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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022178582
(43)【公開日】2022-12-02
(54)【発明の名称】負圧供給装置
(51)【国際特許分類】
   B65C 3/08 20060101AFI20221125BHJP
【FI】
B65C3/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021085483
(22)【出願日】2021-05-20
(71)【出願人】
【識別番号】313004403
【氏名又は名称】株式会社フジシール
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山下 輝明
【テーマコード(参考)】
3E095
【Fターム(参考)】
3E095AA07
3E095BA01
3E095DA32
3E095DA44
3E095DA90
3E095FA08
(57)【要約】
【課題】信頼性高くかつ高効率で負圧を供給できる負圧供給装置を提供する。
【解決手段】負圧供給装置1は、内筒部10と外筒部50とを備えている。内筒部10は、円柱面状の外周面11を有している。外筒部50は、内筒部10の外周面11に対向する円柱面状の内周面51を有しており、中空に形成されている。外筒部50は、内筒部10に対して相対回転する。外筒部50には、外筒部50を径方向に貫通する複数の外筒孔61A~61Fが形成されている。内筒部10の内部に、いずれかの外筒孔61A~61Fに連通する、互いに非連通に隔てられた複数の負圧供給経路31,33が設けられている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
円柱面状の外周面を有する内筒部と、
前記外周面に対向する円柱面状の内周面を有し、前記内筒部に対して相対回転する、中空の外筒部とを備え、
前記外筒部には、前記外筒部を径方向に貫通する複数の外筒孔が形成され、
前記内筒部の内部に、いずれかの前記外筒孔に連通する、互いに非連通に隔てられた複数の負圧供給経路が設けられる、負圧供給装置。
【請求項2】
前記内筒部は中空であり、
前記内筒部の内部空間を気密に仕切り複数の中空室を形成する仕切板をさらに備え、
各々の前記負圧供給経路が、いずれか1つの前記中空室を含む、請求項1に記載の負圧供給装置。
【請求項3】
前記内筒部の前記内部空間を前記内筒部の軸方向に延びる複数の負圧供給管をさらに備え、
各々の前記負圧供給経路が、いずれか1つの前記負圧供給管を含み、
各々の前記負圧供給管が、いずれか1つの前記中空室に開口する、請求項2に記載の負圧供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、負圧供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特開2015-155313号公報(特許文献1)には、以下のような開示がある。シート状に折り畳まれた状態の筒状のラベルを、テイクアップ部材がラベル供給装置から受け取って吸引保持する。テイクアップ部材から2組の吸引杆にラベルが引き渡され、ラベルは2組の吸引杆によって吸引保持される。ラベルを吸引保持している2組の吸引杆を相互に離すことによって、シート状に折り畳まれた状態のラベルを開口する。その状態で、吸引杆を降下させることにより、開口したラベルをPETボトルに被嵌する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-155313号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記文献では、ラベルを搬送および開口させるために、ラベルを吸引している。上記文献に開示されているテイクアップ部材および吸引杆などの、負圧を利用して作動する負圧作動機器に、信頼性高くかつ高効率で負圧を供給することが望まれている。
【0005】
本開示では、信頼性高くかつ高効率で負圧を供給できる、負圧供給装置が提案される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に従うと、内筒部と外筒部とを備える負圧供給装置が提案される。内筒部は、円柱面状の外周面を有している。外筒部は、内筒部の外周面に対向する円柱面状の内周面を有しており、中空に形成されている。外筒部は、内筒部に対して相対回転する。外筒部には、外筒部を径方向に貫通する複数の外筒孔が形成されている。内筒部の内部に、いずれかの外筒孔に連通する複数の負圧供給経路が設けられている。複数の負圧供給経路は、互いに非連通に隔てられている。
【0007】
上記の負圧供給装置において、内筒部は中空であり、負圧供給装置は、内筒部の内部空間を気密に仕切り複数の中空室を形成する仕切板をさらに備え、各々の負圧供給経路が、いずれか1つの中空室を含んでもよい。
【0008】
上記の負圧供給装置は、内筒部の内部空間を内筒部の軸方向に延びる複数の負圧供給管をさらに備え、各々の負圧供給経路が、いずれか1つの負圧供給管を含み、各々の負圧供給管が、いずれか1つの中空室に開口してもよい。
【0009】
上記の負圧供給装置において、偶数個の負圧供給経路が設けられていてもよい。
【発明の効果】
【0010】
本開示に従う負圧供給装置によれば、信頼性高くかつ高効率で負圧を供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】フィルムオープナーの動作を模式的に示す動作説明図である。
図2】実施形態の負圧供給装置を模式的に示す平面図である。
図3図2中のIII-III線に沿う負圧供給装置の断面模式図である。
図4図3中のIV-IV線に沿う負圧供給装置の断面模式図である。
図5図3中のV-V線に沿う負圧供給装置の断面模式図である。
図6図3中のVI-VI線に沿う負圧供給装置の断面模式図である。
図7図3中のVII-VII線に沿う負圧供給装置の断面模式図である。
図8図3中のVIII-VIII線に沿う負圧供給装置の断面模式図である。
図9図3中のIX-IX線に沿う負圧供給装置の断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、実施形態について図面に基づいて説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0013】
本開示に係る負圧供給装置は、たとえば、シート状に折り畳まれた状態で供給されるシュリンクラベルの筒状フィルムを開口させるためのフィルムオープナー(ラベルオープナー)に用いることができる。フィルムオープナーは、瓶、ペットボトルなどの被嵌体にフィルムを被嵌するフィルム被嵌装置に用いることができる。実施形態の説明として、まず、フィルムオープナーについて説明する。
【0014】
図1は、フィルムオープナーの動作を模式的に示す動作説明図である。図1には、テイクアップ部材81、オープナー82および筒状フィルムFが図示されている。図1中の(a)(c)(e)(g)および(i)は、テイクアップ部材81およびオープナー82を上方から平面視した模式図を示す。図1中の(b)(d)(f)(h)および(j)は、テイクアップ部材81およびオープナー82を側方から見た模式図を示す。図1中の(a)と(b)とは、同時刻のテイクアップ部材81およびオープナー82を異なる方向から見た模式図を示す。図1中の(c)と(d)、(e)と(f)、(g)と(h)、(i)と(j)も同様である。
【0015】
このフィルムオープナーでは、図1に示されるように、まず、シート状に折り畳まれた状態で供給される所定長の筒状フィルムFを、テイクアップ部材81がその片面を吸引保持することによって受け取り、続いて、オープナー82がテイクアップ部材81から筒状フィルムFを受け取って開口するようになっている。
【0016】
オープナー82は、第1吸引杆82a、第2吸引杆82b、第3吸引杆82cおよび第4吸引杆82dを備えている。第1吸引杆82aと第2吸引杆82bとは、シート状に折り畳まれた状態の筒状フィルムFの一面側を、その幅方向に所定間隔を開けて吸引保持する。第3吸引杆82cと第4吸引杆82dとは、筒状フィルムFの他面側における、第1吸引杆82aおよび第2吸引杆82bにそれぞれ対応する位置を吸引する。筒状フィルムFの一面側を吸引している第1吸引杆82aおよび第2吸引杆82bと、筒状フィルムFの他面側を吸引している第3吸引杆82cおよび第4吸引杆82dと、が相互に離れることによって、シート状に折り畳まれた状態の筒状フィルムFが開口される。
【0017】
テイクアップ部材81からオープナー82への筒状フィルムFの受け渡し、および筒状フィルムFの開口は、以下のようにして行なわれる。まず、図1(a),(b)に示されるように、テイクアップ部材81が、筒状フィルムFを吸引保持する。このときオープナー82は、テイクアップ部材81の下方側で待機している。図1(c),(d)に示されるように、オープナー82が、テイクアップ部材81に吸引保持された筒状フィルムFと、第1吸引杆82aおよび第2吸引杆82bとが対向する位置まで上昇する。このとき、筒状フィルムFと、第1吸引杆82aおよび第2吸引杆82bとの間には、僅かな隙間が形成されている。
【0018】
続いて、第1吸引杆82aおよび第2吸引杆82bが、筒状フィルムFの一面側を吸引保持する。その後、テイクアップ部材81が筒状フィルムFを吸引する動作が停止され、テイクアップ部材81による筒状フィルムFの保持が解除される。図1(e),(f)に示すように、テイクアップ部材81が上方へ待避することによって、テイクアップ部材81からオープナー82への筒状フィルムFの受け渡しが完了する。
【0019】
その後、図1(g),(h)に示すように、オープナー82の第3吸引杆82cおよび第4吸引杆82dが、第1吸引杆82aおよび第2吸引杆82bに吸引保持されている筒状フィルムFの他面側に接近する。第3吸引杆82cおよび第4吸引杆82dが、筒状フィルムFの他面側を吸引保持する。その後、第1吸引杆82aおよび第2吸引杆82bと第3吸引杆82cおよび第4吸引杆82dとが相互に離れる方向に移動する。この動作によって、図1(i),(j)に示すように、シート状に折り畳まれた状態の筒状フィルムFが開口される。
【0020】
次に、図1を参照して説明したテイクアップ部材81およびオープナー82の各吸引杆に代表される、負圧を利用して作動する負圧作動機器に、負圧を供給するための負圧供給装置1について説明する。図2は、実施形態の負圧供給装置1を模式的に示す平面図である。図3は、図2中のIII-III線に沿う負圧供給装置1の断面模式図である。
【0021】
図4は、図3中のIV-IV線に沿う負圧供給装置1の断面模式図である。図5は、図3中のV-V線に沿う負圧供給装置1の断面模式図である。図6は、図3中のVI-VI線に沿う負圧供給装置1の断面模式図である。図7は、図3中のVII-VII線に沿う負圧供給装置1の断面模式図である。図8は、図3中のVIII-VIII線に沿う負圧供給装置1の断面模式図である。図9は、図3中のIX-IX線に沿う負圧供給装置1の断面模式図である。
【0022】
負圧供給装置1は、内筒部10を備えている。図2および図3に示されるように、内筒部10は、略中空円筒状の外形を有しており、円柱面状の外周面11と、円柱面状の内周面12とを有している。
【0023】
内筒部10の内部空間14に、複数の仕切板25,26,27,28が配置されている。仕切板25~28は、内筒部10の軸方向(図2においては紙面垂直方向、図3においては図中の上下方向)に間隔を空けて並べられている。各仕切板25~28は、内筒部10に固定されている。各仕切板25~28は、内筒部10の軸方向に延びる1つまたは複数の支持柱によって支持されてもよく、この場合仕切板25~28の強度を向上できる。仕切板25~28は、内筒部10の内部空間14を気密に仕切っている。仕切板25~28によって内部空間14が分割されて、複数の中空室15,16,17,18が形成されている。複数の中空室15~18が、内筒部10の軸方向に並んで形成されている。
【0024】
内筒部10の一端(図3においては上端)が、支持板29によって塞がれている。中空室15は、仕切板25と支持板29とによって規定されている。中空室16は、仕切板25と仕切板26とによって規定されている。中空室17は、仕切板26と仕切板27とによって規定されている。中空室18は、仕切板27と仕切板28とによって規定されている。仕切板25は中空室15と中空室16とを気密に仕切り、仕切板26は中空室16と中空室17とを気密に仕切り、仕切板27は中空室17と中空室18とを気密に仕切っている。各中空室15,16,17,18は、互いに非連通とされている。
【0025】
支持板29は、複数の負圧供給管35,36,37,38を支持している。負圧供給管35~38は、中空の配管である。負圧供給管35~38は、内筒部10の内周面12よりも径方向の内側に配置されている。負圧供給管35~38は、内筒部10の内部空間14を、内筒部10の軸方向に延びている。
【0026】
図3に示される負圧供給管35は、支持板29を厚み方向に気密に貫通して、中空室15に向かって延びている。負圧供給管35は、第1端35Aと第2端35Bとを有している。第1端35Aが内筒部10の外部において開口し、第2端35Bが内筒部10の内部空間14のうち中空室15において開口している。負圧供給管35は、内筒部10の外部と中空室15とを連通している。
【0027】
図3に示される負圧供給管37は、支持板29と、仕切板25および仕切板26とを厚み方向に気密に貫通して、中空室17に向かって延びている。負圧供給管37は、第1端37Aと第2端37Bとを有している。第1端37Aが内筒部10の外部において開口し、第2端37Bが内筒部10の内部空間14のうち中空室17において開口している。負圧供給管37は、内筒部10の外部と中空室17とを連通している。
【0028】
負圧供給管36は同様に、支持板29と、仕切板25とを厚み方向に気密に貫通して、中空室16に向かって延びている。負圧供給管36は、内筒部10の外部において開口する第1端と、中空室16において開口する第2端とを有しており、内筒部10の外部と中空室16とを連通している。負圧供給管38は同様に、支持板29と、仕切板25、仕切板26および仕切板27とを気密に厚み方向に貫通して、中空室18に向かって延びている。負圧供給管38は、内筒部10の外部において開口する第1端と、中空室18において開口する第2端とを有しており、内筒部10の外部と中空室18とを連通している。
【0029】
内筒部10の外周面11に、外周面11の一部が窪んだ溝部21A,21B,21C,21D,21E,21Fが形成されている。溝部21A~21Fは、外周面11に開口している。溝部21A~21Fは、内筒部10の周方向に延びている。溝部21A~21Fよりも内筒部10の径方向の内側に、内筒部10の径方向に延びる孔部22A,22B,22C,22D,22E,22Fが形成されている。孔部22A~22Fは、内周面12に開口している。各孔部22A~22Fは、各溝部21A~21Fと内筒部10の内部空間14とを連通している。
【0030】
各溝部21A~21Fと各孔部22A~22Fとは、内筒部10を径方向に貫通して外周面11に開口する内筒孔を構成している。内筒部10の軸方向に間隔を空けて、内筒部10の内部空間14と外周面11とを連通する複数列の内筒孔が形成されている。図4~9に示されるように、内筒孔は、内筒部10の外周面11の周方向の一部のみに形成されている。内筒孔は、内筒部10の外周面11の周方向の全体に亘っては形成されていない。内筒孔は、内筒部10の外周面11の周方向の全体に亘って外周面11に開口はしていない。
【0031】
負圧供給装置1は、外筒部50を備えている。外筒部50は、略中空円筒状の外形を有しており、円柱面状の内周面51と、円柱面状の外周面52とを有している。内筒部10は、外筒部50の内部に配置されている。外筒部50の内周面51が、内筒部10の外周面11に対向している。
【0032】
外筒部50は、内筒部10の外周面11との間に微小な間隔を形成しながら、内筒部10に対して相対回転する。典型的には、内筒部10は固定されており、外筒部50は回転可能に形成されている。外筒部50は、軸受41,42を介して、内筒部10に回転可能に支持されている。
【0033】
外筒部50には、外筒部50を径方向に貫通する複数の外筒孔61A~61Fが形成されている。外筒部50の周方向の全体に亘って、周方向に間隔を空けて複数列の外筒孔が形成されている。かつ、外筒部50の軸方向に間隔を空けて、複数列の外筒孔が形成されている。外筒部50の周方向に等間隔に、かつ外筒部50の軸方向に等間隔に、複数の外筒孔が形成されている。内筒部10に形成され軸方向に並ぶ複数列の内筒孔と、外筒部50に形成され軸方向に並ぶ複数列の外筒孔とが、互いに連通している。
【0034】
具体的に、溝部21Aと孔部22Aとは、軸方向において外筒孔61Aと同じ位置に形成されている。溝部21Aと孔部22Aとは、内筒部10を径方向に貫通して、内筒部10の内部空間14、具体的には中空室15と、外筒孔61Aとを連通している。溝部21Bと孔部22Bとは、軸方向において外筒孔61Bと同じ位置に形成されている。溝部21Bと孔部22Bとは、内筒部10を径方向に貫通して、内筒部10の内部空間14、具体的には中空室15と、外筒孔61Bとを連通している。
【0035】
溝部21Cと孔部22Cとは、軸方向において外筒孔61Cと同じ位置に形成されている。溝部21Cと孔部22Cとは、内筒部10を径方向に貫通して、内筒部10の内部空間14、具体的には中空室16と、外筒孔61Cとを連通している。溝部21Dと孔部22Dとは、軸方向において外筒孔61Dと同じ位置に形成されている。溝部21Dと孔部22Dとは、内筒部10を径方向に貫通して、内筒部10の内部空間14、具体的には中空室17と、外筒孔61Dとを連通している。
【0036】
溝部21Eと孔部22Eとは、軸方向において外筒孔61Eと同じ位置に形成されている。溝部21Eと孔部22Eとは、内筒部10を径方向に貫通して、内筒部10の内部空間14、具体的には中空室17と、外筒孔61Eとを連通している。溝部21Fと孔部22Fとは、軸方向において外筒孔61Fと同じ位置に形成されている。溝部21Fと孔部22Fとは、内筒部10を径方向に貫通して、内筒部10の内部空間14、具体的には中空室18と、外筒孔61Fとを連通している。
【0037】
図3に示されるように、負圧供給管35と、中空室15と、溝部21A,21Bおよび孔部22A,22Bとは、負圧供給経路31を構成している。負圧供給経路31は、内筒部10を径方向に貫通し外周面11に開口する内筒孔を含んでいる。負圧供給経路31は、内筒部10の内部に設けられている。負圧供給経路31は、内筒部10の軸方向の端部から外周面11までを連通しており、外筒孔61A,61Bに連通している。負圧供給経路31を経由して、外筒孔61A,61Bに負圧が供給される。
【0038】
負圧供給管36と、中空室16と、溝部21Cおよび孔部22Cとは、負圧供給経路32を構成している。負圧供給経路32は、内筒部10を径方向に貫通し外周面11に開口する内筒孔を含んでいる。負圧供給経路32は、内筒部10の内部に設けられている。負圧供給経路32は、内筒部10の軸方向の端部から外周面11までを連通しており、外筒孔61Cに連通している。負圧供給経路32を経由して、外筒孔61Cに負圧が供給される。
【0039】
図3に示されるように、負圧供給管37と、中空室17と、溝部21D,21Eおよび孔部22D,22Eとは、負圧供給経路33を構成している。負圧供給経路33は、内筒部10を径方向に貫通し外周面11に開口する内筒孔を含んでいる。負圧供給経路33は、内筒部10の内部に設けられている。負圧供給経路33は、内筒部10の軸方向の端部から外周面11までを連通しており、外筒孔61D,61Eに連通している。負圧供給経路33を経由して、外筒孔61D,61Eに負圧が供給される。
【0040】
負圧供給管38と、中空室18と、溝部21Fおよび孔部22Fとは、負圧供給経路34を構成している。負圧供給経路34は、内筒部10を径方向に貫通し外周面11に開口する内筒孔を含んでいる。負圧供給経路34は、内筒部10の内部に設けられている。負圧供給経路34は、内筒部10の軸方向の端部から外周面11までを連通しており、外筒孔61Fに連通している。負圧供給経路34を経由して、外筒孔61Fに負圧が供給される。
【0041】
複数の負圧供給経路31~34が、内筒部10の内部に設けられている。本実施形態では、偶数個、具体的には4つの負圧供給経路31~34が設けられている。各負圧供給経路31~34は、互いに非連通に隔てられている。
【0042】
負圧供給経路31~34と同数の中空室15~18が形成されており、各々の負圧供給経路31~34がいずれか1つの中空室15~18を含んでいる。負圧供給経路31~34と同数の負圧供給管35~38が設けられており、各々の負圧供給経路31~34がいずれか1つの負圧供給管35~38を含んでいる。負圧供給経路31が中空室15および負圧供給管35を含み、負圧供給経路32が中空室16および負圧供給管36を含み、負圧供給経路33が中空室17および負圧供給管37を含み、負圧供給経路34が中空室18および負圧供給管38を含んでいる。
【0043】
図3に示されるように、外筒部50の外周面52に、連結部71,72,73,74,75,76が取り付けられている。なお連結部71~76は、図3以外の図面では図示を省略されている。
【0044】
連結部71は、外筒孔61Aに挿通されており、外筒孔61Aと負圧供給装置1の外部とを連通している。連結部72は、外筒孔61Bに挿通されており、外筒孔61Bと負圧供給装置1の外部とを連通している。連結部73は、外筒孔61Cに挿通されており、外筒孔61Cと負圧供給装置1の外部とを連通している。連結部74は、外筒孔61Dに挿通されており、外筒孔61Dと負圧供給装置1の外部とを連通している。連結部75は、外筒孔61Eに挿通されており、外筒孔61Eと負圧供給装置1の外部とを連通している。連結部76は、外筒孔61Fに挿通されており、外筒孔61Fと負圧供給装置1の外部とを連通している。
【0045】
負圧供給管35~38は、真空ポンプなどの図示しない負圧源に接続されている。複数台の負圧源が設けられていてもよい。1つの負圧源が分岐して複数の負圧供給管に接続されていてもよい。1台のポンプが負圧供給管35と負圧供給管36とに接続され、他の1台のポンプが負圧供給管37と負圧供給管38とに接続されていてもよい。
【0046】
負圧源の駆動により、負圧供給経路31~34内の空気が、負圧供給管35~38の第1端を経由して、内筒部10の内部から排出される。これにより外筒孔61A~61F内が減圧される。
【0047】
内筒孔(たとえば図4に示される溝部21Aおよび孔部22A)は、内筒部10の周方向の一部のみにおいて、外周面11に開口している。内筒部10に対して外筒部50が相対回転することで、周方向に並ぶ各外筒孔61A~61Fと内筒孔との連通と非連通とが切り替えられる。図4~9に示される外筒部50の周方向の全体に亘って形成されている外筒孔61A~61Fのうち、周方向の一部の外筒孔61A~61Fに、連結部71~76が連結されている。内筒部10に対して外筒部50が相対回転することで、連結部71~76の連結されている外筒孔61A~61Fと内筒孔との連通と非連通とが切り替えられる。
【0048】
連結部71~76の連結されている外筒孔61A~61Fが内筒孔に重なり内筒孔と連通することで、連結部71~76に負圧が供給される。連結部71~76の連結されている外筒孔61A~61Fが内筒孔からずれて内筒孔と非連通になることで、連結部71~76への負圧の供給が停止される。外筒部50が内筒部10に対して相対回転し、内筒孔と外筒孔との連通と非連通とが切り替えられることで、負圧の供給と供給停止とが切り替えられる。
【0049】
図1に示されるフィルムオープナーに負圧を供給するために、負圧供給装置1を利用することができる。この場合、連結部71に図示しないエアホースが連結され、そのエアホースが二分岐して第1吸引杆82aと第2吸引杆82bとに負圧を供給することで、第1吸引杆82aと第2吸引杆82bとによって筒状フィルムFを吸引することができる。連結部72に連結されるエアホースが二分岐して第3吸引杆82cと第4吸引杆82dとに負圧を供給することで、第3吸引杆82cと第4吸引杆82dとによって筒状フィルムFを吸引することができる。連結部73に連結されるエアホースがテイクアップ部材81に負圧を供給することで、テイクアップ部材81によって筒状フィルムFを吸引することができる。連結部74~76から、別系統のフィルムオープナーに負圧を供給することができる。外筒部50が内筒部10に対して相対回転することで、吸引のオンとオフとを切り替えることができる。
【0050】
以上の構成を備えている実施形態の負圧供給装置1では、図2~9に示されるように、内筒部10の内部に複数の負圧供給経路31~34が設けられており、各負圧供給経路31~34はいずれかの外筒孔61A~61Fに連通している。複数の負圧供給経路31~34が互いに非連通に隔てられているので、負圧供給経路31~34、または各負圧供給経路31~34に連結されているエアホースのいずれか1つにおいて、空気の漏れが発生しても、その他の負圧供給経路に影響しない。負圧供給装置1の内部における経路の分岐の数が少ないため、各負圧供給経路31~34内の空気流れの圧力損失が低減されている。したがって、実施形態の負圧供給装置1によれば、信頼性高くかつ高効率で負圧を供給することができる。
【0051】
また図3に示されるように、内筒部10は中空である。負圧供給装置1は、内筒部10の内部空間14を気密に仕切り複数の中空室15~18を形成する仕切板25~28をさらに備えている。各々の負圧供給経路31~34が、いずれか1つの中空室25~28を含んでいる。このように、中空の内部空間14を気密に仕切った複数の中空室15~18が負圧供給経路31~34の一部を構成することで、より確実に、複数の負圧供給経路31~34を互いに非連通に隔てることが可能になる。
【0052】
また図2,3に示されるように、負圧供給装置1は、内筒部10の内部空間14を内筒部10の軸方向に延びる複数の負圧供給管35~38をさらに備えている。各々の負圧供給経路31~34が、いずれか1つの負圧供給管35~38を含んでいる。各々の負圧供給管35~38が、いずれか1つの中空室15~18に開口している。このように、負圧供給管35~38と中空室15~18とが負圧供給経路31~34の一部を構成することで、より確実に、複数の負圧供給経路31~34を互いに非連通に隔てることが可能になる。
【0053】
また図3に示されるように、負圧供給装置1には、偶数個の負圧供給経路31~34が設けられている。これにより負圧供給装置1は、複数の負圧作動機器に負圧を供給することができる。
【0054】
これまでの実施形態の説明では、内筒部10の内部に中空の内部空間14が形成され、内部空間14を仕切板25~28で仕切って中空室15~18を形成するとともに内部空間14内に負圧供給管35~38を配置することで、負圧供給経路31~34を形成する例について説明した。この例に限られず、中実円筒状の内筒部10に複数の有底の穴を機械加工することで、負圧供給経路31~34を形成することも可能である。なお、内筒部10を中空にすることで、負圧供給装置1の全体の軽量化を実現できる。
【0055】
負圧供給装置1による負圧の供給と供給停止とを切り替えるためには、外筒部50が内筒部10に対して相対回転すればよい。実施形態で説明した、内筒部10は固定され外筒部50は回転可能である構成に限られず、内筒部10が回転可能とされ外筒部50が回転不能であってもよく、内筒部10と外筒部50との両方を回転可能とする構成としてもよい。
【0056】
以上のように実施形態について説明を行なったが、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。この発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0057】
1 負圧供給装置、10 内筒部、11,52 外周面、12,51 内周面、14 内部空間、15~18 中空室、21A~21F 溝部、22A~22F 孔部、25~28 仕切板、29 支持板、31~34 負圧供給経路、35~38 負圧供給管、35A,37A 第1端、35B,37B 第2端、41,42 軸受、50 外筒部、61A~61F 外筒孔、71~76 連結部、81 テイクアップ部材、82 オープナー、82a 第1吸引杆、82b 第2吸引杆、82c 第3吸引杆、82d 第4吸引杆、F 筒状フィルム。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9