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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022178518
(43)【公開日】2022-12-02
(54)【発明の名称】エレベーターの噴霧装置
(51)【国際特許分類】
   B66B 11/02 20060101AFI20221125BHJP
   B66B 3/00 20060101ALI20221125BHJP
【FI】
B66B11/02 C
B66B3/00 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021085384
(22)【出願日】2021-05-20
(71)【出願人】
【識別番号】000236056
【氏名又は名称】三菱電機ビルソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003199
【氏名又は名称】弁理士法人高田・高橋国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松尾 圭介
【テーマコード(参考)】
3F303
3F306
【Fターム(参考)】
3F303CB24
3F306CB06
3F306CB60
(57)【要約】
【課題】エレベーターのかごの床面部に液体を噴霧することができるエレベーターの噴霧装置を提供する。
【解決手段】本開示に係るエレベーターの噴霧装置は、エレベーターのかごに設けられ、液体を貯留し、前記液体を送り出すポンプを備えた貯留部と、エレベーターのかごの外側に設けられ、一端が前記貯留部と連結され、前記貯留部から送り出された液体を通過させる複数の管体部と、前記複数の管体部の他端と連結され、前記かごの床面部付近の前記かごの側面部に設けられ、前記管体部を通過した液体をかごの床面部に噴霧する複数の噴霧部と、を備えた。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベーターのかごに設けられ、液体を貯留し、前記液体を送り出すポンプを備えた貯留部と、
エレベーターのかごの外側に設けられ、一端が前記貯留部と連結され、前記貯留部から送り出された液体を通過させる複数の管体部と、
前記複数の管体部の他端と連結され、前記かごの床面部付近の前記かごの側面部に設けられ、前記管体部を通過した液体をかごの床面部に噴霧する複数の噴霧部と、
を備えたエレベーターの噴霧装置。
【請求項2】
前記貯留部は、前記液体を一定の時間ごとに送り出す請求項1に記載のエレベーターの噴霧装置。
【請求項3】
前記複数の管体部の各々は、前記複数の噴霧部の各々に対応して設けられる請求項1または請求項2に記載のエレベーターの噴霧装置。
【請求項4】
前記複数の管体部の各々は、前記かごの側面部に対応して設けられ、対応するかごの側面部において複数の噴霧部と連結され、当該複数の噴霧部に液体を送り出す請求項1または請求項2に記載のエレベーターの噴霧装置。
【請求項5】
前記貯留部は、前記複数の管体部の各々の長さに合わせて前記ポンプの圧力を調整する請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のエレベーターの噴霧装置。
【請求項6】
前記貯留部は、利用者が前記かごにいないときに液体を送り出す請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のエレベーターの噴霧装置。
【請求項7】
前記複数の噴霧部の各々は、前記かごの側面部の下部に外周に沿って設けられた巾木に設けられる請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のエレベーターの噴霧装置。
【請求項8】
前記複数の噴霧部のうちの一つは、前記かごの中央側において前記巾木の上部に設けられた請求項7に記載のエレベーターの噴霧装置。
【請求項9】
前記複数の噴霧部のうちの一つは、前記かごの四隅のうちのひとつの側において前記巾木の下部に設けられた請求項7に記載のエレベーターの噴霧装置。
【請求項10】
前記かごの内部の利用者を検知することができるように設けられ、自らの検知エリアを、対応する噴霧部の噴霧エリアとする検知部、
を備え、
前記貯留部は、前記複数の検知部のうち、自らの検知エリアに利用者を検知していない検知部に対応する噴霧部に対して、液体を送り出す請求項1から請求項9のいずれか一項に記載のエレベーターの噴霧装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、エレベーターの噴霧装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、エレベーターの噴霧装置を開示する。当該エレベーターの噴霧装置は、エレベーターのかごの内部に液体を噴射する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-96483号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載のエレベーターの噴霧装置は、エレベーターのかごの内部の空間に対して液体を噴霧する。このため、当該液体は、かごの床面部に行きわたらないことがある。
【0005】
本開示は、上述の課題を解決するためになされた。本開示の目的は、エレベーターのかごの床面部に液体を噴霧することができるエレベーターの噴霧装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係るエレベーターの噴霧装置は、エレベーターのかごに設けられ、液体を貯留し、前記液体を送り出すポンプを備えた貯留部と、エレベーターのかごの外側に設けられ、一端が前記貯留部と連結され、前記貯留部から送り出された液体を通過させる複数の管体部と、前記複数の管体部の他端と連結され、前記かごの床面部付近の前記かごの側面部に設けられ、前記管体部を通過した液体をかごの床面部に噴霧する複数の噴霧部と、を備えた。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、エレベーターの噴霧装置は、かごの床面部付近のかごの側面部からかごの床面部に液体を噴霧する。このため、エレベーターのかごの床面部に液体を噴霧することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1におけるエレベーターの噴霧装置が適用されるエレベーターシステムの構成図である。
図2】実施の形態1におけるエレベーターの噴霧装置の構成を示す図である。
図3】実施の形態1におけるエレベーターの噴霧装置が適用されるエレベーターのかごの断面詳細図である。
図4】実施の形態1におけるエレベーターの噴霧装置の第1変形例が適用されるエレベーターのかごの断面詳細図である。
図5】実施の形態1におけるエレベーターの噴霧装置の第2変形例が適用されるエレベーターのかごの断面詳細図である。
図6】実施の形態1におけるエレベーターの噴霧装置の第3変形例が適用されるエレベーターの噴霧装置の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態について添付の図面に従って説明する。なお、各図中、同一または相当する部分には同一の符号が付される。当該部分の重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
【0010】
実施の形態1.
図1は実施の形態1におけるエレベーターの噴霧装置が適用されるエレベーターシステムの構成図である。
【0011】
図1のエレベーターシステムにおいて、昇降路1は、図示されない建築物の各階を貫く。機械室2は、昇降路1の直上に設けられる。複数の乗場3の各々は、建築物の各階に設けられる。複数の乗場3の各々は、昇降路1に対向する。
【0012】
巻上機4は、機械室2に設けられる。主ロープ5は、巻上機4に巻き掛けられる。
【0013】
かご6は、昇降路1の内部に設けられる。かご6は、主ロープ5の一側に吊るされる。釣合おもり7は、昇降路1の内部に設けられる。釣合おもり7は、主ロープ5の他側に吊るされる。
【0014】
換気装置8は、かご6の天井部に設けられる。噴霧装置9は、かご6に設けられる。
【0015】
制御装置10は、機械室2に設けられる。制御装置10は、巻上機4と換気装置8と噴霧装置9とに電気的に接続される。制御装置10は、エレベーターを全体的に制御し得るように設けられる。制御装置10は、既知の方法でかご6に利用者がいるか否かを判定する。例えば、既知の方法とは荷重センサである。
【0016】
次に、図2を用いて、エレベーターの噴霧装置9の構成を説明する。
図2は実施の形態1におけるエレベーターの噴霧装置の構成を示す図である。
【0017】
図2に示されるように、かご6は、4辺の側面部と天井部と床面部を備える。かご6の4辺の側面部の各々の上部は、パネルである。かご6の4辺の側面部の各々の下部は、巾木11である。巾木11は、かご6の側面部の下部に外周に沿って設けられる。パネルと巾木11とは、隙間を介して接する。
【0018】
噴霧装置9は、貯留部12と複数の管体部13と複数の噴霧部14とを備える。
【0019】
貯留部12は、かご6の上部に設けられる。貯留部12は、液体を貯留する。例えば、液体は、消臭剤である。例えば、液体は、抗菌剤である。例えば、液体は、消毒液である。貯留部12は、ポンプを備える。例えば、ポンプは、タイマーで一定間隔毎に液体を送り出し得るように設けられる。
【0020】
例えば、複数の管体部13の各々は、チューブである。例えば、複数の管体部13の各々は、樹脂製のチューブである。複数の管体部13は、かご6の外側に設けられる。複数の管体部13の各々において、一端は、貯留部12と連結される。
【0021】
例えば、複数の噴霧部14の各々は、ノズルである。複数の噴霧部14の各々は、かご6の側面部に設けられる。複数の管体部13の各々と複数の噴霧部14の各々は、それぞれ対応するように設けられる。複数の噴霧部14の各々は、複数の噴霧部14の各々の他端と連結される。
【0022】
噴霧装置9において、貯留部12は、図示されない制御装置10から信号を受信する。例えば、貯留部12は、図示されない制御装置10から利用者がかご6にいることを示す情報を受信した場合にポンプを作動させない。例えば、貯留部12は、図示されない制御装置10から利用者がかご6にいることを示す情報を受信していない場合にポンプを作動させる。この際、貯留部12は、予め設定された動作を行う。例えば、貯留部12は、複数の管体部13の各々の長さに合わせてポンプの圧力を調整する。例えば、貯留部12は、複数の管体部13の各々毎に噴霧の有無を切り替える。
【0023】
複数の管体部13の各々は、貯留部12から送り出された液体を通過させる。複数の管体部13の各々は、複数の噴霧部14の各々に液体を送り出す。
【0024】
複数の噴霧部14の各々は、複数の管体部13から送り出された液体をかご6の床面部に噴霧する。
【0025】
図2において、換気装置8は、かご6の上部から下部の方向に空気を吐き出す。当該空気は、かご6の下部に至ってから、パネルと巾木11の間の隙間からかご6の外側に排出される。
【0026】
次に、図3を用いて、エレベーターの噴霧部14の詳細を説明する。
図3は実施の形態1におけるエレベーターの噴霧装置が適用されるエレベーターのかごの断面詳細図である。
【0027】
図3に示されるように、噴霧部14は、巾木11を貫通するように設けられる。噴霧部14は、巾木11の上部に設けられる。例えば、かご6の中央側において、噴霧部14は、巾木11の上部に設けられる。
【0028】
以上で説明した実施の形態1によれば、噴霧装置9は、かご6の床面部付近のかご6の側面部からかご6の床面部に液体を噴霧する。このため、かご6の床面部に液体を噴霧することができる。
【0029】
また、換気装置8から吐き出された空気は、パネルと巾木11の間の隙間からかご6の外側に排出される。このため、かご6の床面部には埃がたまりやすい。また、利用者の靴についた埃は、かご6の床面部にたまりやすい。噴霧装置9によれば、埃が溜まりやすいかご6の床面部に消臭剤を噴霧することができる。噴霧装置9によれば、かご6の内部のにおいを軽減することができる。このため、かご6の内部が不快な空間になることを抑制できる。
【0030】
また、貯留部12は、ポンプにより貯留された液体を一定の時間毎に送り出す。このため、噴霧する液体の効果が切れる前に噴霧を行うことができる。
【0031】
また、複数の管体部13の各々は、複数の噴霧部14の各々に対応して設けられる。このため、確実に液体を噴霧することができる。
【0032】
なお、かご6の側面部に対応して複数の管体部13の各々を設けてもよい。対応するかご6の側面部において、管体部13の他端を分岐して複数の噴霧部14と連結してもよい。この場合、対応するかご6の側面部において、管体部13は、複数の噴霧部14に液体を送り出す。この場合、管体部13の数を減らすことができる。
【0033】
また、貯留部12は、複数の管体部13の各々の長さに合わせてポンプの圧力を調整する。このため、液体の噴霧の精度を上げることができる。
【0034】
また、貯留部12は、利用者がかご6にいないときに液体を送り出す。このため、利用者に不快感を与えることなく液体を噴霧することができる。
【0035】
また、噴霧部14は、巾木11の上部に設けられる。このため、より遠くまで液体を噴霧することができる。特に、かご6の中央側において噴霧部14を巾木11の上部に設けた場合、かご6の床面部の中央部分に液体を噴霧することができる。
【0036】
次に、図4を用いて、噴霧装置9の第1変形例を説明する。
図4は実施の形態1におけるエレベーターの噴霧装置の第1変形例が適用されるエレベーターのかごの断面詳細図である。
【0037】
図4に示されるように、噴霧部14は、巾木11の下部に設けられる。例えば、かご6の四隅側において、噴霧部14は、巾木11の下部に設けられる。
【0038】
以上で説明した実施の形態1の第1変形例によれば、噴霧部14は、巾木11の下部に設けられる。このため、かご6の床面部の隅部分に液体を噴霧することができる。
【0039】
なお、実施の形態1と実施の形態1の第1変形例を同時に適用してもよい。具体的には、かご6の中央側において、噴霧部14は、巾木11の上部に設ければよい。かご6の四隅側において、噴霧部14を巾木11の下部に設ければよい。この場合、かご6の床面部の全体に液体を噴霧することができる。
【0040】
次に、図5を用いて、噴霧装置9の第2変形例を説明する。
図5は実施の形態1におけるエレベーターの噴霧装置の第2変形例が適用されるエレベーターのかごの断面詳細図である。
【0041】
図5に示されるように、噴霧部14は、かご6の内側に向かうにつれて下降するように巾木11を貫通する。
【0042】
以上で説明した実施の形態1の第2変形例によれば、噴霧部14は、巾木11の下部に設けられる。このため、かご6の床面部の隅部分に液体を噴霧することができる。
【0043】
次に、図6を用いて、噴霧装置9の第3変形例を説明する。
図6は実施の形態1におけるエレベーターの噴霧装置の第3変形例が適用されるエレベーターの噴霧装置の構成を示す図である。
【0044】
第3変形例において、噴霧装置9は、検知部15を備える。検知部15は、貯留部12と通信可能に設けられる。例えば、検知部15は、赤外線センサである。検知部15は、噴霧部14に対応して設けられる。検知部15は、対応する噴霧部14の噴霧エリアを検知エリアとする。検知部15は、かご6の利用者を検知する。
【0045】
貯留部12は、複数の検知部15のうち、自らの検知エリアに利用者を検知していない検知部15に対応する噴霧部14に対して、液体を送り出す。複数の噴霧部14の各々は、貯留部12から送り出された液体をかご6の床面部に噴霧する。
【0046】
以上で説明した実施の形態1の第3変形例によれば、貯留部12は、利用者を検知していない検知部15に対応する噴霧部14に対して、液体を送り出す。このため、かご6に利用者がいる場合であっても利用者が感知されていないエリアに液体を噴霧することができる。
【0047】
特に、商業施設に設置されたエレベーターにおいては、利用者がかご6にいないタイミングが少ない。噴霧装置9によれば、利用者が感知されていないエリアにのみに液体を噴霧することができる。このため、噴霧装置9は、利用者がかご6にいる場合でも、当該利用者に不快感を与えずに液体を噴霧することができる。
【0048】
なお、機械室2がなくて昇降路1の上部または下部に巻上機4、制御装置10が設けられるエレベーターにおいて、実施の形態1、第1変形例、第2変形例、第3変形例の噴霧装置9を適用してよい。
【符号の説明】
【0049】
1 昇降路、 2 機械室、 3 乗場、 4 巻上機、 5 主ロープ、 6 かご、 7 釣合おもり、 8 換気装置、 9 噴霧装置、 10 制御装置、11 巾木、 12 貯留部、 13 管体部、 14 噴霧部、 15 検知部
図1
図2
図3
図4
図5
図6