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特開2022-178789情報処理装置、通知システム、面体、緊急通知の処理方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022178789
(43)【公開日】2022-12-02
(54)【発明の名称】情報処理装置、通知システム、面体、緊急通知の処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G08B 25/10 20060101AFI20221125BHJP
   H04N 7/18 20060101ALI20221125BHJP
【FI】
G08B25/10 B
G08B25/10 Z
H04N7/18 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021085835
(22)【出願日】2021-05-21
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】本橋 輝行
【テーマコード(参考)】
5C054
5C087
【Fターム(参考)】
5C054CA04
5C054CC02
5C054DA07
5C054FA07
5C054FE14
5C054HA19
5C087AA02
5C087AA03
5C087AA09
5C087AA19
5C087BB20
5C087BB75
5C087DD03
5C087EE18
5C087FF01
5C087FF02
5C087FF04
5C087FF17
5C087GG02
5C087GG08
5C087GG83
(57)【要約】
【課題】作業者についての緊急事態が発生した場合に、作業者が緊急通知の発出の状態を的確に認識することができる情報処理装置、通知システム、面体、緊急通知の処理方法、及びプログラムを提供する。
【解決手段】情報処理装置1は、所定の条件が満たされた場合に、作業者についての緊急事態の発生を知らせる通知である緊急通知を送信する通知送信部2と、緊急通知に関する情報をヘッドマウントディスプレイに表示するよう制御する表示制御部3とを有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の条件が満たされた場合に、作業者についての緊急事態の発生を知らせる通知である緊急通知を送信する通知送信部と、
緊急通知に関する情報をヘッドマウントディスプレイに表示するよう制御する表示制御部と
を有する情報処理装置。
【請求項2】
前記表示制御部は、前記通知送信部が緊急通知を送信したことを示す情報を前記ヘッドマウントディスプレイに表示するよう制御する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記表示制御部は、前記通知送信部が送信した緊急通知の送信先からの応答信号に基づいて、前記通知送信部が緊急通知を送信したことを示す情報の表示を終了するよう制御する
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
他の前記情報処理装置を携帯する作業者についての緊急事態の発生を知らせる緊急通知を受信する受信部をさらに有し、
前記表示制御部は、他の前記情報処理装置を携帯する作業者についての緊急事態の発生を知らせる緊急通知を示す情報を前記ヘッドマウントディスプレイに表示するよう制御する
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記表示制御部は、さらに、他の前記情報処理装置を携帯する作業者が携帯するカメラが撮影した映像を前記ヘッドマウントディスプレイに表示するよう制御する
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記表示制御部は、さらに、緊急事態が発生した作業者の位置を表示するよう制御する
請求項4又は5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記表示制御部は、緊急事態が発生した作業者の位置を緊急事態が発生していない作業者の位置と区別して表示するよう制御する
請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記通知送信部は、所定の範囲内に存在する作業者が携帯する他の前記情報処理装置に対して緊急通知を送信する
請求項1乃至7のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記所定の条件は、前記情報処理装置を携帯する作業者が頭部に装着する防具に設けられたスイッチに対して所定の操作が行われることである
請求項1乃至8のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記所定の条件は、前記情報処理装置を携帯する作業者の動作状態が所定の動作状態であることである
請求項1乃至9のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記所定の条件は、前記情報処理装置を携帯する作業者が携帯するボンベ内の気体の残量が所定の閾値未満となることである
請求項1乃至10のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項12】
作業者が携帯する情報処理装置と、
前記作業者を指揮する指揮者が操作する指揮者端末と
を備え、
前記情報処理装置は、
所定の条件が満たされた場合に、作業者についての緊急事態の発生を知らせる通知である緊急通知を少なくとも前記指揮者端末へ送信する通知送信部と、
緊急通知に関する情報をヘッドマウントディスプレイに表示するよう制御する第一の表示制御部と、を有し、
前記指揮者端末は、
前記情報処理装置から送信された緊急通知を受信する受信部と、
前記受信部が受信した緊急通知をディスプレイに表示するよう制御する第二の表示制御部と、を有する
通知システム。
【請求項13】
前記指揮者端末は、前記受信部が受信した緊急通知を当該緊急通知の送信元の前記情報処理装置以外の前記情報処理装置に転送する転送部をさらに有する
請求項12に記載の通知システム。
【請求項14】
前記転送部は、緊急通知の送信元の前記情報処理装置を携帯する作業者から所定の範囲内に存在する作業者が携帯する前記情報処理装置に転送する
請求項13に記載の通知システム。
【請求項15】
ヘッドマウントディスプレイと、
所定の条件が満たされた場合に、作業者についての緊急事態の発生を知らせる通知である緊急通知を送信する通知送信部と、
緊急通知に関する情報を前記ヘッドマウントディスプレイに表示するよう制御する表示制御部と
を有する面体。
【請求項16】
所定の条件が満たされた場合に、作業者についての緊急事態の発生を知らせる通知である緊急通知を送信し、
緊急通知に関する情報をヘッドマウントディスプレイに表示するよう制御する
緊急通知の処理方法。
【請求項17】
所定の条件が満たされた場合に、作業者についての緊急事態の発生を知らせる通知である緊急通知を送信する通知送信ステップと、
緊急通知に関する情報をヘッドマウントディスプレイに表示するよう制御する表示制御ステップと
をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、通知システム、面体、緊急通知の処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
作業者についての緊急事態の発生を知らせる技術が提案されている。例えば、特許文献1は、消火や人命救助などの作業に従事する各隊員が何らかの緊急事態に陥った際に、緊急事態に陥った隊員が身につけたスピーカから音を出力するシステムについて開示している。また、このシステムでは、消防隊員の周辺で救援を要請している消防隊員がいることを、バイブレータによる振動で知らせている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007-166472号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された技術では、バイブレータによる振動を身体で感じることにより、緊急事態の発生が知覚される。しかしながら、作業中で身体を動かしている場合などには、バイブレータの振動を知覚できない恐れがある。
【0005】
そこで、本明細書に開示される実施形態が達成しようとする目的の1つは、作業者についての緊急事態が発生した場合に、作業者が緊急通知の発出の状態を的確に認識することができる情報処理装置、通知システム、面体、緊急通知の処理方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様にかかる情報処理装置は、
所定の条件が満たされた場合に、作業者についての緊急事態の発生を知らせる通知である緊急通知を送信する通知送信部と、
緊急通知に関する情報をヘッドマウントディスプレイに表示するよう制御する表示制御部と
を有する。
【0007】
第2の態様にかかる通知システムは、
作業者が携帯する情報処理装置と、
前記作業者を指揮する指揮者が操作する指揮者端末と
を備え、
前記情報処理装置は、
所定の条件が満たされた場合に、作業者についての緊急事態の発生を知らせる通知である緊急通知を少なくとも前記指揮者端末へ送信する通知送信部と、
緊急通知に関する情報をヘッドマウントディスプレイに表示するよう制御する第一の表示制御部と、を有し、
前記指揮者端末は、
前記情報処理装置から送信された緊急通知を受信する受信部と、
前記受信部が受信した緊急通知をディスプレイに表示するよう制御する第二の表示制御部と、を有する。
【0008】
第3の態様にかかる面体は、
ヘッドマウントディスプレイと、
所定の条件が満たされた場合に、作業者についての緊急事態の発生を知らせる通知である緊急通知を送信する通知送信部と、
緊急通知に関する情報を前記ヘッドマウントディスプレイに表示するよう制御する表示制御部と
を有する。
【0009】
第4の態様にかかる緊急通知の処理方法では、
所定の条件が満たされた場合に、作業者についての緊急事態の発生を知らせる通知である緊急通知を送信し、
緊急通知に関する情報をヘッドマウントディスプレイに表示するよう制御する。
【0010】
第5の態様にかかるプログラムは、
所定の条件が満たされた場合に、作業者についての緊急事態の発生を知らせる通知である緊急通知を送信する通知送信ステップと、
緊急通知に関する情報をヘッドマウントディスプレイに表示するよう制御する表示制御ステップと
をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0011】
上述の態様によれば、作業者についての緊急事態が発生した場合に、作業者が緊急通知の発出の状態を的確に認識することができる情報処理装置、通知システム、面体、緊急通知の処理方法、及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施の形態の概要にかかる情報処理装置の構成の一例を示すブロック図である。
図2】実施の形態にかかる通知システムの構成の一例を示すブロック図である。
図3】面体の構成を示す図である。
図4】作業者装置の制御装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
図5】操作スイッチが操作されて緊急通知が送信された場合のヘッドマウントディスプレイの表示例を示す図である。
図6】作業者の動作が所定の動作状態であることにより緊急通知が送信された場合のヘッドマウントディスプレイの表示例を示す図である。
図7】ボンベ内の気体の残量が閾値未満となったことにより緊急通知が送信された場合のヘッドマウントディスプレイの表示例を示す図である。
図8】実施の形態1において、他の作業者装置を携帯する作業者についての緊急事態の発生を知らせる緊急通知のヘッドマウントディスプレイにおける表示例を示す図である。
図9】実施の形態1において、他の作業者装置を携帯する作業者についての緊急事態の発生を知らせる緊急通知のヘッドマウントディスプレイにおける表示例を示す図である。
図10】実施の形態1において、他の作業者装置を携帯する作業者についての緊急事態の発生を知らせる緊急通知のヘッドマウントディスプレイにおける表示例を示す図である。
図11】指揮者端末の制御装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
図12】指揮者端末の表示制御部の制御により表示される画面の一例を示す模式図である。
図13】作業者装置の制御装置のハードウェア構成の一例を示す模式図である。
図14】作業者装置の動作の流れの一例を示すフローチャートである。
図15】実施の形態2において、他の作業者装置を携帯する作業者についての緊急事態の発生を知らせる緊急通知のヘッドマウントディスプレイにおける表示例を示す図である。
図16】実施の形態2において、他の作業者装置を携帯する作業者についての緊急事態の発生を知らせる緊急通知のヘッドマウントディスプレイにおける表示例を示す図である。
図17】実施の形態2において、他の作業者装置を携帯する作業者についての緊急事態の発生を知らせる緊急通知のヘッドマウントディスプレイにおける表示例を示す図である。
図18】実施の形態3にかかる作業者装置の制御装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
図19】実施の形態3にかかる指揮者端末の制御装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
図20】実施の形態3において、他の作業者装置を携帯する作業者についての緊急事態の発生を知らせる緊急通知のヘッドマウントディスプレイにおける表示例を示す図である。
図21】実施の形態3において、他の作業者装置を携帯する作業者についての緊急事態の発生を知らせる緊急通知のヘッドマウントディスプレイにおける表示例を示す図である。
図22】実施の形態3において、他の作業者装置を携帯する作業者についての緊急事態の発生を知らせる緊急通知のヘッドマウントディスプレイにおける表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
<実施形態の概要>
実施形態の詳細な説明に先立って、実施形態の概要を説明する。図1は、実施の形態の概要にかかる情報処理装置1の構成の一例を示すブロック図である。図1に示すように、情報処理装置1は、通知送信部2と、表示制御部3とを有する。
【0014】
通知送信部2は、所定の条件が満たされた場合に、作業者についての緊急事態の発生を知らせる通知である緊急通知を送信する。情報処理装置1は、例えば、作業者に携帯される装置であり、通知送信部2は、所定の条件が満たされると、この情報処理装置1を携帯した作業者についての緊急事態の発生を知らせる通知(緊急通知)を送信する。通知送信部2は、例えば、作業者を指揮する指揮者が操作する端末へ緊急通知を送信するが、他の作業者が携帯する他の情報処理装置(例えば、情報処理装置1と同様の構成を備えた情報処理装置)に緊急通知を送信してもよい。また、通知送信部2は、例えばサーバなどの任意の装置に緊急通知を送信してもよい。
【0015】
表示制御部3は、緊急通知に関する情報をヘッドマウントディスプレイに表示するよう制御する。具体的には、表示制御部3は、情報処理装置1を携帯した作業者が装着したヘッドマウントディスプレイに表示を行うよう制御する。なお、このヘッドマウントディスプレイは、例えば、作業者が頭部に装着する防具に設けられている。ここで、頭部に装着する防具は、具体的には、例えば、防護マスクなどの面体であるが、これに限らず、ヘルメットであってもよいし、防護メガネなどであってもよい。
【0016】
なお、表示制御部3がヘッドマウントディスプレイに表示する緊急通知に関する情報は、情報処理装置1を携帯する作業者についての緊急事態の発生を知らせる通知に関する情報であってもよいし、他の情報処理装置を携帯する他の作業者についての緊急事態の発生を知らせる通知に関する情報であってもよい。すなわち、ヘッドマウントディスプレイに表示される情報は、情報処理装置1の通知送信部2が送信した緊急通知に関する情報であってもよいし、他の情報処理装置から送信された緊急通知に関する情報であってもよい。
【0017】
情報処理装置1によれば、情報処理装置1又は他の情報処理装置(例えば、情報処理装置1と同様の構成を備えた情報処理装置)が送信した緊急通知に関する情報がヘッドマウントディスプレイに表示される。これにより、作業者は、緊急通知に関する情報を視覚的に認識することができる。ところで、音声による情報伝達の場合には、作業環境などにおける騒音や雑音の影響により、情報を認識できない場合がある。また、振動による情報伝達の場合、身体を動かしている作業者には、知覚できない恐れがある。これに対し、情報処理装置1では、上述のように、ヘッドマウントディスプレイを用いて視覚的に情報伝達が行われる。このため、情報処理装置1によれば、作業者についての緊急事態が発生した場合に、作業者が緊急通知の発出の状態を的確に認識することができる。
【0018】
以下、実施の形態の詳細について説明する。
<実施の形態1>
図2は、実施の形態1にかかる通知システム10の構成の一例を示すブロック図である。図2に示すように、通知システム10は、作業者装置100_1、100_2、100_3、・・・、100_nと、指揮者端末200を有する。なお、作業者装置100_1、100_2、100_3、・・・、100_nは、それぞれ同様の構成を備えており、以下の説明では、これらを特に区別せず言及する場合、単に作業者装置100と称すこととする。なお、作業者装置100の台数に制限はない。本実施の形態では、所定の作業を行う複数の作業者のそれぞれによって、作業者装置100が携帯されるため、通知システム10は、複数の作業者装置100を備えるが、通知システム10が備える作業者装置100は1台であってもよい。作業者装置100及び指揮者端末200は、無線により相互に通信が可能なように接続されている。また、各作業者装置100間も、無線により相互に通信が可能なように接続されていてもよい。
【0019】
作業者装置100は、制御装置110、面体120、加速度センサ130、及び、圧力センサ140を有する。作業者装置100は、作業者に携帯されている。例えば、作業者は、消火活動を行う消防隊員であるが、これに限られない。例えば、作業者は、警察官、自衛隊員、レスキュー隊員、建設現場の作業者、任意の施設内での作業者等であってもよい。つまり、作業者装置100は、様々な作業者に携帯され得る。制御装置110及び加速度センサ130は、作業者の任意の場所(例えば作業者が背負っているボンベに付属する制御ボックス内など)に設けられている。また、面体120は、作業者の頭部に装着されている。圧力センサ140は、作業者が背負っているボンベ(例えば、空気ボンベ)に設けられている。
【0020】
加速度センサ130は、作業者装置100を携帯する作業者の動きを検出するために、加速度を検出し、制御装置110に検出データを出力する。
圧力センサ140は、ボンベ内の気体(例えば空気)の残量を検出するために、ボンベ内の圧力を検出し、制御装置110に検出データを出力する。
【0021】
制御装置110は、作業者装置100の動作を制御する。特に、制御装置110は、緊急通知の送受信及び面体120における情報の表示を制御する。制御装置110は、図1に示した情報処理装置1に対応する。制御装置110の詳細は後述する。
【0022】
図3は、面体の構成を示す図である。面体120は、透明カバー(フェイスシールド)121を備える。また、面体120は、図2に示したように、赤外線カメラ122、可視カメラ123、ヘッドマウントディスプレイ124、及び操作スイッチ125を有する。赤外線カメラ122、可視カメラ123、ヘッドマウントディスプレイ124、及び操作スイッチ125は、例えば図3に示すように配置されている。なお、本実施の形態では、面体120は、面体120を装着した作業者の周辺の環境を撮像する撮像装置(カメラ)として、赤外線カメラ122及び可視カメラ123の両方を備えるが、面体120は、いずれか一方だけを備えてもよい。
【0023】
赤外線カメラ122は、当該赤外線カメラ122が受光する赤外線に基づいて、作業者の周辺の環境を撮像する。赤外線カメラ122は、赤外線カメラ122により撮像された映像(以下、赤外線カメラ映像)を制御装置110に出力する。
【0024】
可視カメラ123は、当該可視カメラ123が受光する可視光に基づいて、作業者の周辺の環境を撮像する。可視カメラ123は、可視カメラ123により撮像された映像(以下、可視カメラ映像を制御装置110に出力する。
【0025】
ヘッドマウントディスプレイ124は、面体120を装着した作業者が視認可能に、任意の情報を表示する。ヘッドマウントディスプレイ124は、制御装置110の制御にしたがった画面を表示する。具体的には、ヘッドマウントディスプレイ124は、図3に示すように画面80を表示する。ヘッドマウントディスプレイ124は、面体120を装着した作業者の前方に、画面80の虚像を表示させる。なお、図3の例では、説明の便宜上、面体120の正面と虚像である画面80とが同じ方向(紙面手前方向)を向いているが、実際には、虚像である画面80は、面体120の正面と対向するように表示される。
【0026】
具体的には、ヘッドマウントディスプレイ124は、コンバイナ等の反射透光部材を有してもよい。そして、コンバイナには、例えば、作業者装置100の制御装置110によって生成された画面が、周知の光学系により投影されてもよい。この投影された画面は、コンバイナで反射(さらに拡大)されて、面体120を装着した作業者の目へ到達する。これにより、面体120を装着した作業者は、画面を、拡大され前方(例えば、1.5m前方)に浮かび上がる虚像として視認する。これにより、画像(虚像)は面体120を装着した作業者の視界と重なるため、作業者はほとんど視線を動かすことなく、画像(虚像)を視認することができる。なお、虚像を投影する光学系については周知のものを用いることができるため、説明を省略する。なお、ヘッドマウントディスプレイ124は、面体120の透明カバー121の任意の部分に画像を投影することによって、虚像を表示するようにしてもよい。
【0027】
図3に示した画面80は、一例として、撮像画像表示領域81と、メッセージ表示領域82と、ボンベ表示領域83と、装置ステータス表示領域84とを含む。撮像画像表示領域81は、面体120の撮像装置が撮像した映像が表示される領域であり、例えば、赤外線カメラ映像が表示される。メッセージ表示領域82は、面体120を装着した作業者へのメッセージが表示される領域である。本実施の形態では、作業者Xが携帯する制御装置110が緊急通知を送信した場合に、緊急通知の送信が行われたことをこの作業者Xに対して伝えるメッセージがメッセージ表示領域82に表示される。なお、メッセージ表示領域82には、指揮官が指揮者端末200を操作することによって生成されたメッセージ(例えば、「落下物に注意せよ」)などが表示されてもよい。ボンベ表示領域83は、ボンベ内の気体(例えば空気)の残量(圧力)が表示される。装置ステータス表示領域84は、制御装置110などの装置のステータスを表示する領域であり、例えばバッテリ残量及び通信に用いる電波の強度が表示される。なお、図3に示した画面80は、一例に過ぎず、上述した情報以外の情報を表示する領域を含んでもよい。例えば、作業者の活動場所のマップが表示されてもよい。このマップは、予め制御装置110が保持していてもよいし、指揮者端末200から作業者装置100に送信されてもよい。
【0028】
操作スイッチ125は、隊員によって操作される。操作スイッチ125は、例えば、押しボタン式のスイッチである。操作スイッチ125は、作業者装置100を携帯する作業者に緊急事態が発生した場合に、この作業者によって操作される。例えば、この場合、作業者は、操作スイッチ125を長押しする。すなわち、作業者は、所定の時間以上継続して操作スイッチ125を押下し続ける。これにより、後述するように緊急通知の送信が行われる。また、操作スイッチ125は、ヘッドマウントディスプレイ124における表示態様を切り替えるために用いられてもよい。例えば、所定の時間未満の押下が1回行なわれると表示態様の切り換えが行われてもよい。なお、操作スイッチ125に対してどのような操作を行う必要があるかについては、上述した例に限定されない。例えば、所定の時間未満の操作スイッチ125の押下によって、緊急通知の送信が行われてもよい。
【0029】
次に、制御装置110の構成について説明する。図4は、制御装置110の機能構成の一例を示すブロック図である。図4に示すように、制御装置110は、映像取得部111と、映像送信部112と、スイッチ操作判定部113と、動作判定部114と、ボンベ残量判定部115と、通知送信部116と、情報受信部117と、表示制御部118とを有する。
【0030】
映像取得部111は、赤外線カメラ122及び可視カメラ123から、赤外線カメラ映像及び可視カメラ映像を取得する。
【0031】
映像送信部112は、ヘッドマウントディスプレイ124に表示される画面80の映像を指揮者端末200に送信する。なお、映像送信部112は、赤外線カメラ映像及び可視カメラ映像を送信してもよい。また、映像送信部112は、赤外線カメラ映像及び可視カメラ映像のうち、指揮者端末200から指示されたいずれか一方だけを送信してもよい。
【0032】
スイッチ操作判定部113は、操作スイッチ125に対して所定の操作が行われたか否かを判定する。本実施の形態では、スイッチ操作判定部113は、操作スイッチ125に対して第1の所定の操作が行われたか否か、及び、第2の所定の操作が行われたか否かを判定する。ここで、第1の所定の操作とは、作業者装置100を携帯する作業者に緊急事態が発生した場合に行われる操作であり、具体的には例えば操作スイッチ125の長押しである。また、第2の所定の操作とは、ヘッドマウントディスプレイ124の表示を切り替えるための操作であり、具体的には例えば操作スイッチ125を短く1回押下する操作である。
【0033】
動作判定部114は、作業者装置100を携帯する作業者の動作状態が所定の動作状態であるか否かを判定する。ここで、所定の動作状態とは、作業者に異常が発生した際の動作であり、具体的には例えば所定時間以上にわたって継続する静止状態である。動作判定部114は、作業者の動作状態を、作業者の動きを検出するセンサからの出力に基づいて判定する。本実施の形態では、動作判定部114は、加速度センサ130の出力に基づいて判定する。
【0034】
ボンベ残量判定部115は、作業者装置100を携帯する作業者が携帯するボンベ内の気体(例えば空気)の残量が所定の閾値未満になったか否かを判定する。具体的には、ボンベ残量判定部115は、圧力センサ140の出力に基づいて特定されるボンベ内の気体の残量が、所定の閾値未満になったか否かを判定する。
【0035】
通知送信部116は、図1の通知送信部2に対応している。通知送信部116は、所定の条件が満たされた場合に、緊急通知を指揮者端末200へ送信する。本実施の形態では、通知送信部116は、スイッチ操作判定部113、動作判定部114、及びボンベ残量判定部115の判定結果に従って、緊急通知を送信する。すなわち、本実施の形態では、上述した所定の条件の一つは、作業者装置100を携帯する作業者が頭部に装着する防具(具体的には面体120)に設けられた操作スイッチ125に対して第1の所定の操作が行われることである。また、上述した所定の条件の一つは、作業者装置100を携帯する作業者の動作状態が所定の動作状態であることである。また、上述した所定の条件の一つは、作業者装置100を携帯する作業者が携帯するボンベ内の気体の残量が所定の閾値未満となることである。通知送信部116は、これら所定の条件のいずれかが満たされると、緊急通知を送信する。通知送信部116は、具体的には、緊急通知の種別を表す情報と、緊急通知の発信元を識別する情報とを送信する。ここで、緊急通知の種別を表す情報は、いずれの所定の条件が満たされたことによる緊急通知の発信であるかを特定する情報である。つまり、緊急通知の種別を表す情報は、スイッチ操作判定部113、動作判定部114、及びボンベ残量判定部115の判定のうち、いずれの判定によってトリガーされた緊急通知であるかを示す情報である。また、緊急通知の発信元を識別する情報は、いずれの作業者についての緊急事態の発生を通知する緊急通知であるかを特定する情報であり、例えば、作業者の識別情報であってもよいし、作業者装置100の識別情報であってもよい。
【0036】
情報受信部117は、指揮者端末200から送信された情報を受信する。情報受信部117は、他の作業者装置100から送信された情報を受信してもよい。本実施の形態では、情報受信部117は、通知送信部116が送信した緊急通知を受信した指揮者端末200からの応答信号を受信する。この応答信号は、後述するように、作業者についての緊急通知が発せられたことを指揮者端末200により確認した指揮者が指揮者端末200を操作することにより、指揮者端末200から送信される。また、本実施の形態では、情報受信部117は、他の作業者装置100から送信された緊急通知を指揮者端末200から受信する。これは、後述するように、指揮者端末200が、いずれかの作業者装置100から緊急通知を受信すると他の全ての作業者装置100に対して緊急通知を転送するためである。このように、本実施の形態では、情報受信部117は、他の作業者装置100を携帯する作業者についての緊急事態の発生を知らせる緊急通知を受信する。
【0037】
表示制御部118は、ヘッドマウントディスプレイ124に画面80を表示するよう制御する。表示制御部118は、例えば、映像取得部111が取得した映像(例えば、赤外線カメラ映像)を含む画面80をヘッドマウントディスプレイ124に表示するよう制御する。また、上述した通り、表示制御部118は、ボンベ内の気体の残量や、装置のステータスを取得し、これらを表示するよう制御してもよい。
【0038】
表示制御部118は、図1の表示制御部3に対応している。このため、表示制御部118は、さらに、緊急通知に関する情報をヘッドマウントディスプレイ124に表示するよう制御する。通知送信部116が緊急通知を送信した場合、表示制御部118は、この緊急通知に関する情報を表示するよう制御する。具体的には、表示制御部118は、通知送信部116が緊急通知を送信したことを示す情報をヘッドマウントディスプレイ124に表示するよう制御する。例えば、この場合、表示制御部118は、通知送信部116が送信した緊急通知の種別を表す情報を、メッセージ表示領域82に表示するよう制御する。
【0039】
図5は、操作スイッチ125が操作されて緊急通知が送信された場合のヘッドマウントディスプレイ124の表示例である。この例では、メッセージ表示領域82に、緊急通知の種別を表す情報として「緊急」という文字が表示されている。また、図6は、作業者の動作が所定の動作状態であることにより緊急通知が送信された場合のヘッドマウントディスプレイ124の表示例である。この例では、メッセージ表示領域82に、緊急通知の種別を表す情報として「静止警報」という文字が表示されている。また、図7は、ボンベ内の気体の残量が閾値未満となったことにより緊急通知が送信された場合のヘッドマウントディスプレイ124の表示例である。この例では、メッセージ表示領域82に、緊急通知の種別を表す情報として「ボンベ残量」という文字が表示されている。なお、表示制御部118は、メッセージ表示領域82以外の領域にそのような表示を行ってもよい。
【0040】
このように、通知送信部116が緊急通知を送信した場合に、この緊急通知に関する情報を表示することで、作業者は、自分が携帯している作業者装置100から緊急通知の送信が行われたことを視覚的に認識することができる。また、表示制御部118は、情報受信部117が緊急通知の送信先(すなわち、指揮者端末200)から応答信号を受信した場合、通知送信部116が送信した緊急通知に関する情報の表示を終了するよう制御する。これにより、作業者は、緊急通知が指揮者により認識されたことを視覚的に認識することができる。
【0041】
また、情報受信部117が、他の作業者装置100を携帯する作業者についての緊急事態の発生を知らせる緊急通知を受信した場合、表示制御部118は、この緊急通知に関する情報を表示するよう制御する。つまり、表示制御部118は、他の作業者装置100を携帯する作業者についての緊急事態の発生を知らせる緊急通知を示す情報をヘッドマウントディスプレイ124に表示するよう制御する。例えば、この場合、表示制御部118は、受信した緊急通知の種別を表す情報と、緊急通知の発信元を識別する情報を、撮像画像表示領域81に表示する。表示制御部118は、緊急通知に関する情報を撮像画像表示領域81に表示する場合、赤外線カメラ映像又は可視カメラ映像の上に重畳して表示するよう制御する。
【0042】
図8から図10は、他の作業者装置100を携帯する作業者(隊員A)についての緊急事態の発生を知らせる緊急通知のヘッドマウントディスプレイ124における表示例である。図8から図10は、隊員A以外の作業者(隊員)のヘッドマウントディスプレイ124における表示例である。図8は、隊員Aにより操作スイッチ125が操作されて緊急通知が送信された場合のヘッドマウントディスプレイ124の表示例である。この例では、撮像画像表示領域81に、緊急通知の種別を表す情報としての「緊急」という文字、緊急通知の発信元を識別する情報としての「隊員A」という文字が表示されている。また、図9は、隊員Aの動作が所定の動作状態であることにより緊急通知が送信された場合のヘッドマウントディスプレイ124の表示例である。この例では、撮像画像表示領域81に、緊急通知の種別を表す情報としての「静止警報」という文字、緊急通知の発信元を識別する情報としての「隊員A」という文字が表示されている。また、図10は、隊員Aのボンベ内の気体の残量が閾値未満となったことにより緊急通知が送信された場合のヘッドマウントディスプレイ124の表示例である。この例では、撮像画像表示領域81に、緊急通知の種別を表す情報としての「ボンベ残量」という文字、緊急通知の発信元を識別する情報としての「隊員A」という文字が表示されている。なお、表示制御部118は、撮像画像表示領域81以外の領域に、受信した緊急通知に関する情報の表示を行ってもよい。
【0043】
このような表示制御が行われることにより、作業者装置100を携帯する作業者は、他の作業者に緊急事態が発生したことを視覚的に認識することができる。このため、作業者は、状況確認や救助のために、緊急事態が発生している作業者のもとへ迅速に向かうことができる。また、表示制御部118は、操作スイッチ125に対して、表示を切り替えるための所定の操作が行われた場合、情報受信部117が受信した緊急通知に関する情報の表示を終了するよう制御する。すなわち、表示制御部118は、スイッチ操作判定部113により、操作スイッチ125に対する第2の所定の操作が検出された場合、情報受信部117が受信した緊急通知に関する情報の表示を終了するよう制御する。これにより、作業者が緊急通知に関する情報の表示を自由に終了することができる。特に、カメラ映像の上に重畳して緊急通知に関する情報が表示される場合であっても、作業者は、カメラ映像の表示を優先して視認することが可能となる。
【0044】
次に、指揮者端末200について説明する。指揮者端末200は、作業者を指揮する指揮者が操作する端末である。図2に示したように、指揮者端末200は、タッチパネル210と、ディスプレイ220と、制御装置230とを有する。タッチパネル210は、指揮者が操作する入力装置で、ディスプレイ220の表示面を覆った状態で配置されている。ディスプレイ220は、例えば、タッチパネル210付きディスプレイである。タッチパネル付きディスプレイは、タッチスクリーンディスプレイとも呼ばれる。
【0045】
図11は、指揮者端末200の制御装置230の機能構成の一例を示すブロック図である。図11に示すように、制御装置230は、入力受付部231と、情報受信部232と、表示制御部233と、情報送信部234とを有する。
【0046】
入力受付部231は、タッチパネル210を介した入力を受付ける。このため、入力受付部231は、指揮者からの指示を受付けるとも言える。
【0047】
情報受信部232は、作業者装置100から送信された情報を受信する。特に、本実施の形態では、情報受信部232は、作業者装置100から送信された緊急通知を受信する。
【0048】
表示制御部233は、ディスプレイ220に画面90を表示するよう制御する。図12は、表示制御部233の制御により表示される画面90の一例を示す模式図である。図12に示すように、画面90には、例えば、各作業者(隊員A、隊員B、隊員C、及び隊員D)のそれぞれのヘッドマウントディスプレイ124の映像が並べられている。このため、指揮者は各作業者の状態を確認することができる。また、表示制御部233は、情報受信部232が作業者装置100から緊急通知を受信すると、受信した緊急通知をディスプレイ220に表示するよう制御する。具体的には、表示制御部233は、緊急通知を受信したことを示すアイコン91をディスプレイ220に表示するよう制御する。図12に示した例では、隊員Aの作業者装置100からの緊急通知が受信された場合の画面90の例を示しており、隊員Aについての緊急通知が受信されたことを示すアイコン91が表示されている。なお、指揮者が隊員Aについての緊急通知を認識すると、指揮者はタッチパネル210上でアイコン91をタッチする。アイコン91がタッチされると、情報送信部234は、応答信号を隊員Aの作業者装置100に送信する。これにより、上述の通り、隊員Aの作業者装置100のヘッドマウントディスプレイ124において、緊急通知の表示が消えることとなる。なお、表示制御部233は、アイコン91に限らず、緊急通知の種別を表す情報や、緊急通知の発信元を識別する情報を表示するよう制御してもよい。
【0049】
情報送信部234は、作業者装置100に情報を送信する。本実施の形態では、特に、情報送信部234は、上述した応答信号を緊急通知の送信元の作業者装置100に送信する。また、情報送信部234は、情報受信部232が受信した緊急通知を当該緊急通知の送信元の作業者装置100以外の作業者装置100に転送する。本実施の形態では、情報送信部234は、緊急通知の送信元の作業者装置100以外の全ての作業者装置100に転送する。なお、このような処理を行う情報送信部234は、転送部と称されてもよい。また、情報送信部234は、入力受付部231が受付けた入力に応じた情報(例えば、指揮者から作業者へのメッセージ)を送信してもよい。
【0050】
次に、作業者装置100の制御装置110のハードウェア構成について説明する。図13は、制御装置110のハードウェア構成の一例を示す模式図である。図13に示すように、制御装置110は、ネットワークインタフェース151、メモリ152、及びプロセッサ153を含む。
【0051】
ネットワークインタフェース151は、指揮者端末200及び他の作業者装置100などの任意の装置と通信するために使用される。ネットワークインタフェース151は、例えば、ネットワークインタフェースカード(NIC)を含んでもよい。
【0052】
メモリ152は、例えば、揮発性メモリ及び不揮発性メモリの組み合わせによって構成される。メモリ152は、プロセッサ153により実行されるプログラム、及び作業者装置100の各種処理に用いるデータなどを格納するために使用される。
【0053】
プロセッサ153は、メモリ152からプログラムを読み出して実行することで、図4に示した各構成要素の処理を行う。プロセッサ153は、例えば、マイクロプロセッサ、MPU(Micro Processor Unit)、又はCPU(Central Processing Unit)などであってもよい。プロセッサ153は、複数のプロセッサを含んでもよい。
【0054】
このように、作業者装置100は、コンピュータとしての機能を備えている。なお、図示を省略するが、指揮者端末200の制御装置230も同様に、図13のような構成を有している。すなわち、指揮者端末200も、プロセッサ及びメモリを備え、コンピュータとしての機能を備えていている。したがって、指揮者端末200の制御装置230の図11に示した各構成要素の処理は、プロセッサによるプログラムの実行により実現される。
【0055】
プログラムは、コンピュータに読み込まれた場合に、実施形態で説明された1又はそれ以上の機能をコンピュータに行わせるための命令群(又はソフトウェアコード)を含む。プログラムは、非一時的なコンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体に格納されてもよい。限定ではなく例として、コンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体は、random-access memory(RAM)、read-only memory(ROM)、フラッシュメモリ、solid-state drive(SSD)又はその他のメモリ技術、CD-ROM、digital versatile disc(DVD)、Blu-ray(登録商標)ディスク又はその他の光ディスクストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージ又はその他の磁気ストレージデバイスを含む。プログラムは、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体上で送信されてもよい。限定ではなく例として、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体は、電気的、光学的、音響的、またはその他の形式の伝搬信号を含む。
【0056】
次に、作業者装置100における緊急通知の送信及び表示についての動作を説明する。図14は、作業者装置100の動作の流れの一例を示すフローチャートである。以下、図14に沿って、作業者装置100の動作例について説明する。なお、図14に示したフローチャートの各ステップの処理の順序等は、技術的に矛盾を生じない限り、適宜変更可能である。
【0057】
ステップS100において、スイッチ操作判定部113が、操作スイッチ125に対して、所定の操作、すなわち作業者装置100を携帯する作業者に緊急事態が発生した場合に行われる操作が行われたか否かを判定する。そのような操作が行われていない場合、処理はステップS101へ移行する。これに対し、そのような操作が行われた場合には、処理はステップS103へ移行する。
【0058】
ステップS101において、動作判定部114が、作業者装置100を携帯する作業者の動作状態が所定の動作状態であるか否かを判定する。すなわち、動作判定部114は、作業者の動作状態が静止状態であるか否かを判定する。作業者の動作状態が所定の動作状態ではない場合、処理はステップS102へ移行する。これに対し、作業者の動作状態が所定の動作状態である場合には、処理はステップS103へ移行する。
【0059】
ステップS102において、ボンベ残量判定部115が、作業者装置100を携帯する作業者が携帯するボンベ内の気体(例えば空気)の残量が所定の閾値未満になったか否かを判定する。残量が所定の閾値以上である場合、処理はステップS107へ移行する。これに対し、残量が所定の閾値未満である場合には、処理はステップS103へ移行する。
【0060】
ステップS103では、通知送信部116が、作業者装置100を携帯する作業者についての緊急事態の発生を知らせるための緊急通知を指揮者端末200へ送信する。ステップS103の後、処理はステップS104へ移行する。
【0061】
ステップS104において、表示制御部118は、ステップS103で送信した緊急通知に関する情報をヘッドマウントディスプレイ124に表示するように制御する。これにより、図5図6、又は図7に示したような情報がヘッドマウントディスプレイ124に表示される。ステップS104の後、処理はステップS105へ移行する。
【0062】
ステップS105において、表示制御部118は、情報受信部117が、指揮者端末200からの応答信号を受信したか否かを判定する。指揮者端末200からの応答信号が受信されるまで本ステップが繰り返され、指揮者端末200からの応答信号が受信されると、すなわち、ステップS103で送信された緊急通知について指揮者が認識すると、処理はステップS106へ移行する。
【0063】
ステップS106において、表示制御部118は、ステップS104で表示された緊急通知に関する情報の表示を終了するよう制御する。そして、処理は、ステップS100へ戻る。
【0064】
一方、ステップS107では、表示制御部118は、情報受信部117が、他の作業者装置100の緊急通知を受信したか否かを判定する。他の作業者装置100の緊急通知が受信された場合、処理はステップS108へ移行し、受信されていない場合、処理はステップS100へ戻る。
【0065】
ステップS108において、表示制御部118は、ステップS107で受信した緊急通知に関する情報をヘッドマウントディスプレイ124に表示するように制御する。これにより、図8図9、又は図10に示したような情報がヘッドマウントディスプレイ124に表示される。ステップS108の後、処理はステップS109へ移行する。
【0066】
ステップS109において、スイッチ操作判定部113が、操作スイッチ125に対して、ヘッドマウントディスプレイ124の表示を切り替えるための操作が行われたか否かを判定する。そのような操作が行われるまで本ステップが繰り返され、そのような操作が行なわれると、処理はステップS110へ移行する。
【0067】
ステップS110において、表示制御部118は、ステップS108で表示された緊急通知に関する情報の表示を終了するよう制御する。そして、処理は、ステップS100へ戻る。
【0068】
以上、実施の形態1について説明した。実施の形態1によれば、上述のように、ヘッドマウントディスプレイ124を用いて視覚的に情報伝達が行われる。このため、作業者についての緊急事態が発生した場合に、作業者が緊急通知の発出の状態を的確に認識することができる。なお、上述した説明では、通知送信部116は、緊急通知を指揮者端末200に送信したが、他の作業者装置100にも送信してもよい。すなわち、作業者装置100から送信された緊急通知が他の作業者装置100へ直接伝送されてもよい。この場合、指揮者端末200における緊急通知の転送処理は省略されてもよい。また、上述した説明では、緊急通知が、他の作業者装置100にも通知されたが、指揮者端末200だけに通知が行われてもよい。すなわち、指揮者端末200は、緊急通知を当該緊急通知の送信元の作業者装置100以外の作業者装置100に転送しなくてもよい。
【0069】
<実施の形態2>
次に、実施の形態2について説明する。本実施の形態は、他の作業者装置100を携帯する作業者についての緊急事態の発生を知らせる緊急通知を受信した場合、表示制御部118が次のような制御を行う点で、実施の形態1と異なっている。すなわち、本実施の形態では、表示制御部118は、他の作業者装置100を携帯する作業者についての緊急事態の発生を知らせる緊急通知を受信した場合、この作業者が携帯するカメラが撮影した映像をヘッドマウントディスプレイ124に表示するよう制御する。すなわち、表示制御部118は、緊急事態が発生した作業者の赤外線カメラ映像又は可視カメラ映像をヘッドマウントディスプレイ124に表示するよう制御する。なお、この場合において、表示制御部118は、実施の形態1と同様に、受信した緊急通知の種別を表す情報と、緊急通知の発信元を識別する情報も表示するよう制御してもよい。
【0070】
本実施の形態では、上述した表示を可能にするために、指揮者端末200の情報送信部234は、各作業者装置100に緊急通知を転送する際、緊急通知の送信元から取得した赤外線カメラ映像又は可視カメラ映像も、各作業者装置100に送信する。なお、作業者装置100から送信された緊急通知が他の作業者装置100へ直接伝送される場合には、緊急通知の送信元の作業者装置100から他の作業者装置100に赤外線カメラ映像又は可視カメラ映像も直接伝送されてもよい。
【0071】
図15から図17は、実施の形態2において、他の作業者装置100を携帯する作業者(隊員A)についての緊急事態の発生を知らせる緊急通知のヘッドマウントディスプレイ124における表示例である。図15から図17は、隊員A以外の作業者(隊員)のヘッドマウントディスプレイ124における表示例である。図15は、隊員Aにより操作スイッチ125が操作されて緊急通知が送信された場合のヘッドマウントディスプレイ124の表示例である。また、図16は、隊員Aの動作が所定の動作状態であることにより緊急通知が送信された場合のヘッドマウントディスプレイ124の表示例である。また、図17は、隊員Aのボンベ内の気体の残量が閾値未満となったことにより緊急通知が送信された場合のヘッドマウントディスプレイ124の表示例である。図15から図17に示すように、本実施の形態にかかる表示制御部118は、例えば、隊員Aのカメラ映像85を撮像画像表示領域81に表示する。なお、図15から図17に示した例では、表示制御部118は、他の作業者の緊急通知を受信した作業者の赤外線カメラ映像又は可視カメラ映像の上に重畳して、隊員Aのカメラ映像85を表示するよう制御している。なお、表示制御部118は、撮像画像表示領域81以外の領域に、隊員Aのカメラ映像85の表示を行ってもよい。
【0072】
このような表示制御が行われることにより、作業者装置100を携帯する作業者は、他の作業者に緊急事態が発生した場合に、緊急事態が発生した作業者のカメラが撮影している映像を確認できる。このため、映像を見た作業者は、緊急事態が発生した作業者の居場所や、この作業者がどのような状況か(例えば、倒れているのか、活動しているか等)を確認できる。このため、緊急事態が発生した作業者を救助するのにかかる時間の短縮が期待できる。
【0073】
なお、本実施の形態においても、表示制御部118は、操作スイッチ125に対して、表示を切り替えるための所定の操作が行われた場合、情報受信部117が受信した緊急通知に関する情報の表示を終了するよう制御する。すなわち、表示制御部118は、スイッチ操作判定部113により、操作スイッチ125に対する第2の所定の操作が検出された場合、情報受信部117が受信した緊急通知に関する情報の表示を終了するよう制御する。なお、この場合、表示制御部118は、カメラ映像の表示だけを終了してもよいし、文字情報の表示だけを終了してもよいし、それら両方の表示を終了してもよい。
【0074】
<実施の形態3>
次に、実施の形態3について説明する。本実施の形態は、緊急通知が、この緊急通知の送信元以外の作業者装置100のうち、送信元の近くの作業者装置100にだけに送信される点で、実施の形態1と異なっている。以下、実施の形態1と同様の構成及び処理については適宜説明を省略し、実施の形態1と異なる点について具体的に説明する。
【0075】
実施の形態3にかかる構成は、作業者装置100の制御装置110が制御装置110aに置き換わり、指揮者端末200の制御装置230が制御装置230aに置き換わった点で、実施の形態1と異なっている。
【0076】
図18は、制御装置110aの機能構成の一例を示すブロック図である。また、図19は、制御装置230aの機能構成の一例を示すブロック図である。図18に示すように、制御装置110aは、位置管理部119をさらに有する点で、図4に示した制御装置110と異なっている。同様に、制御装置230aは、位置管理部235をさらに有する点で、図11に示した制御装置230と異なっている。なお、制御装置110aの各構成要素の処理も、例えば、プロセッサ153が、メモリ152からプログラムを読み出して実行することで実現される。同様に、制御装置230aの各構成要素の処理も、例えば、プロセッサが、メモリからプログラムを読み出して実行することで実現される。
【0077】
制御装置110aの位置管理部119及び制御装置230aの位置管理部235は、各作業者の位置情報(各作業者が携帯する作業者装置100の位置情報)を管理する。位置管理部119及び位置管理部235は、任意の方法により取得された各作業者の位置情報をまとめて管理する。例えば、この位置情報は、GPS(Global Positioning System)などのGNSS(Global Navigation Satellite System)を用いて取得された位置情報であってもよいし、ビーコン測位、Wi-Fi測位、又はUWB(Ultra Wide Band)測位などの任意の屋内位置測位技術を用いて取得された位置情報であってもよい。
【0078】
本実施の形態では、制御装置230a(指揮者端末200)の情報送信部234は、情報受信部232が受信した緊急通知を当該緊急通知の送信元の作業者装置100以外の作業者装置100に転送する際の処理が、実施の形態1と異なっている。本実施の形態では、情報送信部234は、送信元の作業者装置100の近くに存在する作業者装置100だけに緊急通知を転送する。すなわち、情報送信部234は、緊急通知の送信元の作業者装置100を携帯する作業者から所定の範囲内に存在する作業者が携帯する作業者装置100に当該緊急通知を転送する。換言すると、情報送信部234は、緊急通知の送信地点(送信元の作業者装置100の位置)から所定の範囲内の作業者装置100にこの緊急通知を転送する。このために、情報送信部234は、緊急通知の転送を行う際、位置管理部235が管理する各作業者のそれぞれの位置を参照し、転送先の作業者装置100を特定する。このようにすることにより、作業者についての緊急事態の発生を、当該作業者に近い作業者だけに通知することが可能となる。すなわち、緊急事態が発生した作業者の元へ効率的に駆けつけることができる作業者だけに通知を行うことが可能となる。このため、緊急事態が発生した作業者から遠い場所にいる作業者は、本来の作業に専念することができる。
【0079】
他の作業者についての緊急通知を指揮者端末200から受信した作業者装置100では、実施の形態1と同様、表示制御部118が、この緊急通知に関する情報をヘッドマウントディスプレイ124に表示するよう制御する。なお、表示制御部118は、位置管理部119が管理する各作業者の位置情報に基づいて、各作業者の位置を示すマップをヘッドマウントディスプレイ124に表示してもよい。この場合、表示制御部118は、緊急事態が発生した作業者の位置を識別可能にするために、当該作業者の位置の表示を他の作業者の位置の表示と異なるようにしてもよい。例えば、表示制御部118は、緊急事態が発生した作業者の位置を示すマップ上の点の色を、緊急事態が発生していない作業者の位置を示す点の色と異ならせてもよい。また、例えば、表示制御部118は、緊急事態が発生した作業者の位置を示すマップ上の点の形状を、緊急事態が発生していない作業者の位置を示す点の形状と異ならせてもよい。また、例えば、表示制御部118は、緊急事態が発生した作業者の位置を示すマップ上の点の大きさを、緊急事態が発生していない作業者の位置を示す点の大きさと異ならせてもよい。なお、表示制御部118は、点の形状、色、大きさのいずれかだけを異ならせてもよいし、これらのうち二以上について異ならせてもよい。なお、これらは例に過ぎず、緊急事態が発生した作業者の位置を緊急事態が発生していない作業者の位置と区別する任意の表示が行われてもよい。このようにすることにより、緊急事態が発生した作業者の位置を容易に認識することが可能となる。また、表示制御部118の制御により表示が行われるヘッドマウントディスプレイ124を携帯する作業者の位置と、それ以外の他の作業者の位置とを区別する任意の表示が行われてもよい。これにより、作業者は、自分の位置と他の作業者の位置とを区別して認識することができる。
【0080】
図20から図22は、実施の形態3において、他の作業者装置100を携帯する作業者(隊員A)についての緊急事態の発生を知らせる緊急通知のヘッドマウントディスプレイ124における表示例である。隊員Aの緊急通知は、例えば、隊員Aの近くにいる隊員Bと隊員Cに送信される。図20から図22は、隊員A以外の作業者(隊員C)のヘッドマウントディスプレイ124における表示例である。図20は、隊員Aにより操作スイッチ125が操作されて緊急通知が送信された場合の隊員Cのヘッドマウントディスプレイ124の表示例である。また、図21は、隊員Aの動作が所定の動作状態であることにより緊急通知が送信された場合の隊員Cのヘッドマウントディスプレイ124の表示例である。また、図22は、隊員Aのボンベ内の気体の残量が閾値未満となったことにより緊急通知が送信された場合の隊員Cのヘッドマウントディスプレイ124の表示例である。図20から図22に示した例では、隊員Cが携帯する作業者装置100の表示制御部118は、隊員Cの位置を第1の特徴(例えば、色、形状、又は、大きさ)を有する点でマップ86上に示している。そして、表示制御部118は、隊員Aの位置を第2の特徴を有する点でマップ86上に示し、隊員C及び隊員A以外の作業者の位置を第3の特徴を有する点でマップ86上に示している。なお、図20から図22に示した例では、マップ86は、撮像画像表示領域81に表示される。つまり、図20から図22に示した例では、表示制御部118は、隊員Cの赤外線カメラ映像又は可視カメラ映像の上に重畳して、マップ86を表示するよう制御している。なお、表示制御部118は、撮像画像表示領域81以外の領域にマップ86の表示を行ってもよい。
【0081】
以上、実施の形態3について説明した。本実施の形態によれば、上述の通り、作業者についての緊急事態の発生を、当該作業者に近い作業者だけに通知することが可能となる。したがって、緊急事態が発生した作業者の元へ効率的に駆けつけることができる作業者だけに通知を行うことが可能となる。なお、本実施の形態では、表示制御部118が各作業者の位置情報を表示するよう制御するものとして説明したが、表示制御部118が、各作業者の位置情報を表示するよう制御しない場合には、位置管理部119が省略されてもよい。また、本実施の形態では、作業者装置100から送信された緊急通知が指揮者端末200によって各作業者装置100に転送されたが、作業者装置100から送信された緊急通知が他の作業者装置100へ直接伝送されてもよい。この場合、作業者装置100の通知送信部116は、所定の範囲内に存在する作業者が携帯する他の作業者装置100に対して緊急通知を送信する。換言すると、作業者装置100の通知送信部116は、緊急通知の送信地点(送信元の作業者装置100の位置)から所定の範囲内の作業者装置100にこの緊急通知を送信する。また、本実施の形態と実施の形態2とが組み合わされてもよい。すなわち、本実施の形態において、実施の形態2と同様に、緊急事態が発生した作業者のカメラの映像が、ヘッドマウントディスプレイ124に表示されてもよい。
【0082】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、上記実施の形態では、操作スイッチ125の操作、作業者の動作状態、及びボンベ内の気体の残量が緊急通知の送信のトリガーとして用いられたが、これらのうちいずれかのみが緊急通知の送信のトリガーとして用いられてもよい。この場合、作業者装置100は、操作スイッチ125、加速度センサ130、及び圧力センサ140の全てを備えていなくてもよい。同様に、作業者装置100の制御装置110(制御装置110a)は、スイッチ操作判定部113、動作判定部114、及びボンベ残量判定部115の全てを備えていなくてもよい。
また、上述した実施の形態では、制御装置110(制御装置110a)は、面体120とは別の装置として説明されたが、制御装置110(制御装置110a)は面体120に含まれていてもよい。このように、面体120が制御装置110又は制御装置110aの機能を備えていてもよい。
【0083】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
(付記1)
所定の条件が満たされた場合に、作業者についての緊急事態の発生を知らせる通知である緊急通知を送信する通知送信部と、
緊急通知に関する情報をヘッドマウントディスプレイに表示するよう制御する表示制御部と
を有する情報処理装置。
(付記2)
前記表示制御部は、前記通知送信部が緊急通知を送信したことを示す情報を前記ヘッドマウントディスプレイに表示するよう制御する
付記1に記載の情報処理装置。
(付記3)
前記表示制御部は、前記通知送信部が送信した緊急通知の送信先からの応答信号に基づいて、前記通知送信部が緊急通知を送信したことを示す情報の表示を終了するよう制御する
付記2に記載の情報処理装置。
(付記4)
他の前記情報処理装置を携帯する作業者についての緊急事態の発生を知らせる緊急通知を受信する受信部をさらに有し、
前記表示制御部は、他の前記情報処理装置を携帯する作業者についての緊急事態の発生を知らせる緊急通知を示す情報を前記ヘッドマウントディスプレイに表示するよう制御する
付記1乃至3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
(付記5)
前記表示制御部は、さらに、他の前記情報処理装置を携帯する作業者が携帯するカメラが撮影した映像を前記ヘッドマウントディスプレイに表示するよう制御する
付記4に記載の情報処理装置。
(付記6)
前記表示制御部は、さらに、緊急事態が発生した作業者の位置を表示するよう制御する
付記4又は5に記載の情報処理装置。
(付記7)
前記表示制御部は、緊急事態が発生した作業者の位置を緊急事態が発生していない作業者の位置と区別して表示するよう制御する
付記6に記載の情報処理装置。
(付記8)
前記通知送信部は、所定の範囲内に存在する作業者が携帯する他の前記情報処理装置に対して緊急通知を送信する
付記1乃至7のいずれか一項に記載の情報処理装置。
(付記9)
前記所定の条件は、前記情報処理装置を携帯する作業者が頭部に装着する防具に設けられたスイッチに対して所定の操作が行われることである
付記1乃至8のいずれか一項に記載の情報処理装置。
(付記10)
前記所定の条件は、前記情報処理装置を携帯する作業者の動作状態が所定の動作状態であることである
付記1乃至9のいずれか一項に記載の情報処理装置。
(付記11)
前記所定の条件は、前記情報処理装置を携帯する作業者が携帯するボンベ内の気体の残量が所定の閾値未満となることである
付記1乃至10のいずれか一項に記載の情報処理装置。
(付記12)
作業者が携帯する情報処理装置と、
前記作業者を指揮する指揮者が操作する指揮者端末と
を備え、
前記情報処理装置は、
所定の条件が満たされた場合に、作業者についての緊急事態の発生を知らせる通知である緊急通知を少なくとも前記指揮者端末へ送信する通知送信部と、
緊急通知に関する情報をヘッドマウントディスプレイに表示するよう制御する第一の表示制御部と、を有し、
前記指揮者端末は、
前記情報処理装置から送信された緊急通知を受信する受信部と、
前記受信部が受信した緊急通知をディスプレイに表示するよう制御する第二の表示制御部と、を有する
通知システム。
(付記13)
前記指揮者端末は、前記受信部が受信した緊急通知を当該緊急通知の送信元の前記情報処理装置以外の前記情報処理装置に転送する転送部をさらに有する
付記12に記載の通知システム。
(付記14)
前記転送部は、緊急通知の送信元の前記情報処理装置を携帯する作業者から所定の範囲内に存在する作業者が携帯する前記情報処理装置に転送する
付記13に記載の通知システム。
(付記15)
ヘッドマウントディスプレイと、
所定の条件が満たされた場合に、作業者についての緊急事態の発生を知らせる通知である緊急通知を送信する通知送信部と、
緊急通知に関する情報を前記ヘッドマウントディスプレイに表示するよう制御する表示制御部と
を有する面体。
(付記16)
所定の条件が満たされた場合に、作業者についての緊急事態の発生を知らせる通知である緊急通知を送信し、
緊急通知に関する情報をヘッドマウントディスプレイに表示するよう制御する
緊急通知の処理方法。
(付記17)
所定の条件が満たされた場合に、作業者についての緊急事態の発生を知らせる通知である緊急通知を送信する通知送信ステップと、
緊急通知に関する情報をヘッドマウントディスプレイに表示するよう制御する表示制御ステップと
をコンピュータに実行させるプログラム。
【符号の説明】
【0084】
1 情報処理装置
2 通知送信部
3 表示制御部
10 通知システム
80 画面
81 撮像画像表示領域
82 メッセージ表示領域
83 ボンベ表示領域
84 装置ステータス表示領域
85 カメラ映像
86 マップ
90 画面
91 アイコン
100 作業者装置
110 制御装置
110a 制御装置
111 映像取得部
112 映像送信部
113 スイッチ操作判定部
114 動作判定部
115 ボンベ残量判定部
116 通知送信部
117 情報受信部
118 表示制御部
119 位置管理部
120 面体
121 透明カバー
122 赤外線カメラ
123 可視カメラ
124 ヘッドマウントディスプレイ
125 操作スイッチ
130 加速度センサ
140 圧力センサ
151 ネットワークインタフェース
152 メモリ
153 プロセッサ
200 指揮者端末
210 タッチパネル
220 ディスプレイ
230 制御装置
230a 制御装置
231 入力受付部
232 情報受信部
233 表示制御部
234 情報送信部
235 位置管理部
図1
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