(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022178560
(43)【公開日】2022-12-02
(54)【発明の名称】カーテンレールのジョイントのカバー及びカーテンレールのジョイント
(51)【国際特許分類】
A47H 1/04 20060101AFI20221125BHJP
【FI】
A47H1/04 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021085442
(22)【出願日】2021-05-20
(71)【出願人】
【識別番号】000109923
【氏名又は名称】トーソー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】足立 剛範
(72)【発明者】
【氏名】岩瀬 真人
(72)【発明者】
【氏名】小笠原 智
【テーマコード(参考)】
2E182
【Fターム(参考)】
2E182DE07
2E182DE17
2E182DE31
2E182DE41
(57)【要約】
【課題】カーテンレールの意匠性を低下させることをなくす。
【解決手段】カバー1は、互いに対向する一対の部分である側部11,12と、一対の側部11,12を接続する部分である上部13とを備えている。一対の側部11,12は、取付対象のカーテンレールのジョイントの側部を内側から覆うようになっており、上部13は、取付対象のジョイントの上部を内側から覆うようになっている。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カーテンレールのジョイントのカバーであって、
互いに対向する一対の部分である側部と、
前記一対の側部を接続する部分である上部とを備え、
前記一対の側部は、取付対象のカーテンレールのジョイントの側部を内側から覆うようになっており、
前記上部は、前記カーテンレールのジョイントの上部を内側から覆うようになっていることを特徴とするカーテンレールのジョイントのカバー。
【請求項2】
前記上部の対向する一対の縁から前記一対の側部は夫々延びており、
前記一対の側部が対向する方向における、前記一対の側部の間の間隔は、前記一対の側部の前記上部からの延び方向において前記一対の側部の縁側に向かうに連れて大きくなっていることを特徴とする請求項1に記載のカーテンレールのジョイントのカバー。
【請求項3】
樹脂製であることを特徴とする請求項1又は2に記載のカーテンレールのジョイントのカバー。
【請求項4】
前記カーテンレールのジョイントが取り付けられるカーテンレールと同色又は略同色であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のカーテンレールのジョイントのカバー。
【請求項5】
前記上部に前記カーテンレールのジョイントに係合可能な突部が形成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のカーテンレールのジョイントのカバー。
【請求項6】
カーテンレールのジョイントであって、
請求項1から5のいずれか1項に記載のカーテンレールのジョイントのカバーを備えていることを特徴とするカーテンレールのジョイント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カーテンレールのジョイントのカバー及びカーテンレールのジョイントに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、窓の大きさに応じて複数のカーテンレールを接続して用いることがあり、2つのカーテンレールを接続するために、カーテンレールとは別部材のジョイントが用いられている。ジョイントは、カーテンレールの端部に嵌入されて、2つのカーテンレールの端部と端部とを接続するものである(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような従来のジョイントにはステンレス製のものがある。ステンレス製のジョイントは光沢を発するため、カーテンレールにおいてジョイントが光沢を発し、カーテンレールにおいてジョイントが目立ってしまう場合がある。カーテンレールにおいてジョイントが目立ってしまうとカーテンレールの意匠性を低下させる場合がある。このため、従来のジョイントに対しては、カーテンレールの意匠性を損なうことがない構成が求められていた。
【0005】
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、カーテンレールの意匠性を低下させることがないカーテンレールのジョイントのカバー及びカーテンレールのジョイントを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係るカーテンレールのジョイントのカバーは、カーテンレールのジョイントのカバーであって、互いに対向する一対の部分である側部と、前記一対の側部を接続する部分である上部とを備え、前記一対の側部は、取付対象のカーテンレールのジョイントの側部を内側から覆うようになっており、前記上部は、前記カーテンレールのジョイントの上部を内側から覆うようになっていることを特徴とする。
【0007】
本発明の一態様に係るカーテンレールのジョイントのカバーにおいて、前記上部の対向する一対の縁から前記一対の側部は夫々延びており、前記一対の側部が対向する方向における、前記一対の側部の間の間隔は、前記一対の側部の前記上部からの延び方向において前記一対の側部の縁側に向かうに連れて大きくなっている。
【0008】
本発明の一態様に係るカーテンレールのジョイントのカバーは、樹脂製である。
【0009】
本発明の一態様に係るカーテンレールのジョイントのカバーは、前記カーテンレールのジョイントが取り付けられるカーテンレールと同色又は略同色である。
【0010】
本発明の一態様に係るカーテンレールのジョイントのカバーにおいて、前記上部に前記カーテンレールのジョイントに係合可能な突部が形成されている。
【0011】
上記目的を達成するために、本発明に係るカーテンレールのジョイントは、カーテンレールのジョイントであって、上述のいずれかの態様のカーテンレールのジョイントのカバーを備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係るカーテンレールのジョイントのカバー及びカーテンレールのジョイントによれば、カーテンレールの意匠性を低下させることをなくすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の実施の形態に係るカーテンレールのジョイントのカバーの正面図である。
【
図2】
図1に示すカーテンレールのジョイントのカバーの背面図である。
【
図3】
図1に示すカーテンレールのジョイントのカバーの上面図である。
【
図4】
図1に示すカーテンレールのジョイントのカバーの下面図である。
【
図5】
図1に示すカーテンレールのジョイントのカバーの右側面図である。
【
図6】
図1に示すカーテンレールのジョイントのカバーの左側面図である。
【
図7】
図1に示すカーテンレールのジョイントのカバーの斜視図である。
【
図8】
図1に示すカーテンレールのジョイントのカバーの他の斜視図である。
【
図9】
図1に示すカーテンレールのジョイントのカバーの側面図である。
【
図10】
図1に示すカーテンレールのジョイントのカバー平面図である。
【
図11】
図1に示すカバーが取り付けられたカーテンレールのジョイントの斜視図である。
【
図12】
図1に示すカバーが取り付けられたカーテンレールのジョイントの断面図である。
【
図13】
図11に示すカーテンレールのジョイントによって連結されたカーテンレールの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0015】
図1~6は、本発明の実施の形態に係るカーテンレールのジョイントのカバー1(以下、単にカバー1という。)の六面図である。また、
図7はカバー1の斜視図であり、
図8はカバー1の他の斜視図である。また、
図9は、カバー1の側面図であり、
図10は、カバー1の平面図である。
図1,2、5,6に対し、
図9,10には、各構成要素の符号が付されている。以下、説明の便宜上、矢印a(
図10参照)方向の側を上側とし、矢印b(
図10参照)方向の側を下側とする。なお、上側や下側は、空間におけるカバー1の姿勢を限定するものではなく、カバー1は空間においてどのような姿勢も取り得る。
【0016】
図1~10に示すようにカバー1は、互いに対向する一対の部分である側部11,12と、一対の側部11,12を接続する部分である上部13とを備えている。一対の側部11,12は、取付対象のカーテンレールのジョイント(以下、単にジョイントともいう。)の側部を内側から覆うようになっており、上部13は、取付対象のジョイントの上部を内側から覆うようになっている。以下、カバー1の構成について具体的に説明する。
【0017】
カバー1は、取付対象のジョイントのランナーが走行するための空間に収容されるインナー部材であり、この空間に対応した形状を有している。カバー1の素材は樹脂であり、カバー1は着色された樹脂素材から成形されている。カバー1は一体に作られており、側部11,12及び上部13は、同一の材料から形成された一体のカバー1の部分である。なお、カバー1の素材は他の材料であってもよい。
【0018】
図1~10に示すように、カバー1は、直線に沿って延びる部材であり、取付対象のジョイントに対応して延びている。また、カバー1は、カーテンレールを走行するランナーが通るための空間を有しており、この空間は、側部11,12及び上部13によって画成されている。側部11、側部12、及び上部13は、夫々、平面に沿って延びており、例えば、夫々、平面に平行又は略平行に延びている。なお、側部11、側部12、及び上部13の夫々が沿う平面は仮想の平面である。
【0019】
具体的には、
図1~10に示すように、側部11,12の各々は、板状の部分であり、上述のように平面に沿って延びており、例えば、平面に平行又は略平行に延びている。側部11,12は夫々、取付対象のジョイントの側部に対応するようになっており、後述する使用状態において、ジョイントの側部に内側から重なって、ジョイントの側部を内側から覆う形状となっている。
【0020】
図9に示すように、側部11の延び方向における端部14,15の下側の縁14a,15aは、側部11の端部14と端部15との間の部分の下側の縁16から上側に傾斜して延びており、側部11の端部14,15は先細の形状となっている。この側部11の縁14a,16,15aは、取付対象のジョイントの側部の下側の縁と同一又は略同一の形状となっている。
【0021】
図9に示すように、側部12も側部11と同様になっており、側部12の延び方向における端部14,15の下側の縁14a,15aは、側部12の端部14と端部15との間の部分の下側の縁16から上側に傾斜して延びており、側部12の端部14,15は先細の形状となっている。この側部12の縁14a,16,15aは、取付対象のジョイントの側部の下側の縁と同一又は略同一の形状となっている。
【0022】
図10に示すように、側部11,12は夫々、上部13の対向する一対の縁13cから下側に向かって延びている。例えば、側部11,12は、下側に向かうに連れて互いの間の間隔が広くなるように延びており、互いに対向する方向における側部11,12の間の間隔は、側部11,12の上部13からの延び方向において側部11,12の縁14a,15a,16側に向かうに連れて大きくなっている。つまり、側部11は、側部11の上部13との接続部よりも下側の縁14a,15a,16が外側に位置するようになっており、例えば、側部11は、上部13に対して外側に傾いている。同様に、側部12は、側部12の上部13との接続部よりも下側の縁14a,15a,16が外側に位置するようになっており、例えば、側部12は、上部13に対して外側に傾いている。このように、側部11,12の対向する方向(カバー1の幅方向)における側部11と側部12との間の間隔は、縁14a,15a,16に向かうに連れて広くなっている。
【0023】
また、縁14a,16,15aでのカバー1の幅方向における側部11と側部12との間の間隔は、取付対象のジョイントの幅方向における対向する側部の内面間の間隔と同じ、又はこの対向する側部の内面間の間隔よりも大きくなっている。なお、カバー1の側部11,12は、上部13に対して外側に傾いていなくてもよく、カバー1の幅方向における側部11と側部12との間の間隔は、同一又は略同一であってもよい。
【0024】
図1~10に示すように、上部13は、具体的には、板状の部分であり、上述のように平面に沿って延びており、例えば、平面に平行又は略平行に延びている。上部13は、取付対象のジョイントの上部に対応するようになっており、後述する使用状態において、ジョイントの上部に内側から重なって、ジョイントの上部を内側から覆う形状となっている。上部13は、側部11及び側部12の上側の縁において、側部11と側部12とを接続している。
【0025】
上部13は、
図7,10に示すように、カバー1の内部に凹む部分である段部13aを有していてもよく、上部13は段部13aを介して側部11,12に接続されていてもよい。また、上部13は、
図9,10に示すように、上側に突出する突部13bを有している。この上部13の突部13bは、取付対象のジョイントの上部に形成された貫通孔に対応しており、ジョイントの側部及び上部にカバー1の側部11,12及び上部13が夫々重なるようにカバー1がジョイントに取り付けられると、カバー1の突部13bはジョイントの貫通孔に収容されるようになっている。つまり、カバー1の突部13bとジョイントの貫通孔とは、カバー1が適切な位置においてジョイントに取り付けられるようにするガイドとなっている。
【0026】
カバー1において、側部11,12及び上部13の厚さは同じ又は略同じとなっていてもよく、側部11,12の厚さが同じ又は略同じとなっていてもよい。図示の例では、側部11,12の厚さが同じ又は略同じとなっており、上部13の段部13aを除く部分の厚さは側部11,12の厚さよりも厚くなっている。上部13の厚さに関する構造はこれに限られない。
図7に示すように、上部13の上側には、強度を増すためにリブ13dが形成されていてもよい。
【0027】
次いで、上述の構成を有するカバー1の作用を説明する。
図11は、カバー1が取り付けられたジョイント50の斜視図であり、
図12は、カバー1が取り付けられたジョイント50の断面図である。また、
図13は、カバー1が取り付けられたジョイント50によって連結されたカーテンレール60の斜視図である。
【0028】
カバー1は、ジョイント50の端部54又は端部55側からジョイント50の内部に挿入されることによりジョイント50に取り付けられる。カバー1がジョイント50に取り付けられた使用状態において、カバー1の側部11は、ジョイント50の側部51の内面51aを覆っており、カバー1の側部12は、ジョイント50の側部52の内面52aを覆っている。また、カバー1の使用状態において、カバー1の上部13は、ジョイント50の上部53の内面53aを覆っている。使用状態において、カバー1は、ジョイント50の走行部56,57の内面56a,57aを覆っていない。但し、カバー1の側部11,12の夫々の下側の端である縁16は、ジョイント50の走行部56,57の内面56a,57aに接触している。カバー1の側部11,12の縁16は、ジョイント50の走行部56,57の内面56a,57aに接触していなくてもよい。
【0029】
上述のように、縁14a,16,15aでのカバー1の幅方向における側部11と側部12との間の間隔は、ジョイント50の幅方向における側部51の内面51aと側部52の内面52aとの間の間隔と同じ又はジョイント50の幅方向における側部51の内面51と側部52の内面52aとの間の間隔よりも大きくなっている。このため、
図12に示すように、ジョイント50に対するカバー1の保持力が、カバー1の側部11,12の下端において、カバー1の幅方向に働く。ジョイント50に対するカバー1の保持力は、上下方向において働くようになっていてもよい。具体的には、ジョイント50の上部53と走行部56,57との間にカバー1の上部13と側部11,12の縁16が挟まれて、ジョイント50に対してカバー1が保持されるようになっていてもよい。例えば、ジョイント50の上部53の段部53bと走行部56,57との間にカバー1の上部13の段部13aと側部11,12の縁16が挟まれて、ジョイント50に対してカバー1が保持されるようになっていてもよい。
【0030】
図12に示すように、カバー1の上部13とジョイント50の上部53との間には隙間が形成されるようになっている。この隙間により、カバー1をジョイント50の内部に挿入し易くすることができる。なお、カバー1の上部13とジョイント50の上部53との間に隙間が形成されないようになっていてもよい。
【0031】
カバー1の上部13の突部13bは、ジョイント50の上部53に形成された貫通53cに対応しており、使用状態において、カバー1の突部13bはジョイント50の貫通孔53cに収容されている。このように、カバー1の突部13bとジョイント50の貫通孔53cとは、カバー1が適切な位置においてジョイント50に取り付けられるようにするガイドとなっており、カバー1を容易に適切な位置においてジョイント50に取り付けることができるようになっている。
【0032】
上述のように、使用状態においてカバー1は、ジョイント50の上部53の内面53a、及び側部51,52の内面51a,52aを覆う。このため、ジョイント50が光沢を発するステンレス製であっても、ジョイント50が光沢を発しなくでき、又はジョイント50が光沢を発し難くでき、カーテンレール60においてジョイント50を目立たなくすることができる。特に、カバー1をカーテンレール60と同色又は略同色にすると、カーテンレール60においてジョイント50をより目立たなくすることができる。
【0033】
上述のように、使用状態においてカバー1は、ジョイント50の走行部56,57を覆っていないが、カーテンレール60においてジョイント50の走行部56,57の下面はカーテンレール60の下部61に覆われる。このため、使用状態においてもジョイント50の走行部56,57の内面56a,57aは光沢を発し得るが、下側からジョイント50の走行部56,57の内面56a,57aは見えず、走行部56,57の内面56a,57aの光沢は目立たない。
【0034】
このように、カバー1を取り付けることにより、ジョイント50の光沢を目立たなくすることができ、カーテンレール60においてジョイント50を目立たなくすることができる。これにより、ジョイント50の意匠性を向上させることができ、延いてはカーテンレール60の意匠性を向上させることができる。
【0035】
上述のように、本発明の実施の形態に係るカバー1によれば、カーテンレールの意匠性を低下させることを無くすことができる。
【0036】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記本発明の実施の形態に係るカバー1に限定されるものではなく、本発明の概念及び特許請求の範囲に含まれるあらゆる態様を含む。また、上述した課題及び効果の少なくとも一部を奏するように、各構成を適宜選択的に組み合わせてもよい。例えば、上記実施の形態における、各構成要素の形状、材料、配置、サイズ等は、本発明の具体的使用態様によって適宜変更され得る。
【0037】
例えば、カバーの形状は、上述の形状に限られず、カバーが取り付けられるジョイントの形状に応じて変更され得る。また、カバー1は、上部13の突部13bに変えて凹部又は貫通孔を有していてもよく、この場合、ジョイント50の上部53は貫通孔53cではなく、突部を有する。
【符号の説明】
【0038】
1…カバー、11,12…側部、13…上部、13a…段部、13b…突部、13c…縁、13d…リブ、14,15…端部、14a,15a,16…縁、50…ジョイント,51,52…側部、51a,52a…内面、53…上部、53a…内面、53b…段部、53c…貫通孔、54,55…端部、56,57…走行部、56a,57a…内面、60…カーテンレール、61…下部