(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022178586
(43)【公開日】2022-12-02
(54)【発明の名称】電気掃除機
(51)【国際特許分類】
A47L 9/28 20060101AFI20221125BHJP
A47L 9/02 20060101ALI20221125BHJP
A47L 9/04 20060101ALI20221125BHJP
A47L 9/32 20060101ALI20221125BHJP
A47L 5/24 20060101ALI20221125BHJP
A47L 9/14 20060101ALI20221125BHJP
A47L 9/16 20060101ALI20221125BHJP
A47L 9/10 20060101ALI20221125BHJP
【FI】
A47L9/28 A
A47L9/02 D
A47L9/04 A
A47L9/32 B
A47L9/28 D
A47L9/28 U
A47L5/24 A
A47L9/14
A47L9/16
A47L9/10 D
A47L9/28 K
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021085504
(22)【出願日】2021-05-20
(71)【出願人】
【識別番号】391001457
【氏名又は名称】アイリスオーヤマ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100180644
【弁理士】
【氏名又は名称】▲崎▼山 博教
(72)【発明者】
【氏名】齊藤 有輝
【テーマコード(参考)】
3B057
3B061
3B062
【Fターム(参考)】
3B057DA07
3B057DA09
3B057DD00
3B057FA01
3B057FA14
3B061AA06
3B061AA41
3B061AE02
3B061AE11
3B062AB31
3B062AG00
3B062AH00
(57)【要約】
【課題】電動送風機による吸引力を利用した清掃と、回転ブラシの回転による清掃とを使い分けることが可能な電気掃除機を実現することを目的とした。
【解決手段】電気掃除機10は、電動送風機22と、集塵部30と、吸込口62と、清掃体駆動部48の駆動によって回転する回転清掃体46と、複数のモードのいずれかに切り替え可能な操作部28と、を備えている。集塵部30は、第一集塵部24、及び第一集塵部24と吸込口62とを繋ぐ経路において第一集塵部24よりも吸込口62側に配された第二集塵部64を有する。複数のモードは、電動送風機22の駆動を停止させた状態で清掃体駆動部48を駆動させる第一清掃モード、及び電動送風機22および清掃体駆動部48を駆動させる第二清掃モードを含むものとされている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸引力を発生させる電動送風機と、
塵埃が集塵される集塵部と、
塵埃を吸い込むための吸込口と、
駆動部の駆動によって回転する回転清掃体と、
複数のモードのいずれかに切り替え可能な操作部と、
を備え、
前記集塵部は、第一集塵部、及び前記第一集塵部と前記吸込口とを繋ぐ経路において前記第一集塵部よりも前記吸込口側に配された第二集塵部を有するものであり、
前記複数のモードは、前記電動送風機の駆動を停止させた状態で前記駆動部を駆動させる第一清掃モード、及び前記電動送風機を駆動させる第二清掃モードを含むことを特徴とする、電気掃除機。
【請求項2】
音声を認識する音声認識部を、前記操作部に代えて、又は前記操作部とともに備え、
前記複数のモードのいずれかを示す音声を前記音声認識部が認識することを条件として、該認識したモードに切り替えることを特徴とする、請求項1に記載の電気掃除機。
【請求項3】
前記回転清掃体を回転可能に支持する吸込具本体を備え、
前記第二集塵部は、前記吸込具本体の一部を構成するものであり、
前記第二集塵部のうち前記吸込具本体を構成する部分が、透過性を有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の電気掃除機。
【請求項4】
前記回転清掃体を回転可能に支持する吸込具本体を有し、
前記第二集塵部は、前記吸込具本体に着脱可能に設けられることを特徴とする、請求項1又は2に記載の電気掃除機。
【請求項5】
前記回転清掃体に付着する塵埃を除去する塵埃除去部を備えることを特徴とする、請求項1~4のいずれか1項に記載の電気掃除機。
【請求項6】
前記回転清掃体が配される回転清掃体配置部を有し、
前記第二集塵部は、前記回転清掃体配置部に対して連通していることを特徴とする、請求項1~5のいずれか1項に記載の電気掃除機。
【請求項7】
前記第二清掃モードは、前記電動送風機及び前記駆動部を駆動させるモードであることを特徴とする、請求項1~6のいずれかに記載の電気掃除機。
【請求項8】
前記電動送風機および前記第一集塵部を有する掃除機本体と、
前記吸込口および前記第二集塵部を有する吸込具とを備えることを特徴とする、請求項1~7のいずれかに記載の電気掃除機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気掃除機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、下記特許文献1に開示されているように、回転ブラシと、回転ブラシを駆動する電動機と、回転ブラシに電動機の動力を伝える伝達装置と回転ブラシに対向する面に塵埃投入口を設けた集塵箱とを備え、回転ブラシの下面に開口を設けてなる掃除機が提供されている。特許文献1に開示されている掃除機のように、回転ブラシ及び電動機とともに集塵箱を本体内に備え、電動送風機を設けない構成とした場合、電動送風機の駆動により生じる音が発生しないため、清掃における騒音を抑えることが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1の掃除機のように、吸引力の発生源となる電動送風機を設けない構成とした場合、例えば絨毯やカーペットに付着した塵埃を本体に取り込むことが難しいといった問題がある。
【0005】
そこで本発明は、電動送風機による吸引力を利用した清掃と、回転ブラシの回転による清掃とを使い分けることが可能な電気掃除機を実現することを目的とした。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決すべく提供される本発明の実施形態における電気掃除機は、吸引力を発生させる電動送風機と、塵埃が集塵される集塵部と、塵埃を吸い込むための吸込口と、駆動部の駆動によって回転する回転清掃体と、複数のモードのいずれかに切り替え可能な操作部と、を備え、前記集塵部は、第一集塵部、及び前記第一集塵部と前記吸込口とを繋ぐ経路において前記第一集塵部よりも前記吸込口側に配された第二集塵部を有するものであり、前記複数のモードは、前記電動送風機の駆動を停止させた状態で前記駆動部を駆動させる第一清掃モード、及び前記電動送風機を駆動させる第二清掃モードを含むことを特徴とする、ものである。
【0007】
本発明の電気掃除機は、第一清掃モードで動作させることにより、電動送風機の駆動を停止させた状態で駆動部を駆動させることにより電動送風機の駆動音を発生させることなく、回転清掃体を回転させて清掃する使い方が可能である。また、本発明の電気掃除機は、集塵部が、第一集塵部に加え、第一集塵部に対して吸込口側に配された第二集塵部を備えたものとされている。そのため、本発明の電気掃除機は、電動送風機による吸引力が発生しない第一清掃モードで動作させる際に、回転清掃体の回転により集められた塵埃を、第二集塵部に集めておくことができる。
【0008】
一方、本発明の電気掃除機は、第二清掃モードにより、電動送風機を駆動させることにより、電動送風機による吸引力を利用した清掃も行える。また、本発明の電気掃除機は、第一集塵部に対して吸込口側に第二集塵部を備えている。そのため、本発明の電気掃除機は、第一清掃モードでの動作によって第二集塵部に集められていた塵埃を、第二清掃モードにおいて電動送風機による吸引力により第一集塵部に集めることができる。
【0009】
上述したように、本発明の電気掃除機は、集塵部が第一集塵部及び第二集塵部を備えたものであるとともに、第一清掃モード及び第二清掃モードを含む複数のモードで動作可能とされている。これにより、本発明の電気掃除機は、電動送風機による吸引力を利用した清掃と、回転ブラシの回転による清掃とを使い分けることが可能なものとされている。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、電動送風機による吸引力を利用した清掃と、回転ブラシの回転による清掃とを使い分けることが可能な電気掃除機を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の一実施形態に係る電気掃除機を示す側面図である。
【
図2】
図1の電気掃除機が備える吸込具を示す斜視図である。
【
図4】
図2の吸込具において吸込具本体の天面を取り外した状態を示す斜視図である。
【
図5】
図2の吸込具において吸込具本体の天面を取り外した状態を示す平面図である。
【
図7】(a)は
図3の吸込具が備える回転清掃体を示す平面図、(b)は同図(a)の回転清掃体を示す分解図である。
【
図8】(a)は回転清掃体内筒の左側面図、(b)は回転清掃体内筒の右側面図である。
【
図9】(a)は蓋部材の斜視図、(b)は蓋部材の右側面図である。
【
図11】変形例にかかる吸込具について、吸込具本体の天面を取り外した状態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態に係る電気掃除機10について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、添付図面は電気掃除機10の各部を模式的に示したものであり、必ずしも大きさを正確な比率で記したものではない。また、図中、同様の構成部品は、同様の符号を付して示す。また、本明細書において上下左右や前後等の位置関係を示す語句は、特に断りのない限り、
図1のように電気掃除機10を起立させて設置した状態を基準として説明する。以下の説明においては、電気掃除機10の構成について説明した後、電気掃除機10の動作について説明する。
【0013】
≪電気掃除機10の構成≫
図1に示すように、電気掃除機10は、スティック状(縦型)の外観を有する掃除機の一例である。電気掃除機10は、例えば、電源コードを介して外部電源から電力を得るもの等とすることも可能であるが、本実施形態では充電式の掃除機とされている。
図1に示すように、電気掃除機10は、掃除機本体20、及び吸込具40を備えている。
【0014】
掃除機本体20は、電気掃除機10の本体をなし、吸引力を発揮して集塵する機能を発揮する部分である。具体的には、掃除機本体20は、吸引力を発生させるための電動送風機22を有する筐体(本体部)20aと、吸引した空気に含まれている塵埃を集塵するための第一集塵部24とを備える。第一集塵部24は、筐体20aの一部として設けられてもよいし、筐体20aとは別体として着脱可能に設けられてもよい。第一集塵部24は、吸込具40側から到達した塵埃を捕捉して集めるものである。第一集塵部24は、例えば、いわゆる紙パック式のものや、いわゆるサイクロン式のものなどとすると良い。掃除機本体20は、電動送風機22及び第一集塵部24に加え、例えば、電動送風機22やその他の電子部品を駆動する駆動回路、電力を供給するための充電池、及びその他の部品を筐体20aに備えている。
【0015】
また、掃除機本体20は、ハンドルに把持部26及び操作部28を備えている。把持部26は、電気掃除機10の使用者が掃除機本体20を把持するために設けられた部分である。すなわち、電気掃除機10は、例えば把持部26を握ることにより、掃除機本体20を保持できる。また、操作部28は、電気掃除機10の操作を行うためのものである。操作部28は、例えば
図1のように把持部26の近傍に設けることより、使用者が把持部26を把持しながら操作可能なように設けることができる。
【0016】
また、掃除機本体20は、筐体20aに吸込具接続部22bを有する。吸込具接続部22bは、掃除機本体20に対し、吸込具40の継手部44が接続される部分である。また、吸込具接続部22bは、第一集塵部24と連通している。そのため、吸込具接続部22bに対して吸込具40の継手部44を接続することにより、吸込具40側と第一集塵部24とを繋ぐ経路が形成される。
【0017】
吸込具40は、外部から空気や塵埃を吸い込むためのものである。
図2に示すように、吸込具40は、吸込具本体42、継手部44、回転清掃体46、清掃体駆動部48(駆動部)、塵埃除去部50、及び通電部52等を備えている。
【0018】
吸込具本体42は、清掃時に床に配置される部分であり、清掃時にユーザにより動作される方向である前後方向に対して、左右方向に長い形状を有する。
図3~
図5に示すように、吸込具本体42は、回転清掃体配置部60、吸込口62、第二集塵部64、配線収容部66、及び区画壁68を有する。なお、第一集塵部24と第二集塵部64とで、集塵部30が構成される。
【0019】
回転清掃体配置部60は、回転清掃体46が配される部分である。回転清掃体配置部60は、吸込具本体42の左右方向に延び、回転清掃体46を収容可能な中空の空間を有する。また、回転清掃体配置部60は、吸込具本体42の長手方向の一端側(図示例では右端側)に開閉部65を有する。
図6に示すように、回転清掃体配置部60は、開閉部65に設けられたロック機構65aを開状態として、吸込具本体42の長手方向一端側の部分を軸線方向にスライドして取り外して開放させ、回転清掃体46を挿入離脱させることができる。開閉部65は、例えば、回転清掃体配置部60の軸線方向に着脱可能なものや、回転清掃体配置部60から外れた位置に設けられた回転軸を中心として回動させることにより回転清掃体配置部60を開閉可能なもの等とすることができる。本実施形態では、
図6に示すように、開閉部65は、回転清掃体配置部60の軸線方向に着脱可能なものとされている。
【0020】
また、回転清掃体配置部60は、吸込具本体42の左右方向両端部に回転清掃体支持部70を有する。回転清掃体支持部70は、回転清掃体46を回転可能に支持するものである。回転清掃体支持部70は、吸込具本体42の左右方向一端側(図示例では左端側)に配される第一支持部72と、他端側(図示例では右端側)に配される第二支持部74とを有する。
【0021】
第一支持部72は、吸込具本体42に対して取り付けられたベアリング72aを備えている。
図5に示すように、第一支持部72は、ベアリング72aが内挿されるように回転清掃体46の一端側を差し込むことにより、回転清掃体46を回転可能に支持できる。
【0022】
図6に示すように、第二支持部74は、軸受74a、従動軸74b、及び内挿筒部74cを備えている。第二支持部74は、上述した開閉部65に設けられている。軸受74aは、貫通孔を有する弾性部材であり、開閉部65において第一支持部72と対向する面に設けられている。より具体的には、軸受74aは従動軸74に挿入された状態で、従動軸74に係止される。また、従動軸74bは、基端部が内挿筒部74cに回転可能に支持され、第一支持部72側に向けて突出している。従動軸74bの先端部には、後に詳述する回転清掃体46の蓋部材84に設けられた軸被係合部84fと係合するように形成された軸係合部74dが設けられている。本実施形態では、軸係合部74dは、正面視でY字状となるように形成されている。内挿筒部74cは、回転清掃体46の端部に内挿される筒状の部分である。内挿筒部74cは、従動軸74bよりも外周側において、従動軸74bと同様に第一支持部72側に向けて突出している。
【0023】
吸込口62は、吸込具本体42の底面側において、塵埃を吸い込むために開口した部分である。本実施形態では、吸込口62が形成された吸込空間に、回転清掃体配置部60を有する。
【0024】
第二集塵部64は、回転清掃体46の回転に伴い、吸込口62から導入された塵埃を集塵するものである。
図3~
図5に示すように、第二集塵部64は、第一集塵部24と吸込口62とを繋ぐ塵埃の通過経路において第一集塵部24よりも吸込口62側の位置に設けられている。第二集塵部64は、例えば吸込具本体42に対して着脱可能なもの等、吸込具本体42とは別体の部材として設けられても良いが、本実施形態では吸込具本体42の一部を構成するものとして設けられている。第二集塵部64は、回転清掃体46と後述する連通部45との間に配され、回転清掃体46の軸方向に沿って空間が延びている。第二集塵部64は、少なくとも一部が透過性を有するものとされている。本実施形態では、吸込具本体42の天面側に露出する部分が透過性を有するものとされている。そのため、第二集塵部64は、塵埃の有無を外部から視認可能とされている。
【0025】
第二集塵部64は、取込口64aと排出口64bとを有する。取込口64aは、第二集塵部64と回転清掃体配置部60との境界部分に設けられており、吸込口62から取り込まれた塵埃を第二集塵部64に受け入れ可能なように開口している。また、排出口64bは、第二集塵部64から塵埃を導出するための開口である。排出口64bは、第二集塵部64のいずれの位置に設けられていても良いが、本実施形態では取込口64aに対向する位置に設けられている。排出口64bは、後に詳述する継手部44と第二集塵部64とを繋ぐ連通部45に対して連通しており、連通部45の端部に形成される。
【0026】
配線収容部66は、後に詳述する清掃体駆動部48に対して電力供給するための配線67を収容するためのものである。
図5に示すように、配線収容部66は、塵埃の通過経路から外れた位置において配線67を配策可能とされている。本実施形態では、配線収容部66が第二集塵部64に対して電気掃除機10の背面側に外れた位置に設けられている。また、配線収容部66は、第二集塵部64との間に設けられた区画壁68により、第二集塵部64から塵埃が流入しないように隔離されている。
【0027】
継手部44は、上述した吸込具本体42において、電気掃除機10の背面側となる位置において、連通部45を介して第二集塵部64に対して連通するように設けられている。継手部44は、吸込具本体42に対して所定の回転範囲(前後方向及び左右方向の少なくとも一方)で回転可能に取り付けられている。継手部44は、上述した掃除機本体20の吸込具接続部22bに対して接続される部分である。継手部44は、筒状とされており、基端部において第二集塵部64と連通している。
【0028】
図3~
図5に示すように、回転清掃体46は、吸込具本体42の回転清掃体配置部60に収容され、回転清掃体支持部70により回転可能に支持される筒状の部材である。回転清掃体46は、後に詳述する清掃体駆動部48により動力を受けて、回転清掃体配置部60にて回転可能とされている。
図7に示すように、回転清掃体46は、清掃体本体80、清掃体内筒82、及び蓋部材84を備えている。
【0029】
清掃体本体80は、回転清掃体配置部60に収まる大きさの筒状の部材である。清掃体本体80は、例えば外周部にブラシやブレードを設けたもの等とすることができるが、本実施形態では、複数のカットパイル糸を有する基布からなる清掃部材80aを清掃体内筒82の外周部に螺旋状に巻き付けたものとされている。
【0030】
清掃体内筒82は、清掃体本体80の内側に内挿される筒状の部材である。清掃体内筒82の長手方向中間部には、内筒側係合部材86(
図8(a)参照)が設けられている。内筒側係合部材86は、清掃体内筒82に対して周方向、及び軸線方向に移動しないように固定されている。内筒側係合部材86には、後に詳述する清掃体駆動部48の駆動部側係合部48dと係合する内筒側係合部86aが設けられている。本実施形態では、内筒側係合部86aとして、正面視で十文字状の凹部が設けられている。
図7(b)に示すように、清掃体内筒82は、長手方向一端側(第一支持部72によって支持される側)において外側に突出した内筒フランジ部82aを有する。また、
図8(b)に示すように、清掃体内筒82は、長手方向他端側(第二支持部74によって支持される側)に内筒係合部82bが設けられている。内筒係合部82bは、清掃体内筒82の軸線方向に延びるとともに、径方向内側に突出した突条とされている。内筒係合部82bは、清掃体内筒82の周方向に複数、所定の間隔毎に設けられている。
【0031】
図7(a)に示すように、蓋部材84は、清掃体本体80の内側に清掃体内筒82を内挿した状態において、長手方向他端側(第二支持部74によって支持される側)に装着される部材である。
図7(b)及び
図9に示すように、蓋部材84は、清掃体内筒82の長手方向他端側に挿入される挿入部84aと、挿入部84aよりも外側に膨出したフランジ部84bとを有する。挿入部84aの外周部には、清掃体内筒82の内筒係合部82bと係合する蓋係合部84cが設けられている。蓋係合部84cは、軸線方向に延びる凹溝とされており、内筒係合部82bに対応する位置に設けられている。そのため、蓋係合部84cを内筒係合部82bに位置合わせして、挿入部84aを清掃体内筒82の軸線方向に差し込むことにより、蓋部材84を清掃体内筒82に対して回動しないように装着することができる。また、
図7(a)に示すように、フランジ部84bが清掃体内筒82の端部に当接するまで蓋部材84を差し込むことにより、清掃体内筒82の外周側にある清掃体本体80を軸線方向にずれないように位置決めできる。
【0032】
また、挿入部84aは、清掃体内筒82に対して蓋部材84を装着した状態において、清掃体内筒82の軸線方向外側に向く側から第二支持部74の従動軸74b、軸受74aおよび内挿筒部74cを挿入可能とされている。具体的には、
図9(a),(b)に示すように、挿入部84aは、軸心位置に従動軸74bを挿入可能な従動軸挿入部84dを有する。また、挿入部84aは、従動軸挿入部84dに対して径方向外側に、内挿筒部74cを挿入可能な環状の内挿筒挿入部84eを有する。さらに、従動軸挿入部84dの内側には、従動軸74bの軸係合部74dが係合可能な軸被係合部84fが設けられている。そのため、清掃体内筒82の端部に蓋部材84を取り付けた状態において、第二支持部74の従動軸74b及び内挿筒部74cを、従動軸挿入部84d及び内挿筒挿入部84eに挿入することにより、蓋部材84と従動軸74bとが回動可能なように連結された状態とすることができる。
【0033】
回転清掃体46は、
図6において矢印で示すように、清掃体本体80に対して清掃体内筒82を内挿することにより、
図4や
図5に示すように内筒フランジ部82aに当接する状態とするとともに、内筒フランジ部82a側の端部において清掃体内筒82の内側に第一支持部72をなすベアリング72aを内挿させることにより、第一支持部72に対して回転可能に支持された状態とすることができる。また、
図6において矢印で示すように、回転清掃体46は、清掃体内筒82の端部に取り付けられた蓋部材84の従動軸挿入部84d及び内挿筒挿入部84eに対し、第二支持部74の軸受74a、従動軸74b及び内挿筒部74cを挿入することにより、
図4や
図5に示すように第二支持部74に対して回転可能に支持された状態とすることができる。
【0034】
清掃体駆動部48は、上述した回転清掃体46に対して駆動力を付与して回転させるものである。本実施形態では、清掃体駆動部48は、回転清掃体46の内部に内蔵されるものとされている。具体的には、
図6に示すように、清掃体駆動部48は、第一支持部72側に設けられたマウント48aに対し、駆動装置48bを取り付けたものとされている。具体的には、中空のマウント48a内に、駆動装置48bを取り付けたものとされている。
【0035】
清掃体駆動部48は、回転清掃体46(清掃体内筒82)に内挿可能な大きさとされている。駆動装置48bは、モータと減速機とを一体化したものとされている。駆動装置48bは、モータの回転動力を減速機によって減速した状態で出力可能な出力軸48cを有する。出力軸48cには、清掃体内筒82の内部に設けられている内筒側係合部86aに対して係合可能な駆動部側係合部48dが設けられている。駆動部側係合部48dは、出力軸48cの軸線方向に対して交差(本実施形態では略直交)する方向に突出している。清掃体駆動部48は、駆動部側係合部48dと内筒側係合部86aとを係合させた状態において駆動させることにより、回転清掃体46を回転させることができる。
【0036】
図10に示した塵埃除去部50は、回転清掃体46に付着する塵埃を除去するためのものである。塵埃除去部50は、回転清掃体46が回転する回転清掃体配置部60と、第二集塵部64との境界部分に設けられている。塵埃除去部50は、回転清掃体46に沿って延びている。また、塵埃除去部50は、回転清掃体46の表面に設けられた清掃部材80aに対して当接する位置に設けられている。塵埃除去部50は、例えばブレード状の形状等とすることができるが、本実施形態では櫛歯状の形状とされている。塵埃除去部50は、塵埃を回転清掃体46の表面から効率良く掻き落とすことができるとともに、塵埃を第二集塵部64側に掻き落とすのに適した姿勢で設けられている。
【0037】
通電部52は、清掃体駆動部48に対し、配線収容部66に配策された配線67を介して電気的に接続された端子である。通電部52をなす端子は、継手部44を掃除機本体20の吸込具接続部22bに対して接続することにより、掃除機本体20側に設けられた端子に対して電気的に接続される。これにより、掃除機本体20側から清掃体駆動部48に電力を供給し、回転清掃体46を回転させることができる。
【0038】
≪電気掃除機10の動作≫
電気掃除機10は、第一清掃モード、及び第二清掃モードを含む、複数の動作モードで動作可能とされている。本実施形態では、電気掃除機10は、操作部28を介して切り替え操作することにより、動作モードを選択可能とされている。
【0039】
第一清掃モードは、電動送風機22の駆動を停止させた状態において、清掃体駆動部48を駆動させる動作モードである。第一清掃モードにおいては、電動送風機22が停止状態とされるため、電動送風機22による吸引力は発生しない。一方、第一清掃モードにおいては、清掃体駆動部48を駆動させるため、回転清掃体46が回転し、清掃面の塵埃を掻き取る。第一清掃モードにおいては、回転清掃体46の回転により塵埃が第二集塵部64に集められる。第一清掃モードにおいては、電動送風機22による吸引力が作用しないため、第二集塵部64に集められた塵埃は、第二集塵部64に留まる。
【0040】
第二清掃モードは、電動送風機22を駆動させる動作モードである。第二清掃モードにおいては、電動送風機22が駆動状態とされ、吸引力が発生する。また、第二清掃モードでの運転前に、第一清掃モードでの運転により集められた第二集塵部64に塵埃が溜まっている場合には、第二清掃モードでの運転を開始することにより、第二集塵部64に溜まっていた塵埃が電動送風機22による吸引力によって第一集塵部24に回収することができる。また、第二清掃モードは、電動送風機22とともに、清掃体駆動部48を駆動させてもよい。これにより、清掃体駆動部48の駆動で回転清掃体46が回転するため、回転清掃体46により集められた塵埃が第二集塵部64を経て、吸引力により第一集塵部24に集められる。例えば、ユーザは、騒音を発生させたくないタイミング(夜間や子供が寝ている間)に第一清掃モードで清掃を行い、他のタイミングに第二清掃モードで清掃を行うことができるので、状況に応じた清掃が可能となる。
【0041】
≪変形例≫
上述した電気掃除機10は、本発明の一例を示したものに過ぎず、例えば以下に示すような構成としても良い。
【0042】
上述した電気掃除機10は、操作部28によりモードの切替操作を行えるものであるが、本発明はこれに限定されず、操作部28に代えて、あるいは操作部28に加えて音声認識により操作を受け付ける音声認識部を備えたものとすることができる。かかる構成とする場合には、複数のモードのいずれかを示す音声を音声認識部が認識することを条件として、認識したモードに切り替えるようにすると良い。このような構成とした場合、上述した電気掃除機10のように、使用者が自ら手に持つなどして使用するタイプの掃除機だけでなく、例えばいわゆるロボット掃除機のように使用者が触れることなく動作するタイプの掃除機等においてもモードの切り替えを容易に行えるようになる。
【0043】
上述した電気掃除機10は、第一清掃モードにおいて電動送風機22を停止させ、第二清掃モードにおいて電動送風機22を駆動させる構成を例示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、第一清掃モード及び第二清掃モードに代えて、あるいは第一清掃モード及び第二清掃モードに加えて、第一パラメータで電動送風機22を駆動させる第一駆動モードと、第一パラメータより大きい第二パラメータで電動送風機22を駆動させる第二駆動モードとを備えたもの等とすると良い。なお、第一,第二駆動モードでは、電動送風機22とともに、清掃体駆動部48を駆動させてもよい。ここでのパラメータは、電動送風機22の回転数であってもよいし、電動送風機22による吸引力を示す値であってもよいし、吸込口62に作用する負圧を示す値であってもよい。電気掃除機10は、第一清掃モード及び第二清掃モードの切り替えのように、電動送風機22をオンオフする制御を行うものだけでなく、第一駆動モード及び第二駆動モードのように電動送風機22の出力調整を行うことで吸引力を変化させるようにしても良い。このような構成とすることにより、電気掃除機10は、電動送風機22が第一パラメータ(例えば低回転数)で作動する第一駆動モードにおいて、電動送風機22の駆動に伴う騒音を抑制した清掃を行う一方、電動送風機22が第二パラメータ(例えば高回転数)で作動する第二駆動モードにおいては電動送風機22による吸引力が十分に作用する状態で清掃を行えるものとなる。例えば、第一駆動モードでは、第二集塵部64に塵埃が到達するパラメータを第一パラメータとし、第二駆動モードでは、第一集塵部24に塵埃が到達するパラメータを第二パラメータとして電動送風機22が動作するよう設定すれば、状況に応じた清掃が可能となる。
【0044】
上述した電気掃除機10は、第二集塵部64において塵埃を受け入れる取込口64aが常時開口した形態のものを例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、電気掃除機10は、取込口64aに開閉可能な取込口弁体を設けた構成とすると良い。電気掃除機10は、かかる構成とすることにより、振動等によって第二集塵部64に集められた塵埃が第二集塵部64から漏出するのを抑制できる。
【0045】
上述した電気掃除機10は、第二集塵部64において塵埃を第一集塵部24側に排出するための排出口64bが常時開口した形態のものを例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、電気掃除機10は、排出口64bに開閉可能な排出口弁体を設けた構成とすると良い。かかる構成によれば、第二集塵部64から第一集塵部24側に排出された塵埃が、振動等によって第二集塵部64内に戻るのを抑制できる。
【0046】
上述した電気掃除機10は、スティック状の外観を有する掃除機の一例であるが、本発明はこれに限定されず、例えばキャニスター型の掃除機(本体部と第一集塵部とを備える掃除機本体と、ハンドルと、ホースを介して掃除機本体と連通する吸込具40と、ハンドルと吸込具40とが延長管を介して接続される構成)や、いわゆるロボット掃除機等とすることも可能である。また、自走するロボット掃除機のように、掃除機本体20と吸込具40とが別体とされたものでない場合には、電気掃除機10のように、掃除機本体20に第一集塵部24を設け、吸込具40に第二集塵部64を設けた構成とする必要はなく、同一の筐体内などに第一集塵部24及び第二集塵部64を配した構成としても良い。この場合においても、第二集塵部64は、第一集塵部24側に排出する排出口64bを端部に有する連通部と回転清掃体46との間に配される。
【0047】
また、上述した電気掃除機10は、掃除機本体20と吸込具40とを接続する延長管を備えていない形態の掃除機であるが、本発明はこれに限定されるものではない。掃除機本体20と吸込具40とを接続する延長管を有する形態の掃除機とすることも可能である。この場合の電気掃除機は、吸引力を発生させるための電動送風機22を有する本体部20aと、塵埃を集塵するための第一集塵部24とを備える掃除機本体20と、吸込具40と、本体部20aの第一方向の一方側に設けられたハンドルと、本体部20aの接続部と吸込具40とを接続する延長管とを備え、本体部20aは、第一方向に沿って延びる延伸部において、第一方向の他方側に接続部を有し、第一方向と直交する第二方向において延伸部と第一集塵部24とが並ぶ構成とすることができる。なお、第一集塵部24は、本体部20aに着脱可能な構成である。
【0048】
上述した電気掃除機10は、回転清掃体46内部に清掃体駆動部48が配される構成であったが、これに限定されるものではない。清掃体駆動部48は、回転清掃体46の外部に設けられたモータ等の駆動源と回転清掃体46とを無端ベルト等の動力伝達部材によって動力伝達可能に接続したもの等とすることもできる。
【0049】
上述した電気掃除機10において、第二集塵部64は、取込口64a側から排出口64b側に向けていずれの箇所においても幅が略同一になるように形成した例を示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、
図11に示すように、第二集塵部64は、取込口64a側から排出口64b側に向かうにつれて、回転清掃体48の軸方向に沿った幅が減少するように形成されても良い。かかる構成とすることにより、電動送風機22による吸引力が作用した場合に、第二集塵部64に流入した塵埃を、取込口64a側から排出口64b側に向けてスムーズに吸引することができる。
【0050】
上述した実施形態及び変形例に係る電気掃除機10は、(1-1)~(1-7)に係る構成を備えていることにより、例えば以下に示すような効果を発揮可能なものとされている。
【0051】
(1-1)電気掃除機10は、吸引力を発生させる電動送風機(電動送風機22)と、塵埃が集塵される集塵部(集塵部30)と、塵埃を吸い込むための吸込口(吸込口62)と、清掃体駆動部(清掃体駆動部48)の駆動によって回転する回転清掃体(回転清掃体46)と、複数のモードのいずれかに切り替え可能な操作部(操作部28)と、を備え、集塵部は、第一集塵部(第一集塵部24)、及び第一集塵部と吸込口とを繋ぐ経路において第一集塵部よりも吸込口側に配された第二集塵部(第二集塵部64)を有するものであり、複数のモードは、電動送風機の駆動を停止させた状態で清掃体駆動部を駆動させる第一清掃モード、及び電動送風機を駆動させる第二清掃モードを含むことを特徴とする、ものである。
【0052】
電気掃除機10は、第一清掃モードで動作させることにより、電動送風機の駆動を停止させた状態で清掃体駆動部を駆動させることにより電動送風機の駆動音を発生させることなく、回転清掃体を回転させて清掃する使い方が可能である。また、電気掃除機10は、集塵部が、第一集塵部に加え、第一集塵部に対して吸込口側に配された第二集塵部を備えたものとされている。そのため、電気掃除機10は、電動送風機による吸引力が発生しない第一清掃モードで動作させる際に、回転清掃体の回転により集められた塵埃を、第二集塵部に集めておくことができる。
【0053】
一方、電気掃除機10は、第二清掃モードにより、電動送風機を駆動させることにより、電動送風機による吸引力を利用した清掃を行える。また、電気掃除機10は、第二集塵部に対して吸込口から離れる方向(吸引方向)に離れた位置に、第一集塵部を備えている。そのため、電気掃除機10は、第一清掃モードでの動作によって第二集塵部に集められていた塵埃を、電動送風機による吸引力により第一集塵部に集めることができる。
【0054】
上述したように、電気掃除機10は、集塵部が第一集塵部及び第二集塵部を備えたものであるとともに、第一清掃モード及び第二清掃モードを含む複数のモードで動作可能とされている。これにより、電気掃除機10は、電動送風機による吸引力を利用した清掃と、回転ブラシの回転による清掃とを使い分けることが可能なものとされている。
【0055】
(1-2)電気掃除機10は、音声を認識する音声認識部を、操作部に代えて、又は操作部とともに備え、複数のモードのいずれかを示す音声を音声認識部が認識することを条件として、該認識したモードに切り替えることを特徴とするものであると良い。
【0056】
かかる構成によれば、電気掃除機10を上記実施形態のように使用者が自ら手に持つなどして使用するタイプの掃除機とする場合だけでなく、例えばいわゆるロボット掃除機のように使用者が触れることなく動作(自走)するタイプの掃除機等とした場合においてもモードの切り替えを容易に行えるようになる。
【0057】
(1-3)電気掃除機10は、回転清掃体を回転可能に支持する吸込具本体(吸込具本体42)を備え、第二集塵部は、吸込具本体の一部を構成するものであり、第二集塵部のうち吸込具本体を構成する部分が、透過性を有することを特徴とするものであると良い。
【0058】
かかる構成とすることにより、電気掃除機10は、第二集塵部において透過性を有する部分から、第二集塵部の内部に集められた塵埃を視認可能なものとなる。これにより、電気掃除機10は、回転清掃体による清掃の成果を確認したり、第二集塵部への塵埃の溜まり具合を確認しつつ清掃を行ったりする使い方で使用できる。
【0059】
なお、電気掃除機10は、第二集塵部の全体が透過性を有さず、内部を視認できないものとすることも可能である。かかる構成の電気掃除機10は、第二集塵部に溜まった塵埃を視認できない反面、第二集塵部の内部が見える場合と比べて第二集塵部の外観を向上させることができる。
【0060】
(1-4)電気掃除機10は、回転清掃体を回転可能に支持する吸込具本体を有し、第二集塵部は、吸込具本体に着脱可能に設けられることを特徴とするものであると良い。
【0061】
かかる構成とすることにより、電気掃除機10は、第二集塵部を適宜取り外し、第二集塵部に集められた塵埃を廃棄したり、第二集塵部を清掃する等のメンテナンスが行いやすくなる。
【0062】
なお、電気掃除機10は、第二集塵部を吸込具本体から取り外せないものとすることも可能である。このような構成とした場合、電気掃除機10は、第二集塵部を取り外してメンテナンス等を行うことができなくなる反面、吸込具本体から予期せず脱落した状態で使用される等の問題を抑制できる。
【0063】
(1-5)電気掃除機10は、回転清掃体に付着する塵埃を除去する塵埃除去部(塵埃除去部50)を備えることを特徴とするものであると良い。
【0064】
かかる構成とされた電気掃除機10は、回転清掃体による清掃に伴い、回転清掃体に付着した塵埃を塵埃除去部によって除去できる。そのため、塵埃除去部を設けた電気掃除機10は、回転清掃体を清浄な状態で維持しつつ、回転清掃体による清掃を行うことができる。また、回転清掃体に付着する塵埃を掻き取って、第二集塵部に溜め易くすることができる。
【0065】
なお、電気掃除機10は、例えば回転清掃体を清浄に維持するための他の構成を備えていたり、回転清掃体から塵埃を積極的に脱落させる必要がなかったりする場合には、塵埃除去部を備えていないものとすることも可能である。これにより、電気掃除機10は、塵埃除去部を備えていない分だけ構成がシンプルなものとなる。
【0066】
(1-6)電気掃除機10は、回転清掃体が配される回転清掃体配置部(回転清掃体配置部60)を有し、第二集塵部は、回転清掃体配置部に対して連通していることを特徴とする、ものであると良い。
【0067】
かかる構成を採用した電気掃除機10は、回転清掃体の回転に伴って回転清掃体配置部の内部に入った塵埃を、第二集塵部にスムーズに導入して回収することができる。
(1-7)電気掃除機10は、第二清掃モードにおいて、電動送風機及び清掃体駆動部を駆動させることを特徴とするものであると良い。
【0068】
ここで、特許文献1(実公昭53-134769号公報)に開示されている掃除機は、回転ブラシと電動機とともに集塵箱を本体内に備えるものであり、電動送風機を有さないために駆動により生じる音が発生せず、清掃における騒音を抑えることが可能となる。しかしながら、かかる従来技術の掃除機は、電動送風機の吸引を利用しないため、例えば絨毯やカーペットに付着した塵埃を本体に取り込むことが難しいといった問題がある。
【0069】
そこで、本発明においては、電動送風機の駆動による騒音の発生を抑制した清掃が可能な掃除機を実現することを目的とした。
【0070】
かかる目的を達成すべく、上述した実施形態及び変形例に係る電気掃除機10は、(2-1)~(2-3)のような構成を採用している。これにより、電気掃除機10は、以下に記載のような効果が得られる。
【0071】
(2-1)電気掃除機10は、吸引力を発生させる電動送風機(電動送風機22)と、塵埃が集塵される集塵部(集塵部30)と、塵埃を吸い込むための吸込口(吸込口62)と、複数のモードのいずれかに切り替え可能な操作部(操作部28)と、を備え、集塵部は、第一集塵部(第一集塵部24)、及び第一集塵部と吸込口とを繋ぐ経路において第一集塵部よりも吸込口側に配された第二集塵部(第二集塵部64)を有するものであり、複数のモードは、第一パラメータで電動送風機を駆動させる第一駆動モードと、第一パラメータより大きい第二パラメータで電動送風機を駆動させる第二駆動モードとを含むことを特徴とするものである。
【0072】
かかる構成を採用した電気掃除機10は、電動送風機が第一パラメータで作動する第一駆動モードにおいて、電動送風機の駆動に伴う騒音を抑制した清掃を行う一方、電動送風機が第二パラメータで作動する第二駆動モードにおいては電動送風機による吸引力が十分に作用する状態で清掃を行える。従って、電動送風機の駆動による騒音の発生を抑制した清掃が可能となる。
【0073】
(2-2)電気掃除機10は、第二集塵部は、吸込口から吸い込まれた塵埃を受け入れる取込口(取込口64a)と、取込口に開閉可能に設けられる取込口弁体と、を有することを特徴とするものであると良い。
【0074】
このような構成の電気掃除機10は、振動等によって第二集塵部に集められた塵埃が第二集塵部から漏出するのを抑制できる。
【0075】
なお、電気掃除機10は、第二集塵部の取込口に取込口弁体を設けないものとすることも可能である。かかる構成の電気掃除機10は、取込口弁体がない分だけ構成がシンプルであると共に、取込口弁体を設けることによる吸引抵抗の増大を抑制できる。
【0076】
(2-3)電気掃除機10は、第二集塵部は、塵埃を第一集塵部側に排出するための排出口(排出口64b)と、排出口に開閉可能に設けられる排出口弁体と、を有することを特徴とするものであると良い。
【0077】
このような構成の電気掃除機10は、振動等によって第一集塵部側に吸引された塵埃が、振動等の影響によって第二集塵部側に戻るのを抑制できる。
【0078】
なお、電気掃除機10は、第二集塵部の排出口に排出口弁体を設けないものとすることも可能である。かかる構成の電気掃除機10は、排出口弁体がない分だけ構成がシンプルであると共に、排出口弁体を設けることによる吸引抵抗の増大を抑制できる。
【0079】
ここで、特許文献1(実公昭53-134769号公報)に開示されている掃除機は、回転ブラシと電動機とともに集塵箱を本体内に備えるものであり、電動送風機を有さないために駆動により生じる音が発生せず、清掃における騒音を抑えることが可能となる。しかしながら、かかる従来技術の掃除機は、塵埃の収容量を増やすために集塵箱のサイズを大きくすれば、本体全体が大きくなるとった問題がある一方、本体全体の大きさを抑えるために集塵箱のサイズを小さくすれば、塵埃の収容量が減少するといった問題がある。
【0080】
そこで、本発明においては、塵埃の収容量を向上しつつ、電気掃除機の小型化を実現することを目的とした。
【0081】
かかる目的を達成すべく、上述した実施形態及び変形例に係る電気掃除機10は、(3-1)~(3-4)のような構成を採用している。これにより、電気掃除機10は、以下に記載のような効果が得られる。
【0082】
(3-1)電気掃除機10は、吸引力を発生させる電動送風機(電動送風機22)を有する本体部(本体部20a)と、塵埃が集塵される第一集塵部(第一集塵部24)とを備える掃除機本体(掃除機本体20)と、塵埃を吸い込むための吸込口(吸込口62)、及び塵埃が集塵される第二集塵部(第二集塵部64)を有する吸込具(吸込具40)とを備えることを特徴とするものである。
【0083】
電気掃除機10は、掃除機本体の第一集塵部に加え、吸込具に設けられた第二集塵部についても塵埃の収容に活用でき、その分だけ塵埃の収容量が高い。また、電気掃除機10は、第二集塵部が吸込具に設けられているため、第一集塵部の容量を大きく確保するために大型化しなくても良い。そのため、電気掃除機10は、塵埃の収容量を十分に確保しつつ、小型なものとすることができる。
【0084】
(3-2)電気掃除機10は、電動送風機の回転数の異なる複数のモードに切り替え可能であるモード切替部を備え、モードは、第一回転数で電動送風機を駆動させる第一駆動モードと、第一回転数より大きい第二回転数で電動送風機を駆動させる第二駆動モードとを含むものであると良い。
【0085】
電気掃除機10は、第一駆動モードにおいて、回転数の低い第一回転数で電動送風機を作動させて清掃を行える。これにより、電気掃除機10は、第一駆動モードにおいて、電動送風機の駆動に伴う騒音を抑制した状態で清掃を行える。その一方で、電気掃除機10は、電動送風機を高回転数である第二回転数で作動させる第二駆動モードにおいて、電動送風機による吸引力が十分に作用する状態で清掃を行える。従って、電気掃除機10は、電動送風機の駆動による騒音の発生を抑制した清掃が可能となる。
【0086】
なお、上述した構成とした場合、電気掃除機10は、電動送風機の動作を伴う第一駆動モード及び第二駆動モードで動作するものとなるが、本発明はこれに限定されない。具体的には、上記実施形態において示したように、電気掃除機10は、電動送風機を停止させた状態で回転清掃体を回転させる第一モードによる運転と、電動送風機を駆動させる第二モードによる運転とを、第一駆動モード及び第二駆動モードによる運転に代えて、あるいは第一駆動モード及び第二駆動モードによる運転に加えて行えるようにしても良い。
【0087】
(3-3)電気掃除機10は、第二集塵部は、吸込口から吸い込まれた塵埃を受け入れる取込口(取込口64a)と、取込口に開閉可能に設けられる取込口弁体と、を有することを特徴とするものであると良い。
【0088】
このような構成の電気掃除機10は、振動等によって第二集塵部に集められた塵埃が第二集塵部から漏出するのを抑制できる。
【0089】
なお、電気掃除機10は、第二集塵部の取込口に取込口弁体を設けないものとすることも可能である。かかる構成の電気掃除機10は、取込口弁体がない分だけ構成がシンプルであると共に、取込口弁体を設けることによる吸引抵抗の増大を抑制できる。
【0090】
(3-4)電気掃除機10は、第二集塵部は、塵埃を第一集塵部側に排出するための排出口(排出口64b)と、排出口に開閉可能に設けられる排出口弁体と、を有することを特徴とするものであると良い。
【0091】
このような構成の電気掃除機10は、振動等によって第一集塵部側に吸引された塵埃が、振動等の影響によって第二集塵部側に戻るのを抑制できる。
【0092】
ここで、特許文献1(実公昭53-134769号公報)に開示されている掃除機は、回転ブラシと電動機とともに集塵箱を本体内に備えたものとする場合、電動機等の機器類に対して接続される配線に塵埃が付着して予期せぬ故障等の原因になったり、配線が回転ブラシの回転を阻害したりする可能性がある。そのため、特許文献1のような掃除機においては、配線を塵埃が付着せず、回転ブラシから離れた場所に配策できるような構成とすることが求められる。
【0093】
そこで本発明においては、配線に塵埃が付着するのを抑制しつつ、回転清掃体の駆動を阻害しないように配線を配策可能とすることを目的とした。
【0094】
かかる目的を達成すべく、上述した実施形態及び変形例に係る電気掃除機10は、(4)のような構成を採用している。これにより、電気掃除機10は、以下に記載のような効果が得られる。
【0095】
(4)電気掃除機10は、吸引力を発生させる電動送風機(電動送風機22)を有する本体部(本体部20a)と、塵埃が集塵される第一集塵部(第一集塵部24)とを備える掃除機本体(掃除機本体20)と、塵埃を吸い込むための吸込口(吸込口62)を有する吸込具(吸込具40)とを備え、吸込具は、回転清掃体(回転清掃体46)を回転させる清掃体駆動部(清掃体駆動部48)と、塵埃が集塵される第二集塵部(第二集塵部64)と、清掃体駆動部と配線(配線67)を介して電気的に接続される通電部(通電部52)と、配線を収容する配線収容部(配線収容部66)と、配線収容部及び第二集塵部を区画する区画壁(区画壁68)と、を有することを特徴とするものである。
【0096】
電気掃除機10は、掃除機本体の第一集塵部とは別に、第二集塵部を吸込具に設けたものとされている。また、吸込具は、区画壁によって第二集塵部から隔離された配線収容部を有しており、その内部に清掃体駆動部と通電部とを繋ぐ配線が配策されている。電気掃除機10は、このような構成とされているため、配線に第二集塵部に集められた塵埃が付着するのを抑制しつつ、回転清掃体の駆動を阻害しないように配線を配策可能とすることができる。
【0097】
本願発明は、上述した実施の形態に記載の構成に限定されることなく、本願発明の技術的思想の範囲を逸脱しない範囲において適宜設計変更等することが可能である。上述した各実施の形態や変形例の構成要素は任意に選択して組み合わせて構成するとよい。また各実施の形態や変形例の任意の構成要素と、発明を解決するための手段、発明を実施するための形態等に記載の任意の構成要素または発明を解決するための手段、発明を実施するための形態等に記載の任意の構成要素を具体化した構成要素とは任意に組み合わせて構成するとよい。これらについても、本願または本願に基づく分割出願等において権利取得する意思を有する。
【産業上の利用可能性】
【0098】
本発明は、電動送風機及び電動送風機を備えた電気掃除機全般において好適に利用できる。
【符号の説明】
【0099】
10 :電気掃除機
20 :掃除機本体
22 :電動送風機
24 :第一集塵部
28 :操作部
30 :集塵部
40 :吸込具
42 :吸込具本体
46 :回転清掃体
48 :清掃体駆動部
50 :塵埃除去部
52 :通電部
60 :回転清掃体配置部
62 :吸込口
64 :第二集塵部
64a :取込口
64b :排出口
67 :配線
66 :配線収容部
68 :区画壁
70 :回転清掃体支持部