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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022178722
(43)【公開日】2022-12-02
(54)【発明の名称】ゴルフパッティングマット
(51)【国際特許分類】
   A63B 69/36 20060101AFI20221125BHJP
【FI】
A63B69/36 511H
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021085714
(22)【出願日】2021-05-20
(71)【出願人】
【識別番号】521220378
【氏名又は名称】イ、キラン
【氏名又は名称原語表記】LEE Ki Rang
【住所又は居所原語表記】4-603 ho , 3420 , Seochodae-ro 1 gil , Gangnam-gu , Seoul , KOREA
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】イ、キラン
(57)【要約】
【課題】 マット胴体の上面に表面摩擦係数が異なる2以上のパッティングパッドを形成することにより、使用者が2以上の複数のグリーンの速さを有するパッティングパッドのうちのいずれか一つを選んでゴルフパッティング練習ができるようにしたゴルフパッティングマットを提供すること。
【解決手段】 グリーンの速さが異なる少なくとも2以上のパッティングパッド3-1、3-2、3-3と、帯状の胴体をなし、上面に前記パッティングパッド3-1、3-2、3-3を一つにまとめて連接するように形成するマット胴体5と、を備えることを特徴とするゴルフパッティングマット。これにより、パッティングマットの上面にグリーンの速さが異なる2以上のパッティング面を実現することができるので、使用者をして単一のマットで様々なグリーンの速さを練習せしめることができる。
【選択図】 図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
グリーンの速さが異なる少なくとも2以上のパッティングパッド(3-1,3-2,3-3)と、
帯状の胴体をなし、上面に前記パッティングパッド(3-1,3-2,3-3)を一つにまとめて連接するように形成するマット胴体(5)と、
を備えることを特徴とするゴルフパッティングマット。
【請求項2】
それぞれの前記パッティングパッド(3-1,3-2,3-3)は、材質が異なるそれぞれの織物からなることを特徴とする請求項1に記載のゴルフパッティングマット。
【請求項3】
前記それぞれのパッティングパッド(3-1,3-2,3-3)は、結合具(13-1,13-2)により前記マット胴体(5)に着脱自在に取り付けられ、それぞれが自体的にまたは相互間に配置を変更して前記マット胴体(5)に取り付け可能であることを特徴とする請求項2に記載のゴルフパッティングマット。
【請求項4】
前記それぞれのパッティングパッド(3-1,3-2,3-3)は、前記マット胴体(5)にひっくり返した状態で取り付けて背面(15)をパッティング面として使用できるようになっていることを特徴とする請求項3に記載のゴルフパッティングマット。
【請求項5】
前記パッティングパッド(3-1,3-2,3-3)の一方の側からパッティングしたゴルフボールの標的になるように、前記パッティングパッド(3-1,3-2,3-3)の他方の側に形成されたターゲット部(7)をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載のゴルフパッティングマット。
【請求項6】
前記それぞれのパッティングパッド(3-1,3-2,3-3)は、
リンネル、ポリエステル及びコットンを混紡した織物と、
コットン及びポリエステルを混紡した織物、及び
レーヨン及びポリエステルを混紡した織物のうちから互いに重ならないように選んだいずれか一種の織物により製作されることを特徴とする請求項2乃至請求項4のいずれか一項に記載のゴルフパッティングマット。
【請求項7】
パッティング面をなすパッティングパッド(53)と、
前記パッティングパッド(53)の背面に収容空間(S)を形成するように取り付けられる袋パッド(54)と、
前記収容空間(S)に収められたときに前記パッティングパッド(53)に凹凸を生じさせてグリーンの速さを決定するように、外面に複数の突起(61,62)が突出した凹凸パッド(55)と、
を備えることを特徴とするゴルフパッティングマット。
【請求項8】
前記凹凸パッド(55)は、前記突起(61,62)の大きさと稠密度が外面上の位置に応じて部分的に異なってきて、前記パッティングパッド(53)のグリーンの速さを前記パッティングパッド(53)上の位置に応じて部分的に異ならせることを特徴とする請求項6に記載のゴルフパッティングマット。
【請求項9】
グリーンの速さが異なる少なくとも2以上のパッティングパッド(203-1,203-2,203-3)と、
帯状の胴体をなし、前記パッティングパッド(203-1,203-2,203-3)のうちから選ばれたいずれか一つを上面に着脱自在に取り付けるようになっているマット胴体(205)と、
を備えることを特徴とするゴルフパッティングマット。
【請求項10】
前記それぞれのパッティングパッド(203-1,203-2,203-3)は、前記マット胴体(205)にひっくり返した状態で取り付けて背面(15)をパッティング面として使用できるようになっていることを特徴とする請求項9に記載のゴルフパッティングマット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴルフパッティングマットに係り、さらに詳しくは、マット胴体の上面に表面摩擦係数が異なる2以上のパッティングパッドを形成することにより、使用者が2以上の複数のグリーンの速さを有するパッティングパッドのうちのいずれか一つを選んでゴルフのパッティング練習ができるようにしたゴルフパッティングマットに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ゴルフでは、フェアウェイでの打撃だけではなく、グリーンでのパッティングもまた重要である。したがって、ゴルフのスコアを向上させるためには、グリーンでのパッティング練習をこつこつと行うことを余儀なくされる。
【0003】
例えば、大韓民国特許公開第10-2003-0043103号公報に開示されている従来のゴルフパッティング練習用マットは、図1に図面符号101にて示すように、長尺状に延びたマット胴体105の上面にパッティング面103が形成され、このパッティング面103の一方の端にターゲット部107が形成されるため、使用者は、ターゲット部107の反対側から、パッティング面103の上にゴルフボールを置き、ターゲット部107に向かってパッティングをすることにより、パッティング練習をすることになる。
【0004】
ところが、上記のような従来のゴルフパッティング練習用マット101は、パッティング面103が一つのみ存在し、このため、グリーンの速さもまた一つしか存在しないため、様々なグリーンの速さを練習することができないという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】大韓民国特許公開第10-2003-0043103号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記のような従来のパッティングマット(パターマット)が有している問題を解決するために提案されたものであって、単一のマット胴体の上に様々なグリーンの速さを有する2以上のパッティング面を実現することにより、使用者が単一のマットで様々なグリーンの速さを練習できるようにするところにその目的がある。
【0007】
また、異なる表面摩擦係数を有する織物でパッティングパッドを実現しながら、それぞれのパッティングパッドがマット胴体から取り外されて互いに位置を変えたり自体的に位置を変更したりしてマット胴体に取り付けられるようにすることにより、なお一層様々なグリーンの速さを有するパッティング面を実現しようとするところに他の目的がある。
【0008】
さらに、パッティングパッドを袋状にし、内側に凹凸パッドを挿入してパッティングパッドのパッティング面に凹凸を形成するが、凹凸パッドの凹凸の大きさを変更できるようにすることにより、パッティング面のグリーンの速さを所望の通りに調整できるようにするところにさらに他の目的がある。
【0009】
さらにまた、複数のパッティングパッドがそれぞれ単一のパッドからなってマット胴体に対して着脱式により取り付けられるようにすることにより、使用者が所定の表面粗さを有するパッティングパッドを選択できるように、したがって、パッティング面のグリーンの速さをより容易に変更できるようにするところにさらに他の目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
このような目的を達成するために、本発明は、グリーンの速さが異なる少なくとも2以上のパッティングパッドと、帯状の胴体をなし、上面に前記パッティングパッドを一つにまとめて連接するように形成するマット胴体と、を備えるゴルフパッティングマットを提供する。
【0011】
また、それぞれの前記パッティングパッドは、材質が異なるそれぞれの織物パッドからなることが好ましい。
【0012】
さらに、前記それぞれの織物パッドは、結合具により前記マット胴体に着脱自在に取り付けられ、それぞれが自体的にまたは相互間に配置を変更して前記マット胴体に取り付け可能であることが好ましい。
【0013】
さらにまた、前記それぞれの織物パッドは、前記マット胴体にひっくり返した状態で取り付けて背面をパッティング面として使用できるようになっていることが好ましい。
【0014】
さらにまた、前記パッティングパッド一方の側からパッティングしたゴルフボールの標的になるように、前記パッティングパッドの他方の側に形成されたターゲット部をさらに備えることが好ましい。
【0015】
さらにまた、前記それぞれの織物パッドは、リンネル、ポリエステル及びコットンを混紡した織物と、コットン及びポリエステルを混紡した織物、及びレーヨン及びポリエステルを混紡した織物のうちから互いに重ならないように選んだいずれか一種の織物により製作されることが好ましい。
【0016】
また、本発明は、パッティング面をなすパッティングパッドと、前記パッティングパッドの背面に収容空間を形成するように取り付けられる袋パッドと、前記収容空間に収められたときに前記パッティングパッドに凹凸を生じさせてグリーンの速さを決定するように、外面に複数の突起が突出した凹凸パッドと、を備えるゴルフパッティングマットを提供する。
【0017】
また、前記凹凸パッドは、前記突起の大きさと稠密度が外面上の位置に応じて部分的に異なってきて、前記パッティングパッドのグリーンの速さを前記パッティングパッド上の位置に応じて部分的に異ならせることが好ましい。
【0018】
さらにまた、本発明は、グリーンの速さが異なる少なくとも2以上のパッティングパッドと、帯状の胴体をなし、前記パッティングパッドのうちから選ばれたいずれか一つを上面に着脱自在に取り付けるようになっているマット胴体と、を備えるゴルフパッティングマットを提供する。
【0019】
また、前記それぞれのパッティングパッドは、前記マット胴体にひっくり返した状態で取り付けて背面をパッティング面として使用できるようになっていることが好ましい。
【発明の効果】
【0020】
本発明のゴルフパッティングマットによれば、パッティングマットの上に様々なグリーンの速さを有する2以上のパッティング面を実現することができるので、使用者は、単一のマットをもって様々なグリーンの速さを練習することが可能になる。
【0021】
また、パッティングパッドをマット胴体から取り外して取り付け直すことができるので、特定のパッティングパッドをマット胴体の上の他の位置に移して取り付けることができるだけではなく、水平面の上において180°回して取り付けることができるので、マット胴体の上においてパッティング面を所望の通りに演出することが可能になる。
【0022】
さらに、マット胴体から取り外したパッティングパッドをひっくり返して取り付け直すことができるので、パッティングパッドの表面摩擦係数に応じたグリーンの速さの配置の多様性を大幅に拡大することが可能になる。
【0023】
さらにまた、パッティングパッドと袋パッドとの間に形成される収容空間に凹凸パッドを収めて凹凸パッドの突起により生じた凹凸によりパッティングマットのパッティング面にも凹凸が生じるようにしながら、凹凸パッドの外面上の位置に応じて部分的に突起の大きさや間隔を異ならせて凹凸の大きさに変化を与えることができ、したがって、凹凸パッドの凹凸の大きさに応じてパッティング面の凹凸の大きさもまた可変にできるので、収容空間に収められる凹凸パッドの向きを変えることにより、容易にパッティング面のグリーンの速さを変化させることが可能になる。
【0024】
のみならず、突起の大きさや間隔が異なる様々な種類の凹凸パッドを備える場合、突起の大きさや間隔が使用者の希望通りになっている凹凸パッドを選んでパッティングパッドに凹凸を形成することができるので、パッティング面の凹凸を所望の通りに設定することができ、したがって、パッティング面のグリーンの速さを容易且つ迅速に変更することが可能になる。
【0025】
さらにまた、表面粗さが異なる単一枚のパッティングパッドを複数枚備え、それぞれのパッティングパッドがマット胴体に着脱自在に取り付けられるようにしているだけではなく、各パッティングパッドの背面をパッティング面とは異なる表面粗さを有するようにしてパッティング面として用いることができるので、使用者は、パッティングパッドの取り替えや取り付け直しを行うことにより、パッティング面のグリーンの速さを容易且つ迅速に変更することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】従来のパッティング練習マットを示す斜視図。
図2】本発明の一実施形態に係るゴルフパッティングマットの平面図。
図3図2の側面図。
図4】本発明の他の実施形態に係るゴルフパッティングマットの平面図。
図5図4の側面図。
図6図4に示すゴルフパッティングマットをパッティングパッドが取り外された状態で示す斜視図。
図7】本発明の他の実施形態に係るゴルフパッティングマットの分解斜視図。
図8】本発明のさらに他の実施形態を示す分解斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、添付図面に基づいて、本発明の一実施形態に係るゴルフパッティングマットについて詳しく説明する。
【0028】
本発明のゴルフパッティングマットは、図2に図面符号1にて示すように、大きく分けると、2以上のパッティングパッド3-1、3-2、3-3及びマット胴体5を備える。
【0029】
ここで、まず、前記2以上のパッティングパッド3-1、3-2、3-3は、それぞれ表面摩擦係数が異なる織物からなるため、その上にゴルフボールを載せてパッティングをする場合、ゴルフボールの移動距離が摩擦係数に応じて異なってくる。このように、パッティングパッド3-1、3-2、3-3の摩擦係数に応じてパッティングの際にゴルフボールの移動距離が異なってくることをグリーンの速さの差とも呼び、したがって、それぞれのパッティングパッド3-1、3-2、3-3は、パッティング面10の摩擦係数が低くなれば低くなるほどグリーンの速さが速いといい、高くなれば高くなるほど遅いという。
【0030】
このように、パッティングパッド3-1、3-2、3-3間のグリーンの速さ、すなわち、表面摩擦係数を異ならせる方法としては、次のような様々な方法が挙げられる。
【0031】
まず、一つのマット胴体5をグリーンの速さに応じて長手方向に仕切った後、ブラシングなどの後加工を施してマット胴体5に対する加工粗さを異ならせることにより、同じ材質であるものの、表面摩擦係数が異なるパッティングパッド3-1、3-2、3-3をマット胴体5の上面に作ることができる。
【0032】
また、製織方式に応じて表面摩擦係数を異ならせた2以上のパッティングパッド3-1、3-2、3-3をそれぞれ別々に製作してマット胴体5の上面に長手方向に並ぶように連接して取り付けることにより、グリーンの速さがそれぞれ異なる2以上のパッティングパッド3-1、3-2、3-3を作ることもできる。
【0033】
さらに、図2に示すように、材質の差異を通じて表面摩擦係数を異ならせた2以上のパッティングパッド3-1、3-2、3-3をそれぞれ別々に製作して上記のようにマット胴体5の上面に取り付けることにより、グリーンの速さが異なる2以上のパッティングパッド3-1、3-2、3-3を作ることもできる。
【0034】
但し、上記のように、材質によりパッティングパッド3-1、3-2、3-3のグリーンの速さを異ならせるためには、パッティングパッド3-1、3-2、3-3として用いるべき織物をパッティングパッド3-1、3-2、3-3の数に合わせて表面摩擦係数に応じて適宜に選ぶ。例えば、グリーンの速さが相対的に最も遅いパッティングパッド3-1は、リンネル、ポリエステル及びコットンを混紡した織物から製作して表面摩擦係数を高め、グリーンの速さが相対的に最も速いパッティングパッド3-3は、レーヨンとポリエステルを混紡した織物、すなわち、ポリレーヨンから製作して表面摩擦係数を低め、グリーンの速さが中間であるパッティングパッド3-2は、コットンとポリエステルを混紡した織物、すなわち、ポリコットンから製作して表面摩擦係数を中間にすることができる。
【0035】
前記マット胴体5は、ゴルフパッティングマット1の胴体をなす部分であって、図2及び図3に示すように、長方形の帯状を呈しており、織物はもとより、合成樹脂などの鋼体から製作されてもよい。マット胴体5が織物から製作される場合、巻いておくことができるので、保管に便利であり、合成樹脂などから製作される場合には、骨格構造を取ることができるので、ホールカップなど立体的な部材を作ることができる。
【0036】
一方、本発明のゴルフパッティングマット1は、図2に示すように、ターゲット部7をさらに備えていてもよい。前記ターゲット部7は、パッティングの標的となる部分であって、パッティングパッド3-1、3-2、3-3の一方の側からパッティングするときに標的になるように、反対側であるパッティングパッド3-1、3-2、3-3の他方の側に形成される。通常、ターゲット部7は、マット胴体5が、図2及び図3に示すように、帯状の平らな板状を呈しているときには、上下に空間を確保することができないため、標識のタイプでパッティングパッド3-1、3-2、3-3に取り付けられたり塗布されたりする。また、図示のごとく、それぞれのパッティングパッド3-1、3-2、3-3ごとに形成されてもよいが、いずれか一枚のパッティングパッド3-1、3-2、3-3にのみ表示してもよい。これに対し、図示はしないが、マット胴体5が上下の高さを有する立体的な骨格構造を有する場合、上下に空間が確保されるので、ターゲット部7は、深さを有するホールカップなどとして形成されてもよい。
【0037】
一方、本発明の他の実施形態によれば、パッティングパッド3-1、3-2、3-3は、マット胴体5から取り外されるように形成されてもよい。したがって、パッティングパッド3-1、3-2、3-3は、図4に示すように、マット胴体5の上面に並ぶように、且つ連接するように着脱自在に取り付けられる。
【0038】
このとき、それぞれのパッティングパッド3-1、3-2、3-3は、同様に、様々な方法により表面摩擦係数を異ならせて、マット胴体5に取り付けられたときに異なるグリーンの速さを有するように製作されてもよい。なお、同様に、それぞれのパッティングパッド3-1、3-2、3-3は、表面に対する後加工方式を異ならせることにより、または、製織方式を異ならせることにより、または、図3に示すように、材質を異ならせることにより、それぞれのグリーンの速さを異ならせてもよい。
【0039】
例えば、上述したように、パッティングパッド3-1、3-2、3-3のうち、パッティングパッド3-1は、グリーンの速さが相対的に最も遅いパッティング面10を形成するように、リンネル、ポリエステル及びコットンを混紡した織物から表面摩擦係数が最も高く製作され、パッティングパッド3-2は、グリーンの速さが中間であるパッティング面10を形成するように、コットンとポリエステルを混紡した織物、すなわち、ポリコットンにより表面摩擦係数が中間になるように製作され、パッティングパッド3-3は、グリーンの速さが相対的に最も速いパッティング面10を形成するように、レーヨンとポリエステルを混紡した織物、すなわち、ポリレーヨンから表面摩擦係数が最も低く製作されてもよい。
【0040】
一方、それぞれのパッティングパッド3-1、3-2、3-3は、マット胴体5から取り外し可能なように別体として製作されるため、当然のことながら、マット胴体5との着脱結合具を有することになる。したがって、それぞれのパッティングパッド3-1、3-2、3-3は、それぞれが自体的にまたは相互間に配置を変更することができる。すなわち、例えば、図示はしないが、前後が変わるように水平面の上において回転させて取り付けることもできる。なお、図示はしないが、それぞれのパッティングパッド3-1、3-2、3-3の相互間にも位置を変えてマット胴体5に取り付けることができる。
【0041】
また、それぞれのパッティングパッド3-1、3-2、3-3は、他の実施形態によれば、図6に示すパッティングパッド3-3のように、ひっくり返してマット胴体5に取り付けられてもよいが、この場合、それぞれのパッティングパッド3-1、3-2、3-3は、図示のごとく、背面15をパッティング面として用いることになる。このとき、それぞれのパッティングパッド3-1、3-2、3-3は、上下両面の表面粗さを互いに異ならせても良い。例えば、図5及び図6に示すように、パッティングパッド3-1、3-2、3-3は、上下面のうちのどちらか一方の面は生地にブラシングなどの後加工を施さず、他方の一方の面には、図5に示す背面15のようにブラシングなどの後加工を施すことにより、上下面のグリーンの速さを異ならせてもよい。
【0042】
このために、それぞれのパッティングパッド3-1、3-2、3-3は、様々なタイプの結合具13-1、13-2によりマット胴体5に着脱式により結合可能であるが、特に、この実施形態においては、結合具13-1、13-2を、図4から図6に示すように、面ファスナーにより簡単に実現する。この場合、図4から図6に示すように、それぞれのパッティングパッド3-1、3-2、3-3は、長手方向の両辺に雌雄のうちのどちらか一方の面ファスナー13-1が長尺状に取り付けられ、マット胴体5は、その上面に上記の面ファスナー13-1と対応するように雌雄のうちの他方の面ファスナー13-2が取り付けられる。このとき、それぞれのパッティングパッド3-1、3-2、3-3は、上下を自由にひっくり返してマット胴体5の面ファスナー13-2に取り付けられるように、図5に示すように、上下の両面の両辺に沿って面ファスナー13-1が取り付けられる。
【0043】
一方、本発明のさらに他の実施形態が図7に示される。このパッティングマット51は、図7に示すように、パッティングパッド53と、袋パッド54及び凹凸パッド55を備える。
【0044】
ここで、前記パッティングパッド53は、パッティングマット51のパッティング面50をなす部分であって、図7に示すように、前述した各種の織物から製作された平板状の織物パッドからなる。
【0045】
前記袋パッド54は、上記のパッティングマット51とともに封筒状の収容空間Sを形成する部分であって、図7に示すように、パッティングパッド53の背面に取り付けられる平板状のパッドであって、収容空間Sを形成できるものであれば、いかなる材質からいかなる形状に製作されても構わず、図示のごとく、網体から製作されてもよい。このとき、袋パッド54とパッティングパッド53は、収容空間Sの口部を線ファスナー(スライドファスナー)などにより開閉可能なように密封することが好ましい。
【0046】
前記凹凸パッド55は、パッティングマット51のパッティング面50に凹凸を与える部分であって、図7に示すように、弾力を有する合成樹脂製の平板状に製作されるが、外面に、すなわち、上面と底面に複数の突起61、62が突出する。したがって、凹凸パッド55は、上記の収容空間Sに収められるとき、突起61または62によりパッティング面50の上に凹凸、すなわち、うねりを作り、これにより、パッティングマット51は、凹凸の大きさに応じて、パッティング面50のグリーンの速さを変化させる。換言すれば、パッティングマット51は、収容空間Sに収められた凹凸パッド55の突起61、62の大きさに応じてパッティング面50のグリーンの速さを決定する。例えば、図7に示すように、凹凸パッド55を相対的に大きさが大きく、かつ、間隔が遠い突起61が上側にくるようにして収容空間Sに収めるときよりも、相対的に大きさが小さく、かつ、間隔が近い突起62が上にくるようにして収容空間Sに収めるときの方が、パッティングマット51のグリーンの速さを増加させる。
【0047】
このように、上記の実施形態の場合にも、凹凸パッド55の外面に突出した突起61、62の大きさや稠密度を外面上の位置に応じて部分的に変化させることにより、パッティング面50のグリーンの速さをパッティング面50の上の位置に応じて部分的に異ならせることができる。すなわち、上記の例において、凹凸パッド55は、外面における上面と底面の突起61、62の大きさと間隔を異ならせているが、同じ上面または底面の上においても突起の大きさと間隔を異ならせることができ、この場合、凹凸パッド55をひっくり返さずともパッティング面50のグリーンの速さを異ならせて設定することができる。
【0048】
一方、本発明のさらに他の実施形態に係るゴルフパッティングマットが図8に図面符号201にて示されるが、このゴルフパッティングマット201は、図示のごとく、2以上のパッティングパッド203-1、203-2、203-3と、マット胴体205と、を備える。
【0049】
ここで、それぞれの前記パッティングパッド203-1、203-2、203-3は、その一つがパッティング面210の全体をなすが、パッティングパッド3-1、3-2、3-3と同様に、それぞれ表面摩擦係数が異なる織物からなり、したがって、パッティング面210の上にゴルフボールを載せてパッティングをするときに、ゴルフボールの移動距離が摩擦係数に応じて異なってくる。したがって、使用者は、パッティングパッド203-1、203-2、203-3のうち、所望の摩擦係数を有するパッティングパッドを選んでパッティング面210のグリーンの速さを所望の通りに設定することが可能になる。
【0050】
したがって、それぞれのパッティングパッド203-1、203-2、203-3は、前記マット胴体205もまたマット胴体5と同様にゴルフパッティングマット201の胴体をなす部分であって、図8に示すように、長方形の帯状を呈しており、織物はもとより、合成樹脂などの鋼体から製作されてもよい。
【0051】
一方、それぞれのパッティングパッド203-1、203-2、203-3は、マット胴体205に着脱自在に取り付けられるように製作されるため、同様に、マット胴体205との着脱結合具213-1、213-2を有することになる。したがって、それぞれのパッティングパッド203-1、203-2、203-3は、他のものに取り替えることが可能であるだけではなく、ひっくり返してマット胴体5に取り付けたときに背面215をパッティング面210として用いることもできる。このとき、いうまでもなく、上下の両面、すなわち、パッティング面210と背面215の表面粗さは互いに異なってき、したがって、グリーンの速さもまた互いに異なってくる。なお、結合具213-1、213-2は、結合具13-1、13-2と同様に、一対の面ファスナーにより簡単に実現することができる。
【0052】
以下、本発明の好適な実施形態に係るゴルフパッティングマットの作用について説明する。
【0053】
本発明のゴルフパッティングマット1によれば、図2に示すように、パッティングパッド3-1、3-2、3-3ごとにグリーンの速さが異なるため、パッティング練習をしようとする使用者は、各パッティングパッド3-1、3-2、3-3の一方の端に表示された打球位置11にゴルフボールを置き、ターゲット部7に向かってゴルフボールをパッティングする。このとき、パッティングパッド3-1、3-2、3-3のうち、パッティングパッド3-1は、例えば、リンネル、ポリエステル及びコットンを混紡した織物から製作されて表面摩擦係数が相対的に最も高いため、相対的に最も遅いグリーンの速さを示す。また、パッティングパッド3-2は、例えば、コットンとポリエステルを混紡した織物、すなわち、ポリコットンから製作されて表面摩擦係数がパッティングパッド3-1、3-2、3-3のうち中間であるため、相対的に中間のグリーンの速さを有する。さらに、パッティングパッド3-3は、例えば、レーヨンとポリエステルを混紡した織物、すなわち、ポリレーヨンから製作されて表面摩擦係数がパッティングパッド3-1、3-2、3-3のうち最も低いため、相対的に最も速いグリーンの速さを示す。したがって、使用者は、自分が希望するグリーンの速さのパッティングパッド3-1、3-2、3-3を選んでパッティング練習をすればよい。
【0054】
同様に、パッティングパッド3-1、3-2、3-3が、図4及び図5に示すように、着脱可能なタイプのものである場合、それぞれのパッティングパッド3-1、3-2、3-3は、上述したように、3段階のグリーンの速さを有するため、使用者は、所望のグリーンの速さのパッティングパッド3-1、3-2、3-3を選んでパッティング練習をすればよい。
【0055】
但し、パッティングパッド3-1、3-2、3-3は、各パッティング面の表面摩擦係数、すなわち、グリーンの速さをさらに様々に変更しようとする場合には、図6に示すように、マット胴体5から取り外した後、ひっくり返して所望の位置に取り付け直すと、表面摩擦係数が異なる背面15をパッティング面として用いることができる。このとき、パッティングパッド3-1、3-2、3-3とマット胴体5との着脱は、面ファスナー13-1、13-2などにより手軽に行うことができ、このとき、面ファスナー13-1、13-2は、パッティングパッド3-1、3-2、3-3やマット胴体5の表面からわずかに凹んだ凹面に取り付けられるため、パッティングパッド3-1、3-2、3-3やマット胴体5の厚さを増大させない。
【0056】
また、図7に示すゴルフパッティングマット51の場合には、凹凸パッド55の突起61、62に応じてパッティング面50のグリーンの速さが変化するため、突起61の大きさや間隔が大きい、すなわち、凹凸が大きい面を上にして収容空間Sに収めると、突起61により外側に押されるパッティングパッド53にも相対的に大きさが大きな凹凸が生じるため、パッティング面50のグリーンの速さは相対的に減少する。これに対し、大きさや間隔が小さな突起62が突出した面を上にして凹凸パッド55を収容空間Sに収めると、パッティングパッド53は、凹凸が相対的に小さくなり、その分だけグリーンの速さは増加するため、使用者は、パッティングパッド53と接触する突起61、62の向きを選ぶことにより、簡単にパッティングパッド53のグリーンの速さを変更することが可能になる。
【0057】
さらに、凹凸パッド55は、突起61、62の大きさや間隔が異なる様々なモデルに製作可能であるが、使用者は、突起が希望の大きさや間隔となっている凹凸パッド55を選ぶことにより、パッティングパッド53の凹凸を変化させることができ、したがって、パッティング面50のグリーンの速さを所望の通りに手軽に且つ迅速に設定することができる。
【0058】
さらにまた、図8に示すように、一枚のパッドから作ったパッティングパッド203-1、203-2、203-3を2以上備える場合、使用者は、パッティングパッド203-1、203-2、203-3のうち、所望の表面粗さのパッティングパッドを選んでマット胴体205に取り付けることにより、グリーンの速さを手軽に変更することができ、パッティングパッド203-1、203-2、203-3をひっくり返して背面215をパッティング面として活用することにより、グリーンの速さを変更することもできる。
【符号の説明】
【0059】
1、51、201:ゴルフパッティングマット
3-1、3-2、3-3、53、201-1、203-2、203-3:パッティングパッド
5、205:マット胴体
7、57:ターゲット部
10、50、210:パッティング面
11:打球位置
13-1、13-2、213-1、213-2:結合具
15、215:背面
54:袋パッド
55:凹凸パッド
61、62:突起
S:収納空間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8