(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022178993
(43)【公開日】2022-12-02
(54)【発明の名称】包装装置及び包装材ガイド部材
(51)【国際特許分類】
B65B 11/08 20060101AFI20221125BHJP
【FI】
B65B11/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021086177
(22)【出願日】2021-05-21
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 本願の発明に係る包装装置の構成を備えた包装機「デューラップ DW-170S」の試用機を、株式会社デュプロが、令和3年4月16日に製品試用調査受入先(モニター先)に設置した。
(71)【出願人】
【識別番号】000109727
【氏名又は名称】株式会社デュプロ
(72)【発明者】
【氏名】堀 卓己
【テーマコード(参考)】
3E051
【Fターム(参考)】
3E051AA03
3E051AB03
3E051AB05
3E051AB09
3E051BA02
3E051CA01
3E051DA01
3E051EA02
3E051EB01
3E051HA02
3E051HA07
3E051HE01
3E051KA03
3E051KA07
3E051KA10
3E051KB01
3E051LA10
3E051LB04
(57)【要約】
【課題】シート状の包装材の幅方向の端部が中央側に移動することに起因する包装不良を抑制することができる。
【解決手段】供給方向に連続するシート状の包装材を供給する供給部と、供給部から供給される包装材で包装対象物を包装する包装処理を行う包装処理部と、を備え、供給部から供給される包装材が掛け回され、包装処理部に向かうように案内する包装材ガイド部材23aを備える包装装置において、包装材ガイド部材23aに、包装材の幅方向の端部が、前記幅方向中央側に移動することを抑制する幅方向端部中央移動抑制手段232を備える。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
供給方向に連続するシート状の包装材を供給する供給部と、
前記供給部から供給される前記包装材で包装対象物を包装する包装処理を行う包装処理部と、を備え、
前記供給部から供給される前記包装材が掛け回され、前記包装処理部に向かうように案内する包装材ガイド部材を備える包装装置において、
前記包装材ガイド部材に、前記包装材の幅方向の端部が前記幅方向中央側に移動することを抑制する幅方向端部中央移動抑制手段を備えることを特徴とする包装装置。
【請求項2】
請求項1の包装装置において、
前記供給部は、前記包装材をそれぞれ供給する第一供給部と第二供給部とを備え、
前記包装処理部は、前記第一供給部から供給される第一包装材と、前記第二供給部から供給される第二包装材とで前記包装対象物を挟んだ状態で、前記第一包装材と前記第二包装材とを接着することで前記包装処理を行うことを特徴とする包装装置。
【請求項3】
請求項1または2の包装装置において、
前記包装材ガイド部材は、その周面に前記包装材が掛け回され、中心軸が前記幅方向に平行となる円筒部を有することを特徴とする包装装置。
【請求項4】
請求項3の包装装置において、
前記包装材ガイド部材は、前記円筒部が前記中心軸を中心に回転可能であることを特徴とする包装装置。
【請求項5】
請求項3または4の包装装置において、
前記幅方向端部中央側移動抑制手段として、前記包装材ガイド部材の前記円筒部が、前記幅方向の端部側に前記幅方向の中央部よりも半径が大きい大径部分を有する形状を備えることを特徴とする包装装置。
【請求項6】
請求項5の包装装置において、
円筒状の部材にテープ部材を巻き付けることによって前記大径部分を形成すること特徴とする包装装置。
【請求項7】
請求項6の包装装置において、
前記円筒状の部材として鋼材を用い、前記テープ部材として静電気除去テープを用いることを特徴とする包装装置。
【請求項8】
請求項5の包装装置において、
前記大径部分が、幅方向外側ほど前記半径が大きくなる形状を有することを特徴とする包装装置。
【請求項9】
請求項1乃至8の何れか一項に記載の包装装置において、
前記包装材は樹脂フィルムであり、前記包装処理部は前記包装材を加熱して溶着することで前記包装処理を行うことを特徴とする包装装置。
【請求項10】
供給方向に連続するシート状の包装材を供給する供給部と、前記供給部から供給される前記包装材で包装対象物を包装する包装処理を行う包装処理部と、を備える包装装置に取り付けられる部材であって、前記供給部から供給される前記包装材が掛け回され、前記包装処理部に向かうように案内する包装材ガイド部材において、
前記包装材の幅方向の端部が前記幅方向中央側に移動することを抑制する幅方向端部中央移動抑制手段を備えることを特徴とする包装材ガイド部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装装置及び包装材ガイド部材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、供給方向に連続するシート状の包装材を供給する供給部と、供給部から供給される包装材で包装対象物を包装する包装処理を行う包装処理部と、を備える包装装置が知られている。
この種の包装装置として、特許文献1には、連続するシート状の樹脂フィルムを供給する二つのフィルム供給部と、二つのフィルム供給部のそれぞれから供給される二枚のフィルムを溶着して包装体を形成する溶着部(包装処理部)と、を備える包装装置が記載されている。
【0003】
特許文献1の包装装置では、フィルム供給部の巻出しロールから繰り出されたフィルムが掛け回され、溶着部に向かうようにフィルムの移動経路を案内するフィルムガイド部材を備える。そして、溶着部では、二枚のフィルムを重ねた状態で、フィルムの幅方向の両端部よりも少し内側をフィルムの長尺方向に沿うように溶着する。さらに、この長尺方向に沿った溶着部分の前後となる部分を溶着・切断する。これにより、四辺が溶着された袋状の包装体を形成することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016-37302号公報
【特許文献2】特開2017-074975号公報
【特許文献3】特開2015-151149号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載のものと同様の包装装置では、上述した長尺方向に沿った溶着部分の一部に孔が開いたり、長尺方向に沿った溶着部分自体が形成できなかったりする溶着不良が生じ、袋状の包装体を形成できなくなる不具合が生じることがあった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明は、供給方向に連続するシート状の包装材を供給する供給部と、前記供給部から供給される前記包装材で包装対象物を包装する包装処理を行う包装処理部と、を備え、前記供給部から供給される前記包装材が掛け回され、前記包装処理部に向かうように案内する包装材ガイド部材を備える包装装置において、前記包装材ガイド部材に、前記包装材の幅方向の端部が、前記幅方向中央側に移動することを抑制する幅方向端部中央移動抑制手段を備えることを特徴とする包装装置を提供するものである。
【0007】
本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、上述した長尺方向に沿った溶着部分の溶着不良は、二枚のフィルムのうちの一方のフィルムの幅方向の端部が、幅方向の中央側に移動する中央寄りが生じたことに起因することを見出した。中央寄りが生じると、フィルムの幅方向の端部が、長尺方向に沿った溶着部分を形成する位置よりも幅方向の内側に到達してしまうことがある。この状態で、長尺方向に沿った溶着部分の溶着を行おうとしても、中央寄りが生じたフィルムに溶着を施すことができず、包装不良が生じる。
シート状の包装材の幅方向の端部が中央側に移動することに起因する包装不良は、包装材がフィルムである構成や、包装材を二枚重ねて溶着する構成に限らず、生じ得る不具合である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、幅方向端部中央移動抑制手段を備えることで、シート状の包装材の幅方向の端部が中央側に移動することに起因する包装不良を防止し、良好な包装処理を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図2】本実施形態の包装装置の内部構造の概略を示す側面図。
【
図4】包装装置で得ることができる三種類の包装物の説明図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、各図面における部材の寸法は、理解を容易にするために適宜拡大、縮小して示される。また、各図面において実施の形態を説明する上で重要ではない部材の一部は省略して表示する。
【0011】
以下、本発明に係る包装装置の一実施形態について説明する。
【0012】
図1は本発明に係る包装機1を示す外観斜視図である。
包装機1は、上面に設けられた挿入口2から四つ折りにされた新聞Sが、その最終折り辺S1を先頭にして挿入されると、装置内で樹脂フィルムシート(F1,F2)により包装され、その包装物FPが下方の排出口3から排出され、スタッカ4に積載される。包装機1の上面にはユーザーが操作可能な操作パネル7が設けられている。操作パネル7は押しボタンスイッチ類あるいはタッチパネル等により構成され、装置の動作モード等をユーザーが設定できるようになっている。
【0013】
図2は、
図1中の矢印「A」方向から見た包装機1の内部構成を示す概略図である。
図2に示すように、包装機1は、新聞S等の包装対象物を搬送しながら包装する搬送包装部50を備える。
挿入口2から挿入された新聞Sを下方へ導くように、第一ガイド板5a及び第二ガイド板5bによって通路5が形成されている。この通路5を挟んだ両側に各一個ずつ、フィルムロール6(第一フィルムロール6a,第二フィルムロール6b)が支持されている。フィルムロール6は、所定の幅を有する長尺のポリエチレン等の熱可塑性樹脂フィルムシートを、芯体に対して巻いて形成されたものである。二つのフィルムロール6は、第一フィルムロール6aから導出された第一フィルムF1と第二フィルムロール6bから導出された第二フィルムF2との先端同士が、先端溶着ラインF3において溶着された状態で装置に収容されている。先端溶着ラインF3は、前回の溶着動作で第一フィルムF1と第二フィルムF2との先端同士が互い溶着されることで形成される。前回の溶着動作が行われていないフィルムロール6の装着時は、第一フィルムF1と第二フィルムF2との先端同士をセロハンテープ等で固定し、テスト通紙を行うことで先端溶着ラインF3を形成できる。
【0014】
図3は、搬送包装部50の拡大説明図である。
搬送包装部50の上流端付近に、包装物FPの後端となる位置でフィルムFを溶着して切断する溶着切断機構8が配置されている。溶着切断機構8としては、公知のものを用いることができ、例えば、特許文献1に記載のものと同様のものを用いることができるが、これに限るものではない。
通路5を下降してきた新聞Sは、その先端で先端溶着ラインF3を押し下げることによって、第一フィルムF1と第二フィルムF2とによって表裏から挟まれた状態でさらに下降する。
図3に示すように、溶着切断機構8は、二つのフィルムFに挟まれた状態の新聞Sが通過する搬送経路を挟んで、溶着切断ヒータ9と、受け台10とを備える。溶着切断ヒータ9は移動ブロック11に取り付けられている。移動ブロック11は不図示のクランク機構により、矢印「B」方向に往復移動できるようになっている。この移動により、溶着切断ヒータ9は、その先端が受け台10から離れる待機位置と、先端が受け台10に接触する溶着位置との間を往復移動する。
【0015】
溶着切断ヒータ9は新聞Sを移動させる搬送方向と直交する方向(
図2及び
図3の紙面に直交するする方向、以下、「幅方向」という)に、フィルムFの幅以上の長さに延在する形状である。このような溶着切断ヒータ9の先端と受け台10との間に、第一フィルムF1と第二フィルムF2とを重ねて挟むことにより、第一フィルムF1と第二フィルムF2とが全幅にわたって溶着された溶着ライン(F3,F4)が形成される。
【0016】
溶着切断ヒータ9の上流側にはシャッター12が設けられている。シャッター12は回動軸13を中心に回動可能であり、幅方向に延在する板状部材である。シャッター12の背面側に押さえ部材14が設けられている。押さえ部材14は軸形状の支持部材15にと一体的に形成されている。支持部材15は、移動ブロック11に取り付けられたブラケット16に対し、軸方向に移動自在に挿通されている。ブラケット16と押さえ部材14との間には、バネ17が介装されている。
【0017】
溶着切断ヒータ9が待機位置にあるときには、支持部材15に設けられたストッパがブラケット16に引っかかっており、シャッター12は自由端側が自重で下方に回動した状態になっている。溶着切断ヒータ9が溶着位置に移動するときには、溶着切断ヒータ9とともにブラケット16、支持部材15、押さえ部材14が同方向に移動し、押さえ部材14がシャッター12の背面を押してシャッター12が回動する。そしてシャッター12の自由端が受け台10接触すると、その後はバネ17が圧縮される。さらに溶着切断ヒータ9が溶着位置に達すると、不図示のロック部材がシャッター12の背面を押さえる。この構成により、溶着中はシャッター12が新聞Sの搬送経路を閉鎖するとともに、通路5側から押しても開かないようにロックされるので、先の新聞Sを包装するフィルムFの後端溶着ラインF4の溶着中に、次の新聞Sがシャッター12よりも下流側に進入することが阻止される。
【0018】
図2及び
図3に示すように、搬送包装部50における溶着切断機構8の下流側には、新聞Sをさらに下流側に搬送する搬送ベルト19(19a,19b)が設けられている。搬送ベルト19として、第一フィルムF1を挟んで新聞Sの一方の面に接触する第一搬送ベルト19aと、第二フィルムF2を挟んで新聞Sの他方の面に接触する第二搬送ベルト19bとを備える。
【0019】
搬送包装部50は、第一搬送ベルト19aの幅方向(
図2及び
図3中の手前‐奥方向)の両方の外側に各一個ずつ、計二個のサイド溶着ヒータ20を備える。サイド溶着ヒータ20は新聞Sの搬送方向に沿って長く延在する形状である。このサイド溶着ヒータ20に対して、新聞Sの搬送経路を挟んで対向する位置であって、第二搬送ベルト19bの幅方向の両方の外側には、それぞれ一個ずつ、計二個のサイド溶着受け台21を備える。
【0020】
サイド溶着ヒータ20はサイド溶着受け台21から離間する待機位置と、サイド溶着受け台21に接触する溶着位置との間を、不図示の駆動機構により移動可能になっている。サイド溶着ヒータ20とサイド溶着受け台21とで第一フィルムF1及び第二フィルムF2を重ねて挟むことで、新聞Sの幅方向の両側で第一フィルムF1と第二フィルムF2とが溶着され、新聞S搬送方向に沿った溶着ライン(後述する「サイド溶着ラインF5」)を形成する。
【0021】
包装機1は、搬送経路を通過する新聞Sの有無を検知可能な三つのセンサ(P1,P2,P3)が配置されている。第一センサP1は溶着切断機構8の上流側、第二センサP2は溶着切断機構8の下流側、第三センサP3はサイド溶着ヒータ20の下流側端部付近に設けられている。三つのセンサ(P1,P2,P3)は各々発光センサと受光センサとで構成された光学センサである。第一フィルムF1及び第二フィルムF2は透明であるので、これらの光学センサで第一フィルムF1と第二フィルムF2とに挟まれた新聞Sの有無を検出することで、新聞Sの先端または後端の通過が検知可能になっている。
【0022】
ユーザーが新聞Sを最終折り辺S1が先頭になるように包装機1に挿入すると、包装機1は、挿入された新聞Sの先端(最終折り辺S1)の通過を第一センサP1で検知し、搬送ベルト19の駆動を開始する。このとき、新聞Sは、最終折り辺S1が第一フィルムF1及び第二フィルムF2の先端溶着ラインF3と略一致した状態で、第一フィルムF1及び第二フィルムF2を押し下げる。これにより、新聞Sを第一フィルムF1及び第二フィルムF2で挟んだ状態のものを第一搬送ベルト19aと第二搬送ベルト19bとの間に挟んで、下流側に搬送する。
【0023】
新聞Sの後端の通過を第二センサP2で検知すると、搬送ベルト19を停止する。次に、溶着切断ヒータ9とサイド溶着ヒータ20とを待機位置から溶着位置に移動し、溶着切断ヒータ9と受け台10との間、並びに、サイド溶着ヒータ20とサイド溶着受け台21との間で、それぞれ第一フィルムF1及び第二フィルムF2を所定時間挟んで溶着する。
その後、サイド溶着ヒータ20だけを待機位置に戻し、搬送ベルト19の駆動を再開する。このとき、新聞Sの上流側で第一フィルムF1と第二フィルムF2とを、溶着切断ヒータ9と受け台10との間で挟んだままの状態である。この状態で、搬送ベルト19を駆動することで、第一フィルムF1及び第二フィルムF2を搬送方向下流側に引っ張り、溶着切断ヒータ9と受け台10とで挟んだ部分で第一フィルムF1及び第二フィルムF2を切断できる。搬送ベルト19で搬送した新聞SをフィルムFで包装した包装物FPを、排出口3から排出し、スタッカ4に蓄積する。
【0024】
図3では、溶着切断ヒータ9と受け台10との間、及び、サイド溶着ヒータ20とサイド溶着受け台21との間で、第一フィルムF1及び第二フィルムF2を挟み、溶着している状態を示している。
図4は、包装機1で包装動作の制御条件を異ならせることで得ることができる三種類の包装物FPの説明図である。
図3を用いて説明したように、溶着切断ヒータ9とサイド溶着ヒータ20とを同時に溶着位置に移動する第一包装制御では、
図4(a)に示す包装物FPを得ることができる。
【0025】
図3に示すように、溶着切断ヒータ9とサイド溶着ヒータ20とを溶着位置に移動した状態では、先端溶着ラインF3の搬送方向における位置は、サイド溶着ヒータ20とサイド溶着受け台21とで挟まれる範囲内にある。一方、サイド溶着ヒータ20の上流側端部と溶着切断ヒータ9とは離間している。この状態で溶着切断ヒータ9によって新聞Sの後端側(上流側)で第一フィルムF1と第二フィルムF2とを溶着し、後端溶着ラインF4を形成し、これと同時にサイド溶着ヒータ20によって新聞Sの両サイドにサイド溶着ラインF5(
図4(a)参照)を形成する。次に、搬送ベルト19による搬送を再開することにより、後端溶着ラインF4で第一フィルムF1及び第二フィルムF2を切断する(切断によって形成した後端溶着ラインF4は、次に挿入される新聞Sに対する先端溶着ラインF3になる)。
【0026】
このような第一包装制御によって得ることができる包装物FPは、
図4(a)に示すように、新聞Sの両サイドに形成されるサイド溶着ラインF5が、先端溶着ラインF3とは交差するが、後端溶着ラインF4とは交差してない形状となる。すなわち、新聞Sの先端(最終折り辺S1)と対向する辺側において、サイド溶着ラインF5の上流側端部と、後端溶着ラインF4との間に溶着されていない非溶着部F6が形成された包装物FPを得ることができる。
【0027】
次に、
図4(b)に示す包装物FPを得る第二包装制御について説明する。
第二包装制御では、新聞Sの後端の通過を第二センサP2で検知して、搬送ベルト19を停止すると、溶着切断ヒータ9のみを待機位置から溶着位置に移動する。これにより、第一フィルムF1と第二フィルムF2とを、溶着切断ヒータ9と受け台10との間に所定時間挟んで溶着する第一の溶着を行う。この段階ではサイド溶着ヒータ20は待機位置のままである。次に、搬送ベルト19の駆動を再開し、溶着切断ヒータ9と受け台10との間で第一フィルムF1と第二フィルムF2とを挟んだ部分で第一フィルムF1と第二フィルムF2とを切断する。その後、新聞Sを所定量搬送したタイミングで搬送ベルト19を停止し、サイド溶着ヒータ20を待機位置から溶着位置に移動する。そして、サイド溶着ヒータ20とサイド溶着受け台21との間に、第一フィルムF1と第二フィルムF2とを所定時間挟んで溶着する第二の溶着を行う。その後、サイド溶着ヒータ20を待機位置に戻し、搬送ベルト19の駆動を再開して、新聞SをフィルムFで包装した包装物FPを、排出口3から排出し、スタッカ4に蓄積する。
【0028】
第二包装制御では、第一の溶着の際に、溶着切断ヒータ9と受け台10との間で第一フィルムF1と第二フィルムF2とを挟んで溶着する。この第一の溶着によって、新聞Sの後端の上流側で溶着切断ヒータ9によって第一フィルムF1と第二フィルムF2とを溶着し、
図4(b)に示す後端溶着ラインF4を形成する。
第一の溶着の後、搬送ベルト19を駆動し、先端溶着ラインF3と後端溶着ラインF4との両方の搬送方向の位置が、ともにサイド溶着ヒータ20とサイド溶着受け台21とで挟む範囲内となる位置まで新聞Sを搬送して、搬送ベルト19を停止し、第二の溶着を行う。このため、第二の溶着のときには、先端溶着ラインF3と後端溶着ラインF4とがともにサイド溶着ヒータ20とサイド溶着受け台21とで挟まれる範囲内となる状態である。この状態で第二の溶着を行うことで、サイド溶着ヒータ20によって新聞Sの両サイドにサイド溶着ラインF5を形成する。第二の溶着後、サイド溶着ヒータ20を待機位置に移動し、搬送ベルト19による搬送を再開して、包装物FPを排出口3に送る。
【0029】
このような第二包装制御で得ることができる包装物FPは、
図4(b)に示すように、新聞Sの両サイドに形成されるサイド溶着ラインF5が、先端溶着ラインF3と後端溶着ラインF4との両方に交差した状態となる。これにより、新聞Sの四辺に沿って隙間なく溶着ラインが形成された包装物FPを得ることができる。
【0030】
次に、
図4(c)に示す包装物FPを得る第三包装制御について説明する。
第三包装制御では、新聞Sの後端の通過を第二センサP2で検知して、搬送ベルト19を停止すると、溶着切断ヒータ9のみを待機位置から溶着位置に移動する。これにより、第一フィルムF1と第二フィルムF2とを、溶着切断ヒータ9と受け台10との間に所定時間挟んで溶着する第一の溶着を行う。この段階ではサイド溶着ヒータ20は待機位置のままである。次に、搬送ベルト19の駆動を再開し、溶着切断ヒータ9と受け台10との間で第一フィルムF1と第二フィルムF2とを挟んだ部分で第一フィルムF1と第二フィルムF2とを切断する。その後、新聞Sの先端の通過を第三センサP3で検知してから、所定量搬送したタイミングで搬送ベルト19を停止し、サイド溶着ヒータ20を待機位置から溶着位置に移動する。そして、サイド溶着ヒータ20とサイド溶着受け台21との間に、第一フィルムF1と第二フィルムF2とを所定時間挟んで溶着する第二の溶着を行う。その後、サイド溶着ヒータ20を待機位置に戻し、搬送ベルト19の駆動を再開して、新聞SをフィルムFで包装した包装物FPを、排出口3から排出し、スタッカ4に蓄積する。
【0031】
第三包装制御では、第一の溶着で溶着切断ヒータ9と受け台10との間で、第一フィルムF1と第二フィルムF2とを挟み、溶着する。この第一の溶着によって、新聞Sの後端の上流側で溶着切断ヒータ9によって第一フィルムF1と第二フィルムF2とを溶着し、
図4(c)に示す後端溶着ラインF4を形成する。
第一の溶着の後、搬送ベルト19を駆動し、先端溶着ラインF3がサイド溶着ヒータ20とサイド溶着受け台21とで挟まれる範囲よりも下流側となる位置まで新聞Sを搬送して、搬送ベルト19を停止し、第二の溶着を行う。具体的には、第一の溶着の後、搬送ベルト19の駆動を開始し、新聞Sの先端の通過を第三センサP3で検知した後、所定量搬送して搬送ベルト19を停止する。このため、第二の溶着のときには、後端溶着ラインF4の搬送方向の位置はサイド溶着ヒータ20とサイド溶着受け台21とで挟む範囲内にあるが、先端溶着ラインF3の搬送方向の位置はサイド溶着ヒータ20とサイド溶着受け台21とで挟む範囲よりも下流側にある状態となる。この状態で第二の溶着を行うことで、サイド溶着ヒータ20によって新聞Sの両サイドにサイド溶着ラインF5を形成する。第二の溶着後、サイド溶着ヒータ20を待機位置に移動し、搬送ベルト19による搬送を再開して、包装物FPを排出口3に送る。
【0032】
このような第三包装制御で得ることができる包装物FPは、
図4(c)に示すように、新聞Sの両サイドに形成されるサイド溶着ラインF5が、後端溶着ラインF4とは交差するが、先端溶着ラインF3とは交差していない状態となる。これにより、新聞Sの先端(最終折り辺S1)側において、サイド溶着ラインF5の下流側端部と、先端溶着ラインF3との間に溶着されていない先端側非溶着部F7が形成された包装物FPが得ることができる。
【0033】
次に、
図2及び
図3を用いて供給部である二つのフィルムロール6(6a,6b)から包装処理部である搬送包装部50にフィルムFを供給するフィルムFの移動経路について説明する。
図2に示すように、二つのフィルムロール6(6a,6b)の下方にはそれぞれ第一支持ローラ22aと第二支持ローラ22bが配置されている。また、二つの支持ローラ22(22a,22b)の
図2中の内側(新聞Sの搬送経路側)には、第一ガイドシャフト23aと第二ガイドシャフト23bとが配置されている。二つのガイドシャフト23は、包装機1の装置本体の筐体に対して回転可能となるように軸受けを介して組み付けられている。
【0034】
包装機1は、フィルムロール6(6a,6b)の軸部を上下方向に移動可能に支持する不図示のロール軸ガイド溝を備え、フィルムロール6(6a,6b)はその外周面が支持ローラ22(22a,22b)に突き当たる位置で停止する。このため、フィルムFの消費によってフィルムロール6(6a,6b)の径が小さくなると、フィルムロール6(6a,6b)の軸部はロール軸ガイド溝に沿って下降する。一方、フィルムロール6(6a,6b)が支持ローラ22(22a,22b)に突き当たる位置は一定である。このような構成により、フィルムロール6(6a,6b)からフィルムFが繰り出される位置を一定に保つことができる。
【0035】
第一フィルムロール6aと第一支持ローラ22aとの当接部から繰り出された第一フィルムF1は、第一ガイドシャフト23aに掛け回されて、シャッター12の自由端と受け台10の間を通り、搬送包装部50に到達するように案内される。同様に、第二フィルムロール6bと第二支持ローラ22bとの当接部から繰り出された第二フィルムF2は、第二ガイドシャフト23bに掛け回されて、シャッター12の自由端と受け台10の間を通り、搬送包装部50に到達するように案内される。そして、シャッター12の自由端と受け台10の間を通り抜けた第一フィルムF1と第二フィルムF2とは、上述した用に、先端同士が予め前回の包装動作で溶着され、先端溶着ラインF3を形成した状態になっている。
【0036】
包装機1と同様の構成を備えた包装装置では、前回の包装動作で形成された先端溶着ラインF3が剥がれて、溶着部分に穴が開く先端割れが生じることがあった。このような先端割れを抑制するために、本発明者らが鋭意検討を重ねたところ、第一フィルムF1のテンションを弱めるように各部材の配置等の設定を変更することで先端割れの発生頻度が低下することを見出した。設定の変更の一例として、第一ガイドシャフト23aの位置を下方にずらすことで、第一フィルムF1のテンションが弱まることを確認した。
【0037】
しかしながら、第一フィルムF1のテンションを弱めるような設定にすると、サイド溶着ラインF5に穴が開く不具合や、サイド溶着ラインF5自体が形成できない不具合といった、サイド溶着ラインF5の溶着不良が生じることがあった。
このサイド溶着ラインF5の溶着不良について本発明者らが鋭意検討を重ねたところ、以下の原因を見出した。
すなわち、テンションを弱めると、第一フィルムロール6aから繰り出された第一フィルムF1が搬送包装部50に到達するまでの間に、第一フィルムF1の幅方向の端部が幅方向の中央側に移動し、フィルムFが幅方向の中央に集まるように寄ってしまう。このような中央寄りが生じることで、第一フィルムF1の幅方向の端部がサイド溶着ヒータ20よりも幅方向の内側まで移動してしまうと、サイド溶着ヒータ20とサイド溶着受け台21との間で挟まれるフィルムFが第二フィルムF2のみとなる。その結果、第二フィルムF2が加熱されるのみで、第一フィルムF1と第二フィルムF2との溶着を行うことができず、サイド溶着ラインF5の溶着不良が生じる。
【0038】
次に、本実施形態の包装機1の特徴について説明する。
包装機1は、包装材ガイド部材である第一ガイドシャフト23aに、包装材である第一フィルムF1の幅方向の端部が、前記幅方向中央側に移動することを抑制する幅方向端部中央移動抑制手段を備える。
【0039】
図5は、第一ガイドシャフト23aの説明図である。
図5に示すように、第一ガイドシャフト23aは、金属シャフトであって径(D1)が一様なシャフト本体部231における幅方向(
図5中の左右方向)の両端部の近傍に粘着テープを巻き付けるように貼り付けたテープ貼付部232を設けた構成である。また、第一ガイドシャフト23aは、シャフト本体部231の中心軸であるシャフト中心軸23cが包装機1の幅方向に平行となるように包装機1の装置本体の筐体に組み付けられる。
【0040】
図5に示す各寸法は以下の通りである。
シャフト長さL1:574.6[mm]
テープ外側端部間距離L2:474.6[mm]
シャフト端からテープ端までの距離L3:50[mm]
テープ幅L4:50[mm]
シャフト径D1:8.0[mm]
【0041】
第一フィルムF1及び第二フィルムF2として使用するフィルムFのフィルム幅(幅方向の長さ)は、490[mm]または495[mm]である。何れのフィルム幅であっても、上述したテープ外側端部間距離L2よりも長い。このため、第一フィルムF1を第一ガイドシャフト23aに掛け回すと、二つのテープ貼付部232は第一フィルムF1の幅方向両端部よりも内側に位置する配置となる。
【0042】
第一ガイドシャフト23aのシャフト本体部231は、鋼材(SUM22)の軸部材に無電解ニッケルメッキの表面処理を施したものである。テープ貼付部232に貼り付ける粘着テープは静電気除去テープ(日本バイリーン社製静電気除去テープ、型番:SDT255)である。
テープ貼付部232に貼り付けた粘着テープは、幅方向の長さ(テープ幅L4)が50[mm]で、周方向(シャフト本体部231に巻き付ける方向)の長さが25[mm]である。シャフト本体部231の円柱の周面の長さが約25,12[mm](D1×3.14)であるため、周方向の長さが25[mm]の粘着テープをシャフト本体部231に貼り付けると、周方向に約0,1[mm]の隙間ができる。しかし、粘着テープ同士が重なる部分ができることを防止でき、重なる部分から粘着テープが剥がれることを防止できる。
【0043】
鋼材の軸部材からなるシャフト本体部231の幅方向端部近傍に、静電気除去テープからなる粘着テープを貼り付けてテープ貼付部232を形成することで、第一フィルムF1の幅方向の端部が、幅方向中央側に移動することを抑制できることを確認した。これは、以下の理由によるものと考えられる。
すなわち、シャフト本体部231に粘着テープを貼り付けたテープ貼付部232は、粘着テープの厚み分(0.5[mm])だけ半径が大きな大径部となる。第一フィルムF1の第一ガイドシャフト23aに掛け回されている部分において、大径部に掛け回されている部分は、他の部分に比べて、第一フィルムF1の通過経路が長くなる。通過経路が長くなる分、第一フィルムF1の幅方向の端部近傍が引っ張られた状態となり、幅方向の中央近傍よりもテンションが強くなる。第一フィルムF1のテンションが強くなる部分では、第一ガイドシャフト23aとの接触圧が高くなり、第一フィルムF1と第一ガイドシャフト23aとの間の摩擦力も大きくなる。摩擦力が大きくなることで、第一フィルムF1の幅方向の端部近傍が移動し難くなり、第一フィルムF1の幅方向の端部が幅方向中央側に移動することを抑制できたと考えられる。
また、シャフト本体部231の表面よりテープ貼付部232の表面の方が、第一フィルムF1の表面との摩擦係数が高く、移動し難くなったことで、第一フィルムF1の幅方向の端部が幅方向中央側に移動することを抑制できた可能性もある。
【0044】
図5に示すように、シャフト本体部231にテープ貼付部232を設けても、上述した先端割れの不具合は悪化しなかった。これは、テープ貼付部232を設けた幅方向の端部近傍以外では、第一ガイドシャフト23aの径はD1のままで、第一フィルムF1のテンションを弱めた設定を維持できたためと考えられる。
【0045】
上述した説明では、第一フィルムF1に中央寄りが生じて溶着不良が発生する場合に、第一ガイドシャフト23aに幅方向端部中央移動抑制手段を設ける構成について説明した。第二フィルムF2に中央寄りが生じて溶着不良が発生する場合には、同様に、第二ガイドシャフト23bに幅方向端部中央移動抑制手段を設けることで中央寄りに起因する溶着不良の発生を抑制できる。
【0046】
〔変形例〕
図6は、幅方向端部中央移動抑制手段を備える第一ガイドシャフト23aの各変形例の説明図である。
【0047】
〔変形例1〕
図6(a)は、変形例1の説明図であり、鋼材の軸部材を加工し、幅方向端部近傍のシャフト大径部234と、幅方向中央部を含むシャフト小径部235と、を形成したものである。
図6(a)に示す変形例1の第一ガイドシャフト23aでは、シャフト大径部234に掛け回される部分の第一フィルムF1はテンションが強くなり、第一フィルムF1の幅方向の端部が幅方向中央側に移動することを抑制できる。また、シャフト小径部235に掛け回される部分の第一フィルムF1はテンションを弱めた設定を維持でき、先端割れの不具合も抑制できる。
【0048】
〔変形例2〕
図6(b)は、変形例2の説明図であり、
図6(a)に示す第一ガイドシャフト23aに対して、シャフト大径部234が、幅方向外側ほど前記半径が大きくなる形状を有する点が異なる構成である。
【0049】
〔変形例3〕
図6(c)は、変形例3の説明図であり、径が幅方向に均一な第一ガイドシャフト23aに掛け回された第一フィルムF1の幅方向の端部を第一ガイドシャフト23aとの間で挟み込む端部挟持ローラ236を備える構成である。端部挟持ローラ236と第一ガイドシャフト23aとの間で、第一フィルムF1の幅方向の端部を挟み込むことで、第一フィルムF1の幅方向の端部が幅方向中央側に移動することを抑制できる。
図6(c)に示す端部挟持ローラ236の代わりに板バネを配置して、板バネと第一ガイドシャフト23aとの間で、第一フィルムF1の幅方向の端部を挟み込む構成としてもよい。
【0050】
本発明に係る幅方向端部中央移動抑制手段は、上述した実施形態や各変形例で説明した構成に限らず、包装材の幅方向の端部が幅方向の中央側に移動することができるものであればよい。ここで、幅方向端部中央移動抑制手段が抑制する不具合は、両方または一方の幅方向の端部が中央側に移動する中央寄りの不具合に限らない。一方の幅方向の端部が中央側に移動するとともに、他方の幅方向の端部が幅方向のさらに外側に向かって移動するように、包装材が幅方向にシフトする不具合を抑制する幅方向端部中央移動抑制手段でもよい。
【0051】
上述した実施形態では、包装機1は挿入した矩形のシートである新聞Sを樹脂フィルムシートで覆い、新聞Sの四辺の周囲を閉塞して包装する構成である。本発明に係る包装装置の包装対象物は新聞Sのような矩形のシート状のものに限るものではない。また、シートの四辺の周囲を閉塞するものに限らず、四辺の何れかが解放された状態で包装されるものでもよい。さらに、包装材も樹脂フィルムシートに限らず、紙や布その他、包装対象物を包装できるものであればよい。
【0052】
上述した包装機1は、包装対象物である新聞Sを上方から下方に向けて搬送する間に、包装材である樹脂フィルムで包装する縦型搬送の構成であるが、本発明を適用可能な包装装置は、これに限るものではない。例えば、特許文献2に記載の包装装置のように、包装対象物を横方向に搬送する間に包装する横型搬送の構成であっても、包装材ガイド部材が幅方向端部中央移動抑制手段を備える構成は適用可能である。
さらに、上述した包装機1は、二枚の樹脂フィルムを重ねて溶着することで、包装対象物を包装する構成であるが、本発明の適用可能な包装装置は、これに限るものではない。例えば、特許文献3に記載の包装装置のように、一枚の樹脂フィルムを折って、重なる部分を溶着することで包装する包装装置であっても、上述した包装材ガイド部材が幅方向端部中央移動抑制手段を備える構成は適用可能である。また、三枚以上の樹脂フィルムを用いて包装する包装装置にも適用可能である。
【0053】
本発明の実施の形態は、上述した実施形態や変形例に限るものではなく、当業者の知識に基づいて各種の設計変更等の変形を実施形態に対して加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施形態も本発明の範囲に含まれ得る。
【0054】
以上に説明したものは一例であり、次の態様毎に特有の効果を奏する。
【0055】
〔態様1〕
供給方向に連続するシート状のフィルムF等の包装材を供給するフィルムロール6等の供給部と、供給部から供給される包装材で新聞S等の包装対象物を包装する包装処理を行う搬送包装部50等の包装処理部と、を備え、供給部から供給される包装材が掛け回され、包装処理部に向かうように案内するガイドシャフト23等の包装材ガイド部材を備える包装機1等の包装装置において、包装材ガイド部材に、包装材の幅方向の端部が前記幅方向中央側に移動することを抑制する、テープ貼付部232、シャフト大径部234または端部挟持ローラ236等の幅方向端部中央移動抑制手段を備えることを特徴とするものである。
これによれば、シート状の包装材の幅方向の端部が中央側に移動することに起因する包装不良を防止し、良好な包装処理を行うことが可能となる。
【0056】
〔態様2〕
態様1の包装装置において、供給部は、包装材をそれぞれ供給する第一フィルムロール6a等の第一供給部と第二フィルムロール6b等の第二供給部とを備え、包装処理部は、第一供給部から供給される第一フィルムF1等の第一包装材と、第二供給部から供給される第二フィルムF2等の第二包装材とで包装対象物を挟んだ状態で、第一包装材と第二包装材とを溶着等の接着することで包装処理を行うことを特徴とするものである。
第一包装材と第二包装材とを重ねて接着する構成では、二枚の包装材の一方または両方の幅方向の端部が幅方向の中央部側に移動すると、サイド溶着ラインF5等の幅方向の外側の接着部の接着を行う位置に、二つの包装材の一方または両方が存在しない状態となり、溶着不良等の接着不良が生じる恐れがある。
これに対して、態様2の包装装置では、第一包装材と第二包装材とを重ねて接着する構成で、包装材ガイド部材に幅方向端部中央移動抑制手段を備えるため、包装材の幅方向の端部が中央側に移動することに起因する包装不良を防止し、良好な包装処理を行うことが可能となる。
【0057】
〔態様3〕
態様1または2の包装装置において、包装材ガイド部材は、その周面に包装材が掛け回され、シャフト中心軸23c等の中心軸が幅方向に平行となるシャフト本体部231等の円筒部を有することを特徴とするものである。
これによれば、包装材ガイド部材として円筒部を有する部材に、幅方向端部中央移動抑制手段を追加する構成によって、シート状の包装材の幅方向の端部が中央側に移動することに起因する包装不良を防止することが可能となる。
【0058】
〔態様4〕
態様3の包装装置において、包装材ガイド部材は、円筒部が軸受けを介して筐体に組み付けられる構成等によって円筒部が中心軸を中心に回転可能であることを特徴とするものである。
これによれば、包装材ガイド部材として回転可能な円筒部を有する部材に、幅方向端部中央移動抑制手段を追加する構成によって、シート状の包装材の幅方向の端部が中央側に移動することに起因する包装不良を防止することが可能となる。
【0059】
〔態様5〕
態様3または4の包装装置において、幅方向端部中央側移動抑制手段として、包装材ガイド部材の円筒部が、幅方向の端部側に幅方向の中央部よりも半径が大きいテープ貼付部232やシャフト大径部234等の大径部分を有する形状を備えることを特徴とするものである。
これによれば、包装材における大径部分に掛け回される部分のテンションを強くすることができ、この大径部分に掛け回される包装材の幅方向の端部が中央側に移動することを抑制することが可能となる。
【0060】
〔態様6〕
態様5の包装装置において、円筒状の部材に粘着テープ等のテープ部材を巻き付けることによってテープ貼付部232等の大径部分を形成すること特徴とするものである。
これによれば、幅方向端部中央移動抑制手段となる大径部分を備える包装材ガイド部材を容易に実現することができる。
【0061】
〔態様7〕
態様6の包装装置において、円筒状の部材としてSUM22等の鋼材を用い、テープ部材として静電気除去テープを用いることを特徴とするものである。
これによれば、本発明者らがその効果を確認した幅方向端部中央移動抑制手段を備える包装材ガイド部材を実現することができる。
【0062】
〔態様8〕
態様5の包装装置において、大径部分が、幅方向外側ほど前記半径が大きくなる形状を有することを特徴とする。
これによれば、
図6(b)に示すように、傾斜部を有するシャフト大径部234等の大径部分を備える包装材ガイド部材を実現することができる。
【0063】
〔態様9〕
態様1乃至8の何れかの態様に係る包装装置において、包装材はポリエチレン等の樹脂フィルムであり、包装処理部は包装材を加熱して溶着することで包装処理を行うことを特徴とするものである。
包装材を溶着することで包装処理を行う構成では、サイド溶着ヒータ20を行う部材に対する樹脂フィルムの幅方向の位置がずれると、溶着不良が生じる恐れがある。これに対して、態様9の包装装置では、樹脂フィルムの幅方向の端部が幅方向の中央側に移動することを抑制でき、樹脂フィルムの溶着不良の発生を抑制し、良好な包装処理を行うことができる。
【0064】
〔態様10〕
供給方向に連続するシート状のフィルムF等の包装材を供給するフィルムロール6等の供給部と、供給部から供給される包装材で新聞S等の包装対象物を包装する包装処理を行う搬送包装部50等の包装処理部と、を備える包装機1等の包装装置に取り付けられる部材であって、供給部から供給される包装材が掛け回され、包装処理部に向かうように案内するガイドシャフト23等の包装材ガイド部材において、包装材の幅方向の端部が幅方向中央側に移動することを抑制するテープ貼付部232、シャフト大径部234または端部挟持ローラ236等の幅方向端部中央移動抑制手段を備えることを特徴とするものである。
【符号の説明】
【0065】
1 :包装装置
5a :第一ガイド板
5b :第二ガイド板
6 :フィルムロール
6a :第一フィルムロール
6b :第二フィルムロール
7 :操作パネル
8 :溶着切断機構
9 :溶着切断ヒータ
19 :搬送ベルト
19a :第一搬送ベルト
19b :第二搬送ベルト
20 :サイド溶着ヒータ
22 :支持ローラ
22a :第一支持ローラ
22b :第二支持ローラ
23 :ガイドシャフト
23a :第一ガイドシャフト
23b :第二ガイドシャフト
23c :シャフト中心軸
50 :搬送包装部
231 :シャフト本体部
232 :テープ貼付部
234 :シャフト大径部
235 :シャフト小径部
236 :端部挟持ローラ
F :フィルム
F1 :第一フィルム
F2 :第二フィルム
FP :包装物