(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022178577
(43)【公開日】2022-12-02
(54)【発明の名称】医用情報処理装置及び医用情報処理システム
(51)【国際特許分類】
G16H 10/20 20180101AFI20221125BHJP
A61B 5/00 20060101ALI20221125BHJP
【FI】
G16H10/20
A61B5/00 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021085475
(22)【出願日】2021-05-20
(71)【出願人】
【識別番号】594164542
【氏名又は名称】キヤノンメディカルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】割石 奈生
(72)【発明者】
【氏名】兵 昂
(72)【発明者】
【氏名】渋谷 真人
(72)【発明者】
【氏名】小西 勇人
【テーマコード(参考)】
4C117
5L099
【Fターム(参考)】
4C117XB05
4C117XB06
4C117XE13
4C117XE15
4C117XE23
4C117XE24
4C117XE44
4C117XE45
4C117XG19
4C117XL11
5L099AA21
(57)【要約】
【課題】閲覧の利便性を向上させることである。
【解決手段】実施形態に係る医用情報処理装置は、記憶部と、指定部と、特定部と、出力部とを具備する。記憶部は、ユーザが閲覧した複数の臨床データに関する閲覧履歴を記憶する。指定部は、前記複数の臨床データのうち1以上の第1臨床データを指定する。特定部は、前記閲覧履歴に基づいて、前記複数の臨床データのうち前記第1臨床データに関連する1以上の第2臨床データを特定する。出力部は、前記第1臨床データ及び前記第2臨床データを出力する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが閲覧した複数の臨床データに関する閲覧履歴を記憶する記憶部と、
前記複数の臨床データのうち1以上の第1臨床データを指定する指定部と、
前記閲覧履歴に基づいて、前記複数の臨床データのうち前記第1臨床データに関連する1以上の第2臨床データを特定する特定部と、
前記第1臨床データ及び前記第2臨床データを出力する出力部と、
を具備する医用情報処理装置。
【請求項2】
前記第1臨床データ及び前記第2臨床データが時系列データである場合において、
前記指定部は、前記第1臨床データの時間軸上における第1時間帯を指定し、
前記特定部は、前記第2臨床データの時間軸上において、前記第1時間帯と一致又は略一致する第2時間帯における前記第2臨床データを特定する、
請求項1に記載の医用情報処理装置。
【請求項3】
前記閲覧履歴は、前記ユーザが同時に閲覧した前記複数の臨床データのそれぞれの組み合わせであって、
前記特定部は、前記第1臨床データを含む1以上の第1組み合わせに含まれ、かつ、前記第1臨床データとは異なる1以上の臨床データを前記第2臨床データとして特定する、
請求項1又は請求項2に記載の医用情報処理装置。
【請求項4】
前記閲覧履歴は、前記ユーザが同時に閲覧した前記複数の臨床データのそれぞれの組み合わせにおける閲覧時間又は閲覧頻度であって、
前記特定部は、前記第1組み合わせのうち、閾値以上の閲覧時間又は閲覧頻度を持つ1以上の第2組み合わせを特定したのち、前記第2組み合わせに含まれ、かつ、前記第1臨床データとは異なる1以上の臨床データを前記第2臨床データとして特定する、
請求項3に記載の医用情報処理装置。
【請求項5】
前記閲覧履歴は、前記ユーザが閲覧した前記複数の臨床データの閲覧順序であって、
前記特定部は、前記第1臨床データを基準として、±N番目(Nは自然数)以内に閲覧された1以上の臨床データを前記第2臨床データとして特定する、
請求項1又は請求項2に記載の医用情報処理装置。
【請求項6】
前記出力部は、前記第1臨床データに関連付けて前記第2臨床データをポップアップとして表示するための表示データを出力する、
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の医用情報処理装置。
【請求項7】
前記出力部は、前記第1臨床データ及び前記第2臨床データを共通の時間軸上で一括して表示するための表示データを出力する、
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の医用情報処理装置。
【請求項8】
前記表示データに対して前記ユーザが入力したコメントを関連付ける関連部と、
をさらに具備する請求項6又は請求項7に記載の医用情報処理装置。
【請求項9】
前記表示データ及び前記コメントを前記ユーザとは異なる1以上の他のユーザに送信する送信部と、
をさらに具備する請求項8に記載の医用情報処理装置。
【請求項10】
医用情報処理装置と、端末とを具備する医用情報処理システムであって、
前記医用情報処理装置は、
前記端末を操作するユーザが閲覧した複数の臨床データに関する閲覧履歴を記憶する記憶部と、
前記複数の臨床データのうち1以上の第1臨床データを指定する指定部と、
前記閲覧履歴に基づいて、前記複数の臨床データのうち前記第1臨床データに関連する1以上の第2臨床データを特定する特定部と、
前記第1臨床データ及び前記第2臨床データを前記端末に出力する出力部と、
を具備し、
前記端末は、
前記第1臨床データ及び前記第2臨床データを表示する表示部、
を具備する医用情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書及び図面に開示の実施形態は、医用情報処理装置及び医用情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、患者に関する種々の臨床データを共通の時間軸上で統合して閲覧可能とするための医療情報統合ビューワが開発されている。医療情報統合ビューワは、医師や看護師などの医療従事者が複数の臨床データを同一画面上で俯瞰することを可能にするため、医療従事者は経時的な各データの変化や関連性について種々の知見を得ることができる。このような医療情報統合ビューワは、ユーザにとっての利便性や操作性が高いシステムであることが望まれる。
【0003】
例えば、各臨床データが同一の画面上において別々のパネルに表示される場合、医療情報統合ビューワを利用するユーザは、興味のあるデータ同士を比較するために各パネル間で視線を移動させる必要がある。このような表示態様は、ユーザの目を疲れさせる上に、重要なデータ遷移の見落としにも繋がることから好適ではない。また、ユーザが閲覧したい臨床データの組み合わせになるように、手動でパネルを画面に追加する場合、ユーザの負担の増加に繋がることから好適ではない。一般に、ユーザが閲覧したい臨床データの組み合わせは、例えばユーザごとや、臨床データを閲覧される患者ごとに決定される。したがって、ユーザが閲覧中の臨床データに関連する臨床データを特定し、ひいては、前者の臨床データと後者の臨床データとを一括して表示する医療情報統合ビューワが望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本明細書及び図面に開示の実施形態が解決しようとする課題の一つは、閲覧の利便性を向上させることである。ただし、本明細書及び図面に開示の実施形態により解決しようとする課題は上記課題に限られない。後述する実施形態に示す各構成による各効果に対応する課題を他の課題として位置づけることもできる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態に係る医用情報処理装置は、記憶部と、指定部と、特定部と、出力部とを具備する。記憶部は、ユーザが閲覧した複数の臨床データに関する閲覧履歴を記憶する。指定部は、前記複数の臨床データのうち1以上の第1臨床データを指定する。特定部は、前記閲覧履歴に基づいて、前記複数の臨床データのうち前記第1臨床データに関連する1以上の第2臨床データを特定する。出力部は、前記第1臨床データ及び前記第2臨床データを出力する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、実施形態に係る医用情報処理システムの構成例を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る医用情報処理装置の構成例を示す図である。
【
図3】
図3は、医用情報処理装置の第1動作例を示す図である。
【
図7】
図7は、医用情報処理装置の第2動作例を示す図である。
【
図8】
図8は、臨床データの表示画面の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、関連データのポップアップ表示の一例を示す図である。
【
図10】
図10は、標的データ及び関連データの一括表示の一例を示す図である。
【
図11】
図11は、コメント入力ウィンドウの表示例を示す図である。
【
図12】
図12は、コメント参照ウィンドウの表示例を示す図である。
【
図13】
図13は、レイアウト送信ウィンドウの表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しながら実施形態に係る医用情報処理装置及び医用情報処理システムについて説明する。以下の実施形態では、同一の参照符号を付した部分は同様の動作を行うものとして、重複する説明を適宜、省略する。
【0009】
図1は、実施形態に係る医用情報処理システム100の構成例を示す図である。
医用情報処理システム100は医用情報処理装置1、クライアント端末2、電子カルテデータベース3、及び画像データベース4を含む。具体的には、医用情報処理システム100はクライアントサーバ型のシステムであり、医用情報処理装置1がクライアント端末2からのリクエストに応答して種々の処理を実行し、処理結果をクライアント端末2に返す。医用情報処理システム100において、医用情報処理装置1はクライアント端末2、電子カルテデータベース3、及び画像データベース4のそれぞれと互いに通信可能に接続される。なお、医用情報処理システム100は、例えば特定の医療機関内において構築された院内ネットワーク(LAN)でもよいし、ネットワークを介して複数の医療機関などに跨って構築された広域ネットワーク(WAN)でもよい。すなわち、医用情報処理システム100は、上記の通信経路が構築されている限り、如何なる規模のネットワークでもよい。また、セキュリティが確保されるのであれば、接続される回線は病院内ネットワーク又は医療機関を跨ぐ専用回線に限定されない。例えば、VPN(Virtual Private Network)などを介し、インターネットなどの公衆の通信回線に接続するようにしても構わない。
【0010】
医用情報処理装置1は、医療に関する種々のデータを処理するコンピュータである。本実施形態において、医用情報処理装置1は医用情報処理システム100におけるサーバとして機能する。医用情報処理装置1は、電子カルテデータベース3及び画像データベース4から種々のデータを取得して処理することで、ユーザのリクエストに応じて種々のデータを出力する。すなわち、医用情報処理装置1は、ユーザが種々の臨床データを閲覧するための医療情報統合ビューワを提供する。医用情報処理装置1は、高速な処理を実行可能なワークステーションであってもよい。なお、医用情報処理装置1は、種々のデータを表示するための表示部と、ユーザからの入力を受け付けるための入力部とを有してもよい。
【0011】
クライアント端末2は、医用情報処理装置1を利用する医療従事者などのユーザにより操作されるコンピュータである。複数のユーザが存在する場合、それぞれのユーザがクライアント端末2を有してもよい。本実施形態において、クライアント端末2は、医用情報処理装置1から送信された種々のデータを表示するための表示部と、ユーザから医用情報処理装置1への入力を受け付けるための入力部とを有するものとする。表示部として、例えば、ブラウン管(CRT:Cathode Ray Tube)ディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ(OELD:Organic Electro-Luminescence Display)、及びタブレット端末を含む任意のディスプレイが使用可能である。一方、入力部としては、マウス、キーボード、トラックボール、スイッチ、ボタン、ジョイスティック、タッチパッド、タッチパネルディスプレイを含む任意の操作部品が使用可能である。
【0012】
電子カルテデータベース3は、患者ごとに種々の臨床データを保管する。例えば、電子カルテデータベース3は、疾患名、診療フェーズ、基本情報(性別、年齢、身長、体重、BMI、住所、連絡先など)、バイタル情報(脈拍、呼吸数、体温、血圧、意識レベルなど)、バリアンス情報、投与薬などの臨床データを、患者ごとに関連付けて保管する。なお、「バリアンス情報」とは、クリニカルパスから逸脱した患者の臨床データに関する情報を含む。また、電子カルテデータベース3は、電子カルテシステムであってもよい。
【0013】
画像データベース4は、患者ごとに種々の医用画像を保管する。例えば、画像データベース4は、種々の医用画像診断装置(CR(Computer Radiography)装置、CT(Computed Tomography)装置、MRI(Magnetic Resonance Imaging)装置、UL(Ultrasound)装置、RI(Radio Isotope)装置、内視鏡装置など)により撮影された医用画像を保管する。また、画像データベース4は、医用画像管理システム(PACS:Picture Archiving and Communication Systems)であってもよい。医用画像は臨床データの一例である。
【0014】
図2は、実施形態に係る医用情報処理装置1の構成例を示す図である。
医用情報処理装置1は、処理回路11、メモリ12、及び通信インタフェース13を含む。各構成は、共通の信号伝送路であるバスを介して互いに通信可能に接続される。なお、各構成は個々のハードウェアにより実現されなくともよい。例えば、各構成のうち少なくとも2つが1つのハードウェアにより実現されてもよい。
【0015】
処理回路11は、医用情報処理装置1を制御することで種々の動作を実行させる。処理回路11は、ハードウェアとしてCPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)などのプロセッサを有する。処理回路11は、プロセッサを介してメモリ12に展開されたプログラムを実行することで、各プログラムに対応する各機能(例えば、記憶機能111、指定機能112、特定機能113、出力機能114、関連機能115、送信機能116)を実現する。なお、各機能は単独のプロセッサから成る処理回路11により実現されなくともよい。例えば、各機能は複数のプロセッサを組み合わせた処理回路11により実現されてもよい。
【0016】
記憶機能111は、ユーザが閲覧した複数の臨床データに関する閲覧履歴を記憶する。
指定機能112は、複数の臨床データのうち1以上の第1臨床データを指定する。
特定機能113は、閲覧履歴に基づいて、複数の臨床データのうち第1臨床データに関連する1以上の第2臨床データを特定する。
出力機能114は、第1臨床データ及び第2臨床データを出力する。
関連機能115は、表示データに対してユーザが入力したコメントを関連付ける。
送信機能116は、表示データ及びコメントをユーザとは異なる1以上の他のユーザに送信する。
【0017】
メモリ12は、処理回路11が使用するデータやプログラムなどを記憶する。メモリ12は、ハードウェアとしてRAM(Random Access Memory)などの半導体メモリ素子を有する。なお、メモリ12は、磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク)、光磁気ディスク(MO)、光学ディスク(CD、DVD、Blu-ray(登録商標))、フラッシュメモリ(USBフラッシュメモリ、メモリカード、SSD)、磁気テープなどの外部記憶装置との間で情報を読み書きする駆動装置であってもよい。なお、メモリ12の記憶領域は、医用情報処理装置1内部にあってもよいし、外部記憶装置にあってもよい。本実施形態において、メモリ12は、ユーザが閲覧した複数の臨床データに関する閲覧履歴を記憶するものとする。また、メモリ12は、電子カルテデータベース3及び画像データベース4から取得した種々の臨床データを記憶してもよい。
【0018】
通信インタフェース13は、医用情報処理装置1と、同装置と通信可能に接続された外部装置(クライアント端末2、電子カルテデータベース3、画像データベース4)との間で種々のデータやリクエストを通信する。通信規格として、例えば医用画像情報に関する通信にはDICOM(Digital Imaging and Communications in Medicine)が使用可能であり、医用文字情報に関する通信にはHL7(Health Level 7)が使用可能である。
【0019】
図3は、医用情報処理装置1の第1動作例を示す図である。第1動作例は、ユーザが医用情報処理装置1を1回目に利用する際の動作例である。
ステップS101において、医用情報処理装置1は、ユーザからのログイン操作を受け付ける。具体的には、クライアント端末2を操作するユーザは、医用情報処理装置1が提供する医療情報統合ビューワを利用するために、ログインの許可を申請する。ログインの認証には、例えば、ユーザごとにログインID及びパスワードが関連付けられたテーブルを医用情報処理装置1が有していればよい。続いて、医用情報処理装置1は、現在ログインを求めているユーザから入力されたログインID及びパスワードの組み合わせが上記のテーブルに格納されている場合、当該ユーザからのログインを許可する。すなわち、既存の認証手法でユーザからのログイン操作を受け付ければよい。
【0020】
ステップS102において、医用情報処理装置1は、臨床データを取得及び出力する。具体的には、医用情報処理装置1は、ユーザからの所定の臨床データを閲覧する旨のリクエストに応じて、電子カルテデータベース3及び画像データベース4からリクエストに対応する臨床データを取得して種々の処理を行う。続いて、医用情報処理装置1は、処理された臨床データをクライアント端末2に出力する。このとき、医用情報処理装置1は、取得した臨床データを種々の表示態様で表示するための表示データに加工してから出力してもよい。上記の処理は、医用情報処理装置1がユーザからのリクエストを受け付ける度に繰り返し実行される。
【0021】
ステップS103において、医用情報処理装置1は、ユーザからのログアウト操作が入力されたか否かを判定する。当該操作が入力された場合(ステップS103のYes)、処理はステップS104に進む。当該操作が入力されていない場合(ステップS103のNo)、処理はステップS102に戻る。
【0022】
ステップS104において、医用情報処理装置1は、ユーザからのログアウト操作を受け付ける。医用情報処理装置1は、ステップS101の実行からステップS104の実行までの期間を、1回のログイン期間として認識する。ログイン期間は、医用情報処理装置1がユーザの閲覧履歴を生成する際の処理単位として用いられる。
【0023】
ステップS105において、医用情報処理装置1は、記憶機能111により、ユーザの閲覧履歴を生成及び記憶する。具体的には、医用情報処理装置1は、ログイン期間においてユーザが閲覧した各臨床データの種類や、ユーザが各臨床データを閲覧した時間、頻度、及び順序に関する情報を閲覧履歴として生成する。生成された閲覧履歴は、メモリ12に格納される。なお、本実施形態では、画面に表示されている臨床データは、ユーザが閲覧しているとみなす。
【0024】
なお、上記のように1回のログイン期間におけるユーザの閲覧行動を事後的に解析することで閲覧履歴が生成されてもよいし、ユーザが各臨床データを閲覧するタイミングごとにリアルタイムで閲覧履歴が生成されてもよい。すなわち、任意のタイミングで閲覧履歴が生成されればよい。
【0025】
図4は、閲覧履歴の第1例を示す図である。
閲覧履歴表200は、ユーザが閲覧した各臨床データの種類が記憶されたテーブルである。閲覧履歴表200において、複数のユーザそれぞれについて「ユーザ情報」である「種別」及び「氏名」が対応付けられる。また、各ユーザが閲覧した臨床データである「閲覧項目」が、臨床データを閲覧される患者ごとに対応付けられる。
【0026】
例えば、「種別」が「医師」である複数のユーザとして、「医師A」、「医師B」、「医師C」…のそれぞれに関する閲覧項目が、「テスト患者1」、「テスト患者2」、「テスト患者3」…のそれぞれに対応付けて格納される。具体的には、医師Aがテスト患者1について閲覧した臨床データは「疾患名」、「診療フェーズ」、及び「基本情報」である。閲覧履歴表200において、各臨床データが閲覧された時間、頻度、及び順序が、閲覧時間表210及び閲覧順序表220(後述)として各臨床データに対応付けられて格納されてもよい。また、閲覧履歴表200において、ユーザがまだ閲覧していない患者の閲覧項目に関するセルは斜線で示される。
【0027】
なお、「種別」が「医師」である複数のユーザは、それぞれの「役職」や「診療科」に応じてさらに細分化して分類されてもよい。例えば、複数の医師が「主治医」、「執刀医」、「研修医」などの「役職」に応じて分類されてもよいし、「内科」、「外科」、「整形外科」などの「診療科」に応じて分類されてもよい。もちろん、「種別」が「看護師」、「臨床検査技師」などである複数のユーザについても、上記と同様に分類されてもよい。
【0028】
図5は、閲覧履歴の第2例を示す図である。
図5は、ユーザが複数の臨床データを同時に閲覧可能な場合における閲覧履歴の一例である。
図5(a)は、ユーザが複数の臨床データ(臨床データA、臨床データB、臨床データC)のそれぞれを閲覧した時間を、共通の時間軸上において模式的に示す。同図において、時点T0をユーザがログインした時点、時点T9をユーザがログアウトした時点とする。時点T1から時点T8までのそれぞれは、ユーザが各臨床データの閲覧を開始又は終了した時点である。同図は、1回のログイン期間(T0-T9)におけるユーザの閲覧行動を示すといえる。なお、以下では時間帯を「開始時点-終了時点」として表記する。例えば、時点T1と時点T3とで規定される時間帯は「T1-T3」と表記する。
【0029】
具体的には、臨床データAは、「T1-T5」の時間帯において閲覧されている。一方、臨床データBは、「T2-T4」の時間帯と「T6-T8」の時間帯とにおいて閲覧されている。一方、臨床データCは、「T3-T7」の時間帯において閲覧されている。このように、医用情報処理装置1は、ユーザが各臨床データを閲覧した時間帯に関するデータを閲覧履歴として生成してもよい。
【0030】
図5(b)は、
図5(a)に基づいて生成された、各臨床データのそれぞれの組み合わせにおける閲覧時間に関する閲覧時間表210である。閲覧時間表210において、例えば、「組み合わせA+B」は、ユーザが臨床データA及びBを同時に閲覧したことを示し、当該組み合わせにおける閲覧時間は「T2-T3」である。詳しくは、閲覧時間「T2-T3」は、臨床データAの閲覧時間「T1-T5」と、臨床データBの閲覧時間「T2-T4」とが重複する閲覧時間「T2-T4」から、臨床データCの閲覧時間「T3-T4」を除いた部分である。もちろん、「T3-T4」を、臨床データA及びBが同時に閲覧された時間帯に含めてもよい。医用情報処理装置1は、上記と同様な処理を繰り返すことで、各臨床データのそれぞれの組み合わせにおける閲覧時間を算出し、閲覧時間表210を生成する。
【0031】
なお、各組み合わせで閲覧された閲覧時間の代わりに、閲覧頻度が算出されてもよい。
図5(a)の例でいえば、臨床データA及びBは同時に1回閲覧され、臨床データA及びCは同時に1回閲覧され、臨床データB及びCは同時に2回閲覧されている。ある臨床データと別の臨床データとが同時に閲覧された回数は、両者の臨床データが同時に閲覧された時間帯の数に基づいて算出される。例えば、臨床データB及びCは「T3-T4」の時間帯と「T6-T7」の時間帯とにおいて同時に閲覧されているため、「同時に2回閲覧された」と算出される。
【0032】
図6は、閲覧履歴の第3例を示す図である。
図6は、ユーザが1つの臨床データを一度に閲覧可能な場合における閲覧履歴の一例である。
閲覧順序表220は、ユーザが各ログインのタイミングにおいて各臨床データを閲覧した際の閲覧順序を示す。閲覧順序表220によれば、1回目のログインにおいて、ユーザは「A→B→C→B→D…」の順番で各臨床データを閲覧したことが分かる。また、2回目のログインにおいて、ユーザは「C→B→A→D→B…」の順番で各臨床データを閲覧したことが分かる。
【0033】
なお、
図5及び
図6は一人のユーザの1回のログイン期間を処理単位として生成される閲覧履歴であるため、複数のユーザのそれぞれについて閲覧時間表210及び閲覧順序表220が生成されてもよい。同様に、閲覧時間表210及び閲覧順序表220は、ユーザにより臨床データを閲覧された複数の患者のそれぞれについて生成されてもよい。
【0034】
図7は、医用情報処理装置の第2動作例を示す図である。第2動作例は、ユーザが医用情報処理装置1を2回目以降に利用する際の動作例である。
ステップS201において、医用情報処理装置1は、ユーザからのログイン操作を受け付ける。ステップS201は、ステップS101と同様である。
【0035】
ステップS202において、医用情報処理装置1は、指定機能112により、ユーザが閲覧中の臨床データ(標的データとも呼ぶ)を指定する。具体的には、クライアント端末2を操作するユーザが、所定の臨床データを閲覧する旨のリクエストを医用情報処理装置1に送信する。医用情報処理装置1は、当該リクエストに対応する標的データを、電子カルテデータベース3及び画像データベース4に格納された複数の臨床データの中から指定する。上記の処理は、ユーザが閲覧中の標的データを変更する度に繰り返し実行される。
【0036】
ステップS203において、医用情報処理装置1は、特定機能113により、ユーザの閲覧履歴に基づいて、標的データに関連する臨床データ(関連データとも呼ぶ)を特定する。まず、医用情報処理装置1は、現在ログイン中のユーザと、当該ユーザが現在閲覧している患者とを特定する。次に、医用情報処理装置1は、特定されたユーザ及び特定された患者に関する閲覧履歴表200のセルに対応付けられた、閲覧時間表210又は閲覧順序表220に基づいて関連データを特定する。
【0037】
例えば、
図5において、標的データが「臨床データA」である場合を想定する。まず、医用情報処理装置1は、閲覧時間表210において「臨床データA」を含む組み合わせとして「組み合わせA+B」、「組み合わせA+C」、及び「組み合わせA+B+C」を特定する。次に、医用情報処理装置1は、上記の各組み合わせにおいて「臨床データA」とは異なる臨床データとして「臨床データB」及び「臨床データC」を特定する。このようにして、医用情報処理装置1は、標的データである「臨床データA」の関連データとして「臨床データB」及び「臨床データC」を特定する。
【0038】
これに限らず、医用情報処理装置1は、特定機能113により、各組み合わせの閲覧時間又は閲覧頻度に基づいて関連データを特定してもよい。上記の例でいえば、「組み合わせA+B」の閲覧時間は「T2-T3」であり、「組み合わせA+C」の閲覧時間は「T4-T5」であり、「組み合わせA+B+C」の閲覧時間は「T3-T4」である。次に、医用情報処理装置1は、各組み合わせのうち、閾値以上の閲覧時間又は閲覧頻度を有する組み合わせを条件として絞り込む。このとき、「組み合わせA+B+C」は、「組み合わせA+B」及び「組み合わせA+C」を含むため、その閲覧時間「T3-T4」は、組み合わせA+Bの閲覧時間「T2-T3」及び組み合わせA+Cの閲覧時間「T4-T5」の両者に加算されるものとする。「T2-T3」及び「T4-T5」のうち、閾値以上の閲覧時間を満たすものが「T2-T3」である場合、医用情報処理装置1は、「組み合わせA+B」を上記の条件を満たす組み合わせとして特定する。続いて、医用情報処理装置1は、「組み合わせA+B」において「臨床データA」とは異なる臨床データとして「臨床データB」を特定する。このようにして、医用情報処理装置1は、標的データである「臨床データA」の関連データとして「臨床データB」を特定する。
【0039】
なお、上記の閾値は医用情報処理装置1がデフォルトで設定してもよいし、ユーザからの入力に応じて設定してもよい。もちろん、医用情報処理装置1は、閾値以下の閲覧時間又は閲覧頻度を有する組み合わせを条件として関連データを特定してもよい。
【0040】
同様に、
図6において、標的データが「臨床データA」である場合を想定する。このとき、臨床データAが閲覧された順番を基準として前後1番目に閲覧された臨床データは、臨床データAとの関連性が最も高い一方、前後2番目に閲覧された臨床データは、臨床データAとの関連性が前後1番目に閲覧された臨床データに次いで高いといえる。このように、標的データから±N番目(Nは自然数)以内に閲覧された臨床データが、当該標的データの関連データとして特定されてもよい。なお、「N」の値は医用情報処理装置1がデフォルトで設定してもよいし、ユーザからの入力に応じて設定してもよい。
【0041】
ステップS204において、医用情報処理装置1は、出力機能114により、標的データ及び関連データを出力する。このとき、医用情報処理装置1は、標的データ及び関連データをクライアント端末2において適切な態様で表示するための表示データに加工してから出力する。クライアント端末2は、出力された表示データを表示する。これにより、クライアント端末2を操作するユーザは、表示データに基づく表示画面を確認することができる。
【0042】
図8は、臨床データの表示画面の一例を示す図である。
図8は、医用情報処理装置1により実現される医療情報統合ビューワの表示画面である。本画面において、複数の臨床データが共通の時間軸で連動され、それぞれ異なるパネルに分けて表示される。ここでは、閲覧履歴表200における「医師A」がログイン中のユーザであり、「医師A」が「テスト患者1」に関する複数の臨床データを閲覧している場合を想定する。
【0043】
パネル10は、所定の時間帯におけるイベント、画像検査、及びドキュメントを表示する。これらの臨床データが存在する時点は、時間軸上に配置された正方形のアイコンにより示される。
【0044】
パネル20は、薬剤に関する臨床データを表示する。ここでは、「テスト患者1」に投与された薬剤のリストが表示される。当該リストとして、例えば「輸液500mL」、「静注G171」、「静注G172」…などが表示されている。
【0045】
パネル30は、バイタルサインに関する臨床データを表示する。パネル30において、バイタルサインの一例として「体温」の経時的な変化に関するグラフ31が表示される。ここで、ユーザはグラフ31の時間軸上における所望の時間帯を範囲選択することで、ユーザが指定した時間帯が選択範囲32として表示される。続いて、選択範囲32に関する関連データがポップアップ300(後述)として表示される。ここでは、「バイタルサイン」に関する時系列データが標的データであると想定する。
【0046】
なお、各パネルはユーザ操作に応じて表示又は非表示に切替可能である。例えば、ユーザが表示したい臨床データに関するパネル10のアイコンを選択することで、選択されたアイコンに紐づけられた臨床データが別のパネルとして表示される。逆に、ユーザが非表示にしたいパネルの「×ボタン」を選択することで、当該パネルを閉じることが可能である。医用情報処理装置1は、パネルが表示されたタイミングを、ユーザが当該パネル上の臨床データの閲覧を開始したと判定してもよい。逆に、医用情報処理装置1は、パネルが非表示にされたタイミングを、ユーザが当該パネル上の臨床データの閲覧を終了したと判定してもよい。
【0047】
図9は、関連データのポップアップ表示の一例を示す図である。
ポップアップ300は、選択範囲32が示す時間帯に一致又は略一致する時間帯における種々の関連データを示す。ポップアップ300は、選択範囲32を参照する態様で表示される。具体的には、ポップアップ300において、関連データとして「バイタル:血圧」、「薬剤:心不全治療剤」、及び「記録:看護記録」がそれぞれ表示される。さらに、各関連データの詳細として、後者の時間帯におけるデータ値が一部、表示される。なお、各関連データが閲覧された頻度が、各関連データに対応付けて表示されてもよい。また、閲覧頻度が高い順に、各関連データが上から下へ列挙されてもよい。
【0048】
ここで、ユーザは、各関連データに対応付けられた各ボタン310を選択することで、選択された関連データをポップアップ300から除外することができる。また、ユーザは三点リード「…」で表されるボタン320を選択することで、ポップアップ300に表示されていない他の関連データを表示させることも可能である。ボタン320が選択された場合、ポップアップ300は、隠れている他の関連データの数に応じて、表示領域を拡大して表示する。
【0049】
また、ユーザは「関連データ一括表示」と書かれたボタン330を選択することで、パネル30上の標的データと、ポップアップ300上の関連データとを共通の時間軸上で一括して表示することが可能である。このとき、パネル40(後述)がパネル20及びパネル30上に重畳して表示される。
【0050】
図10は、標的データ及び関連データの一括表示の一例を示す図である。
パネル40は、標的データ及び関連データを1つのグラフに合成して示す。具体的には、標的データ(ターゲット)である「体温」の経時変化が、折れ線グラフで表示される。一方、他の関連データである「血圧」の経時変化が折れ線グラフで、「心不全治療剤」の経時変化が棒グラフで、「看護記録」が作成された日時がプロットで表示される。各グラフの表示態様(すなわち、折れ線グラフ又は棒グラフ)は、医用情報処理装置1がデフォルトで設定してもよいし、ユーザからの入力に応じて設定してもよい。また、ユーザ操作に応じて、標的データのグラフと関連データのグラフとが互いに分離され、互いに異なるポップアップ上に表示されてもよい。
【0051】
また、ユーザは三点リード「…」で表されるボタン400を選択することで、パネル40に表示されていない他の関連データのリストやグラフをさらに追加して表示させることも可能である。さらに、ユーザは「看護記録」に関するプロットを選択することで、当該選択された看護記録の内容がポップアップで表示されてもよい。
【0052】
また、ユーザ操作に応じて標的データ及び関連データが切り替えて表示されてもよい。このとき、標的データのグラフが関連データのグラフとは識別可能なように異なる色、線の太さなどで強調して表示されてもよい。さらに、関連データは1つのみ表示されてもよいし、複数表示されてもよい。
【0053】
また、医用情報処理装置1は、例えば出力機能114により、標的データ及び関連データのうち、所定の基準を満たさない経時的な変化を示したデータを抽出してアラートを発出してもよい。例えば、臨床データとして呼吸数に関する「バリアンス情報」のグラフが含まれる場合、医用情報処理装置1は、当該グラフの変化が「呼吸数が12-30回/分である」という基準を満たしていないことを検知して、呼吸数に関する臨床データを強調して表示することにより、アラートを発出してもよい。
【0054】
なお、ユーザはパネル40に表示されるアイコン41-43を選択することで、各アイコンに応じた様々な拡張機能を利用できる。各アイコンを選択した際に表示される各表示画面の例については、以下に述べる。
【0055】
図11は、コメント入力ウィンドウの表示例を示す図である。
ユーザがアイコン41を選択した場合、ユーザがコメントを入力するためのウィンドウ410がパネル40上にポップアップ表示される。ユーザは、ボックス411に所望のコメントを入力する。所望のコメントが入力された後、ユーザは「保存」ボタンを選択することで、コメントをパネル40に関連付けて保存することが可能である。これにより、ユーザは、同じグラフを閲覧した他のユーザとの間でコメントを共有することができる。
【0056】
図12は、コメント参照ウィンドウの表示例を示す図である。
ユーザがアイコン42を選択した場合、ユーザが他のユーザが入力したコメントを参照するためのウィンドウ420がパネル40上にポップアップ表示される。具体的には、各時刻において各ユーザ(医師B、医師C、医師D、医師E)が作成したコメントのリストが表示される。これにより、ユーザは、同じグラフを閲覧した他のユーザのコメントを閲覧することができる。
【0057】
図13は、レイアウト送信ウィンドウの表示例を示す図である。
ユーザがアイコン43を選択した場合、ユーザが現在閲覧中のレイアウトのグラフを他のユーザに送信するためのウィンドウ430がポップアップ表示される。ウィンドウ430において、ユーザは「宛先」を指定するためのボックス431を選択することで、当該レイアウトの通知先となるユーザを選択することができる。また、ユーザはコメントを入力するためのボックス432に所望のコメントを入力したのち、「送信」ボタンを選択することで、レイアウトの受信者に確認してほしい事項を伝達することができる。これにより、例えば、看護師が閲覧中の患者の臨床データに異常を発見した場合、看護師は患者の担当医に異常が起きた旨を伝えることができる。
【0058】
図7の説明に戻る。
ステップS205において、医用情報処理装置1は、ユーザからのログアウト操作が入力されたか否かを判定する。当該操作が入力された場合(ステップS205のYes)、処理はステップS206に進む。当該操作が入力されていない場合(ステップS205のNo)、処理はステップS202に戻る。
【0059】
ステップS206において、医用情報処理装置1は、ユーザからのログアウト操作を受け付ける。ステップS206は、ステップS104と同様である。
【0060】
ステップS207において、医用情報処理装置1は、閲覧履歴を更新する。具体的には、医用情報処理装置1は、ステップS201の実行からS206の実行までの1回のログイン期間のユーザの閲覧行動を解析して、閲覧履歴を更新する。換言すれば、医用情報処理装置1は、ユーザの閲覧行動を解析することで新たに作成された閲覧履歴を、閲覧履歴表200に追加するといえる。
【0061】
なお、上記の例では、ログインからログアウトまでを閲覧履歴の処理単位として設定したが、これに限らず、一人の患者に関する臨床データを処理単位として設定してもよい。すなわち、ユーザが特定の患者の臨床データの閲覧を開始し、当該患者の臨床データの閲覧が終了するまでの期間が処理単位として設定されてもよい。
【0062】
以上、本実施形態に係る医用情報処理装置1について説明した。医用情報処理装置1は、ユーザが閲覧中の臨床データに関連する臨床データを、ユーザの閲覧履歴に基づいて特定したのち、両者の臨床データをリスト又はグラフとして一括表示する。これにより、医用情報処理装置1は、ユーザが手動で閲覧したい臨床データのパネルを追加するといった、表示画面のレイアウトを変更する負担を軽減又は解消することができる。さらに、一括表示された1つのグラフ上でユーザが閲覧したい各臨床データが揃うため、ユーザは各臨床データ同士を容易に比較できるなど、効率的に臨床データを閲覧することができる。
【0063】
以上説明した少なくとも1つの実施形態によれば、閲覧の利便性を向上させることができる。
【0064】
いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、実施形態同士の組み合わせを行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0065】
1…医用情報処理装置
2…クライアント端末
3…電子カルテデータベース
4…画像データベース
10,20,30,40…パネル
11…処理回路
12…メモリ
13…通信インタフェース
31…グラフ
32…選択範囲
41,42,43…アイコン
100…医用情報処理システム
111…記憶機能
112…指定機能
113…特定機能
114…出力機能
115…関連機能
116…送信機能
200…閲覧履歴表
210…閲覧時間表
220…閲覧順序表
300…ポップアップ
310,320,330,400…ボタン
410,420,430…ウィンドウ
411,431,432…ボックス