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特開2022-17886情報表示プログラム、情報検索装置及び情報検索プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022017886
(43)【公開日】2022-01-26
(54)【発明の名称】情報表示プログラム、情報検索装置及び情報検索プログラム
(51)【国際特許分類】
   B61L 25/02 20060101AFI20220119BHJP
   G06F 3/0481 20220101ALI20220119BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20220119BHJP
   G01C 21/26 20060101ALI20220119BHJP
   G08G 1/005 20060101ALI20220119BHJP
【FI】
B61L25/02 A
G06F3/0481
G06Q50/10
G01C21/26 P
G08G1/005
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020120717
(22)【出願日】2020-07-14
(71)【出願人】
【識別番号】518388498
【氏名又は名称】株式会社MaaS Tech Japan
(74)【代理人】
【識別番号】100176072
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 功
(72)【発明者】
【氏名】日高 洋祐
【テーマコード(参考)】
2F129
5E555
5H161
5H181
5L049
【Fターム(参考)】
2F129AA05
2F129AA11
2F129AA14
2F129CC16
2F129EE02
2F129EE52
2F129EE83
2F129FF20
2F129FF32
2F129FF41
2F129FF67
2F129HH02
2F129HH04
2F129HH12
2F129HH20
2F129HH21
5E555AA25
5E555AA28
5E555BA02
5E555BB02
5E555BC17
5E555CB73
5E555DB41
5E555DB55
5E555DB56
5E555DD06
5E555DD08
5E555EA20
5E555FA00
5H161AA01
5H161BB01
5H161GG01
5H161GG13
5H161GG16
5H161GG17
5H161GG22
5H181AA16
5H181AA25
5H181AA26
5H181FF13
5H181FF32
5L049CC11
(57)【要約】      (修正有)
【課題】公共交通手段の利用を含む行動計画の策定に有用な情報をユーザに向けて提示可能な情報表示プログラム、情報検索装置及び情報検索プログラムを提供する。
【解決手段】情報検索システムは、ユーザ端末12と、交通検索サー14バと、交通管理サーバ16で構成され、ユーザによる検索の要求に応じ、公共交通手段の移動経路に関する検索結果を提示する情報検索サービスを提供する。ユーザ端末は、情報表示プログラムを読み出し実行することで機能する。ユーザ端末の要求手段30は、交通検索サーバに対して状況情報の提供を要求する。取得手段32は、交通検索サーバから、公共交通手段の運行又は利用に関する交通状況を示す状況情報を時間と対応付けて取得する。表示制御手段34は、取得手段32により取得された状況情報に基づいて、交通状況の時間変化を表示手段36に表示する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
公共交通手段の運行又は利用に関する交通状況を示す状況情報を時間と対応付けて取得する取得手段、
前記取得手段により取得された前記状況情報に基づいて前記交通状況の時間変化を表示手段に表示させる制御を行う表示制御手段、
として機能させるための情報表示プログラム。
【請求項2】
前記状況情報は、基準時点における交通状況の測定結果を示す第1状況情報及び前記基準時点よりも後の時点における交通状況の予測結果を示す第2状況情報を含む、
請求項1に記載の情報表示プログラム。
【請求項3】
前記表示制御手段は、前記測定結果をデータの測定若しくは出所への信頼度と併せて、又は前記予測結果を予測若しくは運行への信頼度と併せて前記表示手段に表示させる制御を行う、
請求項2に記載の情報表示プログラム。
【請求項4】
前記表示制御手段は、前記交通状況を一方向に沿って時系列順に並べて前記表示手段に表示させる制御を行う、
請求項1~3のいずれか1項に記載の情報表示プログラム。
【請求項5】
前記表示制御手段は、前記交通状況を時間毎に切り替えながら前記表示手段に表示させる制御を行う、
請求項1~3のいずれか1項に記載の情報表示プログラム。
【請求項6】
前記表示制御手段は、前記交通状況を前記公共交通手段の経路図と併せて前記表示手段に表示させる制御を行う、
請求項1~5のいずれか1項に記載の情報表示プログラム。
【請求項7】
公共交通手段の移動経路及び運行時間に関する経路データベースを構築可能に構成される記憶手段と、
前記公共交通手段の運行又は利用に関する測定データを取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された前記測定データに基づいて前記公共交通手段の交通状況を予測する予測手段と、
前記記憶手段により構築された前記経路データベースを参照し、前記予測手段により予測された前記交通状況に応じて前記公共交通手段の運行時間を修正した後に、前記公共交通手段の移動経路を検索する検索手段と、
を備える情報検索装置。
【請求項8】
コンピュータを、
公共交通手段の移動経路及び運行時間に関する経路データベースを構築可能に構成される記憶手段、
前記公共交通手段の運行又は利用に関する測定データを取得する取得手段、
前記取得手段により取得された前記測定データに基づいて前記公共交通手段の交通状況を予測する予測手段、
前記記憶手段により構築された前記経路データベースを参照し、前記予測手段により予測された前記交通状況に応じて前記公共交通手段の運行時間を修正した後に、前記公共交通手段の移動経路を検索する検索手段、
として機能させるための情報検索プログラム。
【請求項9】
情報検索装置を、
公共交通手段の移動経路及び運行時間に関する経路データベースを構築可能に構成される記憶手段、
前記公共交通手段の運行又は利用に関する測定データを取得する第1取得手段、
前記第1取得手段により取得された前記測定データに基づいて前記公共交通手段の交通状況を予測する予測手段、
として機能させ、
前記情報検索装置と通信可能な端末装置を、
前記測定データから推定された交通状況又は前記予測手段により予測された交通状況を示す状況情報を時間と対応付けて取得する第2取得手段、
前記第2取得手段により取得された前記状況情報に基づいて前記交通状況の時間変化を表示手段に表示させる制御を行う表示制御手段、
として機能させるための情報表示プログラム。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報表示プログラム、情報検索装置及び情報検索プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、鉄道を含む公共交通手段に関する交通情報を表示又は検索するための様々な技術が提案されている。
【0003】
特許文献1には、路線データ及び時刻表データを用いて現在運行中の路線部分をリアルタイムで示す路線図データを生成し、該路線図データが示す路線図を表示する装置が開示されている。また、同文献には、運行移動体が混雑している区間、運休又は運行障害にある区間を他の区間と判別可能に表示する旨が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008-207666号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1で開示される技術では、ユーザは、リアルタイムで表示される路線図を視認することで現在の運行状態を把握できたとしても、特定の区間における混雑、運休又は運行障害が解消され得る時間を予測することが難しい。これにより、ユーザは、公共交通手段を利用した行動計画を策定しにくくなってしまう。
【0006】
本発明は上記した問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、公共交通手段の利用を含む行動計画の策定に有用な情報をユーザに向けて提示可能な情報表示プログラム、情報検索装置及び情報検索プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第一態様における情報表示プログラムは、コンピュータを、公共交通手段の運行又は利用に関する交通状況を示す状況情報を時間と対応付けて取得する取得手段、前記取得手段により取得された前記状況情報に基づいて前記交通状況の時間変化を表示手段に表示させる制御を行う表示制御手段、として機能させる。
【0008】
本発明の第二態様における情報表示プログラムでは、前記状況情報は、基準時点における交通状況の測定結果を示す第1状況情報及び前記基準時点よりも後の時点における交通状況の予測結果を示す第2状況情報を含む。
【0009】
本発明の第三態様における情報表示プログラムでは、前記表示制御手段は、前記測定結果をデータの測定若しくは出所への信頼度と併せて、又は前記予測結果を予測若しくは運行への信頼度と併せて前記表示手段に表示させる制御を行う。
【0010】
本発明の第四態様における情報表示プログラムでは、前記表示制御手段は、前記交通状況を一方向に沿って時系列順に並べて前記表示手段に表示させる制御を行う。
【0011】
本発明の第五態様における情報表示プログラムでは、前記表示制御手段は、前記交通状況を時間毎に切り替えながら前記表示手段に表示させる制御を行う。
【0012】
本発明の第六態様における情報表示プログラムでは、前記表示制御手段は、前記交通状況を前記公共交通手段の経路図と併せて前記表示手段に表示させる制御を行う。
【0013】
本発明の第七態様における情報検索装置は、公共交通手段の移動経路及び運行時間に関する経路データベースを構築可能に構成される記憶手段と、前記公共交通手段の運行又は利用に関する測定データを取得する取得手段と、前記取得手段により取得された前記測定データに基づいて前記公共交通手段の交通状況を予測する予測手段と、前記記憶手段により構築された前記経路データベースを参照し、前記予測手段により予測された前記交通状況に応じて前記公共交通手段の運行時間を修正した後に、前記公共交通手段の移動経路を検索する検索手段と、を備える。
【0014】
本発明の第八態様における情報検索プログラムは、コンピュータを、公共交通手段の移動経路及び運行時間に関する経路データベースを構築可能に構成される記憶手段、前記公共交通手段の運行又は利用に関する測定データを取得する取得手段、前記取得手段により取得された前記測定データに基づいて前記公共交通手段の交通状況を予測する予測手段、前記記憶手段により構築された前記経路データベースを参照し、前記予測手段により予測された前記交通状況に応じて前記公共交通手段の運行時間を修正した後に、前記公共交通手段の移動経路を検索する検索手段、として機能させる。
【0015】
本発明の第九態様における情報表示プログラムは、情報検索装置を、公共交通手段の移動経路及び運行時間に関する経路データベースを構築可能に構成される記憶手段、前記公共交通手段の運行又は利用に関する測定データを取得する第1取得手段、前記第1取得手段により取得された前記測定データに基づいて前記公共交通手段の交通状況を予測する予測手段、として機能させ、前記情報検索装置と通信可能な端末装置を、前記測定データから推定された交通状況又は前記予測手段により予測された交通状況を示す状況情報を時間と対応付けて取得する第2取得手段、前記第2取得手段により取得された前記状況情報に基づいて前記交通状況の時間変化を表示手段に表示させる制御を行う表示制御手段、として機能させる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、公共交通手段の利用を含む行動計画の策定に有用な情報をユーザに向けて提示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施形態における情報検索装置としての交通検索サーバが組み込まれた情報検索システムの全体構成図である。
図2図1におけるユーザ端末及び交通検索サーバのハードウェア構成の一例を示す図である。
図3図2におけるユーザ端末の機能ブロックの一例を示す図である。
図4図2における交通検索サーバの機能ブロックの一例を示す図である。
図5】情報検索システムの第1動作を示すフローチャートである。
図6図4の測定データが有するデータ構造の一例を示す図である。
図7図4の状況情報が有するデータ構造の一例を示す図である。
図8】情報検索システムの第2動作を示すフローチャートである。
図9】ユーザ端末に表示される確認画面の第1例を示す図である。
図10】ユーザ端末に表示される確認画面の第2例を示す図である。
図11】情報検索システムの第3動作を示すフローチャートである。
図12】ユーザ端末に表示される検索入力画面の一例を示す図である。
図13】ユーザ端末に表示される検索出力画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素及びステップに対して可能な限り同一の符号を付するとともに、重複する説明を省略する場合がある。
【0019】
[情報検索システム10の構成]
<全体構成>
図1は、本発明の一実施形態における情報検索装置としての交通検索サーバ14が組み込まれた情報検索システム10の全体構成図である。情報検索システム10は、ユーザによる検索の要求に応じて、公共交通手段の移動経路に関する検索結果を提示する情報検索サービスを提供する。ここで、「公共交通手段」は、一般の人が共同で利用可能であって乗降所が設けられている交通手段を意味する。公共交通手段の一例として、鉄道、バス、航空機、船舶などが挙げられる。
【0020】
この情報検索システム10は、具体的には、1又は複数のユーザ端末12(「端末装置」に相当)と、交通検索サーバ14(「情報検索装置」に相当)と、1又は複数の交通管理サーバ16と、を含んで構成される。各々のユーザ端末12は、ネットワークNTを通じて、交通検索サーバ14と相互に通信可能である。同様に、各々の交通管理サーバ16は、ネットワークNTを通じて、交通検索サーバ14と相互に通信可能である。
【0021】
ユーザ端末12は、ユーザが所有する据置型又は携帯型のコンピュータである。ユーザ端末12は、例えば、パーソナルコンピュータ、タブレット、スマートフォン、ウェアラブルデバイスなどから構成される。
【0022】
交通検索サーバ14は、上記した情報検索サービスに関する各種制御を行うサーバコンピュータである。図1の例では、交通検索サーバ14を単体のコンピュータとして示しているが、これに代わって、交通検索サーバ14は、分散システムを構築するコンピュータ群であってもよい。また、交通検索サーバ14は、クラウド型のサーバ(いわゆる、クラウドサーバ)であってもよいし、オンプレミス型のサーバであってもよい。
【0023】
交通管理サーバ16は、公共交通手段の管理に関わる統括的な制御を行うサーバコンピュータである。交通管理サーバ16は、図示しない通信手段を用いて、様々な外部装置から、公共交通手段の運行又は利用に関する交通状況を分析するための様々なデータを収集可能に構成される。外部装置の一例として、[1]公共交通手段の移動体18、[2]停留所に設けられる交通設備、[3]移動経路の周辺に設けられる交通設備、[4]公共交通手段の利用者が所持する携帯端末などが挙げられる。
【0024】
<ハードウェア構成>
図2は、図1におけるユーザ端末12及び交通検索サーバ14のハードウェア構成の一例を示す図である。図面の下側に示すユーザ端末12は、通信I/F21と、入力装置22と、出力装置23と、プロセッサ24と、メモリ25と、記憶装置26と、を含んで構成される。一方、図面の上側に示す交通検索サーバ14は、通信I/F41と、プロセッサ44と、メモリ45と、記憶装置46と、を含んで構成される。
【0025】
通信I/F21,41は、外部装置に対して電気信号を送受信するインターフェースである。これにより、ユーザ端末12は、交通検索サーバ14との間で様々なデータをやり取りできる。
【0026】
入力装置22は、マウス、キーボード、タッチセンサ、マイクロフォンを含むデバイスである。出力装置23は、ディスプレイ、スピーカを含むデバイスからなる。ユーザ端末12は、入力装置22による入力機能と出力装置23による表示機能を組み合わせることで、グラフィカル・ユーザ・インターフェース(GUI)を構築する。
【0027】
プロセッサ24,44は、CPU(Central Processing Unit)を含む汎用プロセッサであってもよいし、GPU(Graphics Processing Unit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)を含む専用プロセッサであってもよい。メモリ25,45は、非一過性の記憶媒体であり、プロセッサ24,44が各構成要素を制御するのに必要なプログラム及びデータを記憶している。記憶装置26,46は、例えば、ハードディスクドライブ(HDD:Hard Disk Drive)やソリッドステートドライブ(SSD:Solid State Drive)を含む非一過性の記憶媒体である。
【0028】
<機能ブロック>
図3は、図2におけるユーザ端末12の機能ブロックの一例を示す図である。ユーザ端末12は、メモリ25などに格納された情報表示プログラムを読み出して実行することで、要求手段30、取得手段32(「第2取得手段」に相当)、表示制御手段34、及び表示手段36として機能する。要求手段30は、図2の通信I/F21、入力装置22及びプロセッサ24によって実現される手段である。取得手段32は、図2の通信I/F21及びプロセッサ24により実現される手段である。表示制御手段34は、図2のプロセッサ24によって実現される手段である。表示手段36は、図2の出力装置23によって実現される手段である。
【0029】
要求手段30は、図8の例では、交通検索サーバ14に対して、図4で後述する状況情報70の提供を要求する。具体的には、要求手段30は、ユーザが確認すべき移動経路の特定に必要な条件(以下、確認条件)を交通検索サーバ14に送信することで、確認条件に対応する状況情報70の提供を要求する。一方、図11の例では、要求手段30は、交通検索サーバ14に対して、図4で後述する結果情報72の提供を要求する。具体的には、要求手段30は、移動経路の検索に必要な条件(以下、検索条件)を交通検索サーバ14に送信することで、検索条件に対応する結果情報72の提供を要求する。
【0030】
取得手段32は、図8の例では、交通検索サーバ14から、要求手段30が送信した確認条件に対応する状況情報70(図4)を取得する。一方、図11の例では、取得手段32は、交通検索サーバ14から、要求手段30が送信した検索条件に対応する結果情報72(図4)を取得する。
【0031】
表示制御手段34は、取得手段32により取得された状況情報70に基づいて交通状況の時間変化を表示手段36に表示させる制御を行う。例えば、表示制御手段34は、[1]交通状況を一方向に沿って時系列順に並べて、あるいは[2]交通状況を時間毎に切り替えながら表示手段36に表示させてもよい。なお、表示される交通状況は、状況情報70そのものであってもよいし、該状況情報70を加工した情報(例えば、文字、図形、マークなど)であってもよい。
【0032】
また、表示制御手段34は、状況情報70に含まれる交通状況の測定結果を、データの測定若しくは出所への信頼度と併せて表示手段36に表示させる。「測定への信頼度」は、例えば、[1]センサの検出精度・検出方式・設置数・稼働時間、[2]データの取得量・取得頻度、[3]測定時の外部環境・時間帯、[4]予測結果との相関性、を含む様々な要因に基づき総合的に求められる。「出所への信頼度」は、例えば、[1]データの提供元である組織の属性、[2]外部装置の各種性能、[3]通信環境、などを含む様々な要因に基づき総合的に求められる。
【0033】
あるいは、表示制御手段34は、状況情報70に含まれる交通状況の予測結果を、予測若しくは運行への信頼度と併せて表示手段36に表示させる。「予測への信頼度」は、例えば、[1]上記した測定又は出所への信頼度、[2]過去の予測回数・予測精度、[3]予測に用いられるデータの量・種類数、を含む様々な要因に基づき総合的に求められる。「運行への信頼度」は、例えば、[1]公共交通手段の種別、[2]国・都市部・地方などの地域、[3]路線・交通事業者、などを含む様々な要因に基づき総合的に求められる。
【0034】
表示手段36は、表示制御手段34による表示制御に応じて、所定の表示領域内に様々な画像又は映像を表示する。この画像には、例えば、確認画面80(図9)、確認画面90(図10)、検索入力画面100(図12)、検索出力画面110(図13)などが含まれる。
【0035】
図4は、図2における交通検索サーバ14の機能ブロックの一例を示す図である。交通検索サーバ14は、メモリ45などに格納された情報検索プログラムを読み出して実行することで、取得手段50(「第1取得手段」に相当)、推定手段52、予測手段54、検索手段56、提供手段58、及び記憶手段62として機能する。取得手段50は、図2の通信I/F41及びプロセッサ44によって実現される手段である。推定手段52、予測手段54及び検索手段56はそれぞれ、図2のプロセッサ44により実現される手段である。提供手段58は、図2の通信I/F41及びプロセッサ44によって実現される手段である。記憶手段62は、図2の記憶装置46によって実現される手段である。
【0036】
取得手段50は、交通管理サーバ16との間の通信により測定データ66を取得する。また、取得手段50は、ユーザ端末12との間の通信により上記した確認条件又は検索条件を取得する。
【0037】
推定手段52は、測定時間が異なるデータの集合体(つまり、測定データ66)を用いて、複数の標本時点における運行状態を推定する。以下、この推定結果を示すデータを「推定データ68」という。運行状態の推定には、測定データ66の他に、経路DB64に格納された各種情報(後述する路線情報、運行情報、傾向情報、分析情報など)が用いられてもよい。
【0038】
予測手段54は、推定手段52の推定により得られた推定データ68を用いて、公共交通手段における交通状況を時間毎に予測する。以下、この予測結果を示すデータを「状況情報70」という。交通状況の予測には、推定データ68の他に、経路DB64に格納された各種情報(後述する路線情報、運行情報、傾向情報、分析情報など)が用いられてもよい。また、予測手段54は、測定データ66の測定若しくは出所への信頼度に基づいて、交通状況の予測への信頼度を定量的又は定性的に求めてもよい。
【0039】
検索手段56は、記憶手段62により構築された経路DB64を参照して、所与の検索条件に基づく移動経路の検索処理を行う。この検索処理は、交通予測機能のオン・オフを切り替えて行われる。具体的には、検索手段56は、交通予測機能が「オフ」である場合、経路DB64に登録されている標準的な時刻表に従って経路検索を行う。一方、検索手段56は、交通予測機能が「オン」である場合、予測手段54により予測された交通状況に応じて標準的な時刻表の運行時間を修正し、修正済みの時刻表に従って経路検索を行う。
【0040】
以下、運行時間の修正方法について説明する。まず、検索手段42は、記憶手段62から状況情報70を読み出した後、当該状況情報70に含まれる交通量又は混雑度を用いて、検索対象となる移動経路における運行時間の予測変動量を時間毎・区間毎に算出する。そして、検索手段42が、標準的な時刻表に含まれる区間毎の所要時間に予測変動量を加算又は減算することで、時刻表の運行時間が時間毎・区間毎に適切に修正される。つまり、交通状況の予測結果を反映した時刻表が得られる。
【0041】
提供手段58は、図8の例では、ユーザ端末12に対して、予測手段54による予測処理で得られた状況情報70を提供する。具体的には、提供手段58は、該当する確認条件の送信元であるユーザ端末12に向けて、当該確認条件に対応する状況情報70を送信する。一方、図11の例では、提供手段58は、ユーザ端末12に対して、検索手段56による検索処理で得られた結果情報72を提供する。具体的には、提供手段58は、該当する検索条件の送信元であるユーザ端末12に向けて、当該検索条件に対応する結果情報72を送信する。
【0042】
記憶手段62は、公共交通手段を用いた移動経路に関するデータベース(以下、経路DB64)が構築されている。経路DB64には、例えば、[1]駅(ノード)、区間(リンク)、路線名、区間毎の車線数などの路線情報、[2]時刻表や列車の種別(普通・快速・特急)などの運行情報、[3]時間帯・曜日・季節などに応じた交通状況の傾向を示す傾向情報、[4]ビッグデータの分析などで得られた知見を示す分析情報が含まれる。
【0043】
また、記憶手段48は、様々な外部装置が測定して得られたデータ(つまり、測定データ66)を測定時点と対応付けて蓄積する。測定データ66は、測定で得られたままの生データであってもよいし、加工済みのデータであってもよい。測定データ66の一例として、[1]移動体18の位置・速度・加速度・操舵角・ヨーレート・車体荷重の検出信号、[2]アクセル・ブレーキなどの操作状態を示す操作信号、[3]カメラ画像、音声信号、移動体18の存否・地点通過の有無、移動体18との距離を示す検出信号、[4]利用者が所持する携帯端末の測位情報などが挙げられる。
【0044】
また、記憶手段48は、推定データ68、状況情報70、及び結果情報72を一時的又は恒久的に記憶する。推定データ68は、測定時点がそれぞれ異なる測定データ66に対して推定処理を施し、同じ時間に合わせて換算したデータに相当する。状況情報70は、公共交通手段の運行又は利用に関する交通状況を示す情報であり、例えば、移動体18の交通量、標準交通量に対する交通量の比率、乗車率などが挙げられる。状況情報70は、複数の時間に対応付けられている。状況情報70は、例えば、基準時点(例えば、確認又は検索の要求時点)における交通状況の測定結果を示す第1状況情報及び基準時点よりも後の時点における交通状況の予測結果を示す第2状況情報を含む。結果情報72は、検索手段56による検索結果を示す情報であり、例えば、移動経路、出発/到着時刻、路線名、料金などが挙げられる。
【0045】
[情報検索システム10の動作]
本実施形態における情報検索システム10は、以上のように構成される。続いて、情報検索システム10の動作について、図5図13を参照しながら説明する。
【0046】
<第1動作>
まず、情報検索システム10の第1動作について、図5のフローチャートの他に、図6及び図7を参照しながら説明する。この「第1動作」は、状況情報70の生成及び更新に関する。図5のステップSP10は交通管理サーバ16により実行される一方、残りのステップは交通検索サーバ14により実行される。
【0047】
ステップSP10において、交通管理サーバ16は、移動体18を含む外部装置から取得した測定データ66を、交通検索サーバ14に向けて定期的又は不定期に送信する。
【0048】
ステップSP12において、交通検索サーバ14の取得手段50は、ステップSP10で送信された測定データ66を取得・収集する。収集された測定データ66は、測定時点と紐付けた状態にて記憶手段62に逐次蓄積される。
【0049】
図6は、図4の測定データ66が有するデータ構造の一例を示す図である。この測定データ66は、[1]データの測定時点を示す「日時」と、[2]移動体18の識別情報である「列車ID」と、[3]移動体18の現状を示す「運行状態」との間の対応関係を示すテーブル形式のデータである。ここで、運行状態には、移動体18の位置・進行方法(例えば、路線ID、上り/下り)・速度などが含まれる。
【0050】
図5のステップSP14において、交通検索サーバ14は、交通状況の推定を開始するタイミング(以下、推定タイミング)が到来したか否かを確認する。推定タイミングがまだ到来していない場合(ステップSP14:NO)、ステップSP12に戻って、交通検索サーバ14は、当該タイミングが到来するまでの間、測定データ66の収集を継続する。一方、推定タイミングが到来した場合(ステップSP12:YES)、次のステップSP16に進む。
【0051】
ステップSP16において、推定手段52は、ステップSP12にて収集された最新の測定データ66に対して推定処理を施し、1又は複数の推定データ68を取得する。例えば、基準時点を10:00、時間間隔を20分おきに設定した場合、[1]10:00、[2]10:20、[3]10:40、[4]11:00、の4つの推定データ68が得られる。
【0052】
ステップSP18において、予測手段54は、ステップSP16の推定で得られた推定データ68を用いて、公共交通手段の運行又は利用に関する交通状況を時間毎に予測する。これにより、公共交通手段に関する状況情報70が得られる。
【0053】
図7は、図4の状況情報70が有するデータ構造の一例を示す図である。この状況情報70は、[1]区間の識別情報である「リンクID」と、[2]区間の上り/下りを示す「進行方向」と、[3]区間を通過した列車の単位時間あたりの本数を示す「交通量」と、[4]車両内又は駅構内の混み具合(例えば、乗車率)を示す「混雑度」との間の対応関係を示すテーブル形式のデータである。
【0054】
以下、ステップSP12に戻って、交通検索サーバ14は、ステップSP12~SP18の動作を順次繰り返す。このようにして、公共交通手段に関する状況情報70が、逐次的に生成又は更新される。
【0055】
<第2動作>
続いて、情報検索システム10の第2動作について、図8のフローチャートの他に、図9及び図10を参照しながら説明する。この「第2動作」は、公共交通手段における交通状況の表示に関する。図8のフローチャートのステップSP36,SP38,SP40は交通検索サーバ14により実行される一方、残りのステップはユーザ端末12により実行される。
【0056】
ステップSP30において、ユーザ端末12の表示制御手段34は、情報検索用アプリケーションの起動中、図示しない検索画面を表示手段36に表示させる。この検索画面は、ユーザの入力操作によって確認条件を指定可能に構成される。
【0057】
ステップSP32において、ユーザ端末12の要求手段30は、ユーザによる状況確認の要求があったか否かを確認する。状況確認の要求がなかった場合(ステップSP32:NO)、ステップSP30に戻って、所定の要求操作を受け付けるまでステップSP30,SP32を順次繰り返す。一方、状況確認の要求があった場合(ステップSP32:YES)、次のステップSP34に進む。
【0058】
ステップSP34において、要求手段30は、確認条件に対応する状況情報70の提供を要求する。具体的には、要求手段30は、ステップSP32の要求時点にて指定された確認条件を取得した後、この確認条件をユーザ端末12の識別情報(つまり、端末ID)と対応付けて交通検索サーバ14に送信する。
【0059】
ステップSP36において、交通検索サーバ14の取得手段50は、ユーザ端末12からの受信を通じて、ユーザが提示する確認条件を取得する。
【0060】
ステップSP38において、交通検索サーバ14の提供手段60は、ステップSP34で取得された確認条件に対応する状況情報70を記憶手段62から読み出す。
【0061】
ステップSP40において、提供手段60は、ステップSP38で読み出された状況情報70をユーザ端末12に提供する。具体的には、提供手段60は、該当する端末IDを有するユーザ端末12に状況情報70を送信する。
【0062】
ステップSP42において、ユーザ端末12の取得手段32は、交通検索サーバ14からの受信を通じて、確認条件に対応する状況情報70を取得する。
【0063】
ステップSP44において、ユーザ端末12の表示制御手段34は、ステップSP42で取得された状況情報70に基づいて、確認画面80,90を示す表示用データを作成する。
【0064】
ステップSP46において、表示制御手段34は、ステップSP44で作成された確認画面80,90を表示手段36に表示させる。これにより、ユーザ端末12には、確認画面80,90が表示される。
【0065】
図9は、ユーザ端末12に表示される確認画面80の第1例を示す図である。確認画面80上には、交通状況に関する5つの情報欄82,84,85,86,88が設けられている。情報欄82は、路線名や基準時点(年月日時分)を含む確認条件を示している。情報欄84は、駅及び区間を含む路線図(本図の例では、A駅からD駅までの区間)を示している。
【0066】
情報欄85は、列車の交通量を一方向(ここでは、左右方向)に沿って時系列順に並べたバーグラフを示している。このバーグラフは、基準時点(ここでは、10時)から15分おきの、区間毎の交通の流れを可視化したグラフである。各々のバーは、区間毎に色分けされている。例えば、交通量が多い区間であるほど濃い色で、交通量が少ない区間であるほど薄い色でそれぞれ表現される。つまり、[1]10:00の時点ではA駅~D駅のすべての区間で交通量が多く、[2]10:40の時点ではA駅~C駅の区間で交通量が中位であり、かつC駅~D駅の区間では通常通りの交通量であることが本図から理解される。
【0067】
情報欄86は、A駅からD駅までの所要時間を左右方向に沿って時系列順に並べた比較表を示している。表の上段は、基準時点から15分おきの所要時間の見込値を示している。表の下段は、時刻表に基づく所要時間の標準交通量を示している。
【0068】
情報欄85,86から理解されるように、A駅からD駅までの区間は、10時には遅延が発生しているが、11時には通常の運行状況に戻る見込みがある。ユーザは、情報欄85,86の箇所を左右方向に沿って視線を移動させることで、公共交通手段の流れを一見して把握できる。これにより、当初は10時に乗車する予定を11時に変更するなど、ユーザにとって行動計画を策定するための支援になる。
【0069】
情報欄88は、上記した予測結果の信頼度を0~100%の範囲で定量的に示している。この値が100%に近いほど予測の信頼度が高い一方、この値が0%に近いほど予測の信頼度が低いことを意味する。ユーザは、情報欄88(本図の例では、80%の定量値)を視認することで、その予測結果を信用して行動計画を策定するか否かを各自で判断することができる。
【0070】
図10は、ユーザ端末12に表示される確認画面90の第2例を示す図である。確認画面90上には、上記した3つの情報欄82,84,88の他に、交通状況に関する2つの情報欄92,94と、時間選択部96と、開始指示部98と、が設けられている。なお、情報欄82,84,88は、図9の場合と同様であるため、説明を省略する。
【0071】
情報欄92は、列車の交通量を区間毎に色分けしたバーグラフを示している。情報欄94は、A駅からD駅までの所要時間の比較表を示している。時間選択部96は、時間を択一的に指定可能なユーザコントロール(ここでは、スライダバー)から構成される。開始指示部98は、時系列表示の開始を指示可能なユーザコントロール(ここでは、ボタン)から構成される。
【0072】
情報欄92,94は、スライダバーの操作に追従して、指定された時間の表示内容に切り替わる。あるいは、情報欄92,94は、ボタンの操作に応じて、基準時点から60分後までの表示内容に順次切り替わる。ユーザは、手動又は自動によって切り替わる、情報欄92,94の表示内容を視認することで、公共交通手段の流れを一見して把握できる。
【0073】
以上のようにして、情報検索システム10の第2動作が終了する。これにより、公共交通手段における交通状況が、表示を通じてユーザに提示される。
【0074】
<第3動作>
続いて、情報検索システム10の第3動作について、図11のフローチャートの他に、図12及び図13を参照しながら説明する。この「第3動作」は、公共交通手段における移動経路の検索に関する。図11のフローチャートのステップSP56,SP58,SP60,SP62は交通検索サーバ14により実行される一方、残りのステップはユーザ端末12により実行される。
【0075】
図11のステップSP50において、ユーザ端末12の表示制御手段34は、情報検索用アプリケーションの起動中、検索条件を入力するための画面(以下、検索入力画面100)を表示手段36に表示させる。
【0076】
図12は、ユーザ端末12の表示手段36に表示される検索入力画面100の一例を示す図である。検索入力画面100上には、経路入力欄102と、日時入力欄104と、選択欄106と、[検索]と表記されたボタン108と、が設けられている。
【0077】
経路入力欄102は、出発地に関する出発地情報(例えば、駅名)を入力可能なユーザコントロールと、目的地に関する目的地情報(例えば、駅名)を入力可能なユーザコントロールと、を備える。日時入力欄104は、時間情報(例えば、年月日及び時刻)を入力可能な第1ユーザコントロールと、時間の定義(例えば、出発時又は到着時)を入力可能な第2ユーザコントロールと、を備える。選択欄106は、交通予測機能のオン・オフを選択可能なユーザコントロールを備える。
【0078】
図11のステップSP52において、ユーザ端末12の要求手段30は、ユーザによる検索の要求があったか否かを確認する。図12の例では、ユーザ端末12は、検索入力画面100上の[検索]ボタン108をクリック又はタッチする操作を受け付けたか否かを確認する。検索の要求がなかった場合(ステップSP52:NO)、ステップSP50に戻って、所定の要求操作を受け付けるまでステップSP50,SP52を順次繰り返す。一方、検索の要求があった場合(ステップSP52:YES)、次のステップSP44に進む。
【0079】
ステップSP54において、要求手段30は、検索条件に対応する結果情報72の提供を要求する。具体的には、要求手段30は、ステップSP52の要求時点に検索入力画面100を介して指定された検索条件を取得した後、この検索条件をユーザ端末12の端末IDと対応付けて交通検索サーバ14に送信する。
【0080】
ステップSP56において、交通検索サーバ14の取得手段50は、ユーザ端末12からの受信を通じて、ユーザが提示する検索条件を取得する。
【0081】
ステップSP58において、交通検索サーバ14の検索手段56は、ステップSP56で取得された検索条件のうち、交通予測機能が「オン」である場合、経路DB64に含まれる時刻表の運行時間を区間毎に修正する。一方、交通予測機能が「オフ」である場合、検索手段42は、時刻表の運行時間を修正せずにそのまま用いる。
【0082】
ステップSP60において、検索手段56は、ステップSP58で必要に応じて修正された時刻表に従って、検索条件に合致する移動経路の検索処理を行う。これにより、検索結果を示す結果情報72が生成される。
【0083】
ステップSP62において、交通検索サーバ14の提供手段58は、ステップSP60で得られた結果情報72をユーザ端末12に提供する。具体的には、提供手段58は、該当する端末IDを有するユーザ端末12に結果情報72を送信する。
【0084】
ステップSP64において、ユーザ端末12の取得手段32は、交通検索サーバ14からの受信を通じて、検索条件に対応する結果情報72を取得する。
【0085】
ステップSP66において、表示制御手段34は、ステップSP64で取得された結果情報72を含む検索出力画面110を表示手段36に表示させる。これにより、ユーザ端末12には、検索出力画面110が表示される。
【0086】
図13は、ユーザ端末12に表示される検索出力画面110の一例を示す図である。検索出力画面110上には、検索結果に関する2つの情報欄112,114が設けられている。情報欄112は、出発地(A駅)から目的地(Z駅)までの移動経路、出発/到着時刻、路線名、料金を示している。情報欄114は、交通状況の予測情報(例えば、イベントの種別、路線名、遅延見込時間など)を示している。なお、遅延が発生する可能性をユーザに視認されやすくするため、情報欄112内の対応箇所に警告を示すマーク116が重ねて配置されてもよい。
【0087】
以上のようにして、情報検索システム10の第3動作が終了する。これにより、公共交通手段における検索結果が、表示を通じてユーザに提示される。
【0088】
[実施形態による効果]
<1.交通情報の表示>
情報表示システムとしての情報検索システム10は、1又は複数のユーザ端末12と、ユーザ端末12と通信可能な交通検索サーバ14と、を含んで構成される。交通検索サーバ14は、公共交通手段の移動経路及び運行時間に関する経路DB64を構築可能に構成される記憶手段62と、公共交通手段の運行又は利用に関する測定データ66を取得する取得手段50と、取得手段50により取得された測定データ66に基づいて公共交通手段の交通状況を予測する予測手段54と、を備える。ユーザ端末12は、測定データ66から推定された交通状況又は予測手段54により予測された交通状況を示す状況情報70を時間と対応付けて取得する取得手段32と、取得手段32により取得された状況情報70に基づいて交通状況の時間変化を表示手段36に表示させる制御を行う表示制御手段34と、を備える。
【0089】
また、コンピュータが実行する情報表示方法及びプログラムによれば、ユーザ端末12が、公共交通手段の運行又は利用に関する交通状況を示す状況情報70を時間と対応付けて取得し(図8のステップSP42)、取得された状況情報70に基づいて交通状況の時間変化を表示手段36に表示させる制御を行う(図8のステップSP46)。
【0090】
このように、交通状況の時間変化を表示することで、公共交通手段又は利用者の流れが、表示手段36の視認者にとって理解し易い態様で可視化される。これにより、公共交通手段の利用を含む行動計画の策定に有用な情報をユーザに向けて提示することができる。
【0091】
また、状況情報70は、基準時点における交通状況の測定結果を示す第1状況情報及び基準時点よりも後の時点における交通状況の予測結果を示す第2状況情報を含んでもよい。これにより、ユーザは、公共交通手段又は利用者の流れの予測を視認しながら、基準時点の前後にわたる行動計画を策定しやすくなる。
【0092】
また、表示制御手段34は、測定結果をデータの測定若しくは出所への信頼度と併せて、又は予測結果を予測若しくは運行への信頼度と併せて表示手段36に表示させる制御を行ってもよい。ユーザは、測定結果又は予測結果と併せて表示された信頼度を視認することで、それらの結果を信用して行動計画を策定するか否かを各自で判断することができる。
【0093】
また、表示制御手段34は、交通状況を一方向に沿って時系列順に並べて表示手段36に表示させる制御を行ってもよい。ユーザは、一方向に沿って視線を移動させることで、公共交通手段又は利用者の流れを一見して把握できる。
【0094】
また、表示制御手段34は、交通状況を時間毎に切り替えながら表示手段36に表示させる制御を行ってもよい。ユーザは、表示内容の切り替わりを視認することで、公共交通手段又は利用者の流れを一見して把握できる。
【0095】
また、表示制御手段34は、交通状況を公共交通手段の経路図と併せて表示手段36に表示させる制御を行ってもよい。これにより、ユーザは、経路図と一緒に交通状況を視認することで、公共交通手段又は利用者の流れをさらに把握しやすくなる、
【0096】
<2.交通情報の検索>
情報検索システム10は、1又は複数のユーザ端末12と、ユーザ端末12と通信可能な交通検索サーバ14と、を含んで構成される。交通検索サーバ14は、記憶手段62、取得手段50及び予測手段54の他に、記憶手段62により構築された経路DB64を参照し、予測手段54により予測された交通状況に応じて公共交通手段の運行時間を修正した後に、公共交通手段の移動経路を検索する検索手段56と、をさらに備える。ユーザ端末12は、検索手段56による検索結果を示す結果情報72を対応付けて取得する取得手段32と、取得手段32により取得された結果情報72に基づいて移動経路の検索結果を表示手段36に表示させる制御を行う表示制御手段34と、を備える。
【0097】
また、コンピュータが実行する情報検索方法及びプログラムによれば、交通検索サーバ14は、公共交通手段の運行又は利用に関する測定データ66を取得し(図5のステップSP12)、取得された測定データ66に基づいて公共交通手段の交通状況を予測し(図5のステップSP18)、記憶手段62により構築された経路DB64を参照し、予測された交通状況に応じて公共交通手段の運行時間を修正した後に、公共交通手段の移動経路を検索する(図11のステップSP60)。
【0098】
このように、予測された交通状況に応じて公共交通手段の運行時間を修正することで、公共交通手段又は利用者の流れを考慮した検索結果が得られる。これにより、公共交通手段の利用を含む行動計画の策定に有用な情報をユーザに向けて提示することができる。
【0099】
[変形例]
なお、本発明は上記の具体例に限定されるものではない。すなわち、上記の具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。また、前述した実施形態及び後述する変形例が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【0100】
上記した実施形態では、確認画面90の情報欄92,94の表示内容が、ユーザによるスライド操作に追従して変化する場合を例示して説明したが、これに代えて、表示制御手段34は、ユーザによる開始操作に応じて、情報欄92,94の表示内容を時系列に沿って自動的に切り替える表示制御を行ってもよい。
【0101】
上記した実施形態では、確認画面80,90上に交通状況のみを表示する場合を例示して説明したが、これと併せて、交通状況を考慮した行動計画の提案に関する表示を行ってもよい。例えば、平均待ち時間が閾値以下になるような出発時刻を提案することで、乗車までの待ち時間をなるべく減らしたいユーザにとって便宜となる。あるいは、乗車率が閾値以下になるような出発時刻を提案することで、列車内の人混みをなるべく避けたいユーザにとって便宜となる。
【0102】
上記した実施形態では、確認画面80,90の表示と、検索画面の表示とが別々に行われる場合を例示して説明したが、両者の画面を連携させた動作を行ってもよい。例えば、表示制御手段34は、確認画面80上における情報欄86の該当箇所(例えば、特定のバー)を指定する操作を受け付けた場合、ユーザが選択した時間が自動的に入力された検索入力画面100を起動させてもよい。あるいは、表示制御手段34は、検索出力画面110上の該当箇所(例えば、マーク116)を指定する操作を受け付けた場合、ユーザが選択した路線に関する確認画面80,90を起動させてもよい。
【符号の説明】
【0103】
10…情報検索システム、12…ユーザ端末(端末装置)、14…交通検索サーバ(情報検索装置)、32…取得手段(第2取得手段)、34…表示制御手段、36…表示手段、50…取得手段(第1取得手段)、56…検索手段、62…記憶手段、64…経路DB(データベース)、70…状況情報、72…結果情報


図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13