(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022178893
(43)【公開日】2022-12-02
(54)【発明の名称】折り畳みスタンド、および、折り畳みスタンドの組み立て方法
(51)【国際特許分類】
A47B 3/00 20060101AFI20221125BHJP
A47B 13/02 20060101ALI20221125BHJP
【FI】
A47B3/00 A
A47B13/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021086001
(22)【出願日】2021-05-21
(71)【出願人】
【識別番号】501067193
【氏名又は名称】株式会社カウネット
(74)【代理人】
【識別番号】100137486
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 雅直
(72)【発明者】
【氏名】神山 拓也
(72)【発明者】
【氏名】宮川 由紀
【テーマコード(参考)】
3B053
【Fターム(参考)】
3B053NR01
(57)【要約】
【課題】スタンディング状態と折り畳み状態とに変形可能な折り畳みスタンドにおいて、折り畳み状態において十分なコンパクト化を実現できる技術の提供。
【解決手段】スタンディング状態と折り畳み状態とに変形可能な折り畳みスタンド100であって、天板40と、底板20と、第1の脚10と、第2の脚30と、を備え、スタンディング状態において、第1の脚10が天板40の一端側と底板20の他端側を接続するとともに、第2の脚30が天板40の他端側と底板20の一端側を接続し、第2の脚30に設けられた、少なくとも一部分にスリット状の部分を有する挿通口31の該スリット状の部分に、第1の脚10が挿通される。また、折り畳み状態において、第1の脚10、底板20、第2の脚30、および、天板40が、積層されてシート状に折り畳まれる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スタンディング状態と折り畳み状態とに変形可能な折り畳みスタンドであって、
天板と、底板と、第1の脚と、第2の脚と、を備え、
前記スタンディング状態において、前記第1の脚が前記天板の一端側と前記底板の他端側を接続するとともに、前記第2の脚が前記天板の他端側と前記底板の一端側を接続し、前記第2の脚に設けられた、少なくとも一部分にスリット状の部分を有する挿通口の該スリット状の部分に、前記第1の脚が挿通されるものであり、
前記折り畳み状態において、前記第1の脚、前記底板、前記第2の脚、および、前記天板が、積層されてシート状に折り畳まれる、
ことを特徴とする折り畳みスタンド。
【請求項2】
請求項1に記載の折り畳みスタンドであって、
前記一端側が前記折り畳みスタンドの使用者側となる前方側であり、前記他端側が後方側である、
ことを特徴とする折り畳みスタンド。
【請求項3】
請求項1または2に記載の折り畳みスタンドであって、
前記挿通口が対をなして設けられており、
前記スタンディング状態において、前記一対の挿通口の各々のスリット状の部分に、前記第1の脚に設けられた一対の延出片の各々が挿通される、
ことを特徴とする折り畳みスタンド。
【請求項4】
請求項3に記載の折り畳みスタンドであって、
前記第2の脚における一対の前記挿通口の間に、中間開口が設けられており、
前記スタンディング状態において、前記中間開口に、前記第1の脚における前記一対の延出片の間に設けられた舌片が差し込まれる、
ことを特徴とする折り畳みスタンド。
【請求項5】
請求項4に記載の折り畳みスタンドであって、
前記第1の脚が、前記一対の延出片の間に前記舌片を囲むように設けられたコ字型部を備え、
前記コ字型部が、前記折り畳み状態において露出して持ち手となる、
ことを特徴とする折り畳みスタンド。
【請求項6】
請求項5に記載の折り畳みスタンドであって、
前記コ字型部が、スタンディング状態において外部から視認できない位置に配置される、
ことを特徴とする折り畳みスタンド。
【請求項7】
請求項1から6のいずれかに記載の折り畳みスタンドであって、
前記第1の脚における前記天板と接続される側の端部に折り線が設けられており、
前記スタンディング状態において、前記折り線で折り曲げられることによって形成された折り曲げ部が、前記天板と接触する、
ことを特徴とする折り畳みスタンド。
【請求項8】
請求項1から7のいずれかに記載の折り畳みスタンドであって、
前記折り畳み状態において、前記第1の脚、前記底板、前記第2の脚、および、前記天板が積層された状態を維持する固定部材、
を備えることを特徴とする折り畳みスタンド。
【請求項9】
請求項8に記載の折り畳みスタンドであって、
前記固定部材が、前記積層された状態を、磁力によって維持するものである、
ことを特徴とする折り畳みスタンド。
【請求項10】
折り畳み状態にある折り畳みスタンドをスタンディング状態に組み立てる組み立て方法であって、
折り線を介して連なる、第1の脚、底板、第2の脚、および、天板が、該折り線で折り畳まれることで積層されてシート状に折り畳まれている折り畳み状態の折り畳みスタンドを展開する展開工程と、
前記底板と前記第2の脚との間の折り線を折り曲げて前記第2の脚を前記底板に対して立ち上げる折り曲げ工程と、
前記底板と前記第1の脚との間の折り線を折り曲げて前記第1の脚を前記底板に対して立ち上げて、前記第2の脚に設けられている、少なくとも一部分にスリット状の部分を有する挿通口の該スリット状の部分に前記第1の脚が挿通された状態とすることによって、前記第1の脚と前記第2の脚を交差させる挿通工程と、
前記天板と前記第2の脚との間の折り線を折り曲げて、前記天板が前記第1の脚と前記第2の脚に支持された状態とする天板設置工程と、
を備えることを特徴とする折り畳みスタンドの組み立て方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スタンディング状態と折り畳み状態とに変形可能な折り畳み式のスタンドに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1には、スタンディング状態と折り畳み状態とに変形可能なスタンディングテーブルが開示されている。このスタンディングテーブルは、いわゆる天板としての機能を果たす調節板が、上下一対の支持台によって支持された構成を備えており、上下一対の支持台は、一対のクロスアームを介して接続されている。各クロスアームは、X字型に交差されて回転可能に連結された一対のリンクアームとして構成されており、各リンクアームがなす角度を変更することで、調整板の高さを変更することができる。また、各リンクアームが略平行な姿勢とされることによって、スタンディングテーブルを折り畳むことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のスタンディングテーブルは、各支持台および各リンクアームが棒状のフレーム部材などから構成されているため、これらを折り畳んだ状態においても嵩高く、折り畳み状態において十分なコンパクト化が実現されるとはいえなかった。
【0005】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、スタンディング状態と折り畳み状態とに変形可能な折り畳みスタンドにおいて、折り畳み状態において十分なコンパクト化を実現できる技術の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、かかる目的を達成するために、次のような手段を講じたものである。
【0007】
すなわち、本発明は、スタンディング状態と折り畳み状態とに変形可能な折り畳みスタンドであって、天板と、底板と、第1の脚と、第2の脚と、を備え、前記スタンディング状態において、前記第1の脚が前記天板の一端側と前記底板の他端側を接続するとともに、前記第2の脚が前記天板の他端側と前記底板の一端側を接続し、前記第2の脚に設けられた、少なくとも一部分にスリット状の部分を有する挿通口の該スリット状の部分に、前記第1の脚が挿通されるものであり、前記折り畳み状態において、前記第1の脚、前記底板、前記第2の脚、および、前記天板が、積層されてシート状に折り畳まれる、ことを特徴とする。
【0008】
この構成によると、折り畳み状態において、第1の脚、底板、第2の脚、および、天板が、積層されてシート状に折り畳まれるので、折り畳み状態において嵩張らずに十分なコンパクト化が実現される。また、第2の脚に設けられた挿通口のスリット状の部分に第1の脚を挿通させることで、第1の脚と第2の脚をX状に交差させるので、折り畳み状態からスタンディング状態への組み立てが容易である。
【0009】
前記折り畳みスタンドにおいて、前記一端側が前記折り畳みスタンドの使用者側となる前方側であり、前記他端側が後方側である、ことも好ましい。
【0010】
天板の一端側では、第1の脚が第2の脚の挿通口に挿通された先の上端側において天板と接続されるところ、この一端側は他端側に比べて構造が簡素なものとなる。この一端側が使用者側となる前方側とされることで、使用者にスッキリとした使用感を与えることができる。
【0011】
前記折り畳みスタンドにおいて、前記挿通口が対をなして設けられており、前記スタンディング状態において、前記一対の挿通口の各々のスリット状の部分に、前記第1の脚に設けられた一対の延出片の各々が挿通される、ことも好ましい。
【0012】
この構成によると、スタンディング状態において、第1の脚と第2の脚の交差部分が、一対の挿通口の各々に一対の延出片の各々が挿通された構成となるので、スタンディング状態において天板が十分に安定する。
【0013】
前記折り畳みスタンドにおいて、前記第2の脚における一対の前記挿通口の間に、中間開口が設けられており、前記スタンディング状態において、前記中間開口に、前記第1の脚における前記一対の延出片の間に設けられた舌片が差し込まれる、ことも好ましい。
【0014】
この構成によると、スタンディング状態において、第1の脚と第2の脚の交差部分が、一対の挿通口の各々に一対の延出片の各々が挿通されるとともに、一対の挿通口の間に設けられた中間開口に舌片が挿通された構成となるので、スタンディング状態における天板の安定性がさらに高まる。
【0015】
前記折り畳みスタンドにおいて、前記第1の脚が、前記一対の延出片の間に前記舌片を囲むように設けられたコ字型部を備え、前記コ字型部が、前記折り畳み状態において露出して持ち手となる、ことも好ましい。
【0016】
この構成によると、折り畳みスタンドの使用者は、折り畳み状態において露出するコ字型部を持ち手として使うことで、折り畳み状態の折り畳みスタンドを片手で持ち運ぶことができる。
【0017】
前記折り畳みスタンドにおいて、前記コ字型部が、スタンディング状態において外部から視認できない位置に配置される、ことも好ましい。
【0018】
この構成によると、折り畳み状態において持ち手となるコ字型部が、スタンディング状態において外部から視認できない位置に配置されるので、スタンディング状態の美観が損なわれることがない。
【0019】
前記折り畳みスタンドにおいて、前記第1の脚における前記天板と接続される側の端部に折り線が設けられており、前記スタンディング状態において、前記折り線で折り曲げられることによって形成された折り曲げ部が、前記天板と接触する、ことも好ましい。
【0020】
この構成によると、スタンディング状態において、第1の脚と天板が、折り曲げ部を介して接触するので、スタンディング状態において天板が十分に安定する。
【0021】
前記折り畳みスタンドが、前記折り畳み状態において、前記第1の脚、前記底板、前記第2の脚、および、前記天板が積層された状態を維持する固定部材、を備えることも好ましい。
【0022】
この構成によると、折り畳み状態の折り畳みスタンドにおいて、積層された状態が維持されるので、持ち運びの際や保管の際などに積層されている各部分がばらけてしまう、といった事態が回避される。
【0023】
前記折り畳みスタンドにおいて、前記固定部材が、前記積層された状態を、磁力によって維持するものである、ことも好ましい。
【0024】
この構成によると、積層された状態を簡易かつ確実に維持することができる。
【0025】
また、別の態様に係る本発明は、折り畳み状態にある折り畳みスタンドをスタンディング状態に組み立てる組み立て方法であって、折り線を介して連なる、第1の脚、底板、第2の脚、および、天板が、該折り線で折り畳まれることで積層されてシート状に折り畳まれている折り畳み状態の折り畳みスタンドを展開する展開工程と、前記底板と前記第2の脚との間の折り線を折り曲げて前記第2の脚を前記底板に対して立ち上げる折り曲げ工程と、前記底板と前記第1の脚との間の折り線を折り曲げて前記第1の脚を前記底板に対して立ち上げて、前記第2の脚に設けられている、少なくとも一部分にスリット状の部分を有する挿通口の該スリット状の部分に前記第1の脚が挿通された状態とすることによって、前記第1の脚と前記第2の脚を交差させる挿通工程と、前記天板と前記第2の脚との間の折り線を折り曲げて、前記天板が前記第1の脚と前記第2の脚に支持された状態とする天板設置工程と、を備えることを特徴とする。
【0026】
この構成によると、第1の脚、底板、第2の脚、および、天板が、積層されてシート状に折り畳まれた折り畳み状態から、簡単にスタンディング状態に組み立てることができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明によると、折り畳み状態において十分なコンパクト化を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】スタンディング状態の折り畳みスタンドを示す斜視図。
【
図2】折り畳み状態の折り畳みスタンドを示す平面図および側面図。
【
図3】展開状態の折り畳みスタンドを示す平面図および側面図。
【
図4】折り畳みスタンドの使用態様の一例を示す図。
【
図5】折り畳みスタンドを折り畳み状態からスタンディング状態に組み立てる際の途中状態を示す斜視図。
【
図6】折り畳みスタンドを折り畳み状態からスタンディング状態に組み立てる際の途中状態を示す側面図。
【
図7】変形例に係る折り畳みスタンドを示す側面図。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0030】
実施形態に係る折り畳みスタンド100は、スタンディング状態と折り畳み状態とに変形可能な折り畳み式のスタンドである。この折り畳みスタンド100について、
図1~
図3を参照しながら説明する。
図1は、スタンディング状態の折り畳みスタンド100を示す斜視図である。
図2(a)および
図2(b)は、折り畳み状態の折り畳みスタンド100を示す平面図および側面図である。
図3(a)および
図3(b)は、展開状態の折り畳みスタンドを示す平面図および側面図である。
【0031】
折り畳みスタンド100は、第1の脚10、底板20、第2の脚30、および、天板40が、折り線51,52,53を介してこの順で連なった構成を有している。スタンディング状態の折り畳みスタンド100(
図1)では、第1の脚10と第2の脚30とが途中で交差してX字状に配設されて、天板40が底板20から離間した位置で底板20と略水平な姿勢で支持された状態となる。また、折り畳み状態の折り畳みスタンド100(
図2)では、各折り線51,52,53で蛇腹状に折り曲げられることで、これら各部10,20,30,40が積層されてシート状に折り畳まれた状態となる。さらに、展開状態の折り畳みスタンド100(
図3)では、これら各部10,20,30,40が同一平面内で連なった状態となる。
【0032】
折り畳みスタンド100は、第1の脚10、底板20、第2の脚30、および、天板40の各々に相当する薄肉の硬質板が、カバーによって一連に包まれた構成となっている。硬質板は、十分な硬さと強度を有する硬質の板である。カバーは屈曲自在な材質で形成されており、隣り合う硬質板の間隙の位置が、屈曲自在な折り線51,52,53を構成する。ただし、第1の脚10に相当する部分は、折り線11,13,17(後述する)を境界としてさらに複数枚の硬質板に分割されており、隣り合う硬質板の間隙の位置が、屈曲自在な折り線11,13,17を構成する。
【0033】
以下において、説明の便宜上、展開状態(
図3)において、第1の脚10、底板20、第2の脚30、および、天板40が連なる方向を「横方向」とよび、第1の脚10が設けられる側を「左側」とする。また、横方向と直交する方向を「縦方向」と呼ぶ。いうまでもなく、これは説明の便宜のためのものであり、使用時や保管時における折り畳みスタンド100の向きを限定するものではない。
【0034】
(第1の脚10)
第1の脚10は、展開状態の折り畳みスタンド100の横方向の端に設けられる部分であり、縦方向に延在する折り線(第1縦折り線)51を介して、底板20と連なって設けられる。
【0035】
第1の脚10には、横方向に延在する一対の折り線(横折り線)11,11が設けられている。一対の横折り線11,11の各々は、縦方向の中心に対して互いに対称となる位置に設けられる。
【0036】
ここでは、各横折り線11と第1縦折り線51との交点を頂点として縦方向の外方にある三角形状の部分が切り欠かれることで、切欠き部12が形成されている。切欠き部12は、具体的には、各横折り線11と第1縦折り線51との交点から縦方向の外方に向かうにつれて左方向に傾斜する斜め線12aと、該交点の外方に縦方向に延在する縦線12bと、を二辺とする三角形状部分である。切欠き部12が設けられることで、各横折り線11よりも外方の部分が、横折り線11の回りでフラップできるようになっている。以下において、横折り線11の回りでフラップ自在である横折り線11よりも外方の部分を、「フラップ部F1」とよぶ。
【0037】
各フラップ部F1の左端には、斜め線12aと平行な折り線(斜め折り線)13が設けられている。また、各横折り線11の左端の部分には、該横折り線11に沿う切り込み部(横切り込み部)14が設けられている。これによって、斜め折り線13よりも左側にある三角形状の部分が、斜め折り線13の回りでフラップできるようになっている。以下において、斜め折り線13の回りでフラップ自在である三角形状の部分を、「三角型フラップ部F2」とよぶ。
【0038】
一対の横折り線11,11の各々に設けられている横切り込み部14の間には、縦方向に延在する部分とその各端部から右方向に延在する部分とからなるコ字状の切り込み部(コ字型切り込み部)15が設けられている。コ字型切り込み部15における縦方向に延在する部分の右側には、該部分と平行なもう一つの切り込みが設けられており、これによって、コ字型切り込み部15で囲まれる部分に、矩形状の窓部16が形成されている。
【0039】
横方向について、各横切り込み部14の右端とコ字型切り込み部15の各右端とは同じ位置にあり、これらを結ぶ縦方向の折り線17が設けられている。これによって、一対の横切り込み部14,14とコ字型切り込み部15で囲まれるコ字状の部分が、折り線17の回りでフラップできるようになっている。以下において、折り線17の回りでフラップ自在であるコ字型の部分を、「コ字型フラップ部F3」とよぶ。また、コ字型フラップ部F3が折り線17で折り曲げられたときに(
図5(c)参照)、各フラップ部F1における折り線17よりも左側に突出する部分を「延出片D1」とよび、一対の延出片D1,D1の間で折り線17よりも左側に突出する矩形状の部分を「舌片D2」とよぶ。
【0040】
第1の脚10には、縦方向に離間して一対の磁石(第1磁石)18,18が設けられる。各第1磁石18は硬質板とカバーの間に配設されており、外部から視認できないようになっている(
図3(b)では、説明の便宜のために図示されている)。後述する他の磁石33,34および吸着用の鉄板21,22,41についても同様である。
【0041】
(底板20)
底板20は、第1の脚10の右側に配置される矩形状の部分であり、第1縦折り線51を介して第1の脚10と連なって設けられる。
【0042】
底板20には、縦方向に離間して一対の鉄板(第1鉄板)21,21が設けられる。各第1鉄板21は、第1の脚10に設けられた各第1磁石18と対応する位置に配置される。すなわち、各第1鉄板21は、第1折り線51で折り曲げられることによって第1の脚10と底板20とが積層(重畳)された際に、第1の脚10に設けられた第1磁石18と対向する位置に配置される。
【0043】
また、底板20には、第1鉄板21が設けられているのとは逆の主面側に、もう一組の一対の鉄板(第2鉄板)22,22が設けられる。各第2鉄板22は、第2の脚30に設けられた各第2磁石33(後述する)と対応する位置に配置される。すなわち、各第2鉄板22は、第2折り線52で折り曲げられることによって第2の脚30と底板20とが積層された際に、第2の脚30に設けられた第2磁石33と対向する位置に配置される。
【0044】
(第2の脚30)
第2の脚30は、底板20の右側に配置される矩形状の部分であり、第2縦折り線52を介して底板20と連なって設けられる。
【0045】
第2の脚30には、縦方向に離間して一対の挿通口31,31が設けられる。各挿通口31は、横方向に延在するスリット状の開口であり、各横折り線11の延長線上に設けられる。
【0046】
一対の挿通口31,31の間には、矩形状の中間開口32が設けられる。中間開口32は、細長い矩形状の開口であり、長尺方向を縦方向に沿わせるような姿勢で設けられている。中間開口32の縦方向の寸法は、舌片D2の縦方向の寸法と略同一とされている。
【0047】
第2の脚30には、縦方向に離間して一対の磁石(第2磁石)33,33が設けられる。上記の通り、各第2磁石33は、底板20に設けられた各第2鉄板22と対応する位置に配置される。
【0048】
また、第2の脚30には、第2磁石33が設けられているのとは逆の主面側に、もう一組の一対の磁石(第3磁石)34,34が設けられる。各第3磁石34は、縦方向に離間した位置に配置されており、天板40に設けられた各第3鉄板41(後述する)と対応する位置に配置される。
【0049】
(天板40)
天板40は、長さ方向について第2の脚30の右側に設けられる矩形状の部分であり、第3縦折り線53を介して第2の脚30と連なって設けられる。天板40は、底板20と略合同とされている。
【0050】
天板40には、一対の鉄板(第3鉄板)41,41が設けられる。各鉄板41は、第2の脚30に設けられた各第3磁石34と対応する位置に配置される。すなわち、各第3鉄板41は、第3折り線53で折り曲げられることによって第2の脚30と天板40とが積層された際に、第2の脚30に設けられた第3磁石34と対向する位置に配置される。
【0051】
次に、折り畳み状態の折り畳みスタンド100について説明する。折り畳み状態の折り畳みスタンド100は、
図2に示されるように、展開状態の折り畳みスタンド100が各縦折り線51,52,53で蛇腹状に折り曲げられることで(
図3(b)の二点鎖線)、第1の脚10、底板20、第2の脚30、および、天板40が、この順で積層されてシート状に折り畳まれた状態である。
【0052】
すなわち、折り畳み状態においては、第1折り線51で折り曲げられる(図の例では谷折りされる)ことで、第1の脚10と底板20とが積層された状態となっており、第2折り線52で折り曲げられる(図の例では山折りされる)ことで、底板20と第2の脚30とが積層された状態となっており、第3折り線53で折り曲げられる(図の例では谷折りされる)ことで、第2の脚30と天板40とが積層された状態となっている。このようにシート状に折り畳まれることで、折り畳み状態の折り畳みスタンド100は十分にコンパクトなものとなり、保管スペースも小さくてすむ。
【0053】
このとき、第1の脚10に設けられている各第1磁石18が、底板20に設けられている各第1鉄板21に吸着することで、第1の脚10と底板20との積層状態(重畳状態)が維持される。また、第2の脚30に設けられている各第2磁石33が、底板20に設けられている各第2鉄板22に吸着することで、第2の脚30と底板20との積層状態が維持される。さらに、第2の脚30に設けられている各第3磁石34が、天板40に設けられている各第3鉄板41に吸着することで、第2の脚30と天板40との積層状態が維持される。つまり、折り畳みスタンド100では、一群の磁石18,33,34および一群の鉄板21,22,41が、折り畳み状態において各部10,20,30,40が積層(重畳)された状態を磁力によって維持する固定部材として機能しており、これによって、折り畳み状態において互いに積層する各部10,20,30,40が、ばらけ難いようになっている。
【0054】
また、第1の脚10において、一対の延出片D1,D1の間に舌片D2を囲むように設けられているコ字型フラップ部F3の一部分および窓部16の一部分は、折り畳み状態を平面視したときに、他の各部20,30,40に重畳されずに露出する。これにより、該露出したコ字型フラップ部F3の一部分を持ち手として利用することが可能になる。すなわち、折り畳みスタンド100の使用者は、窓部16に指を引っ掛けてコ字型フラップ部F3を握るようにすることで、折り畳み状態の折り畳みスタンド100を片手で持つことができる。
【0055】
次に、スタンディング状態の折り畳みスタンド100について説明する。スタンディング状態の折り畳みスタンド100では、
図1に示されるように、天板40および底板20が、互いに平行な姿勢で離間して配置される。そして、第1の脚10が、天板40の一端側と底板20の他端側を接続し、第2の脚30が、天板40の他端側と底板20の一端側を接続する。このように、スタンディング状態の折り畳みスタンド100では、X字状に交差する一対の脚10,30によって、天板40が底板20から離間した位置で底板20と略水平な姿勢で支持される。
【0056】
図4には、スタンディング状態の折り畳みスタンド100の使用例が示されている。ここに示されるように、使用者は、天板40上にノート型パソコンPCなどを置いて作業することができる。折り畳みスタンド100は、机の上などに載置してスタンディングテーブルとして用いてもよいし、床面などに載置して座卓として用いてもよい。ここでいう「スタンディングテーブル」とは、立った姿勢でパソコンなどの作業ができるテーブルを指す。
【0057】
折り畳みスタンド100を使用するにあたっては、図示されるように、天板40と第1の脚10が接続される側の端部(上記の一端側)を、使用者側となる前方側として用い、天板40と第2の脚30が接続される側の端部(上記の他端側)を、後方側として用いることが好ましい。この一端側は他端側に比べて構造が簡素なものとなるところ、該一端側が使用者側となる前方側とされることで、使用者にスッキリとした使用感を与えることができる。
【0058】
スタンディング状態では、第1の脚10と第2の脚30が途中で交差してX字状に配設されており、交差位置では、第2の脚30に設けられた一対の挿通口31,31の各々に、第1の脚10の一対の延出片D1,D1の各々が挿通されるとともに、第2の脚30に設けられた中間開口32に、第1の脚10の舌片D2が差し込まれている。この交差位置において、各延出片D1が挿通口31の下端に当接するとともに、第2の脚30が各折り線17に当接しており、これによって、天板40を介して上からかかる荷重を安定して支えることができるようになっている。
【0059】
また、スタンディング状態の折り畳みスタンド100では、折り畳み状態において持ち手としての役割を担っていたコ字型フラップ部F3が、第1の脚10、第2の脚30および底板20で囲まれる空間に配置されており、外部から視認できないようになっている。したがって、スタンディング状態の美観が損なわれることがない。
【0060】
また、スタンディング状態では、第1の脚10の各延出片D1の端部に設けられている斜め折り線13で折り曲げられることによって形成された折り曲げ部が、天板40と接触する。すなわち、第1の脚10は、斜め折り線13およびその上側の三角形状の部分である三角型フラップ部F2において天板40と接触してこれと接続されている。これによって、天板40の安定性が十分に高められている。
【0061】
次に、折り畳み状態にある折り畳みスタンド100(
図2)を、スタンディング状態(
図1)に組み立てる方法について、
図5および
図6を参照しながら説明する。
図5は、折り畳みスタンド100を折り畳み状態からスタンディング状態に組み立てる際の途中状態を示す斜視図である。
図6は、該途中状態を示す側断面図である。
【0062】
(展開工程)
まず、折り畳み状態にある折り畳みスタンド100を、展開状態に変形させる(
図5(a)から
図5(b))。すなわち、各縦折り線51,52,53で蛇腹状に折り曲げられることで、第1の脚10、底板20、第2の脚30、および、天板40が、この順で積層されてシート状に折り畳まれた状態となっている折り畳みスタンド100を展開して、これら各部10,20,30,40が同一平面内で連なった状態とする。
【0063】
(折り曲げ工程)
続いて、底板20と第2の脚30との間の第2縦折り線52を谷折りして、第2の脚30を底板20に対して斜めに立ち上げる(
図5(c))。また、第1の脚10の各横折り線11を谷折りすることで、フラップ部F1を鉛直姿勢に立ち上げる。さらに、第1の脚10の各折り線17を谷折りすることで、コ字型フラップ部F3を折り畳む。
【0064】
(挿通工程)
続いて、底板20と第1の脚10との間の第1縦折り線51を谷折りして、第1の脚10を底板20に対して立ち上げて、斜め線12aが底板20に当接した状態とする。さらに、第2縦折り線52の回りで第2の脚30を回動させて、各挿通口31に各延出片D1を挿通するとともに、中間開口32に舌片D2を差し込んで、第1の脚10と第2の脚30をX字状に交差させる(
図5(d))。延出片D1が挿通口31の下端に当接するとともに、第2の脚30が折り線17に当接するような位置まで、第2の脚30が回動されると、第1の脚10の斜め折り線13と第3縦折り線53とが略同一の高さに配置される(
図6(a))。
【0065】
(天板設置工程)
続いて、各斜め折り線13を外方に折り曲げることで、各斜め折り線13よりも上側の三角形状の部分である三角型フラップ部F2を、略水平姿勢とする。そして、天板40と第2の脚30との間の第3縦折り線53を折り曲げて、天板40の下面を、各斜め折り線13および三角型フラップ部F2に当接させる。これにより、天板40が第1の脚10と第2の脚30に支持された状態、すなわち、スタンディング状態となる(
図6(b))。
【0066】
以上の通り、上記の実施形態に係る折り畳みスタンド100は、スタンディング状態と折り畳み状態とに変形可能であり、天板40と、底板20と、第1の脚10と、第2の脚30と、を備え、スタンディング状態において、第1の脚10が天板40の一端側と底板20の他端側を接続するとともに、第2の脚30が天板40の他端側と底板20の一端側を接続し、第2の脚30に設けられた、少なくとも一部分にスリット状の部分を有する挿通口31の該スリット状の部分に、第1の脚10が挿通される。また、折り畳み状態において、第1の脚10、底板20、第2の脚30、および、天板40が、積層されてシート状に折り畳まれる。
【0067】
この構成によると、折り畳み状態において、第1の脚10、底板20、第2の脚30、および、天板40が、積層されてシート状に折り畳まれるので、折り畳み状態において嵩張らずに十分なコンパクト化が実現される。また、第2の脚30に設けられた挿通口31のスリット状の部分に第1の脚10を挿通させることで、第1の脚10と第2の脚30をX状に交差させるので、折り畳み状態からスタンディング状態への組み立てが容易である。
【0068】
また、上記の実施形態に係る折り畳みスタンド100では、上記の一端側が折り畳みスタンド100の使用者側となる前方側であり、上記の他端側が後方側である。
【0069】
天板40の該一端側では、第1の脚10が第2の脚30の挿通口31に挿通された先の上端側において天板40と接続されるところ、この一端側は他端側に比べて構造が簡素なものとなる。この一端側が使用者側となる前方側とされることで、使用者にスッキリとした使用感を与えることができる。
【0070】
また、上記の実施形態に係る折り畳みスタンド100では、挿通口31が対をなして設けられており、スタンディング状態において、一対の挿通口31,31の各々のスリット状の部分に、第1の脚10に設けられた一対の延出片D1,D1の各々が挿通される。
【0071】
この構成によると、スタンディング状態において、第1の脚10と第2の脚30の交差部分が、一対の挿通口31,31の各々に一対の延出片D1,D1の各々が挿通された構成となるので、スタンディング状態において天板40が十分に安定する。
【0072】
また、上記の実施形態に係る折り畳みスタンド100は、第2の脚30における一対の挿通口31,31の間に、中間開口32が設けられており、スタンディング状態において、中間開口32に、第1の脚10における一対の延出片D1,D1の間に設けられた舌片D2が差し込まれる。
【0073】
この構成によると、スタンディング状態において、第1の脚10と第2の脚30の交差部分が、一対の挿通口31,31の各々に一対の延出片D1,D1の各々が挿通されるとともに、一対の挿通口31,31の間に設けられた中間開口32に舌片D2が挿通された構成となるので、スタンディング状態における天板40の安定性がさらに高まる。
【0074】
また、上記の実施形態に係る折り畳みスタンド100は、第1の脚10が、一対の延出片D1,D1の間に舌片D2を囲むように設けられたコ字型フラップ部F3を備え、コ字型フラップ部F3が、折り畳み状態において露出して持ち手となる。
【0075】
この構成によると、折り畳みスタンド100の使用者は、折り畳み状態において露出するコ字型フラップ部F3を持ち手として使うことで、折り畳み状態の折り畳みスタンド100を片手で持ち運ぶことができる。
【0076】
また、上記の実施形態に係る折り畳みスタンド100は、コ字型フラップ部F3が、スタンディング状態において外部から視認できない位置に配置される。
【0077】
この構成によると、折り畳み状態において持ち手となるコ字型フラップ部F3が、スタンディング状態において外部から視認できない位置に配置されるので、スタンディング状態の美観が損なわれることがない。
【0078】
また、上記の実施形態に係る折り畳みスタンド100は、第1の脚10における天板40と接続される側の端部に折り線13が設けられており、スタンディング状態において、折り線13で折り曲げられることによって形成された折り曲げ部が、天板40と接触する。
【0079】
この構成によると、スタンディング状態において、第1の脚10と天板40が、折り曲げ部を介して接触するので、スタンディング状態において天板40が十分に安定する。
【0080】
また、上記の実施形態に係る折り畳みスタンド100は、折り畳み状態において、第1の脚10、底板20、第2の脚30、および、天板40が積層された状態を維持する固定部材として、一群の磁石18,33,34および、一群の鉄板21,22,41を備える。
【0081】
この構成によると、折り畳み状態の折り畳みスタンド100において、積層された状態が維持されるので、持ち運びの際や保管の際などに積層されている各部分10,20,30,40がばらけてしまう、といった事態が回避される。
【0082】
また、上記の実施形態に係る折り畳みスタンド100は、固定部材として設けられる一群の磁石18,33,34および一群の鉄板21,22,41が、各部10,20,30,40が積層された状態を、磁力によって維持するものである。
【0083】
この構成によると、積層された状態を簡易かつ確実に維持することができる。
【0084】
また、上記の実施形態において、折り畳み状態にある折り畳みスタンド100をスタンディング状態に組み立てる組み立て方法は、折り線51,52,53を介して連なる、第1の脚10、底板20、第2の脚30、および、天板40が、該折り線51,52,53で折り畳まれることで積層されてシート状に折り畳まれている折り畳み状態の折り畳みスタンド100を展開する展開工程と、底板20と第2の脚30との間の第2縦折り線52を折り曲げて第2の脚30を底板20に対して立ち上げる折り曲げ工程と、底板20と第1の脚10との間の第1縦折り線51を折り曲げて第1の脚10を底板20に対して立ち上げて、第2の脚30に設けられている、少なくとも一部分にスリット状の部分を有する挿通口31の該スリット状の部分に第1の脚10が挿通された状態とすることによって、第1の脚10と第2の脚30を交差させる挿通工程と、天板40と第2の脚30との間の第3縦折り線53を折り曲げて、天板40が第1の脚10と第2の脚30に支持された状態とする天板設置工程と、を備える。
【0085】
この構成によると、第1の脚10、底板20、第2の脚30、および、天板40が、積層されてシート状に折り畳まれた折り畳み状態から、簡単にスタンディング状態に組み立てることができる。
【0086】
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
【0087】
例えば、上記の実施形態に係る折り畳みスタンド100は、スタンディング状態において、天板40が、第1の脚10の一対の斜め折り線13,13および一対の三角型フラップ部F2,F2に当接するものとしたが、
図7に示されるように、スタンディング状態において、天板40がさらに舌片D2aの端縁に当接するように、舌片D2aの寸法を調整してもよい。この場合、天板40と第1の脚10との接触箇所(接続箇所)が増加するので、天板40の安定性がさらに向上する。
【0088】
もっとも、天板40は、スタンディング状態において少なくとも1箇所で第1の脚10と接触するものであればよい。例えば、スタンディング状態において、天板40が、舌片D2に当接し、各斜め折り線13および各三角型フラップ部F2に当接しないものとしてもよい。また例えば、三角型フラップ部F2を省略して、スタンディング状態において天板40が、各斜め折り線13に相当する端縁に当接するものとしてもよい。
【0089】
また、上記の実施形態に係る折り畳みスタンド100は、スタンディング状態において、一対の延出片D1,D1が一対の挿通口31,31に挿通されるとともに、舌片D2が中間開口32に挿通されることで、第1の脚10と第2の脚30とが交差されていたが、交差を形成するにあたって、これら全ての要素が必須というわけではない。
【0090】
例えば、舌片D2および中間開口32が省略されてもよい。この構成においては、スタンディング状態において、一対の延出片D1,D1が一対の挿通口31,31に挿通されることで、第1の脚10と第2の脚30とが交差されることになる。
【0091】
また例えば、一対の延出片D1,D1および一対の挿通口31,31が省略されてもよい。この場合は、
図7に示される変形例のように、スタンディング状態において、舌片D2aの端縁に天板40が当接するように、舌片D2aの寸法を調整する。この構成においては、スタンディング状態において、舌片D2が中間開口32に挿通されることで、第1の脚10と第2の脚30とが交差されることになる。このような構成が採用される場合、安定性を高めるために、中間開口32をスリット状に形成することも好ましい。
【0092】
このように、第1の脚10と第2の脚30との交差を形成するにあたっては、一方の脚に設けられた少なくとも1個の挿通口に、他方の脚が挿通されるものであればどのようなものであってもよい。もっとも、スタンディング状態における安定性を高めるためには、挿通口の少なくとも一部にスリット状の部分が設けられており、スタンディング状態において該スリット状の部分に他方の脚が挿通された状態となることが好ましい。
【0093】
また例えば、上記の実施形態に係る折り畳みスタンド100において、延出片D1が挿通される挿通口31は、全体的に細長いスリット状の開口であるとしたが、この挿通口は少なくとも一部分にスリット状の部分を有するものであればよい。例えば、該挿通口を、幅広の部分とそこから徐々に狭まってスリット状の部分に連なるような形状とし、差し込み工程において、延出片D1が、幅広の部分から差し込まれて、スリット状の部分へと導かれて、スタンディング状態においてスリット状の部分に配置されるようにしてもよい。
【0094】
また、上記の実施形態に係る折り畳みスタンド100において、スタンディング状態における使用の向きは
図4に例示されるものに限らない。例えば、天地を逆にして用いてもよい。すなわち、天板40を床、机、などの上に載置して、底板20上に、ノート型パソコンPCなどを置いて作業してもよい。また例えば、天板40と第2の脚30が接続される側の端部(上記の他端側)を、使用者側となる前方側として用い、天板40と第1の脚10が接続される側の端部(上記の一端側)を、後方側として用いてもよい。
【0095】
また、上記の実施形態に係る折り畳みスタンド100において、各部10,20,30,40の寸法は任意に規定することができる。例えば、各脚10,30の横方向の寸法を調整することで、天板40の高さ(底板20と天板40の離間距離)を任意のものとすることができる。例えば、各脚10,30の長さを比較的短いものとすれば(例えば、300mm~350mm程度)、机の上などに載置して用いるスタンディングテーブル、床面などに載置して用いる座卓、などとして好適である。また例えば、各脚10,30の長さを比較的長いものとすれば、椅子に座った姿勢で使用する机として好適である。また、天板40および底板20の縦方向および横方向の各寸法を調整することで、天板40の面積を任意のものとすることができる。ノート型パソコンPCでの作業が行われることを想定した場合、天板40のサイズを、ノート型パソコンPCの載置スペースとマウスの使用スペースとを加味した寸法とすることも好ましい。
【0096】
また、上記の実施形態においては、折り畳み状態において各部10,20,30,40が積層された状態を維持する固定部材が、一群の磁石18,33,34および一群の鉄板21,22,41によって構成されていたが、固定部材の構成はこれに限られるものではなく、例えば、面ファスナーやスナップボタンなどを含んで構成されてもよい。
【0097】
また、各部の具体的な形状、仕様、その他の詳細な構成等は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。また、実施形態および各変形例に係る構成を適宜に組み合わせてもよいことはいうまでもない。
【符号の説明】
【0098】
100 折り畳みスタンド
10 第1の脚
11 横折り線
13 斜め折り線
15 コ字型切り込み部
16 窓部
17 折り線
20 底板
30 第2の脚
31 挿通口
32 中間開口
40 天板
51,52,53 縦折り線
18,33,34 磁石
21,22,41 鉄板
D1 延出片
D2 舌片
F1 フラップ部
F2 三角型フラップ部
F3 コ字型フラップ部