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  • 特開-植物育成装置及び植物育成方法 図1
  • 特開-植物育成装置及び植物育成方法 図2
  • 特開-植物育成装置及び植物育成方法 図3
  • 特開-植物育成装置及び植物育成方法 図4
  • 特開-植物育成装置及び植物育成方法 図5A
  • 特開-植物育成装置及び植物育成方法 図5B
  • 特開-植物育成装置及び植物育成方法 図5C
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022179059
(43)【公開日】2022-12-02
(54)【発明の名称】植物育成装置及び植物育成方法
(51)【国際特許分類】
   A01G 7/00 20060101AFI20221125BHJP
【FI】
A01G7/00 601A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021086295
(22)【出願日】2021-05-21
(71)【出願人】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】近藤 嶺
(72)【発明者】
【氏名】内田 拓郎
(72)【発明者】
【氏名】宮嵜 優樹
(72)【発明者】
【氏名】香西 大輔
【テーマコード(参考)】
2B022
【Fターム(参考)】
2B022DA01
(57)【要約】
【課題】植物の育成過程を楽しむ用途には好適な植物育成装置等を提供する。
【解決手段】内部が透過可能なケースと、ケース内に配置した植木鉢と、植木鉢に立てられ、複数のターゲットリングが所定の位置に配置された支柱と、ケースに備え付けた複数の光源と、複数の前記光源の各々を点灯または消灯する操作部と、植木鉢より育成された植物がターゲットリングを通過したことを検出するセンサと、センサからの情報に基づいて、操作部による操作に基づく複数の光源の点灯に関して許可または不許可の制御を行う制御部と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部が透過可能なケースと、
前記ケース内に配置した植木鉢と、
前記植木鉢に立てられ、複数のターゲットリングが所定の位置に配置された支柱と、
前記ケースに備え付けた複数の光源と、
複数の前記光源の各々を点灯または消灯する操作部と、
前記植木鉢より育成された植物が前記ターゲットリングを通過したことを検出するセンサと、
前記センサからの情報に基づいて、前記操作部による操作に基づく複数の前記光源の点灯に関して許可または不許可の制御を行う制御部と、を備える植物育成装置。
【請求項2】
前記制御部は、
支柱に配置されたターゲットリングを植物が通過したことを示す植物育成信号を出力する植物育成検出部と、
ユーザによる前記操作部の操作を検出し、操作信号を出力する操作検出部と、
複数の光源のうち制御を可とする光源と前記植物育成信号との関係を使用可能光源情報として記憶する記憶部と、
前記使用可能光源情報に基づき、前記操作信号により制御される光源の使用の可否を決定して、光源制御情報を出力する処理部と、
前記処理部から出力される前記光源制御信号に基づいて前記光源の状態を制御する光源制御部と、を備える請求項1に記載の植物育成装置。
【請求項3】
前記ターゲットリングは、異なる位置に複数配置され、
前記記憶部に記憶された使用可能光源情報は、植物が通過したターゲットリングに応じて制御可能な光源の数や色が異なる請求項2に記載の植物育成装置。
【請求項4】
前記記憶部に記憶された使用可能光源情報は、前記ターゲットリンク毎に制御可能となる光源の数や色が設定されている請求項3に記載の植物育成装置。
【請求項5】
植物を育成する植木鉢に複数のターゲットリングが所定の位置に配置された支柱が立てられ、前記植木鉢より育成された植物が前記ターゲットリングを通過したことを示す植物育成信号を受けるステップと、
ユーザの操作に基づき、複数の光源のいずれの制御を行うかを示す操作信号を受けるステップと、
複数の光源のうち制御を可とする光源を、前記植物育成信号に基づいて定めた使用可能光源情報に基づき、前記操作部から出力される操作信号により制御される光源の使用の可否を決定して、光源制御情報を出力するステップと、
前記光源制御信号に基づいて前記複数の光源を制御するステップと、
を含む植物育成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、植物育成装置及び植物育成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
植物栽培に関する技術としては、特許文献1のように、供給する水分と照射する光を制御して育成環境を整える植物栽培用装置がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-174758号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の技術は、植物の育成の結果である作物の収穫を目的とした技術であり、屋内にて植物の育成過程を楽しむ用途には好適なものではない。
【0005】
本発明は、植物の育成にゲーム性を持たせる植物育成装置及び植物育成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る植物育成装置は、内部が透過可能なケースと、前記ケース内に配置した植木鉢と、前記植木鉢に立てられ、複数のターゲットリングが所定の位置に配置された支柱と、前記ケースに備え付けた複数の光源と、複数の前記光源の各々を点灯または消灯する操作部と、前記植木鉢より育成された植物が前記ターゲットリングを通過したことを検出するセンサと、前記センサからの情報に基づいて、前記操作部による操作に基づく複数の前記光源の点灯に関して許可または不許可の制御を行う制御部と、を備える。
【0007】
本発明に係る植物育成方法は、植物を育成する植木鉢に複数のターゲットリングが所定の位置に配置された支柱が立てられ、前記植木鉢より育成された植物が前記ターゲットリングを通過したことを示す植物育成信号を受けるステップと、ユーザの操作に基づき、複数の光源のいずれの制御を行うかを示す操作信号を受けるステップと、複数の光源のうち制御を可とする光源を、前記植物育成信号に基づいて定めた使用可能光源情報に基づき、前記操作部から出力される操作信号により制御される光源の使用の可否を決定して、光源制御情報を出力するステップと、前記光源制御信号に基づいて前記複数の光源を制御するステップと、を含む。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、植物の育成にゲーム性を持たせる植物育成装置及び植物育成方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本発明の植物育成装置の実施形態を模式的に示す図である。
図2図2は、本発明の実施形態に係る植物育装置の構成図である。
図3図3は、本発明の実施形態に係る植物育成装置の制御部の構成図である。
図4図4は、本発明の実施形態に係る植物育成装置の処理部の処理フローである。
図5A図5Aは、本発明の実施形態に係る植物育成装置による育成過程を示す図である。
図5B図5Bは、本発明の実施形態に係る植物育成装置による育成過程を示す図である。
図5C図5Cは、本発明の実施形態に係る植物育成装置による育成過程を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下に説明する実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0011】
図1は、本実施形態に係る植物育成装置の構成例を模式的に示す図である。図1に示す植物育成装置1は、植物2を育成する装置である。植物2は、特に限定されないが、光の照射方向で、植物の成長の方向が変わる種類とすることが好ましい。植物育成装置1は、ケース3と、植物2を植える植木鉢4と、植木鉢底面より略垂直方向に立設する植物支持部5と、ユーザの操作検出、各種検出及び各種制御を行う植物育成部10を含む。
【0012】
図2は、植物育成部10の構成図である。植物育成部10は、操作部11、センサ部12、光源部13、報知部14,給水部15、制御部16から構成される。
【0013】
図1に戻り、植物育成装置1の全容を説明する。ケース3は、土台31と、周面部32と、を含む。土台31は、ケース3の底面であり、植木鉢4が置かれる。土台31は、表面に植物育成部10の操作部11が設置され、給水部15、制御部16、報知部14が内部に配置される。土台31には、各部を駆動させるバッテリ等も配置される。周面部32は、土台31の上側に配置され、植木鉢4の周囲、具体的には側面と上面を囲う。周面部32は、透明材料で形成されている。周面部32は、土台31に着脱可能に配置される。周面部32は、植物育成部10の光源部13及びセンサ部12を支持する。周面部32は、外から内部の植木鉢4及び植物2が視認可能であればよい。例えば、周面部32は、植木鉢4の配置領域の周囲に棒状の部材を所定間隔で配置し、格子を形成する構造でもよい。
【0014】
植木鉢4は、植物2が植えられる容器である。植木鉢4は、植物2が植えられる土が充填されている。植木鉢4は、ケース3に対して移動可能である。なお、植木鉢4の形状は特に限定されない。
【0015】
植物支持部5は、植木鉢4に対して固定され、植物2の一部を支持する構造物である。植物支持部5は、支柱50と、ターゲットリング52(52a、52b、52c、52d)と、を含む。支柱50は、棒状の部材で、鉛直方向下側の一部が、植木鉢4の次に挿入され、植木鉢4に対して固定される。支柱50は、植木鉢4の本体(容器)に固定されてもよい。ターゲットリング52(52a、52b、52c、52d)は、支柱50の、鉛直方向の異なる位置に固定されている。ターゲットリング52は、中空のリングである。なお、植物支持部5は、支柱50を1本としたが、複数本設置してもよい。また、支柱50は、直線の棒に限定されず、湾曲、屈曲していてもよい。また、ターゲットリングの数、配置、向きも特に限定されない。
【0016】
ターゲットリング52は、ユーザが植物を育成するにあたって、植物を育成して通過させることを目的として支柱に設置されたリングである。ターゲットリング52の各々は、その配置や向きにより、植物を育成して通過させるのが容易なリングと、容易ではないリングがある。ターゲットリング52の各々に対して、植物を育成して通過させるのが容易なリングは難易度が低いリングであり、また、植物を育成して通過させるのが容易ではないリングは難易度が高いリングといえる。例えば、ターゲットリング52が、植物を通過させる向きが鉛直方向であるリングや、リングの直径が大きい方が植物を育成して通過させるのが容易なリングであり難易度が低いリングといえる。また、植物を通過させる向きが水平方向であるリング、直径の小さいリング、支柱50から距離を置いて設置されたリング等は、植物を育成して通過させるのが容易ではないリングであり難易度が高いリングといえる。
【0017】
センサ部12は、植物がターゲットリング52を通過しているか否かを検出する。センサ部12は、通過検出センサである。通過検出センサは、設置されたターゲットリング52の中空の空間を、物体が通過しているか否かを検出する。通過検出センサは、例えば、カメラ、赤外線センサや磁器センサで、ターゲットリング52の中空の空間の物体を検出する。なお、センサ部12は、植物の育成に影響を与えない方法で、植物を検出するセンサを用いることが好ましい。また、センサ部48は、検出原理が植物の育成に影響を与える可能性である場合、検出タイミングを所定間隔毎に実行し、検査回数を制御することで、植物の育成に影響を低減させることが好ましい。センサ部12は、ターゲットリング52のそれぞれを植物が通過しているかを検出できればよく、センサをリング個別に設けなくてもよい。例えば、センサ部12を複数のカメラとして、画像に含まれるターゲットリング52と植物の関係を検出する様にしてもよい。
【0018】
光源部13は、植物の育成に必要な波長域の光を照射する。光源部13は、側面光源13Aと、天井光源13Bと、を含む。側面光源13Aは、ケース3の側面に配置される。本実施形態の光源部13は、ケース3の4つの側面のそれぞれに棒状光源13A1、13A2、13A3、13A4が配置される。本実施形態の棒状光源13A1、13A2、13A3、13A4は、それぞれの側面に水平方向が延びる方向となり、かつ、鉛直方向が同じ高さとなる位置に配置される。棒状光源13A1、13A2、13A3、13A4は、例えばLEDライト、蛍光灯である。天井光源13Bは、ケース40の天井面に配置される。天井光源13Bは、植木鉢4に対して上面から光を照射する。天井光源13Bは、例えばLEDライト、蛍光灯である。
【0019】
操作部11は、植物育成装置1を使用するユーザが植物育成装置1に各種操作を入力するデバイスである。操作部11は、電源ボタン11Aと、給水ボタン11Bと、複数の光源ボタン11Cと、を備える。電源ボタン11Aは、電源の投入、切断を切り替えるボタンである。給水ボタン11Bは、給水部15の給水量を操作するボタンである。複数の光源ボタン11Cは、それぞれが、側面光源13Aと天井光源13Bの点灯、消灯、点灯時の光量を操作するボタンである。なお、本実施形態はボタンとしたが、レバーや、スイッチとしてもよい。また、リモートコントローラで操作してもよい。
【0020】
給水部15は、植木鉢4に水を供給する。給水部15は、給水配管15Aと、水タンク15Bと、を備える。給水配管15Aは、植木鉢4と水タンク15Bを接続する配管である。給水配管15Aは、可撓性を備えることが好ましく、植木鉢4側の端部を移動できる構造とすることが好ましい。水タンク15Bは、水を貯留する容器と、水を植木鉢4側に搬送するポンプを備えて言うる。水タンク15Bは、制御部16の制御に基づいて、ポンプを駆動し、植木鉢4に水を供給する。
【0021】
報知部14は、スピーカ等、音を出力する機器である。報知部14は、制御部16の制御に基づいて、植物の状態を通知する音を出力する。具体的には、ターゲットリング52の通過状態、推奨される育成条件、推奨される照明の配置等を通知する。報知部14は、制御部16の制御に基づいて、植物の育成を補助する音楽を出力してもよい。ユーザは、出力する音楽を選択することで、育成条件を調整することができる。
【0022】
制御部16は、操作部11に入力される操作に基づいて光源部13、給水部15、報知部14の動作を制御する。また、制御部16は、センサ部12の検出結果に基づいて、光源部13、給水部15に対してユーザが操作可能な範囲を設定する。つまり、制御部16は、センサ部12の検出結果に基づいて、ターゲットリング52それぞれに対する植物の通過状況を判定し、判定した結果に対して予め定めた設定に基づいて、光源に係る設定及び給水に係る設定を行う。
【0023】
制御部16は、各部の動作を制御する。制御部16に関して図3を用いて説明する。制御部16は、処理部91、操作検出部92、光源制御部93、植物検出部94、記憶部95,給水制御部96、報知制御部97、を備える。
【0024】
操作検出部92は、ユーザによる操作部11のいずれの操作がおこなわれたかを検出し、検出した操作に基づいた操作信号を処理部91に出力する。光源制御部93は、処理部91から出力される光源制御信号に基づき、光源部13のいずれの光源を、点灯、消灯、減光、および発光色の変更といった制御を行う。植物検出部94は、センサ部12により検出されるいずれのターゲットリング52を植物2が通過したかという植物育成信号を処理部91に出力する。記憶部95は、上記した予め定めた設定を記憶している。記憶部95は、センサ部26の判定に対して制御部16により制御可能とする光源に係る設定や給水に係る設定を記憶している。給水制御部96は、処理部91からの給水制御信号に基づいて、報知部15に給水の開始、給水の停止および給水時の給水量等を行わせる給水指示信号を出力する。報知制御部97は、処理部91からの報知制御信号に基づき、報知部14から出力される報知情報を制御する。
【0025】
処理部91は、上記した各種入力信号に基づき、所定の制御信号を出力する。処理部91は、以下の処理を実行する。支柱に備えられたターゲットリングを植物が通過したことを示す植物育成信号を受ける。ユーザの操作に基づき、複数の光源のいずれの制御を行うかを示す操作信号を受ける。複数の光源のうち制御を可とする光源を、植物育成信号に基づいて定めた使用可能光源情報に基づき、操作部から出力される操作信号により制御される光源の使用の可否を決定して、光源制御情報を出力する。光源制御信号に基づいて前記複数の光源を制御する。
【0026】
処理部91が行う処理フローを図4に示す。処理部91は、装置が駆動されている間、図4の処理を繰り返す。処理部91は、支柱に備えられたターゲットリングを植物が通過したかを判定するために、植物育成信号をターゲットリングから受けたかを判定する(ステップS1)。処理部91は、植物育成信号を受けていない(ステップS1でNo)と判定した場合、ステップS1に戻る。処理部91は、植物育成信号を受けた(ステップS1でYes)と判定した場合、操作部11にユーザが入力した操作信号を受信したかを判定する(ステップS2)。処理部91は、操作信号を受けていない(ステップS2でNo)と判定した場合、つまり、ユーザが操作部11を操作していない場合、ステップS2に戻る。処理部91は、操作信号を受けた(ステップS2でYes)と判定した場合、操作信号による光源の使用が可能かを判定する(ステップS3)。処理部91は、植物育成信号を受けた(ステップS1でYes)と判定した場合、操作部11にユーザが入力した操作信号を受信したかを判定する(ステップS2)。処理部91は、操作信号を受けていない(ステップS2でNo)と判定した場合、つまり、ユーザが操作部11を操作していない場合、ステップS2に戻る。処理部91は、操作信号を受けた(ステップS2でYes)と判定した場合、操作信号による光源の使用が可能か、つまり、操作対象の光源が使用可能かを判定する(ステップS3)。処理部91は、光源の使用が可能ではない(ステップS3でNo)と判定した場合、ステップS2に戻る。処理部91は、光源が使用可能である(ステップS3でYes)と判定した場合、操作信号に応じた光源の制御を行い(ステップS4)、ステップS1に戻る。
【0027】
処理部91は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、記憶部95に記憶されたプログラムがRAM等を作業領域として実行されることにより実現される。制御部16は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現されてもよい。制御部16は、ハードウェアと、ソフトウェアとの組み合わせで実現されてもよい。
【0028】
[植物育成方法]
次に、図5を用いて、植物育成装置1を用いた植物2の育成方法の一例を説明する。図5は、植物2の育成過程を示す図である。図5は、ケース3の中の土台31に植木鉢4が置かれ、植木鉢4には支柱50が立設し、支柱50は、ターゲットリング52aとターゲットリング52bを備えている。ターゲットリング52aは比較的低い位置に設置され、ターゲットリング52bは比較的高い位置に設置されている。植木鉢4から植物2を育成し、2つのターゲットリングを通過させるように育成することを目的とする。ユーザは、植物2の育成を行う人物である。育成対象の植物は、種の状態でも、芽が出ている状態でもよい。ユーザは、操作部11の電源ボタンを操作して、電源を投入する。
【0029】
図5Aは、植木鉢4から植物2が発芽した状態を示す。ユーザは、まずターゲットリング52aを通すように植物2を育成させる。ターゲットリング52aは、発芽した植物2の直上にあるリングであり、垂直方向に育成すればリングを通過させることに特に困難な点は無い。図5Aの状態で、ユーザが操作可能な光源部13は、制御部16により天井光源13Bのみに限定されている。ユーザは、操作部11を操作し、天井光源13Bを点灯させ、植物2の育成を見守る。図5Bでは、光源部13の天井光源13Bが点灯していることを示すため白抜きにし、側面光源13Aは消灯していることを示すため、黒の塗りつぶしとしている。
【0030】
図5Bの状態は、植物2が育成し、ターゲットリング52aを通過した状態を示している。植物育成装置1は、植物2がターゲットリング52aを通過したことを検出すると、操作部11から操作可能な光源部13の種類が増える。図5Bでは側面光源13の制御が可能となる。ユーザは、図5Bの状態で、次に通過させるリングをターゲットリング52bとした場合、操作部11を操作し、天井光源13B及び、図面右側の側面光源13A1を点灯させ、植物2の育成を見守る。
【0031】
ターゲットリング52aからターゲットリング52bへ向かっての植物2の育成は、育成する方向を傾斜させる必要がある。このターゲットリング52bは、通過させる難易度が高いといえる。そのため、ユーザは、操作部11を操作し、上方向に育成が過多の場合、天井光源13Bを消灯または減光して、横方向への育成を促し、また、横方向の育成が過多の場合、側面光源13Aを消灯または減光して、横方向への育成を促すといった調整を行う。
【0032】
図5Cの状態は、植物2が育成し、ターゲットリング52bを通過した状態を示している。植物育成装置1は、植物2がターゲットリング52bを通過したことを検出すると、報知部14から、育成終了した旨が報知される。図5では、植物育成装置1は、ターゲットリング52を2つとしたが、むろん数に限定はなく、より多くのターゲットリングを備えていてもよい。
【0033】
植物育成装置1は、植物が育ちターゲットリングを通過すると、センサ部12により植物育成信号として検出されるため、制御部16は、通過したターゲットリングに応じて、光源部13の光源数、点灯の可否、照度の変更等が制限を解放する。制御部16は、通過したターゲットリングに応じて上記の制限を開放する範囲を広げてもよいし、植物を育成して通過させる難易度が高いターゲットリングを通過させる程、上記の制限を開放する範囲を広げてもよい。ユーザは、操作部11による操作可能となる光源部13の光源数、光源の点灯、消灯、照度等、により次のターゲットリングを通過させるように、光源部13の光源数、光源の点灯、消灯、照度等を操作部11により操作する。
【0034】
ユーザは、植物育成初期の段階では、難易度の低いターゲットリンクの通過を目標に植物を育成していく。本発明の植物育成装置1は、ユーザが植物の育成によりターゲットリンクを通過させることにより徐々に光源数、光源の点灯、消灯、照度等、使用可能な機能が広がっていく。ユーザが、光源数、光源の点灯、消灯、照度等を駆使して、難易度の高いターゲットリングに植物を通過させていくことにより、植物の育成を楽しみながら行うことができる。
【0035】
本発明の植物育成装置1は、植物の育成を楽しみながら行うことを目的としているため、ゲーム的要素があり、そのゲームバランスは重要となる。そのため、ターゲットリングの配置と、そのターゲットリングを通過した場合に使用可能となる機能とのバランスが重要となる。本発明の植物育成装置1は、ターゲットリング52の配置と、ターゲットリングを通過した際に操作が解放される機能(光源数)は、関連するため、支柱50と記憶部95に記憶される情報はセットとしてもよい。
【0036】
本発明の植物育成装置1は、植物の育成初期の段階では、数少ない光源数で開始することになる。また、本発明の植物育成装置1は、植物の育成初期、芽が出たばかりでは、基本的に直上方向への成長させることになるため、植物の直上に水平のターゲットリングを配置し、天井に配置された光源のみ使用可能とする。本発明の植物育成装置1は、上記した植物の直上に配置された水平のターゲットリング、いわゆる難易度の低いリングを通過させることにより、直上方向以外にも育成可能とするために側面等に配置された光源の制御を可能にする。
【0037】
本実施形態の植物育成装置1は、ターゲットリングを設けることで、ユーザがターゲットリングを植物が通過するように光源による照明を含む育成条件を調整しつつ、植物の育成を行うことができる。これにより、ユーザは、ゲーム感覚でより楽しみながら植物を育成できる。また、本実施形態の植物育成装置1は、ターゲットリングの通過状態に基づいて、光源部28の照明条件の操作可能範囲を調整することで、植物の育成の条件が不適切になることを抑制しつつ、ユーザにより育成条件を調整させることができる。
【0038】
また、植物育成装置1は、光源部の照明の色を調整できるようにしてもよい。これにより、植物の育成条件をより適切に調整できる。また、観察者をより楽しませることができる。
【0039】
植物育成装置1は、センサ部の検出結果に基づいて、報知部80から次の目標のターゲットリングを通知することが好ましい。これによりゲーム性をより高くできる。
【0040】
以上、本発明の実施形態を説明したが、これら実施形態の内容により本発明が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、前述した実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
【符号の説明】
【0041】
1 植物育成装置、2 植物、3 ケース、31 土台、32 周面部、4 植木鉢、5 植物支持部、50 支柱、 52 ターゲットリング、10 植物育成部、11 操作部、12 センサ部、13 光源部、14 報知部、15 報知部、16 制御部、91 処理部、92 操作検出部、93 光源制御部、94 植物検出部、95 記憶部
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C