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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022178827
(43)【公開日】2022-12-02
(54)【発明の名称】現像装置および画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/08 20060101AFI20221125BHJP
【FI】
G03G15/08 224
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021085904
(22)【出願日】2021-05-21
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137752
【弁理士】
【氏名又は名称】亀井 岳行
(74)【代理人】
【識別番号】100085040
【弁理士】
【氏名又は名称】小泉 雅裕
(74)【代理人】
【識別番号】100108925
【弁理士】
【氏名又は名称】青谷 一雄
(74)【代理人】
【識別番号】100087343
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 智廣
(72)【発明者】
【氏名】浦山 健太
(72)【発明者】
【氏名】吉井 朋幸
(72)【発明者】
【氏名】尾崎 善史
(72)【発明者】
【氏名】玉澤 紀洋
【テーマコード(参考)】
2H077
【Fターム(参考)】
2H077AB02
2H077AB18
2H077AC02
2H077AD02
2H077AD06
2H077AD12
2H077AD18
2H077AE06
2H077EA03
(57)【要約】
【課題】磁性を有する現像剤を保持して現像領域を通過するよう回転する現像回転体の表面における現像剤の保持量を現像領域に至る前に第2調整部材で最終の調整するとき、第1搬送部材から現像回転体の表面に供給されて第2調整部材に達するまでの現像剤の量を安定させることができる現像装置等を提供する。
【解決手段】現像装置は、現像回転体と、第1搬送部材と、斜面を有する非磁性の移動補助部材と、移動補助部材から現像回転体への現像剤の移動量と現像回転体の表面に保持させる現像剤の保持量を調整する第1調整部材と、現像回転体の表面に保持されている現像剤の保持量を現像領域に至る前に調整する第2調整部材とを備え、移動補助部材の斜面と第1調整部材の対向面との最小の間隔J3と、第1調整部材の対向面と現像回転体の表面との最小の間隔J2と、第2調整部材と現像回転体の表面との最小の間隔J1とを、この順番で狭くしている。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁性を有する現像剤を保持して現像領域を通過するよう回転する現像回転体と、
前記現像回転体に供給する現像剤を回転して搬送する供給搬送部材と、
前記現像回転体と前記供給搬送部材との間に配置され、当該供給搬送部材から送られる現像剤を受けて当該現像回転体まで移動させる斜面を有する非磁性の移動補助部材と、
前記移動補助部材の斜面と前記現像回転体の当該移動補助部材を通過した表面部分とにそれぞれ間隔をおいて対向する対向面を有し、当該移動補助部材から当該現像回転体への現像剤の移動量と当該現像回転体の表面に保持させる現像剤の保持量を調整する第1調整部材と、
前記現像回転体の前記第1調整部材を通過した表面部分に間隔をおいて配置され、前記現像回転体の表面に保持されている現像剤の保持量を前記現像領域に至る前に調整する第2調整部材と、
を備え、
前記移動補助部材の斜面と前記第1調整部材の対向面との最小の間隔と、前記第1調整部材の対向面と前記現像回転体の表面との最小の間隔と、前記第2調整部材と前記現像回転体の表面との最小の間隔とを、この順番で狭くしている現像装置。
【請求項2】
前記移動補助部材の斜面と前記第1調整部材の対向面は、前記現像回転体に近づくにつれて接近して前記最小の間隔に至る部分を有する請求項1に記載の現像装置。
【請求項3】
前記移動補助部材の斜面は、前記現像回転体に近い部分の傾斜が前記近い部分に至る前の残り部分の傾斜よりも緩められている請求項1又は2に記載の現像装置。
【請求項4】
前記第1調整部材の対向面は、前記移動補助部材の斜面と前記現像剤回転体の表面にむけて凸になる曲面で構成されている請求項1又は2に記載の現像装置。
【請求項5】
前記第1調整部材が、円柱の部材で構成されている請求項1又は4に記載の現像装置。
【請求項6】
前記第1調整部材が、前記移動補助部材の対向面の次に前記現像剤回転体の表面を通過する方向に回転駆動する請求項5に記載の現像装置。
【請求項7】
前記第2調整部材の前記現像回転体との前記最小の間隔をなす部分と前記第1調整部材の対向面との最小の間隔を、前記第1調整部材の対向面と前記現像回転体の表面との最小の間隔よりも広くしている請求項1乃至6のいずれか1項に記載の現像装置。
【請求項8】
前記第2調整部材の前記現像回転体の表面と向き合う面とは反対側の面は、前記第1調整部材との間隔が次第に広くなる形状で構成されている請求項7に記載の現像装置。
【請求項9】
前記現像回転体は、回転する円筒部材と、前記円筒部材の内側に配置される複数の磁極を有する磁石部材とで構成されており、前記磁極のうち現像剤を前記円筒部材の表面に磁力で保持させるピックアップ磁極を有し、前記ピックアップ磁極の磁力線のピークが前記移動補助部材の斜面の終端部よりも当該現像回転体の回転方向上流側にずれた位置になるよう構成されている請求項1乃至8のいずれか1項に記載の現像装置。
【請求項10】
潜像が保持される潜像保持体と、前記潜像保持体の潜像を現像領域において現像剤で現像する現像装置と、を備え、
前記現像装置が請求項1乃至9のいずれか1項に記載の現像装置で構成されている画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、現像装置および画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、二成分現像剤を担持して搬送する現像剤担持体と、現像剤担持体に担持されて搬送される現像剤の量を規制する第1規制部材と、第1規制部材により掻き落とされた現像剤を収容する現像剤収容部と、現像剤収容部に隣接して現像剤担持体にトナーを供給するトナー供給開口部とを備え、現像剤収容部は、第1規制部材よりも現像剤担持体上の現像剤の搬送方向上流側に配設された第2規制部材を有し、第2規制部材は、現像剤担持体上の現像剤のトナー濃度が上昇し、現像剤の層厚が増加した場合に現像剤の増加分の通過を規制すべく現像剤担持体との間隙が設定されており、第2規制部材の長手方向中央部を除いて第2規制部材の端部に現像剤収容部内に突出するように非磁性部材からなる補助部材が設けられている現像装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4344202号公報(請求項1,図1など)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この発明は、磁性を有する現像剤を保持して現像領域を通過するよう回転する現像回転体の表面における現像剤の保持量を現像領域に至る前に第2調整部材で最終の調整をするとき、供給搬送部材から現像回転体の表面に供給されて第2調整部材に達するまでの現像剤の量を、移動補助部材から現像回転体への現像剤の移動量と現像回転体の表面に保持させる現像剤の保持量を調整する第1調整部材を設けたうえで、移動補助部材の斜面と第1調整部材の対向面との最小の間隔と、第1調整部材の対向面と現像回転体の表面との最小の間隔と、第2調整部材と現像回転体の表面との最小の間隔とを、この順番で狭くしていない場合に比べて、安定させることができる現像装置および画像形成装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明(1)は、
磁性を有する現像剤を保持して現像領域を通過するよう回転する現像回転体と、
前記現像回転体に供給する現像剤を回転して搬送する供給搬送部材と、
前記現像回転体と前記供給搬送部材との間に配置され、当該供給搬送部材から送られる現像剤を受けて当該現像回転体まで移動させる斜面を有する非磁性の移動補助部材と、
前記移動補助部材の斜面と前記現像回転体の当該移動補助部材を通過した表面部分とにそれぞれ間隔をおいて対向する対向面を有し、当該移動補助部材から当該現像回転体への現像剤の移動量と当該現像回転体の表面に保持させる現像剤の保持量を調整する第1調整部材と、
前記現像回転体の前記第1調整部材を通過した表面部分に間隔をおいて配置され、前記現像回転体の表面に保持されている現像剤の保持量を前記現像領域に至る前に調整する第2調整部材と、
を備え、
前記移動補助部材の斜面と前記第1調整部材の対向面との最小の間隔と、前記第1調整部材の対向面と前記現像回転体の表面との最小の間隔と、前記第2調整部材と前記現像回転体の表面との最小の間隔とを、この順番で狭くしている現像装置である。
【0006】
この発明(2)は、上記発明(1)の現像装置において、前記移動補助部材の斜面と前記第1調整部材の対向面は、前記現像回転体に近づくにつれて接近して前記最小の間隔に至る部分を有する現像装置である。
この発明(3)は、上記発明(1)又は(2)の現像装置において、前記移動補助部材の斜面は、前記現像回転体に近い部分の傾斜が前記近い部分に至る前の残り部分の傾斜よりも緩められている現像装置である。
この発明(4)は、上記発明(1)又は(2)の現像装置において、前記第1調整部材の対向面は、前記移動補助部材の斜面と前記現像剤回転体の表面にむけて凸になる曲面で構成されている現像装置である。
【0007】
この発明(5)は、上記発明(1)又は(4)の現像装置において、前記第1調整部材が、円柱の部材で構成されている現像装置である。
この発明(6)は、上記発明(5)の現像装置において、前記第1調整部材が、前記移動補助部材の対向面の次に前記現像剤回転体の表面を通過する方向に回転駆動する現像装置である。
【0008】
この発明(7)は、上記発明(1)から(6)のいずれかの現像装置において、前記第2調整部材の前記現像回転体との前記最小の間隔をなす部分と前記第1調整部材の対向面との最小の間隔を、前記第1調整部材の対向面と前記現像回転体の表面との最小の間隔よりも広くしている現像装置である。
この発明(8)は、上記発明(7)の現像装置において、前記第2調整部材の前記現像回転体の表面と向き合う面とは反対側の面は、前記第1調整部材との間隔が次第に広くなる形状で構成されている現像装置である。
この発明(9)は、上記発明(1)から(8)のいずれかの現像装置において、前記現像回転体は、回転する円筒部材と、前記円筒部材の内側に配置される複数の磁極を有する磁石部材とで構成されており、前記磁極のうち現像剤を前記円筒部材の表面に磁力で保持させるピックアップ磁極を有し、前記ピックアップ磁極の磁力線のピークが前記移動補助部材の斜面の終端部よりも当該現像回転体の回転方向上流側にずれた位置になるよう構成されている現像装置である。
【0009】
この発明(10)は、潜像が保持される潜像保持体と、前記潜像保持体の潜像を現像剤で現像する現像装置とを備え、前記現像装置が上記発明(1)から(9)のいずれかに記載の現像装置で構成されている画像形成装置である。
【発明の効果】
【0010】
上記発明(1)によれば、磁性を有する現像剤を保持して現像領域を通過するよう回転する現像回転体の表面における現像剤の保持量を現像領域に至る前に第2調整部材で最終の調整をするとき、供給搬送部材から現像回転体の表面に供給されて第2調整部材に達するまでの現像剤の量を、移動補助部材から現像回転体への現像剤の移動量と現像回転体の表面に保持させる現像剤の保持量を調整する第1調整部材を設けたうえで、移動補助部材の斜面と第1調整部材の対向面との最小の間隔と、第1調整部材の対向面と現像回転体の表面との最小の間隔と、第2調整部材と現像回転体の表面との最小の間隔とを、この順番で狭くしていない場合に比べて、安定させることができる。
【0011】
上記発明(2)によれば、移動補助部材の斜面と第1調整部材の対向面が、互いの間隔が現像回転体に近づくにつれて接近して最小の間隔に至る部分を有しない場合に比べて、現像回転体に移動させるときの現像剤にかかるストレスを減らしつつ現像剤の移動量を調整しやすくなる。
上記発明(3)によれば、移動補助部材の斜面の現像回転体に近い部分の傾斜がその近い部分に至る前の残り部分の傾斜よりも緩められていない場合に比べて、現像回転体に移動させるときの現像剤にかかるストレスをより減らすことができる。
上記発明(4)によれば、第1調整部材の対向面が、移動補助部材の斜面と現像剤回転体の表面にむけて凸になる曲面で構成されていない場合に比べて、現像回転体に移動させるときの現像剤にかかるストレスを減らしつつ現像剤を現像回転体まで円滑に移動させることができる。
【0012】
上記発明(5)によれば、第1調整部材が円柱の形状で構成されていない場合に比べて、現像剤の移動量と保持量を調整しやすくなる。
上記発明(6)によれば、移動補助部材が左記の方向に回転駆動しない場合に比べて、現像剤の移動を促進させることができる。
【0013】
上記発明(7)によれば、第2調整部材の現像回転体との最小の間隔をなす部分と第1調整部材の対向面との最小の間隔が、第1調整部材の対向面と現像回転体の表面との最小の間隔よりも広くない場合に比べて、第2調整部材の通過時に発生する余剰の現像剤を現像回転体から離す側に移動させやすくなる。
上記発明(8)によれば、第2調整部材の現像回転体の表面と向き合う面とは反対側の面が、第1調整部材との間隔が次第に広くなる形状で構成されていない場合に比べて、第2調整部材の通過時に発生する余剰の現像剤を現像回転体から離す側にストレスがかかることを減らして移動させやすくなる。
上記発明(9)によれば、ピックアップ磁極の磁力線のピークが移動補助部材の斜面の終端部よりも現像回転体の回転方向上流側にずれた位置になるよう配置されていない場合に比べて、移動補助部材の斜面と第1調整部材の対向面との間の隙間空間を移動する現像剤を現像回転体に移動させて保持させやすくなる。
【0014】
上記発明(10)の画像形成装置によれば、現像装置において磁性を有する現像剤を保持して現像領域を通過するよう回転する現像回転体の表面における現像剤の保持量を現像領域に至る前に第2調整部材で調整するとき、供給搬送部材から現像回転体の表面に供給されて第2調整部材に達するまでの現像剤の量を安定させることができ、第2調整部材に達するまでの現像剤の量が不安定になることに起因した白抜けすじ等の画質不良が発生することを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】第1の実施の形態に係る画像形成装置の概要図である。
図2】第1の実施の形態に係る現像装置の概要図である。
図3図2の現像装置のIII-III線に沿う一部断面図である。
図4】現像装置の筐体上部等を取り除いた状態の概要図である。
図5】現像装置の一部とその作動時の状態の概要図である。
図6】現像装置の一部の概要図である。
図7】移動補助部材の変形例の概要図である。
図8】第2の実施の形態に係る現像装置の概要図である。
図9図6の現像装置の一部の概要図である。
図10図6の現像装置の筐体上部を取り除いた状態の概要図である。
図11図6の現像装置の一部とその作動時の状態の概要図である。
図12図6の現像装置の一部の概要図である。
図13】第3の実施の形態に係る現像装置の概要図である。
図14図13の現像装置の一部とその作動時の状態の概要図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、この発明を実施するための形態について図面を参照しながら説明する。
【0017】
第1の実施の形態.
図1は、この発明の第1の実施の形態に係る現像装置6Aを用いた画像形成装置1が示された図面である。
図1等の各図面中に符号X,Y,Zで示す矢印は、左右の方向(水平方向)、上下の方向(垂直方向)および前後の方向(水平方向)をそれぞれ示す。また図面中においてX,Yの方向の矢印が交わる部分の丸印は、Zの方向が図面(紙面)の鉛直下方に向いていることを示している。
【0018】
<画像形成装置>
【0019】
画像形成装置1は、図1に示されるように、所要の外観形状からなる筐体10の内部空間に、画像情報に基づいて現像剤としてのトナーで構成されるトナー像を形成して記録媒体の一例である記録用紙9に転写する像形成装置2と、像形成装置2の転写を行う位置に供給すべき記録用紙9を収容して供給する給紙装置4と、像形成装置2で転写されたトナー像を記録用紙9に定着させる定着装置5と、図示しない制御手段等を備えている。
図1における一点鎖線は、筐体10内で記録用紙9が搬送されるときの主な搬送経路を示している。
【0020】
像形成装置2は、潜像が形成されて保持される潜像保持体の一例である感光ドラム21を有し、その感光ドラム21の周囲に、帯電装置22、露光装置23、現像装置6A、転写装置25、清掃装置26等の機器を配置して構成されている。
【0021】
このうち、感光ドラム21は、奥行方向Zに沿って延びる図示しない回転軸線の周りを矢印Aで示す方向に回転するドラム形態の感光体である。帯電装置22は、感光ドラム21の外周面(像形成面)を所要の表面電位に帯電させる装置である。この帯電装置22は、例えば感光ドラム21の外周面の像形成域に接触させるとともに帯電電流が供給されるロール等の帯電部材を備えて構成されている。露光装置23は、感光ドラム21の帯電後の外周面に画像情報に基づく露光をして静電潜像を形成する装置である。
【0022】
また、現像装置6Aは、感光ドラム21の外周面に形成された静電潜像を対応する所定の色(例えばブラック)の現像剤(トナー)により現像して可視像の一例であるトナー像にする装置である。現像装置6Aの詳細については後述する。
転写装置25は、感光ドラム21の外周面に形成されたトナー像を記録用紙9に静電的に転写させる装置である。この転写装置25は、感光ドラム21の外周面に接触するとともに転写電流が供給されるロール等の転写部材を備えて構成されている。清掃装置26は、感光ドラム21の外周面に付着する不要なトナー、紙粉等の不要物をかき取るように除去して感光ドラム21の外周面を清掃する装置である。
像形成装置2では、感光ドラム21と転写装置25が対向する各部位がトナー像の転写を行う転写位置TPになる。
【0023】
給紙装置4は、像形成装置2の下方側の位置に配置されている。給紙装置4は、記録用紙9を収容する収容体41と、記録用紙9を1枚ずつ送り出す送出装置43等の機器を配置して構成されている。
記録用紙9は、筐体10内での搬送が可能であってトナー像の転写および定着が可能な普通紙、コート紙、厚紙等の媒体であればよく、その材質、形態等については特に制約されるものでない。記録用紙9等に代表される記録媒体は、筐体10内の搬送が可能であってトナー像の転写および定着が可能なものであればよい。
【0024】
定着装置5は、像形成装置2の転写位置TPの上方側の位置に配置されている。定着装置5は、記録用紙9の導入口や排出口が形成された筐体50の内部空間に、加熱用回転体51、加圧用回転体52等の機器を配置して構成されている。
この定着装置5では、加熱用回転体51と加圧用回転体52が互いにほぼ水平の状態で接触するよう配置されている。また、定着装置5では、加熱用回転体51と加圧用回転体52が接触する部位が、未定着像のトナー像を記録用紙9に定着するための加熱、加圧等の処理をする定着処理部(ニップ部)FNとして構成されている。
【0025】
筐体10内における記録用紙9の主な搬送経路は、記録用紙9を挟持して搬送する複数の搬送ロール45a,45b,45cや、記録用紙9の搬送空間を確保して記録用紙9の搬送を案内する図示しない複数の案内部材等を配置して構成されている。
【0026】
そして、画像形成装置1では、画像を形成する動作の指令を図示しない制御手段が受けると、像形成装置2において帯電動作、露光動作、現像動作および転写動作が実行され、その一方で、給紙装置4から転写位置TPへの記録用紙9の給紙動作が実行される。
これにより、感光ドラム21上にトナー像が形成された後、そのトナー像が給紙装置4から転写位置TPに供給された記録用紙9に転写される。
【0027】
続いて、画像形成装置1Aでは、定着装置5において、トナー像が転写された記録用紙9がニップ部FNに導入されて定着動作が実行される。
これにより、未定着のトナー像が記録用紙9に定着される。
この定着が終了した後の記録用紙9は、例えば搬送ロール45b,45cにより搬送された後、筐体10の上面部に設けられた排出収容部12に排出されて収容される。
以上により、記録用紙9の片面にトナーからなる画像が形成される画像形成動作が完了する。
【0028】
<現像装置>
次に、第1の実施の形態に係る現像装置6Aについて詳細に説明する。
【0029】
現像装置6Aは、図2に示されるように、上方が開口した容器状の下部60aと下部60aの上方を閉じる蓋状の上部60bとからなる筐体60を有している。筐体60は、現像用の開口部61と磁性を有する現像剤8を収容する収容部62が設けられている。磁性を有する現像剤8としては、例えば、非磁性トナーと磁性キャリアを含む二成分現像剤が使用される。
【0030】
開口部61は、感光ドラム21の回転軸線に沿って延びる部分で潜像の現像が行われる現像領域Edと対向する奥行方向Zに長い長方形状の開口であり、その内部側で収容部62とつながっている。筐体60における開口部61の内側の下部60aには、現像剤8を保持して現像領域Edを通過するように回転する現像回転体の一例である現像ロール71が回転可能に配置されている。
【0031】
現像ロール71は、現像剤8を保持して回転する円筒部材の一例である現像スリーブ71aと、現像スリーブ71aの内部空間に固定して配置される磁石部材の一例である磁石ロール71bとで構成されている。
現像スリーブ71aは、非磁性の材料で構成されている。また、現像スリーブ71aは、図3に示されるように、その両端の軸部71c,71dが収容部62の左右の側壁部62c、62dか又は併設する図示しない支持フレームに回転可能に取り付けられており、図示しない回転駆動装置の回転動力が伝達されて矢印Bで示す方向に回転駆動する。さらに、現像スリーブ71aは、感光ドラム21との間に図示しない給電装置から現像バイアスが供給される。磁石ロール71bは、現像スリーブ71aの表面に現像剤8の吸着(ピックアップ)、保持搬送、剥離等の各機能を発揮させる磁力を発生する複数の磁極が配置されている。図6における符号N1はピックアップ極、S1はトリマー極、N2は搬送極、S2は現像極、S3,N3は剥離極を示す。
【0032】
収容部62は、図2から図4に示されるように、現像ロール71に供給する現像剤8が搬送される第1搬送路63と、第1搬送路63に送る現像剤8が搬送される第2搬送路64が設けられている。
第1搬送路63と第2搬送路64は、現像ロール71とほぼ平行して延びる溝形状からなる部分である。また、第1搬送路63と第2搬送路64は、上下に配置されて両者の間に設けられた仕切り部分65で仕切られている一方で、両者の搬送方向の下流側および上流側における両端の手前部に貫通して設けられた第1接続部67および第2接続部68にて互いがつながるよう接続されている。これにより、第1搬送路63と第2搬送路64は、その各搬送路で搬送される現像剤8が第1接続部67および第2接続部68において反対の搬送路にそれぞれ移動して受け渡されるようになり、現像剤8が循環して搬送される循環搬送路として構成されている。
【0033】
第1搬送路63内には、現像剤8を撹拌しながら第1搬送方向D1に順搬送する第1搬送部材の一例としての第1スクリューオーガ72が配置されている。また、この実施の形態における第1スクリューオーガ72は、現像ロール71に供給する現像剤8を回転して搬送する供給搬送部材の一例として兼用される。
第1スクリューオーガ72は、第1搬送路63内で回転するよう配置される丸棒状の回転軸72aに、現像剤8を第1搬送方向D1に順搬送する順搬送羽根72bが所定の高さ、傾斜角およびピッチで螺旋状に巻き付くよう設けられている。また、第1スクリューオーガ72は、回転軸72aのうち第1接続部67と隣り合う部分でかつ第1搬送方向D1下流側の端部に、第1搬送方向D1と逆方向に逆搬送する逆搬送羽根72cが順搬送羽根72bの巻き方向とは逆の方向に螺旋状に巻き付くよう設けられている。さらに、この実施の形態における第1スクリューオーガ72は、その最上部が重力方向に沿う上下方向において現像ロール71の最上部よりも高い位置になるよう配置されている。
【0034】
第2搬送路64内には、現像剤8を撹拌しながら第2搬送方向D2に順搬送する第2搬送部材の一例としての第2スクリューオーガ73が配置されている。
第2スクリューオーガ73は、第2搬送路64内で回転するよう配置される丸棒状の回転軸73aに、現像剤8を第2搬送方向D2に順搬送する順搬送羽根73bが所定の高さ、傾斜角およびピッチで螺旋状に巻き付くよう設けられている。また、第2スクリューオーガ73は、回転軸73aのうち第2接続部68と隣り合う部分に、現像剤8を持ち上げるようにして第1搬送路63に送る板状の搬送羽根73cが複数枚設けられている。さらに、第2スクリューオーガ73は、回転軸73aのうち第2搬送方向D2下流側の端部に、第2搬送方向D2と逆方向に逆搬送する逆搬送羽根73dが順搬送羽根73bの巻き方向とは逆の方向に螺旋状に巻き付くよう設けられている。
【0035】
第1スクリューオーガ72と第2スクリューオーガ73は、収容部62の左右の側壁部62c、62dか又は併設する図示しない支持フレームに回転可能に取り付けられている。また、第1スクリューオーガ72と第2スクリューオーガ73は、現像ロール71の現像スリーブ71aに伝達される回転動力が図示しないギア列機構を介して分配されるようになっており、これにより所要の方向、例えば図2に示される矢印の方向に所要の速度でそれぞれ回転する。
【0036】
また、現像装置6Aは、図2図4に示されるように、収容部62に板状のトリマー74と、移動補助部材75と、第1調整部材76Aが配置されている。
【0037】
板状のトリマー74は、現像ロール71に保持される現像剤8の量(層厚)を現像領域Edに至る前に最終的に調整する第2調整部材の一例である。
板状のトリマー74は、図4図5に示されるように、現像スリーブ71aの回転軸線の方向に沿って細長い板状の非磁性の部材である。また、板状のトリマー74は、下端部が先細りの形状の先端74aを有する端部になっており、筐体60の開口部61とは反対側の面が現像剤を第1スクリューオーガ72の側に移動させるよう誘導する曲面からなる誘導面74bになっている。
【0038】
この板状のトリマー74は、筐体60の上部60bのうち開口部61に近い部分に配置されている。また、板状のトリマー74は、図6に示されるように、先細り形状の先端74aが現像ロール71(の現像スリーブ71a)の表面である外周面に対して所定の最小の間隔J3をあけた状態でかつ現像スリーブ71aの回転軸線の方向に沿って対向する状態で、筐体60の下部60a若しくは上部60bか又は併設する図示しない支持フレームにおける所定の部位に取り付けられている。
【0039】
移動補助部材75は、現像ロール71と第1スクリューオーガ72の間に配置され、第1スクリューオーガ72から送られる現像剤8を受けて現像ロール71まで移動させる斜面75aを有する非磁性の部材である。
【0040】
移動補助部材75は、図4図5に示されるように、現像スリーブ71aの回転軸線の方向に沿って延びる板状の非磁性の部材である。
この移動補助部材75は、上端部に斜面75aが設けられている。斜面75aは、現像スリーブ71aにむけて下り勾配になって現像剤8が自重で滑り落ちることが可能になる程度の傾斜角からなる面である。さらに、移動補助部材75は、第1スクリューオーガ72側の側面部75bが上端部から重力方向にほぼ沿って第2スクリューオーガ73の上部に接近する位置まで垂下する壁面になっており、現像ロール71側の側面部75cが上端部から重力方向にほぼ沿って現像ロール71の下部に至る位置までほぼ垂下する壁面になっている。
【0041】
また、移動補助部材75は、例えば、斜面75aが現像ロール71の回転中心点と第1スクリューオーガ72の回転中心点を結ぶ仮想直線よりも上方に存在するよう配置される。さらに、移動補助部材75は、図4図6に示されるように、第1スクリューオーガ72との最小の間隔J6と、現像ロール71との最小の間隔J7が所定の値になる状態で、筐体60の下部60a若しくは上部60bか又は併設する図示しない支持フレームにおける所定の部位に取り付けられている。
【0042】
第1調整部材76Aは、移動補助部材75から現像ロール71への現像剤8の移動量と現像ロール71の表面に保持させる現像剤8の保持量を調整する非磁性の部材であって、移動補助部材75の斜面75aと現像ロール71の移動補助部材75を通過した表面部分とにそれぞれ間隔をおいて対向する対向面76aを有する部材である。
【0043】
この実施の形態における第1調整部材76Aは、円柱の棒部材の一部を平面で切り欠いた形状の部材を使用している。このため、第1調整部材76Aは、長手方向の両端面を除いて、円柱の外周面からなる曲面部とその曲面部以外の平面部76bとを有する形状になっている。
第1調整部材76Aは、曲面部を移動補助部材75の斜面75aと現像ロール71の表面にむけて凸になる曲面からなる対向面76aとして利用している。また、第1調整部材76Aは、図4図6に示されるように、対向面76aの移動補助部材75の斜面75aに対する最小の間隔J1と、対向面76aの現像ロール71に対する最小の間隔J2が所定の値になる状態で、筐体60の下部60a若しくは上部60bか又は併設する図示しない支持フレームにおける所定の部位に取り付けられている。また、第1調整部材76Aは、第1スクリューオーガ72との最小の間隔J5が所定の値になる状態になるよう配置されている。
【0044】
そして、この現像装置6Aでは、図5に示されるように、移動補助部材75の斜面75aと第1調整部材76Aの対向面76aとの間に現像剤8を通過させる第1の隙間空間E1が形成され、第1調整部材76Aの対向面76aと現像スリーブ71aの表面との間に現像剤8を通過させる第2の隙間空間E2が形成され、板状のトリマー74の先端74aと現像スリーブ71aの表面との間に現像剤8を通過させる第3の隙間空間E3が形成されている。
また、現像装置6Aでは、第1調整部材76Aの対向面76aと板状のトリマー74の誘導面74bとの間に第4の隙間空間E4が形成され、第1スクリューオーガ72と移動補助部材75の側面部75bとの間に第5の隙間空間E5が形成されている。第5の隙間空間E5は、第1スクリューオーガ72と第1搬送路63との間の隙間空間にほぼ相当する。
【0045】
この現像装置6Aは、次のように作動する。
【0046】
現像装置6Aは、現像動作が行われる等の時期になると、図2に示されるように、現像ロール71の現像スリーブ71aが矢印Bで示される方向に回転始動するとともに、第1スクリューオーガ72と第2スクリューオーガ73が各矢印で示される方向にそれぞれ回転始動する。
【0047】
これにより、第2搬送路64においては、図2図3に示されるように、現像剤8が回転する第2スクリューオーガ73の螺旋状の順搬送羽根73bにより撹拌されながら第2搬送方向D2に順搬送される。この際、二成分現像剤である現像剤8のトナーは、キャリアにより所要の極性(例えばマイナス極性)に摩擦帯電される。また、第2搬送路64の第2搬送方向D2の下流側に順搬送された現像剤8は、図3に破線の矢印D3で例示されるように、第2接続部68において螺旋状の逆搬送羽根73dによる逆搬送力も受けつつ板状の搬送羽根73cによる搬送力により第1搬送路63側に持ち上げられるように送られる。
【0048】
また、第1搬送路63においては、図3図4に示されるように、現像剤8が矢印Cの方向に回転する第1スクリューオーガ72の螺旋状の順搬送羽根72bにより撹拌されながら第1搬送方向D1に順搬送される。
この際、図6に示されるように、第1スクリューオーガ72で順搬送される現像剤8の一部が現像剤8aとして、矢印Cの方向に回転移動する螺旋状の順搬送羽根72bの作用により第1搬送路63を乗り越えて現像ロール71側に送られる。
【0049】
第1スクリューオーガ72から送り出された現像剤8aは、図5に示されるように、移動補助部材75の斜面75aと第1調整部材76Aの対向面76aとの間における第1の隙間空間E1に入り込む。この際、第1の隙間空間E1に入り込まない現像剤8は、第1搬送路63内で再び第1スクリューオーガ72により順搬送され、またその一部が再び第1搬送路63から送り出される。
【0050】
続いて、第1の隙間空間E1に入り込んだ現像剤8bは、図5に示されるように、通過する量が制限されながら移動補助部材75の斜面75aを滑るように移動し、その通過した分だけが現像ロール71の現像スリーブ71aの外周面に達して磁石ロール71bからの磁力等により穂立ち状の磁気ブラシを形成して保持される。厳密には、現像剤8bは、現像スリーブ71aの外周面に達する前から磁石ロール71bからの磁力を受けて現像スリーブ71aの表面に引き寄せられる状態におかれる。
これにより、現像ロール71に移動する現像剤8aの移動量が調整される。
【0051】
続いて、現像スリーブ71aの外周面に供給されて保持された現像剤8cは、図5に示されるように、現像スリーブ71aの矢印Bの方向への回転等により搬送されて第1調整部材76と現像スリーブ71aの外周面との間における第2の隙間空間E2を通過する。この際、現像剤8cは、第2の隙間空間E2により通過する量が制限されながら移動する。これにより、現像スリーブ71aの外周面に保持される現像剤8cの保持量が一度調整される。
【0052】
また、現像スリーブ71aの外周面に保持されて第1調整部材76を通過した現像剤8cは、板状のトリマー74との間における第3の隙間空間E3を通過する。この際、現像剤8cは、その保持量が一度調整された状態で第3の隙間空間E3により通過する量がもう一度制限されながら移動する。これにより、現像スリーブ71aの外周面に保持される現像剤8dの保持量が最終的に調整される。
【0053】
続いて、トリマー74下を通過して保持量が最終調整された現像剤8dは、現像スリーブ71aの矢印Bの方向への回転等により感光ドラム21における現像領域Edに到達して通過するよう搬送させられる。
現像領域Edでは、現像剤8dのトナーが、現像バイアスの供給により感光ドラム21との間で形成される現像電界により往復移動させられ、その一部のトナーが感光ドラム21上の潜像部分に静電気力で付着して潜像の現像に供される。
またこのとき現像に使用されない現像剤の一部8eは、現像領域Edを通過した後、収容部62内において剥離極S3,N3による反発磁界の磁力を受けて現像スリーブ71aから剥離されて第2搬送路64に戻される。
【0054】
また、第1調整部材76を通過した現像剤8cのうち現像スリーブ71aの外周面と板状のトリマー74との間における第3の隙間空間E3を通過できない余剰の現像剤8fは、図5に示されるように、第1調整部材76Aの対向面76aと板状のトリマー74の誘導面74bとの間における第4の隙間空間S4に送られるよう移動させられる。
この際、現像剤8fは、トリマー74の誘導面74bにより第1スクリューオーガ72のある側に還流されるよう移動させられる。またこの際、現像剤8fの一部は、第1調整部材76の第1スクリューオーガ72にむけて下り勾配をなすように傾斜する平面部76bを滑って第1調整部材76と第1スクリューオーガ72の間の空間部に戻されるよう移動する。
【0055】
ところで、この現像装置6Aにおいては、例えば、第1調整部材76Aを配置しない場合、第1スクリューオーガ72から現像ロール71に現像剤8を供給することができるが、現像ロール71のうち板状のトリマー74よりも現像スリーブ71aの矢印Bの回転方向上流側の部分に供給される現像剤8の量が不安定になり、またその上流側の部分に滞留する現像剤8の量が多くなることがある。
この結果、現像領域Edに供給される現像剤8の量が不安定になることや、その滞留により現像剤8にストレスがかかりやすくなることがあり、現像されたトナー像からなる画像に記録用紙9の搬送方向に沿う白抜けのすじ等の画質不良が発生することがある。
【0056】
<現像装置の詳細な構成>
そこで、この現像装置6Aでは、図2から図6に示されるように、第1調整部材76Aを設けたうえで、移動補助部材75の斜面75aと第1調整部材76Aの対向面76aとの最小の間隔J1と、第1調整部材76Aの対向面76aと現像ロール71の表面との最小の間隔J2と、板状のトリマー74との表面と現像ロール71の最小の間隔J3とを、この順番で狭くした構成を採用している。
【0057】
この3つの最小の間隔J1, J2,J3の大小関係(J1>J2>J3)は、例えば、最小の間隔J3を最初に設定した後に、残りの最小の間隔J1, J2をそれぞれ設定することで成立させればよい。
また、3つの最小の間隔J1, J2,J3の大小関係(J1>J2>J3)は、例えば、最小の間隔J3をKという値に設定した場合、最小の間隔J2を2K~5Kの範囲内の値に設定し、最小の間隔J1を5K~12Kの範囲内の値に設定すればよい。
【0058】
ちなみに、この現像装置6Aにおいては、第1調整部材76Aと第1スクリューオーガ72との最小の間隔J5は、移動補助部材75の斜面75aと第1調整部材76Aの対向面76aとの最小の間隔J1よりも大きい値に設定している(J5>J1)。また、移動補助部材75と第1スクリューオーガ72との最小の間隔J6は、上記最小の間隔J5よりも小さい値に設定している(J6<J5)。さらに、移動補助部材75の側面部75cと現像ロール71との最小の間隔J7は、第1調整部材76の対向面76aと現像ロール71の表面との最小の間隔J2よりも小さい値に設定している(J7<J2)。
【0059】
そして、現像装置6Aでは、第1調整部材76Aを設けたうえで、上記3つの最小の間隔J1, J2,J3がJ1>J2>J3という大小関係を満たすように構成しているので、このように構成していない場合に比べると、第1スクリューオーガ72から現像ロール71の外周面に供給されて板状のトリマー74に達するまでの現像剤8の量が安定するようになる。
【0060】
つまり、この現像装置6Aでは、最初に、第1スクリューオーガ72から送られる現像剤8aが移動補助部材75の斜面75aと第1調整部材76Aの対向面76aとの間における第1の隙間空間E1を通過させることにより現像ロール71の外周面に供給される現像剤8aの量が調整される。
続いてこの現像装置6Aでは、その第1の隙間空間E1の最小の間隔J1よりも狭い最小の間隔J2に設定される、第1調整部材76Aの対向面76aと現像ロール71の外周面との間における第2の隙間空間E2を通過させられる。
このことによって、第1スクリューオーガ72から送り出された後に現像ロール71の外周面に保持されてトリマー74に達するときの現像剤8は、その保持量が調整された状態でトリマー74に供給される。
【0061】
また、この現像装置6Aを用いた画像形成装置1では、現像装置6Aにおいてトリマー74に達するまでの現像剤8の量が不安定になることに起因した白抜けすじ等の画質不良が発生することが抑制される。
【0062】
この他、現像装置6Aでは、図5等に示されるように、移動補助部材75の斜面75aと第1調整部材76Aの対向面76aが現像ロール71に近づくにつれて接近して上記最小の間隔J1に至る部分を有している。
このため、この現像装置6Aによれば、その斜面75aと対向面76aがそのような部分を有していない場合に比べると、上記第1の隙間空間E1を現像ロール71に移動させるときの現像剤8aが徒に滞留することがなく、その移動させるときの現像剤8aにかかる物理的なストレスを減らしつつ現像剤8の現像ロール71に対する移動量を調整しやすくなる。
【0063】
また、現像装置6Aでは、図5等に示されるように、第1調整部材76Aの対向面76aが移動補助部材75の斜面75aと現像ロール71の外周面にむけて凸になる曲面で構成されている。
このため、この現像装置6Aによれば、対向面76aがそのような凸になる曲面で構成されていない場合に比べると、現像ロール71に移動させるときの現像剤8aに対向面76aを通過する際にかかるストレスを減らしつつ現像剤8を現像ロール71までスムーズに移動させることが可能になる。
【0064】
また、現像装置6Aでは、図5等に示されるように、トリマー74の現像ロール71との最小の間隔J4をなす部分である先端74aと第1調整部材76Aの対向面76aとの最小の間隔J4が、第1調整部材76の対向面76aと現像ロール71の外周面との最小の間隔J2よりも広くなるよう構成している(J4>J2)。
このため、この現像装置6Aによれば、最小の間隔J4と最小の間隔J2をそのような大小関係になるよう構成していない場合に比べて、トリマー74の通過時に発生する余剰の現像剤8fを現像ロール71から離す側になる第4の隙間空間E4に通過時の制限が少なく移動させやすくなる。
【0065】
さらに、現像装置6Aでは、図5等に示されるように、トリマー74の現像ロール71の外周面と向き合う面とは反対側の面である誘導面74bが第1調整部材76Aとの間隔が次第に広くなる曲面の形状で構成されている。
このため、この現像装置6Aによれば、トリマー74の誘導面74bが第1調整部材76Aとの間隔が次第に広くなる形状で構成されていない場合に比べて、トリマー74の通過時に発生する余剰の現像剤8fを現像ロール71から離す側になる第4の隙間空間E4に誘導面74bとの摺擦によるストレスがかかることを減らして移動させやすくなる。
【0066】
また、現像装置6Aでは、図5等に示されるように、現像ロール71における磁石ロール71bに配置したピックアップ磁極N1を有し、ピックアップ磁極N1の磁力線MLのピークMLpが移動補助部材75の斜面75aの終端部75aeよりも現像ロール71の回転方向Bの上流側にずれた位置になるよう構成されている。この磁力線MLのピークMLpは、磁束密度測定装置(クローバーエンジニアリング(株)製、MFD-04)等の測定器で測定される。
このため、この現像装置6Aによれば、そのピックアップ磁極N3,N3の磁力線MLのピークMLpが移動補助部材75の斜面75aの終端部75aeよりも現像ロール71の回転方向Bの上流側にずれた位置になるよう構成されていない場合に比べると、移動補助部材75の斜面75aと第1調整部材76Aの対向面76aとの間の第1の隙間空間E1を移動する現像剤8bを、移動補助部材75の斜面75aの終端部75aeから落下させることなく磁気ブラシによる搬送力を受けることにより現像ロール71に移動させて保持させやすくなる。
【0067】
なお、この現像装置6Aにおいては、図7に示されるように、移動補助部材75の斜面75aについて、その現像ロール71に近い部分である第2斜面75a2の傾斜がその近い部分に至る前の残り部分である第1斜面75a1の傾斜よりも緩めるよう構成してもよい。図7中の二点鎖線HLは水平線(面)を示す。
【0068】
このように構成した現像装置6Aでは、現像ロール71に近い部分である第2斜面75a2の傾斜がその近い部分に至る前の残り部分である第1斜面75a1の傾斜よりも緩められていない場合に比べて、現像ロール71に移動させるときの現像剤8bにかかるストレスを、傾斜が相対的に緩い第2斜面75a2の通過時において、第1斜面75a1の通過時よりも減らすことができる。
ちなみに、第1斜面75a1から移動して第2斜面75a2に達した現像剤8aは、傾斜が緩くなることで滑って移動する作用が弱まるが、現像ロール71に近いため磁石ロール71bからの磁力が及んで引き寄せられるようになることで、現像ロール71にむけて移動する。
【0069】
第2の実施の形態.
図8は、この発明の第2の実施の形態に係る現像装置6Bが示された図面である。
第2の実施の形態に係る現像装置6Bは、第1の実施の形態に係る現像装置6Aと対比した場合、第1スクリューオーガ72と第2スクリューオーガ73をほぼ水平に並んだ状態に配置するよう変更し、また第1調整部材76Aを第1調整部材76Bに変更し、さらに中継搬送ロール77、第2トリマー78、第3スクリューオーガ79等を追加して設けるよう変更した点で異なり、それ以外については同じ構成になっている。
このため以下の説明では、共通する構成部分については第1の実施の形態で用いた符号を同様に付して、その説明を必要な場合を除いて省略する。
【0070】
現像装置6Bでは、図8図9に示されるように、筐体60の下部60aにおける収容部62に第1搬送路63と第2搬送路64をほぼ水平に並んだ状態になるよう設けたうえで、その第1搬送路63に第1スクリューオーガ72を、その第2搬送路64に第2スクリューオーガ73をそれぞれ回転可能に配置している。
【0071】
また、現像装置6Bでは、図8図10図11等に示されるように、第1調整部材76Bとして、円柱の形状からなる非磁性の部材で構成されるものを適用している。この円柱形状からなる第1調整部材76Bは、例えば、その曲面からなる外周面のうち図11に両矢印の範囲で示す面部分が、移動補助部材75Bの斜面75aと現像ロール71の移動補助部材75を通過した表面部分とにそれぞれ間隔をおいて対向する対向面76aとして使用される。
【0072】
また、第1調整部材76Bは、第1の実施の形態における第1調整部材76Aと同様に、その外周面である対向面76aの移動補助部材75の斜面75aに対する最小の間隔J1と、その対向面76aの現像ロール71に対する最小の間隔J2が所定の値になる状態で、筐体60の下部60a若しくは上部60bか又は併設する図示しない支持フレームにおける所定の部位に取り付けられている。また、この第1調整部材76Bは、中継搬送ロール77との最小の間隔J5が所定の値になる状態になるよう配置されている。
【0073】
また、現像装置6Bでは、図8図10図11等に示されるように、現像ロール71に供給する現像剤8を搬送する供給う搬送体の他の例である中継搬送ロール77を設けている。中継搬送ロール77は、第1スクリューオーガ72の上方に所要の間隔をあけて配置され、第1スクリューオーガ72で順搬送される現像剤8の一部を保持した後に現像ロール71にむけて中継して搬送する部材である。
【0074】
中継搬送ロール77は、現像ロール71と似たものであり、現像剤8を保持して回転する円筒状の搬送スリーブ77aと、搬送スリーブ77aの内部空間に固定して配置される磁石ロール77bとで構成されている。
搬送スリーブ77aは、非磁性の材料で構成されている。また、搬送スリーブ77aは、現像ロール71又は第1スクリューオーガ72に伝達される回転動力が分配されるよう伝達されて矢印Cで示す方向に回転駆動する。磁石ロール77bは、搬送スリーブ77aの表面に現像剤8の吸着(ピックアップ)、保持搬送、剥離等の各機能を発揮させる磁力を発生する図示しない複数の磁極が配置されている。このうち剥離磁極は、磁石ロール77bのうち移動補助部材75Bの斜面75aと向き合う位置よりも少し上方の部分に配置されている。
【0075】
中継搬送ロール77は、その搬送スリーブ77aのうち第1スクリューオーガ72よりも回転方向Cの下流側になる部分に、搬送スリーブ77aに保持される現像剤8の量(層厚)を調整する部材の一例である板状の第2トリマー78が設けられている。
第2トリマー78は、その先細り形状の先端部78aが中継搬送ロール77(の搬送スリーブ77a)の外周面に所要の間隔をあけるとともに、搬送スリーブ77aの回転軸線の方向に平行して対向する状態で取り付けられている。
【0076】
移動補助部材75Bは、第1の実施の形態における移動補助部材75と同様に、中継搬送ロール77と現像ロール71のトリマー74よりも回転方向Bの上流側の部分との間に配置されて、中継搬送ロール77から送られる現像剤8を受けて現像ロール71まで移動させる斜面75aを有する非磁性の部材である。
第2の実施の形態における移動補助部材75Bは、中継搬送ロール77と対向する側の側面部75bの下方に、第1スクリューオーガ72の配置空間を確保するため現像ロール71側にむけて切り欠いて窪んだ側面下部75dが形成されている。また、この移動補助部材75Bは、現像ロール71と対向する側の側面部75cが、第3スクリューオーガ79の上部付近まで延びて仕切り壁の一部として使用されている。
【0077】
さらに、現像装置6Bでは、図8図10図11等に示されるように、現像ロール71の現像領域Edを通過した後に剥離される現像剤8eの少なくとも一部を最終的に第2搬送路64に還流させるよう搬送する第3搬送部材の一例である第3スクリューオーガ79が設けられている。
【0078】
第3スクリューオーガ79は、筐体60の下部60aのうち現像ロール71の下方に現像ロール71の回転軸線に平行した状態で設けられて、現像ロール71から剥離される現像剤8eが搬送される第3搬送路66内に配置される。第3搬送路66は、図8図9に示されるように、現像ロール71の現像剤8を剥離する部分と向き合う部分が開口されてつながった溝形状の部分であり、現像剤8eを搬送する第3搬送方向(本例では奥行方向Z)の下流端の手前部で第1搬送路63における第1接続部67と貫通する第3接続部69を介してつながっている。
【0079】
また、第3スクリューオーガ79は、第3搬送路66内で回転するよう配置される丸棒状の回転軸79aに、現像ロール71から剥離される現像剤8eを第3搬送方向D5に順搬送する順搬送羽根79bが所定の高さ、傾斜角およびピッチで螺旋状に巻き付くよう設けられている。
さらに、第3スクリューオーガ79は、回転軸79aのうち第3接続部69と隣り合う部分に、現像剤8eを第1接続部67と隣り合う第1搬送路63に送る板状の搬送羽根79cが回転軸79aから立ち上がる状態で複数設けられている。また、第3スクリューオーガ79は、回転軸79aのうち板状の搬送羽根79cよりも第3搬送方向下流側の部分に、第3搬送方向D5と逆方向に逆搬送する逆搬送羽根79dが螺旋状に巻き付くよう設けられている。
【0080】
そして、この現像装置6Bにおいても、第1の実施の形態に係る現像装置6Aの場合とほぼ同様に、図12に示されるように、移動補助部材75の斜面75aと第1調整部材76Bの対向面76aとの最小の間隔J1と、第1調整部材76Bの対向面76aと現像ロール71の表面との最小の間隔J2と、板状のトリマー74との表面と現像ロール71の最小の間隔J3とを、この順番で狭くした構成を採用している。
【0081】
ちなみに、この現像装置6Bにおいては、第1調整部材76Bと中継搬送ロール77との最小の間隔J5は、移動補助部材75Bの斜面75aと第1調整部材76Bの対向面76aとの最小の間隔J1よりも大きい値に設定している(J5>J1)。また、移動補助部材75Bと中継搬送ロール77との最小の間隔J6は、上記最小の間隔J5よりも小さい値に設定している(J6<J5)。さらに、移動補助部材75Bの側面部75cと現像ロール71との最小の間隔J7は、第1調整部材76の対向面76aと現像ロール71の表面との最小の間隔J2よりも小さい値に設定している(J7<J2)。
【0082】
この現像装置6Bは、次のように作動する。
【0083】
現像装置6Bは、現像動作が行われる等の時期になると、図8に示されるように、現像ロール71の現像スリーブ71aが矢印Bで示される方向に回転始動するとともに、中継搬送ロール77の搬送スリーブ77aと第1スクリューオーガ72と第2スクリューオーガ73と第3スクリューオーガ79が各矢印で示される方向にそれぞれ回転始動する。
【0084】
これにより、第2搬送路64においては、図8図9に示されるように、現像剤8が回転する第2スクリューオーガ73の螺旋状の順搬送羽根73bにより撹拌されながら第2搬送方向D2に順搬送される。第2搬送路64の第2搬送方向D2の下流側に順搬送された現像剤8は、図9に破線の矢印D3で例示されるように、第2接続部68において螺旋状の逆搬送羽根73dによる逆搬送力も受けつつ第1搬送路63側に送られる。
【0085】
また、第1搬送路63においては、現像剤8が回転する第1スクリューオーガ72の螺旋状の順搬送羽根72bにより撹拌されながら第1搬送方向D1に順搬送される。
この際、第1搬送路63の上方においては、第1スクリューオーガ72で順搬送される現像剤8の一部が磁力により中継搬送ロール77の搬送スリーブ77aの外周面に保持された後、搬送スリーブ77aの矢印Cの方向への回転により搬送される。
またこの際、中継搬送ロール77に保持されずに第1スクリューオーガ72により順搬送される現像剤8は、図9に破線の矢印D4で例示されるように、第1接続部67において螺旋状の逆搬送羽根72cによる逆搬送力も受けつつ第2搬送路64側に送られる。
【0086】
さらに、中継搬送ロール77においては、搬送スリーブ77a上に保持されて搬送される現像剤8が、第2トリマー78を通過する際、その余剰の分が第2トリマー78により通過を制限されて保持される量が調整される。余剰の現像剤8は、第1搬送路63に落下して戻され、第1スクリューオーガ72により第1搬送方向に順搬送されるが、その一部は再び中継搬送ロール77に保持されることもある。
中継搬送ロール77上に保持される余剰の現像剤8が第2トリマー78により第1搬送路63に戻されるようにしていることにより、第1搬送路63のうち第1搬送方向D1の下流側になる部分に存在する現像剤8の量が減少することを防いで、その量がある程度保たれるようになっている。
【0087】
続いて、第2トリマー78を通過した後の中継搬送ロール77に保持されて搬送される現像剤8の一部である現像剤8aは、図11に示されるように、移動補助部材75Bの斜面75aを通過する前の位置で剥離磁極の反発磁界の磁力を受けて搬送スリーブ77aの表面から剥離されて現像ロール71側に送られる。
【0088】
中継搬送ロール77から送り出された現像剤8aは、図11に示されるように、移動補助部材75Bの斜面75aと第1調整部材76Bの対向面76aとの間における第1の隙間空間E1に入り込む。この際、第1の隙間空間E1に入り込まない現像剤8は、第1搬送路63内に戻されて再び第1スクリューオーガ72により順搬送されたり、あるいは、中継搬送ロール77に保持されたまま搬送される。
【0089】
続いて、第1の隙間空間E1に入り込んだ現像剤8bは、図11に示されるように、通過する量が制限されながら移動補助部材75Bの斜面75aを滑るように移動し、その通過した分だけが現像ロール71の現像スリーブ71aの外周面に達して磁石ロール71bからの磁力等により穂立ち状の磁気ブラシを形成して保持される。
これにより、現像ロール71に移動する現像剤8aの移動量が調整される。
【0090】
続いて、現像スリーブ71aの外周面に供給されて保持された現像剤8cは、図11に示されるように、現像スリーブ71aの矢印Bの方向への回転等により搬送されて第1調整部材76Bと現像スリーブ71aの外周面との間における第2の隙間空間E2を通過する。この際、現像剤8cは、第2の隙間空間E2により通過する量が制限されながら移動する。これにより、現像スリーブ71aの外周面に保持される現像剤8cの保持量が一度調整される。
【0091】
また、現像ロール71においては、第2の隙間空間E2を通過した現像剤8が矢印Bで示す方向に搬送されてトリマー74を通過する。この際、現像スリーブ71aの外周面に保持される現像剤8は、余剰の分がトリマー74により通過を制限されて保持される量が調整された後、感光ドラム21における現像領域Edを通過させられる。
【0092】
この際、現像領域Edでは、現像ロール71の現像スリーブ71aの外周面上に保持されて搬送された現像剤8のトナーの一部が、感光ドラム21上の潜像部分に静電気力で付着して潜像の現像に供される。このとき現像に使用されない現像剤8eは、現像領域Edを通過した後、収容部62内において磁石ロール71bの剥離磁極による反発磁界の磁力を受けて現像スリーブ71aから剥離されて第3搬送路66に落下するよう送られる。
【0093】
第3搬送路66においては、図8図9に示されるように、現像スリーブ71aから剥離されて落下した現像剤8eが回転する第3スクリューオーガ79の順搬送羽根79bにより第3搬送方向D5の下流側に順搬送される。
また、第3搬送路66の第3搬送方向D5の下流側に順搬送された現像剤8eは、第3接続部69と隣り合う部分で板状の搬送羽根79cにより第1搬送路63に送られる。続いて、第1搬送路63に送られた現像剤8eは、図9に矢印D6で例示されるように、第1スクリューオーガ72における板状の搬送羽根72dにより第2搬送路64に送られる。最後に、第2搬送路64にまで送られた現像剤8eは、第2スクリューオーガ73により第2搬送方向D2に順搬送されるとともに第2搬送路64に既に存在している現像剤8と混合される。
【0094】
そして、この現像装置6Bにおいても、第1調整部材76Bを設けたうえで、上記3つの最小の間隔J1, J2,J3がJ1>J2>J3という大小関係を満たすように構成しているので、このように構成していない場合に比べると、中継搬送ロール77から現像ロール71の外周面に供給されて板状のトリマー74に達するまでの現像剤8の量が安定する。
【0095】
つまり、この現像装置6Bでは、最初に、中継搬送ロール77から送られる現像剤8aが移動補助部材75Bの斜面75aと第1調整部材76Bの対向面76aとの間における第1の隙間空間E1を通過させることにより現像ロール71の外周面に供給される現像剤8aの量が調整される。
続いてこの現像装置6Bでは、その第1の隙間空間E1の最小の間隔J1よりも狭い最小の間隔J2に設定される、第1調整部材76Bの対向面76aと現像ロール71の外周面との間における第2の隙間空間E2を通過させられる。
このことによって、中継搬送ロール77から送り出された後に現像ロール71の外周面に保持されてトリマー74に達するときの現像剤8は、その保持量が調整された状態でトリマー74に供給される。
【0096】
また、この現像装置6Bを用いた画像形成装置1の場合も、現像装置6Bにおいてトリマー74に達するまでの現像剤8の量が不安定になることに起因した白抜けすじ等の画質不良が発生することを防ぐことができる。
【0097】
この他にも、現像装置6Bでは、上述した第1の実施の形態に係る現像装置6Aの場合とほぼ同様の作用効果が得られる。
なお、この現像装置6Bにおいても、第1の実施の形態に係る現像装置6Aの場合と同様に、移動補助部材75Bの斜面75aについて、その現像ロール71に近い部分である第2斜面75a2の傾斜がその近い部分に至る前の残り部分である第1斜面75a1の傾斜よりも緩められる構成にしてもよい(図7参照)。
【0098】
第3の実施の形態.
図13は、この発明の第3の実施の形態に係る現像装置6Cが示された図面である。
第3の実施の形態に係る現像装置6Cは、第2の実施の形態に係る現像装置6Bと対比した場合、固定して配置していた第1調整部材76Bを回転駆動する第1調整部材76Cに変更した点で異なり、それ以外については同じ構成になっている。
このため以下の説明では、共通する構成部分については第1および第2の実施の形態で用いた符号を同様に付して、その説明を必要な場合を除いて省略する。
【0099】
現像装置6Cでは、図13図14に示されるように、その作動時に、円柱形状からなる第1調整部材76Cを矢印Dで示す方向に回転駆動するように構成している。すなわち、第1調整部材76Cは、現像装置6Cの作動時に、移動補助部材75Bの斜面75aの次に現像ロール71の外周面を通過する方向に回転するようになっている。
移動補助部材75Bは、現像ロール71の現像スリーブ71aに伝達される回転動力が図示しないギア列機構を介して分配されて伝達されることにより、矢印Dの方向に所要の速度でそれぞれ回転するよう構成されている。
【0100】
そして、この現像装置6Cは、基本的に、第2の実施の形態に係る現像装置6Bの場合と同様に作動するとともに、上記各作用効果も同様に得られる。
【0101】
さらに、この現像装置6Cでは、図14に示されるように、第1調整部材76Cを矢印Dで示す方向に回転駆動するので、中継搬送ロール77から送り出された現像剤8aが第1の隙間空間E1を通過するときや、トリマー74の調整により余剰になった現像剤8fが第4の隙間空間E4を通過するときに、矢印Dで示す方向に回転駆動する第1調整部材76Cの外周面である対向面76aの移動による搬送力が得られる。
このため、現像装置6Cによれば、第1調整部材76が上記した方向に回転駆動しない場合に比べると、現像剤8の移動を促進させることができ、これにより、例えば余剰になった現像剤8fは、第4の隙間空間E4に効率よく送り込まれ、また、その送り込まれる量が増加するようになる。また、現像ロール71の現像スリーブ71aを回転駆動させるときの駆動負荷が減る。さらに、各隙間空間E1,E2,E4等を通過するときの現像剤8にかかるストレスも減る。
【0102】
変形例.
この発明は、第1から第3の実施の形態で例示した内容に何ら限定されるものではなく、例えば、以下に挙げるような変形例も含むものである。
【0103】
現像装置6としては、例えば、第1の実施の形態に係る現像装置6Aに、第2の実施の形態に係る現像装置6Bにおける第3スクリューオーガ79(それに関連する第3搬送路66等の構成を含む)を加えた構成の現像装置でも適用することが可能である。
【0104】
また、第2および第3の実施の形態に係る現像装置6B,6Cでは、図8図9および図13に二点鎖線で例示されるように、第2搬送路64の第1接続部67と隣り合う部分の上方側に、第2搬送路64へ補給用等の現像剤8(主にトナーのみ)を注入する注入口82が設けてもよい。
ちなみに、この注入口82を設けた場合、注入口82から第2搬送路64へ注入された現像剤8の一部が仮に第1搬送路63の第1接続部67と隣り合う部分に入り込むことがあっても、その入り込んだ現像剤8が第1スクリューオーガ72における逆搬送羽根72cにより第2搬送路64に戻されるよう送られる。これにより、注入口82から第2搬送路64へ注入された現像剤8は、第2搬送路64に良好に送り込まれて第2スクリューオーガ73により撹拌されながら第2搬送方向D2へ順搬送される。
【0105】
画像形成装置については、第1の実施の形態等で例示した構成の画像形成装置1に限定されるものではなく、この発明の例示した現像装置6A,6B,6C等を適用することが可能であれば、いかなる構成の画像形成装置であってもよい。
例えば、画像形成装置は、像形成装置2として、中間転写方式を適用した像形成装置を採用してもよく、また単色画像でなく多色画像を形成することが可能な像形成装置を採用してもよい。現像装置における現像回転体は、ロール形態からなる現像ロール71に限らず、ロール形態以外の形態、例えばベルト形態からなるものであってもよい。
【符号の説明】
【0106】
1 …画像形成装置
6A,6B,6C…現像装置
8 …現像剤
21…感光ドラム(潜像保持体の一例)
71…現像ロール(現像回転体の一例)
72…第1スクリューオーガ(供給搬送部材の一例)
74…板状のトリマー(第2調整部材の一例)
77…中継搬送ロール(供給搬送部材の一例)
75…移動補助部材
75a…斜面
75a1…現像ロールの近い部分
76A,76B,76C…第1調整部材
76a…対向面
B …現像ロールの回転方向
C …供給搬送部材の回転方向
D …第1調整部材の回転方向
Ed…現像領域
J1,J2,J3…最小の間隔
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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