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特開2022-179168アルキル基含有芳香族炭化水素の製造方法及びアルキル化反応用触媒
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022179168
(43)【公開日】2022-12-02
(54)【発明の名称】アルキル基含有芳香族炭化水素の製造方法及びアルキル化反応用触媒
(51)【国際特許分類】
   C07C 2/84 20060101AFI20221125BHJP
   C07C 15/06 20060101ALI20221125BHJP
   B01J 29/46 20060101ALI20221125BHJP
   C07B 61/00 20060101ALN20221125BHJP
【FI】
C07C2/84
C07C15/06
B01J29/46 Z
C07B61/00 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021086458
(22)【出願日】2021-05-21
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成29年度、国立研究開発法人科学技術振興機構、戦略的創造研究推進事業「メタンによる直接メチル化反応の解析と反応場・触媒設計」委託研究、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(71)【出願人】
【識別番号】504150461
【氏名又は名称】国立大学法人鳥取大学
(71)【出願人】
【識別番号】000193601
【氏名又は名称】水澤化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100075177
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 尚純
(74)【代理人】
【識別番号】100113217
【弁理士】
【氏名又は名称】奥貫 佐知子
(74)【代理人】
【識別番号】100217869
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 邦久
(72)【発明者】
【氏名】片田 直伸
(72)【発明者】
【氏名】金原 慶吾
(72)【発明者】
【氏名】松原 仁志
(72)【発明者】
【氏名】辻 悦司
(72)【発明者】
【氏名】菅沼 学史
(72)【発明者】
【氏名】荻野 智大
(72)【発明者】
【氏名】小野 裕史
【テーマコード(参考)】
4G169
4H006
4H039
【Fターム(参考)】
4G169AA02
4G169AA03
4G169BA07A
4G169BA07B
4G169BC16A
4G169BC67A
4G169BC67B
4G169CB25
4G169CB62
4G169CC11
4G169DA06
4G169EA01Y
4G169EA02Y
4G169EB18Y
4G169FA01
4G169FA02
4G169FC08
4G169ZA01A
4G169ZA11B
4G169ZC04
4G169ZD05
4G169ZD06
4G169ZE05
4G169ZF05A
4G169ZF05B
4H006AA02
4H006AC23
4H006BA20
4H006BA55
4H006BA71
4H006BA80
4H006DA10
4H006DA20
4H039CA11
4H039CA41
4H039CD10
4H039CD90
(57)【要約】
【課題】アルカンをアルキル化剤とするアルキル基含有芳香族炭化水素の製造方法において、反応時間が約1時間以上経過しても触媒の反応活性が低下することなく、長時間の反応を行うことが可能な、アルキル基含有芳香族炭化水素の製造方法等を提供する。
【解決手段】触媒が、酸素10員環ゼオライトを含有する担体と、前記担体に担持されたコバルトを含み、前記酸素10員環ゼオライトにおける骨格内アルミニウム濃度が0.23~0.70mol/kgであり、前記触媒の存在下、芳香族炭化水素及びアルカンを反応させて、前記芳香族炭化水素をアルキル化する工程を備えることにより、長時間の反応を行うことが可能となる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
触媒の存在下、芳香族炭化水素及びアルカンを反応させて、前記芳香族炭化水素をアルキル化する工程を備え、前記触媒が、酸素10員環ゼオライトを含有する担体と、該担体に担持されたコバルトを含み、前記酸素10員環ゼオライトにおける骨格内アルミニウム濃度が0.23~0.70mol/kgであること、を特徴とするアルキル基含有芳香族炭化水素の製造方法。
【請求項2】
前記アルカンが、メタン、エタン又はプロパンである、請求項1に記載された製造方法。
【請求項3】
前記酸素10員環ゼオライトにおける骨格内アルミニウム濃度が0.25~0.35mol/kgである、請求項1又は2に記載された製造方法。
【請求項4】
酸素10員環ゼオライトを含有する担体と、前記担体に担持されたコバルトを含み、前記酸素10員環ゼオライトにおける骨格内アルミニウム濃度が0.23~0.70mol/kgであること、を特徴とするアルカンをアルキル化剤とする芳香族炭化水素のアルキル化反応用触媒。
【請求項5】
前記酸素10員環ゼオライトにおける骨格内アルミニウム濃度が0.25~0.35mol/kgである、請求項4に記載された触媒。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定の酸素10員環ゼオライトを用いた、アルキル基含有芳香族炭化水素の製造方法及びアルキル化反応用触媒に関する。
【背景技術】
【0002】
芳香族炭化水素は、種々の化学製品の原料となり、工業分野から生活関連分野に至るまで広く利用されている。例えば、キシレン類は、ポリエステルの原料であるテレフタル酸等を製造する前駆体化合物として、極めて重要な化合物である。
【0003】
キシレン類等のアルキル基含有芳香族炭化水素の製造方法としては、芳香族炭化水素にメタノール等のアルキル化剤を反応させる製造方法が知られている(特許文献1)。
【0004】
さらに、前記メタノール等のアルキル化剤を用いたアルキル基含有芳香族炭化水素の製造方法において、発生する副反応を抑制し、反応効率の向上を目的として、メタン等のアルカンをアルキル化剤とするアルキル基含有芳香族炭化水素の製造方法も知られている(特許文献2)。
【0005】
しかし、前記アルカンをアルキル化剤とするアルキル基含有芳香族炭化水素の製造方法において、反応時間が約1時間以上経過すると触媒の反応活性が低下することから、長時間の反応を行うことができないこと等の問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特表2005-529978号公報
【特許文献2】特開2017-141195号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、アルカンをアルキル化剤とするアルキル基含有芳香族炭化水素の製造方法において、反応時間が約1時間以上経過しても触媒の反応活性が低下することなく、長時間の反応を行うことが可能な、アルキル基含有芳香族炭化水素の製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
本発明の他の目的は、反応時間が1時間以上経過しても触媒の反応活性が低下せず、長時間の反応を行うことが可能な、アルカンをアルキル化剤とする芳香族炭化水素のアルキル化反応用触媒を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、触媒の存在下、芳香族炭化水素及びアルカンを反応させて、前記芳香族炭化水素をアルキル化する工程を備え、前記触媒が、酸素10員環ゼオライトを含有する担体と、該担体に担持されたコバルトを含み、前記酸素10員環ゼオライトにおける骨格内アルミニウム濃度が0.23~0.70mol/kgであること、を特徴とするアルキル基含有芳香族炭化水素の製造方法を提供する。
【0010】
前記アルカンが、メタン、エタン又はプロパンであることが好ましい。
【0011】
前記製造方法において、前記酸素10員環ゼオライトにおける骨格内アルミニウム濃度が0.25~0.35mol/kgであることが好ましい。
【0012】
また、本発明は、酸素10員環ゼオライトを含有する担体と、前記担体に担持されたコバルトを含み、前記酸素10員環ゼオライトにおける骨格内アルミニウム濃度が0.23~0.70mol/kgであること、を特徴とするアルカンをアルキル化剤とする芳香族炭化水素のアルキル化反応用触媒を提供する。
【0013】
前記触媒において、前記酸素10員環ゼオライトにおける骨格内アルミニウム濃度が0.23~0.50mol/kgであることが好ましく、特に0.25~0.35mol/kgであることが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、ポリエステルの原料であるテレフタル酸等の前駆体化合物であるキシレン類等のアルキル基含有芳香族炭化水素の製造方法において、副反応を抑制し、反応効率を向上するだけでなく、反応時間が1時間以上経過しても触媒の反応活性が低下することなく、長時間の反応を行うことが可能な、アルキル基含有芳香族炭化水素の製造方法等が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】トルエン収率の経時的変化を示すグラフである。
図2】骨格内アルミニウム濃度を横軸にプロットしたグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を実施するための好適な形態について説明する。なお、本発明はこれらの形態に限定されるものではない。
【0017】
(アルキル化反応用触媒)
本実施形態に係る触媒は、アルカンをアルキル化剤とする芳香族炭化水素のアルキル化反応に用いられる触媒であり、前記触媒が、酸素10員環ゼオライトを含有する担体と、該担体に担持されたコバルトを含み、前記酸素10員環ゼオライトにおける骨格内アルミニウム濃度が0.23~0.70mol/kgである。
【0018】
担体は、酸素10員環ゼオライトを含有する。担体は、酸素10員環ゼオライト単体であってよく、酸素10員環ゼオライト以外に他の成分を含んでいてもよい。他の成分としては、例えば、アルミナ、シリカ等が挙げられる。担体における酸素10員環ゼオライトの含有量は、担体全量を基準として、好ましくは50~100質量%であり、より好ましくは80~100質量%であり、さらに好ましくは90~100質量%である。
【0019】
担体の形状は特に限定されず、例えば、担体は転動造粒法、押し出し成形法、打錠成形法等の公知の方法によって成形されていてもよい。
【0020】
酸素10員環ゼオライトは、ゼオライトの細孔として酸素10員環を有するゼオライトのことである。一般に、ゼオライトの細孔は、構成する部分の酸素数により酸素6員環、酸素8員環、酸素10員環などに分類される。酸素数が多いほど細孔は大きい。芳香族炭化水素は酸素8員環やそれより小さな細孔には入ることができないが、酸素10員環の細孔には入ることができ、細孔内で反応することができる。一方、より酸素数の多い酸素12員環などの細孔内では多環芳香族炭化水素の副生などを引き起こす。本発明において、芳香族炭化水素のアルキル化を効率よく進行させるためには、担体は酸素10員環ゼオライトであり、好ましくはペンタシル型ゼオライトである。酸素10員環ゼオライトとしては、国際ゼオライト学会で規定されたMFI型、MEL型、MWW型、EUO型、MRE型、MTT型、STF型、TON型、TUN型、IMF型、SVR型、MVY型、JRY型、JST型、SFG型などが挙げられる。
【0021】
一般に、MFI型ゼオライトおよびMEL型ゼオライトは、ペンタシルユニットを骨格に有するゼオライトであり、ペンタシル型ゼオライトに分類される。本発明で用いる担体としては、芳香族炭化水素のアルキル化を効率よく進行させることができ、アルキル化反応の転化率が一層向上することから、酸素10員環ゼオライトがペンタシル型ゼオライトであることが好ましい。
【0022】
一般に、MFI型ゼオライトとしては、例えば、ZSM-5、TS-1、TSZ、SSI-10、USC-4、NU-4等が挙げられる。MEL型ゼオライトとしては、例えば、ZSM-11、シリカライト-2等が挙げられる。本発明で用いる担体としては、後述する骨格内アルミニウム濃度の観点から、ペンタシル型ゼオライトとして、ZSM-5及び/又はZSM-11を用いることが特に好ましい。
【0023】
酸素10員環ゼオライトの平均粒径は、小さいほどアルキル化反応の転化率が向上する傾向があり、好ましくは100μm以下であり、より好ましくは10μm以下であり、さらに好ましくは1μm以下である。ここで、酸素10員環ゼオライトの平均粒径は、レーザー式粒度分布測定装置で測定される。
【0024】
担体には、金属元素であるコバルトが担持される。前記コバルトは、担体上で酸化物、イオン、0価の金属等の形態で存在していてよい。また、コバルトの担持量は酸素10員環ゼオライトが含有するアルミニウムに対し、Co/Alのモル比で0.01~1.00であり、好ましくは0.1~0.9であり、さらに好ましくは0.3~0.9である。
【0025】
担体には、コバルト以外のインジウム、ニッケル等の金属元素が更に担持されていてもよい。
【0026】
金属元素の担持方法は、特に限定されず、公知の方法で行うことができる。担持方法としては、例えば、イオン交換法、含浸法、混合法等が挙げられ、好ましくはイオン交換法及び含浸法であり、担持量を任意に調整し易いことから、特に好ましくは含浸法である。
【0027】
金属元素を担持する際に用いる金属源としては、例えば、硝酸塩、硫酸塩、塩化物、酢酸塩、ギ酸塩等を用いることができる。
【0028】
本発明の酸素10員環ゼオライトが含有するアルミニウムは、ゼオライト結晶構造の骨格を構成する骨格内アルミニウムと、ゼオライト結晶構造の空孔中や外表面に存在する骨格外アルミニウムの2種類に大別される。
【0029】
骨格外アルミニウムは、ゼオライト結晶構造に付着しているだけであり、固定化されていないことから、ほとんどアルキル化反応におけるイオン交換サイトとして機能しないため、多量に含有することは望ましくない。骨格外アルミニウム濃度が総アルミニウム濃度の50mol%未満であることが好ましく、40mol%未満であることがさらに好ましく、20mol%未満であることが特に好ましい。
【0030】
骨格内アルミニウムは、ゼオライト結晶構造の骨格を構成しており、アルキル化反応におけるイオン交換サイトとして機能する。骨格内アルミニウム濃度が総アルミニウム濃度の50mol%以上であることが好ましく、60mol%以上であることがさらに好ましく、80mol%以上であることが特に好ましい。
【0031】
本発明のアルキル化反応用触媒は、酸素10員環ゼオライトにおける骨格内アルミニウム濃度が特定の濃度範囲内である場合に効果的に機能する。
【0032】
酸素10員環ゼオライトにおける骨格内アルミニウム濃度が0.23~0.70mol/kgであることが好ましく、0.25~0.35mol/kgであることがさらに好ましい。
【0033】
前記骨格内アルミニウム濃度が0.23mol/kg未満である場合、芳香族炭化水素のアルキル化反応の活性が低下する。また、0.70mol/kgを超える場合も同様に芳香族炭化水素のアルキル化反応の活性が低下する。
【0034】
(アルキル基含有芳香族炭化水素の製造方法)
本実施形態に係る製造方法は、上記アルキル化反応用触媒の存在下、芳香族炭化水素及びアルカンを反応させるアルキル化工程を備える。アルキル化工程では、芳香族炭化水素のアルキル化反応により、アルキル基含有芳香族炭化水素を得ることができる。
【0035】
芳香族炭化水素は、芳香環を有する炭化水素であり、例えば、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン、ナフタレン、1-メチルナフタレン、2-メチルナフタレン等が挙げられる。
【0036】
アルカンは、直鎖アルカン、分岐アルカン又は環状アルカンであってよく、直鎖アルカンであることが好ましい。アルカンの炭素数は、例えば1~30であってよく、1~12であってもよく、具体例として、メタン、エタン、プロパン、ブタン等が挙げられる。
【0037】
アルキル基含有芳香族炭化水素は、芳香族炭化水素の芳香環上にアルカン由来のアルキル基が置換した化合物である。アルキル基は、アルカンから水素原子を一つ除いた基であってよい。アルカンが炭素数3以上である場合、得られるアルキル基含有芳香族炭化水素は、異性体を有していてよい。
【0038】
アルカンとして炭素数2以上のアルカンを用いた場合、反応生成物には、アルキル基含有芳香族炭化水素以外に、芳香族炭化水素の芳香環上に、アルカン由来の不飽和炭化水素基が置換した化合物が含まれていてもよい。不飽和炭化水素基は、アルカンと同じ炭素数を有していてよい。不飽和炭化水素基を有する生成物は、そのまま単離して利用してもよく、還元処理してアルキル基含有芳香族炭化水素として利用してもよい。
【0039】
芳香族炭化水素をアルキル化する工程は、芳香族炭化水素及びアルカンを含む原料ガスを、アルキル化反応用触媒に接触させて、アルキル化反応を行う工程であってよい。
【0040】
原料ガス中の芳香族炭化水素に対するアルカンのモル比は、1以上であってよく、2以上であることが好ましく、3以上であることがより好ましい。このモル比を高くすることで芳香族炭化水素の転化率を向上させることができる。また、原料ガス中の芳香族炭化水素に対するアルカンのモル比は特に限定されず、例えば1000以下であってよく、100以下であっても30以下であってもよい。このモル比が高すぎると反応に関与しないアルカンが増え、アルカンの使用量に対する目的物の収量が低下する。
【0041】
原料ガスは、芳香族炭化水素及びアルカン以外の成分を更に含んでいてよく、例えば、水素、窒素等を含んでいてもよい。
【0042】
アルキル化反応の反応温度は、300℃以上であってよく、400℃以上であることが好ましく、450℃以上であることがより好ましい。また、アルキル化反応の反応温度は、例えば700℃以下であってよく、650℃以下であることが好ましく、600℃以下であることがより好ましい。
【0043】
アルキル化反応の反応圧力は特に限定されず、大気圧~20MPaGであってよく、大気圧~10MPaGであることが好ましい。
【0044】
芳香族炭化水素及びアルカンの供給量F(mol/h)に対する触媒質量W(g)の比W/Fは、0.1以上であってよく、1以上であることが好ましく、100以下であってよく、10以下であることが好ましい。
【0045】
アルキル化反応を行う反応器は特に限定されず、固体触媒による気相反応に用いられる種々の反応器を用いることができる。
【0046】
アルキル化反応の反応形式は、例えば、公知の固定床式、移動床式、流動床式等であってよい。また、アルキル化反応は、回分式、連続式のいずれで行ってもよい。
【0047】
アルキル化工程では、アルキル化反応により、アルキル基含有芳香族炭化水素を含む生成ガス(又は液状生成物)が得られる。
【0048】
本実施形態に係る製造方法は、生成ガスから、アルキル基含有芳香族炭化水素を分離する分離工程を更に備えていてよい。また、生成ガスには、未反応の芳香族炭化水素が含有されていてよく、この未反応の芳香族炭化水素は、回収してアルキル化工程に再利用してもよい。
【0049】
本実施形態に係る製造方法は、アルキル化工程の前に、アルカン及び/又は無機ガス(水素、窒素等)を含む前処理ガスをアルキル化反応用触媒に接触させる前処理工程を更に備えていてよい。
【0050】
前処理工程は、アルキル化反応用触媒に前処理ガスを接触させることで、アルキル化反応用触媒を活性化して、アルキル化工程におけるアルキル化反応の反応効率を向上させる工程である。
【0051】
前処理工程では、所定の温度下で前処理ガスをアルキル化反応用触媒に接触させてよい。前処理時の温度は、例えば100~700℃であってよく、400~600℃であることが好ましい。
【0052】
本実施形態において、前処理工程とアルキル化工程とは、同じ反応器で実施してよく、異なる反応器で実施してもよい。すなわち、アルキル化工程で用いる反応器にアルキル化反応用触媒を充填した後、前処理工程及びアルキル化工程を実施してよい。また、第一の反応器中で前処理工程を実施した後、アルキル化反応用触媒を第二の反応器に移し、第二の反応器中でアルキル化工程を実施してもよい。
【実施例0053】
以下、実施例により本発明をより具体的に説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0054】
(酸素10員環ゼオライトにおける骨格内アルミニウム濃度の測定)
実施例及び比較例における酸素10員環ゼオライトにおける骨格内アルミニウム濃度の測定方法は、コバルトを含有する前の触媒前駆体における酸素10員環ゼオライトを試料とし、アンモニア赤外/質量分析昇温脱離(IRMS/TPD)法によって酸型におけるブレンステッド酸量を定量し、当該酸量を酸素10員環ゼオライトにおける骨格内アルミニウム濃度として算出した(測定方法の詳細については特開2008-292366号公報を参照)。
【0055】
(実施例1)
(i)触媒前駆体A(Si/Al=52)の調製
硝酸アンモニウム15g及びイオン交換水300mlを三角フラスコに入れ、硝酸アンモニウム水溶液を調製した。そこに飽和給水させたMFI型ゼオライト(NaH-ZSM-5)(水澤化学工業(株)製、Si/Al=52)30gと撹拌子を加え、ホットプレート上で80℃で4h撹拌を行った。撹拌後、吸引ろ過と洗浄を3回繰り返した。次いで、硝酸アンモニウム15gと全量が300mlとなる量のイオン交換水を加え、ホットプレート上で80℃で4h撹拌し、その後、吸引濾過と洗浄を3回繰り返した。さらに、硝酸アンモニウム15gと全量が300mlとなる量のイオン交換水を再度加え、ホットプレート上で80℃で4h撹拌し、その後、吸引濾過と洗浄を3回繰り返して、粉末を得た。得られた粉末を110℃で12h乾燥させて、NH を有するMFI型ゼオライト(触媒前駆体A)を得た。ここで、Si/AlはAlに対するSiのモル比を表す。
【0056】
(ii)アルキル化反応用触媒1(Co/Al=0.3)の調製
硝酸コバルト6水和物0.0524g及びイオン交換水100mlを200mlビーカーに入れ、硝酸コバルト水溶液を調製した。そこに飽和吸水させた触媒前駆体Aを1g加えて、撹拌しつつ80℃で蒸発乾固を行った。得られた粉末を110℃で12h乾燥させて、アルキル化反応用触媒1(Co/Al=0.3)を得た。ここで、Co/AlはAlに対するCoのモル比を表す。
【0057】
(iii)アルキル化反応
内径4mmのステンレス製管型反応器にグラスウール及び触媒0.1gを順に詰め、固定床流通反応装置に接続した。反応器に水素を流速30ml/分で流しながら、昇温を開始した。昇温速度10℃/分で550℃まで昇温し、550℃で一時間保持した。550℃に達してから1時間後、反応温度の540℃及び500℃まで降温した。ここで、反応温度は540℃及び500℃の2種類を用い、反応時間は4時間15分とした。
【0058】
前処理ガスを止め、メタンガスを流速30ml/分で反応器に流通させ、反応器内の全圧を1.5MPaまで上げた。次いで、反応器にベンゼンを導入し、ベンゼンのアルキル化反応を行った。なお、ベンゼンの導入量は、反応器内におけるメタンの分圧が98.6kPa、ベンゼンの分圧が2.7kPaとなるように調整した。このとき、ベンゼン及びメタンの供給量(mol/h)に対する触媒重量(g)の比W/Fは、147(g・h/mol)となった。ベンゼンの導入時間を開始時間として45分~4時間15分の反応生成物を反応器出口から回収し、ガスクロマトグラムによる成分分析を行った。なお、ガスクロマトグラムの測定は、FIDを備えた島津製GC2014を用いて行い、内部標準物質には1,4-ジイソプロピルベンゼン、カラムにはDB-17(長さ30m、内径0.25mm)を使用した。また、トルエン選択率の測定は、反応器出口を質量分析計につなぎ、反応生成物を分析することで行った。なお、質量分析計の測定は、Pfeiffer Vacuum製Prisma Pro QMG250を使用した。
【0059】
得られた分析結果から、下記式(1)により、トルエン収率を求めた。なお、式中、Aは反応生成物中の全芳香族化合物の量(mol)を示し、Aは反応生成物中のトルエンの量(mol)を示す。
トルエン収率(%)=A/A×100・・・(1)
得られた分析結果から、下記式(2)により、トルエン選択率を求めた。得られた結果を表1に示す。なお、式中、Aは反応生成物中のトルエンの量(mol)を示し、Aは反応生成物中のトルエンの量(mol)を示す。
トルエン選択率(%)=A/(A+(A-A)/2)×100・・・(2)
【0060】
(実施例2)
(i)アルキル化反応用触媒2(Co/Al=0.6)の調製
硝酸コバルト6水和物0.1077gを用いたこと以外は、実施例1の(ii)と同様にして、アルキル化反応用触媒2(Co/Al=0.6)を得た。
【0061】
(ii)アルキル化反応
触媒としてアルキル化反応用触媒2を用いたこと以外は、実施例1の(iii)と同様にして、アルキル化反応を行った。得られた反応生成物の成分分析を行い、トルエン選択率を求めた。得られた結果を表1に示す。
【0062】
(実施例3)
(i)アルキル化反応用触媒3(Co/Al=0.9)の調製
硝酸コバルト6水和物0.1601gを用いたこと以外は、実施例1の(ii)と同様にして、アルキル化反応用触媒3(Co/Al=0.9)を得た。
【0063】
(ii)アルキル化反応
触媒としてアルキル化反応用触媒3を用いたこと以外は、実施例1の(iii)と同様にして、アルキル化反応を行った。得られた反応生成物の成分分析を行い、トルエン選択率を求めた。得られた結果を表1に示す。
【0064】
(実施例4)
(i)触媒前駆体B(Si/Al=51)の調製
MFI型ゼオライト(NaH-ZSM-5)(水澤化学工業(株)製、Si/Al=51)30gを用いたこと以外は、実施例1の(i)と同様にして、触媒前駆体B(Si/Al=51)の調製を行った。
【0065】
(ii)アルキル化反応用触媒4(Co/Al=0.3)の調製
触媒前駆体Bを用いたこと以外は、実施例1の(ii)と同様にして、アルキル化反応用触媒4(Co/Al=0.3)を得た。
【0066】
(iii)アルキル化反応
触媒としてアルキル化反応用触媒3を用いたこと以外は、実施例1の(iii)と同様にして、アルキル化反応を行った。得られた反応生成物の成分分析を行い、トルエン選択率を求めた。得られた結果を表1に示す。
【0067】
(実施例5)
(i)アルキル化反応用触媒5(Co/Al=0.6)の調製
硝酸コバルト6水和物0.1077gを用いたこと以外は、実施例4の(ii)と同様にして、アルキル化反応用触媒5(Co/Al=0.6)を得た。
【0068】
(ii)アルキル化反応
触媒としてアルキル化反応用触媒5を用いたこと以外は、実施例4の(iii)と同様にして、アルキル化反応を行った。得られた反応生成物の成分分析を行い、トルエン選択率を求めた。得られた結果を表1に示す。
【0069】
(実施例6)
(i)触媒前駆体C(Si/Al=63)の調製
MFI型ゼオライト(NaH-ZSM-5)(水澤化学工業(株)製、Si/Al=63)30gを用いたこと以外は、実施例1の(i)と同様にして、触媒前駆体C(Si/Al=63)の調製を行った。
【0070】
(ii)アルキル化反応用触媒6(Co/Al=0.3)の調製
硝酸コバルト6水和物0.0437g及び触媒前駆体Cを用いたこと以外は、実施例1の(ii)と同様にして、アルキル化反応用触媒6(Co/Al=0.3)を得た。
【0071】
(iii)アルキル化反応
触媒としてアルキル化反応用触媒6を用いたこと以外は、実施例1の(iii)と同様にして、アルキル化反応を行った。得られた反応生成物の成分分析を行い、トルエン選択率を求めた。得られた結果を表1に示す。
【0072】
(実施例7)
(i)アルキル化反応用触媒7(Co/Al=0.6)の調製
硝酸コバルト6水和物0.0902gを用いたこと以外は、実施例6の(ii)と同様にして、アルキル化反応用触媒7(Co/Al=0.6)を得た。
【0073】
(ii)アルキル化反応
触媒としてアルキル化反応用触媒7を用いたこと以外は、実施例6の(iii)と同様にして、アルキル化反応を行った。得られた反応生成物の成分分析を行い、トルエン選択率を求めた。得られた結果を表1に示す。
【0074】
(実施例8)
(i)触媒前駆体D(Si/Al=90)の調製
MFI型ゼオライト(Na-ZSM-5)(クラリアント社製JRC-Z5―90NA、Si/Al=90)30gを用いたこと以外は、実施例1の(i)と同様にして、触媒前駆体D(Si/Al=90)の調製を行った。
【0075】
(ii)アルキル化反応用触媒8(Co/Al=0.3)の調製
硝酸コバルト6水和物0.0320g及び触媒前駆体Dを用いたこと以外は、実施例1の(ii)と同様にして、アルキル化反応用触媒8(Co/Al=0.3)を得た。
【0076】
(iii)アルキル化反応
触媒としてアルキル化反応用触媒8を用いたこと以外は、実施例1の(iii)と同様にして、アルキル化反応を行った。得られた反応生成物の成分分析を行い、トルエン選択率を求めた。得られた結果を表1に示す。
【0077】
(実施例9)
(i)アルキル化反応用触媒9(Co/Al=0.45)の調製
硝酸コバルト6水和物0.0466gを用いたこと以外は、実施例8の(ii)と同様にして、アルキル化反応用触媒9(Co/Al=0.45)を得た。
【0078】
(ii)アルキル化反応
触媒としてアルキル化反応用触媒9を用いたこと以外は、実施例8の(iii)と同様にして、アルキル化反応を行った。得られた反応生成物の成分分析を行い、トルエン選択率を求めた。得られた結果を表1に示す。
【0079】
(実施例10)
(i)アルキル化反応用触媒10(Co/Al=0.6)の調製
硝酸コバルト6水和物0.0640gを用いたこと以外は、実施例8の(ii)と同様にして、アルキル化反応用触媒10(Co/Al=0.6)を得た。
【0080】
(ii)アルキル化反応
触媒としてアルキル化反応用触媒10を用いたこと以外は、実施例8の(iii)と同様にして、アルキル化反応を行った。得られた反応生成物の成分分析を行い、トルエン選択率を求めた。得られた結果を表1に示す。
【0081】
(実施例11)
(i)アルキル化反応用触媒11(Co/Al=0.9)の調製
硝酸コバルト6水和物0.0931gを用いたこと以外は、実施例8の(ii)と同様にして、アルキル化反応用触媒11(Co/Al=0.9)を得た。
【0082】
(ii)アルキル化反応
触媒としてアルキル化反応用触媒11を用いたこと以外は、実施例8の(iii)と同様にして、アルキル化反応を行った。得られた反応生成物の成分分析を行い、トルエン選択率を求めた。得られた結果を表1に示す。
【0083】
(実施例12)
(MEL型ゼオライトの合成)
MEL型ゼオライトは水熱法で合成した。AlCl・6HOを水に溶解し、さらにNaOHと有機骨格規定剤(OSDA)を添加して透明な溶液を調製した。OSDAとして、臭化テトラブチルアンモニウム(TBABr)を使用した。その後、コロイダルシリカを上記の溶液に滴下して加え、白色の反応物を得た。これを激しく攪拌し、ステンレス製のオートクレーブに移した。組成は50SiO:1.23Al:12NaO:2TBAO:3600HOとした。水熱処理は40rpm、160℃で行った。反応終了後、反応器を水冷し、吸引ろ過で白色の生成物を回収した後、脱イオン水で洗浄し、80℃で乾燥した。合成された生成物をさらに550℃で5時間焼成してOSDAを除去した。
【0084】
(i)触媒前駆体H(Si/Al=30)の調製
1MのNHNO水溶液へOSDA除去後のMEL型ゼオライトを入れ、イオン交換することで、NH +を有するMEL型ゼオライト(触媒前駆体H)を得た。
【0085】
(ii)アルキル化反応用触媒12(Co/Al=0.6)の調製
硝酸コバルト6水和物0.1606g及び触媒前駆体Hを用いたこと以外は、実施例1の(ii)と同様にして、アルキル化反応用触媒12(Co/Al=0.6)を得た。
【0086】
(iii)アルキル化反応
触媒としてアルキル化反応用触媒12を用いたこと以外は、実施例1の(iii)と同様にして、アルキル化反応を行った。得られた反応生成物の成分分析を行い、トルエン選択率を求めた。得られた結果を表1に示す。
【0087】
(比較例1)
(i)アルキル化反応用触媒13(Co/Al=0.6)の調製
触媒前駆体Eとして、MFI型ゼオライト(NH-ZSM-5)(トーソー(株)製HSZ-820NHA、Si/Al=22)1gを用いると共に、硝酸コバルト6水和物0.2357gを用いたこと以外は、実施例1の(ii)と同様にして、アルキル化反応用触媒13(Co/Al=0.6)を得た。
【0088】
(ii)アルキル化反応
触媒としてアルキル化反応用触媒13を用いたこと以外は、実施例1の(iii)と同様にして、アルキル化反応を行った。得られた反応生成物の成分分析を行い、トルエン選択率を求めた。得られた結果を表1に示す。
【0089】
(比較例2)
(i)アルキル化反応用触媒14(Co/Al=0.3)の調製
触媒前駆体Fとして、MFI型ゼオライト(NH-ZSM-5)(水澤化学工業(株)製ミズカシーブス
EX122、Si/Al=30)1gを用いると共に、硝酸コバルト6水和物0.0902gを用いたこと以外は、実施例1の(ii)と同様にして、アルキル化反応用触媒14(Co/Al=0.3)を得た。
【0090】
(ii)アルキル化反応
触媒としてアルキル化反応用触媒14を用いたこと以外は、実施例1の(iii)と同様にして、アルキル化反応を行った。得られた反応生成物の成分分析を行い、トルエン選択率を求めた。得られた結果を表1に示す。
【0091】
(比較例3)
(i)アルキル化反応用触媒15(Co/Al=0.6)の調製
硝酸コバルト6水和物0.1775gを用いたこと以外は、比較例2の(i)と同様にして、アルキル化反応用触媒15(Co/Al=0.6)を得た。
【0092】
(ii)アルキル化反応
触媒としてアルキル化反応用触媒15を用いたこと以外は、比較例2の(ii)と同様にして、アルキル化反応を行った。得られた反応生成物の成分分析を行い、トルエン選択率を求めた。得られた結果を表1に示す。
【0093】
(比較例4)
(i)アルキル化反応用触媒16(Co/Al=0.3)の調製
触媒前駆体Gとして、MFI型ゼオライト(H-ZSM-5)(水澤化学工業(株)製IRZ-MFI003、Si/Al=100)1gを用いると共に、硝酸コバルト6水和物0.0291gを用いたこと以外は、実施例1の(ii)と同様にして、アルキル化反応用触媒16(Co/Al=0.3)を得た。
【0094】
(ii)アルキル化反応
触媒としてアルキル化反応用触媒16を用いたこと以外は、実施例1の(iii)と同様にして、アルキル化反応を行った。得られた反応生成物の成分分析を行い、トルエン選択率を求めた。得られた結果を表1に示す。
【0095】
(比較例5)
(i)アルキル化反応用触媒17(Co/Al=0.6)の調製
硝酸コバルト6水和物0.0582gを用いたこと以外は、比較例4の(i)と同様にして、アルキル化反応用触媒17(Co/Al=0.6)を得た。
【0096】
(ii)アルキル化反応
触媒としてアルキル化反応用触媒17を用いたこと以外は、比較例4の(ii)と同様にして、アルキル化反応を行った。得られた反応生成物の成分分析を行い、トルエン選択率を求めた。得られた結果を表1に示す。
【0097】
【表1】
【0098】
表1には、実施例1~12について、反応温度500℃におけるトルエン選択率が41.1~71.7%であり、反応温度540℃におけるトルエン選択率が45.1~70.7%であったこと、及び比較例1~5について、反応温度500℃におけるトルエン選択率が39.4%以下、反応温度540℃におけるトルエン選択率が32.6%以下であったことが示されている。ここで、アルキル化反応用触媒における骨格内アルミニウム濃度が0.23~0.70mol/kgである場合、どちらの反応温度においても40%以上の高いトルエン選択率を得ることができた。
【0099】
図1は、実施例2(b)及び比較例1(a)の触媒を用いた場合における反応開始から反応時間4時間15分までのアルキル化反応におけるトルエン収率の経時的変化を示す。実施例2は、反応時間のすべてにおいて、トルエン収率が約4%で安定しており、4時間以上経過後も触媒の反応活性が低下することなく、長時間の反応を行うことが可能であることを示している。しかし、比較例1のトルエン収率は、反応開始初期こそ実施例2より大きいが、反応時間の約15分後をピークとして低下し始め、約1時間15分後には、実施例2より低下し、約4時間後には、前記ピークの50%程度になり、触媒の反応活性が低下していることを示している。
【0100】
前記実施例2及び比較例1の触媒は、Co/Al=0.6である点で共通するが、骨格内アルミニウム濃度が、それぞれ0.31mol/kg及び1.25mol/kgである点で相違する。
【0101】
図2は、表1における実施例1~12及び比較例1~5について、反応温度540℃のトルエン選択率を縦軸に、骨格内アルミニウム濃度を横軸にプロットしたグラフである。ここで、MFI型ゼオライトを前駆体とした触媒を用いた場合において、△はCo/Al=0.3、◇はCo/Al=0.45、〇はCo/Al=0.6、□はCo/Al=0.9、比較例1~5において、▲はCo/Al=0.3、●はCo/Al=0.6を表す。また、MEL型ゼオライトを前駆体とした触媒を用いた場合において、+はCo/Al=0.6を表す。
【0102】
図2から、骨格内アルミニウム濃度が0.23~0.70mol/kgの範囲内にある実施例1~12の触媒が、前記範囲外にある比較例1~5の触媒に対して、トルエン選択率が有意に高いことがわかる。
図1
図2