(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022179190
(43)【公開日】2022-12-02
(54)【発明の名称】ヘアアレンジツール及びヘアアレンジ方法
(51)【国際特許分類】
A45D 8/00 20060101AFI20221125BHJP
【FI】
A45D8/00 Z
A45D8/00 501C
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021086486
(22)【出願日】2021-05-21
(71)【出願人】
【識別番号】521222534
【氏名又は名称】田中 修平
(74)【代理人】
【識別番号】110002055
【氏名又は名称】特許業務法人iRify国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田中 修平
(57)【要約】
【課題】毛束の大きさやポニーテールの開口の大きさが変わっても1つのヘアアレンジツールでヘアアレンジ作業を行うことができるヘアアレンジツールを提供すること。
【解決手段】可撓性を有し、基端部11及び先端部12が接合された第1テープ材20及び第2テープ材30を具備し、第1テープ材20は、第2テープ材30側に対向する第1接合面21aに長手方向に沿って凸条部21bが形成され、第2テープ材30は、第1テープ材20側に対向する第2接合面31aに長手方向に沿って、凸条部21bが突没自在に形成された溝部31bが形成されている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
可撓性を有し、それぞれの基端部、及び、それぞれの先端部が接合された第1テープ材及び第2テープ材を具備し、
前記第1テープ材は、前記第2テープ材側に対向する第1接合面に長手方向に沿って凸条部が形成され、
前記第2テープ材は、前記第1テープ材側に対向する第2接合面に長手方向に沿って、前記凸条部が突没自在に形成された溝部が形成されていることを特徴とするヘアアレンジツール。
【請求項2】
前記第1接合面及び前記第2接合面は、髪が滑らかに通る円滑面が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のヘアアレンジツール。
【請求項3】
ロングヘアの先端部の毛束を中間部に通して結うヘアアレンジ方法において、
可撓性を有し、それぞれの基端部、及び、それぞれの先端部が接合された第1テープ材及び第2テープ材によって、前記基端部側に挿通部、前記先端部側にループを形成する工程と、
前記挿通部を前記中間部に通す工程と、
前記ループに前記毛束を通す工程と、
前記第1テープ材及び前記第2テープ材を基端部側から先端部側に向けて閉じて前記毛束を挟持する工程と、
前記挿通部を引っ張り、前記毛束を前記中間部に通す工程を備えていることを特徴とするヘアアレンジ方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、髪を束ねたり結わえたりするためのヘアアレンジツール及びヘアアレンジ方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
美容院等において、長めの髪を束ねたり、髪を結わえたりするヘアアレンジを行うことで、ポニーテール、三つ編み、シニヨン等のヘアスタイルが作られている。この際、ヘアアレンジツールを用いることで効率的にヘアアレンジを行うことができる(例えば、特許文献1,2参照。)。
【0003】
ヘアアレンジツールとして、例えば、
図9に示す樹脂材製のヘアアレンジツール100が知られている。このようなヘアアレンジツール100は、扁平状の柄101と、この柄101の先端に設けられたループ102から構成されている。例えば、シニヨンを形成するための使い方としては、ポニーテールの状態からポニーテール中部に開口を形成した上で、柄101の端部101aを上側から通し、それからポニーテール先端側の毛束をループ102に通す。ここから柄101を下方へ引き抜くことで、毛束をポニーテールの中部の開口を通り、シニヨンが形成される(
図4~
図7参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10-99122号公報
【特許文献2】特開平11-103928号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したようにヘアアレンジツール100にあっては、次のような問題があった。すなわち、ヘアアレンジツール100を用いて毛束をポニーテールの中部の開口に通す際、ループ102の径が大きすぎると、毛束は通し易いものの開口を貫通させにくい。一方、ループ102の径が小さすぎると、開口は貫通させ易いもののループ102に毛束を通し難い。このため、ループ102の径が異なるヘアアレンジツール100を複数個用意し、毛束の大きさやポニーテールの開口の大きさ等に応じて適宜使用していた。このため、複数のヘアアレンジツール100を用意する必要があった。
【0006】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、毛束の大きさやポニーテールの開口の大きさが変わっても1つのヘアアレンジツールでヘアアレンジ作業を行うことができるヘアアレンジツール及びヘアアレンジ方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のヘアアレンジツールは、可撓性を有し、それぞれの基端部、及び、それぞれの先端部が接合された第1テープ材及び第2テープ材を具備し、前記第1テープ材は、前記第2テープ材側に対向する第1接合面に長手方向に沿って凸条部が形成され、前記第2テープ材は、前記第1テープ材側に対向する第2接合面に長手方向に沿って、前記凸条部が突没自在に形成された溝部が形成されている。
【0008】
本発明のヘアアレンジ方法、ロングヘアの先端部の毛束を中間部に通して結うヘアアレンジ方法において、可撓性を有し、それぞれの基端部、及び、それぞれの先端部が接合された第1テープ材及び第2テープ材によって、前記基端部側に挿通部、前記先端部側にループを形成する工程と、前記挿通部を前記中間部に通す工程と、前記ループに前記毛束を通す工程と、前記第1テープ材及び前記第2テープ材を基端部側から先端部側に向けて閉じて前記毛束を挟持する工程と、前記挿通部を引っ張り、前記毛束を前記中間部に通す工程とを備えている。
【発明の効果】
【0009】
本発明のヘアアレンジツールによれば、毛束の大きさやポニーテールの開口の大きさが変わっても1つのヘアアレンジツールでヘアアレンジ作業を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の第1の実施形態であるヘアアレンジツールを示す斜視図である。
【
図2】同ヘアアレンジツールを
図1中A-A線で切断して矢印方向に見た断面図である。
【
図3】同ヘアアレンジツールの使用例を示す説明図である。
【
図4】同ヘアアレンジツールを用いたシニヨン形成方法を示す説明図である。
【
図5】同ヘアアレンジツールを用いたシニヨン形成方法を示す説明図である。
【
図6】同ヘアアレンジツールを用いたシニヨン形成方法を示す説明図である。
【
図7】同ヘアアレンジツールを用いたシニヨン形成方法を示す説明図である。
【
図8】本発明の第2の実施形態であるヘアアレンジツールを示す斜視図である。
【
図9】ヘアアレンジツールの一例を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態について説明する。
図1は本発明の第1の実施形態であるヘアアレンジツール10を示す斜視図、
図2はヘアアレンジツール10を
図1中A-A線で切断して矢印方向に見た断面図、
図3はヘアアレンジツール10の使用例を示す説明図である。なお、図中Lはループを示している。
【0012】
図1に示すように、ヘアアレンジツール10は、第1テープ材20及び第2テープ材30を備えている。第1テープ材20及び第2テープ材30の基端部11及び先端部12は接合されており、大型のループLが形成されている。基端部11から先端部12までの長さは8~15cm程度である。第1テープ材20及び第2テープ材30は先端部12において一体となった連続した一つのテープ材となっている。
【0013】
図2に示すように、第1テープ材20は可撓性を有するアルミ材等のベース材21を備えている。ベース材21の幅方向中央部には、第2テープ材30側に対向する第1接合面21aに長手方向に沿って凸条部21bが形成されている。第1接合面21a上にはシリコン層(円滑面)22が形成されている。シリコン層22は髪に対して滑らかな面として作用する。
【0014】
第2テープ材30は、可撓性を有するアルミ材等のベース材31を備えている。ベース材31の幅方向中央部には、第1テープ材20側に対向する第2接合面31aに長手方向に沿って溝部31bが形成されている。溝部31bは、凸条部21bが突没自在(挿脱自在)に形成されている。第2接合面31a上にはシリコン層(円滑面)32が形成されている。シリコン層32は髪に対して滑らかな面として作用する。
【0015】
図3に示すように、基端部11から先端部12に向けて、第1テープ材20及び第2テープ材30を指先で強く挟んでスライドさせていくと、第1テープ材20の凸条部21bが第2テープ材30の溝部31bに挿入され、第1テープ材20と第2テープ材30とが接合し、ループLの内径が小さくなってゆく。一方、ループLの内部に指先をかけて第1テープ材20及び第2テープ材30を拡げれば容易に第1テープ材20の凸条部21bが第2テープ材30の溝部31bから離脱し、ループLの内径を拡げることができる。
【0016】
次に、
図4~
図7を用いてヘアアレンジツール10を用いたシニヨン形成方法(ヘアアレンジ方法)を説明する。なお、これらの図中Hはヘアアレンジをされる人の頭部、Bは毛束、Gは毛束の中部、RHは使用者の右手、LHは使用者の左手を示している。
【0017】
図4に示すように、使用者は、毛束Bの大きさに合わせてループLの大きさを決め、上述したようにして第1テープ材20と第2テープ材30とを基端部11側から接合させて、ループLの内径が小さくする。ループLが適当な大きさになったところで、中部Gにヘアアレンジツール10の基端部11を通し、毛束Bを左手LHで持つ。次に
図5に示すように、左手LHで毛束Bを持ち、ヘアアレンジツール10のループLに通す。このとき、右手RHでヘアアレンジツール10を支える。
【0018】
次に、
図6に示すように左手LHで毛束Bを支えながら、右手RHでヘアアレンジツール10の基端部11側を引っ張り、
図7に示すように左手LHで頭部Hを支えながら、右手RHでヘアアレンジツール10の基端部11側を引っ張って、中部Gから引き抜く。これにより、シニヨンが形成される。
【0019】
以上説明したように、ヘアアレンジツール10によれば、毛束Bや中部Gの大きさに合わせてループLの内径を変更することができるので、ループLの内径が異なるヘアアレンジツールを用意することなく1つのヘアアレンジツール10で、様々な髪形に対応することが可能となる。すなわち、毛束の大きさやポニーテールの開口の大きさが変わっても1つのヘアアレンジツールでヘアアレンジ作業を行うことができる。
【0020】
図8は本発明の第2の実施形態であるヘアアレンジツール10Aを示す斜視図である。この図において、
図1と同一機能部分には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0021】
図8に示すように、ヘアアレンジツール10Aは、第1テープ材20及び第2テープ材30を備えている。第1テープ材20及び第2テープ材30の基端部11及び先端部13において接合されており、大型のループLが形成されている。なお、第1テープ材20の第1接合面21aと、第2テープ材30の第2接合面31aは、基端部11及び先端部13において対向した状態で溶着されている。
【0022】
このように構成されたヘアアレンジツール10Aは、上述したヘアアレンジツール10と同様に、基端部11から先端部13に向けて、第1テープ材20及び第2テープ材30を指先で強く挟んでスライドさせていくことで、第1テープ材20と第2テープ材30とを接合させて、ループLの内径を小さくさせる。一方、ループLの内部に指先をかけて第1テープ材20及び第2テープ材30を拡げれば容易に第1テープ材20の凸条部21bが第2テープ材30の溝部31bから離脱し、ループLの内径を拡げることができる。
【0023】
したがって、上述した
図4~
図7に示すようにして、ヘアアレンジツール10と同様に、ヘアアレンジを行うことができる。
【0024】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されることなくその趣旨を逸脱しない範囲で種々の改良・変更が可能であることは勿論である。例えば、上述した例では、シニヨンの形成に用いたが、三つ編み等の他のヘアアレンジ方法に用いても良い。また、ヘアアレンジツールの大きさとして、例えば基端部から先端部までの長さを8~15cm程度としたが、頭部や髪の長さに応じて適宜変更可能である。さらに、ヘアアレンジツールの素材は目的に応じて種々変更可能である。
【産業上の利用可能性】
【0025】
本発明は、美容院等において、髪を束ねたり結わえたりするために用いる際、使い勝手の良いヘアアレンジツール及びエアアレンジ方法として有効である。
【符号の説明】
【0026】
10…ヘアアレンジツール、11…基端部、12…先端部、20…第1テープ材、21…ベース材、21a…第1接合面、21b…凸条部、22…シリコン層(円滑面)、22…シリコン層、30…第2テープ材、31…ベース材、31a…第2接合面、31b…溝部、32…シリコン層(円滑面)、100…ヘアアレンジツール、101…柄、101a…端部、102…ループ。