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  • 特開-バイオガスシステム 図1
  • 特開-バイオガスシステム 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022178483
(43)【公開日】2022-12-02
(54)【発明の名称】バイオガスシステム
(51)【国際特許分類】
   F02D 19/02 20060101AFI20221125BHJP
   C10L 3/08 20060101ALI20221125BHJP
【FI】
F02D19/02 A
C10L3/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021085323
(22)【出願日】2021-05-20
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100126664
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 慎吾
(74)【代理人】
【識別番号】100154852
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 太一
(74)【代理人】
【識別番号】100194087
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 伸一
(72)【発明者】
【氏名】川口 昇
(72)【発明者】
【氏名】藤沼 正訓
【テーマコード(参考)】
3G092
【Fターム(参考)】
3G092AB06
3G092AC08
3G092DE17
3G092HB05Z
3G092HF01Z
(57)【要約】
【課題】システムの構成に要する費用が嵩むことを抑制しながら燃焼機関の要求負荷に応じた適切な燃料ガスの供給を制御することができるバイオガスシステムを提供する。
【解決手段】バイオガスシステム10は、発酵槽11と、貯留槽13と、燃焼機関15と、燃料ガス供給部17と、制御装置27と、を備える。発酵槽11はバイオマス原料を発酵させることによってバイオガスを生成する。貯留槽13は発酵槽11で生成されるバイオガスを貯留する。制御装置27は、貯留槽13から燃焼機関15にバイオガスを供給する状態で第1流量センサ21a、スロットル開度センサ23及び吸入圧力センサ25の少なくともいずれか1つから出力される情報の検出値が最大要求出力に対応する情報よりも大きい場合にバイオガスの供給を維持しながら燃料ガス供給部17によって燃料ガスを燃焼機関15に供給する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バイオマス原料を発酵させることによってバイオガスを生成する発酵槽と、
前記発酵槽で生成される前記バイオガスを貯留する貯留槽と、
前記貯留槽から供給される前記バイオガスを燃料として稼働する燃料消費機器と、
前記バイオガスとは異なる燃料ガスを燃料として前記燃料消費機器に供給する燃料ガス供給部と、
前記貯留槽から前記燃料消費機器に供給される前記バイオガスの流量、前記燃料消費機器に設けられる前記燃料のスロットルバルブの開度及び前記燃料消費機器の前記燃料の吸入圧力のうち少なくともいずれか1つの情報を検出して前記情報の検出値の信号を出力する検出部と、
前記燃料消費機器の最大要求出力に対応する前記情報を取得するとともに、前記貯留槽から前記燃料消費機器に前記バイオガスを供給する状態で前記検出部から出力される前記情報の検出値が前記最大要求出力に対応する前記情報よりも大きい場合に前記貯留槽から前記燃料消費機器に前記バイオガスの供給を維持しながら前記燃料ガス供給部によって前記燃料ガスを前記燃料消費機器に供給する制御部と、
を備える、
ことを特徴とするバイオガスシステム。
【請求項2】
前記貯留槽から供給される前記バイオガス又は前記バイオガス及び前記燃料ガス供給部から供給される前記燃料ガスの混合ガスを貯留するとともに、前記バイオガス又は前記混合ガスを燃料として前記燃料消費機器に供給するバッファ槽と、
前記バッファ槽の前記バイオガスの圧力を検出して前記圧力の検出値の信号を出力する圧力センサと、
を備え、
前記制御部は、前記最大要求出力に対応する前記圧力を取得するとともに、前記貯留槽から前記燃料消費機器に前記バイオガスを供給する状態で前記圧力センサから出力される前記圧力の検出値が前記最大要求出力に対応する前記圧力よりも大きい場合に前記貯留槽から前記燃料消費機器に前記バイオガスの供給を維持しながら前記燃料ガス供給部によって前記燃料ガスを前記燃料消費機器に供給する
ことを特徴とする請求項1に記載のバイオガスシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バイオガスシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、燃焼機関に供給されるバイオガスの供給量及び熱量を検出する検出器を備え、バイオガスの供給量及び熱量の変動に応じて所望の熱量を確保するために、バイオガスと他の燃料ガスとを混合して燃焼機関に供給する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、従来、例えば、燃焼機関に供給されるバイオガスと他の燃料ガスとの各々の流量を検出するセンサを備え、各ガスの流量に応じた燃焼機関の出力と、予め設定された燃料スケジュールとの比較に応じて、各ガスの混合比率を制御する方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002-226878号公報
【特許文献2】特開2003-065083号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記した従来技術の方法では、燃焼機関に燃料ガスを安定的に供給するためにバイオガスの流量又は熱量の変動に応じてバイオガスと他の燃料ガスとの混合比率を制御する。これに対して、例えば燃焼機関に対する要求負荷が変動する場合には、燃焼機関の稼働状態及び要求負荷に応じて燃料ガスの供給量及び熱量を制御することが望まれる。
【0005】
本発明は、システムの構成に要する費用が嵩むことを抑制しながら燃焼機関の要求負荷に応じた適切な燃料ガスの供給を制御することができるバイオガスシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決して係る目的を達成するために、本発明は以下の態様を採用した。
(1)本発明の一態様に係るバイオガスシステム(例えば、実施形態でのバイオガスシステム10,10A)は、バイオマス原料を発酵させることによってバイオガスを生成する発酵槽(例えば、実施形態での発酵槽11)と、前記発酵槽で生成される前記バイオガスを貯留する貯留槽(例えば、実施形態での貯留槽13)と、前記貯留槽から供給される前記バイオガスを燃料として稼働する燃料消費機器(例えば、実施形態での燃焼機関15)と、前記バイオガスとは異なる燃料ガスを燃料として前記燃料消費機器に供給する燃料ガス供給部(例えば、実施形態での燃料ガス供給部17)と、前記貯留槽から前記燃料消費機器に供給される前記バイオガスの流量、前記燃料消費機器に設けられる前記燃料のスロットルバルブの開度及び前記燃料消費機器の前記燃料の吸入圧力のうち少なくともいずれか1つの情報を検出して前記情報の検出値の信号を出力する検出部(例えば、実施形態での第1流量センサ21a、スロットル開度センサ23、吸入圧力センサ25)と、前記燃料消費機器の最大要求出力に対応する前記情報を取得するとともに、前記貯留槽から前記燃料消費機器に前記バイオガスを供給する状態で前記検出部から出力される前記情報の検出値が前記最大要求出力に対応する前記情報よりも大きい場合に前記貯留槽から前記燃料消費機器に前記バイオガスの供給を維持しながら前記燃料ガス供給部によって前記燃料ガスを前記燃料消費機器に供給する制御部(例えば、実施形態での制御装置27)と、を備える。
【0007】
(2)上記(1)に記載のバイオガスシステムは、前記貯留槽から供給される前記バイオガス又は前記バイオガス及び前記燃料ガス供給部から供給される前記燃料ガスの混合ガスを貯留するとともに、前記バイオガス又は前記混合ガスを燃料として前記燃焼機関に供給するバッファ槽(例えば、実施形態でのバッファ槽31)と、前記バッファ槽の前記バイオガスの圧力を検出して前記圧力の検出値の信号を出力する圧力センサ(例えば、実施形態での圧力センサ33)と、を備え、前記制御部は、前記最大要求出力に対応する前記圧力を取得するとともに、前記貯留槽から前記燃料消費機器に前記バイオガスを供給する状態で前記圧力センサから出力される前記圧力の検出値が前記最大要求出力に対応する前記圧力よりも大きい場合に前記貯留槽から前記燃料消費機器に前記バイオガスの供給を維持しながら前記燃料ガス供給部によって前記燃料ガスを前記燃料消費機器に供給してもよい。
【発明の効果】
【0008】
上記(1)によれば、バイオガスの供給状態での燃料消費機器の最大要求出力に対してバイオガスの供給量が不足する場合に燃料ガス供給部から燃料ガスを供給する制御部を備えることによって、バイオガスシステムの構成に要する費用が嵩むことを抑制しながら燃焼機関の要求出力に応じた適切な燃料ガスの供給を制御することができる。制御部は、バイオガスの流量、燃料消費機器のスロットルバルブの開度及び燃料の吸入圧力のうち少なくともいずれか1つの情報によってバイオガスの供給量不足の有無を判定するので、燃料消費機器の要求出力にリアルタイム対応して適正量の燃料を供給することができる。
【0009】
上記(2)の場合、バッファ槽を備えることによって、バイオガスの濃度が変動する場合であっても、燃料消費機器の要求出力に対してバイオガスの供給量不足が生じることを抑制することができる。制御部は、バッファ槽のバイオガスの圧力によってバイオガスの供給量不足の有無を判定するので、燃料消費機器の要求出力にリアルタイム対応して適正量の燃料を供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施形態でのバイオガスシステムの構成図。
図2】本発明の実施形態の変形例でのバイオガスシステムの構成図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態に係るバイオガスシステム10について、添付図面を参照しながら説明する。
図1は、実施形態でのバイオガスシステム10の構成図である。
図1に示すように、実施形態によるバイオガスシステム10は、例えば、発酵槽11と、貯留槽13と、燃焼機関15と、燃料ガス供給部17と、第1開閉弁19a及び第2開閉弁19bと、第1流量センサ21a及び第2流量センサ21bと、スロットル開度センサ23と、吸入圧力センサ25と、制御装置27と、を備える。
【0012】
発酵槽11は、例えば有機性の廃棄物等のバイオマス原料を含む発酵液を微生物の存在下で貯蔵する。発酵槽11は、バイオマス原料をメタン発酵させることによってメタンガスを主成分とするバイオガスを生成する。発酵槽11は、例えば、第1ガス配管29aによって貯留槽13に接続されている。発酵槽11で生成されたバイオガスは貯留槽13に向かって排出され、バイオマス原料からバイオガスを発生させた後に生じる発酵残渣(例えば、消化液及び残留固形物等)は外部の処理設備等に向かって排出される。
発酵槽11と貯留槽13との間には、例えば、バイオガスからケイ素化合物及び硫黄化合物等の不要な物質を除去する精製装置が配置されてもよい。
【0013】
貯留槽13は、発酵槽11で生成されたバイオガスを貯留する。貯留槽13は、例えば、バイオガスを貯蔵するガスバック又はガスホルダー等を備える。発酵槽11は、例えば、第2ガス配管29bによって燃焼機関15に接続されている。貯留槽13は、バイオガスを燃料として燃焼機関15に供給する。
【0014】
燃焼機関15は、例えば、ガスエンジン又はガスタービン等の内燃機関を備える。燃焼機関15は、例えば、1つ以上の内燃機関を備えるとともに、内燃機関と同数の発電機に接続されている。発電機は内燃機関の動力によって回転駆動されることによって発電する。
【0015】
燃料ガス供給部17は、所定の燃料ガスを燃焼機関15に供給する。所定の燃料ガスは、例えば、液化天然ガス又は液化石油ガス等のバイオガスよりも高い発熱量のガスである。燃料ガス供給部17は、例えば、燃料ガスを貯蔵するガスバック若しくはガスホルダー等又はいわゆる都市ガス等のガス供給施設から供給される燃料ガスが流通する配管を備える。
燃料ガス供給部17は、例えば、第3ガス配管29cによって第2ガス配管29bに接続されている。
【0016】
第1開閉弁19a及び第2開閉弁19bの各々は、例えば、電磁弁、電動弁又は空気式弁等であって、制御装置27によって開閉及び開度等が制御される。
第1開閉弁19aは、第2ガス配管29bでの貯留槽13と第3ガス配管29cの合流部との間に配置されている。第2開閉弁19bは、第3ガス配管29cに配置されている。
【0017】
第1流量センサ21aは、例えば、第2ガス配管29bでの第3ガス配管29cの合流部と第1開閉弁19aとの間に配置されている。第1流量センサ21aは、貯留槽13から燃焼機関15に供給されるバイオガスの流量F1を検出し、流量F1の検出値の信号を出力する。
第2流量センサ21bは、第3ガス配管29cに配置されている。第2流量センサ21bは、燃料ガス供給部17から燃焼機関15に供給される燃料ガスの流量F2を検出し、流量F2の検出値の信号を出力する。
【0018】
スロットル開度センサ23は、燃焼機関15のスロットルバルブの開度THを検出し、開度THの検出値の信号を出力する。
吸入圧力センサ25は、燃焼機関15の吸入圧力PBを検出し、吸入圧力PBの検出値の信号を出力する。
【0019】
制御装置27は、例えば、バイオガスシステム10の全体を統合的に制御する。制御装置27は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサによって所定のプログラムが実行されることにより機能するソフトウェア機能部である。ソフトウェア機能部は、CPU等のプロセッサ、プログラムを格納するROM(Read Only Memory)、データを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)及びタイマー等の電子回路を備えるECU(Electronic Control Unit)である。なお、制御装置27の少なくとも一部は、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路であってもよい。
【0020】
制御装置27は、貯留槽13からバイオガスのみを燃焼機関15に供給する第1モードと、貯留槽13からのバイオガス及び燃料ガス供給部17からの燃料ガスを燃焼機関15に供給する第2モードとを切り替えて実行する。
制御装置27は、例えば、貯留槽13から燃焼機関15に供給されるバイオガスの流量F1と燃焼機関15のスロットルバルブの開度TH及び吸入圧力PBとの各情報と、燃焼機関15の最大要求出力との対応関係のデータを記憶している。制御装置27は、例えば、第1流量センサ21a、スロットル開度センサ23及び吸入圧力センサ25の少なくともいずれか1つから出力される検出値が、燃焼機関15の最大要求出力に対応する情報以下である場合に第1モードを実行する。制御装置27は、少なくともいずれか1つの検出値が燃焼機関15の最大要求出力に対応する情報よりも大きい場合に第2モードを実行する。制御装置27は、第1モードでは、第1開閉弁19aを開及び第2開閉弁19bを閉の状態に設定し、第2モードでは、第1開閉弁19a及び第2開閉弁19bの各々を開の状態に設定する。
【0021】
制御装置27が第1モードを実行する状態は、燃焼機関15の要求出力に対してバイオガスの供給量が釣り合っている状態である。この状態では、バイオガスの流量F1、燃焼機関15のスロットルバルブの開度TH及び吸入圧力PBは一定であり、燃焼機関15の出力軸の回転数はガバナー等によって調節されることで一定である。
例えば、第1モードの実行中に要求負荷の増大又はバイオガスの濃度の低下等に起因してバイオガスの供給量の増大が必要となる場合、制御装置27は燃焼機関15のスロットルバルブの開度THを増大させる。これに伴い、バイオガスの流量F1は増大し、吸入圧力PBは低下し、燃焼機関15の出力軸の回転数は低下するが、燃焼機関15の要求出力に対してバイオガスの供給量が再度釣り合う場合、第1モードの実行は維持される。
一方、燃焼機関15のスロットルバルブの開度THを増大させても燃焼機関15の要求出力に対してバイオガスの供給量が不足する場合、制御装置27は燃料ガス供給部17から燃焼機関15に燃料ガスの供給を開始することによって第2モードを実行する。制御装置27は、例えば第2流量センサ21bによって検出される燃料ガスの流量F2を参照しながら、バイオガス及び燃料ガスによる混合ガスの供給量を燃焼機関15の要求出力に釣り合わせる。この場合、燃焼機関15の出力軸の回転数はガバナー等によって調節されることで一定になる。
【0022】
上述したように、実施形態のバイオガスシステム10では、バイオガスの供給状態での燃焼機関15の最大要求出力に対してバイオガスの供給量が不足する場合に燃料ガス供給部17から燃料ガスを供給する制御装置27を備えることによって、バイオガスシステムの構成に要する費用が嵩むことを抑制しながら燃焼機関15の要求出力に応じた適切な燃料ガスの供給を制御することができる。制御装置27は、バイオガスの流量F1、燃焼機関15のスロットルバルブの開度TH及び燃料の吸入圧力PBのうち少なくともいずれか1つの情報によってバイオガスの供給量不足の有無を判定するので、燃焼機関15の要求出力にリアルタイム対応して適正量の燃料を供給することができる。
【0023】
(変形例)
以下、実施形態の変形例について説明する。なお、上述した実施形態と同一部分については、同一符号を付して説明を省略又は簡略化する。
上述した実施形態では、貯留槽13及び燃料ガス供給部17は、燃焼機関15に接続されるとしたが、これに限定されない。例えば、貯留槽13及び燃料ガス供給部17は、適宜のバッファを介して燃焼機関15に接続されてもよい。
図2は、実施形態の変形例でのバイオガスシステム10Aの構成図である。
図2に示すように、変形例のバイオガスシステム10Aは、第2ガス配管29bでの第3ガス配管29cの合流部と燃焼機関15との間に配置されるバッファ槽31を備える。
バッファ槽31は、貯留槽13から供給されるバイオガス又はバイオガス及び燃料ガス供給部17から供給される燃料ガスの混合ガスを貯留する。
バッファ槽31は、貯留されるガスの圧力Pを検出して、圧力Pの検出値の信号を出力する圧力センサ33を備える。
【0024】
制御装置27は、例えば、貯留槽13から燃焼機関15に供給されるバイオガスの流量F1と燃焼機関15のスロットルバルブの開度TH及び吸入圧力PBとバッファ槽31に貯留されるガスの圧力Pの各情報と、燃焼機関15の最大要求出力との対応関係のデータを記憶している。制御装置27は、例えば、第1流量センサ21a、スロットル開度センサ23、吸入圧力センサ25及び圧力センサ33の少なくともいずれか1つから出力される検出値が、燃焼機関15の最大要求出力に対応する情報以下である場合に第1モードを実行する。制御装置27は、少なくともいずれか1つの検出値が燃焼機関15の最大要求出力に対応する情報よりも大きい場合に第2モードを実行する。制御装置27は、第1モードでは、第1開閉弁19aを開及び第2開閉弁19bを閉の状態に設定し、第2モードでは、第1開閉弁19a及び第2開閉弁19bの各々を開の状態に設定する。
【0025】
制御装置27が第1モードを実行する状態では、バイオガスの流量F1、燃焼機関15のスロットルバルブの開度TH及び吸入圧力PB並びにバッファ槽31の圧力Pは一定である。
例えば、第1モードの実行中に要求負荷の増大又はバイオガスの濃度の低下等に起因してバイオガスの供給量の増大が必要となる場合、制御装置27は燃焼機関15のスロットルバルブの開度THを増大させる。これに伴い、バイオガスの流量F1は増大し、吸入圧力PBは低下し、バッファ槽31の圧力Pは低下するが、燃焼機関15の要求出力に対してバイオガスの供給量が再度釣り合う場合、第1モードの実行は維持される。
一方、燃焼機関15のスロットルバルブの開度THを増大させても燃焼機関15の要求出力に対してバイオガスの供給量が不足する場合、制御装置27は燃料ガス供給部17から燃焼機関15に燃料ガスの供給を開始することによって第2モードを実行する。制御装置27はバイオガス及び燃料ガスによる混合ガスの供給量を燃焼機関15の要求出力に釣り合わせる。この場合、バッファ槽31の圧力Pは一定になる。
【0026】
変形例によれば、バッファ槽31を備えることによって、バイオガスの濃度が変動する場合であっても、燃焼機関15の要求出力に対してバイオガスの供給量不足が生じることを抑制することができる。制御装置27は、バッファ槽31のバイオガスの圧力によってバイオガスの供給量不足の有無を判定するので、燃焼機関15の要求出力にリアルタイム対応して適正量の燃料を供給することができる。
【0027】
なお、上述した実施形態及び変形例では、第2開閉弁19bは、開閉作用を有する開閉弁と減圧作用を有する減圧弁との組み合わせによって構成されてもよい。
なお、上述した実施形態及び変形例では、第2流量センサ21bは省略されてもよい。
なお、上述した実施形態及び変形例では、燃焼機関15は、内燃機関を備えるとしたが、これに限定されず、ボイラー等を備えてもよい。
【0028】
本発明の実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0029】
10…バイオガスシステム、11…発酵槽、13…貯留槽、15…燃焼機関(燃料消費機器)、17…燃料ガス供給部、21a…第1流量センサ(検出部)、21b…第2流量センサ(検出部)、23…スロットル開度センサ(検出部)、25…吸入圧力センサ(検出部)、27…制御装置(制御部)、31…バッファ槽、33…圧力センサ。
図1
図2