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特開2022-178775ベース無線装置及びベース無線装置の通信方法
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  • 特開-ベース無線装置及びベース無線装置の通信方法 図1
  • 特開-ベース無線装置及びベース無線装置の通信方法 図2
  • 特開-ベース無線装置及びベース無線装置の通信方法 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022178775
(43)【公開日】2022-12-02
(54)【発明の名称】ベース無線装置及びベース無線装置の通信方法
(51)【国際特許分類】
   H04L 13/00 20060101AFI20221125BHJP
   H04W 84/10 20090101ALI20221125BHJP
   H04W 88/08 20090101ALI20221125BHJP
   H04W 56/00 20090101ALI20221125BHJP
【FI】
H04L13/00 307B
H04W84/10
H04W88/08
H04W56/00 130
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021085809
(22)【出願日】2021-05-21
(71)【出願人】
【識別番号】000102511
【氏名又は名称】SMC株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100077665
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 剛宏
(74)【代理人】
【識別番号】100116676
【弁理士】
【氏名又は名称】宮寺 利幸
(74)【代理人】
【識別番号】100191134
【弁理士】
【氏名又は名称】千馬 隆之
(74)【代理人】
【識別番号】100136548
【弁理士】
【氏名又は名称】仲宗根 康晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136641
【弁理士】
【氏名又は名称】坂井 志郎
(74)【代理人】
【識別番号】100180448
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 亨祐
(72)【発明者】
【氏名】尾崎 憲正
(72)【発明者】
【氏名】桑原 寿明
【テーマコード(参考)】
5K034
5K067
【Fターム(参考)】
5K034AA02
5K034DD02
5K034EE03
5K034MM05
5K067AA34
5K067EE02
5K067EE10
5K067GG01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】処理能力の低下を防止できるベース無線装置を提供する。
【解決手段】1つのコンピュータ12と、少なくとも1つの通信ネットワーク14と、を備える無線システム10において、通信ネットワーク14は、1つのベース無線装置16と、複数のリモート無線装置18と、を備える。ベース無線装置16は、信号送信及び待機のいずれか一方を選択する選択部36と、選択部36が信号送信を選択した場合は、少なくとも1つのリモート無線装置18に信号を送信する送信処理を行い、選択部36が待機を選択した場合は、送受信周期で送信処理を行わずに待機する送信処理部(送受信処理部34)と、を備える。選択部36は、前回の送受信周期で信号送信を選択した場合は、今回の送受信周期で信号送信及び待機のいずれか一方を所定規則に従って選択し、前回の送受信周期で待機を選択した場合は、今回の送受信周期で信号送信を選択する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのリモート無線装置と送受信周期で信号の送受信を行うベース無線装置であって、
前記送受信周期で信号送信及び待機のいずれか一方を選択する選択部と、
前記選択部が信号送信を選択した場合は、前記送受信周期で少なくとも1つの前記リモート無線装置に信号を送信する送信処理を行い、前記選択部が待機を選択した場合は、前記送受信周期で前記送信処理を行わずに待機する送信処理部と、
を備え、
前記選択部は、前回の前記送受信周期で信号送信を選択した場合は、今回の前記送受信周期で信号送信及び待機のいずれか一方を所定規則に従って選択し、前回の前記送受信周期で待機を選択した場合は、今回の前記送受信周期で信号送信を選択する、ベース無線装置。
【請求項2】
請求項1に記載のベース無線装置であって、
前記選択部は、信号送信及び待機のいずれか一方を、ランダムに選択を行うためのアルゴリズムを使用して選択する、ベース無線装置。
【請求項3】
少なくとも1つのリモート無線装置と送受信周期で信号の送受信を行うベース無線装置の通信方法であって、
前記送受信周期で信号送信及び待機のいずれか一方を選択する選択ステップと、
前記選択ステップで信号送信を選択した場合は、前記送受信周期で少なくとも1つの前記リモート無線装置に信号を送信する送信処理を行い、前記選択ステップで待機を選択した場合は、前記送受信周期で前記送信処理を行わずに待機する送信処理ステップと、
を備え、
前記選択ステップでは、前回の前記送受信周期で信号送信を選択した場合は、今回の前記送受信周期で信号送信及び待機のいずれか一方を所定規則に従って選択し、前回の前記送受信周期で待機を選択した場合は、今回の前記送受信周期で信号送信を選択する、ベース無線装置の通信方法。
【請求項4】
請求項3に記載のベース無線装置の通信方法であって、
前記選択ステップでは、信号送信及び待機のいずれか一方が、ランダムに選択を行うためのアルゴリズムを使用して選択される、ベース無線装置の通信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つのリモート無線装置と送受信周期で信号の送受信を行うベース無線装置及びベース無線装置の通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、コンピュータと、複数の通信ネットワークと、を備える産業用の無線通信システムが示される。コンピュータは、複数のロボット等を管理及び制御する。各々の通信ネットワークは、1つのベース無線装置と、複数のリモート無線装置と、を備える。ベース無線装置は、コンピュータに接続される。一方、リモート無線装置は、センサ及びアクチュエータに接続される。センサ及びアクチュエータは、ロボット等に設けられる。例えば、ベース無線装置は、各々のリモート無線装置に、アクチュエータの動作を指示するための信号を送信する。一方、各々のリモート無線装置は、ベース無線装置に、センサの検出結果等を示す信号を送信する。特許文献1の無線通信システムにおいて、ベース無線装置と複数のリモート無線装置は、所定の周期で周波数をホッピングする。これにより、ベース無線装置と周囲の無線機器との電波干渉が防止される。同様に、リモート無線装置と周囲の無線機器との電波干渉が防止される。周波数のホッピングの周期を送受信周期と称する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-188868号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ベース無線装置は、リモート無線装置に信号を送信する間、リモート無線装置から送信される信号を受信することができない。このため、ベース無線装置が信号を送信している間、リモート無線装置が行う信号送信は失敗する。ベース無線装置が信号を送信し終わった後に、リモート無線装置が行う信号送信は成功する。すると、リモート無線装置からベース無線装置への信号送信が完了するまでに長い時間がかかる場合がある。その結果、無線通信システムの通信速度が低下し、ロボット等の処理能力が低下する。
【0005】
本発明は、上述した課題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1態様は、少なくとも1つのリモート無線装置と送受信周期で信号の送受信を行うベース無線装置であって、前記送受信周期で信号送信及び待機のいずれか一方を選択する選択部と、前記選択部が信号送信を選択した場合は、前記送受信周期で少なくとも1つの前記リモート無線装置に信号を送信する送信処理を行い、前記選択部が待機を選択した場合は、前記送受信周期で前記送信処理を行わずに待機する送信処理部と、を備え、前記選択部は、前回の前記送受信周期で信号送信を選択した場合は、今回の前記送受信周期で信号送信及び待機のいずれか一方を所定規則に従って選択し、前回の前記送受信周期で待機を選択した場合は、今回の前記送受信周期で信号送信を選択する。
【0007】
本発明の第2態様は、少なくとも1つのリモート無線装置と送受信周期で信号の送受信を行うベース無線装置の通信方法であって、前記送受信周期で信号送信及び待機のいずれか一方を選択する選択ステップと、前記選択ステップで信号送信を選択した場合は、前記送受信周期で少なくとも1つの前記リモート無線装置に信号を送信する送信処理を行い、前記選択ステップで待機を選択した場合は、前記送受信周期で前記送信処理を行わずに待機する送信処理ステップと、を備え、前記選択ステップでは、前回の前記送受信周期で信号送信を選択した場合は、今回の前記送受信周期で信号送信及び待機のいずれか一方を所定規則に従って選択し、前回の前記送受信周期で待機を選択した場合は、今回の前記送受信周期で信号送信を選択する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、リモート無線装置の信号送信が成功するまでにかかる時間を短くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】無線通信システムの構成を示す図である。
図2】本実施形態の無線通信システムの機能ブロックを示す図である。
図3】本実施形態の処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[1 無線通信システム10]
図1は、無線通信システム10の構成を示す図である。図2は、本実施形態の無線通信システム10の機能ブロックを示す図である。産業用の無線通信システム10は、1つのコンピュータ12と、少なくとも1つの通信ネットワーク14と、を備える。1つの通信ネットワーク14は、1つのベース無線装置16と、複数のリモート無線装置18と、を備える。産業設備には、図示しない1又は複数のロボット等が設けられる。
【0011】
コンピュータ12は、1又は複数のロボット等の監視及び制御を行う。コンピュータ12は、例えば、PLC(プログラマブル・ロジック・コントローラ)を有しても良い。コンピュータ12は、有線又は無線で送受信を行うためのインターフェース(不図示)を備える。コンピュータ12は、インターフェースを介してベース無線装置16に信号を送信する。また、コンピュータ12は、インターフェースを介してベース無線装置16から送信される信号を受信する。
【0012】
1又は複数のロボット等は、アクチュエータとセンサとを備える。アクチュエータは、コンピュータ12の指示に従って動作する。センサは、ロボットの動作を検知する。本明細書では、センサとアクチュエータをまとめてS/A20とも称する。アクチュエータは、ベース無線装置16及びリモート無線装置18を介して、コンピュータ12から送信される制御信号を受信する。センサは、ベース無線装置16及びリモート無線装置18を介して、検出結果を示すセンサ信号をコンピュータ12に送信する。
【0013】
[2 ベース無線装置16]
図2で示されるように、ベース無線装置16は、ベース演算部22と、ベース記憶部24と、ベース通信部26と、ベースインターフェース28と、を備える。
【0014】
ベース演算部22は、処理回路を有する。処理回路は、CPU等のプロセッサであっても良い。処理回路は、ASIC、FPGA等の集積回路であっても良い。プロセッサは、ベース記憶部24に記憶されるプログラムを実行することによって各種の機能を有する。ベース演算部22は、周波数切替部32、送受信処理部34、選択部36、及び、入出力制御部38として機能する。
【0015】
周波数切替部32は、ホッピング情報に基づいて、ベース通信部26が使用するチャネルの周波数を切り替える。ホッピング情報は、ベース記憶部24に予め記憶される。
【0016】
送受信処理部(送信処理部)34は、ベース通信部26の送信回路を使用して、リモート無線装置18に信号を送信する処理を行う。この処理を送信処理と称する。また、送受信処理部34は、ベース通信部26の受信回路を使用して、リモート無線装置18が送信する信号を受信する処理を行う。送受信処理部34は、1回の送受信周期で1パケットの信号を送信する。送受信処理部34は、1パケットの信号を送信する際に、一連の送信処理を行う。送信処理には、信号を送信する処理と、リモート無線装置18から送信される確認応答(ACK)を受信する処理と、が含まれる。
【0017】
選択部36は、各々の送受信周期で信号送信及び待機のいずれか一方を選択する。例えば、選択部36は、前回の送受信周期で信号送信を選択した場合に、今回の送受信周期で信号送信及び待機のいずれか一方を選択する。この際、選択部36は、所定規則に従って選択を行う。所定規則は、ベース記憶部24に記憶される。例えば、所定規則は、信号送信と待機との選択順序を決めた情報であっても良い。また、所定規則は、ランダムに選択を行うためのアルゴリズム、例えば擬似乱数列を生成するアルゴリズム等であっても良い。一方、選択部36は、前回の送受信周期で待機を選択した場合に、今回の送受信周期で信号送信を選択する。
【0018】
入出力制御部38は、ベースインターフェース28を使用して、リモート無線装置18から受信したセンサ信号をコンピュータ12に送信する処理を行う。また、入出力制御部38は、ベースインターフェース28を使用して、コンピュータ12が送信する制御信号を受信する処理を行う。
【0019】
ベース記憶部24は、揮発性メモリ及び不揮発性メモリを有する。揮発性メモリとしては、例えばRAM等が挙げられる。不揮発性メモリとしては、例えばROM、フラッシュメモリ等が挙げられる。揮発性メモリは、例えば外部から取得したデータ及びベース演算部22が演算したデータ等を記憶する。不揮発性メモリは、例えば所定のプログラム及び所定の数値等を記憶する。なお、ベース記憶部24は、リモート無線装置18と共通のホッピング情報を記憶する。ホッピング情報は、ホッピングパターンの情報、及び、送受信周期の情報を含む。ベース記憶部24の少なくとも一部が、上述したようなプロセッサ、集積回路等に備えられていても良い。
【0020】
ベース通信部26は、通信回路を有する。通信回路は、送信回路と受信回路を含む。ベース通信部26は、リモート無線装置18に信号を送信する。また、ベース通信部26は、リモート無線装置18が送信する信号を受信する。
【0021】
ベースインターフェース28は、コンピュータ12と有線通信を行うための入出力インターフェースを有する。
【0022】
[3 リモート無線装置18]
図2で示されるように、リモート無線装置18は、リモート演算部42と、リモート記憶部44と、リモート通信部46と、リモートインターフェース48と、を備える。
【0023】
リモート演算部42は、処理回路を有する。処理回路は、CPU等のプロセッサであっても良い。また、処理回路は、ASIC、FPGA等の集積回路であっても良い。例えば、プロセッサは、リモート記憶部44に記憶されるプログラムを実行することによって各種の機能を有する。例えば、リモート演算部42は、リモートインターフェース48を使用して、S/A20に制御信号を送信する処理を行う。また、リモート演算部42は、リモートインターフェース48を使用して、S/A20からセンサ信号を受信する処理を行う。リモート演算部42は、リモート通信部46を使用してベース無線装置16から信号を受信する処理を行う。また、リモート演算部42は、リモート通信部46を使用して、ベース無線装置16に信号を送信する処理を行う。また、リモート演算部42は、ホッピング情報に基づいて、リモート無線装置18との通信で使用するチャネルの周波数を切り替える。
【0024】
リモート記憶部44は、揮発性メモリ及び不揮発性メモリを有する。揮発性メモリとしては、例えばRAM等が挙げられる。不揮発性メモリとしては、例えばROM、フラッシュメモリ等が挙げられる。揮発性メモリは、例えば外部から取得したデータ及びリモート演算部42が演算したデータ等を記憶する。不揮発性メモリは、例えば所定のプログラム及び所定の数値等を記憶する。なお、リモート記憶部44は、ベース無線装置16と共通のホッピング情報を記憶する。ホッピング情報は、ホッピングパターンの情報、及び、送受信周期の情報を含む。リモート記憶部44の少なくとも一部が、上述したようなプロセッサ、集積回路等に備えられていても良い。
【0025】
リモート通信部46は、通信回路を有する。通信回路は、送信回路と受信回路を含む。リモート通信部46は、ベース無線装置16に信号を送信する。また、リモート通信部46は、ベース無線装置16が送信する信号を受信する。
【0026】
リモートインターフェース48は、S/A20と有線通信を行うための入出力インターフェースを有する。リモートインターフェース48は、S/A20と近距離無線通信を行うための無線インターフェースを有しても良い。
【0027】
[4 ベース無線装置16で行われる処理]
図3を用いて送信に関わるベース無線装置16の処理を説明する。図3は、本実施形態の処理を示すフローチャートである。ベース演算部22は、図3で示される処理を送受信周期毎に実行する。
【0028】
ステップS1において、周波数切替部32は、ベース記憶部24に記憶されるホッピングパターンに従って、チャネルの周波数を切り替える。ステップS1が終了すると、処理はステップS2に移行する。
【0029】
ステップS2において、送受信処理部34は、S/A20に対して伝達すべき情報(伝達情報)があるか否かを判定する。伝達情報は、例えばコンピュータ12から取得した制御信号等である。伝達情報がある場合(ステップS2:YES)、処理はステップS4に移行する。一方、伝達情報がない場合(ステップS2:NO)、処理はステップS3に移行する。
【0030】
ステップS3において、選択部36は、今回の送受信周期で待機することを選択する。ここで、選択部36は、待機という選択結果をベース記憶部24に記憶させる。ステップS3が終了すると、今回の送受信周期における処理は終了する。
【0031】
ステップS4において、選択部36は、前回の送受信周期における選択部36の選択結果を判定する。選択結果は、ベース記憶部24に記憶される。選択結果が待機である場合(ステップS4:待機)、処理はステップS5に移行する。一方、選択結果が信号送信である場合(ステップS4:信号送信)、処理はステップS6に移行する。なお、ベース記憶部24に選択結果の記録がない場合、選択部36は、選択結果を待機と判定する。
【0032】
処理がステップS4からステップS5に移行した場合、選択部36は、今回の送受信周期で信号を送信することを選択する。選択部36は、信号送信という選択結果をベース記憶部24に記憶させる。ステップS5が終了すると、処理はステップS8に移行する。
【0033】
処理がステップS4からステップS6に移行した場合、選択部36は、今回の送受信周期で信号を送信するか、又は、今回の送受信周期で待機するか、を所定規則に従って選択する。選択部36は、信号送信又は待機のいずれか一方の選択結果をベース記憶部24に記憶させる。ステップS6が終了すると、処理はステップS7に移行する。
【0034】
ステップS6で選択部36が信号送信を選択した場合(ステップS7:信号送信)、処理はステップS8に移行する。一方、ステップS6で選択部36が待機を選択した場合(ステップS7:待機)、送受信処理部34は、今回の送受信周期で待機する。つまり、ベース無線装置16は、リモート無線装置18が送信する信号を受信する機会を作る。このとき、いずれか1つのリモート無線装置18がベース無線装置16に信号を送信した場合に、送受信処理部34は信号を受信する処理を行う。ステップS7が終了すると、今回の送受信周期における処理は終了する。
【0035】
処理がステップS5又はステップS7からステップS8に移行した場合、送受信処理部34は、送信処理を行う。このとき、送受信処理部34は、ベース通信部26を使用して、伝達情報を示す信号をベース無線装置16に送信する処理を行う。ステップS8が終了すると、今回の送受信周期における処理は終了する。
【0036】
本実施形態によれば、選択部36は、前回の送受信周期で信号送信を選択した場合に、今回の送受信周期で信号を送信するか待機するかのいずれかを選択する。この際、選択部36は、基本的には1/2の確率で待機を選択する。このため、ベース無線装置16が長時間信号を送信し続けることが少なくなる。即ち、ベース無線装置16において、信号を受信する機会が増える。従って、本実施形態によれば、リモート無線装置18の信号送信が成功するまでにかかる時間を短くすることができる。
【0037】
本実施形態によれば、選択部36は、前回の送受信周期で待機を選択した場合に、今回の送受信周期で信号の送信を選択する。従って、ベース無線装置16においては、信号を送信する機会が信号を受信する機会よりも少なくなることはない。
【0038】
[5 実施形態から得られる技術的思想]
上記実施形態から把握しうる技術的思想について、以下に記載する。
【0039】
本発明の第1態様は、少なくとも1つのリモート無線装置18と送受信周期で信号の送受信を行うベース無線装置16であって、前記送受信周期で信号送信及び待機のいずれか一方を選択する選択部36と、前記選択部36が信号送信を選択した場合は、前記送受信周期で少なくとも1つの前記リモート無線装置18に信号を送信する送信処理を行い、前記選択部36が待機を選択した場合は、前記送受信周期で前記送信処理を行わずに待機する送信処理部(送受信処理部34)と、を備え、前記選択部36は、前回の前記送受信周期で信号送信を選択した場合は、今回の前記送受信周期で信号送信及び待機のいずれか一方を所定規則に従って選択し、前回の前記送受信周期で待機を選択した場合は、今回の前記送受信周期で信号送信を選択する。
【0040】
第1態様において、前記選択部36は、信号送信及び待機のいずれか一方を、ランダムに選択を行うためのアルゴリズムを使用して選択しても良い。
【0041】
本発明の第2態様は、少なくとも1つのリモート無線装置18と送受信周期で信号の送受信を行うベース無線装置16の通信方法であって、前記送受信周期で信号送信及び待機のいずれか一方を選択する選択ステップと、前記選択ステップで信号送信を選択した場合は、前記送受信周期で少なくとも1つの前記リモート無線装置に信号を送信する送信処理を行い、前記選択ステップで待機を選択した場合は、前記送受信周期で前記送信処理を行わずに待機する送信処理ステップと、を備え、前記選択ステップでは、前回の前記送受信周期で信号送信を選択した場合は、今回の前記送受信周期で信号送信及び待機のいずれか一方を所定規則に従って選択し、前回の前記送受信周期で待機を選択した場合は、今回の前記送受信周期で信号送信を選択する。
【0042】
第2態様において、前記選択ステップでは、信号送信及び待機のいずれか一方が、ランダムに選択を行うためのアルゴリズムを使用して選択されても良い。
【符号の説明】
【0043】
16…ベース無線装置 18…リモート無線装置
34…送受信処理部 36…選択部
図1
図2
図3