(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022178738
(43)【公開日】2022-12-02
(54)【発明の名称】ユニット装置及び遊技システム
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20221125BHJP
【FI】
A63F7/02 352L
A63F7/02 301C
A63F7/02 336
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021085750
(22)【出願日】2021-05-21
(71)【出願人】
【識別番号】304020498
【氏名又は名称】サクサ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091546
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 正美
(74)【代理人】
【識別番号】100206379
【弁理士】
【氏名又は名称】丸山 正
(72)【発明者】
【氏名】菅野 一哉
【テーマコード(参考)】
2C088
【Fターム(参考)】
2C088BB23
2C088BB26
2C088BC66
2C088CA14
2C088CA31
(57)【要約】
【課題】 遊技機を通じた遊技中に災害が発生した場合に、これを迅速に遊技者が認識できるようにし、迅速な避難を促進できるようにする。
【解決手段】 計数管理手段により、遊技機からのポイントに関するポイント情報が所定の記憶手段に更新され、ポイントが管理される。受信手段を通じて受信した情報が災害通知情報である場合に、強制停止処理手段により、遊技機での遊技を強制的に停止させるように処理される。同時に、算出手段により、記憶手段に記録されたポイント情報に基づいて、遊技者の所持ポイントが算出され、算出された当該所持ポイントが、記録処理手段により、遊技者用の所定の記録媒体に記録されて、遊技者によって持ち出し可能にされる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技者の操作に応じて遊技を実行し、ポイントの増減を発生させる遊技機に接続されるユニット装置であって、
前記ポイントに関する情報を所定の記憶手段に更新する計数管理手段と、
災害検知器からの情報を受信する受信手段と、
前記受信手段を通じて受信した情報が災害通知情報である場合に、前記遊技機での遊技を強制的に停止させるように処理する強制停止処理手段と、
前記受信手段を通じて受信した情報が災害通知情報である場合に、前記記憶手段に記録された前記ポイントに関する情報に基づいて、前記遊技者の所持ポイントを算出する算出処理手段と、
前記算出処理手段で算出された前記所持ポイントを、遊技者用の所定の記録媒体に記録して、前記遊技者が持ち出し可能にする記録処理手段と
を備えることを特徴とするユニット装置。
【請求項2】
請求項1に記載のユニット装置であって、
前記強制停止処理手段は、自機が備える遊技機への駆動電源の供給手段を制御して前記遊技機への前記駆動電源の供給を停止させることにより、前記遊技機を強制的に停止させる、あるいは、駆動電源の供給停止要求を前記遊技機に送信することにより、前記遊技機を強制的に停止させる
ことを特徴とするユニット装置。
【請求項3】
請求項1に記載のユニット装置であって、
前記強制停止処理手段は、前記遊技者の所持ポイントを0(ゼロ)にする計数処理の実行要求を前記遊技機に送信することにより、前記遊技機を強制的に停止させる
ことを特徴とするユニット装置。
【請求項4】
遊技者の操作に応じて遊技を実行し、ポイントの増減を発生させる遊技機と、前記遊技機に接続されるユニット装置とで構成される遊技システムであって、
前記遊技機は、
前記ユニット装置からの処理に応じて、自機での遊技を強制的に停止させることができるものであり、
前記ユニット装置は、
前記ポイントに関する情報を所定の記憶手段に更新する計数管理手段と、
災害検知器からの情報を受信する受信手段と、
前記受信手段を通じて受信した情報が災害通知情報である場合に、前記遊技機での遊技を強制的に停止させるように処理する強制停止処理手段と、
前記受信手段を通じて受信した情報が災害通知情報である場合に、前記記憶手段の前記ポイントに関する情報に基づいて、前記遊技者の所持ポイントを算出する算出処理手段と、
前記算出処理手段で算出された前記所持ポイントを、遊技者用の所定の記録媒体に記録して、前記遊技者が持ち出し可能にする記録処理手段と
を備えることを特徴とする遊技システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、パチンコ台やパチンコ型スロットマシンなどと呼ばれる遊技機に接続されて用いられるユニット装置、当該遊技機と当該ユニット装置とで構成される遊技システムに関する。
【背景技術】
【0002】
いわゆるパチンコホールには、多数のパチンコ台(ぱちんこ遊技機)やパチンコ型スロットマシンといった遊技機が、いわゆる島を作るように配置されるため、遊技機を使用する遊技者(顧客である使用者)が移動できる通路は限られている。営業時間中においては多くの遊技者がパチンコホール内に存在するため、地震や火災などの発生時において、遊技者が安全に避難できるようにすることが望まれる。例えば、後に記す特許文献1には、地震や火災の発生時に、避難通路上に散乱した遊技球を回収し、歩行者の転倒事故を防止するパチンコホール用防災装置に関する発明が開示されている。また、後に記す特許文献2には、停電時における遊技場の避難経路の照度を高めることで、迅速かつ安全な避難経路を確保することができる遊技場の避難用設備に関する発明が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3519400号公報
【特許文献2】特許第5748459号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
災害時におけるパチンコホールにおける対応は、安全な避難経路の確保だけでなく、迅速な避難を促進できる仕組みが重要になる。パチンコホール内に多数設置される遊技機は、遊技者が遊技を楽しめるよう様々な演出表示や演出音を出力するものである。また、それらの遊技機にパチンコ玉やスロットメダルを補充する音や遊技機内をパチンコ玉やスロットメダルが循環する音もホール内では響き渡る。このようにパチンコホールでは、遊技機からの演出音やパチンコ玉やスロットメダルの循環音の音量が非常に大きい。そのため、火災、浸水、ガス漏れ等の災害が発生した場合に、これを災害検知器が検知して警報音を放音しても警報音が聞こえづらく、遊技者が災害の発生に迅速に気づくことができずに、避難が遅れる可能性がある。
【0005】
また、近年においては、遊技者が一切、パチンコ玉(小さな剛球)やスロットメダルに触れることなく、遊技を行うことが可能なパチンコ台やパチンコ型スロットマシンも考えられている。このような遊技機は、管理式遊技機(封入式遊技機)などと呼ばれる。管理式遊技機の場合、遊技者はパチンコ玉やスロットメダルに触れることはできず、持ち出しができないので、即座に避難することが可能であるようにも思える。しかし、管理式遊技機の場合には、持ち玉や持ちメダルに関する情報を、カード媒体に記録する必要がある。
【0006】
すなわち、管理式遊技機のそれぞれには、従来の遊技機の場合と同様に、ユニット装置(台間機)が設けられ、遊技者の操作に応じて、パチンコ玉やスロットメダルを貸し出す処理などが行われることになる。災害の発生時に避難する場合、遊技者は、ユニット装置の計数ボタンの押下操作により、持ち玉や持ちメダルを計数してカード媒体にデータを記録し、さらに、ユニット装置のカード排出ボタンを押下操作して、カード媒体を排出する。遊技者は、そのカード媒体を引き抜き、避難することになる。このようなカード媒体の記録排出の処理に時間がかかり、更に避難が遅れる要因になることが懸念される。
【0007】
このような問題は、パチンコ遊技機やパチンコ型スロットマシンに限らず、遊技者の操作に応じて、ポイントが増減する遊技を実行する種々の遊技機としてのゲーム機が設置されたゲームセンタなどにおいても発生する問題である。なお、遊技機としてのゲーム機には、例えば、麻雀やトランプなどゲーム機、格闘ゲームのゲーム機などの種々のものがある。
【0008】
以上のことに鑑み、この発明は、遊技機を通じた遊技中に災害が発生した場合に、これを迅速に遊技者が認識できるようにし、迅速な避難を促進できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明のユニット装置は、
遊技者の操作に応じて遊技を実行し、ポイントの増減を発生させる遊技機に接続されるユニット装置であって、
前記ポイントに関する情報を所定の記憶手段に更新する計数管理手段と、
災害検知器からの情報を受信する受信手段と、
前記受信手段を通じて受信した情報が災害通知情報である場合に、前記遊技機での遊技を強制的に停止させるように処理する強制停止処理手段と、
前記受信手段を通じて受信した情報が災害通知情報である場合に、前記記憶手段に記録された前記ポイントに関する情報に基づいて、前記遊技者の所持ポイントを算出する算出処理手段と、
前記算出処理手段で算出された前記所持ポイントを、遊技者用の所定の記録媒体に記録して、前記遊技者が持ち出し可能にする記録処理手段と
を備えることを特徴とする。
【0010】
請求項1に記載の発明のユニット装置によれば、当該ユニット装置は、遊技者の操作に応じて遊技を実行し、ポイントの増減を発生させる遊技機に接続されるものである。計数管理手段により、ポイントに関する情報が所定の記憶手段に更新され、ポイントが管理される。受信手段を通じて受信した情報が災害通知情報である場合に、強制停止処理手段により、遊技機での遊技が強制的に停止される。同時に、算出手段により、記憶手段に記録されたポイントに関する情報に基づいて、遊技者の所持ポイントが算出され、当該所持ポイントが、記録処理手段により、遊技者用の所定の記録媒体に記録され、遊技者によって持ち出し可能にされる。
【発明の効果】
【0011】
この発明によれば、遊技機を通じた遊技中に災害が発生した場合に、遊技機での遊技を強制的に停止させることにより、災害の発生を遊技者が迅速に認識できる。また、災害が発生した場合に、自動的に所持ポイントを記録した記録媒体を遊技者が持ち出し可能となり、遊技者の迅速な避難を促進できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】実施の形態のホールシステムの構成例を説明するためのブロック図である。
【
図2】実施の形態のユニット装置の構成例を説明するためのブロック図である。
【
図3】実施の形態のユニット装置で管理される遊技情報について説明するための図である。
【
図4】実施の形態の管理式遊技機の構成例を説明するためのブロック図である。
【
図5】実施の形態のユニット装置で実行される処理と、実施の形態の管理式遊技機で実行される処理を説明するためのフローチャートである。
【
図6】実施の形態の管理式遊技機の他の構成例を説明するためのブロック図である。
【
図7】実施の形態の管理式遊技機の他の構成例を説明するためのブロック図である。
【
図8】実施の形態のユニット装置で実行される処理と、
図6に示した管理式遊技機で実行される処理を説明するためのフローチャートである。
【
図9】実施の形態のユニット装置で実行される処理と、
図7に示した管理式遊技機で実行される処理を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図を参照しながらこの発明によるユニット装置及び遊技システムの実施の形態について説明する。以下に説明する実施の形態のユニット装置は、遊技機に接続され、この遊技機と共に遊技システムを構成する。なお、この明細書において、遊技機は、遊技者の操作に応じて遊技を実行し、ポイントの増減を発生させるものである。遊技機には、パチンコ台(自動球遊器)、パチンコ型スロットマシン(回胴式遊技機)、いわゆるゲームセンタに設置される種々のゲーム機などがある。なお、パチンコ台は、ぱちんこ遊技機などと呼ばれる場合もある。
【0014】
従って、遊技機で増減を発生させるポイントは、遊技機がパチンコ台である場合には、持ち玉の数(いわゆるパチンコ玉(小さな鋼球)の数)であるし、遊技機がパチンコ型スロットマシンの場合には、持ちメダルの枚数(いわゆるスロットメダルの枚数)である。また、遊技機が種々のゲーム機である場合の遊技機で増減を発生させるポイントは、それぞれのゲーム機において増減する点数(得点)やレベル値であり、あるいは、取得したり喪失したりする機能やアイテムなどである場合もある。
【0015】
以下に説明する実施の形態では、説明を簡単にするため、遊技機は、パチンコホールに設置されるパチンコ台である場合を例にして説明する。また、以下の実施の形態においてのパチンコ台は、遊技者がパチンコ玉に一切触ることなく、従来のパチンコ台と同様にしてパチンコを行うことを可能にするものである。すなわち、以下に説明する実施の形態のパチンコ台は、当該パチンコ台に接続されて当該パチンコ台と共に遊技システムを構成するユニット装置と協働して、持ち玉の計数を適切に実行して、管理することができる管理式遊技機であるものとする。
【0016】
なお、パチンコ台が管理式遊技機であると言っても、従来のパチンコ台と同様に、様々な演出表示や演出音を出力するものであり、パチンコ玉が実際に循環するものである。従って、以下に説明する実施の形態においても、パチンコ台の演出音やパチンコ台にパチンコ玉を補充する音やパチンコ台の内部をパチンコ玉が循環する音が、パチンコホール内では響き渡る。このため、管理式遊技機であるパチンコ台が多数設置された実施の形態のパチンコホール内は、従来のパチンコホールの場合と同様に、騒音レベルが高い空間となっている。
【0017】
[ホールシステムの構成例]
図1は、実施の形態のホールシステムの構成例を説明するためのブロック図である。パチンコホールには、多数の遊技システム1(1)、1(2)、…と、災害検知器2と、情報管理装置3と、金銭等管理装置4と、LAN5とによりホールシステムが構築されている。当該ホールシステムは、広域ネットワーク6を介して、上位サーバ装置7にも接続されている。この実施の形態において広域ネットワーク6は、主にはインターネットであるが、一般公衆電話網や携帯電話網などの種々のネットワークを含む。
【0018】
遊技システム1(1)、1(2)、…のそれぞれは、1人の遊技者によって使用されるものであり、以下に説明するように、2つの装置からなる。ここでは、遊技システム1(1)の場合を例にして説明するが、遊技システム1(2)、1(3)、…についても同様に構成される。遊技システム1(1)は、
図1に示すように、ユニット装置100(1)と管理式遊技機であるパチンコ台200(1)とからなる。
図1においては、「パチンコ台」は、単に「パチンコ」と記載している。
【0019】
ユニット装置100(1)は、詳しくは後述するが、貨幣の投入を受け付けて、パチンコ玉の貸し出しを行ったり、会員カードや一般カードを受け付けて、パチンコ台200(1)と協働し、持ち玉の管理を行ったりするものである。なお、この実施の形態においては、説明を簡単にするため、ユニット装置100(1)に投入可能な貨幣は、1000円札(1000円紙幣)のみであるものとして説明する。
【0020】
パチンコ台200(1)は、ハンドル(操作部)を操作することにより、ガラス板で覆われて多数の釘が打たれた盤面上に、パチンコ玉を例えば盤面左下から弾き出し、釘に従って落ちるパチンコ玉が入賞口に入ると、賞球が得られる遊技機である。但し、パチンコ台200(1)は、上述したように、管理式遊技機であるため、遊技者はパチンコ玉に触れることはできず、ユニット装置100(1)と協働して持ち玉などの管理ができるようになっている。
【0021】
災害検知器2は、例えば、熱センサや煙センサなどからなる火災センサ、浸水センサ、ガス漏れセンサ、振動センサなどを備え、火災、浸水、ガス漏れ、地震などの災害を検知できるものである。災害検知器2は、災害の発生を検知すると、災害発生情報を形成し、これを各遊技システム1(1)、1(2)、…、のユニット装置100(1)、100(2)、…に送信して、災害の発生を通知する。また、災害検知器2は、警報音を放音したり、避難を促す音声メッセージを放音したりすることもできる。
【0022】
なお、災害検知器2は、
図1には図示していないが、LAN5を通じて、あるいは、直接に、広域ネットワーク6に接続することにより、広域ネットワーク6を通じて、外部の情報提供元との間で通信を行うこともできる。このため、災害検知器2は、所定の情報提供元より、例えば、津波警報や避難指示などが発令されたことの通知を受けて、災害発生情報を形成して、これをユニット装置100(1)、100(2)、…に送信して通知することもできるものである。
【0023】
情報管理装置3は、
図1に示すように、各遊技システム1(1)、1(2)、…のユニット装置100(1)、100(2)、…及びパチンコ台200(1)、200(2)、…と接続され、相互に通信が可能になっている。情報管理装置3は、ユニット装置100(1)、100(2)、…及びパチンコ台200(1)、200(2)、…から、貸し玉や出玉の情報などを取集して管理し、各パチンコ台へのパチンコ玉の供給制御を行う。
【0024】
すなわち、情報管理装置3は、ユニット装置100(1)、100(2)、…からの投入された紙幣に応じた貸し玉数や貸し玉からパチンコ台に投入された投入玉数などの通知を受ける。また、情報管理装置3は、パチンコ台200(1)、200(2)、…からのパチンコ玉が入賞口に入ることにより遊技者側に提供された賞球数(出玉数)や盤面上にはじき出された使用玉数などの通知を受ける。これらの情報から情報管理装置3は、図示しないパチンコ玉供給システムを制御し、各パチンコ台200(1)、200(2)、…へのパチンコ玉の供給が滞らないようにする。
【0025】
金銭等管理装置4は、
図1に示すように、各遊技システム1(1)、1(2)、…のユニット装置100(1)、100(2)、…と接続され、相互に通信が可能になっている。情報管理装置3は、ユニット装置100(1)、100(2)、…から、投入された紙幣に関する情報の提供を受けて、ユニット装置100(1)、100(2)、…のそれぞれごとに、どれだけの紙幣が投入されて保管されているのかを管理する。
【0026】
図1に示したホールシステムの場合、遊技システム1(1)、1(2)、…のユニット装置100(1)、100(2)、…と、情報管理装置3と、金銭等管理装置4とは、LAN(Local Area Network)5と広域ネットワーク6とを通じて上位サーバ装置7に接続されている。上位サーバ装置7は、ユニット装置100(1)、100(2)、…からの情報に基づいて、会員カードを所持する会員の持ち玉や貯玉などの情報や一般カードを所持する一般顧客の持ち玉などの情報を管理する。更に、上位サーバ装置7は、情報管理装置3からの情報に基づいて、各パチンコ台200(1)、200(2)、…へのパチンコ玉の供給状況を管理することもできる。また、上位サーバ装置7は、金銭等管理装置4からの情報に基づいて、各ユニット装置100(1)、100(2)、…に投入され、蓄積されている紙幣に関する情報を管理することもできる。
【0027】
なお、会員カードは、当該パチンコホールでよく遊技を行う遊技者(顧客)であって、会員登録された者(会員)に対して付与され、会員の氏名や電話番号などの会員に関する情報や持ち玉に関する情報などが記録され、持ち帰ることができるものである。一般カードは、例えば、時々当該パチンコホールを利用する者やたまたま当該パチンコホールに立ち寄った者など、会員ではない遊技者(顧客)に対して一時的に貸与されるものである。一般カードは、貸し玉数及び持ち玉数が0(ゼロ)でなければ、当該パチンコホール内の他の遊技システム1(1)、1(2)、…に移動して使用することができるが、基本的に貸与された当日に精算や景品交換して返却する必要のあるものである。
【0028】
また、会員カードにおいては、いわゆる貯玉数が記録されて管理される場合もある。貯玉は、大当たり等で得た出玉を景品に交換せずにそのままパチンコ店に預けた出玉を意味する。このように、貯玉数は、その時点において、確定した情報として会員カードに記録されている情報であるため、以下の説明においては、変動する遊技中の持ち玉の管理を中心に説明する。
【0029】
この実施の形態の遊技システム1(1)、1(2)、…のユニット装置100(1)、100(2)、…では、会員カードと一般カードのいずれも利用可能にされている。なお、以下に説明する実施の形態では、説明を簡単にするため、会員カードと一般カードとは、いずれもプリペイドカード機能は備えず、投入された紙幣の全額を対応する貸し玉数に変換して、この貸し玉数と持ち玉数とを管理できるものとして説明する。貸し玉数や持ち玉数等の詳細については後述する。
【0030】
この実施の形態のホールシステムの場合には、上述したように、災害検知器2において災害の発生が検知されると、災害発生情報が遊技システム1(1)、1(2)、…のユニット装置100(1)、100(2)、…に提供される点に特徴がある。災害発生情報を受信したユニット装置100(1)、100(2)、…は、対応するパチンコ台200(1)、200(2)、…における遊技の実行を強制的に停止させるように処理する。遊技ができなくなったパチンコ台200(1)、200(2)、…の遊技者は、何かしらの異変の発生に気付くことになり、結果として災害の発生にいち早く気付くことが可能になる。
【0031】
更に、ユニット装置100(1)、100(2)、…では、対応するパチンコ台200(1)、200(2)、…と協働して、持ち玉を計数し、管理している。このため、災害発生情報を受信したユニット装置100(1)、100(2)、…は、遊技者の操作がなくても、自動的に持ち玉数を会員カードや一般カードに書き出して排出し、遊技者が即座に引き抜いて持ち出すことができるようにしている。これにより、遊技者の迅速な避難を促進できる。
【0032】
以下においては、この実施の形態の遊技システム1(1)、1(2)、…のユニット装置100(1)、100(2)、…の構成例と、パチンコ台200(1)、200(2)、…の構成例について説明する。なお、ユニット装置100(1)、100(2)、…は、いずれも同様に構成されるものである。このため、以下においては、特に区別して示す必要がある場合を除いて、ユニット装置100(1)、100(2)、…をユニット装置100と総称する。同様に、パチンコ台200(1)、200(2)、…は、いずれも同様に構成されるものである。このため、以下においては、特に区別して示す必要がある場合を除いて、パチンコ台200(1)、200(2)、…をパチンコ台200と総称する。
【0033】
[ユニット装置100の構成例]
図2は、実施の形態のユニット装置100の構成例を説明するためのブロック図である。
図2に示すように、ユニット装置100は、CPU(Central Processing Unit)121、ROM(Read Only Memory)122、RAM(Random Access Memory)123、不揮発性メモリ124からなる制御部120を備える。制御部120は、ユニット装置100の各部を制御する。
【0034】
対災害検知器通信部101は、災害検知器2からの災害通知情報を受信する受信手段として機能し、受信した災害通知情報を制御部120に提供する。災害通知情報は、上述したように、火災、浸水、ガス漏れ、地震など発生を通知するものである。なお、災害検知器2が、広域ネットワーク6を介して、津波警報や避難指示が発令されたことを示す情報を提供する所定の情報提供元に接続されている場合には、災害通知情報により津波警報や避難指示が発令されたことが通知される場合もある。
【0035】
また、制御部120は、対災害検知器通信部101を通じて、災害検知器2に対し、現在の災害の発生状況の通知を要求し、その時点における災害の発生状況の通知を受けることもできる。これにより、制御部120が、現在の災害の発生状況を確認したり、災害検知器2の動作状況や災害検知器2とユニット装置100との通信経路が正常か否かを確認したりすることができる。このように、対災害検知器通信部101は、送受信手段として機能することもできる。
【0036】
表示部102は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイなどの表示素子が用いられて構成され、ガイダンスメッセージなどの種々の表示メッセージを表示する。表示部102には、例えば、災害発生時に災害が発生したことを示す表示メッセージも表示される。操作部103は、遊技者からの押下操作入力を受け付けるいくつかの操作ボタンスイッチ(以下、単にボタンと記載する)を備えて構成される。操作部103には、例えば、計数ボタン、カード排出ボタン、貸し玉投入ボタンなどが設けられる。
【0037】
なお、計数ボタンは、遊技終了時に持ち玉等の計数を実行させるためのものであり、カード排出ボタンは、会員カードや貸し玉や持ち玉が残っている一般カードを排出させるためのものである。また、貸し玉投入ボタンは、紙幣を投入することにより借り受けた貸し玉を、対応するパチンコ台200に投入するためのボタンである。この実施の形態では、貸し玉投入ボタンを1回押下する毎に、例えば50個のパチンコ玉を、対応するパチンコ台200に投入するように指示できるものとして説明する。
【0038】
紙幣処理部104は、貸し玉の提供を受けるための対価となる紙幣の投入及び排出機構や投入された紙幣の格納機構などを備えて構成される。この実施の形態のユニット装置100において、紙幣処理部104は、上述もしたように、1000円札のみを受け付け、他の紙幣は受け付けずに排出する構成になっている。紙幣処理部104は、1000円札の投入を受け付けると、これを格納して保持し、1000円札の投入を受け付けたことを後述する計数管理部109に通知する。これにより、計数管理部109は、当該遊技者に対して1000円分の貸し玉を実行する。すなわち、計数管理部109は、不揮発性メモリ124に、1000円分の貸し玉数を更新し、この貸し玉数からパチンコ台200に対してパチンコ玉を投入できるようにする。
【0039】
カード処理部105は、会員カードや一般カードの挿入及び排出機構、カードからの情報の読み出し/カードへの情報の記録機構(リーダ/ライタ機構)などを備えて構成される。なお、会員カードと一般カードとは、IC(Integrated Circuit)カードとして構成することもできるし、また、磁気カードとして構成することもできる。しかし、この実施の形態においては、説明を簡単にするため、会員カードと一般カードとは、いずれもICカードであるものとする。
【0040】
会員カードや一般カードを所持する遊技者は、遊技の開始にあたり、所持するカードをユニット装置100のカード処理部105に挿入する。カード処理部105は、挿入されたカードからカードIDや持ち玉数等の必要情報を読み出して、制御部120に供給し、例えば不揮発性メモリ124に記録して、更新可能にする。遊技を開始する前であれば、操作部103のカード排出ボタンを押下操作することにより、挿入したカードの排出を受けて、他のパチンコ台に移動するなどのことが可能になる。
【0041】
また、遊技を開始した後、当該パチンコ台での遊技を終了する場合には、操作部103の計数ボタンを押下操作する。これにより、詳しくは後述するが、不揮発性メモリ124の遊技に従い更新された遊技情報に基づいて、持ち玉の計数処理が実行され、計数された持ち玉数などの情報が挿入されているカードに記録される。この後、操作部103のカード排出ボタンを押下操作することにより、挿入したカードの排出を受けて、他のパチンコ台に移動するなどのことが可能になる。
【0042】
カードを持たない遊技者は、例えば、サービスカウンタなどの所定の場所で、会員カードを作成し、これを用いて遊技(パチンコ)を行うことができる。また、上述したように、紙幣処理部104に1000円札を投入することにより、貸し玉の提供を受けて、遊技を行うことができる。後者の場合、遊技の終了時において、貸し玉や持ち玉に残高があれば、無記録の状態で保持されている一般カードに記録される。この後、操作部103のカード排出ボタンを押下操作することにより、当該一般カードの排出を受けて、遊技者は、他のパチンコ台に移動したり、サービスカウンタのPOSターミナルを通じて景品交換したりするなどのことが可能になる。すなわち、ユニット装置100のカード処理部105は、一般カードを作成して、遊技者に提供する一般カード作成機能をも備えている。
【0043】
なお、カードを持たない遊技者が、紙幣をユニット装置100に投入して貸し玉の提供を受けて遊技を行った場合、貸し玉も持ち玉も残高がなくなった場合には、一般カードは作成されない。また、既に作成された一般カードが挿入されて遊技が行われた場合であって、貸し玉も持ち玉も残高がなくなった場合には、当該一般カードはユニット装置100において回収され、遊技者には返却されない。
【0044】
また、一般カードは、原則として持ち帰ることはできず、遊技を終了した場合には、その日(当日)の内に景品交換する処理を実行して返却しなければならない。なお、一般カードについては、例えばサービスカウンタなどの所定の場所で、会員カードへの変更手続きを行うことにより、持ち玉数などの情報を会員カードに移し替えて、当該持ち玉数について翌日以降の利用を可能にすることもできる。これに対して、会員カードの場合には、貸し玉も持ち玉も残高がない場合であっても、ユニット装置100から排出されて、遊技者に返却され、紙幣投入により貸し玉の提供を受けて(貸し玉数が更新されて)、継続して使用ができる。
【0045】
対情報管理装置通信部106は、制御部120の制御の下、情報管理装置3との間で相互に通信する機能を実現する。対情報管理装置通信部106は、投入金額に応じて貸し玉を実行した場合の貸し玉数や操作部103の貸し玉投入ボタンの操作に応じて貸し玉からパチンコ玉をパチンコ台に投入するようにした場合の投入玉数を情報管理装置3に通知する。また、対情報管理装置通信部106は、情報管理装置3より例えば持ち玉数などの遊技情報の提供要求を受信し、これを制御部120に通知する。この場合、制御部120は、不揮発性メモリ124で管理されている遊技情報を読み出して、対情報管理装置通信部106を通じて情報管理装置3に通知する。
【0046】
対パチンコ台通信部107は、パチンコ台200との間で相互に通信する機能を実現する。対パチンコ台通信部107は、制御部120の制御の下、操作部103の貸し玉投入ボタンの操作に応じて貸し玉からパチンコ玉をパチンコ台に投入するようにした場合には投入玉数をパチンコ台200に通知する。これにより、パチンコ台200では、パチンコ玉供給システムより指示された数のパチンコ玉を投入でき、パチンコ台200の表示部に持ち玉数を表示して遊技者に提示できる。
【0047】
また、対パチンコ台通信部107は、制御部120の制御の下、パチンコ台200からの使用玉数や賞球数の通知を受信し、これらの情報を後述する計数管理部109に通知する。これにより、計数管理部109は、この実施の形態では不揮発性メモリ124に形成した遊技情報を更新する。また、ユニット装置100の場合には、電源供給回路114を備え、ユニット装置100の各部に電源を供給すると共に、対パチンコ台通信部107に接続された電源I/Fを通じて、パチンコ台200に対して駆動電源(駆動電力)を供給する構成になっている。従って、対パチンコ台通信部107に接続された電源I/Fを通じて、パチンコ台200に対する駆動電源の供給を停止した場合には、パチンコ台200は、強制的に停止されることになる。
【0048】
対金銭等管理装置通信部108は、金銭等管理装置4との間で相互に通信する機能を実現する。ユニット装置100の紙幣処理部104を通じて、1000円札を受け付けて、1000円分の貸し玉を実行し、当該1000円札を所定の格納場所に格納したとする。この場合、制御部120の制御の下、対金銭等管理装置通信部108を通じて、1000円札を格納したことが、金銭等管理装置4に送信される。これにより、金銭等管理装置4において、各ユニット装置100に投入されて格納された1000円札の数を管理できる。なお、金銭等管理装置4からユニット装置100に格納されている1000円札の枚数の提供要求を送信し、対金銭等管理装置通信部108を通じて制御部120が受信したとする。この場合、制御部120は、対金銭等管理装置通信部108を通じて、紙幣処理部104での1000円札の管理状況を金銭等管理装置4に送信することもできる。
【0049】
計数管理部109は、この実施の形態のユニット装置100においては、不揮発性メモリ124に形成された遊技情報を随時に更新する処理を行う。
図3は、ユニット装置100の不揮発性メモリ124に形成されて管理される遊技情報の例を説明するための図である。
図3に示すように、この実施の形態において遊技情報は、カードID、貸し玉残高、投入玉数、出玉数、使用玉数、持ち玉数の各情報の格納欄を備えて構成される。
【0050】
会員カードも一般カードも挿入されずに、1000円札が紙幣処理部104に投入された場合には、制御部120は、カードIDを取得(採番)し、各玉数欄は0(ゼロ)とされた遊技情報を形成して、不揮発性メモリ124に記録する。この時点では、遊技情報の格納領域が形成されただけの状態である。この後、計数管理部109は、制御部120より、紙幣処理部104を通じて1000円札を受け付けたことの通知を受けると、1000円分の貸し玉数を、遊技情報の貸し玉残高の欄に加算する処理を行う。
【0051】
この実施の形態では説明を簡単にするため、パチンコ玉1個を4円で貸し出すこととしているものとして説明する。この場合、計数管理部109は、1000円札が投入されたことにより、遊技情報の貸し玉残高の欄に250個を加算する。この後、操作部103の貸し玉投入ボタンが操作されると、当該情報が計数管理部109に通知される。この場合、計数管理部109は、貸し玉投入ボタンの1回の操作につき、50個を、貸し玉残高の欄から減算し、投入玉数の欄に加算する。この情報は、対応するパチンコ台200にも通知され、パチンコ玉がパチンコ台200に投入されて、パチンコ(遊技)が実行可能にされる。
【0052】
また、会員カードや一般カードが、カード処理部105に挿入された場合には、カード処理部105において、挿入されたカードから読み出された
図3に示す内容の遊技情報が、制御部120に供給されて、不揮発性メモリ124に記録される。この場合、新たなパチンコ台での遊技になるので、貸し玉残高と持ち玉数が実際の玉数に応じた値となり、投入玉数、出玉数、使用玉数は、いずれもクリアされて0(ゼロ)の状態になっている。持ち玉数は、対応するパチンコ台200にも通知され、パチンコ玉がパチンコ台200に投入されて、パチンコ(遊技)が実行可能にされる。
【0053】
このようにして、パチンコ(遊技)が開始されると、パチンコ台200より遊技の実行の経過に従い、出玉数と使用玉数を示す情報が送信されて来るので、これが対パチンコ台通信部107を通じて受信され、計数管理部109に通知される。出玉数は、上述もしたように、パチンコ台200の盤面上に打ち出されたパチンコ玉が入賞口に入ることによって賞球されたパチンコ玉の数であり、使用玉数は、パチンコ台200の盤面上に打ち出されたパチンコ玉の数である。
【0054】
従って、
図3の下側に示したように、1000円札を投入し、250個の貸し玉の実行を受け、50個のパチンコ玉をパチンコ台200に投入したとする。この場合、貸し玉残高は200個になる。この状態からパチンコ(遊技)を開始し、100個の賞球を受け、50個弾き出した(使用した)とすると、このパチンコ台200の持ち玉数は100であると把握できる。このように、ユニット装置200の不揮発性メモリ124の遊技情報によって、貸し玉残高と持ち玉数からなる総持ち玉数の管理ができる。
【0055】
計数管理部109は、パチンコ台200からの出玉数を、不揮発性メモリ124の遊技情報(
図3)の出玉数の欄に加算し、パチンコ台200からの使用玉数を、不揮発性メモリ124の遊技情報の使用玉数の欄に加算する処理を行う。このようにして、ユニット装置100の計数管理部109は、パチンコ台200を用いて遊技中において、不揮発性メモリ124に形成した遊技情報(
図3)に遊技の状況としてパチンコ玉の増減をほぼリアルタイムに更新し、遊技の状況が把握可能になっている。
【0056】
持ち玉算出処理部110は、操作部103の計数ボタンが操作された場合に、制御部120の制御の下、
図3に示した遊技情報において、「(投入数+出玉数)-使用玉数」という計算式により持ち玉数を算出し、持ち玉数の欄に記録する処理を行う。また、持ち玉算出処理部110は、持ち玉数を遊技情報の持ち玉数の欄に記録すると、当該遊技情報の投入玉数の欄と出玉数の欄と使用玉数の欄をクリアする処理を行う。
【0057】
また、カード記録処理部111は、操作部103のカード排出ボタンが操作された場合に、制御部120の制御の元、不揮発性メモリ124の遊技情報(
図3)を、カード処理部105に供給し、カード処理部105に挿入されているカードに記録する処理を行う。この後、カード記録処理部111は、カード処理部105を制御し、当該カードをカード処理部105から排出させる。
【0058】
強制停止処理部112は、対災害検知器通信部101を通じて災害通知情報を受信し、これが制御部120に通知された場合に、制御部120の制御の下、対パチンコ台通信部107を制御し、電源I/Fを通じてパチンコ台200への駆動電源の供給を停止させる。これにより、駆動電源がパチンコ台200に供給されなくなるので、パチンコ台200での遊技の実行を強制的に停止させることができる。これにより、遊技者は、何かしらの異変に気付くことになり、災害の発生に気付くことにつながる。
【0059】
また、対災害検知器通信部101を通じて災害通知情報を受信し、これが制御部120に通知された場合に、制御部120は、持ち玉算出処理部110及びカード記録処理部111を制御して、持ち玉のカードへの記録とカードの排出を行うようにする。すなわち、災害検知器2からの災害通知情報が、ユニット装置100に通知されたとする。この場合、操作部103の計数ボタンが押下操作されなくても、持ち玉算出処理部110は、制御部120の制御の下、持ち玉数を算出し、遊技情報の持ち玉数の欄に更新し、当該遊技情報の投入玉数の欄と出玉数の欄と使用玉数の欄をクリアする処理を行う。
【0060】
更に、操作部103のカード排出ボタンが押下操作されなくても、カード記録処理部111は、制御部120の制御の下、不揮発性メモリ124の遊技情報を、カード処理部105に供給し、カード処理部105に挿入されているカードに記録する処理を行う。この後、カード記録処理部111は、カード処理部を制御して、当該カードをカード処理部105から排出させる。これら持ち玉算出処理部110及びカード記録処理部111の一連の処理により、遊技者が何らの操作をしなくても、貸し玉数と持ち玉数が記録され、自動排出されたカードを持って迅速に避難することが可能になる。
【0061】
なお、この実施の形態のユニット装置100は、現在年月日、現在曜日、現在時刻を提供する時計回路113を備えている。このため、カードへの貸し玉残高や持ち玉数の記録時に、現在年月日や現在時刻を記録するようにしておけば、後の確認において利用できる。災害が発生した日時は分かっているので、災害発生時に記録されたカードについては、例え一般カードであっても、災害が治まった後における補償の対象とすることができる。
【0062】
また、同様の考え方から、災害発生時に上述したように、強制的に貸し玉残高や持ち玉数の記録が行われたカードには、災害発生時の記録であることを示す情報を記録しておくようにしてもよい。このような記録があるカードについては、例え一般カードであっても、災害が治まった後における補償の対象とすることができる。
【0063】
[管理式遊技機(パチンコ台)200の構成例]
図4は、実施の形態のパチンコ台200の構成例を説明するためのブロック図である。対ユニット装置通信部201は、自機に接続されたユニット装置100との間で相互に通信を行うことを可能にする。これにより、上述もしたように、ユニット装置100から投入玉数の通知を受けたり、自機において発生する出玉数や使用玉数をユニット装置100に通知したりすることが可能になる。電源供給回路202は、上述もしたように、ユニット装置100からの駆動電源の供給を受けて、各部に供給する電源を形成して、これを各部に供給する。制御部203は、図示しないが、CPU、ROM、RAM、不揮発性メモリを備えたマイクロプロセッサであり、パチンコ台200の各部を制御する。
【0064】
操作部204は、持ち玉を盤面上に弾き出すことを指示するために回動操作が可能なハンドルを備えた部分である。持ち玉数(弾き出すことが可能なパチンコ玉の数)は、後述する表示部207に表示されている。遊技機能部205は、多数の釘が打たれた盤面、パチンコ玉の弾き出し機構、賞球機構、パチンコ玉供給システムと連動したパチンコ玉の補給機構など、遊技としてのパチンコを実行するための機構部である。制御部203は、遊技機能部205を制御して、ユニット装置100からの貸し玉の投入指示に応じて、パチンコ玉を投入して自機において使用可能にすることができる。また、制御部203は、遊技機能部205からの情報に基づいて、賞球を受けたパチンコ玉の数(出玉数)を把握したり、また、盤面上に弾き出したパチンコ玉の数(使用玉数)を把握したりすることできる。
【0065】
対情報管理装置通信部206は、情報管理装置3との間での相互に通信を行うことを可能にする。例えば、投入玉数、出玉数、使用玉数などの情報を、情報管理装置3に通知する。これにより、情報管理装置3は、当該パチンコ台200が保持するパチンコ玉の数を把握し、これに応じて、パチンコ玉供給システムを制御することにより、パチンコ台200において出玉が不足することがないようにできる。表示部207は、持ち玉数を表示する持ち玉表示部として機能するものである。
【0066】
上述したように、災害検知器2から災害通知情報がユニット装置100に供給された場合、ユニット装置100の強制停止処理部112の機能により、パチンコ台200には駆動電源が供給されなくなる。このため、
図4に示した構成を有するパチンコ台200においては、電源供給回路202を通じてパチンコ台200の各部に電源が供給できなくなるので、パチンコ台200における遊技が強制的に停止させられる。このように、遊技(パチンコ)が完全にできない状態になることによって、遊技者が何かしらの異変(異常)に確実に気が付くことができるようになっている。
【0067】
[ユニット装置100の処理とパチンコ台200の処理]
図5は、災害発生時において、ユニット装置100とパチンコ台200で実行される処理を説明するためのフローチャートである。
図5において、
図5(A)がユニット装置100の処理を示すフローチャートであり、
図5(B)がパチンコ台200の処理を示すフローチャートである。
図5(B)に示すように、会員カードや一般カードがユニット装置100に挿入されることにより、あるいは、1000円札がユニット装置100に投入されることにより、パチンコが実行されている(遊技中である)状態にあるものとする(ステップS201)。
【0068】
この場合、ユニット装置100では、制御部120の制御の下、対災害検知器通信部101を通じて災害検知器2からの災害通知情報を受信するようにし(ステップS101)、制御部120が災害通知情報を受信したかを判別する(ステップS102)。ステップS102の判別処理において、災害通知情報を受信していないと判別した時には、ステップS101からの処理を繰り返すことになる。
【0069】
ステップS102の判別処理において、災害通知情報を受信したと判別した場合には、制御部120は、強制停止処理部112を制御して、パチンコ台200を強制的に停止させる処理を実行する。この実施の形態において、強制停止処理部112は、対パチンコ台通信部107を制御し、電源I/Fを通じたパチンコ台200への駆動電源の供給を停止させる(ステップS103)。これにより、パチンコ台200への駆動電源の供給は停止され、パチンコ台200での遊技の実行が強制的に停止させられるので(ステップS202)、遊技者は、迅速に異変に気付くことができる。
【0070】
更に、ユニット装置100の制御部120は、表示部102を制御し、災害の発生を通知する画面(表示メッセージ)を表示させる(ステップS104)。例えば、発生した財災害が火災の場合には、「火災発生。直ちに避難してください。」といった表示メッセージなどが、表示部102に表示されることになる。このようにして表示部102に表示される表示メッセージにより、遊技者は直接的に災害の発生を認識できる。この後、制御部120は、持ち玉算出処理部110を制御して、ユニット保持情報である不揮発性メモリ124の遊技情報(
図3)に基づいて、持ち玉数を算出し、遊技情報の持ち玉数を更新する(ステップS105)。
【0071】
この後、制御部120は、カード記録処理部111を制御して、算出した持ち玉情報を計数情報として会員カードや一般カードに記録する処理を実行する(ステップS106)。この場合、貸し玉数も一緒に記録される。貸し玉が残っている場合もあるためである。更に、カード記録処理部111は、制御部120の制御の下、カード処理部105を制御し、遊技情報、すなわち貸し玉数と持ち玉数からなる総持ち玉数が記録されたカードを、カード処理部から排出し(ステップS107)、
図5(A)に示す処理を終了する。
【0072】
このようにして、貸し玉数と持ち玉数とを正確に把握し、会員カードや一般カードに記録して、当該カードを排出するまでの処理が、自動的に迅速に行われる。これにより遊技者は、貸し玉残高及び持ち玉数が記録されたカードを引き抜いて、迅速に避難することができる。当該カード所持していれば、災害終息後において、補償を求めることが可能になる。
【0073】
[パチンコ台の強制停止処理の他の例]
上述した実施の形態では、パチンコ台200は、ユニット装置100から駆動電源の供給を受けていたため、ユニット装置100からの駆動電源の供給を停止することにより、パチンコ台200を強制的に停止させることができた。しかし、パチンコ台がユニット装置100とは別経路で駆動電源の供給を受けるようにしている場合もある。このため、パチンコ台を強制的に停止させる態様として、別の態様を用いることもできる。以下においては、ユニット装置からの要求に応じて、パチンコ台自身が強制的に遊技を停止させる2つの態様について説明する。
【0074】
<パチンコ台が電源制御する場合>
図6は、パチンコ台の他の構成例であるパチンコ台200Aを説明するためのブロック図である。
図6に示すパチンコ台200Aにおいて、
図4に示したパチンコ台200と同様に構成される部分には同じ参照符号を付し、当該部分の詳細な説明は重複するため省略する。
図6に示すパチンコ台200Aの場合には、ユニット装置から駆動電力の供給を受けるものではなく、ユニット装置との接続経路とは別経路から駆動電源の供給を受ける電源供給回路202Aを備える。この電源供給回路202Aは、制御部203Aの制御により、各部への駆動電源の供給開始や供給停止を制御することができるものである。すなわち、制御部203Aは、電源制御部としての機能を備えるものである。
【0075】
このようなパチンコ台200Aに対応するため、
図2を用いて説明したユニット装置100は、強制停止処理部112の機能だけが異なるものとなる。この場合のユニット装置100の強制停止処理部112は、災害発生通知を受信した制御部120の制御に基づいて、電源供給停止要求を形成し、対パチンコ台通信部107を通じて、パチンコ台200Aに送信するものである。
【0076】
パチンコ台200Aの制御部203Aは、対ユニット装置通信部201を通じてユニット装置100からの電源供給停止要求を受信した場合には、電源供給回路202Aを制御して、パチンコ台200Aの各部への駆動電源の供給を停止させる。これにより、パチンコ台200Aにおいては、自機における遊技の実行を強制的に停止させることができる。
【0077】
図8は、災害発生時において、この例のユニット装置100と
図6に示したパチンコ台200Aで実行される処理を説明するためのフローチャートである。
図8に示すフローチャートにおいて、
図5に示したフローチャートと同様の処理が行われるステップには、同じ参照符号を付し、当該ステップの詳細な説明については重複するので省略する。
図4(A)と
図8(A)とを比較すると分かるように、
図4(A)のステップS103の処理と
図8(A)のステップS103Aの処理が異なっている。また、
図5(B)のステップS202以降の処理と、
図8(B)のステップS301以降の処理が異なっている。
【0078】
図8(A)のステップS102の判別処理において、制御部120が災害検知器2からの災害通知情報を受信したと判別したとする。この場合には、制御部120は、強制停止処理部112を制御して、電源供給停止要求を形成し、対パチンコ台通信部107を通じてパチンコ台200Aに送信する(ステップS103A)。このステップS103Aの処理が、パチンコ台200Aへ電源の供給停止を指示するものとなる。
【0079】
パチンコ台200Aでは、対ユニット装置通信部201を通じて、ユニット装置100からの信号(情報)を受信するようにし(ステップS301)、制御部203Aが電源供給停止要求を受信したか否かを判別する(ステップS302)。ステップS302の判別処理において、電源供給停止要求は受信していないと判別したときには、ステップS301からの処理を繰り返す。ステップS302の判別処理において、電源供給停止要求は受信したと判別した時には、制御部203Aは、電源供給回路202Aを制御して、パチンコ台200Aの各部への駆動電源の供給を停止させる(ステップS303)。これにより、パチンコ台200Aでの遊技の実行を強制的に停止させることができる。
【0080】
<パチンコ台が持つ玉計数を実行する場合>
図7は、パチンコ台の他の構成例であるパチンコ台200Bを説明するためのブロック図である。
図7に示すパチンコ台200Bにおいて、
図4に示したパチンコ台200と同様に構成される部分には同じ参照符号を付し、当該部分の詳細な説明は重複するため省略する。パチンコ台の制御部では、投入玉数、出玉数、使用玉数をリアルタイムに把握し、ユニット装置100に通知できるものであるが、
図7に示すパチンコ台200Bの制御部203Bは、持ち玉数の計数処理を行う計数制御部としての機能を備えるものである。なお、
図7において、電源供給回路202は、ユニット装置100から駆動電源の供給を受けるものとして示しているが、
図6に示した電源供給回路202Aの場合と同様に、ユニット装置100からではない経路を通じて駆動電源の供給を受けるものであってもよい。
【0081】
パチンコ台200Bの制御部203Bは、強制的に持ち玉計数を実行し、自機の持ち玉を0(ゼロ)にすることができるものである。ここで、持ち玉計数は、持ち玉数を0(ゼロ)にする処理を意味する。持ち玉数が0(ゼロ)になると、弾き出すことができるパチンコ玉が0(ゼロ)の状態になり、パチンコの実行が不能になる。
【0082】
このようなパチンコ台200Bに対応するため、
図2を用いて説明したユニット装置100は、強制停止処理部112の機能だけが異なるものとなる。この場合のユニット装置100の強制停止処理部112は、災害発生通知を受信した制御部120の制御に基づいて、持ち玉計数実行要求を形成し、対パチンコ台通信部107を通じて、パチンコ台200Bに送信してくるものである。
【0083】
パチンコ台200Bの制御部203Bは、対ユニット装置通信部201を通じてユニット装置100からの持ち玉計数実行要求を受信した場合には、自機の持ち玉数を強制的に0(ゼロ)にして、パチンコの実行を強制的に不能にさせる。これにより、パチンコ台200Bにおいては、自機における遊技の実行を強制的に停止させることができる。
【0084】
図9は、災害発生時において、この例のユニット装置100と
図7に示したパチンコ台200Bで実行される処理を説明するためのフローチャートである。
図9に示すフローチャートにおいて、
図5に示したフローチャートと同様の処理が行われるステップには、同じ参照符号を付し、当該ステップの詳細な説明については重複するので省略する。
図5(A)と
図9(A)とを比較すると分かるように、
図5(A)のステップS103の処理と
図9(A)のステップS103Bの処理が異なっている。また、
図5(B)のステップS202以降の処理と、
図9(B)のステップS401以降の処理が異なっている。
【0085】
図9(A)のステップS102の判別処理において、制御部120が災害検知器2からの災害通知情報を受信したと判別したとする。この場合には、制御部120は、強制停止処理部112を制御して、持ち玉計数実行要求を形成し、対パチンコ台通信部107を通じてパチンコ台200Bに送信する(ステップS103B)。このステップS103Bの処理が、パチンコ台200Bへ持ち玉計数の実行を指示するものとなる。
【0086】
パチンコ台200Bでは、対ユニット装置通信部201を通じて、ユニット装置100からの信号(情報)を受信するようにし(ステップS401)、制御部203Bが持ち玉計数実行要求を受信したか否かを判別する(ステップS402)。ステップS402の判別処理において、持ち玉計数実行要求は受信していないと判別したときには、ステップS401からの処理を繰り返す。ステップS402の判別処理において、持ち玉計数実行要求は受信したと判別した時には、制御部203Bは、自機の持ち玉数を0(ゼロ)にする(ステップS403)。これにより、パチンコ台200Aでの遊技の実行を不能にすることができる。すなわち、パチンコ台200Aでの遊技の実行を強制的に停止させることができる。
【0087】
<その他の強制的な停止の手法>
上述したように、駆動電源の供給停止や持ち玉数の計数処理により、パチンコ台での遊技の実行を停止させる他にも、種々の手法を用いることができる。例えば、パチンコ台に盤面上へのパチンコ玉の弾き出しを抑制するための弾き出し抑制機構を設け、災害発生時におけるユニット装置100からの弾き出し抑制要求に応じて、パチンコ玉の弾き出しをさせないようにしてもよい。また、ハンドル固定機構を設け、災害発生時におけるユニット装置100からのハンドル固定要求に応じて、ハンドルを固定し、パチンコ玉の弾き出しをさせないようにしてもよい。このように、パチンコ台での遊技の実行を強制的に停止させる手法は、種々の手法を用いることができる。要は、ユニット装置100からの要求に応じて、パチンコ台において遊技を強制的に停止させる種々の手法を用いることができる。
【0088】
[実施の形態の効果]
上述した実施の形態のユニット装置、遊技システムによれば、災害の発生時において、パチンコ台での遊技を強制的に停止させることにより、遊技者が何かしらの異変に気付くことになり、これが災害の発生の迅速な認識につながる。また、災害の発生時において、遊技者が一切操作を行うことなく、自動的に、貸し玉数や持ち玉数を計数し、会員カードや一般カードに記録して排出することにより、当該カードを遊技者が持ち出し可能となり、遊技者の迅速な避難が促進できる。
【0089】
[変形例]
なお、
図1においては、上位サーバ装置7に対しては、1のパチンコホールのホールシステムを構成する機器が接続されている場合を示したが、これに限るものではない。上位サーバ装置7は、複数のパチンコホールのホールシステムを構成する機器を接続し、複数のパチンコホールについての上述した種々の管理を行うこともできる。
【0090】
また、上述した実施の形態では、ユニット装置100に1000円札が投入された場合に、自動的に1000円分の貸し玉の提供を受けることができるものとして説明したが、これに限るものではない。例えば、ユニット装置100の操作部103に、投入した紙幣を返却させるための紙幣返却ボタンや投入した紙幣分の貸し玉の提供を受けるための貸し玉確認ボタンなどを設けておく。これにより、1000円札を投入しても、貸し玉確認ボタンを押下操作するまでは、投入した1000円札の返却を可能とし、選択したパチンコ台の変更を容易にすることができる。
【0091】
また、上述した実施の形態のユニット装置100では、貸し玉の提供を受けるために1000円札のみの投入が可能なものとして説明したが、これに限るものではない。5000円札や10000円札の投入を可能に、お釣りの提供を受けることが可能な構成にすることもできる。また、100円玉や500円玉である硬貨の使用を可能にすることもできる。
【0092】
また、上述した実施の形態では、災害検知器2よりユニット装置100に対して、災害発生情報を通知するようにしたが、これに限るものではない。例えば、災害検知器からの災害発生情報を、パチンコ台を通じて、ユニット装置に通知するようにしてもよい。また、災害検知器からユニット装置とパチンコ台との両方に災害検知情報を通知してもよい。これら場合であって、パチンコ台が
図6~
図9を用いて説明した自己制御型のものである場合には、災害検知器からの災害発生情報に基づいて、パチンコ台自身が自機における遊技の実行を強制に停止させることができる。
【0093】
また、上述した実施の形態では、災害検知器2から各ユニット装置100(1)、100(2)、…に災害検知情報を通知するようにしたが、これに限るものではない。別装置から災害を検知したことを通知する方式でも同様に制御可能である。具体的には、種々の位置に配置される多数の災害検知器からの災害検知情報を、金銭等管理装置4が受信するようにし、金銭等管理装置4から各ユニット装置に災害検知情報を通知するようにしてもよい。また、上位サーバ装置7が、所定の情報提供元から津波警報や避難指示が発令されたことに通知を受けて、災害発生情報を形成し、各ユニット装置や各パチンコ台に通知するようにしてもよい。すなわち、災害検知装置は、災害を検知して通知する機能を備える装置の他、災害の発生の通知を受けた場合に、災害通知情報を形成し、これをユニット装置などに通知する機能を備えた種々の機器とすることができる。
【0094】
また、上述した実施の形態では、計数した玉情報は、カードに記録するようにしたが、これに限るものではない。計数した玉情報(貸し玉数や持ち玉数)は、LAN5や広域ネットワーク6及び上位サーバ装置7が正常稼働中であれば、計数した玉情報を上位サーバ装置で管理するようにしてもよい。この場合、カードIDが記録された会員カードや一般カードを即座に排出し、これを所持して避難するようにできる。この場合、後日、所持するカードのカードIDに基づいて、貸し玉数や持ち玉数の提供を受けて、カードに記録し、これに基づいて、補償を求めることが可能になる。
【0095】
また、上述した実施の形態では、1000円札の投入により1000円分の貸し玉の提供を受けて、貸し玉投入ボタンの1回の操作に応じて、50個のパチンコ玉の投入を可能にした。しかし、これに限るものではない。例えば、1000円札の投入により1000円分の貸し玉の提供を受けて、これを全てパチンコ台に投入するように構成してもよい。この場合、貸し玉残高は存在せず、貸し玉数は全て投入玉数となり、持ち玉の一部とすることができる。このようにすれば、ユニット装置100においては、パチンコ台で使用可能なパチンコ玉の数である、持ち玉の数(投入玉数+出玉数-使用玉数)を管理すればよい。この場合、投入玉数は、ユニット装置100で把握できており、パチンコ台200からの出玉数と使用玉数の提供を受ければ、持ち玉数の把握ができる。
【0096】
また、上述した実施の形態では、1000円札の投入により1000円分の貸し玉の提供を受け、遊技者の指示に応じてパチンコ玉を投入できるものとしたため、「貸し玉残高」を管理できるものとした。この「貸し玉残高」については、「残金」として処理できるようにしてもよい。「貸し玉残高」を「残金」とすれば、精算機において貸し玉残高分の金銭の払い戻しを受けることができる。例えば、パチンコ球1個を4円で貸し出しを受けるものとすると、1000円札の投入により250個の貸し出しを受けることができる。この場合に、1回の指示で125個(500円分)のパチンコ球を投入できるものとすると、「貸し玉残高」は125個となる。このパチンコ玉125個を「残金」とし、1個4円で返金するものとすれば、精算機において500円の返金を受けることが可能になる。
【0097】
また、上述した実施の形態では、ユニット装置100とパチンコ台200とは、別体の装置であるものとして説明したが、これに限るものではない。1つの筐体にユニット装置100とパチンコ台200とを搭載した一体型の遊技システムを構成することもできる。
【0098】
また、上述した実施の形態では、貸し玉残数、持ち玉数は、会員カードや一般カードに記録して遊技者に提供するものとして説明した。しかし、これに限るものではない。例えば、スマートフォンなどの遊技者の所持する携帯端末に、所定のアプリケーションをインストールしておくことにより、貸し玉残数や持ち玉数を。当該携帯端末のメモリに記録することも可能である。この場合、ユニット装置100に遊技者の携帯端末との間で無線通信を行う近距離無線通信部を設け、遊技者の携帯端末との間で、情報の送受信を行うことができるようにしておけばよい。これにより、遊技者の携帯端末を、上述した会員カードや一般カードと同様の機能を実現するものとして用いることができる。
【0099】
また、上述した実施の形態において、会員カードや一般カードは、プリペイド機能は備えないものとして説明したが、これに限るものではない。会員カードや一般カードは、プリペイド機能を備えるものであってももちろんよい。プリペイド機能を備えるものである場合には、前払い金額の残高も管理できるようにしておけばよい。すなわち、前払い残高があるうちは、当該残高の範囲内で例えば金額を選択することで、選択した金額分の貸し玉の提供を受けることが可能になる。前払い残高は、貸し玉の提供を受けた場合に減るものであるので、ユニット装置100の制御部120の不揮発性メモリ124などにおいて管理し、災害発生時において、持ち玉数と同時に記録するようにすればよい。
【0100】
また、上述した実施の形態では、遊技機はパチンコ台であるものとして説明したが、これに限るものではない。遊技機は、パチンコ型スロットマシンであってもよい。また、遊技機は、ゲームセンタ等に設けられている、麻雀ゲーム、トランプゲーム、対戦型ゲームといった種々のゲーム機であってもよい。すなわち、遊技機は、遊技の実行により、ポイントが増減するゲーム機であればよい。
【0101】
[その他]
上述した実施の形態の説明からも分かるように、請求項の計数管理手段の機能は、実施の形態の計数管理部109が実現して、請求項の受信手段の機能は、実施の形態の対災害検知器通信部101が実現している。また、請求項の強制停止処理手段の機能は、実施の形態の強制停止処理部112が実現し、請求項の算出処理手段の機能は、持ち玉算出処理部110が実現している。また、請求項の記録処理手段の機能は、実施の形態のカード記録処理部111が実現している。請求項の駆動電源の供給手段の機能は、実施の形態の電源供給回路114と対パチンコ台通信部107と電源I/Fとが実現している。
【0102】
また、ユニット装置100の計数管理部109、持ち玉算出処理部110、カード記録処理部111、強制停止処理部112の機能は、制御部120で実行されるプログラムにより、制御部120の機能として実現することもできる。従って、
図5(A)、
図8(A)、
図9(A)に示したプログラムを形成し、ユニット装置に搭載することにより、この発明によるユニット装置を実現できる。
【符号の説明】
【0103】
1(1)、1(2)、…遊技システム、2…災害検知器、3…情報管理装置、4…金銭等管理装置、5…LAN、6…広域ネットワーク、7…上位サーバ装置、100、100(1)、100(2)、…ユニット装置、101…対災害検知器通信部、102…表示部、103…操作部、104…紙幣処理部、105…カード処理部、106…対情報管理装置通信部、107…対パチンコ台通信部、108…対金銭等管理装置通信部、109…計数管理部、110…持ち玉算出処理部、111…カード記録処理部、112…強制停止処理部、113…時計回路、114…電源供給回路、120…制御部、121…CPU、122…ROM、123…RAM、124…不揮発性メモリ、200、200(1)、200(2)、…パチンコ台、200A、200B…パチンコ台、201…対ユニット装置通信部、202、202A…電源供給回路、203、203A、203B…制御部、204…操作部、205…遊技機能部、206…対情報管理装置通信部