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特開2022-179034プログラム、情報処理装置および情報処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022179034
(43)【公開日】2022-12-02
(54)【発明の名称】プログラム、情報処理装置および情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/816 20140101AFI20221125BHJP
   A63F 13/428 20140101ALI20221125BHJP
   A63F 13/69 20140101ALI20221125BHJP
   A63F 13/211 20140101ALI20221125BHJP
   A63F 13/24 20140101ALI20221125BHJP
   A63F 13/213 20140101ALI20221125BHJP
   A63F 13/30 20140101ALI20221125BHJP
   G06F 3/0484 20220101ALI20221125BHJP
【FI】
A63F13/816
A63F13/428
A63F13/69
A63F13/211
A63F13/24
A63F13/213
A63F13/30
G06F3/0484
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021086259
(22)【出願日】2021-05-21
(71)【出願人】
【識別番号】521221799
【氏名又は名称】有限会社ラキア
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】澤 泰久
【テーマコード(参考)】
5E555
【Fターム(参考)】
5E555AA05
5E555AA22
5E555AA25
5E555AA26
5E555AA64
5E555AA76
5E555BA02
5E555BA20
5E555BB04
5E555BC01
5E555CA42
5E555CA44
5E555DA02
5E555DB25
5E555DC09
5E555DC13
5E555DC35
5E555DD08
5E555EA02
5E555EA19
5E555EA22
5E555EA25
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】トレーニングの好適な実施を支援することができるプログラムなどを提供すること。
【解決手段】プログラムは、所定のゲームに関する操作入力をユーザから受け付け、前記ユーザからの操作入力に応じて、前記ゲームに関する処理を実行し、前記ゲームを操作中の前記ユーザの姿勢を検出し、検出した前記ユーザの姿勢に基づき、前記ユーザがトレーニングを実施しているか否かを判定する処理をコンピュータに実行させる。好適には、トレーニング時の前記ユーザの姿勢の登録を受け付け、前記ゲームを操作中の前記ユーザの姿勢と、登録済みの前記ユーザの姿勢とが一致するか否かを判定することで、前記ユーザがトレーニングを実施しているか否かを判定する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のゲームに関する操作入力をユーザから受け付け、
前記ユーザからの操作入力に応じて、前記ゲームに関する処理を実行し、
前記ゲームを操作中の前記ユーザの姿勢を検出し、
検出した前記ユーザの姿勢に基づき、前記ユーザがトレーニングを実施しているか否かを判定する
処理をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項2】
トレーニング時の前記ユーザの姿勢の登録を受け付け、
前記ゲームを操作中の前記ユーザの姿勢と、登録済みの前記ユーザの姿勢とが一致するか否かを判定することで、前記ユーザがトレーニングを実施しているか否かを判定する
請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記トレーニングを実施していると判定した場合、前記トレーニングの内容に応じて前記ユーザに特典を付与する
請求項1または請求項2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記ゲームの実行内容と、前記トレーニングの内容とに応じて前記特典を付与する
請求項3に記載のプログラム。
【請求項5】
ジャイロセンサを備えたコントローラ機器の傾きを検出することで、前記ゲームの操作入力を受け付ける
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項6】
前記ゲームを操作中に前記ユーザが乗るバランスボードの傾きを検出することで、前記ユーザの姿勢を検出する
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項7】
前記バランスボードの傾きと、前記バランスボードに載置されたトレーニングマシンの動作とを検出することで、前記ユーザの姿勢を検出する
請求項6に記載のプログラム。
【請求項8】
前記ゲームを操作中の前記ユーザを撮像した画像に基づき、前記ユーザの姿勢を検出する
請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項9】
前記ゲームを開始時に、前記ユーザに課すトレーニングの内容を出力し、
検出した前記ユーザの姿勢に基づき、前記ユーザが前記トレーニングの内容を実施しているか否かを判定する
請求項1から請求項8のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項10】
検出した前記ユーザの姿勢に基づき、前記ユーザがトレーニングに関連する特定の動きを実施したか否か、またはトレーニングを完了したか否かを判定し、
判定結果に応じて前記ゲームに関する処理を実行する
請求項1から請求項9のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項11】
他のユーザの端末装置との間で、前記ゲームに関する処理内容を送受信し、
前記ユーザおよび他のユーザからの操作入力に応じて前記ゲームに関する処理を実行する
請求項1から請求項10のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項12】
他のユーザの端末装置との間で、前記トレーニングの内容を送受信し、
前記ユーザおよび他のユーザのトレーニングの内容に応じて特典を付与する
請求項1から請求項11のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項13】
前記ゲームに係る画面を表示部に表示し、
前記ユーザがトレーニングを実施していないと判定した場合、前記ユーザに対するアラートを前記画面に表示する
請求項1から請求項12のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項14】
所定のゲームに関する操作入力をユーザから受け付ける受付部と、
前記ユーザからの操作入力に応じて、前記ゲームに関する処理を実行する制御部と、
前記ゲームを操作中の前記ユーザの姿勢を検出する検出部と、
検出した前記ユーザの姿勢に基づき、前記ユーザがトレーニングを実施しているか否かを判定する判定部と
を備える情報処理装置。
【請求項15】
所定のゲームに関する操作入力をユーザから受け付け、
前記ユーザからの操作入力に応じて、前記ゲームに関する処理を実行し、
前記ゲームを操作中の前記ユーザの姿勢を検出し、
検出した前記ユーザの姿勢に基づき、前記ユーザがトレーニングを実施しているか否かを判定する
処理をコンピュータが実行する情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム、情報処理装置および情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
健康の維持や促進、リハビリなどを目的としたトレーニングを実施することがあるが、トレーニングが適切に実施できているか否かは不明であることが多い。そこで、トレーニングの適切な実施を支援する技術が提案されている。
【0003】
たとえば、特許文献1では、運動中の被検者を撮像した画像と、画像から検出した被写体(被検者)の深度情報とに基づいて、理想的な運動が実施できているか否かを被験者に確認させるためのガイド情報を生成し、撮像画像に重ね合わせて表示する情報処理装置などが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-127726号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に係る発明は被検者にトレーニングを実施させるのみで、トレーニングのモチベーションを向上させるには至っていない。
【0006】
一つの側面では、トレーニングの好適な実施を支援することができるプログラムなどを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一つの側面に係るプログラムは、所定のゲームに関する操作入力をユーザから受け付け、前記ユーザからの操作入力に応じて、前記ゲームに関する処理を実行し、前記ゲームを操作中の前記ユーザの姿勢を検出し、検出した前記ユーザの姿勢に基づき、前記ユーザがトレーニングを実施しているか否かを判定する処理をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0008】
一つの側面では、トレーニングの好適な実施を支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態1における姿勢判定システムの構成例を示す模式図である。
図2】実施の形態1における端末の構成例を示すブロック図である。
図3】トレーニングアプリの操作画面の一例を示す模式図である。
図4】トレーニングアプリの姿勢判定結果画面の第一例を示す模式図である。
図5】トレーニングアプリの姿勢判定結果画面の第二例を示す模式図である。
図6】トレーニング情報DBのデータレイアウトを示す説明図である。
図7】トレーニングアプリの処理手順の第一例を示すフローチャートである。
図8】トレーニングアプリの処理手順の第二例を示すフローチャートである。
図9】機械学習モデルの構成例を示す概念図である。
図10】実施の形態2における姿勢判定システムの構成例を示す模式図である。
図11】トレーニングアプリの処理手順の第三例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0011】
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1における姿勢判定システムの構成例を示す模式図である。本実施の形態では、ゲーム(たとえばスマートフォンアプリのゲーム)をプレイ中のユーザに対し、正しい姿勢でのトレーニングを促す姿勢判定システムについて説明する。姿勢判定システムは、情報処理装置10、10、10…およびサーバ50を含む。各装置は、インターネットなどの通信ネットワークNWに接続されている。
【0012】
情報処理装置10は各ユーザが操作する情報処理端末であり、スマートフォン、タブレット端末などの携帯端末である。本実施の形態では、情報処理装置10がスマートフォンであるものとし、以下では簡潔に端末10と記載する。なお、本実施の形態では、端末10が汎用コンピュータ(スマートフォンなど)であるものとして説明するが、端末10はゲーム専用機であってもよい。
【0013】
端末10はサーバ50から配信されるアプリケーションプログラムがインストールされており、当該アプリケーションを実行することで本実施の形態に係る処理をおこなう。具体的には、端末10はユーザからの操作入力に応じて、動作するゲームに係る処理を実行すると同時に、ゲームをプレイ中のユーザの姿勢を検出することで、ユーザがトレーニングを実施しているか否かを判定する。
【0014】
本実施の形態では、ユーザにゲームとトレーニングを同時に実施させる。トレーニングの種類は特に限定されないが、好適にはスクワット、プランクなど手指の動作が不要な体幹トレーニングを実施させる。トレーニングと同時にゲームがプレイできるため、持続的にトレーニングするようユーザにモチベーションを与える。また、本実施の形態では、ゲームをプレイ中のユーザがトレーニングを実施しているか否かを、後述する画像認識などの手段でユーザの姿勢から判定する。
【0015】
以下の説明では、便宜上、端末10が実行するアプリケーションプログラムを「トレーニングアプリ」と呼ぶ。
【0016】
図2は、実施の形態1における端末10の構成例を示すブロック図である。端末10は、装置全体を制御する制御部11、主記憶部12、撮像部13、通信部14、センサ15、表示部16、受付部17、判定部18および補助記憶部19を備える。
【0017】
制御部11は一または複数のCPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro-Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)などのプロセッサであり、種々の情報処理を実行する。
【0018】
主記憶部12はRAM(Random Access Memory)などの一時記憶領域であり、制御部11が処理を実行するうえで必要なデータを一時的に記憶する。
【0019】
撮像部13はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサなどの撮像素子を備えたカメラであり、画像(静止画および/または動画)を撮像する。
【0020】
通信部14は、通信ネットワークNWに接続するための通信インターフェイスである。
【0021】
センサ15は端末10の傾きまたは加速度を検出するセンサであり、角速度を検出するジャイロセンサまたは加速度を検出する加速度センサなどである。センサ15は、端末10の傾き量または加速度の検出結果を制御部11へ出力する。なお、本実施の形態では、センサ15をジャイロセンサとして例示する。
【0022】
表示部16は液晶ディスプレイまたは有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイなどの表示画面であり、画像を表示する。
【0023】
受付部17はタッチパネル、機械式操作ボタンなどの入力インターフェイスであり、ユーザから操作入力を受け付ける。なお、受付部17はユーザの音声指令を収集するマイクロフォンであってもよい。
【0024】
判定部18は、ユーザの姿勢に基づき、ゲームをプレイ中のユーザがトレーニングを実施しているか否かを判定する。
【0025】
補助記憶部19はSSD(Solid State Drive)またはHDD(Hard Disk Drive)などのメモリであり、端末10に処理を実行させるプログラム190(トレーニングアプリ)、その他のデータを記憶している。また、補助記憶部19は姿勢情報191およびトレーニング情報DB192を記憶している。姿勢情報191は正しいトレーニング姿勢を表すデータであり、撮像画像から認識されるユーザの姿勢の特徴量(たとえば特徴点(関節点)の座標)などである。トレーニング情報DB192はユーザがトレーニングおよびゲームで獲得したポイントを表すデータであり、たとえばユーザのトレーニングポイント、ゲームポイントなどである。
【0026】
なお、端末10は非一時的なコンピュータ読取可能な記録媒体10aを読み取る読取部を備え、記録媒体10aからプログラム190(プログラム製品)を読み込んでもよい。また、プログラム190は単一のコンピュータ上で実行されてもよく、通信ネットワークNWを介して相互接続された複数のコンピュータ上で実行されてもよい。
【0027】
次に、図3から図5で図示する画面例に基づき、本実施の形態の概要を説明する。
【0028】
図3は、トレーニングアプリの操作画面の一例を示す模式図である。端末10はトレーニングアプリを実行することにより、所定のゲームを進行しながらトレーニングの種類の指示や運動結果を表示する。
【0029】
操作画面は、ゲーム領域31と撮像画像領域32を含む。ゲーム領域31は、ユーザがプレイするゲームを表示する領域である。撮像画像領域32は、端末10に内蔵されているカメラ(撮像部13)により撮像されたユーザの画像を表示する領域である。端末10は、図3に示すように、表示画面(表示部16)を上下方向に沿ってほぼ等間隔の2つの領域に区切り、上側の領域をゲーム領域31、下側の領域を撮像画像領域32とする。端末10は、ゲーム領域31にゲーム(およびトレーニング)開始後の経過時間を表示する。たとえば、端末10は、表示画面全体をゲーム画面(ゲーム領域31)とし、ゲーム画面の一部に縮小した画像(撮像画像領域32)を重ね合わせて表示するようにしてもよい。あるいは、端末10は撮像画像を表示せず、ゲーム画面のみを表示するようにしてもよい。なお、図3に示す画面は一例であって、本実施の形態はこれに限定されるものではない。
【0030】
本実施の形態に係るトレーニングアプリでは、複数のゲームが用意されている。端末10は、不図示のホーム画面でゲームの選択入力を受け付けた場合、図3に示す操作画面に遷移する。図3では、ゲームの一例として、パズルゲームの操作画面を図示している。
【0031】
端末10は、ユーザからの操作入力に応じてゲームを進行する。ゲームの操作方法はタッチパネルなどを介した手指による操作であってもよいが、本実施の形態において、端末10は、ユーザが端末10を傾ける動作をゲーム操作として受け付ける。図3の例では、端末10は自装置の傾きに応じて、数字が表記されたマス目をスライドさせる。また、端末10はジャイロセンサ(センサ15)により自装置の傾きを検出し、検出した傾きに応じてゲームを動作させる。傾き動作によってゲームをプレイ可能とすることで、トレーニングとゲームプレイを好適に組み合わせて実施することができる。
【0032】
図3の例では、ユーザが一人でゲームをプレイしている様子を図示しているが、端末10はサーバ50を介して他のユーザの端末10と同期することで、通信対戦などの共同プレイを可能としてもよい。また、各ユーザの端末10同士の通信により同期してもよい。すなわち、端末10は他の端末10とゲームに関する処理内容を送受信し、自装置を操作しているユーザからの操作入力と、他のユーザからの操作入力とに応じてゲームを進行する。たとえば、端末10はゲーム領域31を左右方向に沿って二つの領域に区切り、左側に自装置のユーザに係るゲームのプレイ画面を、右側に他のユーザに係るゲームのプレイ画面を表示する。このように、本実施の形態に係るトレーニングアプリを通信対戦などの共同プレイのアプリケーションとしてもよい。
【0033】
また、本実施の形態では、端末10が表示装置としての機能と操作機器(コントローラ)としての機能との両方を担っているが、両機能は別々の装置で実行されてもよい。たとえば、端末10は操作画面を表示するのみで、ジャイロセンサを備えた外付け機器(コントローラ、ウェアラブルデバイスなど)でゲーム操作を受け付けるようにしてもよい。すなわち、端末10自体がコントローラ機器として機能してもよく、または外部のコントローラ機器から操作入力を受け付けるようにしてもよい。
【0034】
端末10は、デフォルトで用意されている一または複数のトレーニングのうち、ユーザに実施させるトレーニングの種類を表示する。たとえば、図3に示すように、端末10はトレーニングの種類を示すテキストを撮像画像領域32の隅に表示する。なお、トレーニングの種類はユーザが選択できるようにしてもよく、端末10が自動的に選択してもよい。また、トレーニングの種類はゲームを一回プレイするにあたって常に同じものであってもよいが、時間の経過に応じて異なるトレーニングの種類を表示し、ユーザに実施させてもよい。
【0035】
本実施の形態では、ユーザに体幹トレーニングを実施させる。なお、本明細書における「体幹トレーニング」とは、胴体および/または胴体周辺の部位を鍛えるトレーニングであり、たとえば胸部、腹部、腰部および大腿部の少なくとも一つの部位を鍛えるトレーニングを指す。本実施の形態では、基本的に手を自由に使える状態にある体幹トレーニングを採用する。なお、ユーザが実施するトレーニングは体幹トレーニングに限定されない。たとえば、後述の変形例のように、ランニング、サイクリングなどをトレーニングとして採用してもよい。
【0036】
端末10はゲームをプレイ中のユーザの姿勢を検出し、検出したユーザの姿勢に基づき、ユーザがトレーニングを実施しているか否かを判定する。姿勢の検出方法は特に限定されないが、本実施の形態では、ユーザを撮像した画像から姿勢を検出(認識)する。
【0037】
端末10は、ゲームをプレイ中のユーザを継続的に撮像している。たとえば、端末10は撮像画像から身体部位の特徴点(たとえば関節点)を抽出し、抽出した特徴点の位置に応じてユーザの姿勢を検出する。本実施の形態では、体幹トレーニングを実施させるため、たとえば、端末10は胸部から大腿部にかけての少なくとも一つの部位を撮像する。端末10は撮像画像に写るユーザの各部位の特徴点を抽出し、ユーザの姿勢を検出する。たとえば、端末10は、トレーニングを実施している人物の撮像画像に対し、各特徴点の正解の座標値がラベル付けされた訓練データを学習済みの機械学習モデル(CNN(Convolutional Neural Network)、LSTM(Long Short-Term Memory)、トランスフォーマなど)を用いてユーザの姿勢を検出する。端末10はゲームをプレイ中のユーザの撮像画像を当該モデルに入力することで特徴点を抽出し、ユーザの姿勢を検出する。なお、姿勢検出は機械学習モデルによる検出方法に限定されず、ルールベースのパターンマッチングにより実施してもよい。また、本実施の形態では、端末10に内蔵されているカメラ(撮像部13)がユーザを撮像するものとするが、端末10に外付けされた外部のカメラで撮像してもよい。
【0038】
端末10は、撮像画像から検出した姿勢と比較する比較対象として、一または複数のトレーニングに対応する姿勢情報191を記憶している。姿勢情報191は正しいトレーニングの姿勢を表すデータであり、たとえば正しいトレーニング姿勢をとっている場合の各特徴点(関節点)の相対的な位置関係を示す座標データである。
【0039】
端末10は撮像画像から検出した姿勢と姿勢情報191として記憶している正しいトレーニング姿勢とを比較することで、撮像画像領域32に表示されているトレーニングをユーザが実施しているか否かを判定する。たとえば、端末10は、撮像画像から検出した姿勢が姿勢情報191と比較して所定の範囲内に収まっている場合、正しいトレーニングを実施していると判定する。なお、本実施の形態では、ローカルの端末10がトレーニングを実施しているか否かを判定するものとするが、クラウド上のサーバ50が判定してもよい。
【0040】
また、本実施の形態では、一または複数のトレーニングに対応する姿勢情報191として、ユーザ固有の姿勢情報が登録できるように構成されている。たとえば、ユーザは端末10を用いて、登録に必要なトレーニング姿勢を取っている自身を撮像し、撮像された画像から検出される姿勢(特徴点)を姿勢情報191として登録する。端末10はトレーニング姿勢を取っているユーザの撮像画像から姿勢を検出し、トレーニングと対応付けて補助記憶部19に記憶(登録)する。なお、トレーニング自体を新規に登録可能としてもよい。これにより、各ユーザの姿勢の個人差などを考慮して正しいトレーニング姿勢を判定することができる。
【0041】
図4は、トレーニングアプリの姿勢判定結果画面の第一例を示す模式図である。図4の例では、主記憶部12に登録済みのトレーニングに対応した姿勢情報と比較して、現在のユーザのトレーニング姿勢が所定の範囲内に収まっていると端末10が判定したため、撮像画像領域32に姿勢維持アラートおよびメッセージを表示させている。たとえば、前記アラートは、ユーザに適切な運動姿勢の維持を促すために、アラートの色を所定の範囲内に収まっていることを示す緑色に設定する形態であってもよい。たとえば、前記メッセージは、「その調子で姿勢キープ!」など、ユーザに適切な運動姿勢の維持を促すことを意味するものである。
【0042】
図5は、トレーニングアプリの姿勢判定結果画面の第二例を示す模式図である。図5の例では、主記憶部12に登録済みのトレーニングに対応した姿勢情報と比較して、現在のユーザのトレーニング姿勢が所定の範囲内に収まっていないと端末10が判定したため、撮像画像領域32に姿勢変更アラートおよびメッセージを表示させている。たとえば、前記アラートは、ユーザに適切な運動姿勢への変更を促すために、アラートの色を所定の範囲内に収まっていないことを示す赤色に設定する形態であってもよい。たとえば、前記メッセージは、「正しい姿勢に戻そう!」など、ユーザに適切な運動姿勢への変更を促すことを意味するものである。
【0043】
ユーザの運動姿勢が所定範囲内に収まったままトレーニングが遂行された場合には、ユーザに対するインセンティブとして特典が付与される。特典はトレーニングポイントとして付与され、ユーザがプレイするゲーム内で利用することができる。なお、特典はゲームのプレイ内容(実行内容)に応じてゲームポイントとして付与されるようにしてもよい。これらの特典は、補助記憶部19にユーザのトレーニング情報DB192として記憶される。
【0044】
図6は、トレーニング情報DB192のデータレイアウトを示す説明図である。トレーニング情報DB192は、図6に示すように、ユーザごとに、トレーニングを実施した日付、トレーニングの種類、トレーニング結果、トレーニングポイント、ゲームポイントおよび合計ポイントを関連付けて記憶する。日付欄には、ユーザがトレーニングアプリを実行した日付が記憶されている。トレーニングの種類欄には、ユーザが実施したトレーニングの種類が記憶されている。トレーニング結果欄には、ユーザが実施したトレーニングの回数または時間が記憶されている。トレーニングポイント欄には、ユーザの運動姿勢が所定範囲内に収まったままトレーニングが遂行された場合に付与される特典が記憶されている。ゲームポイント欄には、ゲームのプレイ内容(実行内容)に応じて付与される特典が記憶されている。合計ポイント欄には、ユーザが獲得したトレーニングポイントとゲームポイントの値の和が記憶されている。
【0045】
トレーニングポイントは、ユーザの運動姿勢が所定範囲内に収まったままトレーニングが遂行された場合に付与されるが、次のような場合に付与されるのであってもよい。たとえば、ユーザが実施したトレーニングの回数(回)および時間(秒)と同じ数値分だけ、トレーニングポイントとして付与されてもよい。また、ユーザが継続してトレーニングを実施している場合には、連続トレーニングボーナスとして継続中の日数分(日)だけ、トレーニングポイントとして付与されてもよい。
【0046】
ユーザが所定のゲームをプレイする際には、ユーザが獲得した合計ポイントをゲームの進行に必要なアイテムなどの取得に自由に充てることができる。また、所定のトレーニングポイントを獲得することで、ゲームのステージクリア条件を満たすようにしてもよい。すなわち、トレーニング内容とゲームのプレイ内容(実行内容)の両方によって特典が付与されることで、トレーニング、ゲームのいずれか一方に偏ることなく、ユーザがモチベーションを維持することができる。
【0047】
上述の処理により、ユーザは自身のトレーニング姿勢に関して適切な認識をすることができ、有効かつ安全なトレーニングを実行するとともに、トレーニングへのモチベーションを維持することができる。
【0048】
次に、本実施の形態において端末10が実行する処理手順について説明する。
【0049】
図7は、トレーニングアプリの処理手順の第一例を示すフローチャートである。端末10の制御部11は、プログラム190に基づき以下の処理を実行する。
【0050】
制御部11は、プレイするゲームの選択入力をユーザから受け付ける(ステップS101)。制御部11は、選択されたゲームの操作画面を表示部16に表示する(ステップS102)。操作画面は、ゲームのプレイ画面を表示するゲーム領域31と、ゲームをプレイ中のユーザを撮像した画像を表示する撮像画像領域32とを上下に配置した画面である。制御部11は、ユーザに実施させるトレーニングの種類を当該画面に表示する。制御部11は、撮像部13によりユーザを撮像する(ステップS103)。制御部11は、撮像部13からユーザの姿勢を検出する(ステップS104)。制御部11は、検出したユーザの姿勢に基づき、ユーザがトレーニングを実施しているか否かを判定する(ステップS105)。具体的には、制御部11は一または複数のトレーニングに対応する姿勢情報191を参照して、操作画面に表示中のトレーニングをユーザが実施しているか否かを判定する。トレーニングを実施していないと判定した場合(ステップS105:NO)、制御部11は、アラートを表示する(ステップS106)。ステップS106の処理を実行後、またはステップS105でYESである場合、制御部11はユーザの操作に応じてゲームを終了するか否かを判定する(ステップS107)。ゲームを終了しないと判定した場合(ステップS107:NO)、制御部11は、処理をステップS103に戻す。ゲームを終了すると判定した場合(S107:YES)、制御部11は、一連の処理を終了する。
【0051】
また、トレーニングの種類によっては、トレーニング時間と実施回数に基づいてユーザがトレーニングを遂行したか否かを判定し、特典を付与するのであってもよい。具体的には、端末10がユーザに対して指定したトレーニングの目標実施回数を、ユーザが制限時間内に達成することができたか否かを判定し、特典付与の有無を決定する。
【0052】
図8は、トレーニングアプリの処理手順の第二例を示すフローチャートである。端末10の制御部11は、プログラム190に基づき以下の処理を実行する。
【0053】
制御部11は、プレイするゲームの選択入力をユーザから受け付ける(ステップS201)。制御部11は、選択されたゲームの操作画面を表示部16に表示する(ステップS202)。操作画面は、ゲームのプレイ画面を表示するゲーム領域31と、ゲームをプレイ中のユーザを撮像した画像を表示する撮像画像領域32とを上下に配置した画面である。制御部11は、ユーザに実施させるトレーニングの種類、目標実施回数および制限時間を当該画面に表示する。制御部11は、撮像部13によりユーザを撮像する(ステップS203)。制御部11は、撮像部13からユーザの姿勢を検出する(ステップS204)。制御部11は検出したユーザの姿勢に基づき、指定のトレーニングの実施回数を計測する(ステップS205)。具体的には、制御部11は一または複数のトレーニングに対応する姿勢情報191を参照し、ユーザが指定のトレーニングを実施しているか否かを判定したうえで、操作画面に表示してあるトレーニングの実施回数を計測する。計測された実施回数は、トレーニングDB192に記憶される。制御部11は、ユーザが制限時間内に目標実施回数以上のトレーニングをクリアできたか否かを判定する(ステップS206)。ユーザが制限時間内に目標実施回数以上のトレーニングをクリアできた場合(ステップS206:YES)、制御部11は特典としてトレーニングポイントを付与し、トレーニング情報DB192に記憶する(ステップS207)。一方、ユーザが制限時間内に目標実施回数以上のトレーニングをクリアできなかった場合(ステップS206:NO)、特典は付与せず、ステップS208に移行する。制御部11は、ゲームを終了するか否かを判定する(ステップS208)。ゲームを終了しないと判定した場合(ステップS208:NO)、制御部11は、処理をステップS203に戻す。ゲームを終了すると判定した場合(ステップS208:YES)、制御部11は、一連の処理を終了する。
【0054】
以上より、本実施の形態1によれば、ゲームをプレイ中のユーザの姿勢からトレーニングを実施しているか否かを判定することで、トレーニングへのモチベーションを維持しつつ、トレーニングを適切に実施するようにユーザに促すことができる。
【0055】
(変形例)
実施の形態1では、画像認識によりトレーニング姿勢を検出(認識)する形態について説明した。一方で、トレーニング動画を訓練データとし、ユーザが実施するトレーニングの種類を端末10が撮像する動画に基づいて判定する方法であってもよい。
【0056】
端末10はトレーニング動画に対し、正解のトレーニング動作がラベル付けされた学習済みの機械学習モデル(CNN、LSTM、トランスフォーマなど)を用いて、ユーザのトレーニングの種類を判定する。端末10はトレーニング中のユーザの動画を当該モデルに入力することで、ユーザがおこなうトレーニングの種類を判定する。なお、本実施の形態では、端末10に内蔵されているカメラ(撮像部13)がユーザを撮像するものとするが、カメラは端末10に外付けされた外部のカメラであってもよい。
【0057】
図9は、機械学習モデルMの構成例を示す概念図である。機械学習モデルMは、CNN、LSTM、トランスフォーマなどであり、動画データと出力のラベルとを含む訓練データによって学習する。図9に示すように、機械学習モデルMには、動画データ(たとえば5秒間のトレーニング動画データなど)が入力され、判定結果としてユーザが実施するトレーニングの種類を出力する。たとえば、出力されるトレーニングの種類は、スクワットやプランクなどのトレーニング、自走式ランニングマシンやダンベルなどのトレーニング器具を使用したトレーニングである。ユーザがトレーニングを実施しない場合には、トレーニングなしと出力する。
【0058】
端末10は、トレーニングの単位時間あたりの判定結果と総トレーニング時間とに基づいてトレーニングポイントを付与する。たとえば、端末10が一単位あたり5秒間のスクワットをユーザが6回分実施したと判定した場合には、特典として30pt(5秒間×6回)のトレーニングポイントを付与する。付与されたトレーニングポイントは、トレーニング情報DB192に記憶される。
【0059】
以上より、本変形によれば、ユーザがおこなうトレーニングの種類をユーザが実施中のトレーニング動画に基づいて判定することができる。
【0060】
(実施の形態2)
本実施の形態では、実施の形態1の姿勢判定システムにバランスボード60を組み合わせた形態について説明する。なお、実施の形態1と同様の箇所については同一の符号を付して説明を省略する。
【0061】
図10は、実施の形態2における姿勢判定システムの構成例を示す模式図である。本実施の形態に係る姿勢判定システムは、バランスボード60を含む。バランスボード60は、平板材の底面に円弧状の凸部を備えた器具である。なお、バランスボード60の形状は特に問わない。たとえば、平板材は、矩形状であっても円状であってもよく、凸部は円弧状ではなく半円球状であってもよい。バランスボード60は凸部を下にして配置され、平板材の上にユーザが身体の一部または全部を乗せることで使用される。ユーザは、凸部が備えられることにより不安定な状態にあるバランスボード上でバランスを取ることで、体幹などを鍛えることができる。
【0062】
本実施の形態に係るバランスボード60は、傾きを検出するジャイロセンサと、検出した傾きを送信する通信機とを備える。本実施の形態において、端末10はバランスボード60とペアリングされており、バランスボード60から傾きの検出値を取得する。そして、端末10はバランスボード60で検出した傾きに応じて、ゲームに係る処理を実行する。すなわち、バランスボード60はゲームのコントローラ機器として機能し、ユーザはバランスボード60を傾かせることでゲームを操作する。
【0063】
端末10は実施の形態1と同様にゲームをプレイ中のユーザの姿勢を検出し、トレーニングを実施しているか否かを判定する。ここで、端末10は実施の形態1と同様にユーザを撮像して画像から姿勢を検出するようにしてもよいが、バランスボード60の傾きから姿勢を検出するようにしてもよい。たとえば、端末10はバランスボード60の傾きが水平方向から所定角度の範囲内に収まっているか否かを判定する。もし所定角度の範囲内に収まっていると判定した場合、端末10はユーザが正しいトレーニング姿勢(バランス)を取っているものと判定する。また、端末10は撮像画像に代えて、または撮像画像と組み合わせてユーザの姿勢を検出し、検出結果に応じてトレーニングを実施しているか否かを判定する。
【0064】
上述の点以外は実施の形態1と同様であるため、本実施の形態ではフローチャートその他の詳細な説明を省略する。
【0065】
以上より、本実施の形態2によれば、バランスボード60を組み合わせることで、体幹トレーニングなどのトレーニングをより好適に実施することができる。
【0066】
(変形例)
実施の形態2では、バランスボード60を組み合わせた形態について説明した。一方で、バランスボード60以外のトレーニングマシンを組み合わせてもよい。
【0067】
トレーニングマシンは、自走式ランニングマシン、サイクリングマシンなどのマシンが想定される。これらのようなトレーニングマシンをバランスボード60に代えて使用してもよいが、バランスボード60と組み合わせると好適である。たとえば、バランスボード60を図10で例示したものよりも大型とし、バランスボード60にトレーニングマシンを載置して使用するようにしてもよい。本変形例では、ユーザがプレイするゲームとして、テニス、サッカーなどの球技に係るスポーツゲームが想定される。バランスボード60上で、ユーザは自身が目指す方向にトレーニングマシンを傾けて走る、またはペダルをこぐことで、3D空間のバーチャルスポーツゲームをプレイする。なお、手の動きを再現するために、端末10のようにジャイロセンサなどのセンサを備えたコントローラ機器を組み合わせて、ゲームを動作(たとえばテニスラケットを振る動きを再現)させてもよい。
【0068】
端末10は実施の形態2と同様に、ユーザの姿勢を検出してトレーニング(運動)を実施しているか否かを判定する。ここで、端末10はバランスボード60の傾き(および/または画像)からユーザの姿勢を検出するだけではなく、トレーニングマシンの動作を含めて判定すると好適である。
【0069】
トレーニングマシンの動作とは、たとえば、トレーニングマシンを使ってトレーニングを実施しているユーザの運動量を表す値である。トレーニングマシンがランニングマシンまたはサイクリングマシンであるとき、走行距離、走行速度などがユーザの運動量を表す値に該当する。端末10はこれらの値の検出値をトレーニングマシンから無線または有線通信で取得し、検出値の高低に応じてユーザがトレーニングを実施しているか否かを判定する。端末10はバランスボード60の傾きおよびトレーニングマシンの動作に基づいて、トレーニングを実施しているか否かを判定し、判定結果を表示する。
【0070】
上記の点以外は実施の形態2と同様であるため、本実施の形態では、フローチャートその他の詳細な説明を省略する。
【0071】
以上より、本変形によれば、ユーザに対して3D空間を模擬したバーチャルゲームをプレイさせることができ、かつ、バーチャルゲームのプレイ時の動きをトレーニングに転用することができる。
【0072】
(実施の形態3)
本実施の形態では、実施の形態1の姿勢判定システムにおいて、ユーザ同士がトレーニングの実施内容を競い合う形態(以下、トレーニング対戦という)について説明する。なお、実施の形態1と同様の箇所については同一の符号を付して説明を省略する。
【0073】
図3の例では、ユーザが一人でトレーニングを実施している様子を図示しているが、端末10はサーバ50を介して他のユーザの端末10と同期することで、複数人でトレーニング対戦を実施することを可能としてもよい。また、ユーザの端末10同士の通信により同期してもよい。すなわち、端末10は他の端末10とトレーニングに関する処理内容を送受信し、自装置を操作しているユーザのトレーニング内容と、他のユーザのトレーニング内容とを共有する。たとえば、端末10は撮像画像領域32を左右方向に沿って二つの領域に区切り、左側に自装置のユーザがトレーニングを実施している画面を、右側に他のユーザがトレーニングを実施している画面を表示する。また、たとえば、端末10はデフォルトで用意されている一または複数のトレーニングのうち、ユーザに実施させるトレーニングおよびトレーニングの実施回数を撮像画像領域32の隅に表示する。実施回数は、端末10がトレーニングを実施しているか否かを判定した結果に基づいて計測する。各ユーザは、表示画面のトレーニング実施回数を他のユーザと共有しながらトレーニングを実施できるため、他のユーザに対する競争心からトレーニングへのモチベーションを維持することができる。このように、本実施の形態に係るトレーニングアプリを、複数人でトレーニングの実施内容を競い合う対戦型アプリケーションとしてもよい。
【0074】
実施の形態3では、ユーザ同士によるトレーニング対戦の勝敗に応じて、各ユーザに対してトレーニングポイントが付与される。具体的には、スクワットのような実施回数を計測する種類のトレーニングで対戦する場合には、所定の時間内にトレーニングを実施した回数がより多いユーザに対してトレーニングポイントが付与される。一方、プランクのような実施時間を計測する種類のトレーニングで対戦する場合には、適切な姿勢でトレーニングを実施した時間がより長いユーザに対してトレーニングポイントが付与される。
【0075】
図11は、トレーニングアプリの処理手順の第三例を示すフローチャートである。端末10の制御部11は、プログラム190に基づき以下の処理を実行する。
【0076】
第一プレーヤが操作する端末10の制御部11は、所定のゲームプレイを開始後(ステップS301)、第二プレーヤが操作する他の端末10にゲーム内容およびトレーニング内容を送信する(ステップS302)。制御部11は、第二プレーヤのトレーニング内容を受信した後(ステップS303)、トレーニング対戦を開始する(ステップS304)。トレーニング対戦中、制御部11は、第一プレーヤのトレーニング内容と第二プレーヤのトレーニング内容とを、表示部16に対比して表示する(ステップS305)。トレーニング終了後、制御部11は第一プレーヤと第二プレーヤのトレーニング結果に応じて、特典としてトレーニングポイントを付与する(ステップS306)。たとえば、制御部11は、第一プレーヤがスクワットを10回実施していたと判定した場合には10pt、第二プレーヤがスクワットを8回実施していたと判定した場合には8ptをそれぞれ付与する。また、制御部11はプレーヤ同士のトレーニングの実施回数を比較して、トレーニング対戦の勝敗を判定する(ステップS307)。実施回数の方が多い場合、つまりトレーニング対戦に勝利した場合(ステップS307:YES)、勝利ボーナスとしてさらにトレーニングポイントを付与する(ステップS308)。実施回数が同じか少ない場合、つまりトレーニング対戦に勝利していない場合(ステップS307:NO)、勝利ボーナスは付与せずに処理をステップS309に移行する。制御部11は、ゲームを終了するか否かを判定する(ステップS309)。ゲームを終了しないと判定した場合(ステップS309:NO)、制御部11は、処理をステップS302に戻す。ゲームを終了すると判定した場合(ステップS309:YES)、制御部11は、一連の処理を終了する。
【0077】
上述の点以外は実施の形態1と同様であるため、本実施の形態ではその他詳細な説明を省略する。
【0078】
以上より、本実施の形態3によれば、ユーザ同士がトレーニングの実施内容を競い合うことで、トレーニングをより好適に実施することができる。
【0079】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記のように開示された意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0080】
10 情報処理装置(端末)
10a 記録媒体
11 制御部
12 主記憶部
13 撮像部
14 通信部
15 センサ
16 表示部
17 受付部
18 判定部
19 補助記憶部
190 プログラム
191 姿勢情報
192 トレーニング情報DB
31 ゲーム領域
32 撮像画像領域
50 サーバ
60 バランスボード
NW 通信ネットワーク
M 機械学習モデル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11