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特開2022-179151飲酒検知システム、飲酒検知方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022179151
(43)【公開日】2022-12-02
(54)【発明の名称】飲酒検知システム、飲酒検知方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G01N 33/497 20060101AFI20221125BHJP
   A61B 5/00 20060101ALI20221125BHJP
   G01N 33/98 20060101ALI20221125BHJP
   G08B 21/24 20060101ALI20221125BHJP
【FI】
G01N33/497 Z
A61B5/00 B
G01N33/98
G08B21/24
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021086430
(22)【出願日】2021-05-21
(71)【出願人】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】株式会社アイシン
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山口 秀明
(72)【発明者】
【氏名】末次 恵久
(72)【発明者】
【氏名】中沖 優一郎
(72)【発明者】
【氏名】関根 嘉香
【テーマコード(参考)】
2G045
4C117
5C086
【Fターム(参考)】
2G045AA40
2G045CB30
2G045DA02
2G045DA28
2G045DA29
2G045DB30
2G045JA01
2G045JA07
4C117XB01
4C117XB04
4C117XC06
4C117XD16
4C117XD17
4C117XE03
4C117XJ13
4C117XJ43
4C117XJ45
4C117XP12
4C117XR12
5C086AA60
5C086BA22
5C086CB40
5C086DA40
5C086FA01
5C086FA17
5C086FA18
(57)【要約】
【課題】高い精度で飲酒状態を検知可能な飲酒検知システム、飲酒検知方法、及びプログラムを提供する。
【解決手段】制御装置は、センサにより検出された複数種の代謝関連ガスの総放散量に対する当該複数種の代謝関連ガスから選択された特定代謝関連ガスの放散量の割合を示す代謝指標値と、センサにより検出された複数種の血管関連ガスの総放散量に対する当該複数種の血管関連ガスから選択された特定血管関連ガスの放散量の割合を示す血管指標値とに基づいて、被験者が飲酒状態であるか否かを判定し、被験者が飲酒状態であると判定された場合に、被験者が飲酒状態であることを示す信号を出力する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被験者の皮膚から放散される皮膚ガスを検出するセンサと、
前記センサの検出結果に基づいて前記被験者の飲酒状態に関する情報を生成するための処理を行う制御装置と、
を備え、
前記センサは、人体における代謝活動に関連する代謝関連ガス及び人体における血管運動に関連する血管関連ガスを検出し、
前記制御装置は、
前記センサにより検出された複数種の前記代謝関連ガスの総放散量に対する当該複数種の代謝関連ガスから選択された特定代謝関連ガスの放散量の割合を示す代謝指標値と、前記センサにより検出された複数種の前記血管関連ガスの総放散量に対する当該複数種の血管関連ガスから選択された特定血管関連ガスの放散量の割合を示す血管指標値とに基づいて、前記被験者が飲酒状態であるか否かを判定し、
前記被験者が飲酒状態であると判定された場合に、前記被験者が飲酒状態であることを示す信号を出力する、
飲酒検知システム。
【請求項2】
前記複数種の代謝関連ガスは、アセトアルデヒド、酢酸、アセトン、及びアセトインからなる群から選択される2以上のガスである、
請求項1に記載の飲酒検知システム。
【請求項3】
前記複数種の血管関連ガスは、プロピオン酸、ヘキサン酸、及び一酸化窒素からなる群から選択される2以上のガスである、
請求項1又は2に記載の飲酒検知システム。
【請求項4】
前記センサは、更に、人体におけるエタノール代謝に関連するエタノール代謝関連ガス及び人体における乳酸の産生と分解に関連する乳酸関連ガスを検出し、
前記制御装置は、更に、前記センサにより検出された複数種の前記エタノール代謝関連ガスの総放散量に対する当該複数種のエタノール代謝関連ガスから選択された特定エタノール代謝関連ガスの放散量の割合を示すエタノール代謝指標値と、前記センサにより検出された複数種の前記乳酸関連ガスの総放散量に対する当該複数種の乳酸関連ガスから選択された特定乳酸関連ガスの放散量の割合を示す乳酸指標値とに基づいて、前記被験者が飲酒状態であるか否かを判定する、
請求項1~3のいずれか1項に記載の飲酒検知システム。
【請求項5】
前記制御装置は、前記代謝指標値及び前記血管指標値が第1所定範囲内にあり、且つ前記エタノール代謝指標値及び前記乳酸指標値が第2所定範囲内にある場合に、前記被験者が飲酒状態であると判定する、
請求項4に記載の飲酒検知システム。
【請求項6】
前記複数種のエタノール代謝関連ガスは、エタノール、アセトアルデヒド、酢酸、アセトン、及びアセトインからなる群から選択される2以上のガスである、
請求項4又は5に記載の飲酒検知システム。
【請求項7】
前記複数種の乳酸関連ガスは、ジアセチル、プロピオン酸、アセトイン、アンモニア、及び酢酸からなる群から選択される2以上のガスである、
請求項4~6のいずれか1項に記載の飲酒検知システム。
【請求項8】
前記センサは、前記被験者の手掌部から放散されるガスを検出する、
請求項1~7のいずれか1項に記載の飲酒検知システム。
【請求項9】
前記センサは、前記被験者の母指球部から放散されるガスを検出する、
請求項1~8のいずれか1項に記載の飲酒検知システム。
【請求項10】
前記センサは、前記被験者の指先部から放散されるガスを検出する、
請求項1~9のいずれか1項に記載の飲酒検知システム。
【請求項11】
被験者の皮膚から放散される人体における代謝活動に関連する代謝関連ガスと、前記被験者の皮膚から放散される人体における血管運動に関連する血管関連ガスとを検出する工程と、
検出された複数種の前記代謝関連ガスの総放散量に対する当該複数種の代謝関連ガスから選択された特定代謝関連ガスの放散量の割合を示す代謝指標値と、検出された複数種の前記血管関連ガスの総放散量に対する当該複数種の血管関連ガスから選択された特定血管関連ガスの放散量の割合を示す血管指標値とに基づいて、前記被験者が飲酒状態であるか否かを判定する工程と、
を含む飲酒検知方法。
【請求項12】
コンピュータに、
被験者の皮膚から放散される人体における代謝活動に関連する代謝関連ガスと、前記被験者の皮膚から放散される人体における血管運動に関連する血管関連ガスとを検出するための処理と、
検出された複数種の前記代謝関連ガスの総放散量に対する当該複数種の代謝関連ガスから選択された特定代謝関連ガスの放散量の割合を示す代謝指標値と、検出された複数種の前記血管関連ガスの総放散量に対する当該複数種の血管関連ガスから選択された特定血管関連ガスの放散量の割合を示す血管指標値とに基づいて、前記被験者が飲酒状態であるか否かを判定する処理と、
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、飲酒検知システム、飲酒検知方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
被験者の皮膚から放散されるガス(皮膚ガス)の成分に基づいて被験者が飲酒状態であるか否かを検知する技術がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5010537号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
皮膚ガスの放散量は、気候的条件や被験者固有の要因(体質、精神状態等)に応じて変動する。従来技術においては、このような様々な要因に起因する皮膚ガスの放散量の変動に対する対処が十分になされていない。そのため、飲酒状態の検知精度を向上させる余地がある。
【0005】
そこで、本開示は、高い精度で飲酒状態を検知可能な飲酒検知システム、飲酒検知方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様は、被験者の皮膚から放散される皮膚ガスを検出するセンサと、センサの検出結果に基づいて被験者の飲酒状態に関する情報を生成するための処理を行う制御装置と、を備え、センサは、人体における代謝活動に関連する代謝関連ガス及び人体における血管運動に関連する血管関連ガスを検出し、制御装置は、センサにより検出された複数種の代謝関連ガスの総放散量に対する当該複数種の代謝関連ガスから選択された特定代謝関連ガスの放散量の割合を示す代謝指標値と、センサにより検出された複数種の血管関連ガスの総放散量に対する当該複数種の血管関連ガスから選択された特定血管関連ガスの放散量の割合を示す血管指標値とに基づいて、被験者が飲酒状態であるか否かを判定し、被験者が飲酒状態であると判定された場合に、被験者が飲酒状態であることを示す信号を出力する、飲酒検知システムである。
【0007】
上記構成によれば、気候的条件や被験者固有の要因(体質、精神状態等)に起因する皮膚ガスの放散量の変動による影響を抑制でき、飲酒検知の精度を向上させることができる。
【0008】
また、複数種の代謝関連ガスは、アセトアルデヒド、酢酸、アセトン、及びアセトインからなる群から選択される2以上のガスであってもよい。
【0009】
これにより、有効な代謝指標値を算出でき、高精度な飲酒検知を実現できる。
【0010】
また、複数種の血管関連ガスは、プロピオン酸、ヘキサン酸、及び一酸化窒素からなる群から選択される2以上のガスであってもよい。
【0011】
これにより、有効な血管指標値を算出でき、高精度な飲酒検知を実現できる。
【0012】
また、センサは、更に、人体におけるエタノール代謝に関連するエタノール代謝関連ガス及び人体における乳酸の産生と分解に関連する乳酸関連ガスを検出し、制御装置は、更に、センサにより検出された複数種のエタノール代謝関連ガスの総放散量に対する当該複数種のエタノール代謝関連ガスから選択された特定エタノール代謝関連ガスの放散量の割合を示すエタノール代謝指標値と、センサにより検出された複数種の乳酸関連ガスの総放散量に対する当該複数種の乳酸関連ガスから選択された特定乳酸関連ガスの放散量の割合を示す乳酸指標値とに基づいて、被験者が飲酒状態であるか否かを判定してもよい。
【0013】
これにより、飲酒検知の精度を更に向上させることができる。
【0014】
また、制御装置は、代謝指標値及び血管指標値が第1所定範囲内にあり、且つエタノール代謝指標値及び乳酸指標値が第2所定範囲内にある場合に、被験者が飲酒状態であると判定してもよい。
【0015】
これにより、高精度な飲酒検知を実現できる。
【0016】
また、複数種のエタノール代謝関連ガスは、エタノール、アセトアルデヒド、酢酸、アセトン、及びアセトインからなる群から選択される2以上のガスであってもよい。
【0017】
これにより、有効なエタノール代謝指標値を算出でき、高精度な飲酒検知を実現できる。
【0018】
また、複数種の乳酸関連ガスは、ジアセチル、プロピオン酸、アセトイン、アンモニア、及び酢酸からなる群から選択される2以上のガスであってもよい。
【0019】
これにより、有効な乳酸指標値を算出でき、高精度な飲酒検知を実現できる。
【0020】
また、センサは、被験者の手掌部から放散されるガスを検出するものであってもよい。
【0021】
これにより、皮膚ガスを効率的に検出できる。
【0022】
また、センサは、被験者の母指球部から放散されるガスを検出するものであってもよい。
【0023】
母指球部は、手掌部の中でも特に皮膚ガスを効率的に検出できる部分である。
【0024】
また、センサは、被験者の指先部から放散されるガスを検出するものであってもよい。
【0025】
指先部は、手掌部の中でも特に皮膚ガスを効率的に検出できる部分である。
【0026】
また、本開示の他の態様は、被験者の皮膚から放散される人体における代謝活動に関連する代謝関連ガスと、被験者の皮膚から放散される人体における血管運動に関連する血管関連ガスとを検出する工程と、検出された複数種の代謝関連ガスの総放散量に対する当該複数種の代謝関連ガスから選択された特定代謝関連ガスの放散量の割合を示す代謝指標値と、検出された複数種の血管関連ガスの総放散量に対する当該複数種の血管関連ガスから選択された特定血管関連ガスの放散量の割合を示す血管指標値とに基づいて、被験者が飲酒状態であるか否かを判定する工程と、を含む飲酒検知方法である。
【0027】
また、本開示の他の態様は、コンピュータに、被験者の皮膚から放散される人体における代謝活動に関連する代謝関連ガスと、被験者の皮膚から放散される人体における血管運動に関連する血管関連ガスとを検出するための処理と、検出された複数種の代謝関連ガスの総放散量に対する当該複数種の代謝関連ガスから選択された特定代謝関連ガスの放散量の割合を示す代謝指標値と、検出された複数種の血管関連ガスの総放散量に対する当該複数種の血管関連ガスから選択された特定血管関連ガスの放散量の割合を示す血管指標値とに基づいて、被験者が飲酒状態であるか否かを判定する処理と、を実行させるプログラムである。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1図1は、第1実施形態に係る車両の構成の一例を示す図である。
図2図2は、第1実施形態に係る皮膚ガスの検出位置の一例を示す図である。
図3図3は、第1実施形態に係る飲酒検知ECUの機能構成の一例を示す図である。
図4図4は、第1実施形態に係る判定部による飲酒状態の判定方法の一例を示す図である。
図5図5は、第1実施形態に係る飲酒検知システムおける処理の一例を示すフローチャートである。
図6図6は、第2実施形態に係る飲酒検知ECUの機能構成の一例を示す図である。
図7図7は、第2実施形態に係る判定部による飲酒状態の判定方法の一例を示す図である。
図8図8は、第2実施形態に係る飲酒検知システムにおける処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の例示的な実施形態が開示される。以下に示される実施形態の構成、並びに当該構成によってもたらされる作用、結果、及び効果は、一例である。本発明は、以下の実施形態に開示される構成以外によっても実現可能であるとともに、基本的な構成に基づく種々の効果や派生的な効果のうち、少なくとも一つを得ることが可能である。
【0030】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る車両1の構成の一例を示す図である。車両1は、飲酒検知システム11及び車両制御システム51を備える。
【0031】
飲酒検知システム11は、被験者(例えば車両1の運転者)の飲酒状態を検知するシステムであり、皮膚ガスセンサ21及び飲酒検知ECU(Electronic Control Unit)22を備える。なお、飲酒状態とは、血中アルコール濃度が予め定められた上限値を超えた状態であり、いわゆる酒気帯び状態又は酒酔い状態に相当する状態である。
【0032】
皮膚ガスセンサ21は、被験者の皮膚から放散される皮膚ガスを検出する。皮膚ガスセンサ21は、人体における代謝活動に関連する代謝関連ガス、及び人体における血管運動(血管の収縮又は拡張)に関連する血管関連ガスを検出可能なセンサである。
【0033】
代謝関連ガスとしては、例えば、アセトアルデヒド、酢酸、アセトン、アセトイン等が挙げられる。
【0034】
血管関連ガスとしては、例えば、プロピオン酸、ヘキサン酸、一酸化窒素等が挙げられる。
【0035】
図2は、第1実施形態に係る皮膚ガスの検出位置の一例を示す図である。本実施形態に係る皮膚ガスセンサ21による皮膚ガスの検出位置は、被験者の手掌部31であり、特に、母指球部32又は指先部33であることが好ましい。これらの部位においては、毛細血管が多く、通常無毛であり、皮下脂肪が少ないため、皮膚ガスの放散量が多く、皮膚ガスを比較的安定して検出できる。なお、図2においては、指先部33として親指の指先が例示されているが、指先部33は他の指(人差し指、中指、薬指、又は小指)の指先であってもよい。
【0036】
皮膚ガスセンサ21の具体的構成は特に限定されるべきものではないが、例えば、酸化物半導体式センサ、QCM(Quartz Crystal Microbalance)センサ、FET(Field Effect Transistor)センサ、膜型表面応力センサ等が皮膚ガスセンサ21として利用され得る。また、皮膚ガスセンサ21の設置位置は特に限定されるべきものではないが、例えば、ステアリングホイール、シフトレバー等の運転者の手掌部31が接触しやすい部分であることが好ましい。
【0037】
なお、皮膚ガスセンサ21の検出位置、具体的構成、設置位置等は、上記に限定されるものではない。例えば、検出位置は、膝裏部等であってもよい。
【0038】
飲酒検知ECU22は、飲酒検知に関する各種制御演算処理を実行するユニットであり、例えばプロセッサ、FPGA(Field Programmable Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等を利用して構成され得る。飲酒検知ECU22は、皮膚ガスセンサ21による測定結果に基づいて被験者の飲酒状態に関する飲酒情報を生成する。本実施形態に係る飲酒検知ECU22は、代謝関連ガスの放散量に基づく代謝指標値と、血管関連ガスの放散量に基づく血管指標値とに基づいて、被験者が飲酒状態であるか否かを判定し、当該判定結果を含む飲酒情報を生成する。
【0039】
車両制御システム51は、車両1の各種機能を制御するシステムであり、駆動機構61、制動機構62、操舵機構63、ユーザI/F(Interface)64、及び車両制御ECU65を備える。
【0040】
駆動機構61は、車両1の駆動力を発生させる機構であり、例えば内燃機関、電気モータ、アクセルペダル、変速機、シフトレバー等を利用して構成され得る。駆動機構61は、CAN(Controller Area Network)等を介して車両制御ECU65と接続し、車両制御ECU65からの制御信号に応じて動作する。
【0041】
制動機構62は、車両1の制動力を発生させる機構であり、例えばブレーキディスク、ブレーキパッド、油圧ポンプ、ブレーキペダル等を利用して構成され得る。制動機構62は、CAN等を介して車両制御ECU65と接続し、車両制御ECU65からの制御信号に応じて動作する。
【0042】
操舵機構63は、車両1の進行方向を変化させる機構であり、例えばステアリングホイール、リンク機構、アクチュエータ等を利用して構成され得る。操舵機構63は、CAN等を介して車両制御ECU65と接続し、車両制御ECU65からの制御信号に応じて動作する。
【0043】
ユーザI/F64は、車両1と乗員との間で情報の送受を可能にする機構であり、例えばディスプレイ、スピーカ、照明、マイク、入力ボタン、タッチパネル機構等を利用して構成され得る。ユーザI/F64は、CAN等を介して車両制御ECU65と接続し、車両制御ECU65からの制御信号に応じて動作する。
【0044】
車両制御ECU65は、車両1の機能の少なくとも一部を制御するための各種制御演算処理を実行するユニットであり、例えばプロセッサ、FPGA、ASIC等を利用して構成され得る。本実施形態に係る車両制御ECU65は、飲酒検知システム11の飲酒検知ECU22から出力される飲酒情報に基づいて、危険を回避するための危険回避処理を実行する。危険回避処理の具体的内容は特に限定されるべきものではないが、例えば、運転者が飲酒状態である場合には、駆動機構61の起動を禁止したり、制動機構62により車両1を停止状態に維持したり、操舵機構63をロックしたり、ユーザI/F64を介して注意を喚起する警告を発したりすることが考えられる。
【0045】
図3は、第1実施形態に係る飲酒検知ECU22の機能構成の一例を示す図である。本実施形態に係る飲酒検知ECU22は、取得部101、代謝指標値演算部102、血管指標値演算部103、判定部104、及び出力部105を有する。これらの機能的構成要素101~105は、飲酒検知ECU22を構成するハードウェア要素(プロセッサ、入出力デバイス、通信デバイス等)とソフトウェア要素(プログラム、ファームウェア等)との協働により構成される。
【0046】
取得部101は、皮膚ガスセンサ21から、被験者の皮膚から放散される皮膚ガスの放散量に関する情報を取得する。本実施形態に係る取得部は、複数種の代謝関連ガスのそれぞれの放散量を示す代謝関連ガス情報と、複数種の血管関連ガスのそれぞれの放散量を示す血管関連ガス情報とを取得する。なお、放散量とは、例えば、所定の単位時間当たりに放散される(皮膚ガスセンサ21により検出される)ガスの量を示す値であり得る。
【0047】
代謝関連ガス情報は、例えば、アセトアルデヒドの放散量、酢酸の放散量、アセトンの放散量、アセトインの放散量等を含む。
【0048】
血管関連ガス情報は、例えば、プロピオン酸の放散量、ヘキサン酸の放散量、一酸化窒素の放散量等を含む。
【0049】
代謝指標値演算部102は、取得部101により取得された代謝関連ガス情報に基づいて代謝指標値を算出する。代謝指標値とは、複数種の代謝関連ガスの総放散量に対する、当該複数種の代謝関連ガスから選択された特定代謝関連ガスの放散量の割合を示す値である。複数種の代謝関連ガスは、例えば、アセトアルデヒド、酢酸、アセトン、及びアセトインからなる群から選択される2以上のガスである。例えば、複数種の代謝関連ガスをアセトアルデヒド、酢酸、及びアセトンとし、特定代謝関連ガスをアセトンとし、アセトアルデヒドの放散量をA1、酢酸の放散量をA2、アセトンの放散量をA3とするとき、代謝指標値Vmは、下記式(1)のように示される。
【0050】
Vm=A3/(A1+A2+A3) …(1)
【0051】
このような代謝指標値を利用することにより、気候的条件や被験者固有の要因(体質、精神状態等)に起因する皮膚ガスの放散量の変動による影響を抑制でき、飲酒検知の精度を向上させることができる。
【0052】
なお、上記代謝指標値の算出方法は例示であり、複数種の代謝関連ガスの選定、及び特定代謝関連ガスの選定は上記に限定されるものではない。
【0053】
血管指標値演算部103は、取得部101により取得された血管関連ガス情報に基づいて血管指標値を算出する。血管指標値とは、複数種の血管関連ガスの総放散量に対する、当該複数種の血管関連ガスから選択された特定血管関連ガスの放散量の割合を示す値である。複数種の血管関連ガスは、例えば、プロピオン酸、ヘキサン酸、及び一酸化窒素からなる群から選択される2以上のガスである。例えば、複数種の血管関連ガスをプロピオン酸及びヘキサン酸とし、特定代謝関連ガスをヘキサン酸とし、プロピオン酸の放散量をB1、ヘキサン酸の放散量をB2とするとき、血管指標値Vbは、下記式(2)のように示される。
【0054】
Vb=B2/(B1+B2) …(2)
【0055】
このような血管指標値を利用することにより、気候的条件や被験者固有の要因(体質、精神状態等)に起因する皮膚ガスの放散量の変動による影響を抑制でき、飲酒検知の精度を向上させることができる。
【0056】
なお、上記血管指標値の算出方法は例示であり、複数種の血管関連ガスの選定、及び特定血管関連ガスの選定は上記に限定されるものではない。
【0057】
判定部104は、代謝指標値演算部102により算出された代謝指標値及び血管指標値演算部103により算出された血管指標値に基づいて被験者が飲酒状態であるか否かを判定する。
【0058】
図4は、第1実施形態に係る判定部104による飲酒状態の判定方法の一例を示す図である。本実施形態に係る判定部104は、代謝指標値Vm及び血管指標値Vbが所定範囲内であるか否かに基づいて被験者が飲酒状態であるか否かを判定する。判定部104は、例えば、代謝指標値Vmが予め定められた閾値Vmt以上であり、且つ血管指標値Vbが予め定められた閾値Vbt以上である場合、すなわち図4に例示するグラフにおいて、点(Vb,Vm)が領域R1内にある場合に、被験者は飲酒状態であると判定する。なお、図4に示す所定範囲(領域R1)は単なる例示であり、当該所定範囲はこれに限定されるものではない。
【0059】
出力部105は、判定部104により被験者の飲酒状態が検知された場合に、飲酒検知信号(飲酒情報)を車両制御ECU65に出力する。
【0060】
図5は、第1実施形態に係る飲酒検知システム11における処理の一例を示すフローチャートである。先ず、取得部101が皮膚ガスセンサ21から代謝関連ガス情報及び血管関連ガス情報を取得する(S101)。これらの皮膚ガスに関する情報の取得は、例えば、運転者が車両1の走行を開始する前に、皮膚ガスセンサ21が設置された所定のユニット(例えばステアリングホイール、シフトレバー等)に手掌部31を接触させること等により行われる。
【0061】
代謝指標値演算部102は、取得された代謝関連ガス情報に基づいて代謝指標値Vmを算出し(S102)、血管指標値演算部103は、取得された血管関連ガス情報に基づいて血管指標値Vbを算出する(S103)。判定部104は、算出された代謝指標値Vm及び血管指標値Vbが所定範囲(例えば図4における領域R1)内にあるか否かを判定する(S104)。
【0062】
代謝指標値Vm及び血管指標値Vbが所定範囲内にない場合(S104:No)、判定部104は被験者が飲酒状態でないと判定し、本ルーチンは終了する。この場合、例えば、車両1は通常通り走行可能となる。
【0063】
代謝指標値Vm及び血管指標値Vbが所定範囲内にある場合(S104:Yes)、判定部104は被験者が飲酒状態であると判定し(S105)、出力部105は飲酒検知信号を車両制御ECU65に出力する(S106)。この場合、車両制御システム51(車両制御ECU65)は、例えば車両1の走行の禁止、乗員(運転者)への警告の発信等の危険回避処理を実行する。
【0064】
上記実施形態によれば、気候的条件や被験者固有の要因(体質、精神状態等)に起因する皮膚ガスの放散量の変動による影響を抑制でき、飲酒検知の精度を向上させることができる。
【0065】
以下に他の実施形態について図面を参照して説明するが、第1実施形態と同一又は同様の箇所については同一の符号を付してその説明を省略する場合がある。
【0066】
(第2実施形態)
上記第1実施形態においては、代謝関連ガス及び血管関連ガスの放散量に基づいて飲酒検知を行う構成を例示したが、第2実施形態においては、皮膚ガスとして更にエタノール関連ガス及び乳酸関連ガスの放散量をも考慮する。
【0067】
本実施形態に係る皮膚ガスセンサ21は、上述したような代謝関連ガス及び血管関連ガスに加え、エタノール関連ガス及び乳酸関連ガスも検出可能なセンサである。
【0068】
エタノール関連ガスは、人体におけるエタノール代謝に関連する皮膚ガスである。エタノール関連ガスとしては、例えば、エタノール、アセトアルデヒド、酢酸、アセトン、アセトイン等が挙げられる。
【0069】
乳酸関連ガスは、人体における乳酸の産生と分解に関連する皮膚ガスである。乳酸関連ガスとしては、例えば、ジアセチル、プロピオン酸、アセトイン、アンモニア、酢酸等が挙げられる。
【0070】
図6は、第2実施形態に係る飲酒検知ECU201の機能構成の一例を示す図である。本実施形態に係る飲酒検知ECU201は、第1実施形態に係る飲酒検知ECU22が備える構成に加え、エタノール代謝指標値演算部211及び乳酸指標値演算部212を備えている。
【0071】
本実施形態に係る取得部101は、皮膚ガスセンサ21から、上述したような代謝関連ガス情報及び血管関連ガス情報に加え、エタノール関連ガス情報及び乳酸関連ガス情報を取得する。エタノール関連ガス情報は、複数種のエタノール関連ガスのそれぞれの放散量を示す情報である。乳酸関連ガス情報は、複数種の乳酸関連ガスのそれぞれの放散量を示す情報である。
【0072】
エタノール代謝指標値演算部211は、取得部101により取得されたエタノール代謝関連ガス情報に基づいてエタノール代謝指標値を算出する。エタノール代謝指標値とは、複数種のエタノール代謝関連ガスの総放散量に対する、当該複数種のエタノール代謝関連ガスから選択された特定エタノール代謝関連ガスの放散量の割合を示す値である。複数種のエタノール代謝関連ガスは、例えば、エタノール、アセトアルデヒド、酢酸、アセトン、及びアセトインからなる群から選択される2以上のガスである。例えば、複数種のエタノール代謝関連ガスをエタノール、アセトアルデヒド、及び酢酸とし、特定エタノール代謝関連ガスをアセトアルデヒド及び酢酸とし、エタノールの放散量をC1、アセトアルデヒドの放散量をC2、酢酸の放散量をC3とするとき、エタノール代謝指標値Veは、下記式(3)のように示される。
【0073】
Ve=(C2+C3)/(C1+C2+C3) …(3)
【0074】
このようなエタノール代謝指標値を利用することにより、気候的条件や被験者固有の要因(体質、精神状態等)に起因する皮膚ガスの放散量の変動による影響を抑制でき、飲酒検知の精度を向上させることができる。
【0075】
なお、上記エタノール代謝指標値の算出方法は例示であり、複数種のエタノール代謝関連ガスの選定、及び特定エタノール代謝関連ガスの選定は上記に限定されるものではない。
【0076】
乳酸指標値演算部212は、取得部101により取得された乳酸関連ガス情報に基づいて乳酸指標値を算出する。乳酸指標値とは、複数種の乳酸関連ガスの総放散量に対する、当該複数種の乳酸関連ガスから選択された特定乳酸関連ガスの放散量の割合を示す値である。複数種の乳酸関連ガスは、例えば、ジアセチル、プロピオン酸、アセトイン、アンモニア、及び酢酸からなる群から選択される2以上のガスである。例えば、複数種の乳酸関連ガスをジアセチル及びプロピオン酸とし、特定乳酸関連ガスをジアセチルとし、ジアセチルの放散量をD1、プロピオン酸の放散量をD2とするとき、乳酸指標値Vlは、下記式(4)のように示される。
【0077】
Vl=D1/(D1+D2) …(4)
【0078】
このような乳酸指標値を利用することにより、気候的条件や被験者固有の要因(体質、精神状態等)に起因する皮膚ガスの放散量の変動による影響を抑制でき、飲酒検知の精度を向上させることができる。
【0079】
なお、上記乳酸指標値の算出方法は例示であり、複数種の乳酸関連ガスの選定、及び特定乳酸関連ガスの選定は上記に限定されるものではない。
【0080】
本実施形態に係る判定部104は、代謝指標値Vm及び血管指標値Vbが第1所定範囲内にあり、且つエタノール代謝指標値Ve及び乳酸指標値Vlが第2所定範囲内にある場合に、被験者が飲酒状態であると判定する。
【0081】
代謝指標値Vm及び血管指標値Vbが第1所定範囲内にあるか否かの判定は、第1実施形態と同様に行われ得る。すなわち、例えば図4に示すように、代謝指標値Vmが予め定められた閾値Vmt以上であり、且つ血管指標値Vbが予め定められた閾値Vbt以上であるか否か(点(Vb,Vm)が領域R1内にあるか否か)に基づいて当該判定を行うことができる。本実施形態に係る判定部104は、代謝指標値Vm及び血管指標値Vbが第1所定範囲内ある場合に、エタノール代謝指標値Ve及び乳酸指標値Vlが第2所定範囲内にあるか否かを判定する。
【0082】
図7は、第2実施形態に係る判定部104による飲酒状態の判定方法の一例を示す図である。本実施形態に係る判定部104は、代謝指標値Vm及び血管指標値Vbが第1所定範囲(例えば図4に示す領域R1)内にあり、且つエタノール代謝指標値Ve及び乳酸指標値Vlが第2所定範囲(例えば図7に示す領域R2)内にある場合に、被験者は飲酒状態であると判定する。図7には、エタノール代謝指標値Veが予め定められた閾値Vet以下であるか、又は乳酸指標値Vlが予め定められた閾値Vlt以上である場合に、エタノール代謝指標値Ve及び乳酸指標値Vlが第2所定範囲内にあると判定される例が示されている。なお、図7に示す第2所定範囲(領域R2)は単なる例示であり、第2所定範囲はこれに限定されるものではない。
【0083】
図8は、第2実施形態に係る飲酒検知システム11における処理の一例を示すフローチャートである。先ず、取得部101が皮膚ガスセンサ21から代謝関連ガス情報、血管関連ガス情報、エタノール代謝関連ガス情報、及び乳酸関連ガス情報を取得する(S201)。これらの皮膚ガスに関する情報の取得は、例えば、運転者が車両1の走行を開始する前に、皮膚ガスセンサ21が設置された所定のユニット(例えばステアリングホイール、シフトレバー等)に手掌部31を接触させること等により行われる。
【0084】
代謝指標値演算部102は、取得された代謝関連ガス情報に基づいて代謝指標値Vmを算出し(S202)、血管指標値演算部103は、取得された血管関連ガス情報に基づいて血管指標値Vbを算出する(S203)。判定部104は、算出された代謝指標値Vm及び血管指標値Vbが第1所定範囲(例えば図4における領域R1)内にあるか否かを判定する(S204)。
【0085】
代謝指標値Vm及び血管指標値Vbが第1所定範囲内にない場合(S204:No)、判定部104は被験者が飲酒状態でないと判定し、本ルーチンは終了する。この場合、例えば、車両1は通常通り走行可能となる。
【0086】
代謝指標値Vm及び血管指標値Vbが第1所定範囲内にある場合(S204:Yes)、判定部104は、取得されたエタノール代謝関連ガス情報に基づいてエタノール代謝指標値Veを算出し(S205)、乳酸指標値演算部212は、取得された乳酸関連ガス情報に基づいて乳酸指標値Vlを算出する(S206)。判定部104は、算出されたエタノール代謝指標値Ve及び乳酸指標値Vlが第2所定範囲(例えば図7における領域R2)内にあるか否かを判定する(S207)。
【0087】
エタノール代謝指標値Ve及び乳酸指標値Vlが第2所定範囲内にない場合(S207:No)、判定部104は被験者が飲酒状態でないと判定し、本ルーチンは終了する。この場合、例えば、車両1は通常通り走行可能となる。
【0088】
エタノール代謝指標値Ve及び乳酸指標値Vlが第2所定範囲内にある場合(S207:Yes)、判定部104は被験者が飲酒状態であると判定し(S208)、出力部105は飲酒検知信号を車両制御ECU65に出力する(S209)。この場合、車両制御システム51(車両制御ECU65)は、例えば車両1の走行の禁止、乗員(運転者)への警告の発信等の危険回避処理を実行する。
【0089】
本実施形態のように、飲酒状態であるか否かの判定を、代謝指標値Vm及び血管指標値Vbを用いた判定と、エタノール代謝指標値Ve及び乳酸指標値Vlを用いた判定との2段階で行うことにより、飲酒検知の精度を更に向上させることができる。
【0090】
なお、上記においては、ステップS207においてNoの場合、すなわち代謝指標値Vm及び血管指標値Vbは第1所定範囲内にあるが、エタノール代謝指標値Ve及び乳酸指標値Vlは第2所定範囲内にない場合には、飲酒状態でないと判定される例を示した。しかし、このような場合、被験者が飲酒状態である可能性はある程度高いと推定されるため、被験者が飲酒状態である可能性があることを示す警告信号が出力部105から出力されてもよい。
【0091】
上述したような第1実施形態又は第2実施形態に係る各種処理を飲酒検知ECU22,201に実行させるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、CD-R、メモリカード、DVD(Digital Versatile Disk)、フレキシブルディスク(FD)等のコンピュータで読み取り可能な記憶媒体に記憶されてコンピュータプログラムプロダクトとして提供されてもよい。また、プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するようにしてもよい。また、プログラムを、インターネット等のネットワーク経由で提供又は配布するようにしてもよい。
【0092】
以上、本発明の実施形態を説明したが、上記実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、又は変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0093】
例えば、上記実施形態においては、飲酒検知システムが車両に備えられる構成を例示したが、飲酒検知システムの構成はこれに限定されるものではない。飲酒検知システムは、独立した装置として構成されてもよく、例えば、公共共通機関(バス、タクシー、電車、飛行機、船舶等)の事務所等に設置され、運転者等の業務員の飲酒状態を検出するための装置として利用されてもよい。
【符号の説明】
【0094】
1…車両、11…飲酒検知システム、21…皮膚ガスセンサ(センサ)、22,201…飲酒検知ECU、31…手掌部、32…母指球部、33…指先部、51…車両制御システム、61…駆動機構、62…制動機構、63…操舵機構、64…ユーザI/F、65…車両制御ECU、101…取得部、102…代謝指標値演算部、103…血管指標値演算部、104…判定部、105…出力部、211…エタノール代謝指標値演算部、212…乳酸指標値演算部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8