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  • 特開-印刷装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022178437
(43)【公開日】2022-12-02
(54)【発明の名称】印刷装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 5/06 20060101AFI20221125BHJP
【FI】
B65H5/06 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021085234
(22)【出願日】2021-05-20
(71)【出願人】
【識別番号】000250502
【氏名又は名称】理想科学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(72)【発明者】
【氏名】坂本 匡祥
【テーマコード(参考)】
3F049
【Fターム(参考)】
3F049AA03
3F049CA15
3F049DA12
3F049EA23
3F049LA07
3F049LB03
(57)【要約】
【課題】用紙を高速搬送しつつ搬送ローラの長寿命化を実現する。
【解決手段】用紙搬送経路の駆動ローラと駆動ローラに対向して従動ローラとが設けられ、駆動ローラまたは従動ローラの少なくともいずれか一方に汚れ防止処理が施された第1ローラ対と、駆動ローラおよび従動ローラのいずれにも汚れ防止処理が施されていない第2ローラ対と、用紙搬送経路で用紙を搬送する際、第1ローラ対での紙間(第1間隔d1)を、第2ローラ対での紙間(第2間隔d2)よりも狭めて用紙Pを搬送するように制御する制御部6と、を備える。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙搬送経路の駆動ローラと前記駆動ローラに対向して従動ローラとが設けられ、前記駆動ローラまたは前記従動ローラの少なくともいずれか一方に汚れ防止処理が施された第1ローラ対と、
前記駆動ローラおよび前記従動ローラのいずれにも前記汚れ防止処理が施されていない第2ローラ対と、
前記用紙搬送経路で用紙を搬送する際、前記第1ローラ対での紙間を、前記第2ローラ対での紙間よりも狭めて用紙を搬送するように制御する制御手段と、
を備えたことを特徴とする印刷装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送ローラの長寿命化を実現する印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、駆動ローラと従動ローラとで用紙を挟み込むことで搬送する画像形成装置が知られている。このような画像形成装置では用紙を搬送していないときにも、駆動ローラと従動ローラとが回転しながら接触しているので、表面が摩耗する場合があった。
【0003】
特許文献1には、用紙の搬送方向に回転可能な駆動ローラと、駆動ローラと搬送路Pを挟んで対向して配置され、駆動ローラと圧接状態で搬送方向に回転可能な従動ローラと、搬送路に沿って搬送される用紙の位置を検知するセンサと、センサによって駆動ローラと従動ローラの間に用紙が搬送されていないことを検知した場合、駆動ローラと従動ローラとを離間させる離間手段とを備えた画像形成装置が開示さている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007-230702号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の技術では、センサで用紙の位置を検知して用紙が搬送されていない場合は駆動ローラと従動ローラを離間させることで、駆動ローラと従動ローラの磨耗を低減することはできるが、駆動ローラと従動ローラを離間させるためにはローラの位置をアクチュエータ(例えばソレノイド)で変える必要があり、ソレノイドの応答時間、センサで用紙を検知してからの処理時間等により用紙搬送の高速化が困難であった。
【0006】
本発明は前記事情に鑑みなされたものであり、本発明の目的は、用紙を高速搬送しつつ搬送ローラの長寿命化を実現する印刷装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係る印刷装置の特徴は、
用紙搬送経路の駆動ローラと前記駆動ローラに対向して従動ローラとが設けられ、前記駆動ローラまたは前記従動ローラの少なくともいずれか一方に汚れ防止処理が施された第1ローラ対と、
前記駆動ローラおよび前記従動ローラのいずれにも前記汚れ防止処理が施されていない第2ローラ対と、
前記用紙搬送経路で用紙を搬送する際、前記第1ローラ対での紙間を、前記第2ローラ対での紙間よりも狭めて用紙を搬送するように制御する制御手段と、
を備えたことにある。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る印刷装置の特徴によれば、用紙を高速搬送しつつ搬送ローラの長寿命化を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態に係る印刷装置の概略構成図である。
図2】本発明の一実施形態に係る印刷装置において、片面印刷を行う場合の用紙の搬送状態を示した図である。
図3】本発明の一実施形態に係る印刷装置において、両面印刷を行う場合の用紙の搬送状態を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。各図面を通じて同一若しくは同等の部位や構成要素には、同一若しくは同等の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、現実のものとは異なることに留意すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている。
【0011】
また、以下に示す実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置等を例示するものであって、この発明の技術的思想は、各構成部品の配置等を下記のものに特定するものでない。この発明の技術的思想は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
【0012】
図1は、本発明の一実施形態に係る印刷装置の概略構成図である。以下の説明において、ユーザが位置する図1の紙面表方向を前方とする。また、図1に示すように、ユーザから見て、上下左右を上下左右方向とする。
【0013】
図1において太線で示す経路が、印刷媒体である用紙Pが搬送される搬送経路である。搬送経路のうち、実線で示す経路が通常経路RC、一点鎖線で示す経路が反転経路RR、破線で示す経路が排紙経路RD、二点鎖線で示す経路が給紙経路RSである。以下の説明における上流、下流は、搬送経路における上流、下流を意味する。
【0014】
図1に示すように、本発明の一実施形態に係る印刷装置1は、給紙部2と、印刷部3と、排紙部4と、制御部6と、各部を収納または保持する筐体7とを備える。
【0015】
給紙部2は、印刷部3に用紙Pを給紙する。給紙部2は、搬送経路の最も上流側に配置されている。給紙部2は、給紙台11と、給紙ローラ12と、給紙ローラ12を駆動させるモータ(図示せず)とを備える。
【0016】
給紙台11は、印刷に用いられる用紙Pが積載されるものである。給紙台11は、一部が筐体7の外部に露出して設置されている。
【0017】
給紙ローラ12は、給紙台11から用紙Pを1枚ずつ取り出し、給紙経路RSに沿って印刷部3へ向けて搬送する。
【0018】
印刷部3は、給紙された用紙Pを搬送しつつ印刷を行い、印刷された用紙Pを排紙部4へ搬送する。印刷部3は、レジスト部21と、ベルト搬送部22と、インクジェットヘッド部23と、上面搬送部24と、反転部25とを備える。
【0019】
レジスト部21は、給紙部2または反転部25から搬送されてきた用紙Pをベルト搬送部22へと送り出す。レジスト部21は、レジストローラ対26と、レジストローラ対26を駆動させるモータ(図示せず)とを備える。
【0020】
レジストローラ対26は、給紙部2または反転部25から搬送されてきた用紙Pを一旦止めた後、用紙Pを駆動ローラと従動ローラとでニップしつつ印刷部3へ搬送する。レジストローラ対26は、給紙経路RSと反転経路RRとの合流地点の近傍の通常経路RC上に配置されている。駆動ローラと従動ローラとは共に表面に汚れ防止処理が施されていない。
【0021】
ベルト搬送部22は、レジストローラ対26から搬送されてきた用紙Pをベルト上に吸着保持して上面搬送部24へ搬送する。ベルト搬送部22は、レジストローラ対26の下流側に配置されている。ベルト搬送部22は、図示しないモータにより駆動される。
【0022】
インクジェットヘッド部23は、用紙Pの搬送方向と略直交する方向(前後方向)に複数のノズルが配列されたライン型の複数のインクジェットヘッド(図示せず)を有する。インクジェットヘッド部23は、ベルト搬送部22の上方に配置されている。インクジェットヘッド部23は、ベルト搬送部22により搬送される用紙Pにインクジェットヘッドからインクを吐出して画像を形成する。
【0023】
上面搬送部24は、ベルト搬送部22から搬送されてきた用紙Pを右方向から左方向へとUターンするように搬送する。上面搬送部24は、複数の上面搬送ローラ対27と、複数の上面搬送ローラ対27を駆動させる複数のモータ(図示せず)とを備える。
【0024】
上面搬送ローラ対27は、用紙Pをニップしつつ搬送する。上面搬送ローラ対27は、ベルト搬送部22と反転部25との間の通常経路RCに沿って配置されている。
【0025】
上面搬送ローラ対27は、モータにより回転駆動される駆動ローラ27aと、通常経路RCを挟んで駆動ローラ27aに対向して設けられた従動ローラ27bとを有している。駆動ローラ27aと従動ローラ27bとは、ローラの表面に汚れ防止処理が施されている。汚れ防止処理とは、例えば、砂付けコーティングなど摩擦係数が高くなる処理のことをいう。なお、ここでは、駆動ローラ27aと従動ローラ27bとに汚れ防止処理が施しているが、いずれか一方に汚れ防止処理を施すようにしてもよい。
【0026】
反転部25は、片面印刷済みの用紙Pを反転させてレジストローラ対26へ搬送する。反転部25は、反転ローラ対31と、スイッチバックローラ対32と、再給紙ローラ対33と、切替ゲート34と、反転ローラ対31を駆動させるモータ(図示せず)と、スイッチバックローラ対32を駆動させるモータ(図示せず)と、再給紙ローラ対33を駆動させるモータ(図示せず)とを備える。
【0027】
反転ローラ対31は、後述の切替部36により反転経路RRへ導かれた用紙Pをニップしつつスイッチバックローラ対32へ搬送する。反転ローラ対31は、反転経路RRの上流域に沿って配置されている。
【0028】
反転ローラ対31は、モータにより回転駆動される駆動ローラ31aと、反転経路RRを挟んで駆動ローラ31aに対向して設けられた従動ローラ31bとを有している。駆動ローラ31aは、ローラの表面に汚れ防止処理が施されており、従動ローラ31bは汚れ防止処理が施されていない。なお、ここでは、駆動ローラ31aに汚れ防止処理が施しているが、従動ローラ31bに汚れ防止処理を施すようにしてもよいし、両方に汚れ防止処理を施すようにしてもよい。
【0029】
スイッチバックローラ対32は、反転ローラ対31により搬送されてきた用紙Pをスイッチバックして再給紙ローラ対33へ搬送する。スイッチバックローラ対32は、反転経路RRに沿って、反転ローラ対31と再給紙ローラ対33との間に配置されている。スイッチバックローラ対32は、用紙Pのスイッチバックを行うため正逆転可能に構成されている。
【0030】
スイッチバックローラ対32は、モータにより回転駆動される駆動ローラ32aと、反転経路RRを挟んで駆動ローラ32aに対向して設けられた従動ローラ32bとを有している。駆動ローラ32aは、ローラの表面に汚れ防止処理が施されており、従動ローラ32bは汚れ防止処理が施されていない。なお、ここでは、駆動ローラ32aに汚れ防止処理が施しているが、従動ローラ32bに汚れ防止処理を施すようにしてもよいし、両方に汚れ防止処理を施すようにしてもよい。
【0031】
再給紙ローラ対33は、スイッチバックローラ対32によりスイッチバックされた用紙Pをレジストローラ対26へ搬送する。再給紙ローラ対33は、反転経路RRに沿って、スイッチバックローラ対32とレジストローラ対26との間に配置されている。
【0032】
再給紙ローラ対33は、モータにより回転駆動される駆動ローラ33aと、反転経路RRを挟んで駆動ローラ33aに対向して設けられた従動ローラ33bとを有している。駆動ローラ33aは、ローラの表面に汚れ防止処理が施されており、従動ローラ33bは汚れ防止処理が施されていない。なお、ここでは、駆動ローラ33aに汚れ防止処理が施しているが、従動ローラ33bに汚れ防止処理を施すようにしてもよいし、両方に汚れ防止処理を施すようにしてもよい。
【0033】
切替ゲート34は、反転ローラ対31により搬送されてきた用紙Pをスイッチバックローラ対32へとガイドする。また、切替ゲート34は、スイッチバックローラ対32によってスイッチバックされた用紙Pを再給紙ローラ対33へとガイドする。
【0034】
排紙部4は、印刷済みの用紙Pを排紙する。排紙部4は、上面搬送部24の下流側に配置されている。排紙部4は、切替部36と、第1排紙ローラ対37と排紙台39とを備える。
【0035】
切替部36は、用紙Pの搬送経路を排紙経路RDと反転経路RRとの間で切り替える。切替部36は、排紙経路RDと反転経路RRとの分岐点に配置されている。
【0036】
第1排紙ローラ対37は、切替部36により排紙経路RDへ導かれた用紙Pを排紙台39へ排紙する。第1排紙ローラ対37は、切替部36の下流側に配置されている。
【0037】
第1排紙ローラ対37は、モータにより回転駆動される駆動ローラ37aと、排紙経路RDを挟んで駆動ローラ37aに対向して設けられた従動ローラ37bとを有している。駆動ローラ37aと従動ローラ37bとは、ローラの表面に汚れ防止処理が施されている。なお、ここでは、駆動ローラ37aと従動ローラ37bとに汚れ防止処理が施しているが、いずれか一方に汚れ防止処理を施すようにしてもよい。
【0038】
排紙台39は、第1排紙ローラ対37により排紙された用紙Pが積載されるものである。排紙台39は、第1排紙ローラ対37の下流側に配置されており、下流側(左側)ほど高くなるように傾斜している。
【0039】
ここで、上記の上面搬送ローラ対27、反転ローラ対31、スイッチバックローラ対32、再給紙ローラ対33、第1排紙ローラ対37のように、駆動ローラまたは従動ローラの少なくともいずれか一方に汚れ防止処理が施されたローラ対を総称して第1ローラ対という。また、レジストローラ対26のように、駆動ローラおよび従動ローラのいずれにも汚れ防止処理が施されていないローラ対を第2ローラ対という。
【0040】
制御部6は、CPU、RAM、ROM、ハードディスク等を備えて構成される。制御部6は、図示しないネットワークを介して接続されたコンピュータから印刷ジョブを受信し、受信した印刷ジョブに基づいて印刷装置1の各部の動作を制御する。印刷ジョブには、1部当たりの印刷枚数、部数、用紙ずれ量、用紙の厚みを含む印刷条件データと、画像データとが含まれている。
【0041】
制御部6は、用紙搬送経路で用紙を搬送する際、第1ローラ対での紙間を、第2ローラ対での紙間よりも狭めて用紙を搬送するように制御する。
【0042】
図2は、本発明の一実施形態に係る印刷装置1において、片面印刷を行う場合の用紙Pの搬送状態を示した図である。
【0043】
図2に示すように、片面印刷では、第2ローラ対であるレジストローラ対26で搬送される用紙P1は、先行する用紙P2と第2間隔d2だけ紙間を空けて搬送されている。
【0044】
一方、用紙P2のように先頭がインクジェットヘッド部23の下方を抜けると、先行する用紙P3と第2間隔d2より短い第1間隔d1だけ紙間を空けて搬送されている。
【0045】
その後、用紙Pは、上面搬送ローラ対27により第1間隔d1だけ紙間を空けて搬送されている。具体的には、用紙P3と用紙P4との紙間、用紙P4と用紙P5との紙間、用紙P5と用紙P6との紙間は、全て第1間隔d1だけ紙間を空けて搬送されている。
【0046】
そして、切替部36により排紙経路RDへ導かれた用紙Pが第1排紙ローラ対37により排紙台39へ排紙する。
【0047】
これにより、汚れ防止処理が施されているローラ同士、または汚れ防止処理が施されているローラと汚れ防止処理が施されていないローラとが用紙Pを介さずに直接接触する距離を極力低減することができるので、ローラの表面の摩耗を低減することができる。
【0048】
図3は、本発明の一実施形態に係る印刷装置1において、両面印刷を行う場合の用紙Pの搬送状態を示した図である。両面印刷では、給紙部2から搬送されてきた用紙Pと、反転部25から搬送されてきた用紙Pとが交互に搬送される。両面印刷では、まず裏面が印刷された後、反転部25で反転され、表面が印刷される。
【0049】
図3では、表面を印刷する用紙Pを、P11、P12、P13、P14として示し、裏面を印刷する用紙Pを、P21、P22、P23、P24として示している。
【0050】
図3に示すように、両面印刷でも片面印刷と同様に、第2ローラ対であるレジストローラ対26で搬送される用紙P21は、先行する用紙P11と第2間隔d2だけ紙間を空けて搬送されている。
【0051】
一方、用紙P11のように先頭がインクジェットヘッド部23の下方を抜けると、先行する用紙P22と第2間隔d2より短い第1間隔d1だけ紙間を空けて搬送されている。
【0052】
その後、用紙Pは、上面搬送ローラ対27により第1間隔d1だけ紙間を空けて搬送されている。具体的には、用紙P22と用紙P12との紙間、用紙P12と用紙P23との紙間、用紙P23と用紙P13との紙間は、全て第1間隔d1だけ紙間を空けて搬送されている。
【0053】
そして、切替部36は、裏面のみが印刷された用紙Pを反転経路RRへ搬送し、両面が印刷された用紙Pを排紙経路RDへ搬送するように切り替える。
【0054】
第1排紙ローラ対37は、切替部36により排紙経路RDへ導かれた用紙Pを排紙台39へ排紙する。
【0055】
切替部36により反転経路RRへ搬送された用紙Pは、反転ローラ対31により搬送され、用紙P24のように、スイッチバックローラ対32によりスイッチバックされて再給紙ローラ対33へ搬送される。
【0056】
再給紙ローラ対33は、用紙P14のように、スイッチバックローラ対32によりスイッチバックされた用紙Pをレジストローラ対26へ搬送する。
【0057】
ここで、上述したように、反転ローラ対31と、スイッチバックローラ対32と、再給紙ローラ対33とは、駆動ローラは汚れ防止処理が施されているが、従動ローラは汚れ防止処理が施されていない。そのため、上面搬送ローラ対27のように、駆動ローラと従動ローラ共に汚れ防止処理が施されているローラ対と比較すると、摩耗し難いといえる。そのため、反転ローラ対31、スイッチバックローラ対32、再給紙ローラ対33での紙間は、第1間隔d1としてもよいし、第2間隔d2としてもよい。
【0058】
以上のように、両面印刷においても、制御部6は、用紙搬送経路で用紙を搬送する際、第1ローラ対での紙間である第1間隔d1を、第2ローラ対での紙間である第2間隔d2よりも狭めて用紙を搬送するように制御するので、汚れ防止処理が施されているローラ同士、または汚れ防止処理が施されているローラと汚れ防止処理が施されていないローラとが用紙Pを介さずに直接接触する距離を極力低減することができるので、ローラの表面の摩耗を低減することができる。
【0059】
なお、ここでは、制御部6は、用紙搬送経路で用紙を搬送する際、第1ローラ対での紙間である第1間隔d1を、第2ローラ対での紙間である第2間隔d2よりも狭めて用紙を搬送するように制御したが、第1間隔d1をなくし、先行する用紙Pの後端と後続の用紙Pの先端を重ねるように搬送してもよい。
【0060】
これにより、よりローラの表面の摩耗を低減することができる。
【0061】
また、本発明の実施形態では、ライン単位で印刷を行なうインクジェット方式の印刷装置を例に挙げて説明したが、これに限らず、シリアルインクジェット方式、レーザ方式、又は孔版印刷方式等の用紙を搬送する印刷装置であればどのような方式の印刷装置でもよい。
(付記)
本出願は、以下の発明を開示する。
(付記1)
用紙搬送経路の駆動ローラと前記駆動ローラに対向して従動ローラとが設けられ、前記駆動ローラまたは前記従動ローラの少なくともいずれか一方に汚れ防止処理が施された第1ローラ対と、
前記駆動ローラおよび前記従動ローラのいずれにも前記汚れ防止処理が施されていない第2ローラ対と、
前記用紙搬送経路で用紙を搬送する際、前記第1ローラ対での紙間を、前記第2ローラ対での紙間よりも狭めて用紙を搬送するように制御する制御手段と、
を備えたことを特徴とする印刷装置。
【0062】
これにより、汚れ防止処理が施されているローラ同士、または汚れ防止処理が施されているローラと汚れ防止処理が施されていないローラとが用紙を介さずに直接接触する距離を極力低減することができるので、ローラの表面の摩耗を低減することができる。
【符号の説明】
【0063】
1 印刷装置
2 給紙部
3 印刷部
4 排紙部
6 制御部
11 給紙台
12 給紙ローラ
21 レジスト部
22 ベルト搬送部
23 インクジェットヘッド部
24 上面搬送部
25 反転部
26 レジストローラ対
27 上面搬送ローラ対
31 反転ローラ対
32 スイッチバックローラ対
33 再給紙ローラ対
34 切替ゲート
36 切替部
37 第1排紙ローラ対
39 排紙台
図1
図2
図3