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特開2022-178687情報処理装置および情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022178687
(43)【公開日】2022-12-02
(54)【発明の名称】情報処理装置および情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 21/62 20130101AFI20221125BHJP
   G06F 21/32 20130101ALI20221125BHJP
【FI】
G06F21/62
G06F21/32
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021085650
(22)【出願日】2021-05-20
(71)【出願人】
【識別番号】518133201
【氏名又は名称】富士通クライアントコンピューティング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】池谷 勇樹
(72)【発明者】
【氏名】並木 清光
(57)【要約】
【課題】作業負担を増大させることなく、閲覧を意図しない情報を第三者に覗き見されることを容易に回避することができる情報処理装置を提供する。
【解決手段】情報処理装置は、表示装置の表示領域に表示可能な表示情報と表示情報に付随する属性情報とを取得する取得部と、表示領域に表示情報が表示される場合に、表示領域を臨む人物を検出する人検出部と、表示領域を臨む人物の入れ替わりが検出された際に、属性情報に基づいて表示情報の表示の可否を決定する表示制御部と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示装置の表示領域に表示可能な表示情報と前記表示情報に付随する属性情報とを取得する取得部と、
前記表示領域に前記表示情報が表示される場合に、前記表示領域を臨む人物を検出する人検出部と、
前記表示領域を臨む前記人物の入れ替わりが検出された際に、前記属性情報に基づいて前記表示情報の表示の可否を決定する表示制御部と、
を備える、情報処理装置。
【請求項2】
前記表示制御部は、前記属性情報としての前記表示情報の作成時に付加された作成時位置情報と、前記表示装置の現在の位置を示す機器位置情報と、の比較結果に基づき、前記表示情報の表示の可否を決定する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記表示制御部は、前記属性情報としての前記表示情報の作成時に付加された前記表示情報の作成装置が接続された第一のネットワーク名と、前記表示装置が現在接続されている第二のネットワーク名と、の比較結果に基づき、前記表示情報の表示の可否を決定する、請求項1または請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記表示制御部は、前記属性情報として、前記人物の入れ替わりが検出される前に、前記表示装置に表示されていた第一の表示情報の作成時に付加された第一の作成時位置情報と、前記人物の入れ替わりが検出された後に、前記表示装置に表示され得る第二の表示情報の作成時に付加された第二の作成時位置情報との比較結果に基づき、前記第二の表示情報の表示の可否を決定する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記表示制御部は、前記属性情報として、前記人物の入れ替わりが検出される前に、前記表示装置に表示されていた第一の表示情報の作成時に付加された第一の時間情報と、前記人物の入れ替わりが検出された後に、前記表示装置に表示され得る第二の表示情報の作成時に付加された第二の時間情報との比較結果に基づき、前記第二の表示情報の表示の可否を決定する、請求項1または請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記表示制御部は、前記人物の入れ替わりが検出された後に、検出された前記人物の顔画像情報と、前記表示装置に表示され得る表示情報としての人物画像に含まれる顔画像情報との比較結果に基づき、前記人物画像の表示の可否を決定する、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記人検出部は、前記表示領域を臨む人物の顔画像情報の変化に基づき前記人物の入れ替わりを検出する、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記表示情報は、前記表示装置で実行状態を表示可能なアプリケーションを含む、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
表示装置の表示領域に表示可能な表示情報と前記表示情報に付随する属性情報とを取得する取得処理と、
前記表示領域に前記表示情報が表示される場合に、前記表示領域を臨む人物を検出する人検出処理と、
前記表示領域を臨む前記人物の入れ替わりが検出された際に、前記属性情報に基づいて前記表示情報の表示の可否を決定する表示制御処理と、
を、情報処理装置に実行させる、情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、情報処理装置および情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、テレワークの推奨や仕事のやり方の多様化に伴い、セキュリティエリア以外(例えば社外や自宅等)で情報処理装置を用いて仕事を行うケースが増加している。この場合、情報処理装置に表示されている情報が第三者(家族等も含む)に覗き見されてしまうことは、セキュリティ上好ましくない。同様に、スマートフォンやタブレット端末等の携帯端末の普及により、携帯端末を第三者に覗き見されてしまう場合や、特定の情報の閲覧を許可した上で第三者に携帯端末を渡した際に、意図しない情報まで見られてしまう場合がある。このような行為は、セキュリティ性やプライバシーの保護の観点から好ましくない。そのため、例えば、コンテンツに撮影者のさまざまな情報を付与し、閲覧時に閲覧者の映像を撮影して閲覧者を特定し、撮影者と閲覧者との関係性を予め定義することにより、閲覧制限を設定する技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-192851号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術の場合、第三者に見られたくないコンテンツ(情報)に対して、制限を予め個別に設定する必要がある。そのため、膨大な量のコンテンツ(情報)に対して、個別の設定作業が必要となり作業負担が大きくなってしまう場合があったり、設定ミスや設定忘れ等が生じる可能性があったりして、利便性が損なわれたり、情報漏洩の可能性が十分に排除できない等の問題があった。
【0005】
従って、本発明が解決する課題の一例は、作業負担を増大させることなく、閲覧を意図しない情報を第三者に覗き見されることを容易に回避できる情報処理装置および情報処理プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1態様に係る情報処理装置は、表示装置の表示領域に表示可能な表示情報と前記表示情報に付随する属性情報とを取得する取得部と、前記表示領域に前記表示情報が表示される場合に、前記表示領域を臨む人物を検出する人検出部と、前記表示領域を臨む前記人物の入れ替わりが検出された際に、前記属性情報に基づいて前記表示情報の表示の可否を決定する表示制御部と、を備える。
【0007】
また、前記表示制御部は、例えば、前記属性情報としての前記表示情報の作成時に付加された作成時位置情報と、前記表示装置の現在の位置を示す機器位置情報と、の比較結果に基づき、前記表示情報の表示の可否を決定する。
【0008】
また、前記表示制御部は、例えば、前記属性情報としての前記表示情報の作成時に付加された前記表示情報の作成装置が接続された第一のネットワーク名と、前記表示装置が現在接続されている第二のネットワーク名と、の比較結果に基づき、前記表示情報の表示の可否を決定する。
【0009】
また、前記表示制御部は、例えば、前記属性情報として、前記人物の入れ替わりが検出される前に、前記表示装置に表示されていた第一の表示情報の作成時に付加された第一の作成時位置情報と、前記人物の入れ替わりが検出された後に、前記表示装置に表示され得る第二の表示情報の作成時に付加された第二の作成時位置情報との比較結果に基づき、前記第二の表示情報の表示の可否を決定する。
【0010】
また、前記表示制御部は、例えば、前記属性情報として、前記人物の入れ替わりが検出される前に、前記表示装置に表示されていた第一の表示情報の作成時に付加された第一の時間情報と、前記人物の入れ替わりが検出された後に、前記表示装置に表示され得る第二の表示情報の作成時に付加された第二の時間情報との比較結果に基づき、前記第二の表示情報の表示の可否を決定する。
【0011】
また、前記表示制御部は、例えば、前記人物の入れ替わりが検出された後に、検出された前記人物の顔画像情報と、前記表示装置に表示され得る表示情報としての人物画像に含まれる顔画像情報との比較結果に基づき、前記人物画像の表示の可否を決定する。
【0012】
また、前記人検出部は、例えば、前記表示領域を臨む人物の顔画像情報の変化に基づき前記人物の入れ替わりを検出する。
【0013】
また、前記表示情報は、例えば、前記表示装置で実行状態を表示可能なアプリケーションを含む。
【0014】
本発明の第2態様に係る情報処理プログラムは、表示装置の表示領域に表示可能な表示情報と前記表示情報に付随する属性情報とを取得する取得処理と、前記表示領域に前記表示情報が表示される場合に、前記表示領域を臨む人物を検出する人検出処理と、前記表示領域を臨む前記人物の入れ替わりが検出された際に、前記属性情報に基づいて前記表示情報の表示の可否を決定する表示制御処理と、を、情報処理装置に実行させる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の上記態様によれば、表示装置の表示領域を臨む人物の入れ替わりが検出された場合、表示情報の属性情報に基づき、表示の可否を決定するため、各表示情報に対して事前に個別の設定を行う必要がなく、第三者に見られたくない、表示情報の非表示を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、実施形態にかかる情報処理装置の構成を示す例示的かつ模式的なブロック図である。
図2図2は、実施形態にかかる情報処理装置で表示可能な表示情報を格納したフォルダと、各表示情報に付随する属性情報を示す例示的かつ模式的な説明図である。
図3図3は、実施形態にかかる情報処理装置の正規利用者が情報処理装置(例えばスマートフォン)を第三者に渡し、情報処理装置に表示される表示情報を見せているシーンを示す例示的かつ模式的な説明図である。
図4図4は、図3の各シーンにおいて、情報処理装置の表示部に表示される内容を示す例示的かつ模式的な説明図である。
図5図5は、実施形態にかかる情報処理装置において、顔画像取得による第三者の入れ替わりのチェックを行う処理の流れを示す例示的なフローチャートである。
図6図6は、実施形態にかかる情報処理装置において、特定の表示情報が表示可能か否かのチェックを行う処理の流れを示す例示的なフローチャートである。
図7図7は、実施形態にかかる情報処理装置において、特定の表示情報(特に画像)が表示可能か否かのチェックを行う処理の流れを示す例示的なフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の例示的な実施形態が開示される。以下に示される実施形態の構成、ならびに当該構成によってもたらされる作用、結果、および効果は、一例である。本発明は、以下の実施形態に開示される構成以外によっても実現可能であるとともに、基本的な構成に基づく種々の効果や、派生的な効果のうち、少なくとも一つを得ることが可能である。
【0018】
実施形態にかかる情報処理装置(例えばパーソナルコンピュータ、タブレット端末、スマートフォン等)は、表示装置の表示部(表示領域)を臨む人物の入れ替わりが検出された際に、表示する表示情報の属性情報に基づいて、その表示情報の表示の可否を決定するものである。
【0019】
図1は、実施形態にかかる情報処理装置10の構成を示す例示的かつ模式的なブロック図である。図1は、情報処理装置10の一例としてスマートフォンを示す。
【0020】
情報処理装置10は、例えば、CPU(中央演算処理装置、処理ユニット)12、RAM(ランダムアクセスメモリ)14、ROM(リードオンリーメモリ)16、記憶部18、通信部20、フロントカメラ(インカメラ)22、虹彩承認装置24、表示装置26、位置検出部28等を備える。
【0021】
CPU12は、ROM16等の不揮発性の記憶装置にインストールされ記憶された情報処理プログラムを読み出し、当該プログラムにしたがって各種制御や演算処理を実行するモジュールを実現する。CPU12は、例えば、本実施形態の表示情報(作成書類や写真等)の表示の可否を決定するためにモジュールとして、取得部12a、人検出部12b、表示制御部12cを含む。なお、CPU12は、情報処理装置10(スマートフォン)の他の機能、例えば、電話機能、撮影機能、検索機能、書類作成機能、ゲーム機能等種々の機能を実現するモジュールを実現するが、本実施形態の表示情報の表示可否機能以外のモジュールに関する説明は省略する。
【0022】
取得部12aは、表示装置26の表示部26a(表示領域)に表示可能な表示情報(例えば、作成書類や写真等)、とその表示情報に付随する属性情報(例えば、作成日時、作成場所の位置情報、作成時に接続されていたネットワーク名等)を取得する。表示情報や属性情報の詳細は後述する。
【0023】
人検出部12bは、表示部26a(表示領域)に表示情報が表示される場合に、表示領域を臨む(表示部26aを覗き込む)人物を検出する。例えば、情報処理装置10の表示部26aの周辺に配置されたフロントカメラ22により、表示部26aを覗き込む人物(人間と見なせる画像)を取得し、表示制御部12cに提供する。
【0024】
表示制御部12cは、人検出部12bが検出した人物に関する情報を取得し、表示部26aを臨む人物の入れ替わりがあるか否か検出する。例えば、当初取得していた情報処理装置10の正規利用者(例えば生体(虹彩)認証等により認証を受けている人物)から非正規利用者(認証が拒否された他の人物)に画像情報が変化した場合等に、表示情報に付随する属性情報に基づき、その表示情報の表示の可否を決定する。例えば、表示自体を実行しない処理や、表示情報の存在は示すものの、マスク処理等により認識不能にする処理を実行する。
【0025】
RAM14は、揮発性のメモリで、CPU12での演算で用いられる各種データやフロントカメラ22で撮像した撮像画像データ等を一時的に記憶(保持)する。
【0026】
ROM16は、CPU12で情報処理(表示画像の表示可否処理)を実現する情報処理プログラム16aの他、上述したような電話機能や検索機能等を実現する各種プログラムを記憶する。また、ROM16は、各種プログラムの実行に必要なパラメータ等を記憶する。
【0027】
記憶部18は、不揮発性の書換可能なメモリで、CPU12で実現される書類作成機能で作成された作成書類の情報(作成書類データ)や撮影機能によりフロントカメラ22や背面カメラ等を用いて撮像された写真、通信部20を介して外部のサーバや他のスマートフォン等から取得した外部情報等(書類情報データや写真データ等)の表示情報18aを逐次保存および更新可能である。また、CPU12で実行可能な各種アプリケーション18bが記憶されている。なお、記憶部18に保存される情報(特に、表示情報18a)には、上述したように、基本的に、作成(取得)日時、作成(取得)場所の位置情報、作成(取得)時に接続されていたネットワーク名等の属性情報が紐付けられ、表示の可否を決定する際に利用可能である。なお、属性情報は、表示の可否決定の他、表示情報を管理する場合にも利用可能である。
【0028】
通信部20は、CPU12で実行される各種機能にしたがい、外部の通信機器と通信を行う。例えば、通信部20は、ネットワークを介して、外部のサーバと通信を行い、希望する情報(書類データや画像データ、写真データ等)を取得する。また、通信部20は、情報処理装置10で作成した書類データや画像データ、写真データを外部の通信機器(例えば他のスマートフォン等)や外部サーバ等に送信する。なお、通信部20は、ネットワークと接続する際、無線LANの標準規格(WiFi(登録商標):WIreless FIdelity)のネットワーク名(例えば、アクセスポイント(AP)のSSID(Service Set Identifier)を取得する。そして、情報処理装置10は、取得した書類データや画像データ、写真データ等に添付する。また、情報処理装置10は、通信部20が取得したSSIDを、情報処理装置10で作成した書類データや画像データ、写真データ等に、作成時の位置情報の一つとして添付可能である。
【0029】
フロントカメラ22は、表示装置26の一部(例えば上端部)に搭載されたカメラで、表示部26aのある側に位置し、主に情報処理装置10に対面している人物自身(表示部26aを覗き込んでいる人物自身)の撮影を行う。フロントカメラ22は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)やCIS(CMOS image sensor)等の撮像素子を内蔵するデジタルカメラである。フロントカメラ22は、所定のフレームレートで動画データ(撮像画像データ30)を出力し、人検出部12bに逐次提供する。また、CPU12で実現されているカメラ機能を用いて、フロントカメラ22から出力された撮像画像データ30を静止画像データや動画データとして記憶部18に保存することも可能である。なお、撮像画像データ30を記憶部18に保存する際には、上述したように、撮影位置や撮影日時等示す属性情報が紐付けられ保存される。図示を省略しているが、情報処理装置10は、フロントカメラ22とは別に、メインカメラ(スマートフォンの場合は、背面カメラ等)を備えてもよく、同様に、属性情報を有する静止画像データや動画データを記憶部18に保存するようにしてもよい。
【0030】
虹彩承認装置24は、フロントカメラ22と同様に、例えば、CCDやCIS等の撮像素子を内蔵するデジタルカメラで、所定のフレームレートで動画データ(撮像画像データ、画像情報)を出力する。虹彩承認装置24は、可視光域をカットするフィルタを備え、例えば、波長域が780nm~2500nmの近赤外域の画像を撮像する。虹彩承認装置24は、図示を省略した近赤外線照射部が照射する近赤外光が対象物、この場合、情報処理装置10を保持する人間(主に表示部26aを覗き込んでいる、表示部26aに対面している人物)の顔で反射した近赤外光に基づく画像を撮像する。虹彩承認装置24は、主に画像に含まれる人物の瞳Eの虹彩認証を行う場合にのみ、撮像を行う。したがって、近赤外線照射部も虹彩承認装置24が撮像を行うタイミングに合わせて、近赤外光を照射する。撮像された撮像画像データは、周知の技術を用いた認証処理が施される。そして、
情報処理装置10を覗き込んでいる人物(情報処理装置10を保持している人物、情報処理装置10に対面している人物)が、情報処理装置10の利用を許可された(登録された)正規のユーザであるか否かの判定が実行される。
【0031】
表示装置26は、表示部26aとタッチパネル26bとを含む。表示部26aは、例えば、LCD(liquid crystal display)や、OELD(organic electroluminescent display)等である。また、表示部26aは、透明な操作入力部としてのタッチパネル26bで覆われている。操作者(利用者)は、タッチパネル26bを介して表示部26aの表示領域(表示画面)に表示される情報(例えば、記憶部18に記憶された表示情報としての画像データ32等)を視認することができる。また、操作者は、表示部26aの表示領域に表示される画像(表示情報、画像データ32)に対応した位置で手指等によりタッチパネル26bを触れたり押したり動かしたりして操作することで、操作入力を実行することができる。
【0032】
位置検出部28は、例えば、GPS(Global Positioning System)信号を取得し、情報処理装置10が現在存在する位置の位置情報(例えば、緯度経度情報)を取得する。位置検出部28で、情報処理装置10の現在の位置情報を取得することにより、情報処理装置10のカメラ機能を用いて撮像した撮像画像データの取得位置情報や情報処理装置10の書類作成機能を用いて作成した作成書類データの作成位置情報を取得することができる。
【0033】
図2は、記憶部18に保存された、情報処理装置10で表示可能な表示情報を格納したフォルダ32Fが示されている。フォルダ32Fには、例えば、フロントカメラ22やメインカメラで撮像された静止画像データや動画データ等画像データ32(表示情報)が格納されている例を示している。
【0034】
図2の場合、フォルダ32Fには、例えば、静止画像の写真データとしての画像データ32a~32e(画像データ32)が格納されている。例えば、画像データ32aは、猫柄がプリントされたTシャツを着た人物34のアップ写真(猫柄のアップ写真)である。また、画像データ32bは、画像データ32aの画角違いの写真であり、人物34の顔が写り込んでいる写真である。画像データ32cは、他の人物36のスナップ写真である。画像データ32dは、猫38のスナップ写真であり、画像データ32eは、画像データ32dの撮像時とは異なるタイミングで猫38の表情を撮影した写真である。
【0035】
また、各画像データ32(32a~32e)には、属性情報40として、例えば、撮影時の条件が付随する。各画像データ32(32a~32e)に対応して付随する属性情報40(40a~40e)は、例えば、位置検出部28によって取得される位置情報(GPS信号に基づく、緯度経度情報)、時間情報として、撮影日を示す日時および撮影時刻が示されている。また、情報処理装置10が使用された位置を示す他の位置情報として、SSIDが属性情報40として各画像データ32に付随される。SSIDは、情報処理装置10が使用された場所、つまり、画像データ32が取得(撮影)された場所で通信部20を介して、情報処理装置10がネットワークに接続されていた場合の、例えば、WiFiのアクセスポイント(AP)の位置を示す。なお、情報処理装置10がネットワークに接続されていない状態で使用された場合は、画像データ32cに対応する属性情報40cに示されるように、SSIDの欄はブランクとなる。
【0036】
図2に示す例の場合、画像データ32a,32b,32d,32eの属性情報40の緯度経度情報がほぼ同じである。また、画像データ32a,32b,32d,32eの属性情報40のSSIDが同一である。したがって、画像データ32a,32b,32d,32eは、ほぼ同じ位置(例えば、人物34の自宅等)で人物34や人物34が飼っている猫38等を撮像した写真であることが推定できる。一方、画像データ32cは、緯度経度情報が画像データ32a,32b,32d,32eと異なり、SSIDが記録されていない。つまり、画像データ32cは、異なる位置(例えば、旅行先等)で撮像された写真であることが推定できる。したがって、後述する図3図4を用いた例では、画像データ32cが、人物の入れ替わりが検出された際に非表示とされる例が示される。なお、図2では、情報処理装置10による表示情報(画像データ32)の表示可否処理が実行される場合の表示フラグ42の状態が併せて示されている。表示フラグ42の詳細は後述する。
【0037】
このように構成される情報処理装置10と、記憶部18に記憶されるフォルダ32F(画像データ32)および属性情報40と、を用いて実行される、表示情報の表示可否処理について、図3に示すシーン44a~44e(シーン44)および図4に示す表示例50を用いて説明する。つまり、情報処理装置10の表示装置26の表示部26a(表示領域)を臨む人物の入れ替わりが検出された際に、表示する表示情報(画像データ32)の属性情報40に基づいて表示情報(画像データ32)の表示の可否を決定する例を説明する。
【0038】
図3に示すシーン44a~44eは、情報処理装置10の正規利用者(例えば、虹彩(生体)認証済みの人物46)が情報処理装置10(例えばスマートフォン)を第三者(人物34)に渡し、情報処理装置10に表示される表示情報(画像データ32)を見せている場合を示す例示的かつ模式的な説明図である。
【0039】
シーン44aは、情報処理装置10の虹彩承認装置24による虹彩認証(生体認証)により、登録された情報処理装置10の正規利用者であることが認証された人物46が情報処理装置10の表示部26aを覗き込んでいる状態である。また、人物46の近くには、第三者であり虹彩承認装置24による生体認証で認証が否定される人物34(情報処理装置10の非登録者)が存在している。
【0040】
シーン44aの場合、情報処理装置10の表示部26aを覗き込んでいる人物46は虹彩承認装置24による認証が肯定されているため、図4の表示例50aに示されるように、記憶部18に保存された表示情報(画像データ32)は何ら制限を受けることなく、閲覧することができる。この場合、例えば、表示部26aには、表示情報(画像データ32)が制限を受けることなく表示可能であることを示す、サムネイル表示領域52a(例えば表示部26aの下部)に、画像データ32a~32eに対応するサムネイルが表示されている。このとき、情報処理装置10は、人物46が人物34に閲覧させたくない旅行先の画像データ32c等も含めて全ての画像データ32の閲覧が可能である。表示例50aでは、表示部26aのメイン表示領域52bにサムネイル表示領域52aに表示されたサムネイルの中から例えば画像データ32cが拡大表示されている。
【0041】
続いて、シーン44bは、認証肯定者であり正規利用者である人物46が、認証否定者である人物34に、記憶部18に保存された画像データ32を閲覧させるために情報処理装置10を渡している状態である。また、シーン44cは、情報処理装置10を受け取った人物34が情報処理装置10の表示部26aを覗き込んでいる状態である。この場合、図4の表示例50bに示されるように、フロントカメラ22で撮像された人物34がメイン表示領域52bに表示され、メイン表示領域52bに表示可能な画像データ32のサムネイルが表示されている。この場合、情報処理装置10のフロントカメラ22の画角から人物46が外れ、新たに人物34が写り込むことになる。つまり、人検出部12bは、表示部26a(表示領域)を臨む人物が人物46から人物34に入れ替わったことを検出することになる。そして、表示制御部12cは、各画像データ32が有する属性情報40を参照して、非表示とする画像データ32を決定する。
【0042】
例えば、認証肯定者である人物46が認証否定者である人物34に情報処理装置10を渡す直前に、人物34には見せたくない画像データ32c以外の画像データ32、例えば、人物34の自宅で撮影した画像データ32aを表示させ、人物34の自宅撮影の写真のみを人物34に閲覧させようとした場合を考える。この場合、上述したように、画像データ32cのみが旅行先等で撮影された写真であり、撮影場所の位置情報や撮影日が大きく異なる。また、画像データ32cに付随する属性情報40には、ネットワークへの接続を示すSSIDも記載されていない。そのため、表示制御部12cは、表示例50bに示されるように、画像データ32cを除く画像データ32a,32b,32d,32eのサムネイルを表示し、画像データ32cは非表示として、ブランクイメージ(B.I.)を示すサムネイル画像32fをサムネイル表示領域52aに表示する。
【0043】
シーン44dは、非表示であった画像データ32cを人物34に人物46の許可に基づき、表示させるために、人物46が情報処理装置10を受け取り虹彩承認装置24による瞳46aによる認証を行っている状態である。人物46は、認証が肯定された後、所定の操作を行うことにより、表示制御部12cによる画像データ32cの非表示処理の解除を実行する。ここで、所定の操作とは、例えば、パスコードの入力操作や、サムネイル画像32fの長押し操作、閲覧を許可する属性情報40の範囲(作成日時や作成場所(位置情報))の変更操作等である。
【0044】
シーン44eは、非表示処理が解除された情報処理装置10を人物34が受け取り、情報処理装置10の表示部26aを覗き込んでいる状態を示している。表示制御部12cによる非表示処理が解除されたことにより、人物34は、表示例シーン50cに示されるように、記憶部18に保存された表示情報(画像データ32)は何ら制限を受けることなく、閲覧可能になる。したがって、表示部26aのサムネイル表示領域52aには、表示情報(画像データ32)が制限を受けることなく表示可能であることを示す、画像データ32a~32eに対応するサムネイルが表示されている。すなわち、人物46が当初人物34に閲覧させたくないとして除外していた旅行先で人物36を撮影した画像データ32c等も含めた全ての画像データ32の閲覧が可能である。表示例シーン50cでは、表示部26aのメイン表示領域52bにサムネイル表示領域52aに表示されたサムネイルの中から例えば画像データ32cが拡大表示されている。なお、上述した例では、表示制御部12cは、画像データ32の閲覧を制限する(非表示にする)場合に、画像データ32cをサムネイル画像32fとして表示した。別の例では、サムネイル画像32fを非表示としてもよい。この場合、第三者である人物34に、非表示になっている画像データ32が存在することを認識されないようにすることが可能で、不自然なサムネイル表示を回避することができる。
【0045】
このように、情報処理装置10によれば、個々の表示情報(画像データ32)に個別に非表示等の設定を行う必要がなくなる。つまり、作業負担を増大させることなく、閲覧を意図しない表示情報を第三者に覗き見されることを容易に回避することができる。
【0046】
なお、上述した例では、属性情報40として、人物46から人物34への入れ替わりが検出される前に、表示装置26に表示されていた第一の表示情報(例えば画像データ32a)の作成時に付加された第一の作成時位置情報と、人物の入れ替わりが検出された後に、表示装置26に表示され得る第二の表示情報(例えば画像データ32c)の作成時に付加された第二の作成時位置情報との比較結果に基づき、第二の表示情報(画像データ32c)の表示の可否を決定する例を示した。
【0047】
表示制御部12cは、設定により他の属性情報40を利用した表示情報の非表示処理を行うことができる。例えば、表示制御部12cは、属性情報40としての表示情報(画像データ32や作成書類データ)の作成時に付加された作成時位置情報と、位置検出部28により取得される表示装置26の現在の位置を示す機器位置情報と、の比較結果に基づき、表示情報(画像データ32や作成書類データ)の表示の可否を決定してもよい。例えば、人物46が会社で作成した作成書類データを会社以外の場所、例えば、自宅や出張先等で閲覧したり、更新したりした場合を考える。この場合、自宅等で第三者が表示装置26を覗き込んだ場合、作成情報の属性情報40に含まれる会社の位置情報(作成位置情報)と、情報処理装置10が現在存在する位置情報(機器位置情報)とが異なる。その結果、表示制御部12cは、第三者が会社で作成した作成書類を覗き込もうとした時点で、表示装置26に表示中に作成書類を非表示にすることができる。したがって、個々の表示情報(画像データ32や作成書類データ)に個別に非表示設定を行う必要がなくなる。つまり、作業負担を増大させることなく、閲覧を意図しない情報を第三者に覗き見されることを容易に回避することができる。その結果、セキュリティ性の低い自宅や出張先等でも、容易に作成書類のセキュリティ性を向上することができる。
【0048】
また、別の例では、表示制御部12cは、属性情報40としての表示情報(画像データ32や作成書類データ)の作成時に付加された当該表示情報の作成装置(情報処理装置10)が接続された第一のネットワーク名(例えば、会社で接続可能なWiFiのアクセスポイントのSSID)と、表示装置(例えば情報処理装置10や自宅PC)が現在接続されている第二のネットワーク名(例えば、自宅で接続可能なWiFiのアクセスポイントのSSID)と、の比較結果に基づき、表示情報(画像データ32や作成書流データ等)の表示の可否を決定してもよい。この場合も、第三者が表示装置26を覗き込んだ場合、作成情報の属性情報40に含まれる会社の位置情報(第一のネットワーク名)と、情報処理装置10が現在存在する位置の位置情報(第二のネットワーク名)とが異なる。その結果、表示制御部12cは、第三者が会社で作成した作成書類を覗き込もうとした時点で、表示装置26に表示中に作成書類を非表示にすることができる。したがって、個々の表示情報(画像データ32や作成書類データ)に個別に非表示設定を行う必要がなくなる。つまり、作業負担を増大させることなく、閲覧を意図しない情報を第三者に覗き見されることを容易に回避することができる。その結果、セキュリティ性の低い自宅や出張先等でも、容易に作成書類のセキュリティ性を向上することができる。なお、位置情報(緯度経度情報)が同じであっても、情報処理装置10が接続されるネットワーク名が異なる場合がある。例えば、マンションやビル等では、自宅と近隣の部屋やロビーでは、実質的に緯度経度情報が同じでも、接続されているネットワーク名が異なる場合がある。このような場合、属性情報40として同じ位置情報を有していても、他の属性情報であるネットワーク名が異なるため、自宅で作成した表示情報(画像データ32や作成書類データ)を近隣の自宅以外の場所で覗き見されることが回避可能となり,セキュリティ性の向上やプライバシー保護強化に寄与できる。
【0049】
また、別の例では、表示制御部12cは、属性情報40として、人物の入れ替わりが検出される前に、表示装置26に表示されていた第一の表示情報(例えば画像データ32a)の作成時に付加された第一の時間情報(作成日付や作成時間等)と、人物の入れ替わりが検出された後に、表示装置26に表示され得る第二の表示情報の作成時に付加された第二の時間情報(作成日付や作成時間等)との比較結果に基づき、表示情報(画像データ32や作成書流データ等)の表示の可否を決定してもよい。この場合も、第三者が表示装置26を覗き込んだ場合、作成情報の属性情報40に含まれる時間情報(第一の時間情報)と、情報処理装置10が表示装置26に現在表示し得る第二の表示情報(例えば画像データ32c)の作成時に付加された第二の時間情報(作成日付や作成時間等)とが異なる。その結果、表示制御部12cは、第三者が表示装置26を覗き込もうとした時点で第二の表時情報(例えば、画像データ32c)を非表示とすることができる。したがって、個々の表示情報(画像データ32)に個別に非表示設定を行う必要がなくなる。つまり、作業負担を増大させることなく、閲覧を意図しない情報を第三者に覗き見されることを容易に回避することができる。その結果、セキュリティ性の低い自宅や出張先等でも、容易に作成書類のセキュリティ性を向上することができる。
【0050】
また、別の例では、表示制御部12cは、属性情報40として、人物の入れ替わりが検出された後に、検出された人物の顔画像情報と、表示装置26に表示され得る表示情報としての人物画像(例えば画像データ32等)に含まれる顔画像情報との比較結果に基づき、人物画像の表示の可否を決定してもよい。例えば、情報処理装置10の認証肯定者(正規利用者)である人物46から認証否定者である人物34に入れ替わった後に検出された人物34の顔画像情報と、表示装置26に表示され得る表示情報としての人物画像(例えば画像データ32等)に含まれる顔画像情報とが一致しない場合、その顔画像情報が含まれる画像データ32を非表示とする。逆に、人物34の顔画像情報と一致する人物画像が含まれる画像データ32が存在する場合、その画像データ32の表示は許可される。つまり、人物34自身が写っている場合は、閲覧を許可される。このように、表示制御部12cは、第三者が表示装置26を覗き込もうとした時点で、対象となる画像データ32に人物34が写っていない場合非表示にすることができる。その結果、作業負担を増大させることなく、閲覧を意図しない情報を第三者に覗き見されることを容易に回避することができる。つまり、セキュリティ性やプライバシー保護の向上を容易に行うことができる。
【0051】
なお、上述した例では、表示情報として、例えば、画像データ32や作成書類データ等を非表示とする場合を示した。さらに他の例では、人物の入れ替わりが検出されたときに、表示装置26で実行状態を表示可能なアプリケーションによる実行結果を非表示としてもよい。例えば、情報処理装置10を第三者に渡しているときに、メール等のアプリケーションがメール受信を行った場合、メールの発信者やプレビュー画面の内容が第三者に見られてしまう場合がある。そこで、表示情報としてアプリケーションの属性情報に基づき、実行結果を非表示にすることで、アプリケーションの実行結果の漏洩を回避することができる。この場合も、作業負担を増大させることなく、閲覧を意図しない情報を第三者に覗き見されることを容易に回避することができる。その結果、セキュリティ性やプライバシー保護の向上を容易に行うことができる。
【0052】
なお、実施形態の人検出部12bは、表示部26a(表示領域)を臨む人物の顔画像情報の変化に基づき人物の入れ替わりを検出するため、生体(虹彩)認証等を行って人物の入れ替わりを判定する場合に比べ、処理負荷が軽減可能で、容易に人物の入れ替わりを検出することができる。
【0053】
図5図7のフローチャートは、情報処理装置10による表示情報の非表示処理の流れの一例である。
【0054】
図5は、フロントカメラ22による人物の入れ替わりを検出する際の処理を示すフローチャートである。人検出部12bは、常時フロントカメラ22により顔検出を行いつつ、一時的にそのデータを保存している。そこで、人検出部12bは、人物の入れ替わり検出が必要な状態、すなわち、虹彩承認装置24による虹彩認証が実行され、正規利用者による情報処理装置10の使用が確認できた状態で、人物の入れ替わりの監視が必要になった場合、まずフロントカメラ22で撮像している顔検出データの記憶領域である顔検出テーブルをクリアする(S100)。すなわち、前回処理周期(生体認証前の処理周期)で残っていた顔検出データを一度リセットする。また、同時に、最新の更新済みの顔検出テーブルを取得する(S102)。なお、生体認証後、最初の処理周期の場合、顔検出データはクリア済みなので存在しない。したがって、最初の処理では、例えば、虹彩承認装置24で取得した認証済みの顔検出データを更新済み顔検出テーブルに書き込み取得する。
【0055】
続いて、人検出部12bは、人物の入れ替わり検出のための顔検出をフロントカメラ22で実行する(S104)。そして、S104で検出された顔検出データ(単数もしくは複数)が、S102で取得した顔検出テーブルの顔検出データと一致するか確認する(S106)。もし、顔検出データが一致した場合(S106のYes)、つまり、S104で検出された顔検出データは、認証済みの顔検出データと一致した場合であり、人物の入れ替わりはないと判定できる。したがって、人物の入れ替わり検出サービスの終了(例えば情報処理装置10の利用終了)が通知されない場合(S108のNo)、S102の処理に戻り、S102以降の処理を実行し、人物の入れ替わり検出処理を継続する。また、顔検出サービスの終了が通知された場合(S108のYes)、例えば、情報処理装置10の使用が終了された場合、このフローを一旦終了する。
【0056】
S106の処理で、顔検出データが一致しない場合(S106のNo)、直近に検出した顔検出データで顔検出テーブルを更新する(S110)。つまり、承認が肯定された人物以外の顔検出データで顔検出テーブルを更新する。この顔検出テーブルは、次の処理周期で、S102の処理で取得される。また、このとき、虹彩承認装置24で虹彩認証(生体認証)を行った時刻情報をクリアする(S112)。つまり、情報処理装置10を利用する人物(表示部26aを覗き込んでいる人物)が入れ替わったことが検出できる。その後、認証を無効にしてS108に移行して、顔検出サービスの終了が通知されるまで、人物の入れ替わりを検出する処理を実行する。
【0057】
次に、図6のフローチャートを用いて、特定の表示情報(画像データ32や作成書類データ等)が表示可能か否かチェックを行う処理の流れの一例を説明する。
【0058】
表示制御部12cは、まず、全ての表示情報(画像データ32や作成書類データ等)の表示フラグ42(図2参照)をONにする(S200)。つまり、一旦全ての表示情報を閲覧可能にする。続いて、表示制御部12cは、現在のタイミングが、直近の生体認証(虹彩認証)からの経過時間が、規定時間(生体認証の有効期間)以内か確認する(S202)。経過時間が規定時間以内の場合(S202のYes)、表示情報に位置情報やWiFiのAP情報が含まれているか否か確認する(S204)。表示情報に位置情報やWiFiのAP情報が含まれている場合(S204のYes)、表示制御部12cは、表示情報の位置情報やWiFiのAP情報と、現在位置の位置情報とが一致すると見なせるか確認する(S206)。S206において、位置情報が一致すると見なせる場合(S206のYes)、一旦このフローを終了する。つまり、全ての表示情報を閲覧可能とする状態を維持する。
【0059】
S202の処理において、直近の生体認証(虹彩認証)からの経過時間が規定時間以内を超えた場合(S202のNo)、表示情報(画像データ32や作成書類データ等)の表示フラグ42をOFFにする(S208)。つまり、全ての表示情報を非表示として閲覧不能にして、このフローを一旦終了する。同様に、S204の処理において、表示情報に位置情報やWiFiのAP情報が含まれていない場合(S204のNo)、位置情報やWiFiのAP情報が含まれていない表示情報(画像データ32や作成書類データ等)の表示フラグ42をOFFにする(S208)。つまり、位置情報による判定精度が低下する可能性がある場合、特定の表示情報を非表示として閲覧不能にして、このフローを一旦終了する。また、S206の処理において、位置情報が一致するとは見なせない場合(S206のNo)、位置情報が一致するとは見なせない表示情報(画像データ32や作成書類データ等)の表示フラグ42をOFFにする(S208)。つまり、表示情報を作成時とは異なる位置で閲覧しようとしていると見なし、該当する特定の表示情報を非表示として閲覧不能にして、このフローを一旦終了するにする。
【0060】
次に、図7のフローチャートを用いて、特定の画像データ32が表示可能か否かチェックを行う処理の流れの一例を説明する。
【0061】
表示制御部12cは、まず、全ての表示情報(画像データ32)の表示フラグ42(図2参照)をONにする(S300)。つまり、一旦全ての表示情報を閲覧可能にする。続いて、表示制御部12cは、現在のタイミングが、直近の生体認証(虹彩認証)からの経過時間が、規定時間(生体認証の有効期間)以内か確認する(S302)。経過時間が規定時間以内の場合(S302のYes)、表示情報に位置情報やWiFiのAP情報が含まれているか否か確認する(S304)。表示情報に位置情報やWiFiのAP情報が含まれている場合(S304のYes)、表示制御部12cは、表示情報の位置情報やWiFiのAP情報と、直前に表示していた表示情報の位置情報やWiFiのAP情報とが近いか否か(所定範囲内か否か)判定する(S306)。表示情報の位置情報やWiFiのAP情報と、直前に表示していた表示情報の位置情報やWiFiのAP情報とが近い場合(S3306のYes)、表示制御部12cは、フロントカメラ22で認識できた顔画像データ(複数可)が全ての表示情報内に検出できるか否か確認する(S308)。フロントカメラ22で認識できた顔画像データ(人物の顔画像データ)が全ての表示情報内に検出できた場合(S308のYes)、一旦このフローを終了する。つまり、全ての表示情報(画像データ32)を閲覧可能とする状態を維持する。
【0062】
S302の処理において、直近の生体認証(虹彩認証)からの経過時間が規定時間以内を超えた場合(S302のNo)、表示情報(画像データ32)の表示フラグ42をOFFにする(S310)。つまり、全ての表示情報(画像データ32)を非表示として閲覧不能にして、このフローを一旦終了する。同様に、S304の処理において、表示情報に位置情報やWiFiのAP情報が含まれていない場合(S304のNo)、位置情報やWiFiのAP情報が含まれていない表示情報(画像データ32)の表示フラグ42をOFFにする(S310)。つまり、位置情報による判定精度が低下する可能性がある場合、該当する特定の表示情報を非表示として閲覧不能にして、このフローを一旦終了する。また、S306の処理において、位置情報が近いとは見なせない場合(S306のNo)、位置情報が近いとは見なせない表示情報(画像データ32)の表示フラグ42をOFFにする(S310)。つまり、表示情報の作成位置とは異なる位置で閲覧されようとしていると見なし、該当する特定の表示情報を非表示として閲覧不能にして、このフローを一旦終了するにする。また、S308の処理において、フロントカメラ22で認識できた顔画像データが表示情報(画像データ32)内に検出できない場合(S308のNo)、一致する顔画像データが存在しない表示情報(画像データ32)の表示フラグ42をOFFにする(S310)。つまり、特定の表示情報を非表示として閲覧不能にして、このフローを一旦終了する。
【0063】
このように、本実施形態の情報処理装置10によれば、表示装置26の表示領域を臨む人物の入れ替わりが検出された場合、表示情報(画像データ32や作成書類データ等)の属性情報40に基づき、表示の可否を決定するため、各表示情報に対して事前に個別の設定を行う必要がなく、第三者に見られたくない、表示情報の非表示を容易に行うことができる。
【0064】
本実施形態の情報処理装置10(CPU12)で実行される非表示のための情報処理プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0065】
さらに、情報処理プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、本実施形態で実行される情報処理プログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。
【0066】
なお、上述した実施形態では、情報処理装置10がスマートフォンである場合を示した。別の実施形態では、据え置き型のデスクトップコンピュータ、可搬型のノート型のパーソナルコンピュータ、タブレット端末、表示画面を備える携帯電話等の情報表示が可能な処理装置であれば、本実施形態の構成が適用可能であり、上述した実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0067】
また、上述した実施形態では、フロントカメラ22が撮像した顔画像データに基づき人検出部12bが人物の入れ替わりの発生の有無を判定する例を示した。他の実施形態では、例えば、フロントカメラ22に代えて、表示部26aの周辺に配置したレーダーや、マウスやキーボードに配置した近接センサ等他の検出方式を用いて、入れ替わりの有無を判定してもよく、同様の効果を得ることができる。
【0068】
また、本実施形態では、情報処理装置10の表示部26aを直接覗き込まれた場合に表示情報の表示の可否を決定する例を示した。他の例では,例えば、テレビ会議システム等で表示情報の共有が行われる場合、人検出部12bが、他の人物の参加を検出した場合、情報処理装置10に表示されている表示情報の属性情報に基づき、表示の可否を決定するようにしてもよく、本実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0069】
本発明の実施形態及び変形例を説明したが、これらの実施形態及び変形例は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0070】
10…情報処理装置、12…CPU、12a…取得部、12b…人検出部、12c…表示制御部、16a…情報処理プログラム、22…フロントカメラ、24…虹彩承認装置、26…表示装置、26a…表示部、26b…タッチパネル、28…位置検出部、40…属性情報。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7