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特開2022-179199冷凍サイクル装置および冷媒漏洩判定システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022179199
(43)【公開日】2022-12-02
(54)【発明の名称】冷凍サイクル装置および冷媒漏洩判定システム
(51)【国際特許分類】
   F24F 11/49 20180101AFI20221125BHJP
   F24F 11/36 20180101ALI20221125BHJP
   F24F 11/65 20180101ALI20221125BHJP
   F24F 11/38 20180101ALI20221125BHJP
   F25B 49/02 20060101ALI20221125BHJP
   F24F 110/10 20180101ALN20221125BHJP
   F24F 110/20 20180101ALN20221125BHJP
   F24F 120/12 20180101ALN20221125BHJP
【FI】
F24F11/49
F24F11/36
F24F11/65
F24F11/38
F25B49/02 520A
F24F110:10
F24F110:20
F24F120:12
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021086499
(22)【出願日】2021-05-21
(71)【出願人】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】新樹グローバル・アイピー特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】三浦 脩
(72)【発明者】
【氏名】西谷 恵介
【テーマコード(参考)】
3L260
【Fターム(参考)】
3L260AB02
3L260BA02
3L260BA52
3L260CA02
3L260CA12
3L260CA13
3L260EA02
3L260FA02
3L260FB04
3L260FB12
(57)【要約】
【課題】従来、冷凍サイクル装置において、冷凍サイクルの停止中に、圧力又は温度の変化により冷媒漏洩を判定しているが、この判定方法には精度が悪いという課題がある。
【解決手段】熱源ユニット2と、利用ユニット4と、を有する空調機1であり、冷媒回路10と、第1検知部28、29、30、31、43、44と、制御部70と、を備える。冷媒回路10は、圧縮機21と、凝縮器と、膨張機構35と、蒸発器とが冷媒配管で接続されている。第1検知部28、29、30、31、43、44は、冷媒回路10の冷媒の温度又は圧力を検知する。制御部70は、圧縮機21の運転停止中に、圧縮機21を起動させ、第1検知部28、29、30、31、43、44の検知値に基づき、冷媒回路10からの冷媒漏洩の有無を判定する判定モード、を実行する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱源ユニット(2、102)と、利用ユニット(4、104、114)と、を有する冷凍サイクル装置であって、
圧縮機(21)と、凝縮器と、膨張機構(35)と、蒸発器とが冷媒配管で接続された冷媒回路(10)と、
前記冷媒回路の冷媒の温度又は圧力を検知する第1検知部(28、29、30、31、43、44)と、
前記圧縮機の運転停止中に、前記圧縮機を起動させ、前記第1検知部の検知値に基づき、前記冷媒回路からの冷媒漏洩の有無を判定する判定モード、を実行する制御部(70)と、
を備える、
冷凍サイクル装置(1、101、111)。
【請求項2】
前記制御部は、前記圧縮機が所定時間運転されていない場合に、前記判定モードを実行する、
請求項1に記載の冷凍サイクル装置。
【請求項3】
前記冷凍サイクル装置は、空調機である、
請求項1又は2に記載の冷凍サイクル装置。
【請求項4】
前記利用ユニットは、利用ファン(47)を有し、
前記利用ファンは、第1回転数と第2回転数との間の回転数域で運転を設定することが可能であり、
前記制御部は、前記判定モードを実行する際、前記利用ファンを、前記第1回転数と前記第2回転数の中間以下の回転数で運転させる、
請求項3に記載の冷凍サイクル装置。
【請求項5】
前記熱源ユニットの周囲の雰囲気温度又は前記利用ユニットの周囲の雰囲気温度を検知する第2検知部(33、46)、
をさらに備え、
前記制御部は、前記熱源ユニットの周囲の雰囲気温度又は前記利用ユニットの周囲の雰囲気温度にさらに基づいて、前記冷媒回路からの冷媒漏洩の有無を判定する、
請求項3又は4に記載の冷凍サイクル装置。
【請求項6】
前記冷凍サイクル装置の空調対象である第1空間内に設置され、前記第1空間内における人の有無を検知する人検知センサ(48)、
をさらに備え、
前記制御部は、前記人検知センサで前記第1空間内に人がいないと判断した場合に、前記判定モードを実行する、
請求項3から5のいずれかに記載の冷凍サイクル装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記冷凍サイクル装置の空調対象である第1空間の温度又は温熱指標が所定範囲にある場合に、前記判定モードを実行する、
請求項3から6のいずれかに記載の冷凍サイクル装置。
【請求項8】
前記利用ユニットは、熱交換器(42)と、利用ファンと、を有し、
前記制御部は、前記熱交換器を蒸発器として用いて、前記判定モードを実行した後に、前記圧縮機を停止し、
前記利用ファンで前記熱交換器を乾燥させる乾燥運転を実行する、
請求項3に記載の冷凍サイクル装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記判定モードを、前記冷凍サイクル装置を清掃する清掃運転と同時に実行する、
請求項3から8のいずれかに記載の冷凍サイクル装置。
【請求項10】
前記冷凍サイクル装置は、運転状態を、冷房運転と、暖房運転と、に切り換え可能であり、
前記制御部は、前記圧縮機の停止前に設定されている前記冷凍サイクル装置の運転状態で、前記判定モードを実行する、
請求項3から9のいずれかに記載の冷凍サイクル装置。
【請求項11】
請求項1から10のいずれかに記載の冷凍サイクル装置と、
前記冷凍サイクル装置の判定モードの判定結果を蓄積するサーバ(63)と、
を備え、
前記制御部は、前記判定モードの判定結果を前記サーバに送信する、
冷媒漏洩判定システム(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
冷凍サイクル装置および冷媒漏洩判定システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、冷凍サイクル装置において、冷凍サイクルの停止中に、圧力又は温度の変化により冷媒漏洩を判定する方法が知られている(特許文献1(特許第6257801号公報))。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、この判定方法には精度が悪いという課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
第1観点の冷凍サイクル装置は、熱源ユニットと、利用ユニットと、を有する冷凍サイクル装置であり、冷媒回路と、第1検知部と、制御部と、を備える。冷媒回路は、圧縮機と、凝縮器と、膨張機構と、蒸発器とが冷媒配管で接続されている。第1検知部は、冷媒回路の冷媒の温度又は圧力を検知する。制御部は、圧縮機の運転停止中に、圧縮機を起動させ、第1検知部の検知値に基づき、冷媒回路からの冷媒漏洩の有無を判定する判定モード、を実行する。
【0005】
運転停止中の冷媒の圧力又は温度の変化で冷媒漏洩の有無を判定する従来の方法には、精度が悪いという課題がある。これに対し、本開示の冷凍サイクル装置は、圧縮機の停止中に圧縮機を起動させて冷媒漏洩の有無を判定するので、精度の良い冷媒漏洩判定ができる。
【0006】
第2観点の冷凍サイクル装置は、第1観点の装置であって、制御部は、圧縮機が所定時間運転されていない場合に、判定モードを実行する。
【0007】
この冷凍サイクル装置では、圧縮機に対して所定時間運転されていない場合、例えば、冷凍サイクル装置の使用頻度の低い季節であっても、精度良く冷媒漏洩判定ができる。
【0008】
第3観点の冷凍サイクル装置は、第1観点又は第2観点の装置であって、冷凍サイクル装置は、空調機である。
【0009】
第4観点の冷凍サイクル装置は、第3観点の装置であって、利用ユニットは、利用ファンを有する。利用ファンは、第1回転数と第2回転数との間の回転数域で運転を設定することが可能である。制御部は、判定モードを実行する際、利用ファンを、第1回転数と第2回転数の中間以下の回転数で運転させる。
【0010】
この冷凍サイクル装置では、冷媒漏洩の有無の判定のために利用ファンが運転される際に、利用ユニットの吹き出す空気が室内に居る人にとって適切な温度でない場合であっても、室内に居る人の快適性の低下を抑制できる。
【0011】
第5観点の冷凍サイクル装置は、第3観点又は第4観点の装置であって、熱源ユニットの周囲の雰囲気温度又は利用ユニットの周囲の雰囲気温度を検知する第2検知部、をさらに備える。制御部は、熱源ユニットの周囲の雰囲気温度又は利用ユニットの周囲の雰囲気温度にさらに基づいて、冷媒回路からの冷媒漏洩の有無を判定する。
【0012】
この冷凍サイクル装置では、冷媒回路を流れる冷媒の温度又は圧力に加え、さらに室外温度又は室内温度に基づき、精度良く冷媒漏洩を判定できる。
【0013】
第6観点の冷凍サイクル装置は、第3観点から第5観点のいずれかの装置であって、冷凍サイクル装置の空調対象である第1空間内に設置され、第1空間内における人の有無を検知する人検知センサ、をさらに備える。制御部は、人検知センサで第1空間内に人がいないと判断した場合に、判定モードを実行する。
【0014】
この冷凍サイクル装置では、室内に人がいない時に冷凍サイクル装置を運転するので、ユーザの快適性に影響を与えないで、冷媒漏洩の有無を判定することができる。
【0015】
第7観点の冷凍サイクル装置は、第3観点から第6観点のいずれかの装置であって、制御部は、冷凍サイクル装置の空調対象である第1空間の温度又は温熱指標が所定範囲にある場合に、判定モードを実行する。
【0016】
この冷凍サイクル装置では、快適な状態である場合に判定モードを実行することで、ユーザの快適性に対する影響を抑制しつつ、冷媒漏洩の有無を判定することができる。
【0017】
第8観点の冷凍サイクル装置は、第3観点の装置であって、利用ユニットは、熱交換器と、利用ファンと、を有する。制御部は、熱交換器を蒸発器として用いて、判定モードを実行した後に、圧縮機を停止し、利用ファンで熱交換器を乾燥させる乾燥運転を実行する。
【0018】
この冷凍サイクル装置では、冷凍サイクル装置の停止中に冷凍サイクル装置を運転することで蒸発器が濡れてしまう場合であっても、判定モードの終了後に乾燥運転を実行することで蒸発器を乾燥させることができる。
【0019】
第9観点の冷凍サイクル装置は、第3観点から第8観点のいずれかの装置であって、制御部は、判定モードを、冷凍サイクル装置を清掃する清掃運転と同時に実行する。
【0020】
この冷凍サイクル装置では、冷凍サイクル装置の運転停止中に、清掃運転と同時に判定モードを実行することができる。
【0021】
第10観点の冷凍サイクル装置は、第3観点から第9観点のいずれかの装置であって、冷凍サイクル装置は、運転状態を、冷房運転と、暖房運転と、に切り換え可能である。制御部は、圧縮機の停止前に設定されている冷凍サイクル装置の運転状態で、判定モードを実行する。
【0022】
この冷凍サイクル装置では、判定モードの際、設定されている冷凍サイクル装置の運転状態で冷凍サイクル装置を運転するので、ユーザの快適性に与える影響を抑制しつつ判定モードを実行することができる。
【0023】
第11観点の冷媒漏洩判定システムは、冷凍サイクル装置と、サーバと、を備える。空調機は、請求項1から10のいずれかに記載の冷凍サイクル装置である。サーバは、冷凍サイクル装置の判定モードの判定結果を蓄積する。制御部は、判定モードの判定結果をサーバに送信する。
【0024】
この冷媒漏洩判定システムでは、冷凍サイクル装置の判定モードの判定結果をサーバに送信することで、判定結果を保存することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】空調機の概略の冷媒回路図である。
図2】判定モードを実行する手順の一例を示すフローチャートである。
図3】判定モード時のフローチャートである。
図4】他の例の空調機の概略の冷媒回路図である。
図5】他の例の空調機の概略の冷媒回路図である。
図6】空調機の遠隔監理システムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本開示の冷凍サイクル装置について、図面を参照しながら説明する。
【0027】
(1)全体構成
図1は、本開示の冷凍サイクル装置の一例である空調機1の概略の冷媒回路図である。空調機1は、蒸気圧縮式の冷凍サイクル運転を行うことによって、ビル等の屋内の冷暖房に使用される装置である。空調機1は、主として、1台の熱源ユニット2と、1台の利用ユニット4と、熱源ユニット2と利用ユニット4とを接続する液冷媒連絡配管6及びガス冷媒連絡配管7とを備えている。本実施形態の空調機1の蒸気圧縮式の冷媒回路10は、熱源ユニット2と、利用ユニット4と、液冷媒連絡配管6及びガス冷媒連絡配管7とが接続されることによって構成されている。なお、利用ユニットは、1台でなくてもよく、複数台であってもよい。
【0028】
(2)詳細構成
(2-1)利用ユニット
利用ユニット4は、ビル等の屋内の天井に埋め込みや吊り下げ等、又は、屋内の壁面に壁掛け等により設置されている。利用ユニット4は、液冷媒連絡配管6及びガス冷媒連絡配管7を介して熱源ユニット2に接続されており、冷媒回路10の一部を構成している。
【0029】
利用ユニット4の構成について説明する。
【0030】
利用ユニット4は、主として、冷媒回路10の一部を構成する利用側冷媒回路10aを備えている。利用側冷媒回路10aは、主として、利用側熱交換器42を備えている。
【0031】
本実施形態において、利用側熱交換器42は、伝熱管と多数のフィンとにより構成されたクロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器であり、冷房運転時には冷媒の蒸発器として機能して屋内の空気を冷却し、暖房運転時には冷媒の凝縮器として機能して屋内の空気を加熱する熱交換器である。
【0032】
本実施形態において、利用ユニット4は、ユニット内に屋内空気を吸入して、熱交換した後に、供給空気として屋内に供給するための利用ファン47を備えており、屋内空気と利用側熱交換器42を流れる冷媒とを熱交換させることが可能である。利用ファン47は、利用側熱交換器42に供給する空気の流量を可変することが可能なファンであり、本実施形態において、ファンモータ47aによって駆動されるクロスフローファンである。利用ファン47は、第1回転数(最大回転数)と第2回転数(最小回転数)との間の回転数域で運転される。本実施形態では、利用ファン47の第1回転数は、800rpmであり、第2回転数は1200rpmである。制御部70は、利用ファン47の風量をステップ状に変更することができる。各段階の回転数と風量の関係について、例えば、回転数800rpmのときファンタップLの風量、回転数900rpmのときファンタップLMの風量、回転数1000rpmのときのファンタップMの風量、回転数1100rpmのときファンタップHMの風量、そして回転数1200rpmのときファンタップHの風量に設定されている。従って、ファンタップLの風量が最も小さく、ファンタップHの風量が最も大きい。
【0033】
また、利用ユニット4には、各種のセンサが設けられている。利用側熱交換器42の液側には液状態又は気液二相状態の冷媒の温度を検出する液側温度センサ43が設けられている。利用側熱交換器42のガス側にはガス状態又は気液二相状態の冷媒の温度を検出するガス側温度センサ44が設けられている。本実施形態において、液側温度センサ43及びガス側温度センサ44は、サーミスタからなる。液側温度センサ43及びガス側温度センサ44は、冷媒回路10の冷媒の温度又は圧力を検知する、特許請求の範囲における第1検知部の一例である。
【0034】
また、利用ユニット4は、利用ユニット4を構成する各部の動作を制御する利用側制御部45を備えている。そして、利用側制御部45は、利用ユニット4の制御を行うために設けられたマイクロコンピュータやメモリ等を有しており、利用ユニット4を個別に操作するためのリモコン(図示せず)との間で制御信号等のやりとりを行ったり、後述する熱源ユニット2の熱源制御部32との間で制御信号等のやりとりを行うことができる。利用側制御部45及び後述する熱源側制御部32は、協働して空調機1の各部の動作を制御する制御部70として機能する。制御部70については後述する。
【0035】
(2-2)熱源ユニット
熱源ユニット2は、ビル等の屋上等に設置されており、液冷媒連絡配管6及びガス冷媒連絡配管7を介して利用ユニット4に接続されており、利用ユニット4の間で冷媒回路10を構成している。
【0036】
次に、熱源ユニット2の構成について説明する。熱源ユニット2は、主として、冷媒回路10の一部を構成する熱源側冷媒回路10bを備えている。この熱源側冷媒回路10bは、主として、圧縮機21と、四路切換弁22と、熱源側熱交換器23と、アキュムレータ24と、液側閉鎖弁25と、ガス側閉鎖弁26と、膨張弁35とを備えている。
【0037】
圧縮機21は、運転容量を可変することが可能な圧縮機であり、本実施形態において、インバータにより制御されるモータ21aによって駆動される容積式圧縮機である。本実施形態において、圧縮機21は、1台のみであるが、これに限定されず、利用ユニットの接続台数等に応じて、2台以上の圧縮機が並列に接続されたものであってもよい。
【0038】
四路切換弁22は、冷媒の流れの方向を切り換えるための弁である。四路切換弁22は、冷房運転時には、圧縮機21の吐出側と熱源側熱交換器23のガス側とを接続するとともに、圧縮機21の吸入側(具体的には、アキュムレータ24)とガス冷媒連絡配管7側とを接続する(図1の四路切換弁22の実線を参照)。これにより、熱源側熱交換器23を圧縮機21において圧縮される冷媒の凝縮器として、かつ、利用側熱交換器42を熱源側熱交換器23において凝縮される冷媒の蒸発器として機能させる。四路切換弁22は、暖房運転時には、圧縮機21の吐出側とガス冷媒連絡配管7側とを接続するとともに、圧縮機21の吸入側と熱源側熱交換器23のガス側とを接続する(図1の四路切換弁22の破線を参照)。これにより、利用側熱交換器42を圧縮機21において圧縮される冷媒の凝縮器として、かつ、熱源側熱交換器23を利用側熱交換器42において凝縮される冷媒の蒸発器として機能させる。
【0039】
本実施形態において、膨張弁35は、液冷媒連絡配管6を流れる冷媒の流量の調節等を行うために、熱源側熱交換器23の液側に接続された開度可変の電子膨張弁である。
【0040】
本実施形態において、熱源側熱交換器23は、伝熱管と多数のフィンとにより構成されたクロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器であり、冷房運転時には冷媒の凝縮器として機能し、暖房運転時には冷媒の蒸発器として機能する熱交換器である。熱源側熱交換器23は、そのガス側が四路切換弁22に接続され、その液側が液冷媒連絡配管6に接続されている。
【0041】
本実施形態において、熱源ユニット2は、ユニット内に屋外空気を吸入して、熱源側熱交換器23に供給した後に、屋外に排出するための熱源ファン27を備えており、屋外空気と熱源側熱交換器23を流れる冷媒とを熱交換させることが可能である。この熱源ファン27は、熱源側熱交換器23に供給する空気の流量を可変することが可能なファンであり、本実施形態において、ファンモータ27aによって駆動されるプロペラファンである。
【0042】
アキュムレータ24は、四路切換弁22と圧縮機21との間に接続されており、利用ユニット4の運転負荷に応じて冷媒回路10内に発生する余剰冷媒を溜めることが可能な容器である。
【0043】
液側閉鎖弁25及びガス側閉鎖弁26は、外部の機器・配管(具体的には、液冷媒連絡配管6及びガス冷媒連絡配管7)との接続口に設けられた弁である。液側閉鎖弁25は、配管を介して熱源側熱交換器23に接続されている。ガス側閉鎖弁26は、配管を介して四路切換弁22に接続されている。
【0044】
また、熱源ユニット2には、各種のセンサが設けられている。具体的には、熱源ユニット2には、圧縮機21の吸入圧力を検出する吸入圧力センサ28と、圧縮機21の吐出圧力を検出する吐出圧力センサ29と、熱源側熱交換器23内を流れる冷媒の温度を検出する熱交温度センサ30と、熱源側熱交換器23の液側には液状態又は気液二相状態の冷媒の温度を検出する液側温度センサ31とが設けられている。吸入圧力センサ28と、吐出圧力センサ29と、熱交温度センサ30と、液側温度センサ31は、冷媒回路10の冷媒の温度又は圧力を検知する、特許請求の範囲における第1検知部である。
【0045】
また、熱源ユニット2は、熱源ユニット2を構成する各部の動作を制御する熱源側制御部32を備えている。そして、熱源側制御部32は、熱源ユニット2の制御を行うために設けられたマイクロコンピュータ、メモリやモータ21aを制御するインバータ回路等を有しており、利用ユニット4の利用側制御部45との間で制御信号等のやりとりを行うことができる。熱源側制御部32及び利用側制御部45は、協働して空調機1の各部の動作を制御する制御部70として機能する。制御部70については後述する。
【0046】
以上のように、利用側冷媒回路10aと、熱源側冷媒回路10bと、冷媒連絡配管6、7とが接続されて、空調機1の冷媒回路10が構成されている。そして、本実施形態の空調機1は、四路切換弁22により冷房運転及び暖房運転を切り換えて運転を行うとともに、利用ユニット4の運転負荷に応じて、熱源ユニット2及び利用ユニット4の各機器の制御を行う。
【0047】
(2-3)制御部
制御部70は、利用側制御部45と、熱源側制御部32と、を含んでいる。
【0048】
制御部70は、空調機1の運転を制御する。例えば、制御部70は、四路切換弁22の動作を制御して、冷房運転時に、熱源側熱交換器23が凝縮器として機能し、利用側熱交換器42が蒸発器として機能する状態に切り替える。また、制御部70は、四路切換弁22の動作を制御して、暖房運転時に、熱源側熱交換器23が蒸発器として機能し、利用側熱交換器42が凝縮器として機能する状態に切り替える。また、制御部70は、利用ファン47のファンモータ47a及び熱源ファン27のファンモータ27aの回転数を調整する。また、制御部70は、膨張弁35の開度を調節する。また、制御部70は、第1検知部の検知値に基づき、冷媒回路10からの冷媒漏洩の有無を判定する判定モードを実行する。制御部70は、圧縮機21の運転停止中に、圧縮機21を起動させ、判定モードを実行する。圧縮機21の運転停止中には、例えば、空調機1に対する運転信号の入力が無い場合や、冷暖房負荷(設定温度と室温との温度差)が小さくなり圧縮機21が停止する、いわゆるサーモオフ状態の場合や、圧縮機21を運転させず、利用ファン47を運転させる、いわゆる送風運転状態の場合を含む。
【0049】
制御部70はコンピュータにより実現されるものである。制御部70は、制御演算装置と記憶装置とを有している(図示せず)。制御演算装置には、CPUのようなプロセッサを使用できる。制御演算装置は、記憶装置に記憶されているプログラムを読み出し、このプログラムに従って所定の演算処理を行う。さらに、制御演算装置は、プログラムに従って、演算結果を記憶装置に書き込んだり、記憶装置に記憶されている情報を読み出したりすることができる。記憶装置は、データベースとして用いることができる。
【0050】
制御部70は、空調機1が所定時間運転されていない場合にも、判定モードを実行する。本実施形態では、制御部70は、1日1回、判定モードを実施する。
【0051】
(3)全体動作
次に、本実施形態の空調機1の動作について説明する。
【0052】
本実施形態の空調機1の運転モードとしては、利用ユニット4の運転負荷に応じて、熱源ユニット2及び利用ユニット4の各機器の制御を行う通常運転モードと、冷媒回路10からの冷媒漏洩の有無を判定する判定モードとがある。そして、通常運転モードには冷房運転と暖房運転とがある。本実施形態の判定モードでは、制御部70は、冷房運転状態で空調機1を運転しつつ、凝縮器として機能する熱源側熱交換器23の出口における冷媒の過冷却度を検出して、冷媒回路10からの冷媒漏洩の有無を判定する。
【0053】
(4)空調機の各運転モードにおける動作
以下、空調機1の各運転モードにおける動作について説明する。
【0054】
(4-1)通常運転モード
(4-1-1)冷房運転
まず、通常運転モードにおける冷房運転について説明する。
【0055】
冷房運転時は、四路切換弁22が図1の実線で示される状態、言い換えれば、圧縮機21の吐出側が熱源側熱交換器23のガス側に接続された状態となっている。また、液側閉鎖弁25、ガス側閉鎖弁26は開にされ、膨張弁35は熱源側熱交換器23の出口における冷媒の過冷却度が所定値になるように開度調節されるようになっている。本実施形態において、熱源側熱交換器23の出口における冷媒の過冷却度は、吐出圧力センサ29により検出される圧縮機21の吐出圧力値を冷媒の飽和温度値に換算し、この冷媒の飽和温度値から液側温度センサ31により検出される冷媒温度値を差し引くことによって検出される。また、熱源側熱交換器23内を流れる冷媒の温度を検出する熱交温度センサ30により検出される冷媒温度値から液側温度センサ31により検出される冷媒温度値を差し引くことによって熱源側熱交換器23の出口における冷媒の過冷却度を検出するようにしてもよい。この冷媒回路10の状態で、圧縮機21を起動すると、低圧のガス冷媒は、圧縮機21に吸入されて圧縮されて高圧のガス冷媒となる。その後、高圧のガス冷媒は、四路切換弁22を経由して熱源側熱交換器23に送られて、熱源ファン27によって供給される屋外空気と熱交換を行って凝縮されて高圧の液冷媒となる。
【0056】
この高圧の液冷媒は、膨張弁35によって減圧されて低圧の気液二相状態の冷媒となる。そして、この低圧の気液二相状態の冷媒は、液側閉鎖弁25及び液冷媒連絡配管6を経由して、利用側熱交換器42に送られ、利用側熱交換器42で利用ファン47によって供給される屋内空気と熱交換を行って蒸発されて低圧のガス冷媒となる。
【0057】
ここで、膨張弁35は、熱源側熱交換器23の出口における過冷却度が所定値になるように熱源側熱交換器23内を流れる冷媒の流量を制御しているため、熱源側熱交換器23において凝縮された高圧のガス冷媒は、所定の過冷却度を有する状態となる。そして、利用側熱交換器42には、利用ユニット4が設置された空調空間において要求される運転負荷に応じた流量の冷媒が流れている。
【0058】
この低圧のガス冷媒は、ガス冷媒連絡配管7を経由して熱源ユニット2に送られ、ガス側閉鎖弁26及び四路切換弁22を経由して、アキュムレータ24に流入する。そして、アキュムレータ24に流入した低圧のガス冷媒は、再び、圧縮機21に吸入される。ここで、利用ユニット4の運転負荷に応じて、例えば、利用ユニット4が停止している場合、あるいは、利用ユニット4の運転負荷が小さい場合等のように、冷媒回路10内に余剰冷媒量が発生する場合には、アキュムレータ24に余剰冷媒が溜まるようになっている。
【0059】
(4-1-2)暖房運転
次に、通常運転モードにおける暖房運転について説明する。
【0060】
暖房運転時は、四路切換弁22が図1の破線で示される状態、言い換えれば、圧縮機21の吐出側が利用側熱交換器42のガス側に接続され、かつ、圧縮機21の吸入側が熱源側熱交換器23のガス側に接続された状態となっている。また、液側閉鎖弁25、ガス側閉鎖弁26は開にされ、膨張弁35は利用側熱交換器42の出口における冷媒の過冷却度が所定値になるように開度調節されるようになっている。本実施形態において、利用側熱交換器42の出口における冷媒の過冷却度は、吐出圧力センサ29により検出される圧縮機21の吐出圧力値を冷媒の飽和温度値に換算し、この冷媒の飽和温度値から液側温度センサ43により検出される冷媒温度値を差し引くことによって検出される。尚、本実施形態では採用していないが、利用側熱交換器42内を流れる冷媒の温度を検出する温度センサを設けて、この温度センサにより検出される冷媒温度値から液側温度センサ43により検出される冷媒温度値を差し引くことによって利用側熱交換器42の出口における冷媒の過冷却度を検出するようにしてもよい。
【0061】
この冷媒回路10の状態で、圧縮機21を起動すると、低圧のガス冷媒は、圧縮機21に吸入されて圧縮されて高圧のガス冷媒となり、四路切換弁22、ガス側閉鎖弁26及びガス冷媒連絡配管7を経由して、利用ユニット4に送られる。
【0062】
そして、利用ユニット4に送られた高圧のガス冷媒は、利用側熱交換器42において、利用ファン47によって供給される屋内空気と熱交換を行って凝縮されて高圧の液冷媒となる。
【0063】
この高圧の液冷媒は、液冷媒連絡配管6を経由して熱源ユニット2に送られ、液側閉鎖弁25を経由して、膨張弁35に流入する。この高圧の液冷媒は、膨張弁35によって減圧されて低圧の気液二相状態の冷媒となる。ここで、膨張弁35は、利用側熱交換器42の出口における過冷却度が所定値になるように利用側熱交換器42内を流れる冷媒の流量を制御しているため、利用側熱交換器42において凝縮された高圧の液冷媒は、所定の過冷却度を有する状態となる。そして、利用側熱交換器42には、利用ユニット4が設置された空調空間において要求される運転負荷に応じた流量の冷媒が流れている。
【0064】
この低圧の気液二相状態の冷媒は、熱源側熱交換器23に流入する。そして、熱源側熱交換器23に流入した低圧の気液二相状態の冷媒は、熱源ファン27によって供給される屋外空気と熱交換を行って凝縮されて低圧のガス冷媒となり、四路切換弁22を経由してアキュムレータ24に流入する。そして、アキュムレータ24に流入した低圧のガス冷媒は、再び、圧縮機21に吸入される。ここで、利用ユニット4の運転負荷に応じて、例えば、利用ユニット4が停止している場合、あるいは、利用ユニット4の運転負荷が小さい場合等のように、冷媒回路10内に余剰冷媒量が発生する場合には、冷房運転時と同様、アキュムレータ24に余剰冷媒が溜まるようになっている。
【0065】
(4-2)判定モード
次に、判定モードについて説明する。
【0066】
制御部70は、所定の期間毎に、例えば1日1回、判定モードを実行する。
【0067】
制御部70は、空調機1が通常運転モードで運転されている時は、通常運転モードの合間に判定モードを実行する。
【0068】
制御部70は、圧縮機21が長時間運転を停止している場合は、1日1回、強制的に圧縮機21を起動して判定モードを実行する。圧縮機21が長時間運転を停止している場合とは、例えば、空調機1の運転停止中の場合だけでなく、冷暖房負荷が小さく圧縮機21が停止中の場合、圧縮機21が停止しており利用ファン47のみが運転している場合も含まれる。これにより、制御部70は、所定の期間毎に確実に判定モードを実行することができる。ここでは、圧縮機21が所定時間停止している場合に、制御部70が判定モードを実行する手順について、図2のフローチャートを参照して説明する。
【0069】
まず、ステップS1において、制御部70は、圧縮機21が所定時間運転停止中であるか否か判断する。所定時間は、例えば、圧縮機21が長時間停止中であっても、1日1回、制御部70が判定モードを実行するように適宜決定される。例えば、0時から23時30分まで圧縮機21の運転が停止していた場合、制御部70が圧縮機21を起動し判定モードを実行するように設定されている。制御部70は、圧縮機21が所定時間運転停止中であると判断した場合、ステップS2に移行する。
【0070】
ステップS2において、制御部70は、判定モードを実行するために、圧縮機21を起動する。
【0071】
ステップS3において、制御部70は、圧縮機21を起動した後、判定モードを実行する。
【0072】
-判定モード-
次に、制御部70が実行する判定モードについて、図3のフローチャートを参照して説明する。
【0073】
<ステップS11:利用ユニットを冷房運転状態で運転>
まず、制御部70は、熱源ユニット2の四路切換弁22を図1の実線で示される状態(冷房運転状態)に切り換え、熱源ユニット2の膨張弁35を開状態とし、圧縮機21、熱源ファン27及び利用ファン47を起動する。
【0074】
制御部70は、選択可能な利用ファンタップのうち、中間以下の風量となるファン回転数で利用ファン47を運転させる。例えば、限定するものではないが、ファンタップH,HM,M,LM,Lのうち、ファンタップLが使用される。ただし、利用ファン47は、選択可能な利用ファンタップのうち、例えばファンタップMや、ファンタップLMが使用されてもよい。
【0075】
室内制御部47は、利用ファン47を、第1回転数と第2回転数との中間以下の回転数で運転させる。利用ファン47の回転数は、好ましくは第1回転数と第2回転数との間の第2回転数側の1/3以下の回転数とする。または、利用ファン47の回転数は、第2回転数(最小回転数)としてもよく、第2回転数よりも小さい回転数としてもよい。
【0076】
<ステップS12:過冷却度の検出>
次に、室外制御部32は、所定時間運転を行った後、熱源側熱交換器23の出口における過冷却度を検出する。
【0077】
本実施形態において、熱源側熱交換器23の出口における冷媒の過冷却度は、熱交温度センサ30により検出される冷媒温度値から液側温度センサ31により検出される冷媒温度値を差し引くことによって検出されるか、又は、吐出圧力センサ29により検出される圧縮機21の吐出圧力値を冷媒の飽和温度値に換算し、この冷媒の飽和温度値から液側温度センサ31により検出される冷媒温度値を差し引くことによって検出される。
【0078】
<ステップS13:冷媒漏洩の有無の判定>
次に、制御部70は、ステップS12において検出された過冷却度の値から冷媒漏洩の有無を判定する。
【0079】
具体的には、ステップS12において検出された過冷却度値が目標過冷却度値とほぼ同じ値(例えば、検出された過冷却度値と目標過冷却度値との差が所定値未満)である場合には、制御部70は冷媒回路10からの冷媒の漏洩がないものと判定する。
【0080】
一方、ステップS12において検出された過冷却度値が目標過冷却度値とよりも小さい値(例えば、検出された過冷却度値と目標過冷却度値との差が所定値以上)である場合には、制御部70は冷媒回路10からの冷媒の漏洩が発生しているものと判定する。
【0081】
(5)冷媒漏洩判定システム
次に、冷媒漏洩判定システム100について、図6を参照して説明する。
【0082】
冷媒漏洩判定システム100は、空調機1と、管理装置61と、遠隔監視サーバ63と、を含む。管理装置61は、空調機1の制御部70と通信線を介して接続されている。管理装置61は、例えば、空調機1と同じ建物内に設けられている。遠隔監視サーバ63は、ネットワーク62を介して、管理装置61と通信可能に接続されている。
【0083】
制御部70は、管理装置61に空調機1の各種運転データを送信する。管理装置61は、制御部70から受け取った情報のうち、判定モードの結果を含む、予め定められた情報を、ネットワーク62を介して遠隔監視サーバ63に送信する。遠隔監視サーバ63は、管理装置61から受け取った情報に基づき、必要に応じて空調機1の管理者に報知する。
【0084】
遠隔監視サーバ63は、空調機1の判定モードの判定結果を蓄積する。空調機1の制御部70は、判定モードの終了後ただちに、又は所定時間後に、判定モードの判定結果を管理装置61に送信する。管理装置61は、定期的に遠隔監視サーバ63に判定モードの結果を含む、予め定められた情報を送信する。
【0085】
なお、空調機1では、冷媒漏洩と、運転継続可能な他の異常とが併発する可能性がある。このような場合に、判定モードの結果を遠隔監視サーバ63に通知できなくことを防ぐために、管理装置61は、判定モードの結果について優先順位を上げて、遠隔監視サーバ63へ送信することが好ましい。
【0086】
また、遠隔監視サーバ63に冷媒漏洩検知の運転結果が確実に送信されるように、空調機1の制御部70又は管理装置61は、判定モードの結果を一定時間保持することが好ましい。制御部70又は管理装置61で判定モード結果を保持する時間は、遠隔監視サーバ63と管理装置61とのアクセス間隔を考慮に入れるようにしてもよい。
【0087】
(6)特徴
(6-1)
本実施形態に係る空調機1では、熱源ユニット2と、利用ユニット4と、を有する空調機1であり、冷媒回路10と、吐出圧力センサ29と、熱交温度センサ30と、液側温度センサ31と、制御部70と、を備える。冷媒回路10は、圧縮機21と、凝縮器と、膨張機構35と、蒸発器とが冷媒配管で接続されている。吐出圧力センサ29と、熱交温度センサ30と、液側温度センサ31は、冷媒回路10の冷媒の温度又は圧力を検知する。制御部70は、圧縮機21の運転停止中に、圧縮機21を起動させ、吐出圧力センサ29、熱交温度センサ30、液側温度センサ31の検知値に基づき、冷媒回路10からの冷媒漏洩の有無を判定する判定モード、を実行する。
【0088】
運転停止中の冷媒の圧力又は温度の変化で冷媒漏洩の有無を判定する従来の方法には、精度が悪いという課題がある。これに対し、本実施形態に係る空調機1は、圧縮機21の停止中に圧縮機21を起動させて冷媒漏洩の有無を判定するので、精度の良い冷媒漏洩判定ができる。
【0089】
(6-2)
本実施形態に係る空調機1では、制御部70は、圧縮機21が所定時間運転されていない場合に、判定モードを実行する。
【0090】
この空調機1では、圧縮機21に対して所定時間運転されていない場合、例えば、空調機1の使用頻度の低い季節であっても、精度良く冷媒漏洩判定ができる。
【0091】
(6-3)
本実施形態に係る空調機1では、利用ユニット4は、利用ファン47を有する。利用ファン47は、第1回転数と第2回転数との間の回転数域で運転を設定することが可能である。制御部70は、判定モードを実行する際、利用ファン47を、第1回転数と第2回転数の中間以下の回転数で運転させる。
【0092】
この空調機1では、冷媒漏洩の有無の判定のために利用ファン47が運転される際に、室内機4の吹き出す空気が室内に居る人にとって適切な温度でない場合であっても、室内に居る人の快適性の低下を抑制できる。
【0093】
(6-4)
本実施形態に係る冷媒漏洩判定システム100は、空調機1と、遠隔サーバ63と、を備える。空調機1は、本実施形態に係る空調機1である。遠隔サーバ63は、空調機1の判定モードの判定結果を蓄積する。制御部70は、判定モードの判定結果を遠隔サーバ63に送信する。
【0094】
この冷媒漏洩判定システム100では、空調機1の判定モードの判定結果を遠隔サーバ63に送信することで、判定結果を保存することができる。
【0095】
(7)変形例
(7-1)変形例1A
上記実施形態では、制御部70は判定モードにおいて、熱交温度センサ30又は吐出圧力センサ29と、液側温度センサ31と、を用いて、熱源側熱交換器23の出口における過冷却度を検出する場合について説明したが、これに限るものではない。
【0096】
また、上記実施形態の判定モードでは、制御部70は、空調機1を冷房運転させているが、これに限らず暖房運転させてもよい。また、制御部70は、冷媒回路からの冷媒漏洩の有無を判定するために特殊な運転を行ってもよい。
【0097】
また、冷媒漏洩の検知には、過冷却度以外の指標が用いられてもよい。
【0098】
例えば、吸入圧力センサ28を用いて、吸入圧力を検出し、吸入圧力が正常値より低い場合に、冷媒の漏洩が発生していると判定してもよい。
【0099】
また、吐出圧力センサ29を用いて、吐出圧力を検出し、吐出圧力が正常値より低い場合に、冷媒の漏洩が発生していると判定してもよい。
【0100】
また、ガス側温度センサ44、液側温度センサ43、吸入圧力センサ28を用いて、吸入過熱度を検出し、吸入過熱度が正常値より大きい場合に、冷媒の漏洩が発生していると判定してもよい。
【0101】
また、ガス側温度センサ44を用いて、吐出ガス冷媒温度を検出し、吐出ガス冷媒温度が正常値より高い場合に、冷媒の漏洩が発生していると判定してもよい。
【0102】
また、室内温度センサ46を用いて、吸込空気温度と吹出空気温度との温度差を検知し、吸込空気温度と吹出空気温度との温度差が正常値より小さい場合に、冷媒の漏洩が発生していると判定してもよい。
【0103】
また、フロート弁(図示せず)を用いて、受液器(レシーバ、図示せず)の液面高さを検知し、受液器の液面高さが正常値より小さい場合に、冷媒の漏洩が発生していると判定してもよい。
【0104】
また、空調機が水冷凝縮器を有する場合には、冷水温度センサ(図示せず)を用いて、冷水入口温度と冷水出口温度との温度差を検知し、冷水入口温度と冷水出口温度との温度差が正常値より小さい場合に、冷媒の漏洩が発生していると判定してもよい。
【0105】
(7-2)変形例1B
運転停止中の圧縮機21を強制的に運転して冷媒漏洩の検知を行う場合には、圧縮機21を短時間だけ動作させるものであってもよい。圧縮機21の運転停止中に冷媒漏洩の検知のために行う圧縮機21の運転は、ユーザが望まない運転なので、短時間で終了することが好ましいためである。短時間とは、例えば数十秒である。
【0106】
その際の判定モードは、例えば熱源側熱交換器23や、利用側熱交換器42で冷媒の温度が変化するかによって、冷媒漏洩の有無を判定するようにしてもよい。
【0107】
但し、例えば熱源側熱交換器23や、利用側熱交換器42で冷媒の温度が変化するかによって、冷媒漏洩の有無を判定する方法では短時間で冷媒の温度変化を見るので、室外温度や室内温度の影響を受けやすい。従って、空調機の制御部は、室外温度センサで検知した熱源ユニットの周囲の雰囲気温度、又は室内温度センサで検知した利用ユニットの周囲の雰囲気温度にさらに基づいて、冷媒回路からの冷媒漏洩の有無を判定するようにしてもよい。
【0108】
変形例1Bの空調機101の概略の冷媒回路図を図4に示す。空調機101では、利用ユニット104に室内の温度を検知する室内温度センサ46が設けられている。また、熱源ユニット102に室外の温度を検知する室外温度センサ33が設けられている。室外温度センサ33は、熱源ユニット102の周囲の雰囲気温度を検知する、特許請求の範囲における第2検知部の一例である。また、室内温度センサ46は、利用ユニット104の周囲の雰囲気温度を検知する、特許請求の範囲における第2検知部の一例である。空調機101の室内温度センサ46と、室外温度センサ33以外の構成は、本実施形態で説明した空調機1と同様であるため、詳細な説明を省略する。
【0109】
変形例1Bの空調機では、冷媒回路を流れる冷媒の温度又は圧力に加え、さらに室外温度又は室内温度に基づき、空調機1を短時間しか運転しない場合でも、冷媒漏洩を比較的精度良く判定できる。
【0110】
(7-3)変形例1C
圧縮機21の運転停止中に冷媒漏洩の有無を判定するために圧縮機21を起動させる場合、制御部70は、空調機1の空調対象空間における人の在不在をさらに考慮して、判定モードを実行するようにしてもよい。
【0111】
変形例1Cの空調機111の概略の冷媒回路図を図5に示す。空調機111では、利用ユニット114に人検知センサ48を備えている。人検知センサ48は、空調機111の空調対象空間における人の有無を検知する。空調機1の制御部70は、人検知センサ48で空調対象空間に人がいないと判断した場合に、判定モードを実行する。空調機111の人検知センサ48以外の構成は、本実施形態で説明した空調機1と同様であるため、詳細な説明を省略する。
【0112】
ただし、空調機1の空調対象空間における人の在不在にかかわらず、所定の期間に1度(例えば、1日1度)は冷媒漏洩の有無の判定が行われることが好ましい。
【0113】
変形例1Cの空調機1では、室内に人がいない時に空調機1を運転するので、ユーザの快適性に影響を与えないで、冷媒漏洩の有無を判定することができる。
【0114】
(7-4)変形例1D
図4に示す空調機101において、圧縮機21の運転停止中に冷媒漏洩の有無を判定するために圧縮機21を起動させる場合、制御部70は、空調機101の空調対象である第1空間の温度が所定範囲にある場合に判定モードを実行するようにしてもよい。空調対象である第1空間の温度の所定範囲とは、空調機101の設定温度範囲内である。空調機101の設定温度範囲内とは、例えば、冷房運転時で設定温度を25℃とした場合、20℃から25℃の範囲とし、暖房運転時で設定温度を20℃とした場合、20℃から30℃までの範囲とする。
【0115】
また、制御部70は、判定モードを実行することにより、第1空間の温度が所定範囲外になった場合、判定モードを終了してもよい。
【0116】
また、制御部70は、判定モードを実行することにより、第1空間の温度が所定範囲内であっても、所定温度上昇又は下降した場合に、判定モードを終了してもよい。例えば、判定モードにおいて冷房運転状態で運転を行う場合には、空調機101の空調対象である第1空間の温度が、判定モードの開始から例えば3度上昇したら判定モードを終了する。また、判定モードにおいて暖房運転状態で運転を行う場合には、空調機101の空調対象である第1空間の温度が、判定モードの開始から例えば3度下降したら判定モードを終了する。
【0117】
ただし、判定モードを実行することにより、第1空間の温度が所定範囲外になった場合又は所定温度以上上昇若しくは下降した場合であっても、所定の期間に1度(例えば、1日1度)は冷媒漏洩の有無の判定が行われることが好ましい。
【0118】
変形例1Dの空調機101は、変形例1Bで説明した空調機101と同じ構成である。
【0119】
変形例1Dの空調機101では、快適な状態である場合に判定モードを実行することで、ユーザの快適性に対する影響を抑制しつつ、冷媒漏洩の有無を判定することができる。
【0120】
(7-5)変形例1E
図4に示す空調機101において、圧縮機21の運転停止中に冷媒漏洩の有無を判定するために圧縮機21を起動させる場合、制御部70は、空調機101の空調対象である第1空間の温熱指標が所定範囲にある場合に、判定モードを実行するようにしてもよい。例えば、制御部70は、空調機101の空調対象である第1空間の不快指数が、暖房運転時で65以上、又は冷房運転時で75以下である場合、判定モードを実行するようにしてもよい。不快指数は、「0.81×室温+0.01×湿度×(0.99×室温-14.3)+46.3」の式で求められる。
【0121】
また、制御部70は、判定モードを実行することにより、第1空間の温熱指標が所定範囲外になった場合、判定モードを終了してもよい。
【0122】
また、制御部70は、判定モードを実行することにより、第1空間の温熱指標が所定範囲内であっても、所定温度上昇又は下降した場合に、判定モードを終了してもよい。
【0123】
ただし、判定モードを実行することにより、第1空間の温熱指標が所定範囲外になった場合又は所定温度以上上昇若しくは下降した場合であっても、所定の期間に1度(例えば、1日1度)は冷媒漏洩の有無の判定が行われることが好ましい。
【0124】
変形例1Eの空調機101は、変形例1Bで説明した空調機101と同じ構成である。
【0125】
変形例1Eの空調機101では、快適な状態である場合に判定モードを実行することで、ユーザの快適性に対する影響を抑制しつつ、冷媒漏洩の有無を判定することができる。
【0126】
(7-6)変形例1F
制御部70は、冷房運転を行って利用側熱交換器42を蒸発器として用いて、判定モードを実行した後に、圧縮機21を停止し、利用ファン47で利用側熱交換器42を乾燥させる乾燥運転を実行してもよい。
【0127】
変形例1Fの空調機では、空調機1の停止中に冷房運転を行うことで利用側熱交換器(蒸発器)42が濡れてしまう場合であっても、判定モードの終了後に乾燥運転を実行することで蒸発器42を乾燥させることができる。
【0128】
また、制御部70は暖房運転を行って、熱源側熱交換器23を蒸発器として用いて、判定モードを実行した後に、圧縮機21を停止し、熱源ファン27で熱源側熱交換器23を乾燥させる乾燥運転を実行してもよい。空調機1の停止中に暖房運転を行うことで熱源側熱交換器(蒸発器)23が濡れてしまう場合でも、判定モードを実行した後に、熱源ファン27を用いて、熱源側熱交換器23を乾燥させることができる。
【0129】
(7-7)変形例1G
圧縮機21の運転停止中に冷媒漏洩の有無を判定するために圧縮機21を起動させる場合、制御部70は、判定モードを、空調機1を清掃する清掃運転と同時に実行するようにしてもよい。空調機1を清掃する清掃運転では、冷房運転の後に暖房運転を行う。室内機4の内部を乾燥させることで、カビの発生を抑えることができる。
【0130】
変形例1Gの空調機では、圧縮機の運転停止中に清掃運転と同時に判定モードを実行することができる。
【0131】
(7-8)変形例1H
圧縮機21の運転停止中に冷媒漏洩の有無を判定するために圧縮機21を起動させる場合、制御部70は、圧縮機21の停止前に設定されている空調機1の運転状態で、判定モードを実行するようにしてもよい。例えば、制御部70は、圧縮機21の停止前に設定させていた運転モードが暖房運転である場合、暖房運転中に冷媒漏洩の有無を判定してもよい。
【0132】
変形例1Hの空調機では、判定モードの際、設定されている空調機の運転状態で空調機を運転するので、ユーザの快適性に与える影響を抑制しつつ判定モードを実行することができる。
【0133】
(7-9)変形例1I
図4に示す空調機101において、圧縮機21の運転停止中に冷媒漏洩の有無を判定するために圧縮機21を起動させる場合、制御部70は、室外温度又は室内温度に基づき、空調機1の運転状態を切り換えてもよい。制御部70は、圧縮機21の運転停止中に圧縮機を起動させる場合、圧縮機21の停止前に設定されている空調機101の運転状態で判定モードを実行してもよいが、室外温度又は室内温度が設定されている運転状態の許容範囲外の場合、冷媒回路10の圧力が高くなり、圧縮機21に負荷がかかる可能性がある。
【0134】
そのため、制御部70は、空調機101で設定されている運転状態が暖房運転状態であって、室外温度又は室内温度が運転状態の設定温度(運転可能温度)の範囲に含まれない場合、冷媒回路10の状態を、冷房運転状態に切り換えて、判定モードを実行するようにしてもよい。
【0135】
変形例1Iの空調機では、空調機で設定されている運転状態が暖房運転状態であっても、室外温度又は室内温度が暖房運転状態の設定温度の範囲に含まれない場合、冷房運転に切り替えて判定モードを実行することで、圧縮機21への負荷を抑えることができる。
【0136】
変形例1Iの空調機101は、変形例1Bで説明した空調機101と同じ構成である。
【0137】
(7-10)変形例1J
本実施形態では、冷暖切り換え可能な空調機について説明したが、これに限るものではない。冷房専用の空調機でもよい。また、冷凍サイクル装置は、空調機以外の冷凍サイクル装置であってもよく、例えば、冷凍・冷蔵ユニット、ヒートポンプ給湯機、ウォーターチリングユニットなどでもよい。
【0138】
(7-11)変形例1K
本実施形態では、空調機1の制御部70が冷媒漏洩の有無を判定しているが、冷媒漏洩判定システム100の管理装置61又は遠隔監視サーバ63において冷媒漏洩の有無を判定してもよい。制御部70が圧縮機21の停止中に冷媒漏洩の有無を判定するために圧縮機21を起動させた場合、制御部70は空調機1の各種運転データを取得し、管理装置61又は遠隔監視サーバ63に送信する。管理装置61又は遠隔監視サーバ63は、取得した空調機1の各種運転データに基づき、冷媒漏洩の有無を判定する。なお、冷媒漏洩判定システム100は管理装置61を含まない構成であってもよい。この場合、空調機1の制御部70は直接各種データを遠隔監視サーバ63に送信し、遠隔監視サーバ63において冷媒漏洩の有無を判定してもよい。
【0139】
(7-12)変形例1L
以上、本開示の実施形態を説明したが、特許請求の範囲に記載された本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。
【符号の説明】
【0140】
1、101、111 空調機(冷凍サイクル装置)
2、102 熱源ユニット
4、104、114 利用ユニット
6 液冷媒連絡配管
7 ガス冷媒連絡配管
10 冷媒回路
21 圧縮機
21a モータ
22 四路切換弁(切換機構)
23 熱源側熱交換器
24 アキュムレータ
27 熱源ファン
27a ファンモータ
28 吸入圧力センサ(第1検知部)
29 吐出圧力センサ(第1検知部)
30 熱交温度センサ(第1検知部)
31 液側温度センサ(第1検知部)
32 熱源側制御部(制御部)
33 室外温度センサ(第2検知部)
35 膨張弁(膨張機構)
42 利用側熱交換器
43 液側温度センサ(第1検知部)
44 ガス側温度センサ(第1検知部)
45 利用側制御部(制御部)
46 室内温度センサ(第2検知部)
47 利用ファン
47a ファンモータ
48 人検知センサ
63 遠隔サーバ(サーバ)
70 制御部
100 遠隔管理システム(冷媒漏洩判定システム)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0141】
【特許文献1】特許第6257801号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2022-11-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱源ユニット(2、102)と、利用ユニット(4、104、114)と、を有する冷凍サイクル装置であって、
圧縮機(21)と、凝縮器と、膨張機構(35)と、蒸発器とが冷媒配管で接続された冷媒回路(10)と、
前記冷媒回路の冷媒の温度又は圧力を検知する第1検知部(28、29、30、31、43、44)と、
前記圧縮機が所定時間運転停止中であると判断した場合に、前記圧縮機を起動させ、前記第1検知部の検知値に基づき、前記圧縮機の運転中に、前記冷媒回路からの冷媒漏洩の有無を判定する判定モード、を実行する制御部(70)と、
を備える、
冷凍サイクル装置(1、101、111)。
【請求項2】
前記冷凍サイクル装置は、空調機である、
請求項1に記載の冷凍サイクル装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記判定モードを実行する際、前記圧縮機を短時間運転させる、
請求項2に記載の冷凍サイクル装置。
【請求項4】
前記利用ユニットは、利用ファン(47)を有し、
前記利用ファンは、第1回転数と第2回転数との間の回転数域で運転を設定することが可能であり、
前記制御部は、前記判定モードを実行する際、前記利用ファンを、前記第1回転数と前記第2回転数の中間以下の回転数で運転させる、
請求項2又は3に記載の冷凍サイクル装置。
【請求項5】
前記熱源ユニットの周囲の雰囲気温度又は前記利用ユニットの周囲の雰囲気温度を検知する第2検知部(33、46)、
をさらに備え、
前記制御部は、前記熱源ユニットの周囲の雰囲気温度又は前記利用ユニットの周囲の雰囲気温度にさらに基づいて、前記冷媒回路からの冷媒漏洩の有無を判定する、
請求項2からのいずれかに記載の冷凍サイクル装置。
【請求項6】
前記冷凍サイクル装置の空調対象である第1空間内に設置され、前記第1空間内における人の有無を検知する人検知センサ(48)、
をさらに備え、
前記制御部は、前記人検知センサで前記第1空間内に人がいないと判断した場合に、前記判定モードを実行する、
請求項から5のいずれかに記載の冷凍サイクル装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記冷凍サイクル装置の空調対象である第1空間の温度又は温熱指標が所定範囲にある場合に、前記判定モードを実行する、
請求項から6のいずれかに記載の冷凍サイクル装置。
【請求項8】
前記利用ユニットは、熱交換器(42)と、利用ファンと、を有し、
前記制御部は、前記熱交換器を蒸発器として用いて、前記判定モードを実行した後に、前記圧縮機を停止し、
前記利用ファンで前記熱交換器を乾燥させる乾燥運転を実行する、
請求項に記載の冷凍サイクル装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記判定モードを、前記冷凍サイクル装置を清掃する清掃運転と同時に実行する、
請求項から8のいずれかに記載の冷凍サイクル装置。
【請求項10】
前記冷凍サイクル装置は、運転状態を、冷房運転と、暖房運転と、に切り換え可能であり、
前記制御部は、前記圧縮機の停止前に設定されている前記冷凍サイクル装置の運転状態で、前記判定モードを実行する、
請求項から9のいずれかに記載の冷凍サイクル装置。
【請求項11】
前記制御部は、1日1回、前記判定モードを実行する、
請求項2から10のいずれかに記載の冷凍サイクル装置。
【請求項12】
請求項1から11のいずれかに記載の冷凍サイクル装置と、
前記冷凍サイクル装置の判定モードの判定結果を蓄積するサーバ(63)と、
を備え、
前記制御部は、前記判定モードの判定結果を前記サーバに送信する、
冷媒漏洩判定システム(100)。