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特開2022-178707生成システム、生成方法、及び、コンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022178707
(43)【公開日】2022-12-02
(54)【発明の名称】生成システム、生成方法、及び、コンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 30/12 20200101AFI20221125BHJP
   G06F 30/10 20200101ALI20221125BHJP
   B33Y 30/00 20150101ALI20221125BHJP
   B33Y 10/00 20150101ALI20221125BHJP
   B33Y 50/00 20150101ALI20221125BHJP
   G06F 113/10 20200101ALN20221125BHJP
【FI】
G06F30/12
G06F30/10 100
B33Y30/00
B33Y10/00
B33Y50/00
G06F113:10
【審査請求】有
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021085680
(22)【出願日】2021-05-20
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-08-02
(71)【出願人】
【識別番号】519321683
【氏名又は名称】株式会社3D Printing Corporation
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100131808
【弁理士】
【氏名又は名称】柳橋 泰雄
(74)【代理人】
【識別番号】100135703
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 英隆
(74)【代理人】
【識別番号】100161883
【弁理士】
【氏名又は名称】北出 英敏
(74)【代理人】
【識別番号】100163902
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 奈月
(72)【発明者】
【氏名】古賀 洋一郎
【テーマコード(参考)】
5B146
【Fターム(参考)】
5B146AA12
5B146BA04
5B146DC05
5B146DE06
5B146DL01
5B146DL02
5B146EC04
(57)【要約】
【課題】テクスチャが施された立体物の製造に用いるカスタム立体物情報を生成する。
【解決手段】生成システム(10)は、基本立体物情報が1以上登録された立体物データベース(D10)と、テクスチャ情報が1以上登録されたテクスチャデータベース(D11)とを記憶する記憶装置(13)と、立体物データベースから選択された基本立体物情報で決定される立体物の製造工程に付加情報の製造条件が適合するテクスチャ情報を抽出する抽出処理と、抽出されたテクスチャデータベースから選択されたテクスチャ情報に基づいて、選択された基本立体物情報の基本情報を、基本情報で決定される基本形状に抽出処理で抽出されたテクスチャ情報の主情報が示すテクスチャを適用して得られるカスタム形状を決定するためのカスタム情報に変換して、カスタム情報を含むカスタム立体物情報を生成する生成処理と、を実行する演算装置(14)とを備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶装置と、演算装置とを備え、
前記記憶装置は、
立体物の基本形状を決定するための基本情報を含む基本立体物情報が1以上登録された立体物データベースと、
立体的な模様で定義されるテクスチャを示す主情報と前記テクスチャの製造に必要な製造条件を含む付加情報とを含むテクスチャ情報が1以上登録されたテクスチャデータベースと、
を記憶し、
前記演算装置は、
前記テクスチャデータベースから、前記立体物データベースから選択された基本立体物情報で決定される立体物の製造工程に付加情報の製造条件が適合するテクスチャ情報を抽出する抽出処理と、
前記抽出処理で抽出されたテクスチャデータベースから選択されたテクスチャ情報に基づいて、前記立体物データベースから選択された基本立体物情報の基本情報を、前記基本情報で決定される基本形状に前記抽出処理で抽出されたテクスチャ情報の主情報が示すテクスチャを適用して得られるカスタム形状を決定するためのカスタム情報に変換して、前記カスタム情報を含むカスタム立体物情報を生成する生成処理と、
を実行する、
生成システム。
【請求項2】
前記抽出処理は、複数のテクスチャ情報を選択し、
前記演算装置は、
前記立体物データベースから選択された基本立体物情報で決定される立体物に、前記抽出処理で選択された各テクスチャ情報に基づく、複数のカスタム立体物情報を生成する生成処理と、
生成された前記複数のカスタム立体物情報を表示装置に表示させる表示処理と、
を実行する、
請求項1に記載の生成システム。
【請求項3】
前記演算装置は、
前記立体物データベース及び前記テクスチャデータベースを参照して、利用者に選択された前記カスタム立体物情報で決定される前記立体物の製造に用いる造形データを生成する造形データ生成処理を実行する、
請求項1又は2に記載の生成システム。
【請求項4】
前記付加情報は、製造条件毎に異なるテクスチャの品質の情報をさらに含む
請求項1乃至3のいずれか1に記載の生成システム。
【請求項5】
前記付加情報は、前記立体物に関する条件をさらに含む
請求項1乃至4のいずれか1に記載の生成システム。
【請求項6】
前記テクスチャは、単位形状が周期的に配列された形状であり、
請求項1乃至5のいずれか1に記載の生成システム。
【請求項7】
前記生成処理は、前記テクスチャを前記立体物の形状に合わせて変化させたカスタム立体物情報を生成する
請求項1乃至6のいずれか1に記載の生成システム。
【請求項8】
前記生成処理は、前記立体物の表面又は/及び内部の指定された領域に、指定された単位形状の大きさでテクスチャを適用したカスタム立体物情報を生成する
請求項7に記載の生成システム。
【請求項9】
前記生成処理は、所定の変化量で前記単位形状の大きさを変化させたテクスチャを適用したカスタム立体物情報を生成する
請求項8に記載の生成システム。
【請求項10】
前記生成処理は、選択された複数のテクスチャを含むテクスチャを適用したカスタム立体物情報を生成する
請求項6乃至9のいずれか1に記載の生成システム。
【請求項11】
前記生成処理は、前記立体物の各領域において、選択された第1及び第2のテクスチャの比率を取得し、前記領域毎に前記第1及び第2のテクスチャが前記比率で合成されたテクスチャを適用したカスタム立体物情報を生成する
請求項6乃至10いずれか1に記載の生成システム。
【請求項12】
前記生成処理は、前記立体物の各領域に、指定された異なるテクスチャを適用したカスタム立体物情報を生成する
請求項6乃至11のいずれか1に記載の生成システム。
【請求項13】
前記立体物の製造工程は、アディティブマニュファクチャリング技術を利用する設備で実行される工程を含む、
請求項1乃至12のいずれかに1に記載の生成システム。
【請求項14】
前記演算装置は、
前記カスタム形状で決定される立体物の製造に用いる型を製造するための型情報を生成する型情報生成処理を実行する
請求項1乃至13のいずれか1に記載の生成システム。
【請求項15】
記憶装置にアクセス可能な演算装置で実行される生成方法であって、
前記記憶装置は、
立体物の基本形状を決定するための基本情報を含む基本立体物情報が1以上登録された立体物データベースと、
立体的な模様で定義されるテクスチャを示す主情報と前記テクスチャの製造に必要な製造条件を含む付加情報とを含むテクスチャ情報が1以上登録されたテクスチャデータベースと、
を記憶し、
前記生成方法は、
前記テクスチャデータベースから、前記立体物データベースから選択された基本立体物情報で決定される立体物の製造工程に付加情報の製造条件が適合するテクスチャ情報を抽出する抽出処理と、
前記抽出処理で抽出されたテクスチャ情報から選択されたテクスチャ情報に基づいて、前記立体物データベースから選択された基本立体物情報の基本情報を、前記基本情報で決定される基本形状に前記抽出処理で抽出されたテクスチャ情報から選択されたテクスチャ情報の主情報が示すテクスチャを適用して得られるカスタム形状を決定するためのカスタム情報に変換して、前記カスタム情報を含むカスタム立体物情報を生成する生成処理と、
を含む、
生成方法。
【請求項16】
請求項14に記載の生成方法を、前記演算装置に実行させるためのコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テクスチャが施された立体物の製造に用いるカスタム立体物情報を生成する生成システム、生成方法、及び、コンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、三次元立体物に対して加飾された三次元加飾立体物とその製造方法を開示する。特許文献1には、三次元立体物の表面に質感を出したい場合に、三次元立体物表面に壁紙のように貼り付けるテクスチャマッピングを使用することについて記載される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-180789公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された製造方法は、三次元立体物の表面に壁紙のように貼り付けられるテクスチャマッピングを使用することについて開示するが、三次元立体物に対応させるテクスチャの選択、加工の方法等具体的な構成については明らかにされていない。したがって、テクスチャが施された立体物の具体的な生成について不明であった。
【0005】
本発明は、テクスチャが施された立体物の製造に用いるカスタム立体物情報を生成することができる生成システム、生成方法、及び、コンピュータプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る生成システムは、記憶装置と、演算装置とを備え、前記記憶装置は、立体物の基本形状を決定するための基本情報を含む基本立体物情報が1以上登録された立体物データベースと、立体的な模様で定義されるテクスチャを示す主情報と前記テクスチャの製造に必要な製造条件を含む付加情報とを含むテクスチャ情報が1以上登録されたテクスチャデータベースと、を記憶し、前記演算装置は、前記テクスチャデータベースから、前記立体物データベースから選択された基本立体物情報で決定される立体物の製造工程に付加情報の製造条件が適合するテクスチャ情報を抽出する抽出処理と、前記抽出処理で抽出されたテクスチャデータベースから選択されたテクスチャ情報に基づいて、前記立体物データベースから選択された基本立体物情報の基本情報を、前記基本情報で決定される基本形状に前記抽出処理で抽出されたテクスチャ情報の主情報が示すテクスチャを適用して得られるカスタム形状を決定するためのカスタム情報に変換して、前記カスタム情報を含むカスタム立体物情報を生成する生成処理と、を実行する。
【0007】
本開示に係る生成方法は、記憶装置にアクセス可能な演算装置で実行される生成方法であって、前記記憶装置は、立体物の基本形状を決定するための基本情報を含む基本立体物情報が1以上登録された立体物データベースと、立体的な模様で定義されるテクスチャを示す主情報と前記テクスチャの製造に必要な製造条件を含む付加情報とを含むテクスチャ情報が1以上登録されたテクスチャデータベースと、を記憶し、前記生成方法は、前記テクスチャデータベースから、前記立体物データベースから選択された基本立体物情報で決定される立体物の製造工程に付加情報の製造条件が適合するテクスチャ情報を抽出する抽出処理と、前記抽出処理で抽出されたテクスチャ情報から選択されたテクスチャ情報に基づいて、前記立体物データベースから選択された基本立体物情報の基本情報を、前記基本情報で決定される基本形状に前記抽出処理で抽出されたテクスチャ情報から選択されたテクスチャ情報の主情報が示すテクスチャを適用して得られるカスタム形状を決定するためのカスタム情報に変換して、前記カスタム情報を含むカスタム立体物情報を生成する生成処理と、を含む。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、テクスチャが施された立体物の製造に用いるカスタム立体物情報を生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態に係る生成システムと接続される各装置を示すブロック図である。
図2】実施形態に係る生成システムを示すブロック図である。
図3】生成システムと接続される端末装置を示すブロック図である。
図4】生成システムと接続される管理システムを示すブロック図である。
図5A】立体物の領域を説明する一例である。
図5B】立体物の複数の領域を説明する一例である。
図6A】カスタム立体物情報の生成工程において表示される選択画面の一例である。
図6B】カスタム立体物情報の生成工程において表示される調整画面の一例である。
図7】カスタム立体物情報の生成工程において表示される選択画面内の表示部の一例である。
図8】カスタム立体物情報の生成工程において表示される比率調整画面の一例である。
図9】カスタム立体物情報の生成工程を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、図面を参照して実施形態に係る生成システム及び製造システムについて説明する。実施形態に係る生成システムは、製品の製造を希望する依頼者による選択に応じて、選択されたテクスチャを施した製品(立体物)を製造するためのカスタム立体物情報を生成するものである。また、製造システムは、生成システムで生成されたカスタム立体物情報を用いて、テクスチャを施した立体物を製造することができる。なお、以下の説明では、同一の構成について、同一の符号を付して説明を省略する。
【0011】
以下の説明において、「立体物(造形物)」は、実体のある物(有体物)を想定している。立体物は、食器、文房具、装身具、家具、工具、電化製品、乗り物等の種々の製品や試作品であってよい。立体物は、完成品に限らず、部品であってもよい。完成品の例としては、コップ、ねじ、コンテナが挙げられる。また、完成品の他の例としては、射出成型のための型や射出成型のための型の生成に利用する原型が挙げられる。部品の例としては、自動車及び航空機の基幹部品(ピストン、シリンダヘッド)やスペアパーツが挙げられる。また、自動車の部品としては、自動車等のステアリング、ハンドル、ダッシュボード等のインテリアが含まれる。さらに、部品の他の例としては、立体物の製造に利用する板金が挙げられる。
【0012】
「基本形状」は、製造システムにおける製造の対象となる立体物のもともとの3次元の形状である。この基本形状は、後述するテクスチャを施すベースとなる。「基本情報」は、立体物の基本形状を示すデータであって、例えば、立体物を示す3DCADデータである。「追加情報」は、立体物の材料の条件等に関するデータである。例えば、立体物の性質、形状、及び/又は、要求性能(例えば、耐久性、耐薬性、耐熱性等)毎に、立体物の製造に適した材料、又は、適さない材料がある。したがって、追加情報は、このような立体物の性質、及び/又は、材料の条件に関する情報を含む。さらに、追加情報は、基本形状のうちテクスチャを施す領域を示す情報を含むことができる。例えば、基本形状の全面の場合、基本形状の全面であるときその全面の領域を示す情報を含むことができる。また、基本形状が複数の領域を含み、その複数の領域の全面に同一のテクスチャを施すのではなく、選択された一部にのみ1種またはそれぞれ複数のテクスチャを施す場合、各テクスチャを施す各領域を示す情報を含むことができる。「基本立体物情報」は、上記の基本情報と、追加情報とを関連付けるデータである。
【0013】
「テクスチャ」は、対応する基本形状の表面、又は/及び、内部に施す模様であって、3次元の形状である。例えば、「基本形状の表面」は、立体物の外側から視認可能な面である。また例えば、「表面形状の内部」は、立体物の外側からは容易に視認可能ではなくても、立体物の内側の一部であり、手段を選択することで視認可能な面であり、換言すると、内側表面である。すなわち、表面形状の内部は、組み立て等によって、立体物の最終的な完成状態に見えないとしても、いずれかの時点において、視認可能な箇所である。例えば、テクスチャは、単位形状が周期的に配列された形状である。テクスチャの「主情報」は、テクスチャを示すデータであって、例えば、3次元CADデータ、又は、3次元の立体的な模様に転換可能な2次元CADデータである。テクスチャの副情報である「付加情報」は、テクスチャに適合する立体物の製造及び材料の条件等に関するデータである。例えば、立体物の性質、形状、材質、製造工程毎に、適したテクスチャ、又は、適さないテクスチャがある。付加情報は、このようなテクスチャを施す立体物の性質、形状、材質、及び/又は、製造工程に関する条件を含む。「テクスチャ情報」は、上記の主情報と、付加情報とを関連付けるデータである。
【0014】
「カスタム形状」は、基本形状にテクスチャを施した3次元の形状である。「カスタム情報」は、カスタム形状を示すデータであって、例えば、基本形状にテクスチャが合成された、3次元CADデータである。「カスタム立体物情報」は、カスタム情報と、上述した追加情報とを関連付けるデータである。
【0015】
「造形データ」は、カスタム情報で表される立体物の製造に用いるデータである。
【0016】
(1)実施形態
(1-1)概要
図1は、一実施形態に係る生成システム10及び製造システム30の関係を示す。生成システム10は、表面に所望のテクスチャを施した立体物を製造するためのカスタム立体物情報を生成するシステムである。製造システム30は、カスタム立体物情報を用いて、表面に所望のテクスチャを施した立体物を製造するシステムである。
【0017】
図1に示すように、生成システム10は、カスタム立体物情報の生成、具体的には、カスタム立体物の生成を希望する依頼者に使用される端末装置20と接続される。また、生成システム10は、生成したカスタム立体物情報の送信先であり、カスタム立体物を製造する製造システム30と接続される。
【0018】
製造システム30は、複数の施設40にある複数の設備60を利用して、立体物の製造を可能とする。施設40は、少なくとも一つの設備60が設置され、設備60による作業が可能な場所を想定している。施設40は、建物だけではなく、建物とその建物が存在する敷地とを含んでいてもよい。施設40の例としては、工場、店舗、ビル(ビル全体、フロア内)が挙げられる。施設40は、非住宅施設に限定されず、戸建住宅及び集合住宅等の住宅施設であってもよい。
【0019】
設備60は、例えば、アディティブマニュファクチャリング技術、及び/又は、アディティブマニュファクチャリング技術とは異なる製造技術を利用する。アディティブマニュファクチャリング技術を利用する設備は、3Dプリンタ及び3Dプリンタ複合機等の付加製造設備を想定している。アディティブマニュファクチャリング技術による造形方法は特に限定されないが、例えば、国際標準化団体のASTMインターナショナルが規定する材料押出(material extrusion)、液槽光重合(vat photopolymerization)、材料噴射(material jetting)、結合剤噴射(binder jetting)、粉末床溶融結合(powder bed fusion)、シート積層(sheet lamination)、指向性エネルギ堆積(directed energy deposition)、及びこれらの組み合わせが挙げられる。3Dプリンタは、複数の造形方法を選択的又は並列的に実行可能であってよい。3Dプリンタ複合機は、3Dプリンタの機能を含む複数の機能を有する装置を想定している。例えば、3Dプリンタ複合機は、アディティブマニュファクチャリング技術とは異なる製造技術を利用可能であってよい。アディティブマニュファクチャリング技術とは異なる技術を利用する設備は、付加製造設備を除く製造設備、すなわち、既存の製造設備を想定している。アディティブマニュファクチャリング技術とは異なる製造技術の例としては、サブトラクティブマニュファクチャリング(除去製造)技術、フォーマティブ(フォーミング)マニュファクチャリング技術(射出成形、押出成形等)、表面処理技術(コーティング、塗装、メッキ、研磨等)、熱処理技術(焼結、冷却等)、接合技術(超音波接合、熱溶着、機械的接合、接着等)、組立技術(部品の組み立て、微細転写(インプリント)、含浸(インプリグネーション)等)が挙げられる。サブトラクティブマニュファクチャリングの例としては、切削加工、研削加工、放電加工、鋳造加工、ダイキャスト加工、プレス加工、鍛造加工、板金加工が挙げられる。
【0020】
本実施形態では、テクスチャを施した立体物の製造工程のいずれかにおいて、アディティブマニュファクチャリング技術を利用することを想定している。例えば、立体物の製造自体、立体物のパーツの製造、立体物へテクスチャの加工、または、立体物の製造に用いる素材へのテクスチャの加工の工程に、アディティブマニュファクチャリング技術を含む。
【0021】
具体的には、製造システム30では、製造対象の立体物自体を、3Dプリンタを利用して製造してもよいし、製造対象の立体物を製造するためのパーツ等を、3Dプリンタを利用して製造してもよい。立体物を製造するためのパーツ等を製造する例として、製造システム30では、板金に対し、3Dプリンタによってテクスチャを施し、この板金を用いて立体物を製造してもよい。これによれば、3Dプリンタを用いて、板金に容易にテクスチャを施すことができる。また、3Dプリンタを用いて所望のテクスチャを施した立体物を生成するための型を製造し、製造された型を用いて射出形成によってテクスチャを施した立体物を生成してもよい。この場合、3Dプリンタによって製造される型は、テクスチャが内側に施された立体物であるともいえる。これによれば、3Dプリンタを用いることで、所望のテクスチャを施した射出成型のための型を容易に製造することができる。さらに、3Dプリンタによってテクスチャを施した立体物を製造し、これを原型として型を生成し、生成された型を用いて射出成型によってテクスチャを施した立体物を生成してもよい。これによれば、所望のテクスチャが施された立体物の原型を容易に製造することができる。
【0022】
生成システム10は、図2に示すように、記憶装置13と、演算装置14とを備える。記憶装置13は、立体物の形状を決定するための情報を含む基本立体物情報D10と、立体物に施すテクスチャを示すテクスチャ情報D11と、基本立体物情報D10に基づいて決定される立体物の製造工程を示す製造工程情報D12と、立体物の製造に利用する設備を示す設備情報D13と、各設備60の利用のスケジュールを示すスケジュール情報D14と、各工程の完了に要する時間を示す所要時間情報D15と、を記憶する。
【0023】
演算装置14は、抽出処理と、生成処理とを実行する。抽出処理は、記憶装置13に登録される1以上のテクスチャ情報D11から、記憶装置13に登録される1以上の基本立体物情報D10から選択された基本立体物情報D10で決定される立体物の製造工程に付加情報の製造条件が適合するテクスチャ情報D11を抽出する。生成処理は、記憶装置13に登録される1以上の基本立体物情報D10から選択された基本立体物情報D10で決定される基本形状に、抽出処理で抽出されたテクスチャ情報D11の主情報が示すテクスチャを適用して得られるカスタム形状を決定するためのカスタム情報に変換して、カスタム情報を含むカスタム立体物情報を生成する。
【0024】
このように、生成システム10は、選択された基本立体物情報D10で決定される立体物の製造工程に付加情報の製造条件が適合するテクスチャ情報D11を抽出する。生成システム10は、基本形状に、抽出されたテクスチャ情報D11の主情報が示すテクスチャを適用し、カスタム立体物情報を生成する。したがって、生成システム10によれば、適切なテクスチャを施した立体物を製造するためのカスタム立体物情報を生成することができる。また、生成システム10は、製造システム30に、カスタム立体物情報を含む製造実行指示を出力し、立体物の製造をリクエストしてもよい。
【0025】
(1-2)詳細
以下、本実施形態の生成システム10について詳細に説明する。生成システム10は、図1に示すように、端末装置20と、通信ネットワークを介して通信可能に接続される。また、生成システム10は、複数の複数の施設40と通信ネットワーク71を介して通信可能に接続される。具体的には、生成システム10は、各施設の管理システム50と接続される。
【0026】
(1-2-1)生成システム
以下、生成システム10について詳細に説明する。生成システム10は、基本立体物情報D10に基づく立体物の製造に必要なカスタム立体物情報を生成するために利用される。生成システム10は、図2に示すように、インタフェース(入出力装置11及び通信装置12)と、記憶装置13と、演算装置14と、を備える。本実施形態では、生成システム10は、1台のサーバで実現されるものとするが、これに限定されない。
【0027】
入出力装置11は、ユーザからの情報の入力のための入力装置、及び、ユーザへの情報の出力のための出力装置としての機能を有する。つまり、入出力装置11は、生成システム10への情報の入力、及び、生成システム10からの情報の出力に利用される。入出力装置11は、1以上のヒューマン・マシン・インタフェースを備える。ヒューマン・マシン・インタフェースの例としては、キーボード、ポインティングデバイス(マウス、トラックボール等)、タッチパッド等の入力装置、ディスプレイ、スピーカ等の出力装置、タッチパネル等の入出力装置が挙げられる。
【0028】
通信装置12は、外部装置又はシステムと通信可能に接続される。本実施形態では、通信装置12は、通信ネットワーク70を通じた端末装置20との通信及び通信ネットワーク71を通じた管理システム50との通信に用いられる。通信装置12は、1以上の通信インタフェースを備える。通信装置12は、通信ネットワーク70,71に接続可能であり、通信ネットワーク70,71を通じた通信を行う機能を有する。通信装置12は、所定の通信プロトコルに準拠している。所定の通信プロトコルは、周知の様々な有線及び無線通信規格から選択され得る。
【0029】
記憶装置13は、演算装置14が利用する情報及び演算装置14で生成される情報を記憶するために用いられる。記憶装置13は、1以上のストレージ(非一時的な記憶媒体)を含む。ストレージは、例えば、ハードディスクドライブ、光学ドライブ、及びソリッドステートドライブ(SSD)のいずれであってもよい。また、ストレージは、内蔵型、外付け型、及びNAS(network-attached storage)型のいずれであってもよい。
【0030】
記憶装置13に記憶される情報は、基本立体物情報D10と、テクスチャ情報D11と、製造工程情報D12と、設備情報D13と、を記憶する。また、記憶装置13は、スケジュール情報D14と、所要時間情報D15と、を記憶することができる。図2では、記憶装置13が、情報D10~D15の全てを記憶している状態を示している。情報D10~D15は常に記憶装置13に記憶されている必要はなく、演算装置14で必要とされるときに記憶装置13に記憶されていればよい。
【0031】
基本立体物情報D10は、立体物の基本形状を示すデータである基本情報と、立体物の条件等に関する情報と、を含む。基本情報は、例えば、立体物の形状を表現した3Dデータ(例えば、3DCADデータ、3DCGデータ)である。立体物の条件に関する情報(必要に応じて、「追加情報」ともいう)は、例えば、立体物の性質、材料、及び/又は、要求性能(例えば、耐久性、耐薬性、耐熱性等)の条件に関する情報である。また、追加情報は、立体物のうちテクスチャを施す領域を示す情報を含むことができる。記憶装置13には、1以上の基本立体物情報D10が予め登録される。立体物の製造を依頼する依頼者は、基本立体物情報D10に記憶される複数の基本立体物情報D10の中から選択した基本立体物情報D10で決定される立体物の製造を依頼することを想定している。
【0032】
テクスチャ情報D11は、立体的な模様で定義されるテクスチャを示すデータである主情報と、テクスチャの製造に必要な製造条件を含む付加情報と、を含む。主情報は、例えば、テクスチャを表現した2Dデータ(例えば、2DCADデータ、2DCGデータ)や3Dデータ(例えば、3DCADデータ、3DCGデータ)である。ここで、主情報は、テクスチャが平面に適用された例で表現するものであってもよいし、特定の立体物に適用された例で表現するものであってもよい。また、記憶装置13は、複数種の異なるテクスチャ情報D11を記憶することができるが、仮に、異なる複数種について、同一の基本形状に施された例で表現された同一の形式のデータであれば、ユーザは各情報を比較しやすくなる。付加情報は、テクスチャが適合する立体物の条件に関するデータである。具体的には、付加情報は、テクスチャが適合する立体物の性質、形状、材質、製造工程等の条件に関するデータである。また、付加情報が、テクスチャが適合する設備の条件に関するデータを含むことができる。さらに、付加情報は、製造条件毎に、異なるテクスチャの品質の情報を含むことができる。
【0033】
製造工程情報D12は、立体物の製造工程を示す情報である。立体物の製造工程は、基本立体物情報D10に基づいて決定される。
【0034】
設備情報D13は、製造システム30で利用可能な各設備60のリストである。各設備のリストは、設備の属性情報を含む。属性情報は、例えば、設備で実行可能な工程と、設備で利用できる材料と、設備が造形可能な物のサイズと、設備の場所(例えば、設備のある施設40の地理的な場所)と、を含む。
【0035】
スケジュール情報D14は、製造システム30で利用可能な設備60の利用のスケジュールを示す。
【0036】
所要時間情報D15は、複数の所要時間を示す情報である。複数の所要時間は、例えば、各設備60における工程に終了に要する工程時間を含む。また、複数の所要時間は、設備から別の設備への輸送時間を含むことができる。
【0037】
演算装置14は、生成システム10の動作を制御する回路である。演算装置14は、入出力装置11及び通信装置12に接続され、記憶装置13にアクセス可能である。演算装置14は、例えば、1以上のプロセッサ(マイクロプロセッサ)と1以上のメモリとを含むコンピュータシステムにより実現され得る。1以上のプロセッサが(1以上のメモリ又は記憶装置13に記憶された)プログラムを実行することで、演算装置14としての機能を実現する。プログラムは、ここでは記憶装置13に予め記録されているが、インターネット等の電気通信回線を通じて、又はメモリカード等の非一時的な記録媒体に記録されて提供されてもよい。
【0038】
演算装置14は、第1表示処理、抽出処理、生成処理、第2表示処理及び造形データ生成処理を実行可能である。
【0039】
第1表示処理は、記憶装置13に記憶される1以上の基本立体物情報D10に基づき、端末装置20に、1以上の立体物の画像を表示させ、依頼者に製造対象の立体物を選択させる。
【0040】
抽出処理は、記憶装置13に記憶される1以上の基本立体物情報D10から選択された基本立体物情報D10で決定される立体物の製造工程を、製造工程情報D12から抽出する。また、抽出処理は、記憶装置13に記憶される1以上のテクスチャ情報D11から、抽出した製造対象の立体物の製造工程と適合するテクスチャ情報D11を抽出する。具体的には、抽出処理は、テクスチャ情報D11が含む付加情報で示される製造条件が、製造対象の立体物の製造工程と、適合するテクスチャ情報D11を抽出する。具体的には、抽出処理では、立体物の性質、形状、材質、製造工程等の条件、製造で利用される設備の条件、テクスチャの品質等に適合するテクスチャ情報D11を抽出する。また、抽出処理では、製造対象の立体物の製造工程と適合するテクスチャ情報D11が複数あるとき、それら適合する複数のテクスチャ情報D11を抽出する。このとき、抽出処理は、抽出した複数のテクスチャ情報D11は予め設定される基準に従って順位を決定してもよい。
【0041】
生成処理は、記憶装置13に記憶される1以上の基本立体物情報D10から製造の対象として選択された基本立体物情報D10で決定される立体物の基本形状を、抽出処理で抽出されたテクスチャ情報D11の主情報が示すテクスチャを適用して得られるカスタム形状を決定するためのカスタム情報に変換する。例えば、生成処理は、選択された立体物にテクスチャが施された3DCADデータをカスタム情報とする。また、生成処理は、カスタム情報と、立体物の追加情報とを含むカスタム立体物情報を生成する。例えば、生成処理は、テクスチャが施された立体物の3DCADデータ等のカスタム情報と、立体物の性質、及び/又は、材料の条件等の追加情報とを関連付け、カスタム立体物情報とする。ここで、生成処理は、立体物の表面全体にテクスチャを施すカスタム情報を生成する必要はない。例えば、生成処理は、立体物の一部にのみテクスチャを施すカスタム情報を生成してもよい。抽出処理で複数のテクスチャ情報が抽出されたとき、生成処理では、各テクスチャ情報を利用して、複数のカスタム立体物情報を生成する。
【0042】
このとき、テクスチャ情報D11では、平面や特定の基本形状にテクスチャが適用された主情報を含むが、生成処理において、カスタム情報を生成する際には、基本形状のテクスチャが施される面に対応してテクスチャを調整する。具体的には、立体物は平面ではなく、多様な形状であり、立体物の各位置において様々な角度やカーブを含むため、テクスチャ情報D11に含まれる主情報をそのまま立体物に適用することは困難である。そのため、生成処理では、その立体物の各部に応じて、テクスチャの所定の形状の一部を拡大させたり、縮小させたり、立体物のカーブに合わせて歪曲させたり、アスペクト比を調整させたりする等により、テクスチャを立体物の形状に合わせて変化させたカスタム立体物情報を生成する。
【0043】
生成処理は、カスタム情報で特定されるテクスチャを、指定される単位形状にしてもよい。生成処理は、例えば、ユーザの希望に応じて、テクスチャ情報D11で規定されるよりも粗いテクスチャが施された立体物を製造可能なカスタム立体物情報を生成してもよい。また、生成処理は、テクスチャ情報D11で規定されるよりも細かいテクスチャが施された立体物を製造可能なカスタム立体物情報を生成してもよい。またこのとき、生成処理は、立体物の表面、又は/及び、内部の指定された領域毎に、テクスチャの単位形状を指定することができる。具体的には、カスタム立体物情報では、上述した基本立体物情報D10で追加情報として含まれたテクスチャを施す領域の情報と、その領域に施すテクスチャの識別情報とを関連付ける情報を含むことができる。図5Aは、立体物の全体で同一のテクスチャを施す例であるが、この場合のカスタム立体物情報は、1の領域と、その領域に施すテクスチャの識別情報とを関連付ける。また、図5Bは、3の異なるクスチャを施す領域を有する立体物の例であるが、この場合のカスタム立体物情報は、各領域について、それぞれに施すテクスチャの識別情報を関連付ける。さらに、生成処理は、指定される毎に、テクスチャの単位形状の大きさを異なるように設定してもよい。
【0044】
また、立体物の各領域に対応させ、複数種のテクスチャを選択であって、生成処理は、指定された領域毎に、異なるテクスチャを施したカスタム情報を生成するようにしてもよい。この場合も、テクスチャの単位形状の大きさの設定は自由に指定可能であってもよい。
【0045】
生成処理は、各領域に応じて所定の変化量で単位形状の大きさを変化させたテクスチャを施したカスタム形状を生成するようにしてもよい。このときの変化は非連続的な変化に限定されず、連続的な変化であってもよい。例えば、生成処理は、立体物の下側は特定のテクスチャがテクスチャ情報D11で規定されるよりも粗いが、上側になるにつれて細かくなるようなカスタム情報を生成してもよい。なお、生成処理は、このようなテクスチャの単位形状の変化を、立体物の全体ではなく、一部でのみ含むカスタム情報を生成してもよい。
【0046】
生成処理は、複数のテクスチャが適用される場合であっても、複数のテクスチャが各領域において所定の比率で融合されて得られた新たなテクスチャを施したカスタム形状を生成するようにしてもよい。この場合、各領域における各テクスチャの比率は、ユーザによって指定可能であってもよい。このときの変化も非連続な変化に限定されず、連続的な変化であってもよい。例えば、第1のテクスチャ及び第2のテクスチャが選択されたとき、生成処理は、立体物の下側は、立体物の下側は第1のテクスチャが100%で適用されるが、立体物の上に上がるにつれて第1のテクスチャの割合が下がって第2のテクスチャの割合が上がるように合成され、立体物の真ん中では第1のテクスチャ及び第2のテクスチャの割合がともに50%で合成されたテクスチャが適用され、立体物の上側では第2のテクスチャが100%で適用される。なお、2種以上のテクスチャが選択された場合であっても、各領域について所定の比率で融合されて得られた新たなテクスチャを施したカスタム形状を形成するようにしてもよい。例えば3種のテクスチャが選択されたとき、ある領域において、いずれかのテクスチャの割合が0%や100%であってもよい。また、生成処理は、このような変化するテクスチャを、立体物の全体ではなく、一部でのみ含むカスタム情報を生成してもよい。
【0047】
第2表示処理は、端末装置20の入出力装置21(ディスプレイ)に、生成処理で生成された1以上のカスタム立体物情報を表示させ、依頼者に、立体物が施されたテクスチャが適用された立体物を選択させる。例えば、第2表示処理では、端末装置20の入出力装置21に、図6Aに示すような選択画面W1を表示させることができる。図6Aに示す選択画面W1は、それぞれカスタム情報を示す画像が表示される表示部b11を含む。また、各表示部b11には、決定ボタンb12が関連付けられる。端末装置20の入出力装置21(具体的には、入力装置)を介していずれかの決定ボタンb12が選択されことで、決定ボタンb12と関連付けられるカスタム情報を含むカスタム立体物情報が、造形データの生成対象として選択される。
【0048】
造形データ生成処理は、記憶装置13に記憶される基本立体物情報D10及びテクスチャ情報D11を参照して、利用者に選択されたカスタム立体物情報で決定される立体物の製造に用いる造形データを生成する。この造形データは、製造される立体物が利用者の要求する品質を達成するため、求められる品質を達成可能な製造方法と関連付けられる。この品質は、カスタム立体物情報の生成のリクエストを受け付ける際、カスタム立体物に求める品質として受け付けてもよい。
【0049】
また、生成システム10は、パラメータ調整画面を表示する調整画面表示処理を実行可能である。調整画面表示処理は、端末装置20の入出力装置21(ディスプレイ)に、パラメータの調整画面を表示させ、依頼者にパラメータを調整させる。例えば、調整画面表示処理は、端末装置20の入出力装置21に、図6Bに示すようなパラメータの調整画面W2を表示させることができる。図6Bに示す調整画面W2は、現状のサイズでテクスチャが施された立体物のカスタム立体物情報の画像を表示する表示部b21と、テクスチャの単位形状の大きさの変更に用いる調整部b22と、調整部b22において変更されたサイズの決定を操作する決定ボタンb23を含む。図6Bでは、初期設定のテクスチャのサイズを100%とし、それより大きくするか又は小さくするかを選択する例で示すが、調整方法については、これに限定されない。例えば、図6Aに示した選択画面W1において、決定ボタンb12と共に、又は、決定ボタンb12に代えて、テクスチャの大きさの調整を操作する操作ボタンを含み、その操作ボタンが選択されることで、図6Bに示す調整画面W2を表示可能とする。例えば、調整画面W2を利用してパラメータが調整されると、調整した新たなパラメータを用いて、再度、生成処理が実行され、新たなパラメータで調整されたテクスチャの大きさでカスタム立体物情報が生成される。例えば、生成されたカスタム情報は、調整画面W2の表示部b21に表示され、決定ボタンb23が選択されることで、調整されたテクスチャの大きさのカスタム立体物情報が、造形データの生成対象として選択される。
【0050】
また、生成システム10は、図5Bで上述したように、立体物の領域毎に異なるテクスチャを設定することができる。図5Bの例では、3つの領域を含む例である。この場合、例えば、第2表示処理において、図7で上述した選択画面W1は、各表示部b11に表示されるカスタム立体物情報と関連付けて、テクスチャを適用させる領域を指定する指定部b13を含むことができる。例えば、選択画面W1は各表示部b11に、1種類のテクスチャが適用されるカスタム情報がそれぞれ表示される。また、立体物の各領域は、識別子で特定され得る状態であるとする。そして、第2表示処理で表示する選択画面W1の決定ボタンb12でテクスチャを決定する前に、指定部b13によって、テクスチャを適用させる立体物の領域を指定させる。製造対象の立体物の各領域について、指定部b13で領域を指定した後に決定ボタンb12を選択することで、各領域のテクスチャを設定することができる。なお、各領域のテクスチャの指定方法は、図7を示す方法に限られない。
【0051】
また、生成システム10は、複数のテクスチャを選択し、各各領域において合成の比率を調整する比率調整画面を表示させる第2調整画面表示処理を実行可能である。第2調整画面表示処理は、端末装置20の入出力装置21に、比率調整画面を表示させ、依頼者に合成の比率を調整させる。例えば、第2調整画面表示処理は、端末装置の入出力装置21に、図8に示すような比率調整画面W3を表示させることができる。図8に示す比率調整画面W3は、入力する比率を適用させる位置を指定するポインタb31と、指定された位置における第1のテクスチャの比率を選択する選択部b32と、第2のテクスチャの比率を選択する選択部b33と、選択部b32,b33で選択された比率を決定する決定ボタンb34とを含む。
【0052】
なお、生成システム10は、カスタム立体物情報及び造形データを生成した後、生成システム10自体から、生成した造形データを含む製造実行指示を製造システム30に送信することが可能であってもよい。具体的には、生成システム10は、設備選択処理と、実行処理とを実行可能であってもよい。
【0053】
設備選択処理は、記憶装置13に記憶されるスケジュール情報及び所要時間情報を参照して、立体物を製造する設備を選択する。また、製造工程が複数の設備を用いた複数の工程で成立する場合、設備選択処理は、複数の工程を実行する複数の設備を選択する。
【0054】
実行処理は、生成処理で生成されたカスタム立体物情報で決定される立体物を製造工程により製造するための製造実行指示を生成する。この製造実行指示は、造形データ生成処理で生成された造形データを含む。また、実行処理は、生成された製造実行指示を、設備選択処理で選択された設備に出力する。設備選択処理において対象の立体物を製造するための複数の設備が選択された場合、実行処理では、これら複数の設備に対応する製造実行指示を生成し、各設備に対応する製造実行指示を出力する。
【0055】
(1-2-2)端末装置
以下、端末装置20について説明する。端末装置20は、立体物の製造を依頼する依頼者により使用されることを想定している。主に、端末装置20は、ユーザである依頼者から生成システム10への情報の入力、及び、生成システム10から依頼者への情報の出力に用いられる。端末装置20は、図3に示すように、インタフェース(入出力装置21及び通信装置22)と、記憶装置23と、演算装置24と、を備える。本実施形態では、端末装置20は、1台の装置で実現されるものとして説明するが、これに限定されない。端末装置20は、パーソナルコンピュータ(デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ)、携帯端末(スマートフォン、タブレット端末、ウェアラブル端末等)等により実現され得る。
【0056】
入出力装置21は、ユーザからの情報の入力のための入力装置、及び、ユーザへの情報の出力のための出力装置としての機能を有する。入出力装置21は、1以上のヒューマン・マシン・インタフェースを備える。ヒューマン・マシン・インタフェースの例としては、キーボード、ポインティングデバイス(マウス、トラックボール等)、タッチパッド等の入力装置、ディスプレイ、スピーカ等の出力装置、タッチパネル等の入出力装置が挙げられる。例えば、ディスプレイである入出力装置21には、生成システム10から選択肢として複数の立体物に関する情報や、複数のテクスチャの情報に関する情報が表示されたり、生成システム10で生成されたカスタム立体物情報等が表示される。また、ポインティングデバイス等の入力装置である入出力装置21は、ユーザの操作に従い、複数の立体物からの選択情報や複数のテクスチャからの選択情報の入力に利用される。
【0057】
通信装置22は、外部装置又はシステムと通信可能に接続される。本実施形態では、通信装置22は、通信ネットワーク70を通じた生成システム10との通信に用いられる。通信装置22は、1以上の通信インタフェースを備える。通信装置22は、所定の通信プロトコルに準拠している。所定の通信プロトコルは、周知の様々な有線及び無線通信規格から選択され得る。
【0058】
記憶装置23は、演算装置24が利用する情報及び演算装置24で生成される情報を記憶するために用いられる。記憶装置23は、1以上のストレージ(非一時的な記憶媒体)を含む。ストレージは、例えば、ハードディスクドライブ、光学ドライブ、及びソリッドステートドライブ(SSD)のいずれであってもよい。また、ストレージは、内蔵型、外付け型、及びNAS(network-attached storage)型のいずれであってもよい。
【0059】
演算装置24は、端末装置20の動作を制御する回路である。演算装置24は、入出力装置21及び通信装置22に接続され、記憶装置23にアクセス可能である。演算装置24は、例えば、1以上のプロセッサ(マイクロプロセッサ)と1以上のメモリとを含むコンピュータシステムにより実現され得る。1以上のプロセッサが(1以上のメモリ又は記憶装置23に記憶された)プログラムを実行することで、演算装置24としての機能を実現する。プログラムは、ここでは記憶装置23に予め記録されているが、インターネット等の電気通信回線を通じて、又はメモリカード等の非一時的な記録媒体に記録されて提供されてもよい。
【0060】
このように、端末装置20は、生成システム10により提供される立体物の選択肢に関する情報やテクスチャが施された立体物の選択肢に関する情報を提示することができる。また、端末装置20は、ユーザによる選択情報を、生成システム10に送信することができる。これにより、端末装置20は、ユーザにより選択されたテクスチャを施した立体物の製造に用いるカスタム立体物情報の生成をリクエストことができる。
【0061】
(1-2-3)管理システム
以下、管理システム50について詳細に説明する。管理システム50は、施設40にいるユーザ(施設40の管理者、設備60の作業者等)で使用されることを想定している。例えば、管理システム50は、管理者から製造システム30への情報の入力、及び、製造システム30から管理者への情報の出力に用いられる。管理システム50は、図4に示すように、インタフェース(入出力装置51及び通信装置52)と、記憶装置53と、演算装置54と、を備える。本実施形態では、管理システム50は、1台の端末装置で実現される。端末装置は、パーソナルコンピュータ(デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ)、携帯端末(スマートフォン、タブレット端末、ウェアラブル端末等)等により実現され得る。
【0062】
入出力装置51は、ユーザからの情報の入力のための入力装置、及び、ユーザへの情報の出力のための出力装置としての機能を有する。入出力装置51は、1以上のヒューマン・マシン・インタフェースを備える。ヒューマン・マシン・インタフェースの例としては、キーボード、ポインティングデバイス(マウス、トラックボール等)、タッチパッド等の入力装置、ディスプレイ、スピーカ等の出力装置、タッチパネル等の入出力装置が挙げられる。
【0063】
通信装置52は、外部装置又はシステムと通信可能に接続される。本実施形態では、通信装置52は、通信ネットワーク71を通じた生成システム10との通信に用いられる。通信装置52は、1以上の通信インタフェースを備える。通信装置52は、所定の通信プロトコルに準拠している。所定の通信プロトコルは、周知の様々な有線及び無線通信規格から選択され得る。
【0064】
記憶装置53は、演算装置54が利用する情報及び演算装置54で生成される情報を記憶するために用いられる。記憶装置53は、1以上のストレージ(非一時的な記憶媒体)を含む。ストレージは、例えば、ハードディスクドライブ、光学ドライブ、及びソリッドステートドライブ(SSD)のいずれであってもよい。また、ストレージは、内蔵型、外付け型、及びNAS(network-attached storage)型のいずれであってもよい。
【0065】
演算装置54は、管理システム50の動作を制御する回路である。演算装置54は、入出力装置51及び通信装置52に接続され、記憶装置53にアクセス可能である。演算装置54は、例えば、1以上のプロセッサ(マイクロプロセッサ)と1以上のメモリとを含むコンピュータシステムにより実現され得る。1以上のプロセッサが(1以上のメモリ又は記憶装置53に記憶された)プログラムを実行することで、演算装置54としての機能を実現する。プログラムは、ここでは記憶装置53に予め記録されているが、インターネット等の電気通信回線を通じて、又はメモリカード等の非一時的な記録媒体に記録されて提供されてもよい。
【0066】
演算装置54は、通信ネットワーク71を通じて生成システム10から立体物の製造をするための指示を通信装置52で受け取る。演算装置54は、受け取った指示を記憶装置53に記憶し、必要に応じて入出力装置51により提示する。演算装置54は、立体物の製造に関する工程の結果に関する情報を、入出力装置51を通じて取得し、必要に応じて通信装置52から通信ネットワーク71を通じて生成システム10に送信する。
【0067】
このように、施設40では、管理システム50で提示される指示にしたがって、作業者が設備30で立体物の製造のための工程を実行することができる。また、例えば、施設40の管理者は、管理システム50を通じて、立体物の製造に関する工程の結果に関する情報を生成システム10等の外部の装置に提供することができる。
【0068】
(1-3)動作
以下、図9のフローチャートを参照して、本実施形態の生成システム10における、カスタム立体物情報の生成の動作について簡単に説明する。
【0069】
製造システム30では、端末装置20を介して依頼者のリクエストの入力が操作されることにより、カスタム立体物情報の生成の一連の動作が開始する。
【0070】
生成システム10は、記憶装置13に記憶される基本立体物情報D10を参照して、製造システム30おいて製造可能な立体物の一覧のデータを端末装置20に送信し、端末装置20の入出力装置21(ディスプレイ)に立体物の一覧を表示させる(S01)。ここで、例えば、依頼者によるリクエストは、立体物のカテゴリ、立体物の材料等の条件を含んでいてもよい。生成システム10は、リクエストに含まれる条件に応じた立体物の一覧データを生成し、端末装置20に送信することができる。
【0071】
生成システム10は、ステップS01で表示させた立体物の一覧から、依頼者が製造を希望する立体物の選択情報を受け付ける(S02)。
【0072】
生成システム10は、記憶装置13に記憶される製造工程情報D12を参照して、ステップS02において受け付けた立体物の製造工程を決定する(S03)。
【0073】
生成システム10は、記憶装置13に記憶される1以上のテクスチャ情報D11を参照して、ステップS03において決定された製造工程に適合するテクスチャ情報D11を抽出する(S04)。具体的には、生成システム10は、立体物の製造工程の条件に適合するテクスチャ情報D11を抽出する。ここで、生成システム10は、条件に適合する複数のテクスチャ情報D11を抽出することができる。
【0074】
生成システム10は、ステップS02において受け付けた選択情報で特定される立体物の基本形状に、ステップS04において抽出したテクスチャ情報D11を適用したカスタム立体物情報を生成する(S05)。ステップS04において複数のテクスチャ情報が抽出されたとき、生成システム10は、テクスチャ情報毎に、カスタム立体物情報を生成する。
【0075】
生成システム10は、ステップS05で生成したカスタム立体物情報を端末装置20の入出力装置21(ディスプレイ)に表示させる(S06)。ここで、生成システム10は、例えば、図6Aを用いて上述したような、複数のカスタム立体物情報の一覧を含む選択画面W1を入出力装置21に表示させる。なお、生成システム10では、複数の領域にそれぞれ異なるテクスチャを施す場合、例えば、図7を用いて上述したように、各領域に施すテクスチャを選択させることができる。
【0076】
生成システム10は、ステップS06で表示させたカスタム立体物情報から、依頼者による製造を希望するカスタム立体物情報の選択結果を受け付ける(S07)。
【0077】
生成システム10は、ステップS07において受け付けた選択情報で特定されるカスタム立体物情報に対応する造形データを生成する(S08)。
【0078】
上述したように、生成システム10では、ユーザの選択に応じて、テクスチャが施された立体物の生成に用いるカスタム立体物情報を生成することができる。また、生成システム10では、このカスタム立体物情報を用いて、造形データを生成することもできる。
【0079】
(2)実施の形態のまとめ
以上のように本発明の態様に係る生成システム、生成方法及びコンピュータプログラムは、以下のように構成してもよい。
【0080】
(態様1)生成システムであって、記憶装置と、演算装置とを備え、前記記憶装置は、 立体物の基本形状を決定するための基本情報を含む基本立体物情報が1以上登録された立体物データベースと、立体的な模様で定義されるテクスチャを示す主情報と前記テクスチャの製造に必要な製造条件を含む付加情報とを含むテクスチャ情報が1以上登録されたテクスチャデータベースと、を記憶し、前記演算装置は、前記テクスチャデータベースから、前記立体物データベースから選択された基本立体物情報で決定される立体物の製造工程に付加情報の製造条件が適合するテクスチャ情報を抽出する抽出処理と、前記抽出処理で抽出されたテクスチャデータベースから選択されたテクスチャ情報に基づいて、前記立体物データベースから選択された基本立体物情報の基本情報を、前記基本情報で決定される基本形状に前記抽出処理で抽出されたテクスチャ情報の主情報が示すテクスチャを適用して得られるカスタム形状を決定するためのカスタム情報に変換して、前記カスタム情報を含むカスタム立体物情報を生成する生成処理と、を実行する。
【0081】
(態様2)態様1の生成システムにおいて、前記抽出処理は、複数のテクスチャ情報を選択し、前記演算装置は、前記立体物データベースから選択された基本立体物情報で決定される立体物に、前記抽出処理で選択された各テクスチャ情報に基づく、複数のカスタム立体物情報を生成する生成処理と、生成された前記複数のカスタム立体物情報を表示装置に表示させる表示処理と、を実行する。
【0082】
(態様3)態様1又は態様2の生成システムにおいて、前記演算装置は、前記立体物データベース及び前記テクスチャデータベースを参照して、利用者に選択された前記カスタム立体物情報で決定される前記立体物の製造に用いる造形データを生成する造形データ生成処理を実行する。
【0083】
(態様4)態様1乃至態様3のいずれか1の生成システムにおいて、前記付加情報は、製造条件毎に異なるテクスチャの品質の情報をさらに含む。
【0084】
(態様5)態様1乃至態様4のいずれか1の生成システムにおいて、前記付加情報は、前記立体物に関する条件をさらに含む。
【0085】
(態様6)態様1乃至態様5のいずれか1の生成システムにおいて、前記テクスチャは、単位形状が周期的に配列された形状である。
【0086】
(態様7)態様1乃至態様6のいずれか1の生成システムにおいて、前記生成処理は、前記テクスチャを前記立体物の形状に合わせて変化させたカスタム立体物情報を生成する。
【0087】
(態様8)態様7の生成システムにおいて、前記生成処理は、前記立体物の表面又は/及び内部の指定された領域に、指定された単位形状の大きさでテクスチャを適用したカスタム立体物情報を生成する。
【0088】
(態様9)態様8の生成システムにおいて、前記生成処理は、所定の変化量で前記単位形状の大きさを変化させたテクスチャを適用したカスタム立体物情報を生成する。
【0089】
(態様10)態様6乃至態様9のいずれか1の生成システムにおいて、 前記生成処理は、選択された複数のテクスチャを含むテクスチャを適用したカスタム立体物情報を生成する。
【0090】
(態様11)態様6乃至態様10のいずれか1の生成システムにおいて、 前記生成処理は、前記立体物の各領域において、選択された第1及び第2のテクスチャの比率を取得し、前記領域毎に前記第1及び第2のテクスチャが前記比率で合成されたテクスチャを適用したカスタム立体物情報を生成する。
【0091】
(態様12)態様6乃至態様11のいずれか1の生成システムにおいて、 前記生成処理は、前記立体物の各領域に、指定された異なるテクスチャを適用したカスタム立体物情報を生成する。
【0092】
(態様13)態様1乃至態様12のいずれか1の生成システムにおいて、 前記立体物の製造工程は、アディティブマニュファクチャリング技術を利用する設備で実行される工程を含む。
【0093】
(態様14)態様1乃至態様13のいずれか1の生成システムにおいて、 前記演算装置は、
前記カスタム形状で決定される立体物の製造に用いる型を製造するための型情報を生成する型情報生成処理を実行する。
【0094】
(態様15)記憶装置にアクセス可能な演算装置で実行される生成方法であって、前記記憶装置は、立体物の基本形状を決定するための基本情報を含む基本立体物情報が1以上登録された立体物データベースと、立体的な模様で定義されるテクスチャを示す主情報と前記テクスチャの製造に必要な製造条件を含む付加情報とを含むテクスチャ情報が1以上登録されたテクスチャデータベースと、を記憶し、前記生成方法は、前記テクスチャデータベースから、前記立体物データベースから選択された基本立体物情報で決定される立体物の製造工程に付加情報の製造条件が適合するテクスチャ情報を抽出する抽出処理と、前記抽出処理で抽出されたテクスチャ情報から選択されたテクスチャ情報に基づいて、前記立体物データベースから選択された基本立体物情報の基本情報を、前記基本情報で決定される基本形状に前記抽出処理で抽出されたテクスチャ情報から選択されたテクスチャ情報の主情報が示すテクスチャを適用して得られるカスタム形状を決定するためのカスタム情報に変換して、前記カスタム情報を含むカスタム立体物情報を生成する生成処理と、を含む。
【0095】
(態様16)コンピュータプログラムであって、態様14の生成方法を、前記演算装置に実行させる。
【符号の説明】
【0096】
10 生成システム
11 入出力装置
12 通信装置
13 記憶装置
D10 基本立体物情報
D11 テクスチャ情報
D12 製造工程情報
D13 設備情報
D14 スケジュール情報
D15 所要時間情報
14 演算装置
20 端末装置
21 入出力装置
22 通信装置
23 記憶装置
24 演算装置
30 製造システム
50 管理システム
51 入出力装置
52 通信装置
53 記憶装置
54 演算装置
70 通信ネットワーク
71 通信ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6A
図6B
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2022-03-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶装置と、演算装置とを備え、
前記記憶装置は、
立体物の基本形状を決定するための基本情報を含む基本立体物情報が1以上登録された立体物データベースと、
立体的な模様で定義されるテクスチャを示す主情報と前記テクスチャの製造に必要な製造条件を含む付加情報とを含むテクスチャ情報が1以上登録されたテクスチャデータベースと、
を記憶し、
前記演算装置は、
前記テクスチャデータベースから、前記立体物データベースから選択された基本立体物情報で決定される立体物の製造工程に付加情報の製造条件が適合するテクスチャ情報を抽出する抽出処理と、
前記抽出処理で抽出されたテクスチャデータベースから選択されたテクスチャ情報に基づいて、前記立体物データベースから選択された基本立体物情報の基本情報を、前記基本情報で決定される基本形状に前記抽出処理で抽出されたテクスチャ情報の主情報が示すテクスチャを適用して得られるカスタム形状を決定するためのカスタム情報に変換して、前記カスタム情報を含むカスタム立体物情報を生成する生成処理と、
を実行する、
生成システム。
【請求項2】
前記抽出処理は、複数のテクスチャ情報を選択し、
前記演算装置は、
前記立体物データベースから選択された基本立体物情報で決定される立体物に、前記抽出処理で選択された各テクスチャ情報に基づく、複数のカスタム立体物情報を生成する生成処理と、
生成された前記複数のカスタム立体物情報を表示装置に表示させる表示処理と、
を実行する、
請求項1に記載の生成システム。
【請求項3】
前記演算装置は、
前記立体物データベース及び前記テクスチャデータベースを参照して、利用者に選択された前記カスタム立体物情報で決定される前記立体物の製造に用いる造形データを生成する造形データ生成処理を実行する、
請求項1又は2に記載の生成システム。
【請求項4】
前記付加情報は、製造条件毎に異なるテクスチャの品質の情報をさらに含む
請求項1乃至3のいずれか1に記載の生成システム。
【請求項5】
前記付加情報は、前記立体物に関する条件をさらに含む
請求項1乃至4のいずれか1に記載の生成システム。
【請求項6】
前記テクスチャは、単位形状が周期的に配列された形状である
請求項1乃至5のいずれか1に記載の生成システム。
【請求項7】
前記生成処理は、前記テクスチャを前記立体物の形状に合わせて変化させたカスタム立体物情報を生成する
請求項1乃至6のいずれか1に記載の生成システム。
【請求項8】
前記生成処理は、前記立体物の表面又は/及び内部の指定された領域に、指定された単位形状の大きさでテクスチャを適用したカスタム立体物情報を生成する
請求項7に記載の生成システム。
【請求項9】
前記生成処理は、所定の変化量で前記単位形状の大きさを変化させたテクスチャを適用したカスタム立体物情報を生成する
請求項8に記載の生成システム。
【請求項10】
前記生成処理は、選択された複数のテクスチャを含むテクスチャを適用したカスタム立体物情報を生成する
請求項6乃至9のいずれか1に記載の生成システム。
【請求項11】
前記生成処理は、前記立体物の各領域において、選択された第1及び第2のテクスチャの比率を取得し、前記領域毎に前記第1及び第2のテクスチャが前記比率で合成されたテクスチャを適用したカスタム立体物情報を生成する
請求項6乃至10いずれか1に記載の生成システム。
【請求項12】
前記生成処理は、前記立体物の各領域に、指定された異なるテクスチャを適用したカスタム立体物情報を生成する
請求項6乃至11のいずれか1に記載の生成システム。
【請求項13】
前記立体物の製造工程は、アディティブマニュファクチャリング技術を利用する設備で実行される工程を含む、
請求項1乃至12のいずれかに1に記載の生成システム。
【請求項14】
前記演算装置は、
前記カスタム形状で決定される立体物の製造に用いる型を製造するための型情報を生成する型情報生成処理を実行する
請求項1乃至13のいずれか1に記載の生成システム。
【請求項15】
記憶装置にアクセス可能な演算装置で実行される生成方法であって、
前記記憶装置は、
立体物の基本形状を決定するための基本情報を含む基本立体物情報が1以上登録された立体物データベースと、
立体的な模様で定義されるテクスチャを示す主情報と前記テクスチャの製造に必要な製造条件を含む付加情報とを含むテクスチャ情報が1以上登録されたテクスチャデータベースと、
を記憶し、
前記生成方法は、
前記テクスチャデータベースから、前記立体物データベースから選択された基本立体物情報で決定される立体物の製造工程に付加情報の製造条件が適合するテクスチャ情報を抽出する抽出処理と、
前記抽出処理で抽出されたテクスチャ情報から選択されたテクスチャ情報に基づいて、前記立体物データベースから選択された基本立体物情報の基本情報を、前記基本情報で決定される基本形状に前記抽出処理で抽出されたテクスチャ情報から選択されたテクスチャ情報の主情報が示すテクスチャを適用して得られるカスタム形状を決定するためのカスタム情報に変換して、前記カスタム情報を含むカスタム立体物情報を生成する生成処理と、
を含む、
生成方法。
【請求項16】
請求項15に記載の生成方法を、前記演算装置に実行させるためのコンピュータプログラム。