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特開2022-178804通信装置、通信システム、通信方法、および通信用プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022178804
(43)【公開日】2022-12-02
(54)【発明の名称】通信装置、通信システム、通信方法、および通信用プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/32 20120101AFI20221125BHJP
   H04W 16/18 20090101ALI20221125BHJP
   G06Q 50/16 20120101ALI20221125BHJP
【FI】
G06Q50/32
H04W16/18
G06Q50/16 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021085864
(22)【出願日】2021-05-21
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【弁理士】
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 大雅
【テーマコード(参考)】
5K067
5L049
【Fターム(参考)】
5K067AA22
5K067EE10
5K067FF03
5K067HH22
5L049CC28
5L049CC46
(57)【要約】
【課題】
基地局の設置場所の候補となる物件に関する情報をより適切に提供できる通信装置、通信システム、通信方法、および通信用プログラムを提供する。
【解決手段】
受信部は、物件に関する物件情報および基地局に関する基地局情報を受信する。選択部は、物件情報と、基地局情報とに基づいて、基地局の設置場所の候補となる候補物件を選択する。送信部は、選択された候補物件に関する候補物件情報を送信する。
【選択図】 図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物件に関する物件情報および基地局に関する基地局情報を受信する受信手段と、
前記物件情報と、前記基地局情報とに基づいて、基地局の設置場所の候補となる候補物件を選択する選択手段と、
前記選択手段により選択された前記候補物件に関する候補物件情報を送信する送信手段と
を備える通信装置。
【請求項2】
前記物件情報には、前記物件の位置に関する情報と、前記物件の高さに関する情報と、前記物件における前記基地局の設置のために利用可能な面積に関する情報とが含まれ、
前記基地局情報には、基地局の設置場所に関する情報と、当該基地局の設置のために要求される基地局の高さに関する情報と、当該基地局の設置に要する面積に関する情報とが含まれ、
前記選択手段は、前記物件の位置が前記基地局の設置場所の条件を満たし、前記物件の高さが前記基地局の設置に要求される前記基地局の高さの条件を満たし、かつ前記利用可能な面積が前記基地局の設置に要する面積の条件を満たす物件を、前記候補物件として選択する
請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記選択手段は、前記候補物件に前記基地局が設置された場合の電波干渉量を算出し、
前記送信手段は、前記電波干渉量に基づいて、前記候補物件情報を送信する
請求項1または2に記載の通信装置。
【請求項4】
前記電波干渉量は、前記基地局の設置場所の候補となる物件に前記基地局が設置された場合の当該基地局の信号による地球局の信号に対する干渉量である
請求項3に記載の通信装置。
【請求項5】
前記受信手段は、前記候補物件において基地局の設置が可能であるか否かを示す情報を受信し、
前記基地局の設置が可能であるか否かを示す情報が前記基地局の設置が可能であることを示している場合に、前記送信手段は、前記候補物件の契約に関する情報を送信する
請求項1から4のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項6】
前記契約に関する情報は、前記候補物件に関する契約が成立したことを示す情報を含む
請求項5に記載の通信装置。
【請求項7】
前記受信手段は、前記契約に関する情報を修正するための情報を受信し、
前記送信手段は、前記契約に関する情報を修正するための情報を送信する
請求項5または6に記載の通信装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1項に記載の通信装置と、
前記物件情報を送信する一の通信装置と、
前記基地局情報を送信する他の通信装置と
を備える通信システム。
【請求項9】
物件に関する物件情報および基地局に関する基地局情報を受信し、
前記物件情報と、前記基地局情報とに基づいて、基地局の設置場所の候補となる候補物件を選択し、
前記候補物件に関する候補物件情報を送信する
通信方法。
【請求項10】
コンピュータに、
物件に関する物件情報および基地局に関する基地局情報を受信する処理と、
前記物件情報と、前記基地局情報とに基づいて、基地局の設置場所の候補となる候補物件を選択する処理と、
前記候補物件に関する候補物件情報を送信する処理と
を実行させるための通信用プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
電気通信事業者が携帯電話通信網や、移動通信システムにおける無線基地局を設置する場合には、電気通信事業者は、無線基地局を設置する場所や物件を選択する必要がある。
【0003】
特許文献1には、無線基地局の設置場所の候補のみならず、必要なアンテナ高や設置工事に必要な情報を提示して効率的に置局業務が可能な置局場所候補選定システムが記載されている。ここで、置局業務とは、携帯電話システム等の通信システムにおける無線基地局を設置する業務である。
【0004】
また、特許文献2には、基地局設置場所探索システムが記載されている。特許文献2に記載の基地局設置場所探索システムは、ビルの高さや位置等の条件と、ビル所有者の名称と、その連絡アドレス等の項目から構成されたビル情報データを多数登録する。また、特許文献2に記載の基地局設置場所探索システムは、ビル情報データを多数登録する。特許文献2に記載の基地局設置場所探索システムは、通信事業者が無線通信網の基地局を設置したい場所の高さや位置等の条件と、通信事業者の名称と、その連絡アドレス等の項目から構成された基地局情報データを多数登録する。特許文献2に記載の基地局設置場所探索システムでは、データベースを基地局設置場所の条件に基づいて検索することにより、基地局設置場所の条件に合うビルを検索することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2019-198051号公報
【特許文献2】特開2002-141855号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載されている置局場所候補選定システムは、置局場所を選定するにあたり、無線基地局を設置する場所となる土地、ビル等の物件の情報を考慮していない。すなわち、当該置局場所候補選定システムを用いて選定した置局場所では無線基地局を設置できないおそれがある。
【0007】
また、特許文献2に記載されている基地局設置場所探索システムは、基地局設置場所の条件に合うビルを検索できるとしている。しかしながら、当該基地局設置場所探索システムは、当該検索の結果、どのような情報を提供するのかについては何ら述べていない。
【0008】
本発明は、上記課題に鑑み、基地局の設置場所の候補となる物件に関する情報をより適切に提供できる通信装置、通信システム、通信方法、および通信用プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の通信装置は、物件に関する物件情報および基地局に関する基地局情報を受信する受信手段と、物件情報と、基地局情報とに基づいて、基地局の設置場所の候補となる候補物件を選択する選択手段と、選択手段により選択された候補物件に関する候補物件情報を送信する送信手段とを備える。
【0010】
本発明の通信システムは、いずれかの態様の通信装置と、物件情報を送信する一の通信装置と、基地局情報を送信する他の通信装置とを備える。
【0011】
本発明の通信方法は、物件に関する物件情報および基地局に関する基地局情報を受信し、物件情報と、基地局情報とに基づいて、基地局の設置場所の候補となる候補物件を選択し、候補物件に関する候補物件情報を送信する。
【0012】
本発明の通信用プログラムは、コンピュータに、物件に関する物件情報および基地局に関する基地局情報を受信する処理と、物件情報と、基地局情報とに基づいて、基地局の設置場所の候補となる候補物件を選択する処理と、候補物件に関する候補物件情報を送信する処理とを実行させる。
【発明の効果】
【0013】
基地局の設置場所の候補となる物件に関する情報をより適切に提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】第1の実施形態における通信システムの構成例を示す図である。
図2】第1の実施形態におけるマッチング装置の構成例を示すブロック図である。
図3】第1の実施形態における記憶部に格納されている物件に関する情報の一例を示す図である。
図4】第1の実施形態における記憶部に格納されている基地局に関する情報の一例を示す図である。
図5】第1の実施形態における通信装置の構成例を示すブロック図である。
図6】第1の実施形態における通信装置の構成例を示すブロック図である。
図7】第1の実施形態における通信システムが実行する処理を示すシーケンスチャートである。
図8】第1の実施形態におけるマッチング装置が実行する処理を示すフローチャートである。
図9】第2の実施形態における通信装置の構成例を示す図である。
図10】第2の実施形態における通信装置が実行する処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
<第1の実施形態>
第1の実施形態について、図面を参照して説明する。図1は、第1の実施形態の通信システム1の構成例を示すブロック図である。通信システム1は、マッチング装置100と、通信装置200と、通信装置300とを含む。
【0016】
例えば、マッチング装置100は、通信装置200と通信可能である。また、例えば、マッチング装置100は、通信装置300と通信可能である。また、例えば、通信装置200および通信装置300は、マッチング装置100を介して互いに通信可能である。
【0017】
具体的には、マッチング装置100と、通信装置200とは、互いに通信するために接続可能であり、例えば、通信網400を介して互いの間で通信する。また、具体的には、マッチング装置100と、通信装置300とは、互いに通信するために接続可能であり、例えば、通信網400を介して互いの間で通信する。また、具体的には、通信装置200と、通信装置300とは、互いに通信するために接続可能であり、例えば、マッチング装置100および通信網400を介して互いの間で通信する。通信網400は、例えば、無線通信網、有線通信網、インターネット等を含む。
【0018】
通信装置200および通信装置300は、例えば、スマートフォンや携帯電話機、パーソナルコンピュータ等の通信装置である。通信装置200は、例えば、後述する物件の所有者が所有するスマートフォンや携帯電話機、パーソナルコンピュータ等の通信装置である。また、通信装置300は、例えば、後述する電気通信事業者が所有するスマートフォンや携帯電話機、パーソナルコンピュータ等の通信装置である。物件とは、例えば、基地局が設置され得る土地、建物、ビル等を含む。電気通信事業者とは、例えば、基地局の設置を計画または希望している事業者である。なお、電気通信事業者は、通信事業者、通信キャリア等と称され得る。また、基地局は、無線基地局、通信局等と称され得る。また、基地局は、eNB(eNode B)やgNB(gNode B)等を含む。なお、基地局は、建物およびビルの屋上や物件の敷地内等に設置され得る。
【0019】
図2は、マッチング装置100の構成例を示すブロック図である。図2に示すように、マッチング装置100は、記憶部110と、通信部120と、マッチング判定部130と、物件精査部140とを含む。
【0020】
記憶部110には、物件に関する情報が格納される。物件に関する情報は、物件に関する物件情報や物件情報等と称されてもよい。
【0021】
例えば、記憶部110には、物件に関する情報として、物件の位置を示す位置情報、物件の高さを示す情報、物件のタイプを示す情報、物件の画像情報、物件に関する平面図および立面図に関する情報、基地局設置情報、物件の所有者が希望する物件賃料情報、および物件の所有者の連絡先に関する情報等が、格納される。
【0022】
基地局設置情報は、物件内の基地局の設置に関する情報と称されてもよい。物件の所有者が希望する物件賃料情報は、物件の賃料に関する情報と称されてもよい。当該物件の賃料は、物件の所有者が希望する物件の賃料である。
【0023】
物件の位置を示す位置情報は、例えば、物件の所在地や物件の緯度および経度の情報等である。物件の高さを示す情報は、例えば、物件が建物やビルである場合には、当該建物やビルの高さを示す情報等であり、物件が土地である場合には、当該土地の標高を示す情報等である。物件のタイプを示す情報は、例えば、物件が土地、建物、ビルのいずれであるかを示す情報等である。物件の画像情報は、例えば、物件を撮像した静止画データや動画データ、物件を含む当該物件の周囲を撮像した静止画データや動画データ等である。
【0024】
基地局設置情報は、例えば、基地局の設置に使用できる物件内の面積を示す情報や物件に関する平面図上の基地局の設置可能位置または設置可能範囲を示す情報等である。基地局の設置に使用できる物件内の面積を示す情報は、利用可能な面積に関する情報と称されてもよい。
【0025】
物件の所有者が希望する物件賃料情報は、例えば、物件の所有者が希望する物件の賃料の範囲に関する情報や物件の所有者が希望する物件の賃料の下限値および上限値等を示す情報である。
【0026】
物件の所有者の連絡先に関する情報は、例えば、物件の所有者の電話番号やメールアドレス等を示す情報である。また、物件の位置を示す位置情報は、物件の位置に関する情報と称されてもよい。
【0027】
また、物件の高さを示す情報は、物件の高さに関する情報と称されてもよい。また、基地局設置情報は、物件における基地局の設置のために利用可能な面積に関する情報と称されてもよい。
【0028】
例えば、記憶部110には、1つの物件の識別子と、上記物件に関する情報とが対応付けられて格納される。図3には、記憶部110に格納されている物件に関する情報の一例が示されている。
【0029】
例えば、物件の所有者は、通信装置200を用いて、マッチング装置100に物件に関する情報を送信し、当該物件に関する情報を受信したマッチング装置100は、当該物件に関する情報を記憶部110に格納するように構成されていてもよい。
【0030】
また、記憶部110には、基地局に関する情報が格納される。基地局に関する情報は、基地局に関する基地局情報や基地局情報等と称されてもよい。
【0031】
例えば、記憶部110には、基地局に関する情報として、基地局の設置希望場所に関する情報、必要となる基地局の高さを示す情報、基地局の設置に要する面積を示す情報、通信事業者が希望する物件の賃料に関する情報、および通信事業者の連絡先に関する情報等が格納される。
【0032】
基地局の設置希望場所に関する情報は、例えば、通信事業者が基地局の設置を希望する位置情報等である。必要となる基地局の高さを示す情報は、例えば、基地局が設置される場所を含む所定の範囲で、当該基地局と携帯電話機等の通信装置との間で電波の送受信が可能となるために必要となる基地局の高さを示す情報等である。必要となる基地局の高さを示す情報は、エリアカバーに必要な基地局の高さの情報と称されてもよい。
【0033】
基地局の設置に要する面積を示す情報は、例えば、基地局を設置するために必要となる面積を示す情報等である。通信事業者が希望する物件の賃料に関する情報は、例えば、通信事業者が希望する物件の賃料の範囲に関する情報や通信事業者が希望する物件の賃料の下限値および上限値等を示す情報である。通信事業者の連絡先に関する情報は、例えば、通信事業者の電話番号やメールアドレス等を示す情報である。また、基地局の設置希望場所に関する情報は、基地局の設置場所に関する情報と称されてもよい。また、必要となる基地局の高さを示す情報は、基地局の設置のために要求される基地局の高さに関する情報と称されてもよい。
【0034】
また、基地局の設置に要する面積を示す情報は、基地局の設置に要する面積に関する情報と称されてもよい。基地局の設置希望場所に関する情報は、例えば、通信事業者が基地局の設置を希望する所在地を示す情報や、通信事業者が基地局の設置を希望する市区町村を示す情報を含んでもよい。例えば、記憶部110には、1つの識別子と、上記基地局に関する情報とが対応付けられて格納される。図4には、記憶部110に格納されている基地局に関する情報の一例が示されている。なお、記憶部110は、例えば、メモリやハードディスク等の記憶手段によって実現される。
【0035】
通信部120は、通信装置200から送信された物件に関する情報を受信する。また、通信部120は、通信装置300から送信された基地局に関する情報を受信する。通信部120は、物件に関する情報または基地局に関する情報を受信すると、受信した物件に関する情報または基地局に関する情報を記憶部110に入力し、記憶部110は、入力された物件に関する情報または基地局に関する情報を格納する。
【0036】
また、通信部120は、マッチング判定部130による検索によって見つけ出された物件に関する情報を通信装置300に送信する。マッチング判定部130による検索によって見つけ出された物件は、該当する物件と称されてもよい。マッチング判定部130による検索によって見つけ出された物件に関する情報は、該当する物件に関する情報と称されてもよい。また、通信部120は、該当する物件に関する情報の送信後、通信装置300から、通信事業者が該当する物件において基地局を設置するか否かを示す情報を受信する。当該基地局を設置するか否かを示す情報は、設置可否情報と称されてもよい。また、該当する物件は、基地局の設置場所の候補となる物件や基地局の設置場所の候補となる候補物件等と称されてもよい。該当する物件に関する情報は、基地局の設置場所の候補となる物件に関する情報や基地局の設置場所の候補となる候補物件に関する情報、候補物件に関する情報等と称されてもよい。また、設置可否情報は、基地局の設置場所の候補となる物件において当該基地局の設置が可能であるか否かを示す情報や候補物件において基地局の設置が可能であるか否かを示す情報等と称されてもよい。
【0037】
また、通信部120は、該当する物件の賃貸契約等に関する情報を通信装置200または通信装置300から受信したり、当該該当する物件の賃貸契約等に関する情報を通信装置200または通信装置300に送信したりする。
【0038】
例えば、通信部120は、通信装置300から契約情報を受信し、通信装置200に当該契約情報を送信する。また、例えば、通信部120は、通信装置200から契約合意情報を受信し、当該契約合意情報を受信した後に、通信装置200および通信装置300に契約が成立した旨を通知する。また、例えば、通信部120は、通信装置200から契約未合意情報を受信し、通信装置300に当該契約未合意情報を送信する。契約情報、契約合意情報および契約未合意情報については後述する。なお、通信部120は、例えば、送信機、受信機等によって実現される。
【0039】
マッチング判定部130は、記憶部110に格納されている物件に関する情報と基地局に関する情報とに基づいて、通信事業者が希望する条件にマッチング(一致)する物件の情報を検索する。
【0040】
例えば、マッチング判定部130は、記憶部110に格納されている物件に関する情報と基地局に関する情報とに基づいて、以下の3つの条件を満たす物件を検索する。
1.物件の位置(例えば、所在地)が通信事業者の希望する設置場所に含まれているか否か。
2.物件の高さが必要な基地局の高さを確保できているか否か。
3.物件が基地局の設置に要する面積を確保できているか否か。
【0041】
具体的には、記憶部110に、基地局の設置希望場所に関する情報として、「A市」が、必要となる基地局の高さを示す情報として「25メートル」が、基地局の設置に要する面積を示す情報として「30平方メートル」がそれぞれ格納されている場合を想定する。つまり、図4のように、基地局に関する情報として、「A市」、「25メートル」、および「30平方メートル」が対応付けられて記憶部110に格納されている場合を想定する。
【0042】
この場合に、例えば、マッチング判定部130は、記憶部110に格納されている少なくとも1つ以上の物件に関する情報に基づいて、物件が「A市」内にあり、物件の高さが「25メートル」以上で、かつ「30平方メートル」以上の基地局の設置に利用可能な面積を有する物件を検索し、記憶部110に格納されている少なくとも1つ以上の物件に関する情報の中から該当する物件を見つけ出す。例えば、マッチング判定部130は、該当する物件として、図3に示すような、「A市B区」にあり、物件の高さが「30メートル」で、基地局の設置に利用可能な面積として「35平方メートル」を有し、物件ID(物件の識別子)1で識別される物件を見つけ出す。マッチング判定部130によって見つけ出された物件は、該当する物件と称されてもよい。また、上記マッチング判定部130による物件を見つけ出す処理は、物件を選択する処理や基地局の設置場所の候補となる候補物件を選択する処理と称されてもよい。
【0043】
また、上記3つの条件は、以下の3つの条件と称されてもよい。
1.物件の位置が、基地局の設置場所の条件を満たすか否か。
2.物件の高さが、基地局の設置に要求される当該基地局の高さの条件を満たすか否か。
3.利用可能な面積が基地局の設置に要する面積の条件を満たすか否か。
【0044】
マッチング判定部130は、当該該当する物件に関する情報を、通信部120を介して通信装置300に送信する。例えば、マッチング判定部130は、該当する物件に関する、物件の位置を示す位置情報、物件の高さを示す情報、物件のタイプを示す情報、物件の画像情報、物件に関する平面図および立面図に関する情報、基地局設置情報、物件の所有者が希望する物件賃料情報および物件の所有者の連絡先に関する情報等を、通信部120を介して通信装置300に送信する。該当する物件に関する、物件の位置を示す位置情報、物件の高さを示す情報、物件のタイプを示す情報、物件の画像情報、物件に関する平面図および立面図に関する情報、基地局設置情報、物件の所有者が希望する物件賃料情報および物件の所有者の連絡先に関する情報等は、該当する物件に関する情報や該当物件情報等と称されてもよい。また、マッチング判定部130は、複数の該当する物件を見つけ出した場合に、当該複数の該当する物件に関する情報を、通信部120を介して通信装置300に送信するように構成されていてもよい。なお、マッチング判定部130は、例えば、プログラム制御に従って処理を実行するCPU(Central Processing Unit)や複数の回路およびメモリ等によって実現される。
【0045】
物件精査部140は、通信部120が通信装置300から受信した設置可否情報を確認し、当該設置可否情報が所定の条件を満たしているか否かを判断する。物件精査部140は、当該設置可否情報が所定の条件を満たしていると判断した場合に、通信部120を介して、通信装置200および通信装置300にマッチングが成立したことを通知する。
【0046】
例えば、設置可否情報には、該当する物件の賃料が通信事業者の希望を満たしているか否かを示す情報、該当する物件に基地局を設置することが可能であると通信事業者が判断したか否かを示す情報および該当する物件に基地局が設置された場合に通信事業者が所望する通信カバレッジとなるか否かを示す情報が含まれている。該当する物件に基地局を設置することが可能であると通信事業者が判断したか否かを示す情報は、例えば、該当する物件について、基地局の設置に利用可能な面積内に基地局が設置可能であると通信事業者が判断したか否かを示す情報等である。ここで、通信カバレッジとは、例えば、基地局が設置される場所を含む、当該基地局と携帯電話機等の通信装置との間で電波の送受信が可能な所定の範囲を示す。該当する物件の賃料が通信事業者の希望を満たしていることを示す情報、該当する物件に基地局を設置することが可能であると通信事業者が判断したことを示す情報、および該当する物件に基地局が設置された場合に通信事業者が所望する通信カバレッジとなることを示す情報は、判断情報と称されてもよい。
【0047】
そして、物件精査部140は、設置可否情報に、上記判断情報が含まれていると判断した場合に、通信部120を介して、通信装置200および通信装置300にマッチングが成立したことを通知する。つまり、物件精査部140は、設置可否情報に以下の3つの情報が含まれているか否かを判断する。
1.該当する物件の賃料が通信事業者の希望を満たしていることを示す情報
2.該当する物件に基地局を設置することが可能であると通信事業者が判断したことを示す情報
3.該当する物件に基地局が設置された場合に通信事業者が所望する通信カバレッジとなることを示す情報
ここで、マッチングの成立とは、物件の所有者の意向(つまり、物件の所有者が提示する物件の条件)と、通信事業者との意向(つまり、通信事業者が提示する基地局の設置条件)とが合致したことを示す。マッチングが成立したことの通知の一例として、物件精査部140は、通信部120を介して、通信装置200に、通信事業者が該当する物件に基地局を設置することを希望していることを通知するように構成されていてもよい。また、マッチングが成立したことの通知の一例として、物件精査部140は、通信部120を介して、通信装置300に、物件の所有者が該当する物件で基地局を設置することを許可する意向を示していることを通知するように構成されていてもよい。
【0048】
また、物件精査部140は、該当する物件の賃貸契約等に関する情報を、通信部120を介して通信装置300から受信し、当該賃貸契約に関する情報を、通信部120を介して通信装置200に送信するように構成されていてもよい。例えば、物件精査部140は、通信装置200から、通信事業者が希望する賃料に関する情報、通信事業者が希望する物件内の基地局の設置位置に関する情報および通信事業者が希望する賃貸契約の文言に関する情報を受信する。そして、物件精査部140は、通信事業者が希望する賃料に関する情報、通信事業者が希望する物件内の基地局の設置位置に関する情報および通信事業者が希望する賃貸契約の文言に関する情報を通信装置300に送信する。通信事業者が希望する賃料に関する情報、通信事業者が希望する物件内の基地局の設置位置に関する情報および通信事業者が希望する賃貸契約の文言に関する情報は、該当する物件の賃貸契約等に関する情報や契約情報等と称されてもよい。
【0049】
さらに、物件精査部140は、通信部120を介して通信装置200から、通信事業者が希望する賃料、通信事業者が希望する物件内の基地局の設置位置および通信事業者が希望する賃貸契約の文言に、物件の所有者が合意する旨を示す情報を受信するように構成されていてもよい。当該合意する旨を示す情報は、契約合意情報と称されてもよい。
【0050】
物件精査部140は、契約合意情報を受信した場合に、通信部120を介して、通信装置200および通信装置300に、契約が成立した通知として、該当する物件に関する賃貸契約が合意されたことを示す情報や該当する物件の賃貸契約書に関する情報を送信するように構成されていてもよい。なお、物件精査部140は、記憶部110に物件の所有者の署名および通信事業者の署名に関する情報が格納されている場合に、当該賃貸契約書に関する情報に、当該賃貸契約書が有効となるように、当該物件の所有者の署名および通信事業者の署名を記載するように構成されていてもよい。そして、当該署名を記載したうえで、物件精査部140は、通信装置200および通信装置300に、当該賃貸契約書に関する情報を送信するように構成されていてもよい。なお、当該物件の所有者の署名に関する情報は、上述した物件に関する情報に含まれていてもよい。また、通信事業者の署名に関する情報は、上述した基地局に関する情報に含まれていてもよい。また、マッチングが成立したことの通知の一例として、物件精査部140は、通信部120を介して、通信装置200および通信装置300に、該当する物件に関する賃貸契約が合意されたことを示す情報や該当する物件の賃貸契約書に関する情報を送信するように構成されていてもよい。また、マッチングが成立したことの通知、契約情報、契約合意情報または契約が成立した通知等は、基地局の設置場所の候補となる物件の契約に関する情報や候補物件の契約に関する情報等と称されてもよい。契約が成立した通知は、基地局の設置場所の候補となる物件に関する契約が成立したことを示す情報や候補物件に関する契約が成立したことを示す情報等と称されてもよい。
【0051】
また、物件精査部140は、通信部120を介して通信装置200から、通信事業者が希望する賃料、通信事業者が希望する物件内の基地局の設置位置、および通信事業者が希望する賃貸契約の文言のうち少なくとも1つに、物件の所有者が合意しない旨を示す情報を受信するように構成されていてもよい。当該合意しない旨を示す情報は、契約未合意情報や契約不合意情報等と称されてもよい。
【0052】
また、契約未合意情報には、例えば、物件の所有者が修正した賃料に関する情報が含まれていてもよい。当該契約未合意情報を受信した場合に、物件精査部140は、通信部120を介して通信装置300に当該契約未合意情報を送信するように構成されていてもよい。契約未合意情報は、契約に関する情報を修正するための情報と称されてもよい。なお、物件精査部140は、例えば、プログラム制御に従って処理を実行するCPUや複数の回路およびメモリ等によって実現される。
【0053】
図5は、通信装置200の構成例を示すブロック図である。図5に示すように、通信装置200は、制御部210と、通信部220とを含む。
【0054】
制御部210は、物件の所有者によって入力された情報を受信する。例えば、物件の所有者は、通信装置200に接続されている入出力装置(例えば、モニタ、キーボード等)を用いて、物件に関する情報や契約合意情報、契約未合意情報等を通信装置200に入力し、制御部210は当該入力された情報を受信する。なお、制御部210は、例えば、プログラム制御に従って処理を実行するCPUや複数の回路およびメモリ等によって実現される。
【0055】
通信部220は、制御部210に入力された情報をマッチング装置100に送信する。例えば、通信部220は、マッチング装置100に、物件に関する情報や契約合意情報、契約未合意情報等を送信するように構成されていてもよい。
【0056】
また、通信部220は、マッチング装置100から、マッチングが成立したことを示す情報を受信する。マッチングが成立したことを示す情報は、マッチングが成立したことの通知と称されてもよい。例えば、通信部220は、マッチング装置100から、通信事業者が該当する物件に基地局を設置することを希望していることを示す情報を受信するように構成されていてもよい。
【0057】
また、通信部220は、マッチング装置100から、契約情報を受信する。また、通信部220は、マッチング装置100に、契約合意情報を送信する。当該契約合意情報には、例えば、通信事業者が希望する物件の賃料に物件の所有者が合意したことを示す情報や、通信事業者が希望する物件内の基地局の設置位置に物件の所有者が合意したことを示す情報、通信事業者が希望する賃貸契約の文言や内容に物件の所有者が合意したことを示す情報等が含まれていてもよい。
【0058】
なお、マッチング装置100は、通信装置200に接続されている出力装置(例えば、モニタ等)に表示させる画面の情報を送信するように構成されていてもよい。例えば、当該画面の情報には、通信事業者が希望する物件の賃料に、物件の所有者が合意できるか否かを入力するための選択肢を、モニタに表示させるための情報が、含まれていてもよい。なお、当該モニタは、通信装置200に接続されている。例えば、当該画面の情報には、通信事業者が希望する物件内の基地局の設置位置に、物件の所有者が合意できるか否かを入力するための選択肢を、モニタに表示させるための情報が、含まれていてもよい。なお、当該モニタは、通信装置200に接続されている。例えば、当該画面の情報には、通信事業者が希望する賃貸契約の文言や内容に、物件の所有者が合意できるか否かを入力するための選択肢を、モニタに表示させるための情報が、含まれていてもよい。なお、当該モニタは、通信装置200に接続されている。例えば、当該画面の情報には、契約情報を、モニタに表示させるための情報が、含まれていてもよい。なお、当該モニタは、通信装置200に接続されている。上述した選択肢は、例えば、「はい」、「いいえ」等の選択肢である。例えば、通信装置200のユーザ(例えば、物件の所有者)は、当該通信装置200に接続されているモニタに表示された上述した選択肢や契約情報を確認する。そして、通信装置200のユーザは、上述した選択肢を選択することによって、通信装置200に、通信事業者が希望する物件の賃料に物件の所有者が合意できる旨、通信事業者が希望する物件内の基地局の設置位置に物件の所有者が合意できる旨および賃貸契約の文言や内容に物件の所有者が合意できる旨を入力する。通信装置200の制御部210は当該入力された情報を受信し、当該入力された情報に基づいて契約合意情報を生成するように構成されていてもよい。また、上記選択肢のうちの少なくとも1つについて通信装置200のユーザが合意できない旨を入力した場合に、通信装置200の制御部210は、契約未合意情報を生成するように構成されていてもよい。
【0059】
また、通信部220は、マッチング装置100に、契約未合意情報を送信するように構成されていてもよい。例えば、当該契約未合意情報には、例えば、以下の情報の少なくとも1つが含まれていてもよい。
(1)通信事業者が希望する物件の賃料に物件の所有者が修正を加えたことを示す情報および当該修正した賃料を示す情報
(2)通信事業者が希望する物件内の基地局の設置位置に物件の所有者が修正を加えたことを示す情報および当該修正した設置位置を示す情報
(3)賃貸契約の文言や内容に物件の所有者が修正を加えたことを示す情報および修正した賃貸契約の文言や内容を示す情報
なお、通信部220は、例えば、送信機、受信機等によって実現される。なお、上述したマッチング装置100が通信装置200に送信する画面の情報には、上述した契約内容等を修正した内容を入力するための入力欄を通信装置200のモニタに表示させるための情報が含まれていてもよい。
【0060】
図6は、通信装置300の構成例を示すブロック図である。図6に示すように、通信装置300は、制御部310と、通信部320とを含む。
【0061】
制御部310は、通信事業者によって入力された情報を受信する。例えば、通信事業者(例えば、通信事業者の社員)は、通信装置300に接続されている入出力装置(例えば、モニタ、キーボード等)を用いて、基地局に関する情報や契約情報を通信装置300に入力し、制御部310は当該入力された情報を受信する。なお、制御部310は、例えば、プログラム制御に従って処理を実行するCPUや複数の回路およびメモリ等によって実現される。
【0062】
通信部320は、制御部310に入力された情報をマッチング装置100に送信する。例えば、通信部320は、マッチング装置100に、基地局に関する情報や契約情報を送信するように構成されていてもよい。
【0063】
また、通信部320は、マッチング装置100から、該当物件情報を受信するように構成されていてもよい。
【0064】
また、通信部320は、マッチング装置100に、設置可否情報を送信するように構成されていてもよい。例えば、通信部320は、制御部310によって生成された設置可否情報を送信するように構成されていてもよい。
【0065】
例えば、制御部310は、該当物件情報に基づいて、通信環境(電波の伝搬環境等)のシミュレーション等を行い、該当する物件に基地局が設置された場合に、通信事業者が所望する通信カバレッジとなるか否かを判断し、当該判断結果に基づいて設置可否情報を生成する。なお、当該通信事業者が所望する通信カバレッジとなるか否かの判断は、Radio Frequency(RF)判定やカバレッジ判定等と称されてもよい。
【0066】
例えば、制御部310は、該当する物件に基地局が設置された場合に、当該基地局による通信カバレッジが、通信事業者により所望される通信カバレッジの条件を満たすことができるか否かを、上記シミュレーション等を用いて判断するように、構成されていてもよい。制御部310は、当該カバレッジの条件を満たすことができると判断した場合に、上述した通信事業者が所望する通信カバレッジとなることを示す情報を含む設置可否情報を生成するように構成されていてもよい。
【0067】
なお、通信事業者が所望する通信カバレッジの条件に関する情報は、あらかじめ制御部310に設定されていてもよい。つまり、制御部310は、当該通信事業者が所望する通信カバレッジの条件に関する情報に基づいて、該当する物件に基地局が設置された場合に当該基地局による通信カバレッジが、通信事業者により所望される通信カバレッジの条件を満たすことができるか否かを判断するように構成されていてもよい。通信事業者により所望される通信カバレッジの条件に関する情報には、受信信号の品質に関する指標や閾値、受信信号の強度に関する指標や閾値、アンテナの指向方向に関する指標や閾値等が含まれていてもよい。例えば、制御部310は、該当する物件に設置される基地局による信号の品質が受信信号の品質に関する閾値以上になると判断した場合に、上記通信カバレッジの条件を満たすことができると判断するように構成されていてもよい。
【0068】
また、例えば、通信事業者は、該当物件情報を確認し、該当する物件の賃料が通信事業者の希望を満たしているか否かを判断する。また、例えば、通信事業者は、該当物件情報を確認し、該当する物件における基地局の設置に使用できる面積が、当該通信事業者により設置が希望されている基地局の設置に要する面積よりも大きいか否かを判断する。ここで、上記賃料が通信事業者の希望を満たしており、上記基地局の設置に使用できる面積が上記基地局の設置に要する面積よりも大きいと通信事業者が判断した場合を想定する。この場合に、通信事業者は、通信装置300に接続されている入出力装置(例えば、モニタ、キーボード等)を用いて、該当する物件の賃料が通信事業者の希望を満たしている旨および該当する物件に基地局を設置することが可能であると通信事業者が判断した旨を通信装置300に入力する。制御部310は当該入力された情報を受信する。そして、制御部310は、当該入力された情報に基づいて、該当する物件の賃料が通信事業者の希望を満たしていることを示す情報および該当する物件に基地局を設置することが可能であると通信事業者が判断したことを示す情報を含む設置可否情報を生成するように構成されていてもよい。また、通信事業者は、該当物件情報に含まれている物件の画像情報に基づいて、該当する物件に基地局を設置することが可能であると通信事業者が判断した旨を通信装置300に入力してもよい。
【0069】
例えば、上記通信カバレッジの条件を満たすことができると制御部310が判断し、該当する物件の賃料が通信事業者の希望を満たしている旨および該当する物件に基地局を設置することが可能であると通信事業者が判断した旨が通信装置300に入力された場合を想定する。この場合に、制御部310は、該当する物件に基地局が設置された場合に通信事業者が所望する通信カバレッジとなることを示す情報、該当する物件の賃料が通信事業者の希望を満たしていることを示す情報および該当する物件に基地局を設置することが可能であると通信事業者が判断したことを示す情報を含む設置可否情報を生成するように構成されていてもよい。
【0070】
また、制御部310は、通信装置300によってマッチング装置100に送信された基地局に関する情報と、受信した該当物件情報とに基づいて、該当する物件の賃料が通信事業者の希望を満たしているか否か、および該当する物件に基地局を設置することが可能であると通信事業者が判断したか否か、を判断するように構成されていてもよい。なお、通信装置300は、通信装置300によってマッチング装置100に送信された基地局に関する情報を格納するように構成されていてもよい。
【0071】
例えば、制御部310は、通信事業者が希望する物件の賃料に関する情報と、物件の所有者が希望する物件賃料情報とを比較し、該当する物件の賃料が通信事業者の希望を満たしているか否かを判断するように構成されていてもよい。また、例えば、制御部310は、基地局の設置に要する面積と、基地局の設置に使用できる物件内の面積とを比較し、該当する物件における基地局の設置に使用できる面積が、通信事業者により設置を希望されている基地局の設置に要する面積よりも大きいか否かを判断するように構成されていてもよい。例えば、制御部310は、物件の所有者によって希望されている物件の賃料が、通信事業者によって希望されている物件の賃料よりも低いまたは安い場合に、該当する物件の賃料が通信事業者の希望を満たしていると判断するように構成されていてもよい。また、例えば、制御部310は、該当する物件における基地局の設置に使用できる面積が、通信事業者により設置を希望されている基地局の設置に要する面積よりも大きい場合に、該当する物件に基地局を設置することが可能であると通信事業者が判断した、と判断するように構成されていてもよい。
【0072】
そして、上記通信カバレッジの条件を満たし、該当する物件の賃料が通信事業者の希望を満たし、かつ該当する物件における基地局の設置に使用できる面積が通信事業者により設置を希望されている基地局の設置に要する面積よりも大きいと、制御部310が判断したと想定する。この場合に、制御部310は、上述した判断情報を含む設置可否情報を生成するように構成されていてもよい。判断情報を含む設置可否情報は、基地局の設置が可能であることを示す情報と称されてもよい。また、設置可否情報に判断情報が含まれている場合は、当該設置可否情報が基地局の設置が可能であることを示している場合に相当する。
【0073】
なお、マッチング装置100は、通信装置300に接続されている出力装置(例えば、モニタ等)に表示させる画面の情報を送信するように構成されていてもよい。例えば、当該画面の情報には、該当する物件の賃料が通信事業者の希望を満たしているか否かを入力するための選択肢を、モニタに表示させるための情報が、含まれていてもよい。なお、当該モニタは、通信装置300に接続されている。例えば、当該画面の情報には、該当する物件に基地局を設置することが可能であると通信事業者が判断したか否かを入力するための選択肢を、モニタに表示させるための情報が含まれていてもよい。なお、当該モニタは、通信装置300に接続されている。例えば、当該画面の情報には、該当する物件に基地局が設置された場合に通信事業者が所望する通信カバレッジとなるか否かを入力するための選択肢を、モニタに表示させるための情報が含まれていてもよい。なお、当該モニタは、通信装置300に接続されている。例えば、当該画面の情報には、該当物件情報をモニタに表示させるための情報が含まれていてもよい。なお、当該モニタは、通信装置300に接続されている。上述した選択肢は、例えば、「はい」、「いいえ」等の選択肢である。例えば、通信装置300のユーザ(例えば、通信事業者の社員)は、当該通信装置300に接続されているモニタに表示された該当物件情報を確認する。そして、通信装置300のユーザは、上述した選択肢を選択することによって、通信装置300に、該当する物件に基地局が設置された場合に通信事業者が所望する通信カバレッジとなる旨、該当する物件の賃料が通信事業者の希望を満たしている旨および該当する物件に基地局を設置することが可能であると通信事業者が判断した旨を入力する。通信装置300の制御部310は、当該入力された情報を受信し、当該入力された情報に基づいて設置可否情報を生成するように構成されていてもよい。なお、制御部310は、上述した制御部310による通信事業者が所望する通信カバレッジとなるか否かの判断の結果を、通信装置300に接続されているモニタ等に表示させるように構成されていてもよい。そして、通信装置300のユーザは、当該表示に基づいて、通信事業者が所望する通信カバレッジとなるか否かを入力するための選択肢から適切なものを選択してもよい。
【0074】
また、通信部320は、マッチング装置100から、マッチングが成立したことを示す情報を受信する。マッチングが成立したことを示す情報は、マッチングが成立したことの通知と称されてもよい。例えば、通信部320は、マッチング装置100から、物件の所有者が該当する物件で基地局を設置することを許可する意向を示していることを示す情報を受信するように構成されていてもよい。
【0075】
また、通信部320は、マッチング装置100に、契約情報を送信するように構成されていてもよい。また、通信部320は、マッチング装置100から、契約合意情報を受信するように構成されていてもよい。また、通信部320は、マッチング装置100から、契約未合意情報を受信するように構成されていてもよい。なお、通信部320は、例えば、送信機、受信機等によって実現される。
【0076】
図7は、通信システム1が実行する処理を示すシーケンスチャートである。
【0077】
通信装置200は、マッチング装置100に、物件に関する情報を送信する(ステップS101)。また、通信装置300は、マッチング装置100に、基地局に関する情報を送信する(ステップS101)。なお、通信装置200は、物件の所有者が通信装置200に物件に関する情報を入力した後に、マッチング装置100に当該物件に関する情報を送信するように構成されていてもよい。また、通信装置200は、物件の所有者によって通信装置200に入力された物件に関する情報が所定のデータ量となった場合に、マッチング装置100に当該物件に関する情報をまとめて送信するように構成されていてもよい。また、通信装置300は、通信事業者が通信装置300に基地局に関する情報を入力した後に、マッチング装置100に当該基地局に関する情報を送信するように構成されていてもよい。また、通信装置300は、通信事業者によって通信装置300に入力された基地局に関する情報が所定のデータ量となった場合に、マッチング装置100に当該基地局に関する情報をまとめて送信するように構成されていてもよい。なお、図7では、通信装置200と通信装置300とが同じタイミングで情報を送信しているが、通信装置200と通信装置300とが異なるタイミングで情報を送信する場合もある。マッチング装置100は、通信装置200から物件に関する情報を受信し、当該受信した物件に関する情報を記憶部110に格納する。また、マッチング装置100は、通信装置300から基地局に関する情報を受信し、当該受信した物件に関する情報を記憶部110に格納する。
【0078】
マッチング装置100は、記憶部110に格納されている物件に関する情報および基地局に関する情報に基づいて、マッチング判定処理を行う(ステップS102)。上述したように、マッチング装置100は、記憶部110に格納されている物件に関する情報と基地局に関する情報とに基づいて、以下の3つの条件を満たす物件を検索する。
1.物件の位置(例えば、所在地)が通信事業者の希望する設置場所に含まれているか否か。
2.物件の高さが必要な基地局の高さを確保できているか否か。
3.物件が基地局の設置に要する面積を確保できているか否か。
【0079】
3つの条件に該当する物件が見つかった場合に、マッチング装置100は、通信装置300に、該当する物件に関する情報を送信する(ステップS103)。該当する物件に関する情報は、該当物件情報と称されてもよい。
【0080】
通信装置300は、該当物件情報を受信し、この該当物件情報に基づいて、設置可否情報を生成する。通信装置300は、マッチング装置100に、設置可否情報を送信する(ステップS104)。なお、複数の該当する物件に関する情報を受信した場合に、通信装置300は、複数の該当する物件のそれぞれに関する設置可否情報をマッチング装置100に送信するように構成されていてもよい。つまり、この場合には、通信装置300は、マッチング装置100に複数の設置可否情報を送信するように構成されていてもよい。
【0081】
マッチング装置100は、設置可否情報を受信し、当該設置可否情報が所定の条件を満たしているか否かを判断する(ステップS105)。なお、複数の設置可否情報を受信した場合に、マッチング装置は、当該複数の設置可否情報のそれぞれが所定の条件を満たしているか否かを判断するように構成されていてもよい。
【0082】
当該設置可否情報が所定の条件を満たしていると判断した場合に、マッチング装置100は、通信装置200および通信装置300にマッチングが成立したことを通知する(ステップS106)。なお、マッチング装置100が、例えば、複数の設置可否情報が所定の条件を満たしていると判断した場合を想定する。この場合に、マッチング装置100は、一の設置可否情報に対応する該当する物件の所有者と、他の設置可否情報に対応する該当する物件の所有者とが同一と判断した場合には、当該複数の物件に関するマッチングが成立したことを当該物件の所有者が所有する通信装置200に通知する。また、マッチング装置100は、一の設置可否情報に対応する該当する物件の所有者と、他の設置可否情報に対応する該当する物件の所有者とが異なると判断した場合には、一の設置可否情報に対応する物件に関するマッチングが成立したことを当該物件の所有者が所有する一の通信装置200に通知するように構成されていてもよい。また、マッチング装置100は、他の設置可否情報に対応する物件に関するマッチングが成立したことを当該物件の所有者が所有する他の通信装置200に通知するように構成されていてもよい。つまり、マッチング装置100は、複数の設置可否情報が所定の条件を満たしていると判断した場合に、マッチングが成立したことを適切な通信装置200に通知する。なお、設置可否情報には、上述した物件の識別子が含まれていてもよい。マッチング装置100は、当該識別子と物件に関する情報とに基づいて、当該識別子に対応する物件の所有者の連絡先を特定するように構成されていてもよい。そして、マッチング装置100は、一の設置可否情報に対応する該当する物件の所有者と、他の設置可否情報に対応する該当する物件の所有者とが同一であるか否かを判断するように構成されていてもよい。
【0083】
通信装置300は、マッチングが成立したことを示す通知を受信する。通信装置300は、マッチングが成立したことを示す通知を受信した場合に、マッチング装置100に、契約情報を送信する(ステップS107)。
【0084】
マッチング装置100は、当該契約情報を受信し、通信装置200に当該契約情報を送信する(ステップS108)。
【0085】
通信装置200は、当該契約情報を受信する。通信装置200のユーザ(例えば、物件の所有者)は、通信装置200に接続された入出力装置(例えば、モニタ、キーボード等)を用いて、当該契約情報を確認する。そして、通信装置200のユーザは、契約情報に含まれている内容に問題がない場合(つまり、物件の所有者が契約情報に含まれている内容に合意する場合)には、契約内容に合意する旨を通信装置200に入力する。契約内容に合意する旨は、契約合意情報と称されてもよい。契約合意情報が入力された場合、通信装置200は、マッチング装置100に、当該契約合意情報を送信する(ステップS109)。
【0086】
マッチング装置100は、契約合意情報を受信し、通信装置200および通信装置300に、契約が成立した旨を通知する(ステップS110)。
【0087】
なお、図7のステップS109において、通信装置200のユーザ(例えば、物件の所有者)は、通信装置200に接続された入出力装置(例えば、モニタ、キーボード等)を用いて、契約情報を確認する。そして、通信装置200のユーザは、契約情報に記載されている内容に合意できない場合には、契約内容に合意できない旨(例えば、修正した賃料に関する情報や修正した基地局設置位置に関する情報等)を通信装置200に入力する。この場合、通信装置200は、マッチング装置100に、契約未合意情報を送信する。この場合に、マッチング装置100は、契約未合意情報を受信し、通信装置300に当該契約未合意情報を送信する。契約未合意情報を受信した通信装置300のユーザ(例えば、通信事業者)は、契約未合意情報に含まれている内容(例えば、修正した賃料に関する情報や修正した基地局設置位置に関する情報等)を確認する。そして、当該契約未合意情報に含まれている内容に問題がない場合(つまり、通信事業者が契約未合意情報に含まれている内容に合意する場合)には、通信事業者は、契約未合意情報に問題がない旨を通信装置300に入力する。この場合に、通信装置300は、マッチング装置100に、契約未合意情報に問題がない旨を送信する。そして、契約未合意情報に問題がない旨を受信したマッチング装置100は、通信装置200および通信装置300に、契約が成立した旨を通知するように構成されていてもよい。また、通信装置200から送信される契約未合意情報に合意できない場合には、通信装置300のユーザ(通信事業者)は、契約未合意情報に含まれている内容を修正し、修正された内容を含む契約未合意情報を通信装置300に入力してもよい。この場合に、通信装置300は、マッチング装置100に修正された契約未合意情報を送信するように構成されていてもよい。そして、マッチング装置100は、通信装置200に当該修正された契約未合意情報を送信するように構成されていてもよい。つまり、物件の所有者と通信事業者との双方が契約内容に合意するまで契約情報、契約未合意情報等の送受信が行われるようにマッチング装置100、通信装置200および通信装置300が構成されていてもよい。
【0088】
また、マッチング判定部130は、図7のステップS102で見出した物件(つまり、該当する物件)に基地局が設置された場合に予想される電波干渉量を計算(または算出)するように構成されていてもよい。例えば、マッチング判定部130は、上記該当する物件の所在地近辺に既に設置されている基地局から送信される信号によって引き起こされる干渉量を、干渉計算ツール等の既知の方法を用いて計算するように構成されていてもよい。そして、当該干渉量が所定の閾値以上であると判断した場合には、マッチング判定部130は、上記該当する物件は新たに基地局を設置する場所には適していないと判断し、当該物件に関する情報を通信装置300に送信しないように構成されていてもよい。また、当該干渉量が所定の閾値未満であると判断した場合には、マッチング判定部130は、上記該当する物件は新たに基地局を設置する場所に適していると判断し、当該該当する物件に関する情報を通信装置300に送信するように構成されていてもよい。
【0089】
また、マッチング判定部130は、干渉計算ツール等の既知の方法を用いて、上記該当する物件の所在地と、既に設置されている基地局の位置情報とに基づいて、当該物件に基地局が設置された場合に、当該基地局の信号による当該既に設置されている基地局の信号に対する干渉量を計算するように構成されていてもよい。そして、マッチング判定部130は、当該干渉量が所定の閾値未満であると判断した場合に、当該物件に基地局を設置しても問題がないと判断し、当該該当する物件に関する情報を通信装置300に送信するように構成されていてもよい。また、マッチング判定部130は、当該干渉量が所定の閾値以上であると判断した場合に、上記該当する物件は新たに基地局を設置する場所には適していない判断し、当該該当する物件に関する情報を通信装置300に送信しないように構成されていてもよい。
【0090】
なお、通信装置300が上記所定の閾値を送信するように構成されていてもよい。つまり、通信事業者は、電波干渉が予想される物件を除外できるように、通信装置300に入力する基地局に関する情報に当該所定の閾値を含めてもよい。なお、既に設置されている基地局に関する情報(例えば、当該既に設置されている基地局の位置情報や当該既に設置されている基地局が通信に用いる信号の周波数の情報等)は、通信装置300から送信され、マッチング装置100は、記憶部110に当該情報を格納するように構成されていてもよい。既に設置されている基地局に関する情報は、通信装置300が送信する基地局に関する情報に含まれていてもよい。
【0091】
また、マッチング判定部130は、干渉計算ツール等の既知の方法を用いて、上記該当する物件の所在地と、地球局の位置情報とに基づいて、当該物件に基地局が設置された場合に、当該基地局の信号による地球局の信号に対する干渉量(例えば、衛星干渉の量等)を計算するように構成されていてもよい。そして、マッチング判定部130は、当該干渉量が所定の閾値未満であると判断した場合に、当該物件に基地局を設置しても問題がないと判断し、当該該当する物件に関する情報を通信装置300に送信するように構成されていてもよい。また、マッチング判定部130は、当該干渉量が所定の閾値以上であると判断した場合に、上記該当する物件は新たに基地局を設置する場所には適していない判断し、当該該当する物件に関する情報を通信装置300に送信しないように構成されていてもよい。なお、地球局に関する情報(例えば、地球局の位置情報や地球局が通信に用いる信号の周波数の情報等)は、通信装置300から提供され、マッチング装置100は、記憶部110に当該情報を格納するように構成されていてもよい。地球局に関する情報は、通信装置300が送信する基地局に関する情報に含まれていてもよい。
【0092】
つまり、マッチング判定部130は、上述した干渉量と、所定の閾値との比較結果に基づいて、該当する物件に関する情報を送信するか否かを判断するように構成されていてもよい。
【0093】
図8は、マッチング装置100が実行する処理を示すフローチャートである。
【0094】
マッチング装置100は、通信装置200から物件に関する情報を受信する(ステップS201)。マッチング装置100は、通信装置300から基地局に関する情報を受信する(ステップS201)。
【0095】
マッチング装置100は、物件に関する情報と、基地局に関する情報とに基づいて、マッチング判定処理を行う(ステップS202)。上述したように、マッチング装置100は、記憶部110に格納されている少なくとも1つの物件に関する情報と基地局に関する情報とに基づいて、以下の3つの条件を満たす物件を検索する。
1.物件の位置(例えば、所在地)が通信事業者の希望する設置場所に含まれているか否か。
2.物件の高さが必要な基地局の高さを確保できているか否か。
3.物件が基地局の設置に要する面積を確保できているか否か。
【0096】
3つの条件に合致する物件が見つかった場合(つまり、該当する物件が見つかった場合)に、マッチング装置100は、通信装置300に、該当する物件に関する情報(つまり、該当物件情報)を送信する(ステップS203)。なお、マッチング装置100は、該当する物件が見つからなかった場合には、通信装置300に、該当する物件が見つからなかった旨を送信するように構成されていてもよい。
【0097】
マッチング装置100は、通信装置300から設置可否情報を受信し、当該設置可否情報が所定の条件を満たしているか否かを判断する(ステップS204)。
【0098】
当該設置可否情報が所定の条件を満たしていると判断した場合に、マッチング装置100は、通信装置200および通信装置300にマッチングが成立したことを通知する(ステップS205)。
【0099】
マッチング装置100は、通信装置300から契約情報を受信し、通信装置200に当該契約情報を送信する(ステップS206)。
【0100】
マッチング装置100は、通信装置200から契約合意情報を受信し、通信装置200および通信装置300に、契約が成立した旨を通知する(ステップS207)。また、マッチング装置100は、通信装置200から契約未合意情報を受信した場合には、通信装置300に、契約未合意情報を送信する。また、契約未合意情報を送信後、通信装置300から契約未合意情報に問題がない旨を受信した場合に、マッチング装置100は、通信装置200および通信装置300に、契約が成立した旨を通知するように構成されていてもよい。また、契約未合意情報を送信後、通信装置300から修正された契約未合意情報を受信した場合に、マッチング装置100は、当該修正された契約未合意情報を通信装置200に送信するように構成されていてもよい。
【0101】
また、マッチング装置100が検索を実行した回数やマッチング装置100による検索により見つかった物件数等に応じて、通信事業者に課金する仕組みが通信システム1に構成されていてもよい。例えば、図7のステップS103において該当物件情報を送信する際に、マッチング装置100は、通信装置300に該当した物件数に応じた料金の請求情報を送信するように構成されていてもよい。そして、通信事業者は、当該請求情報に基づいて、マッチング装置100のユーザまたは事業者に当該料金の支払いを行ってもよい。
【0102】
また、上記では、マッチング装置100は、以下の3つの条件を満たす物件を検索したが、物件の検索条件はこれに限られない。
1.物件の位置(例えば、所在地)が通信事業者の希望する設置場所に含まれているか否か。
2.物件の高さが必要な基地局の高さを確保できているか否か。
3.物件が基地局の設置に要する面積を確保できているか否か。
【0103】
例えば、マッチング装置100は、上記条件のうち少なくとも1つを満たす物件を検索するように構成されていてもよい。マッチング装置100は、上記条件のうち少なくとも1つを満たす物件に関する情報を送信するように構成されていてもよい。また、例えば、基地局に関する情報に、通信事業者によって希望されている物件のタイプを示す情報が含まれている場合には、マッチング装置100は、物件に関する情報に基づいて、通信事業者によって希望されている物件のタイプと同じタイプである物件を検索するように構成されていてもよい。また、マッチング装置100は、基地局に関する情報に含まれている通信事業者が希望する物件の賃料に関する情報と、物件に関する情報に含まれている物件の所有者が希望する物件の賃料に関する情報とに基づいて、通信事業者が希望する賃料未満の賃料である物件を検索するように構成されていてもよい。つまり、マッチング装置100は、上記3つの条件に加え、物件のタイプや物件の賃料を考慮して、物件を検索するように構成されていてもよい。また、マッチング装置100は、上記3つの条件に、上述した物件のタイプや物件の賃料の条件を加えた5つの条件のうち、少なくとも1つを満たす物件を検索するように構成されていてもよい。
【0104】
本実施形態によれば、マッチング装置100は、通信装置200から受信した物件に関する情報と、通信装置300から受信した基地局に関する情報とに基づいて、当該基地局が設置可能な物件を見つけ出す。そして、マッチング装置100は、通信装置300に当該見つけ出した物件に関する情報を送信し、通信装置300から当該物件での基地局の設置が可能であることを示す設置可否情報を受信する。そして、マッチング装置100は、通信装置200および通信装置300にマッチングが成立したことを示す情報を送信し、通信装置200および通信装置300の間で送受信される契約情報、契約合意情報または契約未合意情報等を中継する。
【0105】
また、通信装置に相当するマッチング装置100は、受信手段に相当する通信部120と、選択手段に相当するマッチング判定部130と、送信手段に相当する通信部120とを備える。当該受信手段に相当する通信部120は、物件に関する物件情報および基地局に関する基地局情報を受信する。当該選択手段に相当するマッチング判定部130は、物件情報と、基地局情報とに基づいて、基地局の設置場所の候補となる候補物件を選択する。当該送信手段に相当する通信部120は、当該選択手段により選択された前記候補物件に関する候補物件情報を送信する。
【0106】
また、物件情報には、物件の位置に関する情報と、物件の高さに関する情報と、物件における基地局の設置のために利用可能な面積に関する情報とが含まれる。基地局情報には、基地局の設置場所に関する情報と、当該基地局の設置のために要求される基地局の高さに関する情報と、当該基地局の設置に要する面積に関する情報とが含まれる。通信装置に相当するマッチング装置100は、選択手段に相当するマッチング判定部130を備える。当該選択手段に相当するマッチング判定部130は、物件の位置が基地局の設置場所の条件を満たし、物件の高さが基地局の設置に要求される基地局の高さの条件を満たし、かつ利用可能な面積が基地局の設置に要する面積の条件を満たす物件を、候補物件として選択する。
【0107】
また、通信装置に相当するマッチング装置100は、選択手段に相当するマッチング判定部130を備える。通信装置に相当するマッチング装置100は、送信手段に相当する通信部120を備える。当該選択手段に相当するマッチング判定部130は、候補物件に基地局が設置された場合の電波干渉量を算出し、当該送信手段に相当する通信部120は、電波干渉量に基づいて、候補物件情報を送信する。
【0108】
また、通信装置に相当するマッチング装置100は、選択手段に相当するマッチング判定部130を備える。当該選択手段に相当するマッチング判定部130よって算出された電波干渉量は、基地局の設置場所の候補となる物件に基地局が設置された場合の当該基地局の信号による地球局の信号に対する干渉量である。
【0109】
また、通信装置に相当するマッチング装置100は、受信手段に相当する通信部120を備える。通信装置に相当するマッチング装置100は、送信手段に相当する通信部120を備える。当該受信手段に相当する通信部120は、候補物件において基地局の設置が可能であるか否かを示す情報を受信する。基地局の設置が可能であるか否かを示す情報が基地局の設置が可能であることを示している場合に、当該送信手段に相当する通信部120は、候補物件の契約に関する情報を送信する。
【0110】
また、通信装置に相当するマッチング装置100は、送信手段に相当する通信部120を備える。当該送信手段に相当する通信部120によって送信される契約に関する情報は、候補物件に関する契約が成立したことを示す情報を含む。
【0111】
また、通信装置に相当するマッチング装置100は、受信手段に相当する通信部120を備える。通信装置に相当するマッチング装置100は、送信手段に相当する通信部120を備える。当該受信手段に相当する通信部120は、契約に関する情報を修正するための情報を受信する。当該送信手段に相当する通信部120は、契約に関する情報を修正するための情報を送信する。
【0112】
また、通信システムは、通信装置に相当するマッチング装置100と、物件情報を送信する一の通信装置に相当する通信装置200と、基地局情報を送信する他の通信装置に相当する通信装置300とを備える。
【0113】
また、通信方法は、通信装置に相当するマッチング装置100によって実行される方法である。当該通信方法では、物件に関する物件情報および基地局に関する基地局情報を受信し、物件情報と、基地局情報とに基づいて、基地局の設置場所の候補となる候補物件を選択し、候補物件に関する候補物件情報を送信する。
【0114】
また、通信用プログラムは、コンピュータに所定の処理を実行させるためのプログラムである。当該通信用プログラムは、コンピュータに、物件に関する物件情報および基地局に関する基地局情報を受信する処理と、物件情報と、基地局情報とに基づいて、基地局の設置場所の候補となる候補物件を選択する処理と、候補物件に関する候補物件情報を送信する処理とを実行させる。
【0115】
このような構成によれば、マッチング装置100は、物件に関する情報に基づいて、基地局の設置場所の候補となる物件を適切に選択することができる。
【0116】
また、このような構成によれば、マッチング装置100は、基地局の設置場所の候補となる物件に関する情報をより適切に提供できる。なお、基地局の設置場所の候補となる物件に関する情報は、該当する物件に関する情報に相当する。
【0117】
また、このような構成によれば、マッチング装置100によって提供された該当する物件に関する情報に基づいて、基地局の設置を計画または希望する通信事業者は、基地局の設置場所を効率的にかつ早期に選択することができる。このため、基地局の設置場所の選択に要する時間やコストを抑えることができる。
【0118】
例えば、マッチング装置100は、通信事業者が基地局の設置可否を判断するために必要な情報を提供するので、基地局設置場所の現地調査に要する通信事業者の負担を軽減することができる。なお、通信事業者が基地局の設置可否を判断するために必要な情報は、例えば、該当する物件に関する情報である。
【0119】
また、このような構成によれば、通信事業者と物件の所有者との契約手続きがマッチング装置100を介して行われるので、通信事業者および物件の所有者の契約手続きを効率的に行うことができる。
【0120】
<第2の実施形態>
次に、第2の実施形態の通信装置10について、図面を参照して説明する。
【0121】
図9は、第2の実施形態の通信装置10の構成例を示すブロック図である。図9に示すように、通信装置10は、受信部11と、選択部12と、送信部13とを含む。
【0122】
通信装置10は、例えば、図1に示す第1の実施形態におけるマッチング装置100に相当する。この第2の実施形態における通信装置10の具体的な一例が、第1の実施形態におけるマッチング装置100である。
【0123】
受信部11は、例えば、図2に示す第1の実施形態における通信部120に相当する。
【0124】
選択部12は、例えば、図2に示す第1の実施形態におけるマッチング判定部130に相当する。
【0125】
送信部13は、例えば、図2に示す第1の実施形態における通信部120に相当する。
【0126】
受信部11は、物件に関する物件情報および基地局に関する基地局情報を受信する。なお、物件に関する物件情報は、第1の実施形態における物件に関する情報に相当する。また、基地局に関する基地局情報は、第1の実施形態における基地局に関する情報に相当する。
【0127】
選択部12は、物件情報と、基地局情報とに基づいて、基地局の設置場所の候補となる候補物件を選択する。基地局の設置場所の候補となる候補物件は、第1の実施形態における該当する物件に相当する。
【0128】
送信部13は、選択部12により選択された候補物件に関する候補物件情報を送信する。選択部12により選択された候補物件に関する候補物件情報は、第1の実施形態における該当する物件に関する情報に相当する。
【0129】
図10は、通信装置10が実行する処理を示すフローチャートである。
【0130】
通信装置10は、物件に関する物件情報および基地局に関する基地局情報を受信する(ステップS301)。
【0131】
通信装置10は、物件情報と、基地局情報とに基づいて、基地局の設置場所の候補となる候補物件を選択する(ステップS302)。
【0132】
通信装置10は、選択された候補物件に関する候補物件情報を送信する(ステップS303)。
【0133】
本実施形態によれば、通信装置10は、物件に関する物件情報および基地局に関する基地局情報を受信する。また、通信装置10は、物件情報と、基地局情報とに基づいて、基地局の設置場所の候補となる候補物件を選択する。通信装置10は、選択された候補物件に関する候補物件情報を送信する。
【0134】
したがって、通信装置10は、基地局の設置場所の候補となる物件に関する情報をより適切に提供できる。
【0135】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は、上記したそれぞれの実施形態に限定されるものではない。本発明は、各実施形態の変形、置換および調整に基づいて実施できる。また、本発明は、各実施形態を任意に組合せて実施することもできる。すなわち、本発明は、本明細書の全ての開示内容、技術的思想に従って実現できる各種変形、修正を含む。なお、各図面に付記した図面参照符号は、理解を助けるための一例として各要素に便宜上付記したものであり、本発明を図示の態様に限定することを意図するものではない。また、図面中の矢印の向きは、一例を示すものであり、ブロック間の信号の向きを限定するものではない。
【符号の説明】
【0136】
1 通信システム
10、200、300 通信装置
11 受信部
12 選択部
13 送信部
100 マッチング装置
110 記憶部
120、220、320 通信部
130 マッチング判定部
140 物件精査部
210、310 制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10