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特開2022-178690風向調整板固定具および風向調整装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022178690
(43)【公開日】2022-12-02
(54)【発明の名称】風向調整板固定具および風向調整装置
(51)【国際特許分類】
   F24F 13/20 20060101AFI20221125BHJP
   F24F 13/08 20060101ALI20221125BHJP
【FI】
F24F1/0007 401C
F24F1/02 411C
F24F13/08 B
F24F13/08 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021085653
(22)【出願日】2021-05-20
(71)【出願人】
【識別番号】521220091
【氏名又は名称】工藤 佐織
(74)【代理人】
【識別番号】110002882
【氏名又は名称】白浜国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】工藤 佐織
【テーマコード(参考)】
3L051
3L081
【Fターム(参考)】
3L051BD00
3L081AA02
3L081AB03
3L081BA00
3L081BB03
3L081BB05
(57)【要約】
【課題】エアコン本体で調整できないユーザ好みの送風方向に冷風または温風を簡単に調整できる安価な風向調整板固定具、風向調整装置を提供すること。
【解決手段】エアコン本体1の背面が窓枠に設けられる取り付け枠に固定されるエアコンの送風口が開口した状態で、送風される冷風または温風の送風方向が、水平面に対して緩やかに立ち上がる送風経路を形成する風向調整板を挟持する挟持部材105-1と、取り付け枠に対して垂直方向の風向きを振り分ける垂直制御板102の軸102aと挟持部材105-1の支持部材とを係合させる鉤部材104aとを一体形成した。
【選択図】 図2

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアコン本体の背面が窓枠に設けられる取り付け枠に固定されるエアコンの送風口が開口した状態で、送風される冷風または温風の送風方向が、水平面に対して緩やかに立ち上がる送風経路を形成する風向調整板を挟持する挟持部材と、
前記取り付け枠に対して垂直方向の風向きを振り分ける垂直制御板の軸と前記挟持部材の支持部材とを係合させる鉤部材とを一体形成したことを特徴とする風向調整板固定具。
【請求項2】
エアコン本体の背面が室内壁に当接して設置される室内機に設けるフラップが開口した状態で、送風される冷風または温風の送風方向が、水平面に対して緩やかに立ち上がる送風経路を形成する風向調整板を挟持する挟持部材と、
前記室内機の水平方向の風向きを振り分ける水平制御板の軸と前記挟持部材の支持部材とを係合させる鉤部材と、
を一体形成したことを特徴とする風向調整板固定具。
【請求項3】
前記挟持部材と前記支持部材とを直線棒状体とするように一体形成したことを特徴とする請求項1または2に記載の風向調整板固定具。
【請求項4】
前記挟持部材と前記支持部材とを直線板状体とするように一体形成したことを特徴とする請求項1または2に記載の風向調整板固定具。
【請求項5】
前記挟持部材と前記支持部材との長さは調整可能であることを特徴とする請求項1または2に記載の風向調整板固定具。
【請求項6】
前記挟持部材と前記支持部材とがなす傾斜角は、複数段階調整可能に係止することを特徴とする請求項1または2に記載の風向調整板固定具。
【請求項7】
前記挟持部材と前記支持部材とがなす傾斜角は、無段階調整可能に係止することを特徴とする請求項1または2に記載の風向調整板固定具。
【請求項8】
前記風向調整板は、厚紙材であることを特徴とする請求項1または2に記載の風向調整板固定具。
【請求項9】
前記風向調整板は、複数枚の厚紙材で構成されることを特徴とする請求項1または2に記載の風向調整板固定具。
【請求項10】
前記厚紙材の形状は、正方形、長方形、扇形を含むことを特徴とする請求項8または9に記載の風向調整板固定具。
【請求項11】
前記厚紙材は、あらかじめ折り目が付与され、当該折り目に合わせて折り合わせることで送風される冷風または温風の送風方向が、水平面に対して緩やかに立ち上がる送風経路を形成することを特徴とする請求項8乃至10のいずれか1項に記載の風向調整板固定具。
【請求項12】
前記厚紙材の横幅は、前記開口部の横幅を複数に分割したサイズであることを特徴とする請求項8乃至11のいずれか1項に記載の風向調整板固定具。
【請求項13】
エアコン本体の背面が窓枠に設けられる取り付け枠に固定されるエアコンの送風口が開口した状態で、送風される冷風または温風の送風方向が、水平面に対して緩やかに立ち上がる送風経路を形成する風向調整板と、
当該風向調整板を挟持する挟持部材と、前記取り付け枠に対して垂直方向の風向きを振り分ける垂直制御板の軸と前記挟持部材の支持部材とを係合させる鉤部材とが一体形成される風向調整板固定具と、
を有することを特徴とする風向調整装置。
【請求項14】
エアコン本体の背面が室内壁に当接して設置される室内機に設けるフラップが開口した状態で、送風される冷風または温風の送風方向が、水平面に対して緩やかに立ち上がる送風経路を形成する風向調整板と、
当該風向調整板を挟持する挟持部材と、
前記室内機の水平方向の風向きを振り分ける水平制御板の軸と前記挟持部材の支持部材とを係合させる鉤部材と、
を有することを特徴とする風向調整装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空調装置に適用可能な風向調整板固定具および風向調整装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
住宅設備機器として、壁掛け用の空調装置(エアコン)は広く流通し、複数のメーカーが毎年ニューモデルを発表し買い替え需要を喚起している。
【0003】
通常、エアコンの屋内機器は、本体を収める前面パネルに熱交換機、送風用のロータ、左右の風向き調整板、上下方向の風向き調整を行うフラップ等から構成されているのが一般的である。
ここで、フラップは、空調装置のリモコン操作でその角度を調整することができるように構成されているものがある(特許文献1)。
また、車載される風向制御装置として、クリップ部材を用いた例(特許文献2)が公開されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-020079号公報
【特許文献2】WO2015/199268号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、夏場の冷房運転時において、リモコン操作でフラップの角度を調整しても送風口からの冷風は、取り付け位置よりも上方に向かう気流を発生することが難しく、その送風量に比例した冷風が床面に向かう下向気流となってしまう。
【0006】
このため、冷風に対して順応しにくい体質の人、例えば冷え性を持病とする女性等は、冷房運転時に何らかの対策を講じなければならない。例えば厚手のカーディガンを羽織るなどして対応している。
【0007】
また、フラップの角度を限界まで上方に向けても冷風の方向を平面に対して上方に向けることはできず、冷風対策として不十分であり、その改善が求められている。
【0008】
一方、メーカーがそのような使用勝手に対応するためには、フラップを収める構造からも限界があり、フラップのみでは上記冷風対策が十分となる場合は少ない。さらに、そのような機能を備えるためには、室内機のフラップ構造を大幅に見直す必要が生じ、コスト的に見合うとはいえない場合も多い。
さらに、暖房運転時もフラップの角度によっては、温風が直接体に向かってしまうことを不快に感じてしまうユーザも少なくない。
【0009】
また、天井面に設置する室内機に対して整流機能付、エアコンの風よけ・風向調整板を後付けする風向調整具も販売されている。この場合、その取り付け位置は、天井面よりも下方位置に留まるようにフラップが設置されるが、天井面との距離が近いため、天井方向へ緩やかな軌道で向かうように風向きを調整することは難しい場合が多い。
【0010】
なお、上述した課題は、室内機を屋内の壁に対して水平に取り付けるタイプのエアコンだけに限らず、エアコン本体(長手方向が垂直となるように据え付ける)を窓枠に据え付ける、いわゆる送付口が床平面に対して垂直に取り付けるタイプのエアコンであっても同様である。
【0011】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、本発明の第1の目的は、エアコン本体で調整できないユーザ好みの送風方向に冷風または温風を簡単に調整できる安価な風向調整板固定具および風向調整装置を提供することができる。
【0012】
本発明の第2の発明の目的は、室内機で調整できないユーザ好みの送風方向に冷風または温風を簡単に調整できる安価な風向調整板固定具および風向調整装置を提供することができる。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成する本発明の第1の風向調整板固定具は以下に示す構成を備える。
【0014】
本発明に係る第1の風向調整板固定具は、エアコン本体の背面が窓枠に設けられる取り付け枠に固定されるエアコンの送風口が開口した状態で、送風される冷風または温風の送風方向が、水平面に対して緩やかに立ち上がる送風経路を形成する風向調整板を挟持する挟持部材と、前記取り付け枠に対して垂直方向の風向きを振り分ける垂直制御板の軸と前記挟持部材の支持部材とを係合させる鉤部材とを一体形成したことを特徴とする。
【0015】
上記目的を達成する本発明の第1の風向調整装置は以下に示す構成を備える。
エアコン本体の背面が窓枠に設けられる取り付け枠に固定されるエアコンの送風口が開口した状態で、送風される冷風または温風の送風方向が、水平面に対して緩やかに立ち上がる送風経路を形成する風向調整板と、当該風向調整板を挟持する挟持部材と、前記取り付け枠に対して垂直方向の風向きを振り分ける垂直制御板の軸と前記挟持部材の支持部材とを係合させる鉤部材とを有することを特徴とする。
【0016】
上記目的を達成する本発明の第2の風向調整板固定具は以下に示す構成を備える。
本発明に係る風向調整板固定具は、エアコン本体の背面が室内壁に当接して設置される室内機に設けるフラップが開口した状態で、送風される冷風または温風の送風方向が、水平面に対して緩やかに立ち上がる送風経路を形成する風向調整板を挟持する挟持部材と、前記室内機の水平方向の風向きを振り分ける水平制御板の軸と前記挟持部材の支持部材とを係合させる鉤部材とを一体形成したことを特徴とする。
【0017】
上記目的を達成する本発明の第2の風向調整装置は以下に示す構成を備える。
エアコン本体の背面が室内壁に当接して設置される室内機に設けるフラップが開口した状態で、送風される冷風または温風の送風方向が、水平面に対して緩やかに立ち上がる送風経路を形成する風向調整板と、当該風向調整板を挟持する挟持部材と、前記室内機の水平方向の風向きを振り分ける水平制御板の軸と前記挟持部材の支持部材とを係合させる鉤部材とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明の第1の発明によれば、エアコン本体で調整できないユーザ好みの送風方向に冷風または温風を簡単に調整できる安価な風向調整板固定具および風向調整装置を提供することができる。
【0019】
本発明の第2の発明によれば、室内機で調整できないユーザ好みの送風方向に冷風または温風を簡単に調整できる安価な風向調整板固定具および風向調整装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図面は、本開示に係る本発明の特定の実施の形態を示し、発明の不可欠な構成ばかりでなく、選択的及び好ましい実施の形態を含む。
図1】窓用の空調装置の外観を示す図。
図2】(a)は図1に示した窓枠型の空調装置の側断面図、(b)は挟持部の拡大図、(c)は調整版の挟持状態を示す図。
図3】壁掛け型の空調装置の室内機の要部の断面図。
図4】壁掛け型の空調装置の室内機のフラップ開口状態を示す断面図。
図5】風向調整板固定具が調整板を挟持した状態を示す全体斜視図。
図6】(a)は風向調整板固定具の本体図、(b)は風向調整板固定具の挟持状態を示す図。
図7】(a)は風向調整板固定具の分解図、(b)は風向調整板の挟持状態を示す図。
図8】風向調整装置の一例を示す平面図。
図9図6に示した挟持部材が挟持する風向調整板の形状を示す断面図。
図10】風向調整装置の一例を示す図。
図11】風向調整板の形状を示す図。
図12】風向調整板固定具の一例を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
次に本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明を適用可能な窓用の空調装置の外観を示す図である。本例は、エアコン本体の背面が窓枠に設けられる取り付け枠に固定されるエアコンの送風口が開口した状態で、送風される冷風または温風の送風方向が、水平面に対して緩やかに立ち上がる送風経路を形成する風向調整板を挟持する挟持部材と、取り付け枠に対して上下方向の風向きを振り分ける垂直制御板の軸と挟持部材の支持部材とを係合させる鉤部材とを一体形成したことを特徴としている。
【0022】
具体的には、図1において、100はエアコン本体で、送風口103に対して機内側に垂直方向に配置される垂直調整軸102Aに対して所定間隔で垂直調整板102が設けられている。なお、熱交換機、ロータ等は省略してある。操作パネル101は、冷房運転、除湿運転、暖房運転、送風運転を指示するためのボタンが設けられている。なお、操作パネル101に連動するリモコンを備える場合は、赤外線通信で冷房運転、除湿運転、暖房運転、送風運転を指示できるように構成されている。なお、エアコン本体100の背面が窓枠に設けられる取り付け枠は省略してある。
【0023】
図2は、図1に示したエアコン本体の側断面図を示す。なお、図1と同一のものには、同一の符号を付してその説明を省略する。
図2の(a)において、104はS字型の風向調整板固定具で、鉤部材としての上側S字部104aがエアコン本体100の垂直調整軸102Aに係合し、下側S字部104bの先端には水平調整板111(図2の(b))を挟持するための挟持部材としてのクリップ105-1が設けられている。ここで、クリップ105-1と下側S字部104bとはその角度を、例えば3段階、または無段階調整可能に軸106を介して軸支されている(図2の(a))。本実施形態では、S字型の風向調整板固定具104の一方端が挟持部材として、他方端に軸支されるクリップ105-1が挟持部材として機能する例である。
【0024】
なお、1つのS字型の風向調整板固定具104で、例えばA4サイズの厚紙(詳細は後述する)で構成される水平調整板111を水平方向に支えることができない場合は、2つのS字型の風向調整板固定具104を図2の(c)のように水平方向に所定の間隔を空けて並べるように配置することで、安定性よく水平調整板111を支持することができる。なお、水平調整板111は、扇形の例を示すが、長方形、正方形、半円形であっても、本発明を適用することができる。また、水平調整板111は、送風口103から送風される風向きを天井方向へ緩やかな軌道で向かうように風向きを調整するようにあらかじめ折り目がつけられている。
さらに、水平調整板111と複数のS字型の風向調整板固定具104とをセットすることで、1つの風向調整装置を構成することが可能である。
【0025】
また、S字型の風向調整板固定具104のS字の一方端から他方端の長さについては、エアコン本体100の構造に合わせて複数のバリエーションを設けることで、本発明を適用可能なエアコンのバリケーションも増やすことができる。
さらに、S字型の風向調整板固定具104の本体部を細い1つの蛇腹ホースで構成することで、クリップ105-1と下側S字部104bとはその角度を容易に調整可能に構成してもよい。
また、クリップ105-1の横幅については、挟持する厚紙の水平調整板111の坪量に応じて、その長さを決定すれば、1つのクリップ105-1で水平調整板111を挟持できる。
【0026】
〔第1実施形態の効果〕
本実施形態によれば、窓用のエアコンの送風口103が開口した状態で、送風口103から送風される風向きを天井方向へ緩やかな軌道で向かうように風向きを調整する調整板111を取り付けする安価な風向調整板固定具を提供できる。なお、天井方向へ緩やかな軌道とは、天井方向へ緩やかな軌道を円で近接した場合、その曲率半径が大きいことを意味する。
【0027】
〔第2実施形態〕
図3は、本発明を適用可能な壁掛け型の空調装置の室内機の要部の側断面図である。本例に示す空調装置は、本体背面が室内壁に当接して設置される例である。
図3において、1はエアコン本体で、一般家庭用に使用されている壁型空調設備である。外気取入口4から取り込まれる室内空気は、フィルター5を通して熱交換器3で冷気または暖気に替えられ、さらにロータ2が回転することで、左右風向板12の方向へ引き込まれ、該左右風向板12及び上下風向板(フラップ)11により送風方向が整列されて吹出し開口部6から排出される。
【0028】
図4は、図2に示した壁掛け型の空調装置の室内機のフラップ開口状態を示す断面図である。なお、図2と同一のものには同一の符号を付してその説明を省略する。本例は、フラップ11が開口した状態を示す。
【0029】
図4において、左右風向板12は軸方向に複数の風向板が所定間隔で軸支されているため、隣接する風向板の間で取り付け軸12Aを直接視認することができる。この取り付け軸12Aに後述する風向調整板固定具の一方端に設ける、例えばS字型の鉤部材を係合させることができる。
【0030】
〔風向調整板固定具の構成〕
図5は、本実施形態を示す風向調整板固定具が調整板を挟持した状態を示す全体斜視図である。なお、図3図4に示したものと同一のものには同一の符号を付している。
【0031】
図5に示すように、本実施形態を示す風向調整板固定具31の本体は、本体背面が室内壁に当接して設置される室内機に設けるフラップ11が開口した状態で、送風される冷風または温風の送風方向が、水平面に対して緩やかに立ち上がる送風経路を形成する風向調整板40を挟持する挟持部材32Aと、室内機の水平方向の風向きを振り分ける水平制御板12の軸と挟持部材32Aの支持部材32Bとを係合させる鉤部材33とを一体形成したことを特徴とする。
【0032】
図6は、本実施形態を示す風向調整板固定具が調整板を挟持した状態を示す図である。本例は、風向調整板固定具本体31は、図6の(a)に示すように、一方端に挟持部材32Aと、他方端に鉤部材33が設けられる支持部材32Bとがあらかじめ所定の角度を付けて固定する例に対応する。具体的には、風向調整板固定具を構成する挟持部材32Aと支持部材32Bとが一体形成される例である。これにより、挟持部材32Aと支持部材32Bとがなす傾斜角は、複数段階調整可能である。
【0033】
図6の(a)において、風向調整板固定具31の挟持部材32Aとフラップ11に当接する支持部材32Bとのなす傾斜角は、180度、45度(仮想線で示す)、30度(仮想線で示す)の三態様を示すが、所定の傾斜角は、本例に制限されることはなく、後述する調整板材の厚み等を考慮して決定すればよい。なお、支持部材32Bの端部には、上述した取り付け軸12Aと係合させるための鉤部材33が設けられている。
【0034】
本例は、図6の(a)、(b)に示すように、風向調整板固定具31は、挟持部材32Aと支持部材32Bとが一体形成され、所定の角度で風向調整板40を挟持可能とする例に対応する。
【0035】
なお、風向調整板固定具の材料としては、様々な形状に成形可能な可撓性素材、例えば塑形し易く安価な例えばポリカルボナート(商品名ポリカーボネート)で構成されるエポキシ樹脂が好適である。また、風向調整板固定具の本体形状は、直線棒状体であっても直線板状体であってもよい。
【0036】
また、ユーザは、フラップの短手方向幅の長さに合わせて支持部材32Bの長さを決定できるように、支持部材32Bの長さは、複数サイズ用意されているものとする。これは、風向調整板固定具の支持部材32Bの長さがフラップ11の短手方向幅の長さよりも短いとフラップ11の先端と挟持部材32Aとが当接してしまい風向調整板40を水平面に対して所定の角度をもって強固に挟持できなくなる場合があるからである。このため、本実施形態では、挟持部材32Aと支持部材32Bとの長さは調整可能に構成されている。
【0037】
図7は、本実施形態を示す風向調整板固定具が調整板を挟持する状態を示す図である。
本例は、風向調整板固定具本体31は、一方端に挟持部材32Aと、他方端に鉤部材33が設けられる支持部材32Bとが所望の角度を付けて固着する例に対応する。具体的には、具体的には、風向調整板固定具を構成する挟持部材32Aと支持部材32Bとが分離可能となる例である。これにより、挟持部材32Aと支持部材32Bとがなす傾斜角は、無段階調整可能である。
【0038】
図7の(a)において、風向調整板固定具31の本体は、挟持部材32Aの先端35に形成される第1の中空溝と支持部材32Bの先端36に形成される第2の中空溝とを係合させることで、挟持部材32Aと、フラップ11に当接する支持部材32Bとが所望の角度をもって係止させる構造を特徴としている(図7の(b)参照)。
【0039】
このため、本例では、第1の中空溝35と、第2の中空溝36とを係合させた状態で、両側から、ピン38、39をねじ込むことでそれぞれが互いに擦り合わされて固定される(図7の(a)参照)。
これにより、図7の(b)に示すように風向調整板固定具31の本体は、天井側に向かう送風方向の角度を使用者が好む角度で自在に調整することができる。
また、挟持部材32Aと支持部材32Bとの長さは、取り付けるエアコンのフラップ11の長さに合わせて複数用意されているものとする。
これにより、フラップ11の短手方向長が長い場合でも、風向調整板40を支障なく上向きに支持することが可能となる。
なお、鉤部材33は、図3図4に示した軸12Aに係合するようにS字型としている。
【0040】
また、挟持部材32Aは、例えば市販される回動可能な板状のクリップが風向調整板固定具31の本体に直接固着されているものでもよい。ここで、固着方法に限定はない。
【0041】
この場合、フラップ11に接して静止する挟持部材32Aと、支持部材32Bとを係止させる際の角度は、例えば水平面に対して0度、45度、60度に調整可能とするタイプを用意することで、ユーザがお好みのパーツを組み合わせるような使用形態にも柔軟に対応することができる。
【0042】
これにより、本体背面が壁に当接して設置される室内機に設けるフラップ11が開口した状態で、送風される冷風または温風の送風方向が、水平面に対して緩やかに立ち上がる送風経路を形成する風向調整板40と水平面との傾斜角は、複数段階調整可能となる。つまり、ユーザは風向調整板40を挟持する挟持部材32Aと支持部材32Bとの角度を意図する角度で係止することで、風向調整板40は、送風口から送風される冷風や温風の気流方向を自在に調整できる。
【0043】
〔第2実施形態の効果〕
本実施形態によれば、室内機のフラップ11が開口した状態で、送風口から送風される風向きを天井方向へ緩やかな軌道で向かうように風向きを調整する調整板を取り付けする安価な風向調整板固定具を提供できる。なお、天井方向へ緩やかな軌道とは、天井方向へ緩やかな軌道を円で近接した場合、その曲率半径が大きいことを意味する。
【0044】
〔第3実施形態〕
〔風向調整装置の構成〕
上記実施形態では、風向調整板40をエアコンの前面側に取り付けるための風向調整板固定具について説明したが、当該風向調整板固定具に取り付ける風向調整板を一体として販売可能な風向調整装置について説明する。
【0045】
図8は、本実施形態を示す風向調整装置の一例を示す平面図であり、図6に示した風向調整板固定具の挟持部材32Aが風向調整板40を挟持した状態を示す。
本例は、エアコン本体1の背面が室内壁に当接して設置される室内機に設けるフラップ11が開口した状態で、送風される冷風または温風の送風方向が、水平面に対して緩やかに立ち上がる送風経路を形成する風向調整板40と、当該風向調整板40を挟持する挟持部材32Aと、前記室内機の水平方向の風向きを振り分ける水平制御板12の軸(図3に示した軸12A)と挟持部材32Aの支持部材32Bとを係合させる鉤部材33とを有する。
【0046】
図9は、図8に示した挟持部材32Aが挟持する風向調整板40の形状を示す断面図である。
本例では、板状の風向調整板40は、本体背面が壁に当接して設置される室内機に設けるフラップ11が開口した状態で、送風される冷風または温風の送風方向が、図9に示す形状により、水平面に対して緩やかに立ち上がる送風経路を形成するように構成されている。
【0047】
より具体的には、市販される厚紙にはあらかじめ折り目が付与され、当該折り目に合わせて折り合わせることで送風される冷風または温風の送風方向が、水平面に対して緩やかに立ち上がる送風経路を形成することで板状の風向調整板40を形成することができる。
【0048】
なお、風向調整板40の形状は、風向調整板40の形状とは異なるアンジュレーションが付与されていてもよい。つまり、冷風または温風を天井面方向に滑らかに方向付けできれはよいので、風向調整板40はユーザ自身が厚紙から切り出したものも使用することができる。本例では、市販可能な風向調整板40として、正方形、長方形、扇形を含むものとする。
【0049】
また、市販可能な風向調整板40のサイズは、例えばA4サイズで、1枚が15.97g(かなり厚め(0.23mm))が想定されている。また、市販可能な板状の風向調整板40の厚みは、これよりも薄くてもよい。風向調整板40には、複数枚の厚紙を使用することで、エアコン本体の送風口の横幅に適応させることができる。なお、厚紙材の横幅は、開口部の横幅を複数に分割したサイズとすることで、定型サイズで販売する安価な厚紙を利用することができる。
【0050】
このように、厚紙材の横幅は、開口部の横幅を複数に分割したサイズとすることで量販可能な厚紙材を利用してユーザが意図するお好みの気流を発生させることができる。
【0051】
〔第3実施形態の効果〕
本実施形態によれば、室内機で調整できないユーザ好みの送風方向に冷風または温風を簡単に調整できる安価な風向調整板固定具と、風向調整板固定具に使用する板状の風向調整板とを一体とする安価な風向調整装置を提供できる。
【0052】
〔第4実施形態〕
図10は、本実施形態を示す風向調整装置の一例を示す図である。
図10に示すように、板状の風向調整板71は、上述した風向調整板40とは異なり、風向調整板40の板材に円状の孔があらかじめパンチ処理で穿孔されている。なお、穿孔される孔な形状は、三角形型、楕円型、木の葉型、星型またはこれらの組み合わせで自由に選定できるものとする。
【0053】
〔第4実施形態の効果〕
これにより、体背面が壁に当接して設置される室内機に設けるフラップ11が開口した状態で、送風される冷風または温風の送風方向が、水平面に対して緩やかに立ち上がる送風経路上で下向気流を発生させて幾分マイルドなダウン気流を形成することができる。
【0054】
〔第5実施形態〕
図11は、本実施形態を示す風向調整板の形状を示す図であり、図4に示した風向調整板挟持部材32Aが挟持する風向調整板71の一例を示す。
図11において、風向調整板71は、あらかじめ香りづけされている。なお、香りは、ユーザが好みのミント系や、アロマ系や、柑橘系等を選択することができる。
【0055】
〔第5実施形態の効果〕
これにより、背面が壁に当接して設置される室内機に設けるフラップ11が開口した状態で、送風される冷風または温風の送風方向が、水平面に対して緩やかに立ち上がる送風経路上で下向気流に香りづけでき快適な空調環境を提供できる。
なお、上記実施形態では、風向調整板71の素材として厚紙の例を示したが、板材として塑形可能な薄手のアクリル板剤を採用する構成としてもよい。
これにより、エアコンの開口幅に合わせて上記アクリル板を加工することで、1枚のアクリル板で風向調整板を構成することも可能となる。
【0056】
〔第6実施形態〕
本実施形態は、図7の(a)に示したように、風向調整板固定具31の本体から、挟持部材32Aと支持部材32Bとをそれぞれ着脱自在に構成する例である。具体的には、風向調整板固定具を構成する挟持部材32Aと支持部材32Bとが分離自在な構成例である。
【0057】
また、エアコン本体1を買い替えたことにより、風向調整板固定具31の本体の長さがフラップ11の短手方向幅と適合しない場合が生じた場合でも、風向調整板固定具31の本体の買い替えに代えて、長さが異なる支持部材32Bのみを買い替えるだけで済み管理費用を節約することができる。
【0058】
〔第6実施形態の効果〕
本実施形態によれば、エアコンを買い替えたことにより、風向調整板固定具本体の長さがフラップの短手方向幅と適合しない場合でも、安価なコストで室内機のフラップ11では調整できないユーザ好みの送風方向に冷風または温風を簡単に調整できる。
【0059】
〔第7実施形態〕
図12は、本実施形態を示す風向調整板固定具の一例を示す斜視図である。
図12において、31は風向調整板固定具で、挟持部材32Aが雨樋形状となるように成形され、雨樋部に対して、例えば発泡スチロール材料で円筒形に成形された挟持部品81をはめ込むことで挟持部を構成している。
なお、円筒形の挟持部品81には、風向調整板を挟み込むための切込みがあらかじめ設けられており、この円筒形の挟持部品81のはめ込み状態をユーザが挟持部品81の端部をつまんで摺動回転して調整することで、切込みと、水平方向との傾斜角を自在に無段階調整可能に構成している。
また、鉤部材33のS字の先端を支持部材32Bの突起部の穴に貫通するように構成されているため、長さの異なる鉤部材33を部品として販売することができる。
これにより、エアコン本体1の構造に左右されず、フラップ11の短手方向の長さがに合わせた風向調整板固定具31を提供することができる。
【0060】
〔第7実施形態の効果〕
本実施形態によれば、ユーザが風向調整板40を取り付ける際、無段階でその角度を調整できるため、ユーザの体調や室温上昇に合わせて空調される冷風または温風の風向を自在に調整できる。
なお、上記各実施形態で示した特徴的な構成を有機的に組み合わせてなる構成も本発明の適用範囲である。
【符号の説明】
【0061】
100 エアコン本体
104 風向調整板固定具
105-1 挟持部材
104a 鉤部材

図1
図2
図3
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図10
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図12