(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022178878
(43)【公開日】2022-12-02
(54)【発明の名称】休憩誘導装置、休憩誘導方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/10 20120101AFI20221125BHJP
G06F 3/0484 20220101ALI20221125BHJP
G06Q 10/06 20120101ALI20221125BHJP
【FI】
G06Q10/10 320
G06F3/0484
G06Q10/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021085981
(22)【出願日】2021-05-21
(71)【出願人】
【識別番号】000002299
【氏名又は名称】清水建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【弁理士】
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(72)【発明者】
【氏名】近藤 恒佑
(72)【発明者】
【氏名】長谷部 弥
【テーマコード(参考)】
5E555
5L049
【Fターム(参考)】
5E555BA02
5E555BA04
5E555BB02
5E555BB04
5E555CA17
5E555CB20
5E555DC11
5E555DC13
5E555DC86
5E555FA00
5L049AA10
5L049AA11
(57)【要約】
【課題】作業中のユーザに休憩を取ることを促す際にユーザに与える不快感を軽減することが可能な休憩誘導装置、休憩誘導方法、及びプログラムを提供する。
【解決手段】ユーザがこなした作業量を取得する作業量取得部と、ユーザが休憩を取ったことを検出する検出部と、ユーザがこなした作業量をユーザに報知すべく、ユーザが作業で使用する装置とは異なる装置にユーザがこなした作業量を表示する表示制御部と、を備え、表示制御部は、ユーザがこなした作業量をユーザが休憩を取るまで断続的に異なる装置に表示するものであって、ユーザがこなした作業量を異なる装置に表示した後、ユーザがこなした作業量を第1の時間経過してから異なる装置に表示し、ユーザがこなした作業量を第1の時間経過してから表示した後、ユーザがこなした作業量を第1の時間より短い第2の時間経過してから異なる装置に表示する、休憩誘導装置。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザがこなした作業量を取得する作業量取得部と、
前記ユーザが休憩を取ったことを検出する検出部と、
前記ユーザがこなした作業量を前記ユーザに報知すべく、前記ユーザが作業で使用する装置とは異なる装置に前記ユーザがこなした作業量を表示する表示制御部と、
を備え、
前記表示制御部は、前記ユーザがこなした作業量を前記ユーザが休憩を取るまで断続的に前記異なる装置に表示するものであって、前記ユーザがこなした作業量を前記異なる装置に表示した後、前記ユーザがこなした作業量を第1の時間経過してから前記異なる装置に表示し、前記ユーザがこなした作業量を前記第1の時間経過してから表示した後、前記ユーザがこなした作業量を前記第1の時間より短い第2の時間経過してから前記異なる装置に表示する、
休憩誘導装置。
【請求項2】
前記表示制御部は、前記ユーザが作業開始後、前記ユーザがこなした作業量を前記異なる装置に初めて表示した後、前記ユーザがこなした作業量を前記第1の時間経過してから前記異なる装置に表示するものであって、前記ユーザが休憩を取った後、前記ユーザがこなした作業量を前記異なる装置に表示した後、再度、前記ユーザがこなした作業量を前記異なる装置に表示するまでの時間を前記第1の時間とする、
請求項1に記載の休憩誘導装置。
【請求項3】
前記表示制御部は、前記ユーザが休憩を取らないまま前記ユーザがこなした作業量の表示と非表示が前記異なる装置で所定の回数繰り返された場合、前記ユーザがこなした作業量を前記異なる装置に表示した後、再度、前記ユーザがこなした作業量を前記異なる装置に表示するまでの時間を一定にする、
請求項1又は請求項2に記載の休憩誘導装置。
【請求項4】
前記表示制御部は、前記ユーザがこなした作業量を前記異なる装置に表示してから所定の時間が経過した場合、前記ユーザがこなした作業量を前記異なる装置に表示しない状態とする、
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の休憩誘導装置。
【請求項5】
前記検出部は、前記ユーザが休憩を取った後、前記ユーザに操作されるものである、
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の休憩誘導装置。
【請求項6】
前記ユーザがこなした作業量は、前記ユーザが休憩を取ることなく継続的に作業を行った時間である、
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の休憩誘導装置。
【請求項7】
ユーザがこなした作業量を取得する作業量取得過程と、
前記ユーザが休憩を取ったことを検出する検出過程と、
前記ユーザがこなした作業量を前記ユーザに報知すべく、前記ユーザが作業で使用する装置とは異なる装置に前記ユーザがこなした作業量を表示する表示制御過程と、
を含み、
前記表示制御過程は、前記ユーザがこなした作業量を前記ユーザが休憩を取るまで断続的に前記異なる装置に表示するものであって、前記ユーザがこなした作業量を前記異なる装置に表示した後、前記ユーザがこなした作業量を第1の時間経過してから前記異なる装置に表示し、前記ユーザがこなした作業量を前記第1の時間経過してから表示した後、前記ユーザがこなした作業量を前記第1の時間より短い第2の時間経過してから前記異なる装置に表示する、
休憩誘導方法。
【請求項8】
コンピュータを、
ユーザがこなした作業量を取得する作業量取得手段と、
前記ユーザが休憩を取ったことを検出する検出手段と、
前記ユーザがこなした作業量を前記ユーザに報知すべく、前記ユーザが作業で使用する装置とは異なる装置に前記ユーザがこなした作業量を表示する表示制御手段と、
として機能させ、
前記表示制御手段は、前記ユーザがこなした作業量を前記ユーザが休憩を取るまで断続的に前記異なる装置に表示するものであって、前記ユーザがこなした作業量を前記異なる装置に表示した後、前記ユーザがこなした作業量を第1の時間経過してから前記異なる装置に表示し、前記ユーザがこなした作業量を前記第1の時間経過してから表示した後、前記ユーザがこなした作業量を前記第1の時間より短い第2の時間経過してから前記異なる装置に表示する、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、休憩誘導装置、休憩誘導方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
厚生労働省が平成14年度に実施した労働者健康状況調査によると、「普段の仕事で疲れる」とする労働者は72.2%にのぼり、日本において多くの労働者が疲労を自覚していることが確認され、現在もこの状況は変わっていない。疲労は身体の活動能力の減退状態と定義されることからも、疲労に起因した社会的損失は大きく、疲労を起こしにくくする効率的な対策を取ることができれば意義が大きい。
疲労の蓄積を抑制するためには、執務中に適切な休憩を取ることが有効とされる。例えば既往研究により、オフィスワーカーを対象として、疲労の蓄積が多くないうちに休憩をこまめにとった方が、肉体的・精神的疲労感が改善されること、また休憩を取らなかった場合、同じだけ疲労感を解消するには、作業後により長時間の休憩が必要となることが報告されている。
また、厚生労働省は、オフィスワーカーの心身の負担を軽減し、作業者に支障なく作業を継続させるためのガイドライン(VDT作業における労働衛生管理のためのガイドライン)を定めている。その中の「一連続作業時間及び作業休止時間」の項において、「一連続作業時間が1時間を越えないようにする」、「連続作業と連続作業の間に10~15分の作業休止時間を設ける」ことが規定されている。
【0003】
そこで、休憩行動を取らせるためのきっかけとして、ワーカーが作業で使用している情報端末に休憩を取ることを促すメッセージを表示するシステムがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の技術のように、ワーカーが作業で使用している情報端末に休憩を取ることを促すための提示をすると、時にワーカーに対して「作業を中断させられた」という不快感をもたらす可能性がある。
【0006】
上述の課題に鑑み、本発明の目的は、作業中のユーザに休憩を取ることを促す際にユーザに与える不快感を軽減することが可能な休憩誘導装置、休憩誘導方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の課題を解決するために、本発明の一態様に係る休憩誘導装置は、ユーザがこなした作業量を取得する作業量取得部と、前記ユーザが休憩を取ったことを検出する検出部と、前記ユーザがこなした作業量を前記ユーザに報知すべく、前記ユーザが作業で使用する装置とは異なる装置に前記ユーザがこなした作業量を表示する表示制御部と、を備え、前記表示制御部は、前記ユーザがこなした作業量を前記ユーザが休憩を取るまで断続的に前記異なる装置に表示するものであって、前記ユーザがこなした作業量を前記異なる装置に表示した後、前記ユーザがこなした作業量を第1の時間経過してから前記異なる装置に表示し、前記ユーザがこなした作業量を前記第1の時間経過してから表示した後、前記ユーザがこなした作業量を前記第1の時間より短い第2の時間経過してから前記異なる装置に表示する。
【0008】
本発明の一態様に係る休憩誘導方法は、ユーザがこなした作業量を取得する作業量取得過程と、前記ユーザが休憩を取ったことを検出する検出過程と、前記ユーザがこなした作業量を前記ユーザに報知すべく、前記ユーザが作業で使用する装置とは異なる装置に前記ユーザがこなした作業量を表示する表示制御過程と、を含み、前記表示制御過程は、前記ユーザがこなした作業量を前記ユーザが休憩を取るまで断続的に前記異なる装置に表示するものであって、前記ユーザがこなした作業量を前記異なる装置に表示した後、前記ユーザがこなした作業量を第1の時間経過してから前記異なる装置に表示し、前記ユーザがこなした作業量を前記第1の時間経過してから表示した後、前記ユーザがこなした作業量を前記第1の時間より短い第2の時間経過してから前記異なる装置に表示する。
【0009】
本発明の一態様に係るプログラムは、コンピュータを、ユーザがこなした作業量を取得する作業量取得手段と、前記ユーザが休憩を取ったことを検出する検出手段と、前記ユーザがこなした作業量を前記ユーザに報知すべく、前記ユーザが作業で使用する装置とは異なる装置に前記ユーザがこなした作業量を表示する表示制御手段と、として機能させ、前記表示制御手段は、前記ユーザがこなした作業量を前記ユーザが休憩を取るまで断続的に前記異なる装置に表示するものであって、前記ユーザがこなした作業量を前記異なる装置に表示した後、前記ユーザがこなした作業量を第1の時間経過してから前記異なる装置に表示し、前記ユーザがこなした作業量を前記第1の時間経過してから表示した後、前記ユーザがこなした作業量を前記第1の時間より短い第2の時間経過してから前記異なる装置に表示する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、作業中のユーザに休憩を取ることを促す際にユーザに与える不快感を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施形態に係る休憩誘導装置の外観構成の一例を示す概略図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る休憩誘導装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る休憩誘導装置が作業量を表示する表示タイミングの一例を示すイメージ図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る休憩誘導装置が作業量を表示する表示タイミングの一例を示すイメージ図である。
【
図5】本発明の実施形態に係る休憩誘導装置が実行する休憩誘導処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0013】
<1.外観構成>
まず、
図1を参照して、休憩誘導装置の外観構成について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る休憩誘導装置10の外観構成の一例を示す概略図である。
休憩誘導装置10は、ユーザが作業をするワークスペースWS(例えば、個室ブース)において、ユーザの視界に入る位置(例えば、デスク上等)に設けられ、ユーザに休憩行動を促す装置である。休憩誘導装置10は、ユーザが作業で使用する装置とは異なる装置である。ユーザが作業で使用する装置は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、PC(Personal Computer)等である。
図1に示すように、休憩誘導装置10は、検出部102と表示部105とを備える。検出部102と表示部105は、例えば、
図1に示すように休憩誘導装置10の正面に設けられる。なお、検出部102と表示部105が設けられる位置は、休憩誘導装置10の正面に限定されない。
検出部102は、操作入力を受け付けるボタン等である。
表示部105は、液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等の表示装置である。
【0014】
<2.機能構成>
続いて、
図2を参照して、休憩誘導装置10の機能構成について説明する。
図2は、本発明の実施形態に係る休憩誘導装置10の機能構成の一例を示すブロック図である。
図2に示すように、休憩誘導装置10は、作業量取得部101と、検出部102と、計時部103と、表示制御部104と、表示部105とを備える。
【0015】
作業量取得部101は、ユーザがこなした作業量を取得する。作業量は、ユーザが行っている作業の量を示すものであってもよいし、作業の継続時間であってもよいし、作業の進捗を示すものであってもよい。作業の継続時間は、具体的に、ユーザが休憩を取ることなく継続的に作業を行った時間である。例えば、作業量取得部101は、ユーザが作業を開始してからの経過時間を計時し、計時した時間に基づいて作業量を判定してもよい。このとき、作業量取得部101は、ワークスペースWSへの入室を人感センサやドアセンサが検出したときを、ユーザが作業を開始したときとしてもよいし、ユーザが使用する装置等のICT(Information and Communication Technology)機器の電源使用状況等に基づいて、ユーザが作業を開始したときを判定してもよい。また、作業量取得部101は、ユーザの使用するパーソナルコンピュータからキーボードの打鍵数を取得し、取得した打鍵数に基づいて作業量を判定してもよい。
【0016】
検出部102は、ユーザが休憩を取ったことを検出する。検出部102は、ユーザに操作されるものであって、例えば、ボタンである。検出部102は、ユーザによる検出部102の操作に基づき、ユーザが休憩を取ったことを検出する。例えば、ユーザは、休憩を取った後、ボタンである検出部102を押下する。検出部102は、ボタンがユーザによって押下されて入力を受け付けたときに、ユーザが休憩を取ったと判定する。
【0017】
計時部103は、時間を計時する。
【0018】
表示制御部104は、表示部105の表示を制御する。表示制御部104は、ユーザがこなした作業量をユーザに報知すべく、ユーザが作業で使用する装置とは異なる装置である休憩誘導装置10の表示部105に、ユーザがこなした作業量を表示する。例えば、表示制御部104は、ユーザが作業を開始してから休憩を取らずに所定の時間が経過した場合に、表示部105にユーザがこなした作業量を表示する。また、表示制御部104は、ユーザがこなした作業量を表示部105に表示してから所定の時間が経過した場合、ユーザがこなした作業量を表示部105に表示しない状態(例えば非表示)とする。このようにして、表示制御部104は、ユーザがこなした作業量をユーザが休憩を取るまで断続的に表示部105に表示する。
以下、表示部105における作業量の表示を維持する時間(即ち作業量を表示してから非表示にするまでの時間)は、「表示維持時間」とも称される。また、以下、ユーザが作業を開始してから初めて作業量を表示するまでの時間と、表示部105に作業量を表示した後に表示部105に作業量を再度表示させるまでの時間(請求項における第1の時間、第2の時間、第3の時間)は、「表示間隔時間」とも称される。なお、表示間隔時間は、表示部105に作業量を表示してから次に作業量を表示するまでの時間であってもよいし、表示部105に表示した作業量を非表示にしてから次に作業量を表示するまでの時間であってもよい。以下、本実施形態では、表示間隔時間が表示部105に作業量を表示してから次に作業量を表示するまでの時間である例について説明する。
【0019】
具体的に、表示制御部104は、ユーザが作業を開始してから表示間隔時間が経過した後、ユーザがこなした作業量(以下、「第1の作業量」とも称される)を表示部105に初めて表示する。第1の作業量は、ユーザが作業を開始してから第1の作業量が表示されるまでにユーザがこなした作業量である。表示制御部104は、第1の作業量を表示部105に表示した後から表示維持時間経過後、第1の作業量を非表示にする。
また、表示制御部104は、第1の作業量を表示部105に表示した後、ユーザがこなした作業量(以下、「第2の作業量」とも称される)を表示間隔時間(請求項における第1の時間)経過してから表示部105に表示する。第2の作業量は、ユーザが作業を開始してから第2の作業量が表示されるまでにユーザがこなした作業量である。表示制御部104は、第2の作業量を表示部105に表示した後から表示維持時間経過後、第2の作業量を非表示にする。
また、表示制御部104は、第2の作業量を表示部105に表示した後、ユーザがこなした作業量(以下、「第3の作業量」とも称される)を表示間隔時間(請求項における第2の時間)経過してから表示部105に表示する。第3の作業量は、ユーザが作業を開始した後から第3の作業量が表示されるまでにユーザがこなした作業量である。表示制御部104は、第3の作業量を表示部105に表示した後から表示維持時間経過後、第3の作業量を非表示にする。
このようにして、表示制御部104は、ユーザがこなした作業量の表示と非表示をユーザが休憩を取るまで繰り返し行う。
【0020】
表示制御部104は、ユーザがこなした作業量の表示と非表示が行われる度に、表示間隔時間を短くする。例えば、上述の第2の時間は、上述の第1の時間よりも短い時間である。ユーザが休憩を取った場合、表示制御部104は、ユーザが休憩を取った後にユーザがこなした作業量を表示部105に初めて表示した後、再度、ユーザがこなした作業量を表示部105に表示するまでの表示間隔時間を第1の時間とする。
なお、ユーザが休憩を取らないままユーザがこなした作業量の表示と非表示が表示部105で所定の回数繰り返された場合、表示制御部104は、表示間隔時間を一定にしてもよい。
【0021】
表示部105は、作業量を表示する。
【0022】
<3.動作>
続いて、
図3から
図5を参照して、休憩誘導装置10の動作について説明する。
【0023】
(作業量の表示タイミング)
図3及び
図4を参照して、休憩誘導装置10が作業量を表示する表示タイミングについて説明する。
図3及び
図4は、本発明の実施形態に係る休憩誘導装置10が作業量を表示する表示タイミングの一例を示すイメージ図である。
図3には、表示部105に作業量が表示されてもユーザが休憩を取らなかった場合の例が示されている。
図4には、表示部105に作業量が表示されるたびにユーザが休憩を取った場合の例が示されている。
図3及び
図4の横軸には、ユーザが作業を開始してからの経過時間(単位は分)が示されている。また、
図3及び
図4において、破線は作業量を表示して休憩を誘導する表示タイミングを示し、斜線部分は表示維持時間を示している。
【0024】
図3に示す例では、1回目の表示までの表示間隔時間x
1=60分、2回目の表示までの表示間隔時間x
2=30分、3回目の表示までの表示間隔時間x
3=20分、n回目(nは4以上の整数)の表示までの表示間隔時間x
n(n≧4)=10分であり、表示維持時間y=3分である場合について例示している。各表示回数に対応する表示間隔時間と表示維持時間とは、予め休憩誘導装置10に設定されている。
【0025】
図3に示すように、まず、表示制御部104は、ユーザが作業を開始してからx
1=60分が経過すると、1回目の表示(作業量の表示)をし、ユーザに休憩を誘導する。そして、表示制御部104は、作業量を表示してから表示維持時間経過後に、表示した作業量を消す。表示制御部104は、ワーカーが休憩を促されても作業を継続したい場合等、休憩行動を取らなかった場合には、前回作業量を表示してから、前回の表示間隔時間x
1=60分より短いx
2=30分が経過すると、2回目の表示をする。その後、表示制御部104は、前回の表示間隔時間x
2=30分より短いx
3=20分が経過後に、3回目の表示をする。その後、表示制御部104は、前回の表示間隔時間x
3=20分より短いx
n=10分が経過後に、4回目の表示をする。表示制御部104は、ユーザが休憩行動を取らないまま表示回数が4回以上になると、その後、一定時間x
n=10分が経過する毎に、作業量を表示して、ユーザが休憩を取るよう誘導する。
【0026】
このように、休憩誘導装置10は、はじめは長時間作業量を表示せず、ユーザが表示を見送る、もしくは見逃すごとに次の表示までの表示間隔時間を短くしていく。これにより、休憩誘導装置10は、ユーザが休憩行動を取るきっかけを増やしていく。
ただし、表示間隔時間が表示維持時間yよりも短くなると、作業量が常時表示されることになる。頻繁過ぎる表示はユーザに不快感を抱かせる可能性を高くすることから、本実施形態では表示間隔時間を最短で10分間とし、x4以降はすべて表示間隔時間を10分に設定している。
【0027】
なお、
図3に示す表示間隔時間は一例であり、これに限られない。例えば、ユーザが休憩を取らなかった場合には徐々に表示間隔時間が短くなるという条件を保ちながら、ユーザ毎に可変であってもよい。
【0028】
図4に示す例では、1回目の表示までの表示間隔時間x
1=60分、2回目の表示までの表示間隔時間x
2=60分、3回目の表示までの表示間隔時間x
3=60分であり、表示維持時間y=3分である場合について例示している。各表示回数に対応する表示間隔時間と表示維持時間とは、予め休憩誘導装置10に設定されている。
【0029】
ユーザは、休憩を取る際、休憩誘導装置10の正面に設置されている検出部102のボタンを押下する。検出部102は、ボタンが入力を受け付けると、ユーザが休憩を取ったことを検出する。表示制御部104は、ユーザが休憩を取った場合には、表示回数を0に戻して、表示間隔時間をx
1=60分に戻す。そのため、ユーザが表示毎に休憩を取った場合、表示制御部104は、
図4に示すように60分毎に作業量を表示する。即ち、表示制御部104は、ユーザが休憩を取った場合には、表示間隔時間を短くすることなく、再度60分経過するまで作業量を表示しない。
【0030】
(休憩誘導処理)
続いて、
図5を参照して、休憩誘導装置10が実行する休憩誘導処理の流れについて説明する。
図5は、本発明の実施形態に係る休憩誘導装置10が実行する休憩誘導処理の流れの一例を示すフローチャートである。休憩誘導装置10は、ユーザが作業を開始すると、
図5に示す処理を実行する。
【0031】
図5に示すように、まず、表示制御部104は、表示間隔時間をx
1に初期化し、表示回数を0回に初期化する(ステップS101)。
【0032】
次いで、検出部102は、ユーザが休憩を取ったか否かを判定する(ステップS102)。例えば、検出部102は、ボタンが入力を受け付けた場合にはユーザが休憩を取ったと判定し、ボタンが入力を受け付けていない場合にはユーザが休憩を取っていないと判定する。
ユーザが休憩を取ったと判定した場合(ステップS102:Yes)、検出部102は、処理をステップS101に戻す。一方、ユーザが休憩を取っていないと判定した場合(ステップS102:No)、検出部102は、処理をステップS103に進める。
【0033】
処理がステップS103に進んだ場合、表示制御部104は、表示間隔時間が経過したか否かを判定する(ステップS103)。
表示間隔時間が経過したと判定した場合(ステップS103:Yes)、表示制御部104は、処理をステップS104に進める。一方、表示間隔時間が経過していないと判定した場合(ステップS103:No)、表示制御部104は、処理をステップS102に戻す。
【0034】
次いで、作業量取得部101は、ユーザがこなした作業量を取得する(ステップS104)。
【0035】
次いで、表示制御部104は、作業量取得部101が取得した作業量を表示部105に表示する(ステップS105)。この時、表示制御部104は、表示回数に1を加算する。
【0036】
次いで、表示制御部104は、表示回数が所定の回数を超えたか否かを判定する(ステップS106)。
表示回数が所定の回数を超えたと判定した場合(ステップS106:Yes)、表示制御部104は、処理をステップS108に進める。一方、表示回数が所定の回数を超えていないと判定した場合(ステップS106:No)、表示制御部104は、処理をステップS107に進める。
【0037】
処理がステップS107に進んだ場合、表示制御部104は、表示回数に応じて表示間隔時間を短くする(ステップS107)。そして、表示制御部104は、処理をステップS108に進める。
【0038】
処理がステップS108に進んだ場合、表示制御部104は、作業量を表示してから表示維持時間が経過したか否かを判定する(ステップS108)。
表示維持時間が経過したと判定した場合(ステップS108:Yes)、表示制御部104は、処理をステップS109に進める。一方、表示維持時間が経過していないと判定した場合(ステップS108:No)、表示制御部104は、ステップS108の処理を再度実行する。
【0039】
処理がステップS109に進んだ場合、表示制御部104は、表示部105に表示した作業量を消す(ステップS109)。そして、表示制御部104は、処理をステップS102に戻す。
【0040】
このように、本実施形態における休憩誘導装置10は、ユーザがこなした作業量を取得する作業量取得部101と、ユーザが休憩を取ったことを検出する検出部102と、ユーザがこなした作業量を前記ユーザに報知すべく、ユーザが作業で使用する装置とは異なる装置(休憩誘導装置10の表示部105)にユーザがこなした作業量を表示する表示制御部104と、を有する。
表示制御部104は、ユーザがこなした作業量をユーザが休憩を取るまで断続的に異なる装置に表示するものであって、ユーザがこなした作業量を異なる装置に表示した後、ユーザがこなした作業量を表示間隔時間(第1の時間)経過してから異なる装置に表示し、ユーザがこなした作業量を表示間隔時間(第1の時間)経過してから表示した後、ユーザがこなした作業量を表示間隔時間(第1の時間より短い第2の時間)経過してから異なる装置に表示する。
【0041】
このような構成により、休憩誘導装置10がユーザがこなした作業量を表示することで、ユーザに自身の取り組み状況や成果を認識させることができ、休憩を取ってもよいと思わせることができる。また、ユーザが作業で使用する装置とは異なる装置に当該ユーザがこなした作業量を表示することで、ユーザに「作業を中断された」と感じさせずに、穏やかに休憩行動を促すことができる。よって、作業中のユーザに休憩を取ることを促す際にユーザに与える不快感を軽減することができる。
【0042】
また、作業量の表示をユーザが見送る、もしくは見逃すごとに次に作業量が表示されるまでの時間を短くしていくことで、ユーザが休憩行動を取るきっかけを増やしていくことができる。これにより、ユーザが作業を長時間継続し過ぎることを抑止することができる。よって、ユーザがこなした作業を強制的に中断させることや邪魔することなく、休憩行動を促し、ユーザの疲労の蓄積を抑制して、オフィスの生産性向上に寄与することができる。
【0043】
また、表示制御部104は、ユーザが休憩を取った場合、短くした表示間隔時間を元に戻す(即ち表示間隔時間を第1の時間とする)。これにより、ユーザが休憩を取った後、直ぐに作業量が表示されることを防ぐことができる。即ち、ユーザが休憩を取った後には作業量が頻繁に表示されなくなるため、頻繁な表示でユーザが不快感を抱く可能性を低減することができる。
【0044】
また、表示制御部104は、ユーザが休憩を取らないまま作業量の表示と非表示が表示部105で所定の回数繰り返された場合、表示間隔時間を一定にする。これにより、表示が頻繁になり過ぎることがないため、頻繁な表示でユーザが不快感を抱く可能性を低減することができる。
【0045】
また、表示制御部104は、作業量を表示してから表示維持時間が経過した場合、ユーザがこなした作業量を休憩誘導装置10の表示部105に表示しない状態とする。このように、表示を一度消すことにより、次の表示をユーザに気付きやすくすることができる。
【0046】
上述した実施形態における休憩誘導装置10の全部または一部をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OS(Operating System)や周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM(Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよく、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のプログラマブルロジックデバイスを用いて実現されるものであってもよい。
【0047】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【0048】
例えば、上述した実施形態では、検出部102は、ボタンの押下によりユーザが休憩を取ったことを検出しているが、これに限らず、休憩時に何らかの信号をユーザに残させる他の方法(例えば、所定のソフトを立ち上げる、リフレッシュに寄与する機器を使用する等)によりユーザの休憩を検出してもよい。
【0049】
また、ユーザに能動的に休憩行動を取ったことを記録として残させるために、ワークスペースWS内の環境が休憩に適した条件(照明条件、BGM(Back Ground Music)、香りなど)となる機能(休憩モード)をワークスペースWSに持たせてもよい。休憩モードの設定条件は個人の好みに合わせて各自が設定できるものとしてもよい。例えば、ワークスペースWSは、検出部102のボタンが押下されると、ワークスペースWS内の環境を自動的に休憩に適した休憩モードへ移行させてもよい。これにより、休憩誘導装置10に表示された作業量を見たユーザは、ボタンを押下するだけで、自身のワークスペースWSを休憩に適した室内環境へとスムーズに調整することができる。
【0050】
また、上述した実施形態では、1回目の作業量の表示タイミングを、ユーザが作業を開始してから所定時間(上述した実施形態ではx1=60分)経過後としているが、1回目の表示タイミングはこれに限られない。例えば、表示制御部104は、ユーザの行動や、ユーザが装着するウェアラブルデバイス等から取得した生体情報等を基にユーザの集中力が低下している等と判定したタイミング等を1回目の表示タイミングとしてもよい。
【0051】
また、上述した実施形態では、ワークスペースWSとして個室ブースを例に説明しているが、これに限らず、オープンな空間等においても本発明を適用することができる。
【0052】
また、上述した休憩誘導装置10が備える表示部105以外の各部の機能を別の情報処理装置(例えば、ユーザが作業で使用する装置等)が備えていてもよい。
【符号の説明】
【0053】
10…休憩誘導装置、101…作業量取得部、102…検出部、103…計時部、104…表示制御部、105…表示部