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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022179073
(43)【公開日】2022-12-02
(54)【発明の名称】光レセプタクルおよび光モジュール
(51)【国際特許分類】
   G02B 6/42 20060101AFI20221125BHJP
【FI】
G02B6/42
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021086315
(22)【出願日】2021-05-21
(71)【出願人】
【識別番号】000208765
【氏名又は名称】株式会社エンプラス
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】平加 健介
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 ほの香
(72)【発明者】
【氏名】今 亜耶乃
【テーマコード(参考)】
2H137
【Fターム(参考)】
2H137AA01
2H137AB05
2H137AB06
2H137AC02
2H137BA03
2H137BA04
2H137BB03
2H137BB13
2H137BB22
2H137BC02
2H137CC01
2H137CC30
2H137CD45
2H137HA13
(57)【要約】
【課題】周囲の温度の変化に関わらず、適切に光通信を行うことができる光レセプタクルを提供すること。
【解決手段】光レセプタクルは、光レセプタクル本体と、筒状の固定部材とを有する。光レセプタクル本体は、第1光学面と、第2光学面と、第1光学面の第1中心軸を取り囲むように配置されているか、または第2光学面の第2中心軸を取り囲むように配置された環状の溝とを含む。固定部材は、光レセプタクル本体よりも線膨張係数が小さい材料で構成され、溝の内面の少なくとも一部と接するように溝に篏合されている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光電変換素子を含む光電変換素子パッケージおよび光伝送体の間に配置されたときに、前記光電変換素子および前記光伝送体を光学的に結合させるための光レセプタクルであって、
光レセプタクル本体と、
前記光レセプタクル本体と、前記光電変換素子パッケージまたは前記光伝送体とを固定するための筒状の固定部材と、
を有し、
前記光レセプタクル本体は、
前記光電変換素子パッケージから出射された光を前記光レセプタクル本体の内部に入射させるか、または前記光レセプタクル本体の内部を進行した光を前記光電変換素子パッケージに向けて出射させるための第1光学面と、
前記光レセプタクル本体の内部を進行した光を前記光伝送体に向けて出射させるか、または前記光伝送体から出射された光を前記光レセプタクル本体の内部に入射させるための第2光学面と、
前記第1光学面の第1中心軸を取り囲むように配置されているか、または前記第2光学面の第2中心軸を取り囲むように配置された環状の溝と、
を含み、
前記固定部材は、前記光レセプタクル本体よりも線膨張係数が小さい材料で構成され、前記溝の内面の少なくとも一部と接するように前記溝に篏合される、
光レセプタクル。
【請求項2】
前記固定部材は、金属で構成されている、請求項1に記載の光レセプタクル。
【請求項3】
前記溝は、
前記第1光学面の前記第1中心軸を取り囲むように配置された第1溝と、
前記第2光学面の前記第2中心軸を取り囲むように配置された第2溝と、
を有し、
前記固定部材は、
前記第1溝に嵌合され、前記光レセプタクル本体および前記光電変換素子パッケージを固定するための第1固定部材と、
前記第2溝に嵌合され、前記光レセプタクル本体および前記光伝送体を固定するための第2固定部材と、
を有する、
請求項1または請求項2に記載の光レセプタクル。
【請求項4】
前記溝の内面には、前記第1中心軸または前記第2中心軸に沿って配置された凹条または凸条が配置されている、請求項1~3のいずれか一項に記載の光レセプタクル。
【請求項5】
前記溝の内面は、前記溝の底部から開口部に向かうにつれて、前記固定部材から離れるように配置されている、請求項1~3のいずれか一項に記載の光レセプタクル。
【請求項6】
光電変換素子を含む光電変換素子パッケージと、
前記光電変換素子および光伝送体を光学的に結合させるための請求項1~5のいずれか一項に記載の光レセプタクルと、
を有する、光モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光レセプタクルおよび光モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
以前から、光ファイバーや光導波路などの光伝送体を用いた光通信には、面発光レーザ(例えば、垂直共振器面発光レーザ(VCSEL:Vertical Cavity Surface Emitting Laser))などの発光素子やフォトディテクターなどの受光素子を備えた光モジュールが使用されている。光モジュールは、1または2以上の光電変換素子(発光素子または受光素子)と、送信用、受信用または送受信用の光レセプタクルを有する。
【0003】
特許文献1には、対物表面(第1光学面)と、像表面(第2光学面)とを含む樹脂製のレンズ構造体(光レセプタクル)が記載されている。特許文献1に記載のレンズ構造体では、対物表面に対向するように光源または光検出装置がレンズ構造体に固定され、像表面に対向するように光ファイバーがレンズ構造体に固定される。特許文献1に記載のレンズ構造体は、光源から出射された光を光ファイバーの端面に導き、光ファイバーから出射された光を光検出装置に導く。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006-163372号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したように、特許文献1に記載のレンズ構造体は、光通信の分野で使用される。よって、レンズ構造体は、高温環境下または低温環境下で使用されることが想定される。しかしながら、特許文献1に記載のレンズ構造体は、樹脂製であるため、高温環境下では膨張し、低温環境下では収縮してしまう。このように、レンズ構造体が膨張または収縮することにより、レンズ構造体に対する光源または光検出装置の位置精度を維持できず、適切に光通信を行うことができないおそれがある。同様に、レンズ構造体に対する光ファイバーの位置精度を維持できず、適切に光通信を行うことができないおそれがある。
【0006】
本発明の目的は、周囲の温度の変化に関わらず、適切に光通信を行うことができる光レセプタクルを提供することである。また、本発明の別の目的は、当該光レセプタクルを有する光モジュールを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施の形態に係る光レセプタクルは、光電変換素子を含む光電変換素子パッケージおよび光伝送体の間に配置されたときに、前記光電変換素子および前記光伝送体を光学的に結合させるための光レセプタクルであって、光レセプタクル本体と、前記光レセプタクル本体と、前記光電変換素子パッケージまたは前記光伝送体とを固定するための筒状の固定部材と、を有し、前記光レセプタクル本体は、前記光電変換素子パッケージから出射された光を前記光レセプタクル本体の内部に入射させるか、または前記光レセプタクル本体の内部を進行した光を前記光電変換素子パッケージに向けて出射させるための第1光学面と、前記光レセプタクル本体の内部を進行した光を前記光伝送体に向けて出射させるか、または前記光伝送体から出射された光を前記光レセプタクル本体の内部に入射させるための第2光学面と、前記第1光学面の第1中心軸を取り囲むように配置されているか、または前記第2光学面の第2中心軸を取り囲むように配置された環状の溝と、を含み、前記固定部材は、前記光レセプタクル本体よりも線膨張係数が小さい材料で構成され、前記溝の内面の少なくとも一部と接するように前記溝に篏合されている。
【0008】
本発明の一実施の形態に係る光モジュールは、光電変換素子を含む光電変換素子パッケージと、前記光電変換素子および光伝送体を光学的に結合させるための本発明の光レセプタクルと、を有する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、光レセプタクルの周囲の温度が変化しても、適切に光通信を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、光伝送体を固定した状態の本発明の実施の形態1に係る光モジュールの断面図である。
図2図2A~Cは、本発明の実施の形態1に係る光レセプタクルの構成を示す図である。
図3図3A~Cは、光モジュールの使用範囲内における温度の影響について説明するための模式図である。
図4図4A、Bは、本発明の効果を説明するための図である。
図5図5A~Cは、本発明の実施の形態2に係る光レセプタクルの構成を示す図である。
図6図6A~Dは、実施の形態2の変形例1および変形例2に係る光レセプタクルの構成を示す図である。
図7図7は、本発明の実施の形態3に係る光レセプタクルの断面図である。
図8図8A、Bは、実施の形態3に係る光レセプタクルの構成を示す図である。
図9図9A、Bは、実施の形態3の変形例1および変形例2に係る光レセプタクルの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態に係る光レセプタクルおよび光モジュールについて、図面を参照して詳細に説明する。
【0012】
[実施の形態1]
(光モジュールの構成)
図1は、光伝送体150を固定した状態の本発明の実施の形態1に係る光モジュール100の断面図である。なお、図1では、光伝送体150およびフェルール151も図示している。
【0013】
図1に示されるように、光モジュール100は、光電変換素子パッケージ110と、光レセプタクル本体120および固定部材130を含む光レセプタクル140とを有する。光モジュール100は、光レセプタクル140に光伝送体150が接続されて使用される。光モジュール100は、送信用の光モジュールでもよいし、受信用の光モジュールでもよい。本実施の形態では、光モジュール100は、送信用の光モジュールであり、光レセプタクル140は、光電変換素子パッケージ110から出射された光を光伝送体150の端面に導く。なお、光モジュール100が受信用の光モジュールの場合、光レセプタクル140は、光伝送体150の端面から出射された光を光電変換素子パッケージ110に導く。
【0014】
光電変換素子パッケージ110は、筐体111と、光電変換素子112と、リード113とを含む。筐体111の内部には、光電変換素子112が配置されている。光電変換素子パッケージ110は、光レセプタクル140に固定される。本実施の形態では、光電変換素子パッケージ110は、固定部材130を介して光レセプタクル本体120に固定される。
【0015】
光電変換素子112は、発光素子114または受光素子115であり、筐体111の内部に配されている。光モジュール100が送信用の光モジュールである場合、光電変換素子112は、発光素子114である。また、光モジュール100が受信用の光モジュールである場合、光電変換素子112は、受光素子115である。本実施の形態では、光モジュール100が送信用の光モジュールであるため、光電変換素子112は、発光素子114である。発光素子114は、例えば垂直共振器面発光レーザ(VCSEL)である。受光素子115は、例えばフォトディテクタである。
【0016】
リード113は、その一方の端部が光電変換素子112に接続されている。リード113は、筐体111の底面から突出するように配置されている。リード113の数は、特に限定されない。本実施の形態では、リード113の数は、3本である。また、本実施の形態では、3本のリード113は、光電変換素子パッケージ110を底面視したときに周方向に等間隔となるように配置されている。
【0017】
光レセプタクル140は、光電変換素子パッケージ110と光伝送体150との間に配置されたときに、発光素子114または受光素子115を含む光電変換素子パッケージ110と、光伝送体150の端面とを光学的に結合させる。本実施の形態のように、送信用の光モジュール100では、光レセプタクル140は、光電変換素子112としての発光素子114から出射された光を入射させ、入射させた光を光伝送体150の端面に向けて出射する。なお、受信用の光モジュール100では、光レセプタクル140は、光伝送体150の端面から出射された光を入射させ、光電変換素子112としての受光素子115の受光面に向けて出射する。
【0018】
光伝送体150の種類は、特に限定されない。光伝送体150の種類の例には、光ファイバー、光導波路が含まれる。本実施の形態では、光伝送体150は、フェルール151および第2固定部材129を介して光レセプタクル本体120に接続される。フェルール151は、光伝送体150を取り囲むように配置された略円筒形状の部材である。光伝送体150をフェルール151の内部に配置した状態で、後述の第2固定部材129に固定される。本実施の形態では、光伝送体150は、光ファイバーである。また、光ファイバーは、シングルモード方式でもよいし、マルチモード方式でもよい。
【0019】
(光レセプタクルの構成)
図2A~Cは、光レセプタクル140の構成を示す図である。図2Aは、実施の形態1の光レセプタクル240における第1中心軸CA1および第2中心軸CA2を含む断面図であり、図2Bは、底面図であり、図2Cは、図2Aに示されるA-A線の断面図である。
【0020】
図2A~Cに示されるように、光レセプタクル140は、光レセプタクル本体120と、固定部材130とを有する。本実施の形態では、固定部材130は、第1固定部材128と、第2固定部材129とを含む。
【0021】
光レセプタクル本体120は、略円筒状の光学部材である。本実施の形態では、光レセプタクル本体120の一端には第1固定部材128を介して光電変換素子パッケージ110が固定され、他端には第2固定部材129を介して光伝送体150が固定される。光レセプタクル本体120は、第1光学面121と、第2光学面122と、溝123とを有する。本実施の形態では、溝123は、第1溝124と、第2溝125とを含む。
【0022】
光レセプタクル本体120は、光通信に用いられる波長の光に対して透光性を有する材料を用いて形成される。光レセプタクル140の材料の例には、ウルテム(登録商標)などのポリエーテルイミド(PEI)や環状オレフィン樹脂などの透明な樹脂が含まれる。また、光レセプタクル本体120は、例えば射出成形により一体成形されて製造されうる。
【0023】
第1光学面121は、光電変換素子パッケージ110(発光素子114)から出射された光を光レセプタクル本体120の内部に入射させるか、または第2光学面122で入射し光レセプタクル本体120の内部を進行した光を光電変換素子パッケージ110(受光素子115)に向けて出射させるための光学面である。第1光学面121の形状は、特に限定されない。第1光学面121は、光電変換素子パッケージ110に向かって凸状の凸レンズ面でもよいし、光電変換素子パッケージ110に対して凹状の凹レンズ面でもよいし、平面であってもよい。本実施の形態では、第1光学面121は、光電変換素子パッケージ110に向かって凸状の凸レンズ面である。第1光学面121の平面視形状は、特に限定されない。第1光学面121の平面視形状は、円形状でもよいし、楕円形状でもよい。本実施の形態では、第1光学面121の平面視形状は、円形状である。
【0024】
第1光学面121の第1中心軸CA1は、光電変換素子112の表面(発光素子114の発光面)に対して垂直でもよいし、垂直でなくてもよい。本実施の形態では、第1中心軸CA1は、光電変換素子112の表面(発光素子114の発光面)に対して垂直である。また、第1光学面121の第1中心軸CA1は、光電変換素子パッケージ110の表面(発光素子114の発光面)の中心と一致することが好ましい。第1光学面121の周りには、第1光学面121(第1中心軸CA1)を取り囲むように配置された形状の第1筒部126が配置されている。
【0025】
第1筒部126は、環状の第1溝124を有する。第1溝124は、第1光学面121の第1中心軸CA1を取り囲むように配置されている。第1溝124の平面視形状は、第1光学面121を取り囲むように配置されており、かつ第1固定部材128と略相補的な形状であれば、特に限定されない。本実施の形態では、第1溝124の平面視形状は、円環形状である。第1溝124には、第1固定部材128が篏合される。
【0026】
第1固定部材128は、その一端が光レセプタクル本体120に固定され、他端には光電変換素子パッケージ110が固定される筒状の部材である。本実施の形態では、第1固定部材128の軸方向に直行する面における第1固定部材128の断面形状は、円形状である。すなわち、本実施の形態における第1固定部材128は、円筒形状である。第1固定部材128の軸方向における長さは、上記の機能を発揮でき、第1光学面121に対して光電変換素子122を適切な距離に配置できれば特に限定されない。本実施の形態では、第1固定部材128の軸方向における長さは、第1溝124の深さより長い。これにより、第1固定部材128の一端を光レセプタクル本体120に固定でき、他端を光電変換素子パッケージ110に固定できる。また、第1光学面121と、光電変換素子パッケージ110との間隔を所期の長さにできる。なお、本実施の形態では、第1固定部材128の他端において、第1固定部材128の内側に接触するように、光電変換素子パッケージ110が配置される。
【0027】
第1固定部材128は、光レセプタクル本体120よりも線膨張係数が小さい材料で構成されている。第1固定部材128の材料は、線膨張係数が光レセプタクル本体120の材料よりも小さければ特に限定されない。第1固定部材128の材料の線膨張係数は、1×10-6以上10×10-6未満程度が好ましい。第1固定部材128の線膨張係数が1×10-6以上であれば、光モジュール100の使用条件下で温度が変化してもほとんど変形することがない。第1固定部材128の材料の例には、金属、セラミックス、ガラスなどが含まれる。第1固定部材128の材料は、固定方法の観点から、金属であることが好ましい。また、使用される金属の種類も限定されない。金属の種類の例には、ステンレス鋼、鉄、アルミニウム、が含まれる。
【0028】
第1固定部材128は、第1溝124の内面の少なくとも一部と接するように第1溝124に篏合される。光レセプタクル本体120と、第1固定部材128とは、それぞれを成形後、光レセプタクル本体120の第1溝124に第1固定部材128を圧入しながら篏合して組み立ててもよい。この場合、第1固定部材128と、第1溝124とを嵌合するときには、第1溝124および第1固定部材128を圧入する。また、光レセプタクル本体120と、第1固定部材128とは、インサート成形により組み立ててもよい。また、第1固定部材128と、光電変換素子パッケージ110を嵌合する場合には、接着剤で固定するか、第1固定部材128に光電変換素子パッケージ110を圧入して嵌合させるか、または第1固定部材128に光電変換素子パッケージ110を溶接して固定する。
【0029】
第2光学面122は、第1光学面121で入射し光レセプタクル本体120の内部を進行した光を光伝送体150の端面に向けて出射させるか、または光伝送体150の端面から出射された光を光レセプタクル本体120の内部に入射させるための光学面である。第2光学面122の形状は、特に限定されない。第2光学面122は、光伝送体150に向かって凸状の凸レンズ面でもよいし、光伝送体150に対して凹状の凹レンズ面でもよいし、平面であってもよい。本実施の形態では、第2光学面122は、平面である。第2光学面122の平面視形状は、特に限定されない。第2光学面122の平面視形状は、円形状でもよいし、楕円形状でもよい。本実施の形態では、第2光学面122の平面視形状は、円形状である。
【0030】
第2光学面122の第2中心軸CA2は、光伝送体150の端面に対して垂直でもよいし、垂直でなくてもよい。本実施の形態では、第2中心軸CA2は、光伝送体150の端面に対して垂直である。第2光学面122の第2中心軸CA2は、光伝送体150の端面の中心と一致することが好ましい。第2光学面122の周りには、第2光学面122を取り囲むように配置された筒形状の第2筒部127が配置されている。
【0031】
第2筒部127は、環状の第2溝125を有する。第2溝125は、第2光学面122の第2中心軸CA2を取り囲むように配置されている。第2溝125の平面視形状は、第2光学面122を取り囲むように配置されており、かつ第2固定部材129の本体固定部152aと略相補的な形状であれば、特に限定されない。本実施の形態では、第2溝125の平面視形状は、円環状である。第2溝125には、第2固定部材129が嵌合される。
【0032】
第2固定部材129は、その一端が光レセプタクル本体120に固定され、他端には光伝送体150(フェルール151)が固定される筒状の部材である。本実施の形態では、第2固定部材129は、本体固定部152aと、フェルール固定部152bとを有する。本実施の形態では、本体固定部152aと、フェルール固定部152bとは、一体に形成されている。本体固定部152aの軸方向に直行する面における本体固定部152aの断面形状は、円形状である。すなわち、本実施の形態における本体固定部152aは、円筒形状である。フェルール固定部152bは、厚肉の円筒形状である。円筒の内部には、フェルール151に指示された光伝送体150が配置される。第2固定部材129の軸方向における長さは、上記の機能を発揮でき、第2光学面122に対して光伝送体150を適切な距離に配置できれば特に限定されない。本実施の形態では、第2固定部材129の軸方向における長さは、第2溝125の深さより長い。これにより、第2固定部材129の一端を光レセプタクル本体120に固定でき、他端を光伝送体150(フェルール151)に固定できる。また、第2光学面122と、光伝送体150の端面との間隔を所期の長さにできる。
【0033】
第2固定部材129は、光レセプタクル本体120よりも線膨張係数が小さい材料で構成されている。第2固定部材129の材料は、第1固定部材128と同じ材料を使用できる。
【0034】
第2固定部材129は、第2溝125の内面の少なくとも一部と接するように篏合される。光レセプタクル本体120と、第2固定部材129とは、それぞれを成形後、光レセプタクル本体120の第2溝125に第2固定部材129を篏合するようにして組み立ててもよい。この場合、第2固定部材129と、第2溝125とを嵌合するときには、第2溝125および第2固定部材129を圧入する。また、光レセプタクル本体120と、第2固定部材129とは、インサート成形により組み立ててもよい。また、第2固定部材129と、フェルール151とを嵌合する場合には、接着剤で固定するか、またはフェルール固定部152bにフェルール151を圧入して嵌合させる。
【0035】
ここで、光モジュール100の使用条件下における温度の影響について説明する。なお、第1筒部126および第1固定部材128に対する温度の影響と、第2筒部127および第2固定部材129に対する温度の影響とは、実質的に同じであるため、ここでは、第1筒部126および第1固定部材128に対する温度の影響について説明する。図3Aは、常温環境下における第1筒部126および第1固定部材128の間に働く応力を示す模式図であり、図3Bは、高温環境下における第1筒部126および第1固定部材128の間に働く応力を示す模式図であり、図3Cは、低温環境下における第1筒部126および第1固定部材128の間に働く応力を示す模式図である。図3A~Cは、図2Bに示される底面図を同じ向きの図である。
【0036】
図3Aに示されるように、常温環境下では、第1筒部126および第1固定部材128の間には、いずれの方向に対しても温度変化に起因する応力が発生していない。よって、第1光学面121の第1中心軸CA1と、発光素子114の中心とは、位置ズレしない。
【0037】
図3Bに示されるように、高温環境下にある光モジュール100では、光レセプタクル本体120が膨張して、第1固定部材128を径方向外側に向かって押圧する。これは、光レセプタクル本体120の材料の線膨張係数と、第1固定部材128の材料の線膨張係数とを比較した場合、光レセプタクル本体120の材料の線膨張係数が第1固定部材128の材料の線膨張係数よりも大きいためである。このとき、光レセプタクル本体120(第1筒部126)は、第1固定部材128を均等に径方向外側に押圧するため、第1光学面121の第1中心軸CA1と、発光素子114の中心とは、位置ズレしない。また、第1固定部材128が光レセプタクル本体120から外れることもない。
【0038】
図3Cに示されるように、低温環境下にある光モジュール100では、光レセプタクル本体120が収縮して、第1固定部材128を径方向内側に向かって押圧する。これは、光レセプタクル本体120の材料の線膨張係数と、第1固定部材128の材料の線膨張係数とを比較した場合、光レセプタクル本体120の材料の線膨張係数が第1固定部材128の材料の線膨張係数よりも大きいためである。このとき、光レセプタクル本体120(第1筒部126)は、第1固定部材128を均等に径方向内側に押圧するため、第1光学面121の第1中心軸CA1と、発光素子114の中心とは、位置ズレしない。また、第1固定部材128が光レセプタクル本体120から外れることもない。
【0039】
ここで、本発明の効果について説明する。なお、第1光学面121の第1中心軸CA1および発光素子114の発光面の中心の関係と、第2光学面122の第2中心軸CA2および光伝送体150の端面の中心との関係は実質的に同じであるため、ここでは、第1光学面121の第1中心軸CA1および発光素子114の発光面の中心の関係を例にして説明する。
【0040】
図4Aは、比較例の場合について説明するための模式図である。図4Bは、本発明の効果を説明するための模式図である。これらの図では、第1筒部126のうち第1溝124よりも外側に位置する部分の内壁面(第1固定部材128の外周面と接触する面)と、光電変換素子パッケージ110のうち第1固定部材128に嵌合する部分の外壁面(第1固定部材128の内周面と接触する面)とを示している。ここでは、第1筒部126の上記部分の内径は5.2mmであり、光電変換素子パッケージ110の上記部分の外径は3.55mmとした。これらの図における符号Oは、発光素子114の発光面の中心を示している。また、光伝送体150は、コア径が50μmのマルチモード光ファイバーとした。
【0041】
なお、図4Aに示される比較例の光モジュールでは、光電変換素子パッケージ110は、第1固定部材128を用いることなく接着剤を用いて第1筒部126内に固定されているものとした。前述のとおり、図4Bに示される本実施の形態の光モジュール100では、光電変換素子パッケージ110は、第1固定部材128を用いて第1筒部126内に固定されている。
【0042】
図4Aに示されるように、比較例の光モジュールの場合、高温環境下または低温環境下では、光レセプタクル本体120および接着剤が膨張または収縮する。特に、接着剤は均一に塗布することが難しいため、不均一に膨張または収縮する。このため、第1筒部126の中心(第1光学面121の第1中心軸CA1)と、光電変換素子パッケージ110の中心(発光素子114の中心)Oとは、位置ズレしてしまう。このとき、例えば、第1筒部126の内壁面の中心(第1光学面121の第1中心軸CA1)と、光電変換素子パッケージ110における発光素子114の発光面の中心Oとのズレ量が、0.0017mmであれば、光結合効率は最大値(88%)を維持できる。なお、光結合効率の最大値が100%ではなく88%であるのは、各境界面における反射を考慮しているからである。ズレ量が0.017mmになると光結合効率が38%に低減し、ズレ量が0.845mmになると光結合効率が0%になる。すなわち、発光素子114から出射した光が、光伝送体150の端面に入射しなくなる。
【0043】
一方、図4Bに示されるように、本実施の形態の光モジュール100の場合、高温環境下または低温環境下では、光レセプタクル本体120が膨張または収縮するが、第1筒部126の中心(第1光学面121の第1中心軸CA1)と、光電変換素子パッケージ110の中心(発光素子114の中心)とは、一致したままとなる。これは、第1筒部126中心と、第1光学面121の第1中心軸CA1とが位置ずれしないように、第1固定部材128に対して均等に応力が作用するためである。このとき、第1筒部126の内壁面の中心と、光電変換素子パッケージ110の中心Oとは一致しているため、光結合効率は最大値(88%)である。
【0044】
(効果)
以上のように、本実施の形態に係る光モジュール100では、固定部材130が光レセプタクル本体120よりも線膨張係数が小さい材料で構成され、かつ、高温環境時または低温環境時において、点対称となるように固定部材130に応力が作用するため、第1光学面121の第1中心軸CA1および発光素子114の発光面の中心と、第2光学面122の第2中心軸CA2および光伝送体150の端面の中心との位置精度が維持される。よって、光モジュール100の周囲の温度変化に関わらず、適切に光通信を行うことができる。
【0045】
[実施の形態2]
次に、実施の形態2の光モジュールについて説明する。本実施の形態の光モジュールでは、光レセプタクル240における溝223の形状が、実施の形態1に係る光モジュール100と異なる。そこで、ここでは、主として光レセプタクル240の構成について説明する。
【0046】
(光レセプタクルの構成)
図5A~Cは、実施の形態2に係る光レセプタクル240の構成を示す図である。図5Aは、実施の形態2の光レセプタクル240における第1中心軸CA1および第2中心軸CA2を含む断面図であり、図5Bは、底面図であり、図5Cは、図5Aに示されるA-A線の断面図である。
【0047】
図5A~Cに示されるように、光レセプタクル240は、光レセプタクル本体220と、固定部材130とを有する。光レセプタクル本体220は、第1光学面121と、第2光学面122と、溝223とを有する。溝223は、第1筒部226に配置された第1溝224と、第2筒部227に配置された第2溝225とを含む。
【0048】
第1溝224は、第1光学面121の第1中心軸CA1を取り囲むように配置されている。本実施の形態では、第1溝224の平面視形状は、略円形状である。第1溝224の第1中心軸CA1側の内面には、第1凹条224aまたは凸条が配置されている。
【0049】
第1凹条224aは、第1中心軸CA1に沿う方向に配置されている。第1凹条224aの数は、光モジュールを組み立てるときの常温環境下において、第1溝224の内壁面と第1固定部材128との接触面積を減少させることができれば特に限定されない。本実施の形態では、第1凹条224aの数は、6個である。複数の第1凹条224aは、周方向において等間隔となるように配置されることが好ましい。複数の第1凹条224aが周方向に等間隔に配置されることで、第1中心軸CA1および発光素子114の発光面の中心の位置精度を維持できる。
【0050】
第1凹条224aの深さは、光モジュールを高温環境下に配置し、第1筒部226が膨張したときに、第1凹条224aの底部が第1固定部材128に接触する程度であることが好ましい。これにより、高温環境下において、第1溝224の中心軸CA1側の内面全面から第1固定部材128に対して応力が働くため、実施の形態1と同様に第1中心軸CA1と発光面の中心との位置精度を維持できる。本実施の形態における第1溝224に第1固定部材128を嵌合させる場合、第1凹条224aの部分では第1固定部材128が第1筒部226に接触しないため、第1溝224と、第1固定部材128との間に生じる摩擦が低減される。よって、組み立て作業が容易となる。
【0051】
第2溝225は、第2光学面122の第2中心軸CA2を取り囲むように配置されており、光伝送体150に対向した第2筒部227の頂面に開口している。本実施の形態では、第2溝225の平面視形状は、円環形状である。第2溝225の第1中心軸CA1側の内面には、複数の第2凹条225aが配置されている。第2凹条225aの形状は、第1溝224に配置された第1凹条224aと同じであるため、その説明を省略する。本実施の形態における第2溝225に第2固定部材129を嵌合させる場合、第2凹条225aには第2固定部材129が接触しないため、第2溝225と、第2固定部材129との間に生じる摩擦が低減される。よって、組み立て作業が容易となる。
【0052】
(効果)
以上のように、本実施の形態に係る光モジュールは、実施の形態1に係る光モジュール100と同様の効果に加え、組み立てが容易となる。
【0053】
(変形例1および変形例2)
次に、本実施の形態の変形例1および変形例2に係る光モジュールについて説明する。本実施の形態の変形例1および変形例2では、溝323、423の配置のみが実施の形態1に係る光モジュール100と異なる。そこで、ここでは、溝323、423の配置のみについて説明する。
【0054】
図6Aは、本実施の形態の変形例1に係る光モジュールにおける光レセプタクル340の底面図であり、図6Bは、第1中心軸CA1および第2中心軸CA2に直交する方向における断面図である。図6Cは、本実施の形態の変形例2に係る光モジュールにおける光レセプタクル440の底面図であり、図6Dは、第1中心軸CA1および第2中心軸CA2に直交する方向における断面図である。図6BおよびDは、図5Cに対応する断面図である。
【0055】
図6A、Bに示されるように、本実施の形態の変形例に係る光モジュールにおける光レセプタクル340は、光レセプタクル本体320と、固定部材130とを有する。光レセプタクル本体320は、第1光学面121と、第2光学面122と、溝323とを有する。溝323は、第1溝224と、第2溝125とを含む。すなわち、本変形例では、第1溝224は、実施の形態2における第1溝224と同じであり、第2溝125は、実施の形態1における第2溝125と同じである。
【0056】
図6C、Dに示されるように、本実施の形態の変形例に係る光モジュールにおける光レセプタクル440は、光レセプタクル本体420と、固定部材130とを有する。光レセプタクル本体420は、第1光学面121と、第2光学面122と、溝423とを有する。溝423は、第1溝124と、第2溝225とを含む。すなわち、本変形例では、第1溝124は、実施の形態1における第1溝124と同じであり、第2溝225は、実施の形態2における第2溝225と同じである。
【0057】
なお、本変形では、第1溝224の内側の内面または第2溝225の内側の内面に凹条224a、225aが配置された例を示しているが、第1溝224の外側の内面または第2溝225の外側の内面に凹条224a、225aが配置されていてもよい。
【0058】
(効果)
以上のように、本変形例に係る光モジュールは、実施の形態2に係る光モジュールと同様の効果を有する。
【0059】
[実施の形態3]
次に、本実施の形態3に係る光モジュールについて説明する。本実施の形態に係る光モジュールでは、溝523の形状および固定部材530の形状が、実施の形態1に係る光モジュール100と異なる。そこで、ここでは、主として溝523の形状および固定部材530の形状について説明する。
【0060】
(光レセプタクルの構成)
図7は、本実施の形態3に係る光レセプタクル540における第1中心軸CA1および第2中心軸CA2を含む断面図である。図8Aは、光レセプタクル540の底面図であり、図8Bは、第1中心軸CA1および第2中心軸CA2に直交する方向における断面図である。
【0061】
図7および図8A、Bに示されるように、光レセプタクル540は、光レセプタクル本体520と、固定部材530とを有する。光レセプタクル本体520は、第1光学面121と、第2光学面122と、溝523とを有する。溝523は、第1溝524と、第2溝525とを含む。固定部材530は、第1固定部材528と、第2固定部材529とを有する。
【0062】
第1溝524は、第1光学面121の第1中心軸CA1を取り囲むように第1筒部526に配置されている。本実施の形態では、第1溝524の平面視形状は、円環形状である。第1溝524の第1中心軸CA1側の内面は、底部から開口部に向かうにつれて、第1固定部材528から離れるように配置されている。
【0063】
本実施の形態では、第1溝524の第1中心軸CA1側の内面には、溝側段部524aが配置されている。溝側段部524aの数は、特に限定されない。溝側段部524aは、1つでもよいし、複数でもよい。本実施の形態では、溝側段部524aの数は、2個である。
【0064】
溝側段部524aの深さは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。溝側段部524aの深さは、光モジュールを高温環境下に配置し、光レセプタクル本体120が膨張したときに、溝側段部524aが第1固定部材528に接触する程度であることが好ましい。これにより、高温環境下において、第1溝524の内側全面から第1固定部材128に対して応力が働くため、実施の形態1と同様に第1中心軸CA1と発光素子114の発光面の中心との位置精度を維持できる。溝側段部524aを有する光レセプタクル540を高温環境下に配置すると、例えば、45℃~65℃の環境下に配置すると、第1溝524の底側の溝側段部524aが第1固定部材528を径方向外側に向かって押圧する。さらに、例えば、65~85℃程度の環境下に配置すると、底側の溝側段部524aに加え、開口部側の溝側段部524aも第1固定部材128を径方向外側に向かって押圧する。
【0065】
第1固定部材528は、第1溝524の溝側段部524aに対向する面に固定部材側段部528aが配置されている。固定部材側段部528aの数は、溝側段部の数と同じ数である。本実施の形態では、固定部材側段部528aの数は、2個である。2個の固定部材側段部は、2個の溝側段部524aと略相補的な形状である。
【0066】
第1溝524の底側の溝側段部524aおよび第1固定部材528の先端側の固定部材側段部528aの間隔と、第1溝524の開口部側の溝側段部524aおよび第1固定部材528の他方の固定部材側段部528aの間隔とは、同じでもよいし、異なっていてもよい。本実施の形態では、第1溝524の底側における当該間隔は、第1溝524の開口部側の当該間隔よりも短い。
【0067】
第2溝525は、第2光学面122の第2中心軸CA2を取り囲むように配置されており、光伝送体150に対向した第2筒部527の頂面に開口している。本実施の形態では、第2溝525の平面視形状は、略円環形状である。第2溝525の第2中心軸CA2側の内面は、底部から開口部に向かうにつれて、第2固定部材529から離れるように配置されている。第2溝525の構造は、第1溝524の構造と同じであるため、その説明を省略する。すなわち、本実施の形態では、第2溝525は2個の溝側段部525aを有している。
【0068】
第2固定部材529は、第2溝525の溝側段部525aに対向する面に固定部材側段部529aが配置されている。固定部材側段部529aの数は、溝側段部525aの数と同じ数である。本実施の形態では、2個の固定部材側段部529aは溝側段525aと相補的な形状である。
【0069】
(効果)
以上のように、本実施の形態に係る光モジュールは、実施の形態2に係る光モジュールと同様の効果を有する。
【0070】
(変形例1および変形例2)
次に、本実施の形態の変形例1および変形例2に係る光モジュールについて説明する。本実施の形態の変形例1および変形例2では、溝623、723の構成および固定部材630、730の構成のみが実施の形態1に係る光モジュールと異なる。そこで、ここでは、主として溝623、723の構成および固定部材630、730の構成について説明する。
【0071】
図9Aは、本実施の形態の変形例1に係る光レセプタクル640の断面図であり、図9Bは、変形例2に係る光レセプタクル740の断面図である。
【0072】
図9Aに示されるように、本実施の形態の変形例1に係る光モジュールにおける光レセプタクル640は、光レセプタクル本体620と、固定部材630とを有する。光レセプタクル本体620は、第1光学面121と、第2光学面122と、溝623とを有する。溝623は、第1溝524と、第2溝125とを含む。すなわち、本変形例では、第1溝524および第1固定部材528は、実施の形態3における第1溝524および第1固定部材528と同じであり、第2溝125および第2固定部材129は、実施の形態1における第2溝125および第2固定部材129と同じである。
【0073】
図9Bに示されるように、本実施の形態の変形例に係る光モジュールにおける光レセプタクル740は、光レセプタクル本体720と、固定部材730とを有する。光レセプタクル本体720は、第1光学面121と、第2光学面122と、溝723とを有する。溝723は、第1溝124と、第2溝525とを含む。すなわち、本変形例では、第1溝124および第1固定部材128は、実施の形態1における第1溝124および第1固定部材128と同じであり、第2溝525および第2固定部材529は、実施の形態3における第2溝525および第2固定部材529と同じである。
【0074】
以上のように、本実施の形態に係る光モジュールは、実施の形態2に係る光モジュールと同様の効果を有する。
【0075】
なお、光レセプタクルは、第1固定部材128、528および第2固定部材129、529のいずれか一方を有していてもよい。光レセプタクルが第1固定部材128、528または第2固定部材129、529のいずれか一方のみを有していても、光レセプタクルの使用温度による変形を抑制できる。よって、発光素子114の発光面の中心と、光伝送体150との位置ずれを抑制できる。
【産業上の利用可能性】
【0076】
本発明に係る光レセプタクルおよび光モジュールは、光伝送体を用いた光通信に有用である。
【符号の説明】
【0077】
100 光モジュール
110 光電変換素子パッケージ
111 筐体
112 光電変換素子
113 リード
114 発光素子
115 受光素子
120、220、320、420、520、620、720 光レセプタクル本体
121 第1光学面
122 第2光学面
123、223、323、423、523、623、723 溝
124、224、524 第1溝
125、225、525 第2溝
126、226、526 第1筒部
127、227、527 第2筒部
128、528 第1固定部材
129、529 第2固定部材
130、530、630、730 固定部材
140、240、340、440、540、640、740 光レセプタクル
150 光伝送体
151 フェルール
152a 本体固定部
152b フェルール固定部
224a 第1凹条
225a 第2凹条
524a、525a 溝側段部
528a、529a 固定部材側段部
CA1 第1中心軸
CA2 第2中心軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9