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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022178647
(43)【公開日】2022-12-02
(54)【発明の名称】現像装置及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/08 20060101AFI20221125BHJP
【FI】
G03G15/08 360
G03G15/08 390Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021085596
(22)【出願日】2021-05-20
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】関根 瑞恵
(72)【発明者】
【氏名】船田 敦
(72)【発明者】
【氏名】本郷 充俊
(72)【発明者】
【氏名】玉井 達也
【テーマコード(参考)】
2H077
【Fターム(参考)】
2H077AB02
2H077AB14
2H077AB15
2H077AB18
2H077AC02
2H077AC16
2H077AD06
2H077AE06
2H077BA08
2H077CA12
2H077EA03
2H077GA04
(57)【要約】      (修正有)
【課題】大型のヒートシンクを備える場合に比べ、小さく形成することができる現像装置及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】現像装置95は、筐体としてのハウジング300を有する。ハウジング300の内部には、現像剤を搬送する搬送路が形成されている。そして、現像剤の搬送路の一部には、冷却部200が配置されている。冷却部200は、ハウジング300の素材である樹脂よりも熱伝導率が高い素材であるアルミニウム又はアルミニウム合金からなるパイプ状部材である。冷却部200は、その配置部分で現像剤の搬送路の内面を覆い、当該搬送路の周方向に延びるように形成されている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
現像剤を搬送する中空の搬送路を備え、
前記搬送路を構成する面の一部を、他の部分に比べ熱伝導率が高い素材で形成した冷却部で形成する現像装置。
【請求項2】
前記搬送路は、ハウジングで覆われており、
前記ハウジングの前記冷却部の外側に位置する部分に、前記冷却部が当該ハウジングの外側に臨む開口部を備える請求項1に記載の現像装置。
【請求項3】
前記ハウジングは、長尺状の本体側ハウジングと、本体側ハウジングの一端部に位置する端部側ハウジングとで構成され、
前記開口部は、前記端部側ハウジングに備えられる請求項2に記載の現像装置。
【請求項4】
前記冷却部と前記端部側ハウジングとが接触する部分の間にシール部材を備える請求項3に記載の現像装置。
【請求項5】
前記開口部は現像装置が画像形成装置に設置された状態で当該画像形成装置内部に生じる空気流に触れる位置に設けられる請求項2~4の何れか1項に記載の現像装置。
【請求項6】
前記開口部は、前記搬送路の現像剤の搬送方向に平行する面に設けられる請求項2~5の何れか1項に記載の現像装置。
【請求項7】
前記冷却部は、前記搬送路の周方向に延びるパイプ状に形成される請求項1~6の何れか1項に記載の現像装置。
【請求項8】
請求項1~7の何れか1項に記載の現像装置と、
前記冷却部に向けて送風する送風装置とを備える画像形成装置。
【請求項9】
画像形成装置内部へ空気を吸気する吸気部と、前記空気を排気する排気部とを備え、
前記現像装置が当該画像形成装置に設置された状態で、前記吸気部側に前記冷却部を配置する請求項8に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現像装置及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、現像剤を収容する現像容器と、概現像剤を攪拌しながら搬送するアジテータと、概アジテータで搬送された概現像剤を表面に吸着して回転する現像スリーブと、概現像スリーブの表面に対して一様な微小ギャップを設けて配設され、概現像スリーブの表面に吸着した概現像剤の吸着量を薄く均一に規制するための現像ブレードと、を有する現像器およびこれを備える画像形成装置において、概現像容器の内部で概アジテータに接触し、概アジテータの熱を吸熱する冷却手段と、概現像容器の内部で概現像スリーブに接触し、概現像スリーブの熱を吸熱する冷却手段と、概現像容器の内部で概現像ブレードに接触し、概現像ブレードの熱を吸熱する冷却手段の内の少なくとも1つの冷却手段を有し、概冷却手段の放熱部が、概現像容器の外部で、概画像形成装置を上視した場合の転写材の搬送領域外に配設されることを特徴とする現像器およびこれを備える画像形成装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003-114577号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、大型のヒートシンクを備える場合に比べ、小さく形成することができる現像装置及び画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1態様に係る現像装置は、現像剤を搬送する中空の搬送路を備え、前記搬送路を構成する面の一部を、他の部分に比べ熱伝導率が高い素材で形成した冷却部で形成する。
【0006】
第2態様に係る現像装置は、前記搬送路は、ハウジングで覆われており、前記ハウジングの前記冷却部の外側に位置する部分に、前記冷却部が当該ハウジングの外側に臨む開口部を備える。
【0007】
第3態様に係る現像装置は、前記ハウジングは、長尺状の本体側ハウジングと、本体側ハウジングの一端部に位置する端部側ハウジングとで構成され、前記開口部は、前記端部側ハウジングに備えられる。
【0008】
第4態様に係る現像装置は、前記冷却部と前記端部側ハウジングとが接触する部分の間にシール部材を備える。
【0009】
第5態様に係る現像装置は、前記開口部は現像装置が画像形成装置に設置された状態で当該画像形成装置内部に生じる空気流に触れる位置に設けられる。
【0010】
第6態様に係る現像装置は、前記開口部は、前記搬送路の現像剤の搬送方向に平行する面に設けられる。
【0011】
第7態様に係る現像装置は、前記冷却部は、前記搬送路の周方向に延びるパイプ状に形成される。
【0012】
第8態様に係る画像形成装置は、第1態様~第7態様の何れか1に記載の現像装置と、前記冷却部に向けて送風する送風装置とを備える。
【0013】
第9態様に係る画像形成装置は、画像形成装置内部へ空気を吸気する吸気部と、前記空気を排気する排気部とを備え、前記現像装置が当該画像形成装置に設置された状態で、前記吸気部側に前記冷却部を配置する。
【発明の効果】
【0014】
第1態様によれば、大型のヒートシンクを備える場合に比べ、小さく形成することができる現像装置を提供することができる。
【0015】
第2態様によれば、冷却部をハウジングの外側に臨ませない場合に比べ、冷却効果を高めることができる。
【0016】
第3態様によれば、長尺状の本体側ハウジングに開口部を備える場合に比べ、ハウジングの強度を保ちつつ、開口部を開けることができる。
【0017】
第4態様によれば、本体側ハウジングと冷却部との間にのみシール部材を配置したものと比較して、隙間から現像剤が漏れることを抑えることができる。
【0018】
第5態様によれば、開口部に臨む冷却部に空気流が触れない場合に比べ、冷却部の冷却効果を高めることができる。
【0019】
第6態様によれば、開口部が第2の搬送路の現像剤の搬送方向と平行する面以外に設けられる場合に比べ、冷却効果を高めることができる。
【0020】
第7態様によれば、冷却部が周方向の一部にだけ設けてあるような場合と比べ、冷却効果を高めることができる。
【0021】
第8態様によれば、送風装置からの風が冷却部に触れない場合に比べ、冷却部の冷却効果を高めることができる。
【0022】
第9態様によれば、冷却部が排気部側に配置された場合に比べ、冷却部の冷却効果を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置の構成を示す側面図である。
図2】本発明の実施形態に係る現像装置を示す外観斜視図である。
図3】本発明の実施形態に係る支持部を含む現像装置の端部を示す外観斜視図である。
図4】本発明の実施形態に係る現像装置の縦断面を含む外観斜視図である。
図5】本発明の実施形態に係る現像装置を示す縦断面図である。
図6】本発明の実施形態に係る現像装置を示す水平断面図である。
図7】本発明の実施形態に係る冷却部を取り外した第2の搬送路及び搬送部材を示す縦断面図である。
図8】本発明の実施形態に係る冷却部を取り付けた第2の搬送路及び搬送部材を示す縦断面図である。
図9】本発明の実施形態に係る現像装置の端部を示す背面図である。
図10】本発明の実施形態に係る他の冷却部の一例を示す外観斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、同じ構成要素及び同じ処理には全図面を通して同じ符号を付与し、重複する説明を省略する。
【0025】
図1は、画像形成装置の構成を示す側面図、図2は、現像装置を示す外観斜視図、図3は、支持部を含む現像装置の端部を示す外観斜視図、図4は、現像装置の縦断面を含む外観斜視図、図5は、現像装置を示す縦断面図、図6は、現像装置を示す水平断面図、図7は、冷却部を取り外した第2の搬送路及び搬送部材を示す縦断面図、図8は、冷却部を取り付けた第2の搬送路及び搬送部材を示す縦断面図、図9は、現像装置の端部を示す背面図、図10は、他の冷却部の一例を示す外観斜視図である。
【0026】
次に、本発明を実施するための形態を、図面を参照して説明する。図1には、本発明の実施形態で用いられる画像形成装置10が示されている。画像形成装置10は、画像形成装置本体12を有し、画像形成装置本体12内に、像形成部14と、転写装置16と、定着装置18と、給紙装置20とが配置されている。また、画像形成装置本体12内には、例えば用紙等の記録媒体を搬送するための搬送通路22が形成されている。
なお、本明細書及び図面では、便宜上、図1における画像形成装置10の左右方向をX軸方向、高さ方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向に直交する方向をZ軸方向として示している。また、図1の右方向をX軸方向の正側、上方向をY軸方向の正側、手前方向をZ軸方向の正側として定義し、他の図面でも対応する同様の方向で説明している。
【0027】
像形成部14は、電子写真方式が採用されていて、記録媒体に画像を形成する。像形成部14は、例えば4つ等、例えば複数の画像形成ユニット24を有する。4つの画像形成ユニット24は、例えば、イエロー、マゼンタ、シアン、黒等の互いに異なる色のトナー像を形成する。
【0028】
画像形成ユニット24は、感光体ドラム26を有する。感光体ドラム26は、像保持体の一例であって、記録媒体に転写されるトナー像を外周面に保持して回転する。また、画像形成ユニット24は、感光体ドラム26を帯電する帯電装置28、帯電した潜像をトナーにより現像する現像装置95及び転写後の感光体ドラム26を清掃する清掃装置32が設けられている。さらに帯電した感光体ドラム26に潜像を形成する光書込み装置48が設けられている。
【0029】
転写装置16は中間転写ベルト34を有する。中間転写ベルト34には、感光体ドラム26からそれぞれにトナー像が一次転写部材36により一次転写され、一次転写されたトナー像が二次転写部材38記録媒体に二次転写される。
【0030】
中間転写ベルト34は、複数の支持部材40によって回転することができるように支持されている。また、二次転写部材38に対向してバックアップ部材42が設けられている。
【0031】
定着装置18は、記録媒体に転写されたトナー像を、例えば熱と圧力とを用いて記録媒体に定着する。
【0032】
給紙装置20は、積層された状態にある記録媒体を収納する収納部44と、収納部44に収納された記録媒体を搬送通路22に向けて送り出す送出部材46とを有する。
【0033】
搬送通路22は、給紙装置20から二次転写部材38とバックアップ部材42との間へ記録媒体を搬送し、定着装置18へとさらに記録媒体を搬送し、画像形成装置本体12の外へと排出されるようにさらに記録媒体を搬送する。
【0034】
以上のように構成された画像形成装置10では、感光体ドラム26の外周面にそれぞれに形成されたトナー像が中間転写ベルト34へと一次転写され、中間転写ベルト34に一次転写されたトナー像が記録媒体に二次転写され、記録媒体に二次転写されたトナー像が定着装置18によって記録媒体に定着される。
【0035】
本実施の形態に係る画像形成装置10では、感光体ドラム26の静電潜像保持体上に形成された静電潜像を現像する現像装置95が使用されている。このような現像装置95としては、例えば、静電潜像保持体(感光体ドラム26)に対向して現像用開口が開設された筐体300(ハウジング)内に磁性を有するキャリアと樹脂を主体としたトナーとからなる二成分現像剤(以下、単に現像剤という)を収容し、このハウジングとしての筐体300の現像用開口に面した箇所に現像保持体としての現像ロール190を配設している。この現像ロール190の背面側に筐体300(ハウジング)内の搬送路内部の現像剤を撹拌及び搬送しながら現像ロールへと搬送する搬送部材としてのオーガーを配設しているものである。
【0036】
図1図9に示すように、本実施の形態に係る現像装置95は、感光体ドラム26に対向する部位が開口し現像剤を収容する筐体としてのハウジング300を有する。このハウジング300の開口に面して現像剤保持体である現像部材としての現像ロール190を配設する。筐体の一例としてのハウジング300の内部には、現像ロール190に隣接した部位に、現像剤を現像ロール190に供給可能に収容する第1の搬送路100と、第1の搬送路100に隣接配置され現像剤を第1の搬送路100に供給可能に収容する第2の搬送路150と、を備えている。第1の搬送路100と第2の搬送路150とは、図4に示すように、重力方向上下に隣接して配置され、第2の搬送路150は、第1の搬送路100の下側に位置するように形成されている。
【0037】
ここで、第1の搬送路100と、第2の搬送路150とは、仕切壁を介して互いに区画されていると共に、その軸方向両端部において互いに連通している。具体的には、手前側端部では、連通孔110(図5参照)が形成され、奥側端部では、連通孔(図示せず)が形成されている。ハウジング300内では、第2の搬送路150、手前側の連通孔110、第1の搬送路100、奥側の連通孔の順で現像剤が循環する。
【0038】
現像装置95は、ハウジング300内で現像剤を循環させる搬送力を付与する搬送部材を備えている。具体的には、現像装置95は、第1の搬送路100に配置されたサプライオーガー120と、第2の搬送路150に配置されたアドミックスオーガー170とを備えている。サプライオーガー120は、軸の外周に螺旋翼である主巻部180が形成されており、軸周りに回転することで、現像剤を現像ロール190に供給しながら所定の軸方向(例えば、図5中、Z軸方向の負側)に搬送する。アドミックスオーガー170は、軸の外周に螺旋翼である主巻部180が形成されており、軸周りに回転することで、現像剤をサプライオーガー120とは反対方向(例えば、図5中、Z軸方向の正側)に、撹拌しながら搬送する。サプライオーガー120は、第1の搬送部材の一例であり、アドミックスオーガー170は、第2の搬送部材の一例である。
【0039】
これらサプライオーガー120、アドミックスオーガー170の回転によって、上記の経路で現像剤Gが循環する。第2の搬送路150は、連通孔110よりも手前側に延びており、この部分には、アドミックスオーガー170における軸の外周に螺旋翼である逆巻部185が形成された部分が配置されている。逆巻部185によって主巻部180と逆向きの搬送力を現像剤に付与することで、主巻部によって連通孔110まで搬送されてきた現像剤が連通孔110に向けて持ち上げられることが促進される構成である。
【0040】
一方、第1の搬送路100は、連通孔110よりも手前側に延びており、余剰現像剤を排出する現像剤排出路186の一部を成している。現像剤排出路186は、第1の搬送路100における連通孔110よりもアドミックスオーガー170の逆巻部185を超えて手前側のZ方向正側に延びる部分と、該部分の端部から下方へ向けて延び、第2の搬送路150を上下に貫通する部分とから構成されている。現像剤排出路186が形成されていることで、劣化した現像剤を徐々に筐体300外部へ排出する、いわゆるトリクル方式が採用されているものである。現像剤排出路186におけるZ方向に延びる部分には、サプライオーガー120における主巻部180とは逆向きの搬送力を現像剤に付与する逆巻部185が形成された部分が配置されている。
【0041】
また、本実施形態では、ハウジング300には、第3の搬送部材であるカウンターオーガー196が配置された第3の搬送路195が形成されている。カウンターオーガー196は、軸周りに回転することで、現像ロール190で消費されなかった現像剤を第2の搬送路150に戻す。
【0042】
筐体300は、本体側ハウジング320と端部側ハウジング340とを接合することで構成されている。本体側ハウジング320には、第1の搬送路100、第2の搬送路150における連通孔110よりも若干手前側の部分までが形成されている。端部側ハウジング340には、第1の搬送路100、第2の搬送路150の残りの部分が形成されている。本体側ハウジング320と端部側ハウジング340とは、互いの端部間にシール部材156を挟み込んだ突き当て状態で、端部側ハウジング340側から締結部材342、344、346を本体側ハウジング320(筐体)にねじ込まれて、互いに固定されている。
【0043】
そして、図3図6に示すように、本実施の形態では、第2の搬送路150の連通孔110に隣接する位置に冷却部200が配置されている。冷却部200は、第2の搬送路150における連通孔110に対する手前側に配置されている。冷却部200は、筐体300の素材である樹脂よりも熱伝導率が高い素材であるアルミニウム又はアルミニウム合金からなるパイプ状部材である。冷却部200は、その配置部分で第2の搬送路150の内面を覆い、当該第2の搬送路150の周方向に延びるように形成されている。具体的には、冷却部200は、アドミックスオーガー170の逆巻部185を周囲から覆っている。
【0044】
冷却部200は、本体側ハウジング320と端部側ハウジング340とに挟み込まれて筐体300に固定されている。
【0045】
以下、具体的に説明する。本体側ハウジング320における第2の搬送路150の形成部分には、凹み部152が形成されている。凹み部152は、搬送路150よりも内径が広がった部分とされ、本体側ハウジング320における端部側ハウジング340の端部まで至っている。凹み部152の端部側ハウジング340側と反対側の端部は、該端部側ハウジング340側を向く突き当て面とされている。冷却部200は、凹み部152の突き当て面に突き当てられた状態で、Z方向負側の一部が凹み部152に内嵌めされている。
冷却部200の他の一部は、端部側ハウジング340に内嵌めされている。端部側ハウジング340と冷却部200における本体側ハウジング320側とは反対側の端部との間にはシール部材154が介在している。シール部材154には、上記した締結部材342、344、346による締結荷重が作用している。すなわち、上記した通り、冷却部200は、本体側ハウジング320と端部側ハウジング340とに、締結部材342、344、346による締結荷重により挟み込まれて筐体300に固定されている。
【0046】
なお、ここで、図8に示すように、冷却部200のパイプ内径と、第2の搬送路150の内径とは、同一となるように形成され、両者の内面は、段差が発生せずに連続するように形成されている。しかし、冷却部200のパイプ内径は、第2の搬送路150の内径よりも小さくなるように形成してもよい。これにより、逆巻部185により搬送される現像剤がスムーズに連通孔110側方向に搬送されることになる。
【0047】
また、ハウジング300における冷却部200の外側に位置する部分に、冷却部200がハウジングの外側に臨む開口部360が形成されている。開口部360は、ハウジングの内側と外側とを貫通した四角形の窓状に形成されており、冷却部200が筐体300の外側の空気と接触可能に構成されている。
【0048】
ここで、本実施の形態では、開口部360は、図2に示すように、筐体300(ハウジング)の斜め上方に臨む上側開口部362と、図9の背面図に示すように、筐体300(ハウジング)の下方に臨む下側開口部364との2箇所形成されている。また、開口部360は、第2の搬送路150の現像剤の搬送方向(Z軸方向の正側)に平行する面に設けられている。この実施形態では、上側開口部362及び下側開口部364は、端部側ハウジング340に形成されており、それぞれの本体側ハウジング320側の縁に上記したシール部材156が位置している。
【0049】
また、本実施の形態では、図2に示すように、画像形成装置10の内部へ空気を吸気する吸気部420と、当該空気を排気する排気部430とを備えている。なお、吸気部420は、画像形成装置10を図1に示す側から見た場合に、右側の板に開口する部分であり、排気部430は、図1に示す側から見た場合に、奥側の板に開口する部分である。また、図2に示すように、現像装置95が画像処理装置90に設置された状態で、排気部430側ではなく吸気部420側に冷却部200が配置される。また、吸気部420には、冷却部200に向けて送風する送風装置400を備える。そのため、開口部360は現像装置95が画像形成装置10に設置された状態で当該画像形成装置10内部に生じる空気流に触れる位置に設けられている。ここで、吸気部420は、画像形成装置10を図1に示す側から見た場合に、右側の板に開口する部分であり、排気部430は、図1に示す側から見た場合に、奥側の板に開口する部分である。なお、吸気部420や排気部430は1つに限定されず、各現像装置95に備えられてもよい。また、吸気部420から開口部360までつながるダクトを設け、吸気部420から取り込んだ空気を冷却部200に送り易くするようにしてもよい。
【0050】
(作用)
次に、上述した実施の形態の作用について説明する。
現像装置95では、サプライオーガー120、アドミックスオーガー170が回転すると、ハウジング300内では、第2の搬送路150、手前側の連通孔110、第1の搬送路100、奥側の連通孔の順で現像剤が循環する。
【0051】
上述した実施の形態では、第2の搬送路150内の現像剤の搬送方向(図5のZ軸方向の負側からZ軸方向の正側)を、第1の搬送路100の現像剤の搬送方向(図5のZ軸方向の正側からZ軸方向の負側)へ変更すると共に、上方の第1の搬送路100内部へ持ち上げて移動させるために、第2の搬送路150の連通孔110付近で現像剤に圧力を加える必要がある。その際の現像剤同士の摩擦力の増加に伴う摩擦熱の発生による現像剤等の温度が上昇する。
【0052】
また、画像形成装置の省スペース化のために、径を大径化せずに小型のままでオーガー軸等の搬送部材を高速回転すると、軸受け、駆動系の発熱が生じ、連通孔付近の現像剤が滞留する部分の発熱が顕著となりやすい。
【0053】
本実施の形態では、連通孔110に隣接して冷却部200が配置されている。冷却部200は、ハウジング300よりも熱伝導率が高い。
【0054】
本実施の形態によれば、大型のヒートシンクを備える場合に比べ、小さく形成することができる現像装置95を提供することができる。ここで、冷却部200は、第2の搬送路150の内面の一部に設けられている。このため、冷却部200は、温度上昇した現像剤から直接熱を吸収し、さらに吸収した熱を筐体よりも周囲に拡散させ、放熱させることができ、熱の集中を抑えて、現像剤等の温度上昇を抑えている。
【0055】
本実施の形態によれば、冷却部200をハウジング300の外側に臨ませない場合に比べ、冷却効果を高めることができる。
【0056】
本実施の形態によれば、長尺状の本体側ハウジング320に開口部360を備える場合に比べ、ハウジング300の強度を保ちつつ、開口部360を開けることができる。すなわち、端部側ハウジング(支持部)340は、長尺状の本体側ハウジング320よりも短く形成されることで、ハウジングの強度、剛性を保ちつつ、開口部360を開けることが可能となる。
【0057】
本実施の形態によれば、本体側ハウジング320と冷却部200との間にのみシール部材を配置したものと比較して、隙間から現像剤が漏れることを抑えることができる。
【0058】
本実施の形態によれば、開口部360に臨む冷却部200に空気流が触れない場合に比べ、冷却部200の冷却効果を高めることができる。
【0059】
本実施の形態によれば、開口部360が第2の搬送路150の現像剤の搬送方向と平行する面以外に設けられる場合に比べ、冷却効果を高めることができる。
【0060】
本実施の形態によれば、冷却部200が周方向の一部にだけ設けてあるような場合と比べ、冷却効果を高めることができる。
【0061】
本実施の形態によれば、送風装置400からの風が冷却部200に触れない場合に比べ、冷却部200の冷却効果を高めることができる。
【0062】
本実施の形態によれば、冷却部200が排気部430側に配置された場合に比べ、冷却部200の冷却効果を高めることができる。すなわち、図2に示すように、吸気部420を備えたことで、送風装置400により、吸気部420から画像形成装置10外部の冷えた新鮮な空気を画像形成装置10内部に取り込むようにしている。そして、当該空気流を冷却部200に直接当てている。これにより、冷却部200表面から放出する熱を取り込んで温度が上昇した空気を、排気部430から画像形成装置10の外部へ排出することができる。また、画像形成装置10内部に図2に示すような空気流の流れを発生させることができ、画像形成装置10内の空気温度を上昇させることなく、冷却部200の冷却効果を高めている。
【0063】
また、上述した実施の形態では、図5図6に示すように、冷却部200を連通孔110に隣接する位置から現像剤排出路186に対応する位置にまで設けている。これにより、現像剤排出路186付近の温度上昇を抑えることができ、現像剤が排出される現像剤排出路186が機能不全となることを防止することができ、余剰現像剤を排出させる機能を維持させることができる。
【0064】
また、上述した実施の形態では、図3図5図6に示すように、支持部340を締結部材(342、344、346)で筐体300の端部に固定する場合に、支持部340と筐体300との間に冷却部200を挟み混んで、支持部340を締結部材(342、344、346)で筐体300に固定している。
これにより、冷却部200を締結機構等の専用の取付具を用いて現像装置95の筐体300に固定するような構造のものと比較して、冷却部200を固定するための特別な締結機構等を別途必要とすることなく、冷却部200を現像装置95に固定することができる。また、現像装置95の構造を複雑化させることなく、簡素化させることができる。
【0065】
また、本実施の形態に係る冷却部200は、全体形状が円筒状のパイプ状であり、開口又は切り欠き等は形成されていないが、特にこのような形状に限定されるものではない。具体的には、例えば、図10に示すように、連通孔110に対応する位置が切り欠かれた切欠部210を有していてもよい。切欠部210を有した場合は、切欠部210の対向する1辺211と他辺212との間に、連通孔110が位置するように配置することが望ましい。なお、本実施の形態では、切欠部210は、冷却部200の端部側で切り欠かれた形状であるが、切欠部210の位置及び形状は特に端部側の切り欠かれた形状に限定されるものではなく、冷却部200のもっと内部側で開口する孔状に形成されているようなものでもよい。
【0066】
図10に示すように、冷却部200が、連通孔110に対応する切欠部210を有しているようにすると、冷却部200を連通孔110の周囲に近接して配置することができ、連通孔110周囲の温度上昇を効率的に抑えることができる。
【0067】
また、本実施の形態では、第1の搬送路100と、第2の搬送路150とを、重力方向上下に隣接して配置する、いわゆる縦型配置のものであるが、本発明は特にかかる縦型配置に限定されるものではない。具体的には、例えば上述したような複数の搬送路を重力方向上下に配置する縦型配置ではなく、重力方向の左右に配置する横型配置のものであっても、効率アップのため高速回転させて摩擦力により現像剤の温度上昇が見込まれるような現像装置に上述したような冷却部200を設けても同様の作用及び効果を奏するものであり、適用可能なものである。
【0068】
本発明は、上記の実施形態に限るものではなく、その主旨を逸脱しない範囲内において種々の変形、変更、改良が可能である。例えば、上記に示した実施形態は、適宜、複数を組み合わせて構成してもよい。
【符号の説明】
【0069】
10 画像形成装置、12 画像形成装置本体、14 像形成部、16 転写装置、18 定着装置、20 給紙装置、22 搬送通路、24 画像形成ユニット、26 感光体ドラム、28 帯電装置、30 現像装置、32 清掃装置、34 中間転写ベルト、36 一次転写部材、38 二次転写部材、40 支持部材、42 バックアップ部材、44 収納部、46 送出部材、48 光書込み装置、95 現像装置、100 第1の搬送路、110 連通孔、120 第1の搬送部材(サプライオーガー)、150 第2の搬送路、152 凹み部、153 段差部、154 シール部材、156 シール部材、170 第2の搬送部材(アドミックスオーガー)、180 主巻部、185 逆方向巻部、186 現像剤排出路、190 現像部材(現像ロール)、195 第3の搬送路、196 第3の搬送部材(カウンターオーガー)、200 冷却部、210 切欠部、211 一辺、212 他辺、300 筐体(ハウジング)、320 本体側ハウジング、340 端部側ハウジング(支持部)、342、344、346 締結部材、360 開口部、362 上側開口部、364 下側開口部、400 送風装置、410 空気流、420 吸気部、430 排気部
図1
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図9
図10