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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022017915
(43)【公開日】2022-01-26
(54)【発明の名称】変速機
(51)【国際特許分類】
   F16H 57/031 20120101AFI20220119BHJP
   F16H 57/021 20120101ALI20220119BHJP
   F16H 57/029 20120101ALI20220119BHJP
【FI】
F16H57/031
F16H57/021
F16H57/029
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020120762
(22)【出願日】2020-07-14
(71)【出願人】
【識別番号】000000929
【氏名又は名称】KYB株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】特許業務法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 健司
【テーマコード(参考)】
3J063
【Fターム(参考)】
3J063AA15
3J063AB12
3J063AC01
3J063BB44
3J063BB48
3J063CD42
3J063CD46
3J063XD32
3J063XD62
(57)【要約】
【課題】変速機を軽量化する。
【解決手段】変速機100は、駆動源の出力回転を変速する変速機構40と、変速機構40を収容し、変速された出力回転が伝達されて回転する筒状の回転ハウジング15と、回転ハウジング15の開口端部15aの内周に嵌装され、開口端部15aを閉塞するカバー50と、を備え、カバー50は、変速機構40に向けて突出しその裏側が凹部55aとして形成されて変速機構40を支持する支持部55を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動源に接続され前記駆動源の出力回転を変速する変速機構と、
前記変速機構を収容し、変速された前記出力回転が伝達されて回転する筒状の回転ハウジングと、
前記変速機構に対して前記駆動源とは反対側に開口する前記回転ハウジングの開口端部の内周に嵌装され、前記開口端部を閉塞するカバーと、を備え、
前記カバーは、前記変速機構に向けて突出しその裏側が凹部として形成されて前記変速機構を支持する支持部を有することを特徴とする変速機。
【請求項2】
前記支持部は、前記回転ハウジングの中心軸に対して傾斜する傾斜部を有することを特徴とする請求項1に記載の変速機。
【請求項3】
前記傾斜部は、前記回転ハウジングの前記中心軸に対して直線状に傾斜するテーパ部であり、
前記回転ハウジングの前記中心軸に対して垂直な平面に対する前記テーパ部の角度は、5°以上であって30°以下の範囲内で形成されることを特徴とする請求項2に記載の変速機。
【請求項4】
前記カバーは、
前記回転ハウジングの前記開口端部の内周に取り付けられる円板状の取付プレートと、
前記取付プレートよりも前記変速機構側に取り付けられ、前記支持部が設けられる支持プレートと、を有することを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の変速機。
【請求項5】
前記カバーは、前記取付プレートの外周縁に設けられる曲折部と前記支持プレートとによって区画されるシール収容空間に収容され前記カバーと前記回転ハウジングの前記開口端部の内周との間を封止するシール部材を有することを特徴とする請求項4に記載の変速機。
【請求項6】
前記カバーは、前記回転ハウジングの中心軸に対して垂直に形成され前記変速機構に接触する接触面を有する接触部を有し、
前記接触部は、前記支持部とは別体に形成されて前記支持部に取り付けられていることを特徴とする請求項4又は5に記載の変速機。
【請求項7】
前記支持部は、金属製であり、
前記接触部は、樹脂製であることを特徴とする請求項6に記載の変速機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、変速機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、油圧モータが収容される固定ハウジングと、油圧モータのシャフトの出力回転を変速する変速機構と、変速機構を収容し、変速された出力回転が伝達されて回転する回転ハウジングと、回転ハウジングの開口端を閉塞するカバーと、を備える変速機が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-116055号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の変速機では、油圧モータのシャフトの回転に伴いシャフトを通じて変速機構にシャフトの軸方向に沿った荷重が作用することがある。このようにして変速機構に作用する荷重は、カバーによって支持される。よって、カバーは、この荷重を支持するために板厚を厚くして剛性を確保する必要があり、変速機の重量化の一因となっていた。
【0005】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、変速機を軽量化することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、変速機であって、駆動源に接続され駆動源の出力回転を変速する変速機構と、変速機構を収容し、変速された出力回転が伝達されて回転する筒状の回転ハウジングと、変速機構に対して駆動源とは反対側に開口する回転ハウジングの開口端部の内周に嵌装され、開口端部を閉塞するカバーと、を備え、カバーは、変速機構に向けて突出しその裏側が凹部として形成されて変速機構を支持する支持部を有することを特徴とする。
【0007】
本発明では、カバーの支持部は、変速機構に向けて突出しその反対側が凹部として形成される形状であるため、変速機構に向けて突出しない平坦な形状と比較して、同じ板厚であっても変速機構から受ける荷重に対する剛性が高くなる。よって、カバーの剛性を確保しつつその板厚を薄く形成することができる。
【0008】
また、本発明は、支持部が、回転ハウジングの中心軸に対して傾斜する傾斜部を有することを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、傾斜部が、回転ハウジングの中心軸に対して直線状に傾斜するテーパ部であり、回転ハウジングの中心軸に対して垂直な平面に対するテーパ部の角度は、5°以上であって30°以下の範囲内で形成されることを特徴とする。
【0010】
これらの発明では、カバーの剛性を確保しつつ、回転ハウジングの中心軸方向での変速機の大型化を抑制できる。
【0011】
また、本発明は、カバーが、回転ハウジングの開口端部の内周に取り付けられる円板状の取付プレートと、取付プレートよりも変速機構側に取り付けられ、支持部が設けられる支持プレートと、を有することを特徴とする。
【0012】
この発明では、取付プレートと支持プレートとをプレス成型により製造することができる。
【0013】
また、本発明は、カバーが、取付プレートの外周縁に設けられる曲折部と支持プレートとによって区画されるシール収容空間に収容されカバーと回転ハウジングの開口端部の内周との間を封止するシール部材を有することを特徴とする。
【0014】
この発明では、取付プレートと支持プレートとによってシール部材を収容するシール収容空間が区画されるため、シール部材を取り付けるための溝等を別途加工する必要がなく、製造が容易である。
【0015】
また、本発明は、カバーが、回転ハウジングの中心軸に対して垂直に形成され変速機構に接触する接触面を有する接触部を有し、接触部は、支持部とは別体に形成されて支持部に取り付けられていることを特徴とする。
【0016】
この発明では、支持部と接触部とが別体であるため、変速機構に接触する接触部の材質を、支持部の材質によらずに適切なものとすることができる。
【0017】
また、本発明は、支持部が金属製であり、接触部が樹脂製であることを特徴とする。
【0018】
この発明では、変速機構に接触する接触部が摺動性に優れた樹脂材によって形成されるため、カバーの耐久性が向上する。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、変速機を軽量化できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の第1実施形態に係る変速機を備える変速機付モータの断面図である。
図2】本発明の第1実施形態に係る変速機のカバーの正面図である。
図3】本発明の第1実施形態に係る変速機のカバーの背面図である。
図4】本発明の第2実施形態に係る変速機のカバー周辺を示す断面図である。
図5】本発明の第2実施形態に係る変速機のカバーの正面図である。
図6】本発明の比較例に係る変速機のカバー周辺を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(第1実施形態)
以下、図面を参照して、本発明の第1実施形態に係る変速機100及びこれを備える駆動装置としての変速機付モータ101について説明する。
【0022】
変速機付モータ101は、例えば、油圧ショベルなどのクローラ式作業機の車軸部に設けられてクローラベルトを駆動する走行モータに用いられる。
【0023】
図1に示すように、変速機付モータ101は、ハウジング1と、駆動源としての油圧モータ20(モータ)と、油圧モータ20のモータ軸(図示せず)に接続されモータ軸の出力回転を減速する変速機100と、を備える。
【0024】
ハウジング1は、固定ハウジング10と、固定ハウジング10に対して回転作動する円筒状の回転ハウジング15と、回転ハウジング15の開口端部15aの内周に嵌装され、回転ハウジング15の開口端部15aを閉塞するカバー50と、を備える。回転ハウジング15の開口端部15aは、変速機100に対して油圧モータ20とは反対側(変速機100に対して図1中右側)で開口する回転ハウジング15の端部である。回転ハウジング15の外周面にはスプロケット(図示せず)が連結される。回転ハウジング15とスプロケットとが共に回転することで、スプロケットに噛み合うクローラベルト(図示せず)が循環して車両が走行する。
【0025】
固定ハウジング10及び回転ハウジング15は、クローラベルトが循環する経路の内側に配置される。回転ハウジング15は、外部部材としての車体102に連結される固定ハウジング10に対してベアリング3を介して回転自在に支持され、その中心軸を中心として回転作動する。
【0026】
固定ハウジング10は、本体部11の外周面から突出して形成され車体102に取り付けられる固定フランジ部12を有する。
【0027】
カバー50は、円盤状に形成されており、回転ハウジング15の開口端部15aの内周に着脱可能に取り付けられる。カバー50の具体的構成は、後に詳細に説明する。
【0028】
回転ハウジング15の内面と、固定ハウジング10の本体部11の外面と、カバー50と、によって後述する変速機構40を収容するギヤ室4が画成される。ギヤ室4には、変速機構40を潤滑する潤滑油が充填される。
【0029】
回転ハウジング15には、外周面から環状に突出する回転フランジ部16が形成される。上述のスプロケットは、複数のボルト(図示せず)によって回転フランジ部16に締結され、回転ハウジング15と共に回転作動する。
【0030】
固定ハウジング10と回転ハウジング15の間には、フローティングシール5が設けられる。フローティングシール5は、回転ハウジング15の回転作動時に、変速機100内の作動油が外部に漏出しないように密封するとともに、外部から異物が変速機100内に侵入することを防止する。
【0031】
また、固定ハウジング10と回転ハウジング15の間には、フローティングシール5の外側に外部からの泥などの異物が侵入することを防止するラビリンスシール6が形成される。ラビリンスシール6は、固定ハウジング10と回転ハウジング15の互いに対向する端面同士の間隙によって形成される。
【0032】
油圧モータ20は、固定ハウジング10の本体部11の内部に設けられる。油圧モータ20は、例えば、作動油(作動液)の給排によって回転駆動される斜板式ピストンモータである。なお、モータは、油圧モータ20(液圧モータ)以外であってもよく、例えば、電動モータなどを用いてもよい。油圧モータ20は、公知の構成を採用できるため、図1では簡略化して図示しており、本明細書では詳細な説明を省略する。
【0033】
変速機100は、油圧モータ20のモータ軸と同軸的に連結されモータ軸の回転が伝達されるドライブシャフト31と、回転ハウジング15の内部に収容されドライブシャフト31を変速する変速機構40と、を有する。
【0034】
変速機構40は、ドライブシャフト31を通じて伝達される油圧モータ20のモータ軸の出力回転を減速して回転ハウジング15に伝達する。ドライブシャフト31と油圧モータ20のモータ軸とは、例えばスプライン結合により連結される。
【0035】
変速機構40は、遊星歯車機構である。変速機構40は、ドライブシャフト31に設けられるサンギヤ41と、回転ハウジング15の内壁に設けられるインナーギヤ42と、サンギヤ41とインナーギヤ42との双方に噛み合う複数のプラネタリギヤ43と、各プラネタリギヤ43を支持するプラネタリキャリア44と、プラネタリキャリア44と噛み合う2段目のサンギヤ45と、サンギヤ45とインナーギヤ42との双方に噛み合う複数のプラネタリギヤ46と、を備える。各プラネタリキャリア44は、キャリアプレート47によって互いに連結されている。
【0036】
次に、図1図3を参照して、カバー50の構成について具体的に説明する。図2は、変速機構40側(図1中左側)からドライブシャフト31の軸方向に沿ってカバー50を見た正面図であり、図3図2とは反対側(図1中右側)からカバー50を見た背面図である。図2及び図3では、図中上下方向が鉛直方向に相当し、図中の上方が鉛直方向の上方に相当する。
【0037】
図1に示すように、カバー50は、回転ハウジング15の開口端部15aの内周に取り付けられる取付部51と、回転ハウジング15の軸方向において変速機構40を支持する支持部55と、回転ハウジング15の中心軸に対して垂直に形成され変速機構40に接触する接触面61を有する接触部60と、を有する。
【0038】
取付部51は、回転ハウジング15の中心軸に対して略垂直な円環状に形成される。取付部51の外周面(カバー50の外周面)には、環状のシール溝50aが周方向に延びて形成される。シール溝50aには、取付部51と回転ハウジング15の内周面との間を封止するシール部材としてのOリング70が収容される。
【0039】
また、図1図3に示すように、取付部51には、板厚方向に貫通する3つの貫通孔51a,51b,51cと、各貫通孔51a,51b,51cを塞ぐプラグ71と、が設けられる。3つの貫通孔51a,51b,51cは、互いに同じ内径に形成されており、ドライブシャフト31の中心軸を中心とする共通のピッチ円PC上に配置される。なお、図1では、貫通孔51c及び貫通孔51cを塞ぐプラグ71のみを図示しており、貫通孔51a,51b及び貫通孔51a,51bを塞ぐプラグ71は図示を省略している。
【0040】
3つの貫通孔51a,51b,51cのうち、貫通孔51aはギヤ室4内へ潤滑油を注入する給油口、貫通孔51cはギヤ室4内の潤滑油をケース外へ排出するための排出口、貫通孔51bがギヤ室4内の潤滑油量を確認するためのレベルゲージとして、それぞれ機能する。図2及び図3に示すように、給油口である貫通孔51aが相対的に鉛直方向の上方に配置され、排出口である貫通孔51cが相対的に鉛直方向の下方に配置される。これにより、給油口である貫通孔51aを通じてギヤ室4内に潤滑油を注入しやすく、排出口である貫通孔51cを通じてギヤ室4から潤滑油を排出しやすくなる。
【0041】
図1に示すように、支持部55は、回転ハウジング15の軸方向における一方側(図1中左側)が変速機構40に向けて取付部51から回転ハウジング15の軸方向に突出し、その裏側である他方側(図1中右側)は軸方向に窪んだ凹部55aとして形成される。つまり、凹部55aは、支持部55において突出する部分に対して回転ハウジング15の軸方向に対向するように設けられる。
【0042】
支持部55は、全周が回転ハウジング15の中心軸に対して傾斜する傾斜部としてのテーパ状のテーパ部56と、回転ハウジング15の中心軸に対して略垂直な円盤状の底部57と、を有する、いわゆるすり鉢形状(有底の円錐筒形状)に形成される。つまり、カバー50では、回転ハウジング15の中心軸に対して略垂直な取付部51及び底部57がテーパ状のテーパ部56によって接続される。また、テーパ部56は、回転ハウジング15の軸方向に沿って変速機構40に向かう(図中左方向に向かう)につれて径が小さくなるテーパ状である。よって、凹部55aの内径も、変速機構40に向かうにつれて小さくなるように形成される。
【0043】
テーパ部56は、回転ハウジング15の中心軸に沿った断面(図1に示す断面)において、回転ハウジング15の中心軸に対して直線状に傾斜する。つまり、テーパ部56は、厚さ(母線に対して垂直な方向の寸法)が均一な円錐面形状に形成される。
【0044】
接触部60は、変速機構40のキャリアプレート47と対向するように支持部55の底部57の一方側に設けられる。カバー50は、例えば鋳造によって形成され、取付部51、支持部55、及び接触部60が一体に形成される。
【0045】
図3に示すように、接触部60の接触面61には、互いに直交する一対の溝部61a,61bが形成される。接触部60の接触面61は、一対の溝部61a,61bよって4つの領域に隔てられる。一対の溝部61a,61bは、それぞれの両端が接触部60の外周面に開口している。一対の溝部61a,61bには、ギヤ室4に充填される潤滑油が導かれる。これにより、回転する変速機構40のキャリアプレート47に対して接触する接触部60の接触面61が潤滑される。
【0046】
油圧モータ20のモータ軸が回転駆動されると、モータ軸に連結するドライブシャフト31がモータ軸の回転に伴って回転する。この際、モータ軸の回転に伴って、油圧モータ20から変速機構40に向けてモータ軸(ドライブシャフト31)の軸方向に沿った荷重(スラスト荷重)が生じる。
【0047】
スラスト荷重が変速機構40に作用することによって、変速機構40のキャリアプレート47がカバー50の接触部60に対して軸方向に接触する。よって、油圧モータ20から変速機構40に作用するスラスト荷重は、カバー50の支持部55によって支持される。
【0048】
接触部60の外径が大きく、接触面61の面積が大きくなるほど、接触部60に作用するスラスト荷重による面圧が下がる一方で、接触部60の体積が大きくなり重量が増加する。また、接触面61に形成される溝部61a,61bの数や大きさ、つまり、接触面61に対する溝部61a,61bの開口面積が大きくなるほど、キャリアプレート47と接触面61との摺動性が向上する一方で、接触面61の受圧面積が下がるためスラスト荷重に対する面圧は低下する。接触部60の外径、溝部61a,61bの数や形状は、接触部60の重量、接触面61に作用するスラスト荷重による面圧、溝部61a,61bによる潤滑性などを考慮して適切に設定される。本実施形態では、接触部60の外径は、支持部55の底部57の外径と略同一であり、凹部55aの最大内径よりも小さく形成される。
【0049】
ここで、本発明の理解を容易にするために、図6を参照して、本発明の比較例について説明する。なお、比較例では、上記実施形態と同様の構成については、上記実施形態と同様の符号を付して説明を省略する。
【0050】
図6に示すように、比較例に係る変速機300では、カバー250は、凹部55aが形成される支持部55を有しておらず、略円盤状に形成される。つまり、カバー250は、変速機構40とは反対側の面250aが軸方向に垂直な円形の平坦面として形成される。比較例におけるカバー250では、変速機構40から受けるスラスト荷重が大きいと、変速機構40とは反対側へ向けて(図6中右方向に向けて)膨らむように撓み変形するおそれがある。このような撓み変形を抑制するためには、カバー250の板厚を厚くして剛性を高くする必要がある。また、比較例のカバー250は、支持部55を有していない円盤状であるため、変速機構40との間隔が比較的大きい。よって、接触部260の厚さも大きくする必要がある。したがって、比較例では、カバー250の全体の体積が大きくなり、重量化を招くおそれがある。
【0051】
これに対し、本実施形態では、支持部55は、一方側が変速機構40へ向けて軸方向に突出し、その反対側が凹部55aとして形成される支持部55を有しているため、スラスト荷重に対して高い剛性を発揮する。また、カバー50は回転ハウジング15の開口端部15aに嵌装されるものであり、カバー50の外周は回転ハウジング15によって拘束されている。変速機構40から受けるスラスト荷重は、支持部55によって径方向外側へ向かう分力に変換され、この分力は回転ハウジング15によって受圧される。よって、カバー50は、回転ハウジング15によって径方向外側への変形が拘束されるため、スラスト荷重を受けても変形しにくく、スラスト荷重に対して高い剛性を発揮する。
【0052】
このように、本実施形態では、形状によって支持部55が高い剛性を発揮するため、比較例と比較して、取付部51及び支持部55の板厚を薄くすることができる。また、支持部55は、変速機構40に向けて突出するため、支持部55と変速機構40との間隔は小さくなる。よって、比較例よりも接触部60の板厚を薄くすることができる。このように、本実施形態では、カバー50の体積を減少させても高い剛性を発揮して変速機構40に作用するスラスト荷重を支持することができる。したがって、カバー50、ひいては、変速機100を軽量化することができる。
【0053】
スラスト荷重に対する剛性を高めるためには、取付部51と支持部55との境界部の径(凹部55aの最大内径)は、大きく形成することが望ましい。より具体的には、図2に示すように、凹部55aの最大内径D1は、取付部51(カバー50)の外径D2の少なくとも1/3以上(D1≧D2÷3)の大きさであることが望ましい。なお、本実施形態では、取付部51にはプラグ71が設けられるため、凹部55aの最大内径D1は、取付部51の外径の1/3以上であって、プラグ71に干渉しない大きさに形成されている。
【0054】
また、回転ハウジング15の中心軸に対して垂直な平面に対するテーパ部56の角度θ(鋭角側の角度。図1参照。)は、5°以上であって30°以下の範囲内であることが望ましい。本実施形態では、テーパ部56の角度θは、12°に設定される。
【0055】
変速機100は、例えば、クローラ式作業機の外側に設けられて外部に露出することがある。このため、変速機100には飛び石等の衝突の可能性があることから、変速機100のカバー50には、所定の強度(板厚)が求められる。カバー50のテーパ部56の角度θが5°未満であると、構造としての強度は比較例と同程度となり、強度確保には板厚を厚くする必要がある。このため、カバー50を軽量化することは困難である。一方、テーパ部56の角度θが30°超であると、構造としての強度は向上し板厚を薄くすることは可能であるが、回転ハウジング15の中心軸方向の大型化を招く。以上から、テーパ部56の角度θは、5°以上であって30°以下の範囲内が望ましく、このような構成によれば、回転ハウジング15の中心軸に沿った方向での変速機100の大型化を防止しつつ、カバー50の体積を減少させて高い剛性を発揮させることができる。
【0056】
以上の第1実施形態によれば、以下に示す作用効果を奏する。
【0057】
本実施形態における変速機100では、変速機構40に作用するスラスト荷重がカバー50の支持部55によって支持される。カバー50の支持部55は、変速機構40に向けて突出しその反対側が凹部55aとして形成される形状であるため、変速機構40に向けて突出しない平坦な形状である比較例と比較して、同じ板厚であっても変速機構40から受ける荷重に対する剛性が高くなる。よって、剛性が高くなることに伴ってカバー50の板厚を薄く形成することができ、変速機100を軽量化できる。
【0058】
また、本実施形態では、カバー50は鋳造によって一体に形成されるため、製造が容易であり、製造コストを抑制することができる。
【0059】
また、支持部55の凹部55aの最大内径D1は、カバー50の外径の1/3以上の大きさに形成されることが望ましい。これによれば、カバー50の剛性をより一層高めることができるので、これに伴ってカバー50の板厚を薄くして、変速機100をさらに軽量化することができる。
【0060】
(第2実施形態)
次に、図4及び図5を参照して、本発明の第2実施形態について説明する。以下では、上記第1実施形態と異なる点を中心に説明し、上記第1実施形態と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
【0061】
上記第1実施形態では、カバー50は、例えば鋳造によって形成され、取付部51、支持部55、及び接触部60が一体に形成された単一の部材として構成される。
【0062】
これに対し、第2実施形態に係る変速機200では、カバー150は、それぞれ独立した複数の部材によって形成される点で上記第1実施形態とは相違する。
【0063】
第2実施形態では、図4に示すように、カバー150は、それぞれ板材をプレス成型することによって得られるプレス成型品である取付プレート151及び支持プレート155を有する。取付プレート151及び支持プレート155は、例えば鋼板によって形成される。
【0064】
取付プレート151は、カバー150の取付部を構成するものであり、円形の平板状に形成されて、回転ハウジング15の開口端部15aに取り付けられる。具体的には、回転ハウジング15の内周には、環状の係止溝170aが周方向に延びて形成され、係止溝170aには、スナップリング170が着脱可能に取り付けられる。スナップリング170は、カバー150に対して回転ハウジング15の開口側(図4中右側)に設けられており、取付プレート151は、スナップリング170に係止される。これにより、回転ハウジング15の開口端部15aからのカバー150の脱落が防止され、カバー150が回転ハウジング15の開口端部15aに取り付けられる。
【0065】
取付プレート151の外周縁部は、軸方向に沿ってスナップリング170に向かうように曲げられた曲折部152として形成される。曲折部152の端部は、スナップリング170に当接する。取付プレート151の外周縁部が曲折部152として形成されることで、スラスト荷重に対する取付プレート151の剛性が向上する。
【0066】
また、取付プレート151には、上記第1実施形態と同様、図4及び図5に示すように、3つの貫通孔51a,51b,51cと、貫通孔51a,51b,51cを封止する3つのプラグ71と、が設けられる。貫通孔51a,51b,51cは、それぞれ変速機構40へ向けて突出する筒状のボス部153の内周に形成される。
【0067】
支持プレート155は、円環状の環状板部156と、環状板部156の径方向内側に設けられる支持部157と、を有する。
【0068】
環状板部156は、外周が回転ハウジング15の開口端部15aの内周に嵌合する。環状板部156には、取付プレート151のボス部153の通過を許容する通過孔156aがボス部153(貫通孔51a,51b.51c)に対応した位置に板厚方向に貫通して形成される。これにより、取付プレート151の貫通孔51a,51b.51cがギヤ室4に連通する。
【0069】
また、カバー150の外周には、支持プレート155の環状板部156と取付プレート151の曲折部152とによって挟持されてカバー150の外周と回転ハウジング15の開口端部15aの内周面15bとの間を封止するシール部材としてのOリング70が設けられる。具体的には、互いに垂直な回転ハウジング15の開口端部15aの内周面15bと取付プレート151に接触する環状板部156の端面156b、及び、曲折部152の傾斜面152aによって、シール収容空間としていわゆる三角溝175が構成され、当該三角溝175にOリング70が収容される。曲折部152の傾斜面152aは、開口端部15aの内周面15bと環状板部156の端面156bとのそれぞれに対して傾斜するテーパ面である。Oリング70は、開口端部15aの内周面15b、環状板部156の端面156b、及び曲折部152の傾斜面152aによって圧縮されて、開口端部15aの内周面15bとカバー50との間を封止する。これにより、カバー150の外周を通じたケース外へのギヤ室4の潤滑油の漏れが防止される。
【0070】
支持部157は、上記第1実施形態と同様に、一方側が変速機構40に向けて突出し、他方側が凹部157aとして形成される。つまり、支持部157は、テーパ部158と底部159とを有するすり鉢形状に形成される。なお、図示は省略するが、上記第1実施形態と同様に凹部157aの最大内径は、カバー150(取付プレート151)の外径の1/3以上の大きさに形成されている。
【0071】
支持部157の底部159には、支持プレート155とは別体として形成される接触部160が取り付けられる。このように、支持プレート155とは別体として接触部160が形成されるため、支持プレート155の材質によらず接触部160の材質を選定できる。本実施形態では、接触部160は、潤滑性に優れた樹脂材によって形成される。接触部160は、底部を有する有底筒状の筒部161と、筒部161の開口部に設けられ径方向外側に延びる環状のフランジ部162と、を有する。
【0072】
筒部161は、図5に示すように、外形が多角形状(本実施形態では4角形)に形成されており、対応する形状で支持部157の底部159に形成された挿入孔159aに挿入されて、支持プレート155に取り付けられる。接触部160の筒部161の外形が多角形状に形成されることで回り止め機構が構成され、回転する変速機構40のキャリアプレート47との接触に伴う接触部160の回転が規制される。なお、図5は、変速機構40側からみたカバー150の正面図である。
【0073】
フランジ部162の端面は、図5に示すように、変速機構40に接触する接触面163として形成される。上記第1実施形態と同様に、接触面163は、ドライブシャフト31に垂直な平坦面に形成され、接触面163には一対の溝部163a,163bが形成される。
【0074】
図4に示すように、支持プレート155の環状板部156は、支持部157の底部159が変速機構40に対向し、凹部157aが取付プレート151に対向するようにして、取付プレート151に結合される。支持プレート155と取付プレート151との結合は、例えば溶接やねじ締結などの方法を用いることができる。このようにして、別部品として形成される取付プレート151と支持プレート155とが一体化される。取付プレート151は、支持プレート155を補強する補強部としても機能する。
【0075】
このような第2実施形態では、上記第1実施形態と同様に、支持部157は、一方側が変速機構40に向けて突出し他方側が凹部157aとして形成されるため、変速機構40に作用するスラスト荷重に対して高い剛性を発揮できる。また、支持プレート155は、径方向外側への変形が回転ハウジング15によって拘束されると共に、取付プレート151に対する溶接やねじ締結などによる結合部によっても径方向外側への変形が拘束される。よって、変速機構40に作用するスラスト荷重に対して高い剛性を発揮できる。したがって、板厚が薄いプレス鋼板によってカバー150を構成することができ、変速機100を軽量化することができる。
【0076】
以上の第2実施形態によれば、以下に示す効果を奏する。
【0077】
本実施形態における変速機100では、変速機構40に作用するスラスト荷重は、カバー150の支持プレート155の支持部157によって支持される。第1実施形態と同様に、カバー150の支持部157は、変速機構40に向けて突出しその反対側が凹部157aとして形成される形状であるため、変速機構40から受けるスラスト荷重に対する剛性が高くなる。よって、剛性が高くなるのに伴いカバー150の板厚を薄く形成することができ、変速機100を軽量化できる。
【0078】
また、第1実施形態と同様に、支持部157の凹部55aの最大内径は、カバー150の外径の1/3以上の大きさに形成される。これによれば、カバー150の剛性をより一層高めることができるので、これに伴ってカバー150の板厚を薄くして、変速機200をさらに軽量化することができる。
【0079】
また、第2実施形態では、カバー150は、プレス成型品である取付プレート151と支持プレート155とで構成されるため、カバー150及び変速機200をより一層軽量化することができる。
【0080】
また、第2実施形態では、Oリング70は、取付プレート151の曲折部152と支持プレート155の環状板部156とによって形成される三角溝175に収容される。このため、Oリング70を収容する溝等を別途加工する必要がなく、カバー150の製造が容易となる。
【0081】
また、第2実施形態では、接触部160は、支持プレート155とは別体として形成される。このため、接触部160を樹脂材で形成することができ、変速機構40のキャリアプレート47との摺動性をより一層向上させることができる。
【0082】
次に、各実施形態の変形例について説明する。以下のような変形例も本発明の範囲内であり、変形例に示す構成と上述の各実施形態で説明した構成を組み合わせたり、各実施形態で説明した構成同士を組み合わせたり、以下の異なる変形例で説明する構成同士を組み合わせたりすることも可能である。
【0083】
上記各実施形態では、変速機構40は、遊星歯車機構であるが、これに限定されるものではない。変速機構40は、その他の歯車機構であってもよいし、複数の歯車機構を組み合わせて構成されるものでもよい。
【0084】
また、上記各実施形態では、支持部55,157は、外周面及び内周面(凹部55a,157aの内周面)が円錐面によって形成される円錐筒形状である。つまり、図1図4に示す断面図において、支持部55,157におけるテーパ部56,158は、ドライブシャフト31の中心軸に対して直線状に傾斜して形成される。これに対し、支持部55,157の形状は上記各実施形態のものに限定されず、一方側が変速機構40に向けて突出し、その反対側が凹部55a,157aとして形成される限りは、任意の形状とすることができる。例えば、支持部55,157は、傾斜部として、テーパ部56,158に代えて、断面形状が湾曲した曲線状(言い換えれば、接線が回転ハウジング15の中心軸に対して傾斜する曲線状)に形成される曲面部を有していてもよい。つまり、支持部55,157は、一方側が球面状(球面状)に突出し、凹部55a,157aの内面も球面状(曲面状)に形成される、いわゆるドーム型に形成されてもよい。
【0085】
また、支持部55,157は、底部57,159を有する有底形状であるが、これに限定されるものではなく、底部57,159を有していない(有底形状ではない)構成でもよい。つまり、支持部55,157は、テーパ部56,158が接触部60,160を直接支持するものでもよい。
【0086】
また、上記第2実施形態では、接触部160は、支持部157とは別体に形成されて支持部157に取り付けられる樹脂製の部材である。これに対し、接触部160は、支持部157とは別体に形成される金属製の部材であってもよい。また、接触部160は、支持部157とは一体に形成されてもよい。支持部157と一体に形成する場合には、接触部160は、支持部157と同じ金属によって形成される。接触部160が金属によって形成される場合には、摺動性を向上させるために、熱処理(例えば、軟窒化を含む窒化処理や浸炭処理)や、コーティング処理などを接触面163に施すことが望ましい。なお、接触面163への表面処理は、必須の構成ではない。
【0087】
以下、本発明の実施形態の構成、作用、及び効果をまとめて説明する。
【0088】
第1及び第2実施形態に係る変速機100,200は、駆動源の出力回転を変速する変速機構40と、変速機構40を収容し、変速された出力回転が伝達されて回転する筒状の回転ハウジング15と、回転ハウジング15の開口端部15aの内周に嵌装され、開口端部15aを閉塞するカバー50,150と、を備え、カバー50,150は、変速機構40に向けて突出し変速機構40とは反対側が凹部55a,157aとして形成されて変速機構40を支持する支持部55,157を有する。
【0089】
この構成では、カバー50,150の支持部55,157は、変速機構40に向けて突出しその反対側が凹部55a,157aとして形成される形状であるため、変速機構40に向けて突出しない平坦な形状と比較して、同じ板厚であっても変速機構40から受ける荷重に対する剛性が高くなる。よって、カバー50の剛性を確保しつつその板厚を薄く形成することができる。したがって、変速機100,200を軽量化できる。
【0090】
また、変速機100,200では、凹部55aの内径は、カバー50,150の外径の1/3以上の大きさに形成される。
【0091】
この構成では、支持部55,157の剛性をより一層高くすることができるため、これに伴いカバー50,150の板厚をより薄く形成することができる。したがって、変速機100,200をより一層軽量化できる。
【0092】
また、第1実施形態に係る変速機100では、カバー50は、回転ハウジング15の中心軸に対して垂直に形成され変速機構40に接触する接触面61を有する接触部60を有し、支持部55と接触部60とは一体に形成されている。
【0093】
この構成では、支持部55と接触部60とが一体に形成されることでカバー50を製造しやすく、製造コストを低減することができる。
【0094】
また、変速機100,200では、支持部55,157は、回転ハウジング15の中心軸に対して傾斜する傾斜部(テーパ部56,158)を有する。
【0095】
また、変速機100,200では、傾斜部は、回転ハウジング15の中心軸に対して直線状に傾斜するテーパ部56,158であり、回転ハウジング15の中心軸に対して垂直な平面に対するテーパ部56,158の角度θは、5°以上であって30°以下の範囲内で形成される。
【0096】
これらの構成では、カバー50,150の剛性を確保しつつ、回転ハウジング15の中心軸方向での変速機100の大型化を抑制できる。
【0097】
また、第2実施形態に係る変速機200では、カバー150は、回転ハウジング15の開口端部15aの内周に取り付けられる円板状の取付プレート151と、支持部157が設けられる支持プレート155と、を有する。
【0098】
この構成では、取付プレート151と支持プレート155とをプレス成型により製造できるため、カバー150及び変速機200をより一層軽量化することができる。
【0099】
また、変速機200では、カバー150は、取付プレート151と支持プレート155とによって挟持されカバー150と回転ハウジング15の開口端部15aの内周面15bとの間を封止するOリング70を有する。
【0100】
この構成では、取付プレート151と支持プレート155とによってOリング70が支持されるため、Oリング70を取り付けるための溝等を別途加工する必要がなく、製造が容易である。
【0101】
また、変速機200では、カバー150は、回転ハウジング15の中心軸に対して垂直に形成され変速機構40に接触する接触面163を有する接触部160を有し、接触部160は、支持部157とは別体に形成されて支持部157に取り付けられている。
【0102】
この構成では、支持部157と接触部160とが別体であるため、変速機構40に接触する接触部160の材質を、支持部157の材質によらずに適切なものとすることができる。
【0103】
また、変速機200では、支持部157は金属製であり、接触部160は樹脂製である。
【0104】
この構成では、変速機構40に接触する接触部160が摺動性に優れた樹脂材によって形成されるため、カバー150の耐久性が向上する。
【0105】
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
【符号の説明】
【0106】
100,200…変速機、15…回転ハウジング、15a…開口端部、15b…内周面、40…変速機構、50,150…カバー、55,157…支持部、55a,157a…凹部、56,158…テーパ部(傾斜部)、60,160…接触部、151…取付プレート、曲折部…152、155…支持プレート、175…三角溝(シール収容空間)
図1
図2
図3
図4
図5
図6