(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022178990
(43)【公開日】2022-12-02
(54)【発明の名称】付着生物の付着防止方法
(51)【国際特許分類】
C02F 1/48 20060101AFI20221125BHJP
【FI】
C02F1/48 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021086171
(22)【出願日】2021-05-21
(71)【出願人】
【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000785
【氏名又は名称】SSIP弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】加福 秀考
(72)【発明者】
【氏名】須田 康晴
(72)【発明者】
【氏名】中嶋 祐二
(72)【発明者】
【氏名】小川 尚樹
(72)【発明者】
【氏名】菊池 祥浩
(72)【発明者】
【氏名】甲斐 喬
【テーマコード(参考)】
4D061
【Fターム(参考)】
4D061DA09
4D061DB03
4D061EA19
4D061EC02
4D061EC11
(57)【要約】
【課題】付着生物の付着を抑制する。
【解決手段】本開示の少なくとも一実施形態に係る付着生物の付着防止方法は、付着生物の付着防止方法であって、炭酸カルシウムを含有する液体に交流電磁場を作用させた後の結晶粒の大きさが他の周波数の場合よりも大きくなる、又は、該結晶粒が凝集するような周波数を選定するステップと、選定するステップで選定した周波数で被処理液体に交流電磁場を作用させるステップと、を備える。上記付着生物は、炭酸カルシウムを含有する殻体を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
付着生物の付着防止方法であって、
炭酸カルシウムを含有する液体に交流電磁場を作用させた後の結晶粒の大きさが他の周波数の場合よりも大きくなる、又は、該結晶粒が凝集するような周波数を選定するステップと、
前記選定するステップで選定した前記周波数で被処理液体に前記交流電磁場を作用させるステップと、
を備え、
前記付着生物は、炭酸カルシウムを含有する殻体を有する、
付着生物の付着防止方法。
【請求項2】
前記選定するステップでは、前記液体における溶解度を超える炭酸カルシウムの粉末を分散させた前記液体に交流電磁場を作用させる前と、該交流電磁場を作用させた後とで、前記液体中の炭酸カルシウムの結晶粒の状態を比較することで、前記周波数を選定する
請求項1に記載の付着生物の付着防止方法。
【請求項3】
付着生物の付着防止方法であって、
被処理液体に周波数が8kHz又は16kHzである交流電磁場を作用させるステップ、
を備え、
前記付着生物は、炭酸カルシウムを含有する殻体を有する、
付着生物の付着防止方法。
【請求項4】
前記交流電磁場を作用させるステップでは、前記被処理液体中に浸漬させたコイルに交流電流を流すことで前記被処理液体に前記交流電磁場を作用させる
請求項1乃至3の何れか一項に記載の付着生物の付着防止方法。
【請求項5】
前記交流電磁場を作用させるステップでは、前記被処理液体中に浸漬させた、ヨークに巻回されたコイルに交流電流を流すことで前記被処理液体に前記交流電磁場を作用させる
請求項4に記載の付着生物の付着防止方法。
【請求項6】
前記交流電磁場を作用させるステップでは、前記交流電磁場の作用時間を0.01秒以上120秒以下とする
請求項1乃至5の何れか一項に記載の付着生物の付着防止方法。
【請求項7】
前記交流電磁場を作用させるステップでは、コイルに3A以上20A以下の交流電流を流すことで前記被処理液体に前記交流電磁場を作用させる
請求項1乃至6の何れか一項に記載の付着生物の付着防止方法。
【請求項8】
前記交流電磁場を作用させるステップでは、前記付着生物の産卵期には、前記付着生物の産卵期以外の時期と比べて前記コイルに流す前記交流電流を大きくする
請求項7に記載の付着生物の付着防止方法。
【請求項9】
前記被処理液体は、海水、汽水、又は淡水の何れかである
請求項1乃至8の何れか一項に記載の付着生物の付着防止方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、付着生物の付着防止方法に関する。
【背景技術】
【0002】
海岸や河川、湖沼に隣接して操業する発電所や工場等の施設では、冷却が必要な機器の冷却には、海水や汽水、淡水が使用される。以下の説明では、海や河川、湖沼から導入した海水や汽水、淡水のことを海水等と称することとする。
例えば発電所では、発電タービンから戻された蒸気を凝縮させるため、復水器の冷却に海水等が使用される。また、都市ガス製造所においては、低温の液化天然ガス(LNG)を加温して気化させるため、熱交換器の熱媒体として海水等が使用されている。
しかし、これらの海水等には、付着生物の幼生等が含まれるため、上述した復水器や熱交換器等の装置内や配管内に付着生物が付着してしまう。このような付着生物の付着は、熱交換効率の低下や配管の閉塞等のトラブルの原因となる。
付着生物とは、水中の固形物に付着して生息する生物の総称であり、例えばフジツボやヒドロチュウ、ムラサキイガイ等を挙げることができる。
【0003】
付着生物の付着を防止するため、薬剤を用いることがある(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、環境への影響等を考慮すると、特許文献1に記載された方法のように薬剤を用いた方法ではなく、薬剤を用いずに付着生物の付着を防止できるとよい。
【0006】
本開示の少なくとも一実施形態は、上述の事情に鑑みて、付着生物の付着を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本開示の少なくとも一実施形態に係る付着生物の付着防止方法は、
付着生物の付着防止方法であって、
炭酸カルシウムを含有する液体に交流電磁場を作用させた後の結晶粒の大きさが他の周波数の場合よりも大きくなる、又は、該結晶粒が凝集するような周波数を選定するステップと、
前記選定するステップで選定した前記周波数で被処理液体に前記交流電磁場を作用させるステップと、
を備え、
前記付着生物は、炭酸カルシウムを含有する殻体を有する。
【0008】
(2)本開示の少なくとも一実施形態に係る付着生物の付着防止方法は、
付着生物の付着防止方法であって、
被処理液体に周波数が8kHz又は16kHzである交流電磁場を作用させるステップ、
を備え、
前記付着生物は、炭酸カルシウムを含有する殻体を有する。
【発明の効果】
【0009】
本開示の少なくとも一実施形態によれば、付着生物の付着を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】幾つかの実施形態に係る付着生物の付着防止方法における処理手順を示すフローチャートである。
【
図2A】被処理液体に交流電磁場を作用させるための装置構成の例を模式的に示す図である。
【
図2B】被処理液体に交流電磁場を作用させるための装置構成の例を模式的に示す図である。
【
図2C】被処理液体に交流電磁場を作用させるための装置構成の例を模式的に示す図である。
【
図2D】被処理液体に交流電磁場を作用させるための装置構成の例を模式的に示す図である。
【
図3】幾つかの実施形態に係る付着生物の付着防止方法に係る実施例及び比較例の結果を表す表である。
【
図4A】炭酸カルシウムの結晶粒の状態を示す顕微鏡写真である。
【
図4B】炭酸カルシウムの結晶粒の状態を示す顕微鏡写真である。
【
図4C】炭酸カルシウムの結晶粒の状態を示す顕微鏡写真である。
【
図5】実施例及び比較例から把握される、交流電磁場の周波数と、付着率、及び、結晶成長の傾向との関係を模式的に示したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して本開示の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本開示の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
【0012】
海岸や河川、湖沼に隣接して操業する発電所や工場等の施設では、冷却が必要な機器の冷却には、海水や汽水、淡水が使用される。以下の説明では、海や河川、湖沼から導入した海水や汽水、淡水のことを海水等と称することとする。
例えば発電所では、発電タービンから戻された蒸気を凝縮させるため、復水器の冷却に海水等が使用される。また、都市ガス製造所においては、低温の液化天然ガス(LNG)を加温して気化させるため、熱交換器の熱媒体として海水等が使用されている。
しかし、これらの海水等には、付着生物の幼生等が含まれるため、上述した復水器や熱交換器等の装置内や配管内に付着生物が付着してしまう。このような付着生物の付着は、熱交換効率の低下や配管の閉塞等のトラブルの原因となる。
付着生物とは、水中の固形物に付着して生息する生物の総称である。本開示において付着防止の対象となる付着生物は、殻体を有する付着生物であり、例えばフジツボやヒドロチュウ、ムラサキイガイ等を挙げることができる。
【0013】
幾つかの実施形態に係る付着生物の付着防止方法は、各種設備における配管等のように、液体と接触する表面に付着生物が付着することを防止するために、液体(被処理液体)に交流電磁場を作用させる方法である。
【0014】
フジツボやヒドロチュウ、ムラサキイガイ等の殻体を有する付着生物の幼生は、体内の炭酸カルシウム水溶液を分泌して炭酸カルシウムから成る殻(殻体)を形成して固形物に付着し、成長する。上記幼生は、炭酸カルシウムが体内で結晶化しないように、炭酸カルシウムの結晶核発生を阻害する効果があるたんぱく質(レクチン)を体液中に含有している。
発明者らは、炭酸カルシウムが体内で結晶化することは上記幼生にとって好ましくないと考えて鋭意検討した結果、水中の炭酸カルシウムの結晶粒が大きくなる、又は、該結晶粒が凝集するような周波数の交流電磁場を作用させることで、殻体を有する付着生物の付着を抑制できることを見出した。
【0015】
そこで、幾つかの実施形態に係る付着生物の付着防止方法では、以下で説明するように、水中の炭酸カルシウムの結晶粒が大きくなる、又は、該結晶粒が凝集するような交流電磁場の周波数を選定し、選定した周波数の交流電磁場を被処理液体に作用させることで、付着生物の付着を防止するようにしている。
【0016】
図1は、幾つかの実施形態に係る付着生物の付着防止方法における処理手順を示すフローチャートである。
幾つかの実施形態に係る付着生物の付着防止方法は、周波数を選定するステップS1と、交流電磁場を作用させるステップS3とを備えている。
【0017】
(周波数を選定するステップS1)
幾つかの実施形態に係る付着生物の付着防止方法では、周波数を選定するステップS1は、炭酸カルシウムを含有する液体(試験液体)に交流電磁場を作用させた後の結晶粒の大きさが他の周波数の場合よりも大きくなる、又は、該結晶粒が凝集するような周波数を選定するステップである。
【0018】
実施例及び比較例を参照して詳細は後述するが、発明者らが鋭意検討した結果、炭酸カルシウムを含有する液体に交流電磁場を作用させた後の結晶粒の大きさや、該結晶粒の凝集の程度は、液体に作用させる交流電磁場の周波数によって変化することを見出した。
発明者らが鋭意検討した結果、液体に作用させる交流電磁場の周波数が8kHz又は16kHzであると、炭酸カルシウムの結晶粒の大きさが他の周波数の場合よりも大きくなり、該結晶粒が凝集することを見出した。また、発明者らが鋭意検討した結果、液体に作用させる交流電磁場の周波数が4kHz又は12kHzであると、炭酸カルシウムの結晶粒の大きさが他の周波数の場合よりも小さくなり、該結晶粒が凝集しないことを見出した。
【0019】
なお、炭酸カルシウムの結晶粒の大きさが他の周波数の場合よりも大きくなる、又は、該結晶粒が凝集するような周波数は、液体の性状、すなわち、含有する物質の種類や濃度、温度等の違いによって変化することが考えられる。
そこで、幾つかの実施形態に係る付着生物の付着防止方法では、周波数を選定するステップS1を実施することで、幾つかの実施形態に係る付着生物の付着防止方法において適切な周波数、すなわち、炭酸カルシウムの結晶粒の大きさが他の周波数の場合よりも大きくなる、又は、該結晶粒が凝集するような周波数を選定するとよい。
【0020】
幾つかの実施形態に係る周波数を選定するステップS1では、例えば次のようにして炭酸カルシウムの結晶粒の大きさが他の周波数の場合よりも大きくなる、又は、該結晶粒が凝集するような周波数を選定してもよい。幾つかの実施形態に係る周波数を選定するステップS1は、例えば作業員が以下の手順によって単一の周波数を選定する。なお、幾つかの実施形態に係る周波数を選定するステップS1において単一の周波数を選定するにあたり、交流電磁場を発生させる交流電流の波形は特に限定されず、正弦波であってもよく、矩形波であってもよい。
【0021】
幾つかの実施形態に係る周波数を選定するステップS1では、試験液体における溶解度を超える炭酸カルシウムの粉末を分散させた試験液体に交流電磁場を作用させる前と、該交流電磁場を作用させた後とで、試験液体中の炭酸カルシウムの結晶粒の状態を比較することで、周波数を選定する。
すなわち、被処理液体と同じ液体を試験液体として用意し、この試験液体における溶解度を超える炭酸カルシウムの粉末を試験液体に添加して分散させる。
ここで、試験液体は、付着生物の付着防止に係る設備に供給するために海や河川、湖沼から導入した海水等である。
幾つかの実施形態に係る周波数を選定するステップS1では、試験液体1L当たり、例えば4gの炭酸カルシウムの粉末を試験液体に添加して分散させる。なお、炭酸カルシウムの添加比率は、この比率に限定されないが、幾つかの実施形態に係る周波数を選定するステップS1を実施するにあたり、条件は毎回一定である方がよい。
【0022】
そして、炭酸カルシウムを添加した後の試験液体に交流電磁場を作用させる試験を、異なる周波数について実施する。なお、この試験の実施にあたり、交流電磁場の周波数以外の条件、例えば交流電磁場を発生させるコイルに通電する交流電流の電流値や交流電磁場を作用させる時間等の条件は同条件とする。
【0023】
次いで、交流電磁場を作用させた後の試験液体をスライドガラス上に滴下して室温で乾燥させた後、乾燥前の液滴の外周部に相当する位置において残存する炭酸カルシウムの状態を顕微鏡観察する。炭酸カルシウム結晶が凝集したり、結晶サイズが大きくなっている周波数は、炭酸カルシウムの結晶化が進行したと考えられることから、フジツボ幼生のような、殻体を有する付着生物の幼生にとって好ましくない周波数と判定する。従って、他の周波数に比較して、最も顕著に炭酸カルシウム結晶の凝縮や結晶化が進行した周波数を適正周波数とする。
【0024】
交流電磁波の作用前と比較して、炭酸カルシウム結晶が小さくなったり、ほとんど炭酸カルシウム結晶を観察でき無くなった周波数、或いは炭酸カルシウムの状態に変化が無かった周波数は、殻体を有する付着生物の幼生に影響を及ぼさない周波数と判定する。
【0025】
上述の様にして、殻体を有する付着生物の幼生にとって好ましくない周波数、すなわち本開示における適正周波数を選定する。上述したように、適正周波数は被処理液体(海水、汽水、淡水のいずれでも)へ溶解している成分等によって影響される場合があるため、被処理液体の採取場所(採取地域)が異なる場合は、後述する、交流電磁場を作用させるステップS3を実施する前に、上記のようにして適正周波数を確認することが望ましい。
【0026】
幾つかの実施形態に係る付着生物の付着防止方法によれば、殻体を有する付着生物の付着の抑制に効果的な周波数(適正周波数)を選定できる。
【0027】
(交流電磁場を作用させるステップS3)
幾つかの実施形態に係る付着生物の付着防止方法では、交流電磁場を作用させるステップS3は、周波数を選定するステップS1で選定した周波数(適正周波数)で被処理液体に交流電磁場を作用させるステップである。
幾つかの実施形態に係る付着生物の付着防止方法によれば、上述したような適正周波数の交流電磁場を被処理液体に作用させることができるので、殻体を有する付着生物の付着を抑制できる。
なお、交流電磁場を作用させるステップS3において、被処理液体に交流電磁場を作用させる際の周波数は、周波数を選定するステップS1で選定した単一の周波数であるか、後述するように予め定めた単一の周波数(8kHz又は16kHz)である。
【0028】
(交流電磁場を作用させるための装置構成)
図2Aから
図2Dは、被処理液体に交流電磁場を作用させるための装置構成の例を模式的に示す図である。
図2Aから
図2Dに示す例では、配管等の流路101を流れる被処理液体に交流電磁場を作用させるための装置である交流電磁場発生装置110(110A~110D)は、交流電流を発生するための交流電源装置111と、交流電磁場を発生させるための交流電磁場発生部113とを備えている。
なお、流路101の材質には、炭素鋼やステンレス等の金属や、樹脂、コンクリート等が適用できる。炭素鋼の場合は防食の為、樹脂やゴムのライニングや塗装が施してあっても差し支えない。
【0029】
図2Aから
図2Dに示す交流電磁場発生装置110(110A~110D)では、交流電磁場発生部113は、コイル113aを備えている。
【0030】
図2A及び
図2Cに示す交流電磁場発生装置110(110A、110C)では、交流電磁場発生部113は、ヨーク113bをさらに備えている。すなわち、
図2A及び
図2Cに示す交流電磁場発生装置110(110A、110C)では、交流電磁場発生部113は、ヨーク型コイル113cを含んでいる。
幾つかの実施形態に係る付着生物の付着防止方法では、
図2A及び
図2Cに示す交流電磁場発生部113のように、交流電磁場を作用させるステップS3において、ヨークに巻回されたコイルに交流電流を流すことで被処理液体に交流電磁場を作用させてもよい。
これにより、ヨーク113bによって交流電磁場を効率的に発生させることができるので、交流電磁場を被処理液体に効率的に作用させることができる。
【0031】
図2A及び
図2Bに示す交流電磁場発生装置110(110A、110B)では、交流電磁場発生部113は、被処理液体が内部を流通する配管等の流路101の外部に配置されていて、流路101の内部の被処理液体に交流電磁場を作用させることができるように構成されている。
【0032】
図2C及び
図2Dに示す交流電磁場発生装置110(110C、110D)では、交流電磁場発生部113は、被処理液体が内部を流通する配管等の流路101の内部に配置されていて、流路101の内部の被処理液体に交流電磁場を作用させることができるように構成されている。
幾つかの実施形態に係る付着生物の付着防止方法では、
図2C及び
図2Dに示す交流電磁場発生部113のように、交流電磁場を作用させるステップS3において、被処理液体中に浸漬させたコイル113aに交流電流を流すことで被処理液体に交流電磁場を作用させてもよい。
これにより、例えば被処理液体が流通する流路101の材質が金属である場合には、流路101の外部から交流電磁場を被処理液体に作用させる場合と比べて、交流電磁場を被処理液体に効率的に作用させることができる。
【0033】
図2Aに示す交流電磁場発生装置110Aでは、ヨーク型コイル113cは、流路101を抱え込むように流路101の外部に配置されているとよい。
図2Bに示す交流電磁場発生装置110Bでは、コイル113aは、流路101の外周部において流路101の周方向に巻回されているとよい。
図2Cに示す交流電磁場発生装置110Cでは、ヨーク型コイル113cは、互いに向かい合うヨーク113bの先端113d同士の間を被処理液体が通過するように、流路101内に配置されているとよい。
図2Dに示す交流電磁場発生装置110Dでは、コイル113aは、流路101の周方向に巻回されているコイル113aの内側を被処理液体が通過するように、流路101内に配置されているとよい。
【0034】
図2Aから
図2Dに示す交流電磁場発生装置110(110A~110D)では、交流電磁場発生部113は、流路101の内部を流通する被処理液体及び付着生物の幼生に対して、作用時間Tの間、交流電磁場発生部113で発生させる交流電磁場が作用するように構成されているとよい。なお、作用時間Tは、付着生物の幼生及び被処理液体が交流電磁場に暴露される時間である。
【0035】
例えば、
図2A及び
図2Cに示す交流電磁場発生装置110(110A、110C)では、被処理液体がヨーク113bの先端113dの通過に要する時間が、後述する作用時間以上となるように構成されているとよい。
例えば、
図2B及び
図2Dに示す交流電磁場発生装置110(110B、110D)では、巻回されているコイル113aの内側を被処理液体が通過するのに要する時間が、後述する作用時間以上となるように構成されているとよい。
【0036】
なお、
図2C及び
図2Dに示す交流電磁場発生装置110(110C、110D)では、コイル113aやヨーク113bが直接海水等の被処理液体による腐食を防止するために、例えばフッ素樹脂等によって表面が覆われているとよい。例えば、コイル113aやヨーク113bに例えばフッ素樹脂等によって構成された熱収縮チューブを被せ、熱収縮させることで、コイル113aやヨーク113bを覆うことできる。
【0037】
なお、交流電磁場を作用させるステップS3を実施するにあたり、必ずしもその都度、周波数を選定するステップS1を実施しなくてもよい。例えば、被処理液体の水温や溶解している成分が季節により変動する場合には、例えば月単位の一定期間毎、又は、予め定めた時期に周波数を選定するステップS1を実施してもよい。
【0038】
また、後で詳述するように、発明者らが鋭意検討した結果、周波数が8kHz又は16kHzである交流電磁場を被処理液体に作用させることで、殻体を有する付着生物の付着を効果的に抑制できることが判明した。
そこで、周波数を選定するステップS1の実施を省略して、交流電磁場を作用させるステップS3において、被処理液体に周波数が8kHz又は16kHzである交流電磁場を作用させるようにしてもよい。
これにより、殻体を有する付着生物の付着を効果的に抑制できる。
【0039】
幾つかの実施形態に係る付着生物の付着防止方法では、交流電磁場を作用させるステップS3において、交流電磁場の作用時間を0.01秒以上120秒以下とするとよい。
後で詳述するように、発明者らが鋭意検討した結果、交流電磁場の作用時間が0.01秒であれば、殻体を有する付着生物の付着を抑制できることが判明した。また、発明者らが鋭意検討した結果、交流電磁場の作用時間が120秒であっても、付着生物の付着を抑制する効果は、交流電磁場の作用時間が3秒の場合と同等であることが判明した。なお、交流電磁場を作用させる流路の長さ等、装置の規模を考慮すると、交流電磁場の作用時間は短い方がよい。
交流電磁場を作用させるステップS3において、交流電磁場の作用時間を0.01秒以上120秒以下とすることで、交流電磁場発生装置110の大型化を抑制しつつ、殻体を有する付着生物の付着を抑制できる。
【0040】
なお、交流電磁場を作用させるステップS3において、交流電磁場の作用時間は、好ましくは、0.02秒以上60秒以下とするとよい。
すなわち、後述するように、交流電磁場の作用時間が0.01秒であれば、殻体を有する付着生物の付着をある程度抑制できるが、作用時間が0.02秒以上の場合と比べると、付着の抑制度合いは小さい。そこで、交流電磁場の作用時間は、例えば0.01秒の2倍の0.02秒以上であるとさらによい。
また、後述するように、交流電磁場の作用時間が120秒であると、作用時間が120秒超の場合と比べて、付着の抑制度合いの差は小さい。また、作用時間が長くなるほど、交流電磁場発生装置110の大きさ(コイル113aやヨーク113bの大きさ)を大きくするか、流路101における配管径を大きくする等して被処理液体の流速を低下させる必要がある。
そこで、交流電磁場の作用時間は、例えば120秒の2分の1である60秒以以下であるとさらによい。
【0041】
交流電磁場を作用させるステップS3において、コイル113aに3A以上20A以下の交流電流を流すことで被処理液体に交流電磁場を作用させるとよい。
発明者らが鋭意検討した結果、交流電磁場を作用させるためのコイル113aに流す交流電流が3A以上であれば、殻体を有する付着生物の付着を抑制できることが判明した。また、発明者らが鋭意検討した結果、コイル113aに流す交流電流が20Aであっても、付着生物の付着を抑制する効果は、コイル113aに流す交流電流が15Aである場合と同等であることが判明した。
交流電磁場を作用させるステップS3において、コイル113aに3A以上20A以下の交流電流を流すことで、殻体を有する付着生物の付着の抑制に過不足ない電流値で付着生物の付着を抑制できる。
【0042】
なお、交流電磁場を作用させるステップS3において、付着生物の産卵期には、付着生物の産卵期以外の時期と比べてコイル113aに流す交流電流を大きくするとよい。
これにより、付着生物の産卵期において被処理液体に含まれる幼生の数が増えても、殻体を有する付着生物の付着を効果的に抑制できる。また、付着生物の産卵期以外の時期には、付着生物の産卵期と比べてコイル113aに流す交流電流を小さくすることで、消費電力を抑制できる。
【0043】
幾つかの実施形態に係る付着生物の付着防止方法において、被処理液体は、海水、汽水、又は淡水の何れかであってもよい。
幾つかの実施形態に係る付着生物の付着防止方法では、被処理液体が海水、汽水、又は淡水の何れであっても、殻体を有する付着生物の付着を抑制できる。
【0044】
(実施例について)
以下、
図3を参照して、幾つかの実施形態に係る付着生物の付着防止方法に係る実施例について説明する。
図3は、幾つかの実施形態に係る付着生物の付着防止方法に係る実施例及び比較例の結果を表す表である。以下、幾つかの実施形態に係る付着生物の付着防止方法に係る実施例及び比較例のことを、単に、実施例及び比較例と称する。
図3に結果を示した実施例及び比較例では、以下のようにして、交流電磁場処理、すなわち交流電磁場を作用させることによるタテジマフジツボの付着抑制の確認試験を行った。
なお、実施例1aから実施例1d、比較例1、及び、比較例2では、幼生の飼育バッチが同じである。しかし、実施例1aから実施例1d、比較例1、及び、比較例2と、他の実施例である実施例2から実施例7とでは、幼生の飼育バッチが異なるため、交流電磁場処理を行わなかった場合(
図3の表「電磁場処理の有無」の欄において「処理無し」と記載)であっても、付着率はそれぞれ異なる。
幼生の飼育バッチの状態を出来るだけ揃えるため、プリウス幼生になってからの日齢は4日で揃えた。
【0045】
電磁波処理後の炭酸カルシウム結晶状態の観察結果を
図3の表において「CaCO
3状態」として記載した。
電磁場処理から6時間経過後と1日経過後の幼生の付着率を測定し、結果を交流電磁場処理無し(参照)と比較して
図3の表に示す。交流電磁場処理無しの場合、「処理後の時間」とは付着状態を観察するためのシャーレに幼生を投入してからの時間である。
【0046】
図3の表に示した実施例及び比較例について、実施例5、6、7を除き、コイル113aとヨーク113bは配管外面に設置して試験した結果、すなわち、
図2Aに示した装置構成と同様の装置構成において試験した結果である。
実施例5は、ヨーク113bを海水に浸漬させた状態で試験した結果、すなわち、
図2Cに示した装置構成と同様の装置構成において試験した結果である。
実施例6は、配管の外面に巻回させたコイル113aによって交流電磁場を作用させるようにして試験した結果、すなわち、
図2Bに示した装置構成と同様の装置構成において試験した結果である。
実施例7は、配管の内側で巻回されているコイル113aによって交流電磁場を作用させるようにして試験した結果、すなわち、
図2Dに示した装置構成と同様の装置構成において試験した結果である。
【0047】
実施例及び比較例の実施にあたり、使用した海水の水質は以下のとおりである。
pH:7.4、導電率43.5mS/cm
実施例及び比較例の実施にあたり、上記の海水1L当たり、4gの炭酸カルシウムの粉末を添加して分散させた後、この海水をシャーレに入れ、さらにフジツボ幼生を投入する。その後、電磁場処理を表3に示した各条件下で実施した。
炭酸カルシウムの結晶粒の状態は、電磁場処理を実施した後の海水をサンプリングし、上述した周波数を選定するステップS1における試験液体に対する処理と同様の処理を行うことで観察する。
また、付着率は、シャーレに付着するフジツボの数を計測することで求める。
【0048】
図4Aは、上記の実施例1aの「処理無し」における炭酸カルシウムの結晶粒の状態を示す顕微鏡写真である。
図4Bは、上記の実施例1aの「処理有り」における炭酸カルシウムの結晶粒の状態を示す顕微鏡写真である。
図4Cは、上記の比較例1の「処理有り」における炭酸カルシウムの結晶粒の状態を示す顕微鏡写真である。
図5は、実施例及び比較例から把握される、交流電磁場の周波数と、付着率、及び、結晶成長の傾向との関係を模式的に示したグラフである。
【0049】
例えば、実施例1aでは、電磁場処理を実施した場合では、実施しなかった場合と比べ、炭酸カルシウムの結晶粒が大きくなること、及び、炭酸カルシウムの結晶粒が凝集することが分かる。
また、実施例1aでは、電磁場処理を実施した場合では、実施しなかった場合と比べ、フジツボの付着率が大きく低下し、特に、電磁場処理から時間が経過するほど、電磁場処理を実施した場合と実施しなかった場合とでの付着率の差が大きくなる。
【0050】
実施例1aのように、周波数が8kHzの場合には、電磁場処理を実施しなかった場合と比べて、炭酸カルシウムの結晶粒が大きくなること、及び、炭酸カルシウムの結晶粒が凝集することが認められるとともに、フジツボの付着率が大きく低下することが認められる。
また、実施例2の場合のように、周波数が16kHzの場合にも、電磁場処理を実施しなかった場合と比べて、炭酸カルシウムの結晶粒が大きくなること、及び、炭酸カルシウムの結晶粒が凝集することが認められるとともに、フジツボの付着率が大きく低下することが認められる。
【0051】
しかし、比較例1のように、周波数が4kHzの場合には、電磁場処理を実施しなかった場合と比べて、炭酸カルシウムの結晶粒が小さくなること、及び、炭酸カルシウムの結晶粒が凝集しなくなることが認められるとともに、フジツボの付着率がほとんど変わらないことが認められる。
また、比較例2のように、周波数が12kHzの場合には、電磁場処理を実施しなかった場合と比べて、炭酸カルシウムの結晶粒が小さくなることが認められるとともに、フジツボの付着率がほとんど変わらないことが認められる。
【0052】
このように、上述した実施例及び比較例からは、電磁場処理における交流電磁場の周波数が8kHzである場合、及び、16kHzである場合には、付着率を顕著に低下できることが分かる。
しかし、電磁場処理における交流電磁場の周波数が4kHzである場合、及び、12kHzである場合には、付着率がほとんど低下しないことが分かる。
【0053】
実施例1dの結果から分かるように、処理時間は、0.01秒以上であれば、電磁場処理を実施しなかった場合と比べて、炭酸カルシウムの結晶粒が大きくなること、及び、炭酸カルシウムの結晶粒が凝集することが認められるとともに、フジツボの付着率が低下することが認められる。
なお、処理時間が3秒である実施例1aと、処理時間が120秒である実施例1cとを比較すると、その効果に大きな違いがないことが分かる。
【0054】
実施例1bの結果から分かるように、コイル113aに流す交流電流の電流値(出力電流)は、3A以上であれば、電磁場処理を実施しなかった場合と比べて、炭酸カルシウムの結晶粒が大きくなること、及び、炭酸カルシウムの結晶粒が凝集することが認められるとともに、フジツボの付着率が低下することが認められる。
また、出力電流が15Aである実施例3と、出力電流が20Aである実施例4とを比較すると、その効果に大きな違いがないことが分かる。
【0055】
本開示は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。
【0056】
上記各実施形態に記載の内容は、例えば以下のように把握される。
(1)本開示の少なくとも一実施形態に係る付着生物の付着防止方法は、付着生物の付着防止方法であって、炭酸カルシウムを含有する液体に交流電磁場を作用させた後の結晶粒の大きさが他の周波数の場合よりも大きくなる、又は、該結晶粒が凝集するような周波数を選定するステップ(S1)と、上記選定するステップ(S1)で選定した上記周波数で被処理液体に交流電磁場を作用させるステップ(S3)と、を備える。上記付着生物は、炭酸カルシウムを含有する殻体を有する。
【0057】
上記(1)の方法によれば、炭酸カルシウムを含有する液体に交流電磁場を作用させた後の結晶粒の大きさが他の周波数の場合よりも大きくなる、又は、該結晶粒が凝集するような周波数の交流電磁場を被処理液体に作用させるので、殻体を有する付着生物の付着を抑制できる。
【0058】
(2)幾つかの実施形態では、上記(1)の方法において、選定するステップ(S1)では、上記液体における溶解度を超える炭酸カルシウムの粉末を分散させた上記液体に交流電磁場を作用させる前と、該交流電磁場を作用させた後とで、上記液体中の炭酸カルシウムの結晶粒の状態を比較することで、上記周波数を選定するとよい。
【0059】
上記(2)の方法によれば、殻体を有する付着生物の付着の抑制に効果的な周波数を選定できる。
【0060】
(3)本開示の少なくとも一実施形態に係る付着生物の付着防止方法は、付着生物の付着防止方法であって、被処理液体に周波数が8kHz又は16kHzである交流電磁場を作用させるステップ(S3)、を備える。上記付着生物は、炭酸カルシウムを含有する殻体を有する。
【0061】
発明者らが鋭意検討した結果、周波数が8kHz又は16kHzである交流電磁場を被処理液体に作用させることで、殻体を有する付着生物の付着を効果的に抑制できることが判明した。
上記(3)の方法によれば、殻体を有する付着生物の付着を効果的に抑制できる。
【0062】
(4)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(3)の何れかの方法において、交流電磁場を作用させるステップ(S3)では、被処理液体中に浸漬させたコイル113aに交流電流を流すことで被処理液体に交流電磁場を作用させてもよい。
【0063】
上記(4)の方法によれば、例えば被処理液体が流通する流路101の材質が金属である場合には、流路101の外部から交流電磁場を被処理液体に作用させる場合と比べて、交流電磁場を被処理液体に効率的に作用させることができる。
【0064】
(5)幾つかの実施形態では、上記(4)の方法において、交流電磁場を作用させるステップ(S3)では、被処理液体中に浸漬させた、ヨーク113bに巻回されたコイル113aに交流電流を流すことで被処理液体に交流電磁場を作用させてもよい。
【0065】
上記(5)の方法によれば、ヨーク113bによって交流電磁場を効率的に発生させることができるので、交流電磁場を被処理液体に効率的に作用させることができる。
【0066】
(6)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(5)の何れかの方法において、交流電磁場を作用させるステップ(S3)では、交流電磁場の作用時間を0.01秒以上120秒以下とするとよい。
【0067】
上記(6)の方法によれば、交流電磁場の作用時間を0.01秒以上120秒以下とすることで、交流電磁場を作用させるための装置(交流電磁場発生装置110)の大型化を抑制しつつ、殻体を有する付着生物の付着を抑制できる。
【0068】
(7)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(6)の何れかの方法において、交流電磁場を作用させるステップ(S3)では、コイル113aに3A以上20A以下の交流電流を流すことで被処理液体に交流電磁場を作用させるとよい。
【0069】
上記(7)の方法によれば、殻体を有する付着生物の付着の抑制に過不足ない電流値で付着生物の付着を抑制できる。
【0070】
(8)幾つかの実施形態では、上記(7)の方法において、交流電磁場を作用させるステップ(S3)では、付着生物の産卵期には、付着生物の産卵期以外の時期と比べてコイル113aに流す交流電流を大きくするとよい。
【0071】
上記(8)の方法によれば、付着生物の産卵期において被処理液体に含まれる幼生の数が増えても、殻体を有する付着生物の付着を効果的に抑制できる。また、付着生物の産卵期以外の時期には、付着生物の産卵期と比べてコイル113aに流す交流電流を小さくすることで、消費電力を抑制できる。
【0072】
(9)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(8)の何れかの方法において、被処理液体は、海水、汽水、又は淡水の何れかであってもよい。
【0073】
上記(9)の方法によれば、被処理液体が海水、汽水、又は淡水の何れであっても、殻体を有する付着生物の付着を抑制できる。
【符号の説明】
【0074】
101 流路
110(110A~110D) 交流電磁場発生装置
111 交流電源装置
113 交流電磁場発生部
113a コイル
113b ヨーク
113c ヨーク型コイル