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特開2022-179030情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022179030
(43)【公開日】2022-12-02
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G16C 20/70 20190101AFI20221125BHJP
   C09K 3/10 20060101ALI20221125BHJP
   C08J 5/18 20060101ALI20221125BHJP
   G06F 30/10 20200101ALN20221125BHJP
   G06F 30/27 20200101ALN20221125BHJP
【FI】
G16C20/70
C09K3/10 Z
C08J5/18
G06F30/10
G06F30/27
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021086252
(22)【出願日】2021-05-21
(71)【出願人】
【識別番号】000000066
【氏名又は名称】味の素株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】池平 秀
(72)【発明者】
【氏名】阪内 啓之
(72)【発明者】
【氏名】藤島 祥平
【テーマコード(参考)】
4F071
4H017
5B146
【Fターム(参考)】
4F071AA02
4F071AA03
4F071AA40
4F071AA41
4F071AA42
4F071AA51
4F071AB26
4F071AC08
4F071AC12
4F071AE02
4F071AE04
4F071AE17
4F071AH12
4F071AH16
4H017AA04
4H017AB17
4H017AC01
4H017AC10
4H017AD02
4H017AD06
4H017AE05
5B146AA10
5B146DC03
5B146DC05
5B146DE12
5B146DL08
(57)【要約】
【課題】これまで必要としていた熟練した作業者による試行錯誤を無くすことができる情報処理装置などを提供することを課題とする。
【解決手段】本実施形態に係る情報処理装置は制御部を備える。制御部は、封止用熱硬化性樹脂組成物の特性に関する目的とする特性値を含む目的特性データが入力されると封止用熱硬化性樹脂組成物の組成に関する予測した組成値を含む予測組成データを出力する第一の機械学習モデル、または、封止用熱硬化性樹脂組成物の組成に関する目的とする組成値を含む目的組成データが入力されると封止用熱硬化性樹脂組成物の特性に関する予測した特性値を含む予測特性データを出力する第二の機械学習モデルに対し、取得された目的特性データまたは目的組成データを入力して、機械学習モデルが出力するデータを取得する予測部を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部を備える情報処理装置であって、
前記制御部は、
封止用熱硬化性樹脂組成物の特性に関する目的とする特性値を含む目的特性データが入力されると封止用熱硬化性樹脂組成物の組成に関する予測した組成値を含む予測組成データを出力する第一の機械学習モデル、または、封止用熱硬化性樹脂組成物の組成に関する目的とする組成値を含む目的組成データが入力されると封止用熱硬化性樹脂組成物の特性に関する予測した特性値を含む予測特性データを出力する第二の機械学習モデルに対し、取得された前記目的特性データまたは前記目的組成データを入力して、前記機械学習モデルが出力するデータを取得する予測手段
を備えること、
を特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
制御部を備える情報処理装置であって、
前記制御部は、
封止用熱硬化性樹脂組成物の特性に関する特性値を含む特性データおよび封止用熱硬化性樹脂組成物の組成に関する組成値を含む組成データを学習データとして用いて、封止用熱硬化性樹脂組成物の特性に関する目的とする特性値を含む目的特性データが入力されると封止用熱硬化性樹脂組成物の組成に関する予測した組成値を含む予測組成データを出力する第一の機械学習モデル、または、封止用熱硬化性樹脂組成物の組成に関する目的とする組成値を含む目的組成データが入力されると封止用熱硬化性樹脂組成物の特性に関する予測した特性値を含む予測特性データを出力する第二の機械学習モデルの学習処理を実行する学習処理手段
を備えること、
を特徴とする情報処理装置。
【請求項3】
前記封止用熱硬化性樹脂組成物は液状、もしくは、シート状であること、
を特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記封止用熱硬化性樹脂組成物は電子部品封止用であること、
を特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記封止用熱硬化性樹脂組成物の前記組成は、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、無機充填剤、応力緩和剤、硬化促進剤、および分散剤の少なくとも1つの有無、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、無機充填剤、応力緩和剤、硬化促進剤、および分散剤の少なくとも1つに含まれる化合物、または、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、無機充填剤、応力緩和剤、硬化促進剤、および分散剤の少なくとも1つに含まれる化合物の含有割合であること、
を特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記封止用熱硬化性樹脂組成物の前記特性は、
前記封止用熱硬化性樹脂組成物の寸法安定性、耐熱性、弾性、強度、伸張性、誘電特性、平面度、粘性、密着性、成形性、濡れ性、破壊靭性、硬化収縮性、吸水性、熱安定性、および粘弾性の少なくとも1つであること、
を特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
制御部を備える情報処理装置で実行される情報処理方法であって、
前記制御部で実行される、
封止用熱硬化性樹脂組成物の特性に関する目的とする特性値を含む目的特性データが入力されると封止用熱硬化性樹脂組成物の組成に関する予測した組成値を含む予測組成データを出力する第一の機械学習モデル、または、封止用熱硬化性樹脂組成物の組成に関する目的とする組成値を含む目的組成データが入力されると封止用熱硬化性樹脂組成物の特性に関する予測した特性値を含む予測特性データを出力する第二の機械学習モデルに対し、取得された前記目的特性データまたは前記目的組成データを入力して、前記機械学習モデルが出力するデータを取得する予測ステップ
を含むこと、
を特徴とする情報処理方法。
【請求項8】
制御部を備える情報処理装置で実行される情報処理方法であって、
前記制御部で実行される、
封止用熱硬化性樹脂組成物の特性に関する特性値を含む特性データおよび封止用熱硬化性樹脂組成物の組成に関する組成値を含む組成データを学習データとして用いて、封止用熱硬化性樹脂組成物の特性に関する目的とする特性値を含む目的特性データが入力されると封止用熱硬化性樹脂組成物の組成に関する予測した組成値を含む予測組成データを出力する第一の機械学習モデル、または、封止用熱硬化性樹脂組成物の組成に関する目的とする組成値を含む目的組成データが入力されると封止用熱硬化性樹脂組成物の特性に関する予測した特性値を含む予測特性データを出力する第二の機械学習モデルの学習処理を実行する学習処理ステップ
を含むこと、
を特徴とする情報処理方法。
【請求項9】
制御部を備える情報処理装置に実行させるためのプログラムであって、
前記制御部に実行させるための、
封止用熱硬化性樹脂組成物の特性に関する目的とする特性値を含む目的特性データが入力されると封止用熱硬化性樹脂組成物の組成に関する予測した組成値を含む予測組成データを出力する第一の機械学習モデル、または、封止用熱硬化性樹脂組成物の組成に関する目的とする組成値を含む目的組成データが入力されると封止用熱硬化性樹脂組成物の特性に関する予測した特性値を含む予測特性データを出力する第二の機械学習モデルに対し、取得された前記目的特性データまたは前記目的組成データを入力して、前記機械学習モデルが出力するデータを取得する予測ステップ
を含むこと、
を特徴とするプログラム。
【請求項10】
制御部を備える情報処理装置に実行させるためのプログラムであって、
前記制御部に実行させるための、
封止用熱硬化性樹脂組成物の特性に関する特性値を含む特性データおよび封止用熱硬化性樹脂組成物の組成に関する組成値を含む組成データを学習データとして用いて、封止用熱硬化性樹脂組成物の特性に関する目的とする特性値を含む目的特性データが入力されると封止用熱硬化性樹脂組成物の組成に関する予測した組成値を含む予測組成データを出力する第一の機械学習モデル、または、封止用熱硬化性樹脂組成物の組成に関する目的とする組成値を含む目的組成データが入力されると封止用熱硬化性樹脂組成物の特性に関する予測した特性値を含む予測特性データを出力する第二の機械学習モデルの学習処理を実行する学習処理ステップ
を含むこと、
を特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、封止用熱硬化性樹脂組成物を製造する場合には、所望の特性または組成を得るために、熟練したオペレータの試行錯誤によって好ましい特性または組成を見出している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-77346号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、試行錯誤により特性または組成を得るのは効率が悪い。なお、特許文献1に開示されているモデルは、感光性樹脂組成物の組成予測に特化したものであるため、このモデルを、感光性樹脂組成物とは特性も組成も異なる封止用熱硬化性樹脂組成物の組成予測に利用することはできない。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、これまで必要としていた熟練した作業者による試行錯誤を無くすことができる情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム、ならびに、当該試行錯誤を無くすことに貢献する、封止用熱硬化性樹脂組成物の特性または組成を予測する機械学習モデルを作成することができる情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる情報処理装置は、制御部を備える情報処理装置であって、前記制御部は、封止用熱硬化性樹脂組成物の特性に関する目的とする特性値を含む目的特性データが入力されると封止用熱硬化性樹脂組成物の組成に関する予測した組成値を含む予測組成データを出力する第一の機械学習モデル、または、封止用熱硬化性樹脂組成物の組成に関する目的とする組成値を含む目的組成データが入力されると封止用熱硬化性樹脂組成物の特性に関する予測した特性値を含む予測特性データを出力する第二の機械学習モデルに対し、取得された前記目的特性データまたは前記目的組成データを入力して、前記機械学習モデルが出力するデータを取得する予測手段を備えること、を特徴とする。
【0007】
また、本発明にかかる情報処理装置は、制御部を備える情報処理装置であって、前記制御部は、封止用熱硬化性樹脂組成物の特性に関する特性値を含む特性データおよび封止用熱硬化性樹脂組成物の組成に関する組成値を含む組成データを学習データとして用いて、封止用熱硬化性樹脂組成物の特性に関する目的とする特性値を含む目的特性データが入力されると封止用熱硬化性樹脂組成物の組成に関する予測した組成値を含む予測組成データを出力する第一の機械学習モデル、または、封止用熱硬化性樹脂組成物の組成に関する目的とする組成値を含む目的組成データが入力されると封止用熱硬化性樹脂組成物の特性に関する予測した特性値を含む予測特性データを出力する第二の機械学習モデルの学習処理を実行する学習処理手段を備えること、を特徴とする。
【0008】
なお、本発明にかかる情報処理装置において、前記封止用熱硬化性樹脂組成物は液状、もしくは、シート状でもよい。
【0009】
なお、本発明にかかる情報処理装置において、前記封止用熱硬化性樹脂組成物は電子部品封止用でもよい。
【0010】
また、本発明にかかる情報処理装置において、前記封止用熱硬化性樹脂組成物の前記組成は、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、無機充填剤、応力緩和剤、硬化促進剤、および分散剤の少なくとも1つの有無、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、無機充填剤、応力緩和剤、硬化促進剤、および分散剤の少なくとも1つに含まれる化合物、または、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、無機充填剤、応力緩和剤、硬化促進剤、および分散剤の少なくとも1つに含まれる化合物の含有割合でもよい。
【0011】
また、本発明にかかる情報処理装置において、前記封止用熱硬化性樹脂組成物の前記封止用特性は、前記熱硬化性樹脂組成物の寸法安定性、耐熱性、弾性、強度、伸張性、誘電特性、平面度、粘性、密着性、成形性、濡れ性、破壊靭性、硬化収縮性、吸水性、熱安定性、および粘弾性の少なくとも1つでもよい。
【0012】
また、本発明にかかる情報処理方法は、制御部を備える情報処理装置で実行される情報処理方法であって、前記制御部で実行される、封止用熱硬化性樹脂組成物の特性に関する目的とする特性値を含む目的特性データが入力されると封止用熱硬化性樹脂組成物の組成に関する予測した組成値を含む予測組成データを出力する第一の機械学習モデル、または、封止用熱硬化性樹脂組成物の組成に関する目的とする組成値を含む目的組成データが入力されると封止用熱硬化性樹脂組成物の特性に関する予測した特性値を含む予測特性データを出力する第二の機械学習モデルに対し、取得された前記目的特性データまたは前記目的組成データを入力して、前記機械学習モデルが出力するデータを取得する予測ステップを含むこと、を特徴とする。
【0013】
また、本発明にかかる情報処理方法は、制御部を備える情報処理装置で実行される情報処理方法であって、前記制御部で実行される、封止用熱硬化性樹脂組成物の特性に関する特性値を含む特性データおよび封止用熱硬化性樹脂組成物の組成に関する組成値を含む組成データを学習データとして用いて、封止用熱硬化性樹脂組成物の特性に関する目的とする特性値を含む目的特性データが入力されると封止用熱硬化性樹脂組成物の組成に関する予測した組成値を含む予測組成データを出力する第一の機械学習モデル、または、封止用熱硬化性樹脂組成物の組成に関する目的とする組成値を含む目的組成データが入力されると封止用熱硬化性樹脂組成物の特性に関する予測した特性値を含む予測特性データを出力する第二の機械学習モデルの学習処理を実行する学習処理ステップを含むこと、を特徴とする。
【0014】
また、本発明にかかるプログラムは、制御部を備える情報処理装置に実行させるためのプログラムであって、前記制御部に実行させるための、封止用熱硬化性樹脂組成物の特性に関する目的とする特性値を含む目的特性データが入力されると封止用熱硬化性樹脂組成物の組成に関する予測した組成値を含む予測組成データを出力する第一の機械学習モデル、または、封止用熱硬化性樹脂組成物の組成に関する目的とする組成値を含む目的組成データが入力されると封止用熱硬化性樹脂組成物の特性に関する予測した特性値を含む予測特性データを出力する第二の機械学習モデルに対し、取得された前記目的特性データまたは前記目的組成データを入力して、前記機械学習モデルが出力するデータを取得する予測ステップを含むこと、を特徴とする。
【0015】
また、本発明にかかるプログラムは、制御部を備える情報処理装置に実行させるためのプログラムであって、前記制御部に実行させるための、封止用熱硬化性樹脂組成物の特性に関する特性値を含む特性データおよび封止用熱硬化性樹脂組成物の組成に関する組成値を含む組成データを学習データとして用いて、封止用熱硬化性樹脂組成物の特性に関する目的とする特性値を含む目的特性データが入力されると封止用熱硬化性樹脂組成物の組成に関する予測した組成値を含む予測組成データを出力する第一の機械学習モデル、または、封止用熱硬化性樹脂組成物の組成に関する目的とする組成値を含む目的組成データが入力されると封止用熱硬化性樹脂組成物の特性に関する予測した特性値を含む予測特性データを出力する第二の機械学習モデルの学習処理を実行する学習処理ステップを含むこと、を特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、これまで必要としていた熟練した作業者による試行錯誤を無くすことができるという効果を奏する。また、本発明によれば、当該試行錯誤を無くすことに貢献する、封止用熱硬化性樹脂組成物の特性または組成を予測する機械学習モデルを作成することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、情報処理装置100の構成の一例を示す図である。
図2図2は、第一の機械学習モデルに入力される、封止用熱硬化性樹脂組成物の特性に関する目的とする特性値を含む目的特性データの一例を示す図である。
図3図3は、第一の機械学習モデルが出力する、封止用熱硬化性樹脂組成物の組成に関する予測した組成値を含む予測組成データの一例を示す図である。
図4図4は、予測組成データに含まれる組成値を基に設定された実際に製造する封止用熱硬化性樹脂組成物の組成値を含む製造用組成データの一例を示す図である。
図5図5は、製造用組成データに含まれる組成値を基に実際に製造された封止用熱硬化性樹脂組成物から実際に測定された特性値を含む測定特性データの一例を示す図である。
図6図6は、第二の機械学習モデルに入力される、封止用熱硬化性樹脂組成物の組成に関する目的とする組成値を含む目的組成データの一例を示す図である。
図7図7は、第二の機械学習モデルが出力する、封止用熱硬化性樹脂組成物の特性に関する予測した特性値を含む予測特性データの一例を示す図である。
図8図8は、目的組成データに含まれる組成値と同じ、実際に製造する封止用熱硬化性樹脂組成物の組成値を含む製造用組成データの一例を示す図である。
図9図9は、製造用組成データに含まれる組成値を基に実際に製造された封止用熱硬化性樹脂組成物から実際に測定された特性値を含む測定特性データの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、本発明にかかる情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムの実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0019】
[1.構成および処理]
図1は、情報処理装置100の構成の一例を示す図である。情報処理装置100は、例えばネットワーク300(例えばインターネット、イントラネットまたはLAN(有線/無線の双方を含む)等)を介して、封止用熱硬化性樹脂組成物を製造する製造装置200と通信可能に接続される。ここで、製造装置200は、封止用熱硬化性樹脂組成物の原材料を混合して封止用熱硬化性樹脂組成物の流体とする混合部と、封止用熱硬化性樹脂組成物の流体から封止用熱硬化性樹脂積層体を生成する生成部とを有してもよい。
【0020】
情報処理装置100は、CPU(Central Processing Unit)またはGPU(Graphics Processing Unit)等の当該装置を統括的に制御する制御部102と、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して当該装置をネットワーク300に通信可能に接続する通信インターフェース部104と、各種のデータベース、テーブルまたはファイルなどを記憶する記憶部106と、入力装置112および出力装置114に接続する入出力インターフェース部108と、を備える。情報処理装置100が備える各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続される。
【0021】
通信インターフェース部104は、情報処理装置100とネットワーク300(またはルータ等の通信装置)との間における通信を媒介する。すなわち、通信インターフェース部104は、他の端末と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。
【0022】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタの他、スピーカまたはプリンタなどを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウスまたはマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタ、または、タッチパネルなどを用いることができる。
【0023】
記憶部106は、ストレージ手段である。記憶部106として、例えば、RAM・ROM等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、または光ディスク等を用いることができる。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPUまたはGPUに命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されていてもよい。
【0024】
制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、これらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。
【0025】
制御部102は、機能概念的に、学習制御部102aおよび予測制御部102bを備える。
【0026】
学習制御部102aは、機械学習モデルの学習処理を制御する。学習制御部102aは、学習データ取得部102a1および学習処理部102a2を備え、これら各部の動作を制御する。
【0027】
学習データ取得部102a1は、特性データおよび組成データを学習データとして取得する。特性データは、封止用熱硬化性樹脂組成物の特性に関する特性値を含む。組成データは、封止用熱硬化性樹脂組成物の組成に関する組成値を含む。ここで、封止用熱硬化性樹脂組成物は、例えば液状、もしくは、シート状のものでもよい。封止用熱硬化性樹脂組成物は、例えば電子部品封止用のものでもよい。学習データ取得部102a1は、特性データを、オペレータ、特性を測定する測定装置(図示せず)または外部装置(図示せず)から取得してもよい。学習データ取得部102a1は、組成データを、オペレータ、製造装置200または外部装置(図示せず)から取得してもよい。組成データおよび特性データの詳細は、後述する[2.組成データ]および[3.特性データ]にて説明する。
【0028】
学習処理部102a2は、学習データ取得部102a1で取得した特性データおよび組成データを学習データとして用いて、第一の機械学習モデルまたは第二の機械学習モデルの学習処理を実行する。第一の機械学習モデルは、目的特性データが入力されると予測組成データを出力する。目的特性データは、封止用熱硬化性樹脂組成物の特性に関する目的とする特性値を含む。予測組成データは、封止用熱硬化性樹脂組成物の組成に関する予測した組成値を含む。第二の機械学習モデルは、目的組成データが入力されると予測特性データを出力する。目的組成データは、封止用熱硬化性樹脂組成物の組成に関する目的とする組成値を含む。予測特性データは、封止用熱硬化性樹脂組成物の特性に関する予測した特性値を含む。
【0029】
第一の機械学習モデルおよび第二の機械学習モデルは、リカレント型またはタイムディレイ型などのニューラルネットワークであってもよく、ランダムフォレスト、勾配ブースティング、ロジスティック回帰、およびサポートベクターマシン(SVM)などを含む多の機械学習アルゴリズムに基づくものであってもよい。例えば、第一の機械学習モデルは、学習データの各特性に対応するノードを入力層に含み、予測する組成の各原材料に対応するノードを出力層に含んでもよい。例えば、第二の機械学習モデルは、学習データの各組成に対応するノードを入力層に含み、予測する各特性に関する指標に対応するノードを出力層に含んでもよい。学習データの1つの要素に対する入力層のノードは1つでもよいし複数でもよい。入力層および出力層の間には、1つまたは複数のノードを含む中間層(隠れ層)が介在してもよい。学習処理部102a2は、ノード間を繋ぐエッジの重みおよび出力ノードのバイアス値を調整することで学習処理を実行してもよい。
【0030】
第一の機械学習モデルおよび第二の機械学習モデルは、情報処理装置100の外部のサーバに格納されてもよい。
【0031】
予測制御部102bは、機械学習モデルを用いた予測処理を制御する。予測制御部102bは、目的データ取得部102b1および予測部102b2を備え、これら各部の動作を制御する。
【0032】
目的データ取得部102b1は、目的特性データまたは目的組成データを取得する。目的特性データは、少なくとも1つの特性について、当該特性の目的数値範囲を含んでもよい。目的組成データは、少なくとも1つの組成について、当該組成の目的数値範囲を含んでもよい。目的数値範囲は、上限値および下限値の少なくとも一方により規定されてもよい。
【0033】
予測部102b2は、第一の機械学習モデルに対し、目的データ取得部102b1で取得された目的特性データを入力して、第一の機械学習モデルが出力する予測組成データを取得する。予測部102b2は、第二の機械学習モデルに対し、目的データ取得部102b1で取得された目的組成データを入力して、第二の機械学習モデルが出力する予測特性データを取得する。
【0034】
予測部102b2は、目的特性データにバギング(ブートストラップアグリゲーティング)を行って一部の目的特性のみをサンプリングした部分的な目的特性データを複数生成し、当該生成した複数の部分的な目的特性データを第一の機械学習モデルに入力して、予測組成データを複数取得してもよい。予測部102b2は、取得した複数の予測組成データをまとめることで、目的特性データにおける全ての特性の目的を達成し得る組成値を含む予測組成データと、少なくとも一部の特性についての目的の達成確率との組を取得してもよい。目的の達成確率は、全ての特性の達成確率を相乗した値であってもよく、全ての特性の達成確率を、各特性の重み係数で重み付けして相乗した値であってもよい。予測部102b2は、特性の目的数値範囲を含む目的特性データを用いることにより、予測組成データと、少なくとも1つの特性値の確率分布との組を取得してもよい。
【0035】
予測部102b2は、目的組成データにバギング(ブートストラップアグリゲーティング)を行って一部の目的組成のみをサンプリングした部分的な目的組成データを複数生成し、当該生成した複数の部分的な目的組成データを第二の機械学習モデルに入力して、予測特性データを複数取得してもよい。予測部102b2は、取得した複数の予測特性データをまとめることで、目的組成データにおける全ての組成の目的を達成し得る特性値を含む予測特性データと、少なくとも一部の組成についての目的の達成確率との組を取得してもよい。目的の達成確率は、全ての組成の達成確率を相乗した値であってもよく、全ての組成の達成確率を、各組成の重み係数で重み付けして相乗した値であってもよい。予測部102b2は、組成の目的数値範囲を含む目的組成データを用いることにより、予測特性データと、少なくとも1つの組成値の確率分布との組を取得してもよい。
【0036】
予測部102b2は、遺伝的アルゴリズムを用いて第一の機械学習モデルを繰り返し用いて予測組成データを取得してもよい。例えば、予測部102b2は、目的特性データ(または部分的な目的特性データ)を第一の機械学習モデルに入力して複数の予測組成データを取得した後、これらの予測組成データに対して選択、交叉、および突然変異の何れかを行って、次世代の複数数の予測組成データを生成してもよい。交叉とは、一例として、2つの予測組成データの間で少なくとも一部の原材料の含有割合を入れ替えることであってもよい。突然変異とは、予測組成データの少なくとも一部の原材料の含有割合を変更することであってもよい。予測部102b2は、生成した次世代の予測組成データを第一の機械学習モデルに入力して複数の特性データを取得し、第一の機械学習モデルに入力した複数の予測組成データのうち、全ての特性が目的を満たす予測組成データを抽出してもよい。以降、予測部102b2は、抽出した予測組成データに選択、交叉、および突然変異の何れかを行って次世代の複数の予測組成データを生成し、それらの予測組成データのうち特性データが目的を満たす予測組成データを抽出する処理を繰り返すことで、目的の達成確率が基準確率を超える予測組成データを取得してもよい。
【0037】
予測部102b2は、遺伝的アルゴリズムを用いて第二の機械学習モデルを繰り返し用いて予測特性データを取得してもよい。例えば、予測部102b2は、目的組成データ(または部分的な目的組成データ)を第二の機械学習モデルに入力して複数の予測特性データを取得した後、これらの予測特性データに対して選択を行って、次世代の複数数の予測特性データを生成してもよい。予測部102b2は、生成した次世代の予測特性データを第二の機械学習モデルに入力して複数の組成データを取得し、第二の機械学習モデルに入力した複数の予測特性データのうち、全ての組成が目的を満たす予測特性データを抽出してもよい。以降、予測部102b2は、抽出した予測特性データに選択を行って次世代の複数の予測特性データを生成し、それらの予測特性データのうち組成データが目的を満たす予測特性データを抽出する処理を繰り返すことで、目的の達成確率が基準確率を超える予測特性データを取得してもよい。
【0038】
以上、情報処理装置100によれば、学習データを用いて、第一の機械学習モデルまたは第二の機械学習モデルの学習処理が実行される。そして、第一の機械学習モデルに目的特性を入力することで、目的特性の封止用熱硬化性樹脂組成物を製造するための組成が出力され、第二の機械学習モデルに目的組成を入力することで、目的組成で製造された封止用熱硬化性樹脂組成物の特性が出力される。従って、熟練した作業者による試行錯誤を必要とせずに、目的特性の封止用熱硬化性樹脂組成物を製造するための組成を得ることができる。また、熟練した作業者による試行錯誤を必要とせず且つ測定をせずに、製造された目的組成の封止用熱硬化性樹脂組成物の特性を得ることができる。
【0039】
なお、制御部102は、製造装置200に予測組成データを供給することで、予測組成データに含まれる予測組成値で封止用熱硬化性樹脂組成物を製造させてもよい。制御部102は、予測部102b2から複数の予測組成データを取得した場合には、これらの予測組成データを表示し、作業者によって選択される何れか1つの予測組成データを製造装置200に供給してもよい。この場合、制御部102は、取得した複数の予測組成データを、目的の達成確率が高い順に表示してもよい。また、何れか1つの特性を作業者が選択した場合には、制御部102は、当該特性の目的の達成確率が高い順に複数の予測組成データを表示してもよい。
【0040】
また、封止用熱硬化性樹脂組成物の製造後には、学習制御部102aにより第一の機械学習モデルの再学習が行われてもよい。また、封止用熱硬化性樹脂組成物の特性の測定後には、学習制御部102aにより第二の機械学習モデルの再学習が行われてもよい。
【0041】
[2.組成データ]
組成データで示される組成は、封止用熱硬化性樹脂組成物を生成し得る原材料の有無であってもよく、原材料に含まれる化合物(例えば一般名で示される原材料に含まれる具体的な化合物の名称または構造式)であってもよい。組成データで示される組成は、原材料に含まれる化合物の含有割合であってもよく、含有割合は0であってもよい。封止用熱硬化性樹脂組成物を生成し得る原材料は、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、無機充填剤、応力緩和剤、硬化促進剤、および分散剤の少なくとも1つを含んでいてもよい。
【0042】
[2-1.熱硬化性樹脂]
熱硬化性樹脂の例として、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ナフトール樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、シアネートエステル樹脂、活性エステル樹脂、カルボジイミド樹脂、酸無水物樹脂、オキセタン樹脂、エピスルフィド樹脂、イソシアネート樹脂、アミノ樹脂、マレイミド樹脂、ラジカル硬化性樹脂などが挙げられる。
【0043】
エポキシ樹脂の例として、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、トリスフェノール型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、tert-ブチル-カテコール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、線状脂肪族エポキシ樹脂、ブタジエン構造を有するエポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、スピロ環含有エポキシ樹脂、シクロヘキサンジメタノール型エポキシ樹脂、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂、トリメチロール型エポキシ樹脂、テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂、ハロゲン化エポキシ樹脂などが挙げられる。
【0044】
フェノール樹脂の例として、ノボラック構造を有するフェノール樹脂、含窒素フェノール樹脂などが挙げられる。
【0045】
ナフトール樹脂の例として、ノボラック構造を有するナフトール樹脂、含窒素ナフトール樹脂などが挙げられる。
【0046】
ベンゾオキサジン樹脂の例として、6,6-(1-メチルエチリデン)ビス(3,4-ジヒドロ-3-フェニル-2H-1,3-ベンゾオキサジン)、6,6-(1-メチルエチリデン)ビス(3,4-ジヒドロ-3-メチル-2H-1,3-ベンゾオキサジン)などが挙げられる。
【0047】
シアネートエステル樹脂の例として、ビスフェノールAジシアネート、ポリフェノールシアネート(オリゴ(3-メチレン-1,5-フェニレンシアネート))、4,4’-メチレンビス(2,6-ジメチルフェニルシアネート)、4,4’-エチリデンジフェニルジシアネート、ヘキサフルオロビスフェノールAジシアネート、2,2-ビス(4-シアネート)フェニルプロパン、1,1-ビス(4-シアネートフェニルメタン)、ビス(4-シアネート-3,5-ジメチルフェニル)メタン、1,3-ビス(4-シアネートフェニル-1-(メチルエチリデン))ベンゼン、ビス(4-シアネートフェニル)チオエーテル、ビス(4-シアネートフェニル)エーテル等の2官能シアネート樹脂;フェノールノボラック、クレゾールノボラック等から誘導される多官能シアネート樹脂;これらシアネート樹脂が一部トリアジン化したプレポリマーなどが挙げられる。
【0048】
活性エステル樹脂の例として、フェノールエステル類、チオフェノールエステル類、N-ヒドロキシアミンエステル類、複素環ヒドロキシ化合物のエステル類等の反応活性の高いエステル基を1分子中に2個以上有する化合物などが挙げられる。
【0049】
カルボジイミド樹脂の例として、分子中に1個以上のカルボジイミド基(-N=C=N-)を有する樹脂などが挙げられる。
【0050】
酸無水物樹脂の例として、分子中に1個以上の酸無水物基を有する樹脂などが挙げられる。
【0051】
オキセタン樹脂の例として、分子中に1個以上のオキセタニル基を有する樹脂などが挙げられる。
【0052】
エピスルフィド樹脂の例として、分子中に1個以上のエピスルフィド基を有する樹脂などが挙げられる。
【0053】
イソシアネート樹脂の例として、分子中に1個以上のイソシアネート基を有する樹脂などが挙げられる。
【0054】
アミノ樹脂の例として、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、アセトグアナミン樹脂、スピログアナミン樹脂、シクロヘキシルグアナミン樹脂などが挙げられる。
【0055】
マレイミド樹脂の例として、脂肪族系マレイミド樹脂、芳香族系マレイミド樹脂などが挙げられる。
【0056】
ラジカル硬化性樹脂の例として、分子中に1個以上の不飽和結合を有し、ラジカル種の存在により重合反応が進行し、硬化反応が進む樹脂などが挙げられる。
【0057】
[2-2.熱可塑性樹脂]
熱可塑性樹脂の例として、フェノキシ樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエステル樹脂、インデンクマロン樹脂などが挙げられる。
【0058】
フェノキシ樹脂の例として、ビスフェノールA骨格、ビスフェノールF骨格、ビスフェノールS骨格、ビスフェノールアセトフェノン骨格、ノボラック骨格、ビフェニル骨格、フルオレン骨格、ジシクロペンタジエン骨格、ノルボルネン骨格、ナフタレン骨格、アントラセン骨格、アダマンタン骨格、テルペン骨格、トリメチルシクロヘキサン骨格からなる群から選択される1種以上の骨格を有するフェノキシ樹脂などが挙げられる。
【0059】
ポリビニルアセタール樹脂の例として、ポリビニルホルマール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂などが挙げられる。
【0060】
[2-3.無機充填剤]
無機充填剤の例として、シリカ、アルミナ、ガラス、コーディエライト、シリコン酸化物、硫酸バリウム、炭酸バリウム、タルク、クレー、雲母粉、酸化亜鉛、ハイドロタルサイト、ベーマイト、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化マンガン、ホウ酸アルミニウム、炭酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸ビスマス、酸化チタン、酸化ジルコニウム、チタン酸ジルコン酸バリウム、ジルコン酸バリウム、ジルコン酸カルシウム、リン酸ジルコニウム、リン酸タングステン酸ジルコニウムなどが挙げられる。
【0061】
シリカの例として、無定形シリカ、粉砕シリカ、溶融シリカ、結晶シリカ、合成シリカ、中空シリカ、球状シリカなどが挙げられる。
【0062】
[2-4.応力緩和剤]
応力緩和剤の例として、シリコーン系、スチレン系、オレフィン系、ウレタン系、ポリエステル系、ポリエーテル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系等の熱可塑性エラストマー、NR(天然ゴム)、NBR(アクリロニトリル-ブタジエンゴム)、アクリルゴム、ウレタンゴム、シリコーンパウダー等のゴム粒子、メタクリル酸メチル-スチレン-ブタジエン共重合体(MBS)、メタクリル酸メチル-シリコーン共重合体、メタクリル酸メチル-アクリル酸ブチル共重合体等のコア-シェル構造を有するゴム粒子エラストマーなどが挙げられる。
【0063】
[2-5.硬化促進剤]
硬化促進剤の例として、イミダゾール系硬化促進剤、リン系硬化促進剤、ウレア系硬化促進剤、グアニジン系硬化促進剤、金属系硬化促進剤、アミン系硬化促進剤、過酸化物系硬化促進剤などが挙げられる。
【0064】
イミダゾール系硬化促進剤の例として、2-メチルイミダゾール、2-ウンデシルイミダゾール、2-ヘプタデシルイミダゾール、1,2-ジメチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、1,2-ジメチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、2-フェニル-4-メチルイミダゾール、1-ベンジル-2-メチルイミダゾール、1-ベンジル-2-フェニルイミダゾール、1-シアノエチル-2-メチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-ウンデシルイミダゾール、1-シアノエチル-2-エチル-4-メチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾール、1-シアノエチル-2-ウンデシルイミダゾリウムトリメリテイト、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4-ジアミノ-6-[2’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-[2’-ウンデシルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-[2’-エチル-4’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-[2’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジンイソシアヌル酸付加物、2-フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2-フェニル-4,5-ジヒドロキシメチルイミダゾール、2-フェニル-4-メチル-5-ヒドロキシメチルイミダゾール、2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[1,2-a]ベンズイミダゾール、1-ドデシル-2-メチル-3-ベンジルイミダゾリウムクロライド、2-メチルイミダゾリン、2-フェニルイミダゾリン等のイミダゾール化合物;イミダゾール化合物とエポキシ樹脂とのアダクト体などが挙げられる。
【0065】
リン系硬化促進剤の例として、テトラブチルホスホニウムブロマイド、テトラブチルホスホニウムクロライド、テトラブチルホスホニウムアセテート、テトラブチルホスホニウムデカノエート、テトラブチルホスホニウムラウレート、ビス(テトラブチルホスホニウム)ピロメリテート、テトラブチルホスホニウムハイドロジェンヘキサヒドロフタレート、テトラブチルホスホニウム2,6-ビス[(2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)メチル]-4-メチルフェノラート、ジ-tert-ブチルメチルホスホニウムテトラフェニルボレート等の脂肪族ホスホニウム塩;メチルトリフェニルホスホニウムブロマイド、エチルトリフェニルホスホニウムブロマイド、プロピルトリフェニルホスホニウムブロマイド、ブチルトリフェニルホスホニウムブロマイド、ベンジルトリフェニルホスホニウムクロライド、テトラフェニルホスホニウムブロマイド、p-トリルトリフェニルホスホニウムテトラ-p-トリルボレート、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、テトラフェニルホスホニウムテトラp-トリルボレート、トリフェニルエチルホスホニウムテトラフェニルボレート、トリス(3-メチルフェニル)エチルホスホニウムテトラフェニルボレート、トリス(2-メトキシフェニル)エチルホスホニウムテトラフェニルボレート、(4-メチルフェニル)トリフェニルホスホニウムチオシアネート、テトラフェニルホスホニウムチオシアネート、ブチルトリフェニルホスホニウムチオシアネート等の芳香族ホスホニウム塩;トリフェニルホスフィン・トリフェニルボラン等の芳香族ホスフィン・ボラン複合体;トリフェニルホスフィン・p-ベンゾキノン付加反応物等の芳香族ホスフィン・キノン付加反応物;トリブチルホスフィン、トリ-tert-ブチルホスフィン、トリオクチルホスフィン、ジ-tert-ブチル(2-ブテニル)ホスフィン、ジ-tert-ブチル(3-メチル-2-ブテニル)ホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン等の脂肪族ホスフィン;ジブチルフェニルホスフィン、ジ-tert-ブチルフェニルホスフィン、メチルジフェニルホスフィン、エチルジフェニルホスフィン、ブチルジフェニルホスフィン、ジフェニルシクロヘキシルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリ-o-トリルホスフィン、トリ-m-トリルホスフィン、トリ-p-トリルホスフィン、トリス(4-エチルフェニル)ホスフィン、トリス(4-プロピルフェニル)ホスフィン、トリス(4-イソプロピルフェニル)ホスフィン、トリス(4-ブチルフェニル)ホスフィン、トリス(4-tert-ブチルフェニル)ホスフィン、トリス(2,4-ジメチルフェニル)ホスフィン、トリス(2,5-ジメチルフェニル)ホスフィン、トリス(2,6-ジメチルフェニル)ホスフィン、トリス(3,5-ジメチルフェニル)ホスフィン、トリス(2,4,6-トリメチルフェニル)ホスフィン、トリス(2,6-ジメチル-4-エトキシフェニル)ホスフィン、トリス(2-メトキシフェニル)ホスフィン、トリス(4-メトキシフェニル)ホスフィン、トリス(4-エトキシフェニル)ホスフィン、トリス(4-tert-ブトキシフェニル)ホスフィン、ジフェニル-2-ピリジルホスフィン、1,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、1,3-ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、1,4-ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、1,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)アセチレン、2,2’-ビス(ジフェニルホスフィノ)ジフェニルエーテル等の芳香族ホスフィンなどが挙げられる。
【0066】
ウレア系硬化促進剤の例として、1,1-ジメチル尿素;1,1,3-トリメチル尿素、3-エチル-1,1-ジメチル尿素、3-シクロヘキシル-1,1-ジメチル尿素、3-シクロオクチル-1,1-ジメチル尿素等の脂肪族ジメチルウレア;3-フェニル-1,1-ジメチル尿素、3-(4-クロロフェニル)-1,1-ジメチル尿素、3-(3,4-ジクロロフェニル)-1,1-ジメチル尿素、3-(3-クロロ-4-メチルフェニル)-1,1-ジメチル尿素、3-(2-メチルフェニル)-1,1-ジメチル尿素、3-(4-メチルフェニル)-1,1-ジメチル尿素、3-(3,4-ジメチルフェニル)-1,1-ジメチル尿素、3-(4-イソプロピルフェニル)-1,1-ジメチル尿素、3-(4-メトキシフェニル)-1,1-ジメチル尿素、3-(4-ニトロフェニル)-1,1-ジメチル尿素、3-[4-(4-メトキシフェノキシ)フェニル]-1,1-ジメチル尿素、3-[4-(4-クロロフェノキシ)フェニル]-1,1-ジメチル尿素、3-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,1-ジメチル尿素、N,N-(1,4-フェニレン)ビス(N’,N’-ジメチル尿素)、N,N-(4-メチル-1,3-フェニレン)ビス(N’,N’-ジメチル尿素)〔トルエンビスジメチルウレア〕等の芳香族ジメチルウレアなどが挙げられる。
【0067】
グアニジン系硬化促進剤の例として、ジシアンジアミド、1-メチルグアニジン、1-エチルグアニジン、1-シクロヘキシルグアニジン、1-フェニルグアニジン、1-(o-トリル)グアニジン、ジメチルグアニジン、ジフェニルグアニジン、トリメチルグアニジン、テトラメチルグアニジン、ペンタメチルグアニジン、1,5,7-トリアザビシクロ[4.4.0]デカ-5-エン、7-メチル-1,5,7-トリアザビシクロ[4.4.0]デカ-5-エン、1-メチルビグアニド、1-エチルビグアニド、1-n-ブチルビグアニド、1-n-オクタデシルビグアニド、1,1-ジメチルビグアニド、1,1-ジエチルビグアニド、1-シクロヘキシルビグアニド、1-アリルビグアニド、1-フェニルビグアニド、1-(o-トリル)ビグアニドなどが挙げられる。
【0068】
金属系硬化促進剤の例として、コバルト、銅、亜鉛、鉄、ニッケル、マンガン、スズ等の金属の、有機金属錯体または有機金属塩などが挙げられる。
【0069】
アミン系硬化促進剤の例として、トリエチルアミン、トリブチルアミン等のトリアルキルアミン、4-ジメチルアミノピリジン、ベンジルジメチルアミン、2,4,6,-トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、1,8-ジアザビシクロ(5,4,0)-ウンデセンなどが挙げられる。
【0070】
過酸化物系硬化促進剤の例として、t-ブチルクミルパーオキシド、t-ブチルパーオキシアセテート、α,α’-ジ(t-ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、t-ブチルパーオキシラウレート、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエートt-ブチルパーオキシネオデカノエート、t-ブチルパーオキシベンゾエート等が挙げられる。
【0071】
[2-6.分散剤]
分散剤の例として、リン酸エステル系分散剤、ポリオキシアルキレン系分散剤、アセチレン系分散剤、シリコーン系分散剤、アニオン性分散剤、カチオン性分散剤等が挙げられる。
【0072】
[3.特性データ]
特性データで示される特性は、例えば、封止用熱硬化性樹脂組成物の寸法安定性、耐熱性、弾性、強度、伸張性、誘電特性、平面度、粘性、密着性、成形性、濡れ性、破壊靭性、硬化収縮性、吸水性、熱安定性、および粘弾性の少なくとも1つであってもよい。
【0073】
封止用熱硬化性樹脂組成物の寸法安定性に関する指標として、例えば、低温域(例えば25~150℃)の線熱膨張係数CTE a1(単位はppm/K)および高温域(例えば150~240℃)の線熱膨張係数CTE a2(単位はppm/K)などが挙げられる。なお、CTE a1は、例えば、下記方法1により得られたものでもよい。また、CTE a2は、例えば、下記方法2により得られたものでもよい。
【0074】
[方法1]評価用硬化物※1を、幅5mm、長さ15mmに切り出し、試験片を得る。得られた試験片について、熱機械分析装置(リガク社製「Thermo Plus TMA8310」)を用いて、引張加重法で熱機械分析を行う。試験片を前記装置に装着後、荷重1g、昇温速度5℃/分の測定条件にて連続して2回測定し、2回目の測定における25℃から150℃までの平均線熱膨張率(ppm/K)を算出する。3本の試験片について測定を行い(n=3)、その平均値を算出する。
※1:評価用硬化物は、例えば下記手順1もしくは手順3で作製したものでもよい。
【0075】
[手順1]樹脂シート※2から保護フィルムを剥がして、180℃にて90分間加熱して樹脂組成物層を熱硬化させる。その後、支持体を剥離して、樹脂組成物の硬化物からなる評価用硬化物を得る。
※2:樹脂シートは、例えば下記手順2で作製したものでもよい。
【0076】
[手順2]支持体として、一方の主面をアルキド樹脂系離型剤(リンテック社製「AL-5」)で離型処理したPETフィルムを用意する。そして、調製した樹脂組成物を、離型PETの離型処理面上にダイコーターにて均一に塗布し、組成物表面にタックがなくなるまで乾燥する。次いで、樹脂組成物層の露出面(離型PETと接合していない面)に、保護フィルムとしてのポリプロピレンフィルムを積層する。これにより、支持体と、当該支持体上に設けられた樹脂組成物層と、当該樹脂組成物層上に設けられた保護フィルムとを備える樹脂シートを得る。
【0077】
[手順3]離型処理した12インチシリコンウエハ上に、調整した樹脂組成物を、コンプレッションモールド装置(金型温度:130℃、圧力:6MPa、キュアタイム:10分)を用いて圧縮成型して、厚さ300μmの樹脂組成物層を形成した。その後、離型処理したシリコンウエハから樹脂組成物を剥がし、150℃で90分間加熱して樹脂組成物を熱硬化させ評価用硬化物を得る。
【0078】
[方法2]評価用硬化物※1を、幅5mm、長さ15mmに切り出し、試験片を得る。得られた試験片について、熱機械分析装置(リガク社製「Thermo Plus TMA8310」)を用いて、引張加重法で熱機械分析を行う。試験片を前記装置に装着後、荷重1g、昇温速度5℃/分の測定条件にて連続して2回測定し、2回目の測定における150℃から240℃までの平均線熱膨張率(ppm/K)を算出する。3本の試験片について測定を行い(n=3)、その平均値を算出する。
【0079】
封止用熱硬化性樹脂組成物の耐熱性に関する指標として、例えば、DMA(Dynamic Mechanical Analysis)によるガラス転移点Tg(単位は℃)などが挙げられる。Tgは、例えば、下記方法3により得られたものでもよい。
【0080】
[方法3]評価用硬化物※1を幅5mm、長さ15mmに切り出し、試験片を得る。得られた試験片について、粘弾性測定装置(日立ハイテクサイエンス社製「DMA7100」)を用いて、引張荷重法にて粘弾性測定を行う。具体的には、試験片を前記粘弾性測定装置に装着した後、荷重200mN、昇温速度5℃/分の測定条件にて、貯蔵弾性率及び損失弾性率を測定する。測定結果として得られるtanδ(貯蔵弾性率及び損失弾性率の比の温度依存曲線)のピークトップから、ガラス転移温度Tg(℃)を取得する。
【0081】
封止用熱硬化性樹脂組成物の弾性に関する指標として、例えば、弾性率(単位はGPa)などが挙げられる。封止用熱硬化性樹脂組成物の強度に関する指標として、例えば、破断点強度(単位はMpa)などが挙げられる。封止用熱硬化性樹脂組成物の伸張性に関する指標として、例えば、伸び(単位は%)などが挙げられる。弾性率、破断点強度、および伸びは、例えば、下記方法4により得られたものでもよい。
【0082】
[方法4]評価用硬化物※1を、ダンベル状1号形に切り出し、試験片を得る。得られた試験片について、引張試験機(オリエンテック社製「RTC-1250A」)を用いて引張強度測定を行い、23℃における弾性率、破断点強度、および伸び(破断伸び)を日本工業規格(JIS K7127)に準拠して測定する。測定を5回行い(n=5)、上位3点の平均値を算出する。
【0083】
封止用熱硬化性樹脂組成物の誘電特性に関する指標として、例えば、比誘電率Dk(単位なし)および誘電正接Df(単位なし)などが挙げられる。DkおよびDfは、例えば、下記方法5により得られたものでもよい。
【0084】
[方法5]評価用硬化物※1を、幅2mm、長さ80mmに切り出し、試験片を得る。得られた試験片について、アジレントテクノロジーズ社製「HP8362B」を用いて、空洞共振摂動法により、測定周波数5.8GHz、測定温度23℃にて比誘電率Dkおよび誘電正接Dfを測定する。2本の試験片について測定を行い、平均値を算出する。
【0085】
封止用熱硬化性樹脂組成物の平面度に関する指標として、例えば、反り(単位はμm)などが挙げられる。反りは、下記方法6により得られたものでもよい。
【0086】
[方法6]試料基板※3について、シャドウモアレ測定装置(Akorometrix社製、「ThermoireAXP」)を用いて、25℃での反り量を測定する。測定は、電子情報技術産業協会規格(JEITA EDX-7311-24)に準拠して行う。具体的には、測定領域の基板面の全データから最小二乗法によって算出した仮想平面を基準面として、その基準面から垂直方向の最小値と最大値との差を反り量として求める。
※3:試料基板は、例えば、下記手順4.1または下記手順4.2で作製したものでもよい。
【0087】
[手順4.1]12インチシリコンウエハ上に、調製した樹脂組成物を、コンプレッションモールド装置(金型温度:130℃、圧力:6MPa、キュアタイム:10分)を用いて圧縮成型して、厚さ300μmの樹脂組成物層を形成する。その後、150℃で60分加熱して、樹脂組成物層を熱硬化させる。これにより、シリコンウエハと封止用脂組成物の硬化物層とを含む試料基板を得る。
【0088】
[手順4.2]12インチシリコンウエハ(厚さ775μm)の片面全体に、調整した樹脂シートを、バッチ式真空加圧ラミネーター(ニッコー・マテリアルズ社製2ステージビルドアップラミネーター「CVP700」)を用いてラミネートし、厚さ300μmの樹脂組成物層を形成する。その後、180℃で90分加熱して、樹脂組成物層を熱硬化させる。これにより、シリコンウエハと封止用脂組成物の硬化物層とを含む試料基板を得る。
【0089】
封止用熱硬化性樹脂組成物の粘性に関する指標として、例えば、粘度(単位はmPa・s)などが挙げられる。粘度は、下記方法7により得られたものでもよい。
【0090】
[方法7]調製した樹脂組成物の粘度を、粘度校正用標準液JS52000で校正したE型粘度計(東機産業社製、「RE-80U」、コーンローター:3°×R9.7)を用いて、温度25℃および回転数1rpmの条件にて測定する。
【0091】
封止用熱硬化性樹脂組成物の密着性に関する指標として、例えば、銅箔密着強度(単位はkgf/cm2)などが挙げられる。銅箔密着強度は、例えば、下記方法8または下記方法9により得られたものでもよい。
【0092】
[方法8]調製した樹脂組成物を、銅箔のシャイニー面に乗せた状態でコンプレッションモールド装置(温度:130℃、圧力:6MPa、キュアタイム:10分)を用いて、12インチSUS板上に圧縮成型して、厚さ300μmの銅箔付き樹脂組成物を形成する。その後150℃で1時間加熱して、樹脂組成物を熱硬化させる。もしくは、調製した樹脂シートを、12インチSUS板上にバッチ式真空加圧ラミネーター(ニッコー・マテリアルズ社製2ステージビルドアップラミネーター「CVP700」)を用いてラミネートし、厚さ300μmの樹脂組成物層を形成し、さらにその上に銅箔のシャイニー面側を樹脂組成物層に合わせて、ラミネートする。その後、180℃で90分加熱して、樹脂組成物層を熱硬化させる。
得られた銅箔付きの樹脂組成物の硬化物を1cm角に切断する。得られた銅箔付き硬化物板の銅箔マット面に対して垂直にφ5.8mmの接着剤付きstud pinを立て、さらに同硬化物板の硬化物側に接着剤付きバッキングプレートを重ねた状態で、150℃で60分加熱して、stud pin、銅箔付き硬化物板およびバッキングプレートを接着した試験片を作成する。得られた試験片について、垂直引張型試験機(QUAD GROUP社製、「ROMULUS」)を用いて、試験スピード0.1Kg/secで垂直引っ張り試験を行う。5個の試験片について試験を実施し、各試験で得られた測定値の平均値を用いる。
【0093】
[方法9]銅がスパッタされたシリコンウエハ上に、直径4mmにくり抜いたシリコンラバー枠を用いて、調製した樹脂組成物を高さ5mmの円柱状に充填する。180℃で90分加熱した後、シリコンラバー枠を外すことで、樹脂組成物の硬化物からなる試験片を作製する。ボンドテスター(Dage社製、シリーズ4000)を用いて、ヘッド位置がシリコンウエハから1mm、ヘッドスピード700μm/sの条件で、銅と樹脂組成物の硬化物の界面のシェア強度を測定する。測定は5回実施し、その平均値を用いる。
【0094】
封止用熱硬化性樹脂組成物の成形性に関する指標として、例えば、フローマークの有無などが挙げられる。フローマークの有無は、例えば下記方法10により得られたものでもよい。
【0095】
[方法10]12インチシリコンウエハ上に、調製した樹脂組成物を、コンプレッションモールド装置(金型温度:130℃、圧力:6MPa、キュアタイム:10分)を用いて圧縮成型して、厚さ300μmの樹脂組成物層を形成する(この時の樹脂組成物層の面積は、14.6cm×14.6×3.14=45.844cm2)。その後、樹脂組成物層の外観を確認して、フローマークの有無を判断する。
【0096】
封止用熱硬化性樹脂組成物の濡れ性に関する指標として、例えば、PI濡れ性などが挙げられる。PI濡れ性は、例えば下記方法11により得られたものでもよい。
【0097】
[方法11]下記(1)から(8)の工程を実施して、PI濡れ性を評価する。
(1)12インチシリコンウエハ上に、調製した樹脂組成物を、コンプレッションモールド装置(金型温度:130℃、圧力:6MPa、キュアタイム:10分)を用いて圧縮成型して、厚み300μmの樹脂組成物の層を得る。
(2)この樹脂組成物の層を、150℃1時間の条件で熱硬化させて、樹脂組成物の硬化物で形成された層としての硬化試料を得る。
(3)得られた硬化試料を、グラインダー(ディスコ社製、「DAG810」)で、厚み方向に30μm研磨して、10nm~300nmの範囲の算術平均粗さを有する研磨面を形成する。
(4)硬化試料をウエハと一緒に、4インチサイズの円形にカットする。
(5)研磨面に、第一特定組成物※4を、スピンコーター(ミカサ社製、「MS-A150」)を用いて、スピンコートする。なお、このスピンコートの回転数は、最大回転数が1000rpm~3000rpmの回転数範囲に収まる範囲で、熱硬化後に所望の厚みの試験層が得られるように設定する。
※4:第一特定組成物(ネガ型感光性樹脂組成物)は、下記手順5で製造されたものでもよい。
(6)その後、ホットプレート上で120℃5分間の条件で加熱するプレベーク処理を行って、研磨面上に、中央の厚み10μmの第一特定組成物の層を形成する。
(7)その後、第一特定組成物の層に、250℃2時間の条件で熱硬化させるフルキュア処理を行って、中央の厚み8μmの試験層を得る。
(8)得た試験層それぞれを鏡として用いて、電球を観察し、濡れ性を評価する。具体的には、試験層の表面に電球を映し、その表面に映された電球を肉眼で観察し、観察された電球の像に応じて、下記の基準で濡れ性を評価する。観察される電球の像の輪郭が鮮明であれば、試験層の表面形状が平滑であり、試験層の厚みが均一であることを表すので、濡れ性OKと評価し、観察される電球の像の輪郭が不鮮明であれば、試験層の表面形状に凹凸があり、試験層の厚みが不均一であることを表すので、濡れ性NGと評価する。
【0098】
[手順5]ポリマーA-1※5を50gと、ポリマーA-2※6を50gと、下記式(1)で表される化合物を2gと、テトラエチレングリコールジメタクリレート8gと、2-ニトロソ-1-ナフト-ル0.05gと、N-フェニルジエタノールアミン4gと、N-(3-(トリエトキシシリル)プロピル)フタルアミド酸0.5gと、ベンゾフェノン-3,3’-ビス(N-(3-トリエトキシシリル)プロピルアミド)-4,4’-ジカルボン酸0.5gとを、N-メチルピロリドン及び乳酸エチルからなる混合溶媒(重量比はN-メチルピロリドン:乳酸エチル=8:2)に溶解して、第一特定組成物としてのネガ型感光性樹脂組成物を得る。なお、混合溶媒の量は、得られるネガ型感光性樹脂組成物の粘度が35ポイズになるように調整する。
※5:ポリマーA-1は、下記手順6で製造されたものでもよい。
※6:ポリマーA-2は、下記手順7で製造されたものでもよい。
【0099】
【化1】
【0100】
[手順6]下記(1)から(13)の処理を行って、第一ポリマーとしての感光性ポリイミド前駆体(ポリマーA-1)を製造する。
(1)4,4’-オキシジフタル酸二無水物(ODPA)155.1gを2リットル容量のセパラブルフラスコに入れ、2-ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)134.0g及びγ-ブチロラクトン400mlを加える。
(2)室温下で攪拌しながら、ピリジン79.1gを加えることにより、反応混合物を得る。
(3)反応による発熱の終了後、室温まで放冷し、更に16時間静置する。
(4)ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)206.3gをγ-ブチロラクトン180mlに溶解した溶液を用意する。
(5)この溶液を、氷冷下において、前記の反応混合物に、反応混合物を攪拌しながら、40分かけて加える。
(6)続いて、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル(DADPE)93.0gをγ-ブチロラクトン350mlに懸濁した懸濁液を、前記の反応混合物に、反応混合物を攪拌しながら60分かけて加える。
(7)さらに、反応混合物を室温で2時間攪拌した後、その反応混合物にエチルアルコール30mlを加えて、更に1時間攪拌する。
(8)その後、反応混合物に、γ-ブチロラクトン400mlを加える。
(9)反応混合物に生じた沈殿物を、ろ過により取り除き、反応液を得る。
(10)得られた反応液を3リットルのエチルアルコールに加えて、粗ポリマーからなる沈殿物を生成する。
(11)生成した粗ポリマーを濾取し、テトラヒドロフラン1.5リットルに溶解して、粗ポリマー溶液を得る。
(12)得られた粗ポリマー溶液を28リットルの水に滴下して、ポリマーを沈殿させる。
(13)得られた沈殿物を濾取した後に真空乾燥することにより、第一ポリマーとしての粉末状のポリマーA-1を得る。
【0101】
[手順7]手順7は、4,4’-オキシジフタル酸二無水物155.1gに代えて、3,3’4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物147.1gを用いた以外は、手順6と同じである。手順7により、第二ポリマーとしての感光性ポリイミド前駆体(ポリマーA-2)を製造する。
【0102】
封止用熱硬化性樹脂組成物の破壊靭性に関する指標として、例えば、K1C(単位はMPa・m1/2)などが挙げられる。K1Cは、例えば下記方法12により得られたものでもよい。
【0103】
[方法12]調製した樹脂組成物を熱循環式オーブンにて150℃60分の条件で熱硬化して、厚さ6mmの樹脂板を得る。得られた樹脂板を使用して、ASTM E399-90に準拠したCT試験片法による破壊靭性試験(試験速度:1mm/min(クロスヘッド速度)、温度条件:23℃、48%RH)を実施して、K1Cの値を求める。試験は5サンプル実施し、5つのK1Cの値の平均値を用いる。
【0104】
封止用熱硬化性樹脂組成物の硬化収縮性に関する指標として、例えば、硬化収縮率(単位は%)などが挙げられる。硬化収縮率は、例えば下記方法13により得られたものでもよい。
【0105】
[方法13]下記(1)から(7)の工程を実施して、硬化収縮率を算出する。
(1)離型処理した12インチシリコンウエハ上に、調製した樹脂組成物を、コンプレッションモールド装置(金型温度:130℃、圧力:6MPa、キュアタイム:10分)を用いて圧縮成型して、厚さ900μmの樹脂組成物層を形成する。
(2)樹脂組成物層をシリコンウエハから剥がし、樹脂組成物層の4角から20mm程度の部分に、貫通穴(直径約6mm)を、パンチングによって4つ形成する(穴を時計回りにA、B、C、Dと仮に称する。)。
(3)形成した各穴の中央間の長さL(LAB、LBC、LCD、LDA、LAC、LBD)を非接触型画像測定器(ミツトヨ社製、Quick Vision、「QVH1X606-PRO III_BHU2G」)で測定する。
(4)測定の終了した樹脂組成物層を150℃で60分間加熱して、樹脂組成物層を熱硬化して、硬化物層を得る。
(5)熱硬化後、各穴の中央間の硬化後の長さL’(L’AB、L’BC、L’CD、L’DA、L’AC、L’BD)を、非接触型画像測定器で測定する。
(6)穴A、穴B間の長さLABの硬化後の収縮率s1ABを下記式(1)により求める。同様にしてLBC、LCD、LDA、LAC及びLBDの硬化後の収縮率s1BC、s1CD、s1DA、s1AC及びs1DAを求める。
s1AB=(LAB-L’AB)/LAB・・・(式1)
(7)硬化物層の熱硬化収縮率を下記式(2)で算出する。
熱硬化収縮率[x-y方向の収縮率:S1](%)={(s1AB+s1BC+s1CD+s1DA+s1AC+s1DA)/6}×100・・・(式2)
【0106】
封止用熱硬化性樹脂組成物の吸水性に関する指標として、例えば、吸水率(単位はwt%)などが挙げられる。吸水率は、例えば下記方法14により得られたものでもよい。
【0107】
[方法14]下記(1)から(4)の工程を実施して、吸水率を算出する。
(1)厚さ300μmの評価用硬化物※1を、40mm角に裁断することにより、5個の試験片を用意する。
(2)次に、1個の試験片を130℃で30分乾燥した後に秤量し、第1の秤量結果を得る。他の4個の試験片についても第1の秤量結果を得る。なお、この秤量結果から得られた第1の測定値(すなわち吸湿前の試験片の質量)をW0(g)とした。
(3)また、各試験片を、100℃の熱湯に入れ、1時間経過した後、熱湯から取り出し、その直後に、第2の秤量結果を得る。他の4個の試験片についても第2の秤量結果を得る。この秤量結果から得られた第2の測定値(吸湿後の試験片の質量)をW1(g)とした。
(4)続いて、各試験片の吸水率WAを下記式に従って算出する。そして、計5個の試験片の吸水率WAの平均値を用いる。
WA(%)={(W1-W0)/W0}×100
【0108】
封止用熱硬化性樹脂組成物の熱安定性に関する指標として、例えば、5%重量減少温度(単位は℃)などが挙げられる。5%重量減少温度は、例えば下記方法15により得られたものでもよい。
【0109】
[方法15]評価用硬化物※1を、示差熱熱重量測定装置(セイコーインスツルメンツ社製、「TG/DTA6200」)を用いて、窒素を250m1/分でフローしながら、昇温速度10℃/分で25℃から500℃まで昇温させたときの熱重量測定を行うことにより、5%重量減少温度を求める。
【0110】
封止用熱硬化性樹脂組成物の粘弾性に関する指標として、例えば、高温弾性率(単位はGPa)などが挙げられる。高温弾性率は、例えば下記方法16により得られたものでもよい。
【0111】
[方法16]評価用硬化物※1を幅5mm、長さ15mmに切断して、試験片を得る。この試験片について、粘弾性測定装置(日立ハイテクサイエンス社製、「DMA7100」)を用いて、引張加重法にて熱機械分析を行う。具体的には、試験片を粘弾性測定装置に装着した後、荷重200mN、昇温速度5℃/分の測定条件にて、260℃での貯蔵弾性率を読み取る。
【0112】
[4.他の実施形態]
さて、これまで本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0113】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0114】
このほか、上記文献中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0115】
また、各装置に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0116】
例えば、情報処理装置100が備える処理機能、特に制御部102にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUまたはGPUおよび当該CPUまたはGPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、情報処理装置に本発明にかかる情報処理方法を実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて情報処理装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDDなどの記憶部106には、OSと協働してCPUまたはGPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUまたはGPUと協働して制御部を構成する。
【0117】
また、このコンピュータプログラムは、情報処理装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0118】
また、本発明にかかるプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USBメモリ、SDカード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM、EEPROM、CD-ROM、MO、DVD、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0119】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0120】
記憶部106に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0121】
また、情報処理装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、情報処理装置100は、当該情報処理装置に本発明の情報処理方法を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0122】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【実施例0123】
予め学習処理済みの第一の機械学習モデルを用いて、目的特性データから予測組成データを取得した実施例について、図2から図5を参照して説明する。
【0124】
予め学習処理済みの第一の機械学習モデルに対し、図2に示す目的特性データを入力した結果、第一の機械学習モデルから図3に示す予測組成データが出力された。各特性の測定方法は、上述した[3.特性データ]を参照されたい。
【0125】
そして、出力された図3に示す予測組成データを基に、組成値±1%を許容範囲として、実際に製造する封止用熱硬化性樹脂組成物の各組成の組成値を含む図4に示す製造用組成データを用意した。
【0126】
そして、用意した図4に示す製造用組成データを基に実際に封止用熱硬化性樹脂組成物を製造し、製造した封止用熱硬化性樹脂組成物の特性を測定した結果、図5に示す測定特定データが得られた。各特性の測定方法は、上述した[3.特性データ]を参照されたい。
【0127】
図2に示す目的特性データと図5に示す測定特定データを比較した結果、図5に示す測定特定データは、図2に示す目的特性データとかなり近いものであることが確認された。
【0128】
予め学習済みの第二の機械学習モデルを用いて、目的組成データから予測特性データを取得した実施例について、図6から図9を参照して説明する。
【0129】
予め学習済みの第二の機械学習モデルに対し、図6に示す目的組成データを入力した結果、第二の機械学習モデルから図7に示す予測特性データが出力された。各特性の測定方法は、上述した[3.特性データ]を参照されたい。
【0130】
そして、目的組成データに含まれる組成値と同じ、実際に製造する封止用熱硬化性樹脂組成物の組成値を含む図8に示す製造用組成データを用意した。
【0131】
そして、用意した図8に示す製造用組成データを基に実際に封止用熱硬化性樹脂組成物を製造し、製造した封止用熱硬化性樹脂組成物の特性を測定した結果、図9に示す測定特定データが得られた。各特性の測定方法は、上述した[3.特性データ]を参照されたい。
【0132】
図7に示す予測特性データと図9に示す測定特性データを比較した結果、図9に示す測定特性データは、図7に示す予測特性データとかなり近いものであることが確認された。
【産業上の利用可能性】
【0133】
本発明は、特に、封止用熱硬化性樹脂組成物の製造または封止用熱硬化性樹脂組成物の特性の測定において極めて有用である。
【符号の説明】
【0134】
100 情報処理装置
102 制御部
102a 学習制御部
102a1 学習データ取得部
102a2 学習処理部
102b 予測制御部
102b1 目的データ取得部
102b2 予測部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
200 製造装置
300 ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9