印刷装置2から送信されたカートリッジ情報に含まれるテープ幅を示す情報に基づいて、テープサイズ情報61のテープTの幅L2を表示する。テープTの幅L2は、テープ印刷装置2に装着されたテープカートリッジCがテープ幅の異なるものに交換された場合、その表示が変化される。文字サイズ情報62は、第2領域52に表示されるカーソルKの位置、すなわち編集位置における文字サイズを示す情報である。
【0069】
第2領域52には、テープTを模したテープイメージ64と、段落の範囲を示す段落領域65と、編集対象となる1行以上の文字列を示す文字列イメージCIと、編集位置を示すカーソルKと、が表示される。ラベル作成アプリケーション30は、X方向において複数の段落を設けることで、1つのラベルLの中に、いろいろな行数を混在させたり、段落ごとにデザインを変えたりする編集が可能である。テープイメージ64は、カートリッジ情報に含まれるテープ幅を示す情報に基づいて、テープ幅が、第2領域52の上下方向の長さに収まる最大サイズとなるように表示される。
【0070】
図8では、編集対象となる文字列が1段落の場合の表示例を示している。この場合、段落領域65は、テープTの印刷可能領域PE(図3参照)に相当する領域となる。つまり、編集対象となる文字列が1段落の場合の段落領域65は、ラベルLの全体領域から、X方向における前余白の長さL5aおよび後ろ余白の長さL5bと、Y方向における上余白の長さL6aおよび下余白の長さL6bを除いた領域に相当する。ユーザーは、段落領域65内のみ、文字列の編集を行うことができる。
【0071】
また、図8では、3行の文字列が入力され、各行の文字サイズが「16pt」に指定されている例を示している。また、図8では、文字列イメージCIが、テープ長さ方向の一部のみ表示されているが、ユーザーがカーソルKをテープ長さ方向に移動させることにより、文字列イメージCIの全体をユーザーが確認できるようになっている。
【0072】
第3領域53は、文字サイズの選択肢66が表示される。選択肢66は、ラベル作成アプリケーション30が設定可能な文字サイズのうち、第1領域51に表示されているテープ幅のテープTに印刷可能な文字サイズの選択候補である文字サイズ候補と、Auto候補と、を含む。携帯端末1は、ユーザーによりAuto候補が選択された場合、自動サイズ設定により文字サイズを設定する。なお、携帯端末1は、デフォルト状態では、文字サイズを自動サイズ設定とする。また、以下の説明において、「文字サイズが指定される」とは、選択肢66のうち、Auto候補以外の文字サイズ候補がユーザーにより選択されることを意味する。
【0073】
ここで、図9を参照し、文字サイズ候補について説明する。図9は、テープ幅対応表50の一例を示す図である。テープ幅対応表50は、ラベル作成アプリケーション30の一部として、携帯端末1に記憶されている。テープ幅対応表50は、テープ幅別に、印刷可能な文字サイズを示した表である。図9の例では、例えばテープ幅が36mmのテープTの場合、テープ幅対応表50に示されている全ての文字サイズを印刷可能である。また、テープ幅が24mmのテープTの場合、テープ幅対応表50に示されている文字サイズのうち、「64pt」および「79pt」以外の文字サイズを印刷可能である。図8では、テープ幅が24mmのテープTに印刷を行う場合の例を示しているため、選択肢66の文字サイズ候補として、テープ幅対応表50に示されている文字サイズのうち、「64pt」および「79pt」以外の文字サイズが表示される。
【0074】
図8の第3領域53に示すように、選択肢66のうち、ユーザーにより選択された選択候補は、選択枠68で囲まれて表示される。図8の例では、Auto候補が選択枠68で囲まれており、カーソルKがある1行目が、自動サイズ設定となっていることを示している。また、図8の例では、選択肢66として、Auto候補以外に、7種類の文字サイズ候補が表示されているが、ユーザーが選択枠68を移動させることにより、テープ幅が24mmのテープTに印刷可能な他の文字サイズの選択候補を表示させることができる。
【0075】
携帯端末1は、第3領域53において、閉じるマーク67が選択されると、選択肢66を非表示とし、不図示の機能ボタン群を第3領域53に表示する。機能ボタン群には、文字装飾を選択するためのボタンや、新規段落を追加するためのボタンなどが含まれる。また、携帯端末1は、第3領域53に機能ボタン群が表示されている状態において、文字サイズ情報62が選択されると、機能ボタン群を非表示とし、選択肢66を第3領域53に表示する。
【0076】
また、図8は、第2領域52に入力されている3行の文字列が、いずれも自動サイズ設定となっている例を示している。携帯端末1は、上述のとおり、自動サイズ設定の行については、自動サイズ設定されている1以上の行のY方向の長さが、印刷可能領域PEのY方向の長さに収まる最大のサイズとなるように文字サイズを設定する。また、上述のとおり、携帯端末1は、自動サイズ設定されている行が複数行の場合、全ての行の文字サイズが同じ文字サイズとなるように設定する。図8の例では、文字サイズ情報62に示すように、3行の文字列が、いずれも「16pt」に設定されている。
【0077】
図10は、図8の状態から1行目の文字サイズが「32pt」に拡大された場合の編集画面D1の表示例を示す図である。ユーザーは、図8に示したように、1行目にカーソルKがある状態で、選択肢66のなかから文字サイズ候補「32pt」を選択することにより、1行目の文字サイズを「32pt」に拡大させることができる。携帯端末1は、1行目の文字サイズが「16pt」から「32pt」に拡大されたことに伴い、2行目および3行目の文字サイズを縮小する。この場合も、携帯端末1は、2行目および3行目の文字サイズを、同じ文字サイズとなるように設定する。また、携帯端末1は、1行目の文字サイズが変更されたことに伴い、テープサイズ情報61のテープTの長さを更新する。
【0078】
図11は、エラー表示画面D2の一例を示す図である。エラー表示画面D2は、編集画面D1において、1行以上の文字列を示す印刷画像GのX方向の長さが印刷可能領域PEのX方向の長さを超えるような編集が行われた場合、または印刷画像GのY方向の長さが、印刷可能領域PEのY方向の長さを超えるような編集が行われた場合に表示される。例えば、携帯端末1は、図10の状態から、1行目ないし3行目のいずれかの文字列が拡大され、3つの行のY方向の合計の長さが、印刷可能領域PEのY方向の長さを超えた場合、エラー表示画面D2を表示する。
【0079】
エラー表示画面D2は、エラーメッセージ71と、OKボタン72と、を含む。エラーメッセージ71は、印刷画像Gが印刷可能領域PEを超える旨をユーザーに通知するメッセージである。携帯端末1は、OKボタン72が選択されると、エラー表示画面D2を非表示とし、タッチパネル11に編集画面D1を表示する。
【0080】
次に、図12ないし図19を参照し、改行操作が行われた場合の編集画面D1の表示について説明する。なお、以下の説明では、印刷モードが定長印刷に設定されているものとし、テープサイズ情報61のテープTの長さは、定長「30.0cm」を示すものとする。
【0081】
図12の編集画面D1は、1行目の文字サイズが「26pt」に指定されており、1行目の文字列の行中にカーソルKがある状態を示している。図13は、図12の状態から改行操作が行われた場合の編集画面D1を示している。図13に示すように、携帯端末1は、改行後の2行目の文字サイズを、改行前の1行目に設定されていた文字サイズである「26pt」に設定する。また、図13には表示されていないが、携帯端末1は、改行後の1行目の文字サイズを、改行前の1行目に設定されていた文字サイズである「26pt」に設定する。したがって、携帯端末1は、図13の状態から、カーソルKが1行目に移動されると、第3領域53において、文字サイズ候補「26pt」を選択状態とする。図12の状態から改行操作が行われ、図13の状態となった場合の文字サイズの設定は、図5のステップS04の設定に相当する。
【0082】
図14の編集画面D1は、1行目に文字が入力され、その1行目の文字サイズが「38pt」に指定されており、1行目の文字列の行頭にカーソルKがある状態を示している。図15は、図14の状態から改行操作が行われた場合の編集画面D1を示している。図15に示すように、携帯端末1は、改行後の2行目の文字サイズを、改行前の1行目に設定されていた文字サイズである「38pt」に設定する。また、図15には表示されていないが、携帯端末1は、改行後の1行目の文字サイズを、自動サイズ設定とする。したがって、携帯端末1は、図15の状態から、カーソルKが1行目に移動されると、第3領域53において、Auto候補を選択状態とする。図14の状態から改行操作が行われ、図15の状態となった場合の文字サイズの設定は、図5のステップS07の設定に相当する。
【0083】
図16の編集画面D1は、1行目に文字が入力され、その1行目の文字サイズが「38pt」に指定されており、1行目の文字列の行末にカーソルKがある状態を示している。図17は、図16の状態から改行操作が行われた場合の編集画面D1を示している。図17に示すように、携帯端末1は、改行後の2行目の文字サイズを、自動サイズ設定とする。この場合、改行後の2行目の文字サイズは、文字サイズ情報62に示すとおり、自動サイズ設定により「13pt」となる。また、図17には表示されていないが、携帯端末1は、改行後の1行目の文字サイズを、改行前の1行目に設定されていた文字サイズである「38pt」に設定する。したがって、携帯端末1は、図17の状態から、カーソルKが1行目に移動されると、第3領域53において、文字サイズ候補「38pt」を選択状態とする。図16の状態から改行操作が行われ、図17の状態となった場合の文字サイズの設定は、図5のステップS06の設定に相当する。
【0084】
図18の編集画面D1は、1行目に文字が入力されておらず、1行目の文字サイズが「38pt」に指定されており、1行目の文字列の行頭にカーソルKがある状態を示している。図19は、図18の状態から改行操作が行われた場合の編集画面D1を示している。図19に示すように、携帯端末1は、改行後の2行目の文字サイズを、自動サイズ設定とする。この場合、改行後の2行目の文字サイズは、文字サイズ情報62に示すとおり、自動サイズ設定により「13pt」となる。また、図19には表示されていないが、携帯端末1は、改行後の1行目の文字サイズを、改行前の1行目に設定されていた文字サイズである「38pt」に設定する。したがって、図19の状態から、カーソルKが1行目に移動されると、第3領域53では、文字サイズ候補「38pt」が選択枠68で囲まれる。図18の状態から改行操作が行われ、図19の状態となった場合の文字サイズの設定は、図5のステップS06の設定に相当する。
【0085】
次に、図20ないし図27を参照し、行の削除操作が行われた場合の編集画面D1の表示について説明する。図20の編集画面D1は、1行目および2行目に文字が入力され、1行目の文字サイズが「38pt」に指定され、2行目の文字サイズが「13pt」に指定されている。また、図20の編集画面D1は、2行目の文字列の行頭にカーソルKがある状態を示している。
【0086】
図21は、図20の状態から行の削除操作が行われた場合の編集画面D1を示している。図21に示すように、携帯端末1は、削除前の2行目の文字列を、1行目の行末に移動させる。また、携帯端末1は、削除後の1行目の文字サイズを、削除前の1行目に設定されていた文字サイズである「38pt」に設定する。図20の状態から行の削除操作が行われ、図21の状態となった場合の文字サイズの設定は、図6のステップS15の設定に相当する。
【0087】
図22の編集画面D1は、2行目に文字が入力され、2行目の文字サイズが「38pt」に指定されており、2行目の文字列の行頭にカーソルKがある状態を示している。また、図22の編集画面D1は、1行目に文字が入力されておらず、1行目の文字サイズが、例えば「13pt」に指定されているものとする。
【0088】
図23は、図22の状態から行の削除操作が行われた場合の編集画面D1を示している。図23に示すように、携帯端末1は、削除前の2行目の文字列を、1行目に移動させる。また、携帯端末1は、削除後の1行目の文字サイズを、削除前の2行目に設定されていた文字サイズである「38pt」に設定する。図22の状態から行の削除操作が行われ、図23の状態となった場合の文字サイズの設定は、図6のステップS14の設定に相当する。
【0089】
図24の編集画面D1は、2行目に文字が入力されておらず、2行目の文字サイズが自動サイズ設定により「13pt」に設定されており、2行目の文字列の行頭にカーソルKがある状態を示している。また、図24の編集画面D1は、1行目に文字が入力されており、1行目の文字サイズが、「38pt」に指定されているものとする。
【0090】
図25は、図24の状態から行の削除操作が行われた場合の編集画面D1を示している。図25に示すように、携帯端末1は、2行目を削除し、2行目にあったカーソルKを1行目の行末に移動させる。また、携帯端末1は、削除後の1行目の文字サイズを、削除前の1行目に設定されていた文字サイズである「38pt」に設定する。図24の状態から行の削除操作が行われ、図25の状態となった場合の文字サイズの設定は、図6のステップS15の設定に相当する。
【0091】
図26の編集画面D1は、2行目に文字が入力されておらず、2行目の文字サイズが「13pt」に指定されており、2行目の文字列の行頭にカーソルKがある状態を示している。また、図26の編集画面D1は、1行目に文字が入力されておらず、1行目の文字サイズが、「38pt」に指定されているものとする。
【0092】
図27は、図26の状態から行の削除操作が行われた場合の編集画面D1を示している。図27に示すように、携帯端末1は、カーソルKを1行目に移動させ、削除後の1行目の文字サイズを、削除前の1行目に設定されていた文字サイズである「38pt」に設定する。図26の状態から行の削除操作が行われ、図27の状態となった場合の文字サイズの設定は、図6のステップS15の設定に相当する。
【0093】
次に、図28ないし図35を参照し、複数行の範囲選択削除操作が行われた場合の編集画面D1の表示について説明する。図28の編集画面D1は、1行目および2行目に文字が入力され、1行目の文字サイズが「38pt」、2行目の文字サイズが「13pt」にそれぞれ指定されているものとする。また、図28の編集画面D1は、1行目の行中から、2行目の行中まで範囲選択されている状態を示している。なお、図28において、網掛けで示す領域は、選択範囲81を示している。また、図28のように、文字サイズが異なる複数行が範囲選択されている場合、第1領域51における文字サイズ情報62、および第3領域53における選択枠68は、いずれも非表示となる(図8等参照)。以下、図30図32および図34についても同様である。
【0094】
図29は、図28の状態から複数行の範囲選択削除操作が行われた場合を示している。図29に示すように、携帯端末1は、選択範囲81に含まれていた文字を削除し、削除後の1行目の文字サイズを、削除前の1行目に設定されていた文字サイズである「38pt」に設定する。図28の状態から複数行の範囲選択削除操作が行われ、図29の状態となった場合の文字サイズの設定は、図7のステップS25の設定に相当する。
【0095】
図30の編集画面D1は、1行目および2行目に文字が入力され、1行目の文字サイズが「38pt」、2行目の文字サイズが「13pt」にそれぞれ指定されているものとする。また、図30の編集画面D1は、1行目の行頭から、2行目の行中まで範囲選択されている状態を示している。
【0096】
図31は、図30の状態から複数行の範囲選択削除操作が行われた場合の編集画面D1を示している。図31に示すように、携帯端末1は、選択範囲81に含まれていた文字を削除し、削除後の1行目の文字サイズを、削除前の2行目に設定されていた文字サイズである「13pt」に設定する。図30の状態から複数行の範囲選択削除操作が行われ、図31の状態となった場合の文字サイズの設定は、図7のステップS24の設定に相当する。
【0097】
図32の編集画面D1は、1行目および2行目に文字が入力され、1行目の文字サイズが「38pt」、2行目の文字サイズが「13pt」にそれぞれ指定されているものとする。また、図32の編集画面D1は、1行目の行中から、2行目の行末まで範囲選択されている状態を示している。
【0098】
図33は、図32の状態から複数行の範囲選択削除操作が行われた場合の編集画面D1を示している。図33に示すように、携帯端末1は、選択範囲81に含まれていた文字を削除し、削除後の1行目の文字サイズを、削除前の1行目に設定されていた文字サイズである「38pt」に設定する。図32の状態から複数行の範囲選択削除操作が行われ、図33の状態となった場合の文字サイズの設定は、図7のステップS25の設定に相当する。
【0099】
図34の編集画面D1は、1行目および2行目に文字が入力され、1行目の文字サイズが「38pt」、2行目の文字サイズが「13pt」にそれぞれ指定されているものとする。また、図34の編集画面D1は、1行目の行頭から、2行目の行末まで範囲選択されている状態を示している。
【0100】
図35は、図34の状態から複数行の範囲選択削除操作が行われた場合の編集画面D1を示している。図35に示すように、携帯端末1は、選択範囲81に含まれていた1行目および2行目の文字列を全て削除し、削除後の1行目の文字サイズを、削除前の1行目に設定されていた文字サイズである「38pt」に設定する。図34の状態から複数行の範囲選択削除操作が行われ、図35の状態となった場合の文字サイズの設定は、図7のステップS25の設定に相当する。
【0101】
以上説明したとおり、本実施形態に係る携帯端末1は、編集画面D1において、n行目の行頭または行末で改行操作が行われた場合、n行目およびn+1行目の少なくとも一方の文字サイズを、自動サイズ設定とする。このため、携帯端末1は、n行目およびn+1行目を、改行操作前にn行目に設定されていた文字サイズに設定する場合と比べて、編集画面D1に入力された複数行の文字列のY方向の長さが、印刷可能領域PEのY方向の長さを超えることを抑制できる。これにより、携帯端末1は、エラー表示画面D2を表示する頻度を減らすことができ、ユーザーの操作性を向上できる。
【0102】
また、携帯端末1は、n行目の行中で改行操作が行われた場合、改行後のn行目およびn+1行目の文字サイズを、改行前にn行目に設定されていた文字サイズに設定する。また、携帯端末1は、文字が入力されているn行目の行頭で改行操作が行われた場合、改行後のn+1行目の文字サイズを、改行前にn行目に設定されていた文字サイズに設定する。また、携帯端末1は、n行目の行末で改行操作が行われた場合、n行目の文字サイズを、改行前にn行目に設定されていた文字サイズに設定する。このように、携帯端末1は、改行操作が行われた場合、必ずしもn行目およびn+1行目の文字サイズを自動サイズ設定とするのではなく、状況によっては、改行前にn行目またはn+1行目に設定されていた文字サイズを維持するため、ユーザーの違和感を軽減できる。
【0103】
また、携帯端末1は、行の削除操作が行われた場合、カーソルKがある行の前の行に文字が入力されているか否か、および文字が入力されている行の行頭で削除操作が行われたか否かの判別結果に応じて、削除後にカーソルKがあるn行目の文字サイズを設定する。このように、携帯端末1は、行の削除操作が行われたときの状況に応じて、削除後にカーソルKがあるn行目の文字サイズを、n行目に設定されていた文字サイズと、n+1行目に設定されていた文字サイズと、のいずれかに設定するため、ユーザーの違和感を軽減できる。
【0104】
また、携帯端末1は、複数行の範囲選択削除操作が行われた場合、選択範囲81の削除後にカーソルKの前に文字があるか否か、および選択範囲81の削除後にカーソルKの後ろに文字があるか否かの判別結果に応じて、削除後にカーソルKがある行の文字サイズを設定する。このように、携帯端末1は、複数行の範囲選択削除操作が行われたときの状況に応じて、削除後にカーソルKがあるn行目の文字サイズを、選択範囲81の先頭行に設定されていた文字サイズと、選択範囲81の末尾行に設定されていた文字サイズと、のいずれかに設定するため、ユーザーの違和感を軽減できる。
【0105】
なお、上記の実施形態によらず、以下の変形例を採用可能である。
[変形例1]
本実施形態において、携帯端末1は、複数行の文字列を、テープTの幅方向、すなわちY方向が行方向となるように印刷したが、テープTの長さ方向、すなわちX方向が行方向となるように印刷してもよい。例えば、印刷モードが定長印刷に設定されている場合など、印刷可能領域PEのX方向の長さに制限がある場合、携帯端末1は、自動サイズ設定の行の文字サイズを、印刷可能領域PEのX方向の長さから、ユーザーにより文字サイズが指定された行のX方向の合計長さを差し引いた長さである残長さに収まる最大のサイズとなるように設定すればよい。
【0106】
[変形例2]
携帯端末1は、図5に示した文字サイズ設定処理を、下記の条件を満たさない場合に実行する構成でもよい。例えば、条件は、「文字サイズが指定されているn行目で改行操作が行われ、改行後のn行目およびn+1行目の文字サイズを、n行目に指定されていた文字サイズとしたとき、編集画面D1に入力された複数行の文字列の行方向の長さが印刷可能領域PEの行方向の長さに収まること」でもよい。携帯端末1は、この条件を満たすか否かの判定を、図5のステップS01に代えて実行する。つまり、携帯端末1は、この条件を満たさないと判別した場合、ステップS02以降の工程を実行する。また、携帯端末1は、この条件を満たすと判別した場合、改行後のn行目およびn+1行目の文字サイズを、n行目に設定されていた文字サイズとする。この構成によれば、携帯端末1は、改行操作が行われたときにエラー表示画面D2を表示する頻度を減らすことができるという効果を奏しつつ、ユーザーの違和感を最大限軽減させることができる。
【0107】
[変形例3]
携帯端末1は、n行目の行頭または行末で改行操作が行われると、改行後のn行目およびn+1行目の両方の文字サイズを、自動サイズ設定としてもよい。また、携帯端末1は、n行目に文字が入力されているか否かにかかわらず、n行目の行頭で改行操作が行われると、改行後のn行目の文字サイズを、自動サイズ設定とし、改行後のn+1行目の文字サイズを、改行前にn行目に設定されていた文字サイズに設定してもよい。
【0108】
[変形例4]
テープ印刷装置2は、カートリッジ情報取得部42に代えて、テープカートリッジCに形成された凸部または凹部の有無を検出する検出部を備え、検出部の検出結果からカートリッジ情報を取得してもよい。若しくは、テープ印刷装置2は、テープカートリッジCのケースに設けられた、メモリ素子を有する回路基板よりカートリッジ情報を取得してもよい。
【0109】
[変形例5]
図4に示した携帯端末1の機能構成を、テープ印刷装置2で実現してもよい。この場合、図4に示した3つの機能構成は、印刷装置側CPU44aが、印刷装置側ROM44bに記憶された各種制御プログラムを実行することにより、実現される。また、テープ印刷装置2は、キーボード21を用いた印刷画像Gの編集結果に基づいて印刷を行う。テープ印刷装置2の表示制御部110は、編集画面D1およびエラー表示画面D2をディスプレー22に表示させる。また、テープ印刷装置2の印刷制御部130は、編集画面D1に入力された複数行の文字列を、文字サイズ設定部120により設定された文字サイズで印刷部43に印刷させる。
【0110】
[その他の変形例]
上記の実施形態において、テープ印刷装置2は、熱転写方式により印刷を行ったが、インクジェット方式など他の印刷方式により印刷を行ってもよい。また、上記の実施形態において、テープ印刷装置2は、長尺状のテープTを切断してラベルLを作成したが、短冊状のラベル部材が複数配置された長尺状テープのラベル部材に対して印刷を行うことにより、ラベルLを作成してもよい。この場合、印刷可能領域PEは、ラベル部材のサイズや段落構成に応じて決定される。また、コピー用紙など、テープTやラベル部材以外の印刷媒体に印刷を行う印刷装置に、上記の実施形態を適用してもよい。その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更が可能である。
【0111】
[付記]
以下、情報処理装置、テープ印刷装置、印刷システム、情報処理装置の制御方法およびプログラムについて付記する。
携帯端末1は、テープ印刷装置2によりテープTの印刷可能領域PEに印刷される複数行の文字列の編集が可能な編集画面D1をタッチパネル11に表示させる表示制御部110と、編集画面D1に入力された複数行の文字列の文字サイズを設定する文字サイズ設定部120と、編集画面D1に入力された複数行の文字列を、文字サイズ設定部120により設定された文字サイズでテープ印刷装置2に印刷させる印刷制御部130と、を備え、文字サイズ設定部120は、行単位で文字列の文字サイズを設定可能であり、編集画面D1において、ユーザーにより指定された文字サイズを設定したn行目(nは、n≧1となる整数)の行頭または行末で改行操作が行われると、改行後のn行目およびn+1行目の少なくとも一方の文字サイズを、編集画面D1に入力された複数行の文字列の、行の並び方向である行方向における長さが、印刷可能領域PEの行方向の長さに収まるように設定する自動サイズ設定とする。
【0112】
テープ印刷装置2は、テープTに印刷を行う印刷部43と、印刷部43によりテープTの印刷可能領域PEに印刷される複数行の文字列の編集が可能な編集画面D1をディスプレー22に表示させる表示制御部110と、編集画面D1に入力された複数行の文字列の文字サイズを設定する文字サイズ設定部120と、編集画面D1に入力された複数行の文字列を、文字サイズ設定部120により設定された文字サイズで印刷部43に印刷させる印刷制御部130と、を備え、文字サイズ設定部120は、行単位で文字列の文字サイズを設定可能であり、編集画面D1において、ユーザーにより指定された文字サイズを設定したn行目(nは、n≧1となる整数)の行頭または行末で改行操作が行われると、改行後のn行目およびn+1行目の少なくとも一方の文字サイズを、編集画面D1に入力された複数行の文字列の、行の並び方向である行方向における長さが、印刷可能領域PEの行方向の長さに収まるように設定する。
【0113】
印刷システムSYは、携帯端末1と、テープ印刷装置2と、が通信可能に接続される印刷システムSYであって、携帯端末1は、テープ印刷装置2によりテープTの印刷可能領域PEに印刷される複数行の文字列の編集が可能な編集画面D1をタッチパネル11に表示させる表示制御部110と、編集画面D1に入力された複数行の文字列の文字サイズを設定する文字サイズ設定部120と、編集画面D1に入力された複数行の文字列を、文字サイズ設定部120により設定された文字サイズでテープ印刷装置2に印刷させる印刷制御部130と、を備え、文字サイズ設定部120は、行単位で文字列の文字サイズを設定可能であり、編集画面D1において、ユーザーにより指定された文字サイズを設定したn行目(nは、n≧1となる整数)の行頭または行末で改行操作が行われると、改行後のn行目およびn+1行目の少なくとも一方の文字サイズを、編集画面D1に入力された複数行の文字列の、行の並び方向である行方向における長さが、印刷可能領域PEの行方向の長さに収まるように設定する。
【0114】
携帯端末1の制御方法は、携帯端末1が、テープ印刷装置2によりテープTの印刷可能領域PEに印刷される複数行の文字列の編集が可能な編集画面D1をタッチパネル11に表示させるステップと、編集画面D1に入力された複数行の文字列の文字サイズを設定するステップと、編集画面D1に入力された複数行の文字列を、設定された文字サイズでテープ印刷装置2に印刷させるステップと、を実行し、複数行の文字列の文字サイズを設定するステップでは、行単位で文字列の文字サイズを設定可能であり、編集画面D1において、ユーザーにより指定された文字サイズを設定したn行目(nは、n≧1となる整数)の行頭または行末で改行操作が行われると、改行後のn行目およびn+1行目の少なくとも一方の文字サイズを、編集画面D1に入力された複数行の文字列の、行の並び方向である行方向における長さが、印刷可能領域PEの行方向の長さに収まるように設定する。
【0115】
ラベル作成アプリケーション30は、携帯端末1に、テープ印刷装置2により印刷媒体の印刷可能領域PEに印刷される複数行の文字列の編集が可能な編集画面D1をタッチパネル11に表示させるステップと、編集画面D1に入力された複数行の文字列の文字サイズを設定するステップと、編集画面D1に入力された複数行の文字列を、設定された文字サイズでテープ印刷装置2に印刷させるステップと、を実行させ、複数行の文字列の文字サイズを設定するステップでは、携帯端末1が、行単位で文字列の文字サイズを設定可能であり、編集画面D1において、ユーザーにより指定された文字サイズを設定したn行目(nは、n≧1となる整数)の行頭または行末の文字列に対して改行操作が行われると、改行後のn行目およびn+1行目の少なくとも一方の文字サイズを、編集画面D1に入力された複数行の文字列の、行の並び方向である行方向における長さが、印刷可能領域PEの行方向の長さに収まるように設定する。
【0116】
この構成によれば、携帯端末1またはテープ印刷装置2は、編集画面D1において、n行目の行頭または行末で改行操作が行われた場合、n行目およびn+1行目の少なくとも一方の文字サイズを、自動サイズ設定とする。このため、携帯端末1またはテープ印刷装置2は、n行目およびn+1行目を、改行操作前にn行目に設定されていた文字サイズに設定する場合と比べて、編集画面D1に入力された複数行の文字列の行方向の長さが、印刷可能領域PEの行方向の長さを超えることを抑制できる。これにより、携帯端末1またはテープ印刷装置2は、エラー表示を行う頻度を減らすことができ、ユーザーの操作性を向上できる。
【0117】
上記の携帯端末1において、文字サイズ設定部120は、編集画面D1において、n行目の行中で改行操作が行われると、改行後のn行目およびn+1行目の文字サイズを、改行前にn行目に設定されていた文字サイズに設定することが好ましい。
【0118】
上記のテープ印刷装置2において、文字サイズ設定部120は、編集画面D1において、n行目の行中で改行操作が行われると、改行後のn行目およびn+1行目の文字サイズを、改行前にn行目に設定されていた文字サイズに設定することが好ましい。
【0119】
上記の印刷システムSYにおいて、文字サイズ設定部120は、編集画面D1において、n行目の行中で改行操作が行われると、改行後のn行目およびn+1行目の文字サイズを、改行前にn行目に設定されていた文字サイズに設定することが好ましい。
【0120】
上記の携帯端末1の制御方法において、複数行の文字列の文字サイズを設定するステップでは、編集画面D1において、n行目の行中で改行操作が行われると、改行後のn行目およびn+1行目の文字サイズを、改行前にn行目に設定されていた文字サイズに設定することが好ましい。
【0121】
上記のラベル作成アプリケーション30において、複数行の文字列の文字サイズを設定するステップでは、編集画面D1において、n行目の行中で改行操作が行われると、改行後のn行目およびn+1行目の文字サイズを、改行前にn行目に設定されていた文字サイズに設定することが好ましい。
【0122】
この構成によれば、携帯端末1は、n行目の行中で改行操作が行われた場合、改行後のn行目およびn+1行目の文字サイズを、改行前にn行目に設定されていた文字サイズに設定するため、ユーザーの違和感を軽減できる。
【0123】
上記の携帯端末1において、文字サイズ設定部120は、編集画面D1において、文字が入力されているn行目の行頭で改行操作が行われると、改行後のn行目の文字サイズを、自動サイズ設定とし、改行後のn+1行目の文字サイズを、改行前にn行目に設定されていた文字サイズに設定することが好ましい。
【0124】
この構成によれば、携帯端末1は、文字が入力されているn行目の行頭で改行操作が行われた場合、改行後のn+1行目の文字サイズを、改行前にn行目に設定されていた文字サイズに設定するため、ユーザーの違和感を軽減できる。
【0125】
上記の携帯端末1において、文字サイズ設定部120は、編集画面D1において、n行目の行末で改行操作が行われると、改行後のn行目の文字サイズを、改行前にn行目に設定されていた文字サイズに設定し、改行後のn+1行目の文字サイズを、自動サイズ設定とすることが好ましい。
【0126】
この構成によれば、携帯端末1は、n行目の行末で改行操作が行われた場合、n行目の文字サイズを、改行前にn行目に設定されていた文字サイズに維持するため、ユーザーの違和感を軽減できる。
【符号の説明】
【0127】
1…携帯端末、2…テープ印刷装置、11…タッチパネル、30…ラベル作成アプリケーション、43…印刷部、81…選択範囲、110…表示制御部、120…文字サイズ設定部、130…印刷制御部、D1…編集画面、PE…印刷可能領域、SY…印刷システム、T…テープ。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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