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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022179217
(43)【公開日】2022-12-02
(54)【発明の名称】冷媒漏洩管理システム
(51)【国際特許分類】
   F25B 49/02 20060101AFI20221125BHJP
   F24F 11/49 20180101ALI20221125BHJP
   F24F 11/36 20180101ALI20221125BHJP
【FI】
F25B49/02 520Z
F25B49/02 B
F24F11/49
F24F11/36
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021086544
(22)【出願日】2021-05-21
(71)【出願人】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】新樹グローバル・アイピー特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】南 淳哉
(72)【発明者】
【氏名】堀 靖史
(72)【発明者】
【氏名】松岡 慎也
【テーマコード(参考)】
3L260
【Fターム(参考)】
3L260BA52
(57)【要約】
【課題】冷凍サイクル装置の運転が長期間に亘って停止している場合、冷媒漏洩の有無を確認することが困難である。
【解決手段】冷媒漏洩管理システム1は、タイマー20と、制御部100と、を備える。タイマー20は、冷凍サイクル装置10の運転が停止している期間をカウントする。制御部100は、冷凍サイクル装置10の運転停止期間が所定の第1期間を超えているか否かを判断する。制御部100は、冷凍サイクル装置10の運転停止期間が第1期間を超えていると判断するとき、冷凍サイクル装置10を運転させる、又は、冷凍サイクル装置10の管理者に報知する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷凍サイクル装置(10)の運転が停止している期間をカウントするタイマー(20)と、
前記冷凍サイクル装置の運転停止期間が所定の第1期間を超えているか否かを判断する制御部(100)と、
を備え、
前記制御部は、前記冷凍サイクル装置の運転停止期間が前記第1期間を超えていると判断するとき、前記冷凍サイクル装置を運転させる、又は、前記冷凍サイクル装置の管理者に報知する、
冷媒漏洩管理システム(1、1A、1B)。
【請求項2】
前記第1期間は、規則で定められている期間である第2期間よりも短い期間であり、
前記第2期間は、前記冷凍サイクル装置を人手以外の方法によって点検することが許容されている期間である、
請求項1に記載の冷媒漏洩管理システム。
【請求項3】
前記制御部は、前記冷凍サイクル装置の運転停止期間が前記第2期間を超えた場合は前記冷凍サイクル装置を人手によって点検しなければならないことを管理者に報知する、
請求項2に記載の冷媒漏洩管理システム。
【請求項4】
前記制御部は、前記第2期間を超える前に前記冷凍サイクル装置が運転されたことを検知したとき、前記タイマーのカウントをリセットする、
請求項2又は3に記載の冷媒漏洩管理システム。
【請求項5】
前記制御部は、前記冷凍サイクル装置の運転停止期間が前記第1期間よりも短い期間である第3期間を超えていると判断するとき、前記冷凍サイクル装置の管理者に報知する、
請求項1から4のいずれかに記載の冷媒漏洩管理システム。
【請求項6】
前記冷凍サイクル装置の冷媒回路(11)における冷媒の状態を検出する検出部(12)をさらに備え、
前記制御部は、前記検出部の検出結果に基づいて前記冷媒回路からの冷媒漏洩の有無を判断する、
請求項1から5のいずれかに記載の冷媒漏洩管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
冷媒漏洩管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、特許文献1(特開2021-055956号公報)に開示されているように、運転時における冷凍サイクル装置のデータを取得することで、冷媒漏洩の有無を判断する装置が知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記特許文献1に係る装置では、冷凍サイクル装置の運転が長期間に亘って停止している場合、冷媒漏洩の有無を確認することが困難である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
第1観点に係る冷媒漏洩管理システムは、タイマーと、制御部と、を備える。タイマーは、冷凍サイクル装置の運転が停止している期間をカウントする。制御部は、冷凍サイクル装置の運転停止期間が所定の第1期間を超えているか否かを判断する。制御部は、冷凍サイクル装置の運転停止期間が第1期間を超えていると判断するとき、冷凍サイクル装置を運転させる、又は、冷凍サイクル装置の管理者に報知する。
【0005】
第1観点に係る冷媒漏洩管理システムでは、冷凍サイクル装置を定期的に運転させることができる。あるいは、冷凍サイクル装置が所定期間以上運転していないことを管理者に報知することで、冷凍サイクル装置を運転させるように管理者に促すことができる。この構成によれば、冷凍サイクル装置の運転が長期間に亘って停止することが抑制される。したがって、運転時における冷凍サイクル装置のデータを定期的に取得することができる。これにより、冷媒漏洩の有無を定期的に確認することができる。
【0006】
第2観点に係る冷媒漏洩管理システムは、第1観点に係るシステムであって、第1期間は、第2期間よりも短い期間である。第2期間は、規則で定められている期間である。第2期間は、冷凍サイクル装置を人手以外の方法によって点検することが許容されている期間である。
【0007】
冷凍サイクル装置の点検に関しては、様々な規則が設けられている。当該規則の中には、冷凍サイクル装置の運転停止期間が所定期間以上継続した場合、冷凍サイクル装置の人手による点検を義務付けるような規則が含まれていることが考えられる。
【0008】
第2観点に係る冷媒漏洩管理システムでは、規則で定められている期間である第2期間が経過する前に、冷凍サイクル装置を運転させることができる。あるいは、規則で定められている期間である第2期間が経過する前に、冷凍サイクル装置を運転させるように管理者に促すことができる。このため、冷凍サイクル装置の運転停止期間が第2期間を超えることが抑制される。したがって、冷凍サイクル装置を人手以外の方法によって点検し続けることができる。
【0009】
第3観点に係る冷媒漏洩管理システムは、第2観点に係るシステムであって、制御部は、冷凍サイクル装置の運転停止期間が第2期間を超えた場合は冷凍サイクル装置を人手によって点検しなければならないことを管理者に報知する。
【0010】
第3観点に係る冷媒漏洩管理システムでは、第2期間が経過する前に、冷凍サイクル装置を運転させるように管理者に促すことができる。このため、第2期間が経過する前に、冷凍サイクル装置の運転が開始されることが期待できる。
【0011】
第4観点に係る冷媒漏洩管理システムは、第2観点又は第3観点に係るシステムであって、制御部は、第2期間を超える前に冷凍サイクル装置が運転されたことを検知したとき、タイマーのカウントをリセットする。
【0012】
第4観点に係る冷媒漏洩管理システムでは、冷凍サイクル装置の運転停止期間が正確にカウントされる。
【0013】
第5観点に係る冷媒漏洩管理システムは、第1観点から第4観点のいずれかに係るシステムであって、制御部は、冷凍サイクル装置の運転停止期間が第3期間を超えていると判断するとき、冷凍サイクル装置の管理者に報知する。第3期間は、第1期間よりも短い期間である。
【0014】
第5観点に係る冷媒漏洩管理システムでは、第2期間が経過する前に、冷凍サイクル装置の運転が開始されることが期待できる。
【0015】
第6観点に係る冷媒漏洩管理システムは、第1観点から第5観点のいずれかに係るシステムであって、検出部をさらに備える。検出部は、冷凍サイクル装置の冷媒回路における冷媒の状態を検出する。制御部は、検出部の検出結果に基づいて冷媒回路からの冷媒漏洩の有無を判断する。
【0016】
第6観点に係る冷媒漏洩管理システムでは、制御部は、冷媒回路における冷媒漏洩を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】冷凍サイクル装置の全体構成を示す概略図である。
図2】制御部の構成を示すブロック図である。
図3】制御部が行う処理の流れを示すフローチャートである。
図4】変形例1Fに係る冷媒漏洩管理システムの構成を示す概略図である。
図5】変形例1Gに係る冷媒漏洩管理システムの構成を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本開示に係る冷媒漏洩管理システム1について、適宜図面を参照しながら説明する。ただし、以下では、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細な説明や、実質的に同一の構成に対する重複した説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になることを避け、当業者の理解を容易にするためである。
【0019】
<第1実施形態>
(1)全体構成
冷媒漏洩管理システム1の概要について、図1及び図2を参照しながら説明する。図1は、冷媒漏洩管理システム1の一例としての冷凍サイクル装置10の全体構成を概略的に示した図である。図2は、制御部100の構成を概略的に示したブロック図である。
【0020】
図1に示すように、冷凍サイクル装置10は、主として、1台の室外ユニット70と、それに接続される複数台の室内ユニット120、130、140とを有する。そして、室外ユニット70と、室内ユニット120、130、140とが、液冷媒連絡管151及びガス冷媒連絡管152を介して接続されることで、冷媒回路11が構成される。
【0021】
(2-1)室内ユニット
室内ユニット120、130、140の構成について説明する。本実施形態において、室内ユニット120の構成と室内ユニット130、140の構成とは、実質的に同一である。したがって、ここでは、室内ユニット120の構成のみを説明し、室内ユニット130、140の構成については、それぞれ、室内ユニット120の各部を示す120番台の符号の代わりに130番台又は140番台の符号を付して、各部の説明を省略する。
【0022】
室内ユニット120は、室内空間の天井などに設置される利用側ユニットである。室内ユニット120は、主として、室内膨張弁121と、室内熱交換器122と、室内ファン123とを有する。また、室内ユニット120は、冷媒回路11の一部である室内側冷媒回路11aを含む。
【0023】
室内膨張弁121は、室内熱交換器122の液側に接続された電子膨張弁であり、室内側冷媒回路11aを流れる冷媒の圧力や流量を調節する。なお、室内膨張弁121は、電子膨張弁に限定されるものではなく、冷凍サイクル装置において一般に膨張機構として用いられる機構が適宜選択されればよい。
【0024】
室内熱交換器122は、空気と冷媒とを熱交換するための機器である。室内熱交換器122は、冷房運転時には冷媒の蒸発器として機能し、室内空気を冷却する。また、室内熱交換器122は、暖房運転時には冷媒の凝縮器として機能し、室内空気を加熱する。本実施形態に係る室内熱交換器122は、例えば、伝熱管と多数のフィンとにより構成されるクロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器である。
【0025】
室内ファン123は、室内ユニット120の図示しないケーシング内に室内空気を吸入して、室内空気を室内熱交換器122に供給する送風機である。室内熱交換器122を流れる冷媒と熱交換された室内空気は、室内に供給される。室内ファン123としては、例えば遠心ファンや多翼ファン等を用いることができる。
【0026】
また、室内ユニット120は、室内ユニット120を構成する各部の動作を制御する室内側制御部127を有する。室内側制御部127は、室内ユニット120を制御するために設けられたマイクロコンピュータや記憶装置などを有しており、室内ユニット120を個別に操作するためのリモコン(図示せず)との間で制御信号を通信したり、室外ユニット70との間で伝送線150を介して制御信号を通信したりすることができる。
【0027】
(2-2)室外ユニット
室外ユニット70は、建物の屋上や地下などに設置される熱源ユニットである。室外ユニット70は、冷媒回路11の一部である室外側冷媒回路11dを構成する。室外ユニット70は、主として、圧縮機71、流路切換弁72、室外熱交換器73、室外膨張弁74、アキュムレータ75、室外ファン76、液側閉鎖弁77、ガス側閉鎖弁78及びタイマー20を有する。さらに、室外ユニット70は、記憶部40と制御部100とを有する。記憶部40及び制御部100の詳細については後述する。
【0028】
圧縮機71は、冷凍サイクルにおける低圧の冷媒を高圧の冷媒になるまで圧縮する機器である。ここでは、圧縮機71として、ロータリ式やスクロール式などの容積式の圧縮要素(図示せず)が圧縮機用モータ(図示せず)によって回転駆動される密閉式構造の圧縮機が使用されている。モータは、インバータによる回転数制御が可能である。モータの回転数(運転周波数)が制御されることで、圧縮機71の容量が制御される。なお、図1では、1台の圧縮機71を有する室外ユニット70の例が図示されているが、圧縮機71の構成はこれに限定されるものではない。例えば、室外ユニット70は、並列に接続された複数の圧縮機71を有するものであってもよい。また、室外ユニット70が複数段で冷媒を圧縮する場合には、室外ユニット70は直列に接続された複数の圧縮機71を有するものであってもよい。
【0029】
流路切換弁72は、冷媒の流向を切り換えることで、室外熱交換器73の状態を、凝縮器として機能する第1状態と蒸発器として機能する第2状態との間で変更する。なお、流路切換弁72が室外熱交換器73の状態を第1状態とするとき、各室内熱交換器122、132、142は蒸発器として機能する。また、流路切換弁72が室外熱交換器73の状態を第2状態とするとき、各室内熱交換器122、132、142は凝縮器として機能する。
【0030】
室外熱交換器73は、空気と冷媒とを熱交換するための機器である。室外熱交換器73は、冷房運転時には冷媒の凝縮器として機能し、暖房運転時には冷媒の蒸発器として機能する。室外熱交換器73は、ガス側が流路切換弁72に接続され、液側が室外膨張弁74に接続されている。本実施形態に係る室外熱交換器73は、例えば、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器である。
【0031】
室外膨張弁74は、室外側冷媒回路11d内を流れる冷媒の圧力や流量等の調節を行う電子膨張弁である。室外膨張弁74は、暖房運転時の冷媒の流れ方向において室外熱交換器73の上流に配置される(ここでは、室外熱交換器73の液側に接続される)。
【0032】
アキュムレータ75は、流入する冷媒をガス冷媒と液冷媒とに分離する気液分離機能を有する容器である。また、アキュムレータ75は、室内ユニット120、130、140の運転負荷の変動等に応じて発生する余剰冷媒の貯留機能を有する。アキュムレータ75に流入する冷媒は、ガス冷媒と液冷媒とに分離され、上部空間に集まるガス冷媒が圧縮機71へと流出する。
【0033】
室外ファン76は、室外ユニット70の図示しないケーシング内に室外空気を吸入する送風機である。ケーシング内に吸入された室外空気は、室外熱交換器73において冷媒と熱交換した後に、ケーシング外に排出される。本実施形態に係る室外ファン76は、例えばプロペラファンである。
【0034】
液側閉鎖弁77及びガス側閉鎖弁78は、外部の機器・配管(具体的には、液冷媒連絡管151及びガス冷媒連絡管152)との接続口に設けられた弁である。本実施形態に係る液側閉鎖弁77及びガス側閉鎖弁78は、例えば、手動で操作される弁である。
【0035】
タイマー20は、現在時刻又はある時点からの経過時間の情報を計測することができる時計である。タイマー20の動作は、制御部100によって制御される。制御部100は、例えば、冷凍サイクル装置10の運転が停止するとともにタイマー20によるカウントを開始させ、冷凍サイクル装置10の運転が開始するとともにタイマー20によるカウントをリセットさせる。これにより、タイマー20は、冷凍サイクル装置10の運転が停止している期間をカウントすることができる。本実施形態において、タイマー20によってカウントされた期間(冷凍サイクル装置10の運転停止期間)は、制御部100に取得される。詳細は後述する。
【0036】
また、室外ユニット70には、検出部12としての各種のセンサが設けられている。具体的には、室外ユニット70には、圧縮機71の吐出圧力Hpを検出する吐出圧力センサ79と、室外熱交換器73の出口側における冷媒温度である出口温度Tbを検出する出口温度センサ80とが設けられている。ただし、冷凍サイクル装置10に設けられるセンサは上記のセンサ79、80に限定されるものではない。冷凍サイクル装置10には、例えば、室内温湿度や、室外温湿度や、吸入圧力(蒸発飽和温度)や、吸入ガス温度や、吐出ガス温度や、室内熱交換器の入口側における冷媒温度や、室内熱交換器の出口側における冷媒温度や、室外熱交換器の入口側における冷媒温度や、圧縮機71の回転数や、圧縮機71の電流値などを検出することができる一又は複数のセンサが設けられていてもよい。本実施形態において、検出部12が検出した検出結果は、制御部100に取得される。詳細は後述する。
【0037】
(3)記憶部及び制御部の詳細構成
(3-1)記憶部
記憶部40は、例えば、ROMやRAMなどによって構成されるメモリである。記憶部40には、第1期間、第2期間及び第3期間についての設定が予め記憶されている。このほか、後述する制御演算装置によって読み出されるプログラムや、第1装置61が他の装置と通信を行う際に用いられる通信プロトコルなどを含む各種情報が記憶部40には記憶されている。
【0038】
(3-1-1)第2期間
説明の便宜上、第1期間よりも先に、第2期間について説明する。第2期間は、冷凍サイクル装置10を人手以外の方法によって点検することが許容されている期間である。また、第2期間は、規則によって定められている期間である。本実施形態において、「規則」は、冷凍サイクル装置10の点検に関する事項を定めた各国の法令や、ガイドラインのことを意味する。ここでは、例えば規則によって、第2期間が3ヵ月として定められている場合を例にして説明する。
【0039】
(3-1-2)第1期間
第1期間は、第2期間よりも短い期間である。上記のとおり、本実施形態では、第2期間は3ヵ月に設定される。したがって、第1期間は、例えば2ヵ月と3週間に設定される。詳細は後述するが、本実施形態に係る制御部100は、冷凍サイクル装置10の運転停止期間が第1期間を超過したとき、冷凍サイクル装置10を運転させる。
【0040】
(3-1-3)第3期間
第3期間は、第1期間よりも短い期間である。上記のとおり、本実施形態では、第1期間は2ヵ月と3週間に設定される。したがって、第3期間は例えば、2ヵ月と2週間に設定される。詳細は後述するが、本実施形態に係る制御部100は、冷凍サイクル装置10の運転停止期間が第3期間を超過したとき、冷凍サイクル装置10の管理者に報知する。
【0041】
(3-2)制御部
室外ユニット70に含まれる制御部100について説明する。制御部100は、例えばコンピュータにより実現されるものである。制御部100は、室外ユニット70を構成する各種機器の動作を制御する。制御部100は、図示しない制御演算装置を有する。制御演算装置には、CPUやGPUといった各種のプロセッサを使用できる。制御演算装置は、記憶部40に記憶されている各種情報やプログラムを読み込み、プログラムに従って所定の演算処理を行うことができる。
【0042】
制御部100は、圧縮機71、流路切換弁72、室外膨張弁74、室外ファン76、検出部12及びタイマー20と、制御信号や情報のやりとりを行うことが可能に電気的に接続されている(図2参照)。また、制御部100は、伝送線150を介して、室内側制御部127、137、147と制御信号や情報のやりとりを行うことが可能に電気的に接続されている。これにより、制御部100は、検出部12が取得した各種の検出結果や、室内側制御部127、137、147がリモコンから受信した設定温度や運転モードに係る指令等に基づいて、室外ユニット70を構成する各種機器の動作を制御することができる。補足すると、制御部100は、室内ユニット(例えば室内ユニット120)のユーザがリモコンを通じて設定した設定温度と、室内ユニットが設置されている空間の空気温度との乖離度に基づいて、室内ユニットの状態をサーモオン状態とサーモオフ状態とに切り替えることができる。サーモオン状態とは、室内熱交換器(例えば室内熱交換器122)内を冷媒が流れており、冷媒と室内空気との間で十分な熱交換が行われている状態のことをいう。サーモオフ状態とは、室内熱交換器内を冷媒が流れておらず、冷媒と室内空気との間で実質的に熱交換が行われていない状態のことをいう。
【0043】
また、制御部100は、記憶部40に記憶されているプログラムを読み込むことで、冷凍サイクル装置10の運転停止期間に応じて冷凍サイクル装置10を制御する機能を発揮することができる。以下、詳細に説明する。
【0044】
なお、制御部100の構成は、上記の例に限定されるものではない。例えば、制御部100の構成は、論理回路などのハードウェアにより実現されるものであってもよい。あるいは、制御部100の構成は、ハードウェアとソフトウェアとの組合せにより実現されるものであってもよい。
【0045】
(3-2-1)
まず、制御部100は、冷凍サイクル装置10に関する情報を取得する。具体的には、制御部100は、タイマー20によってカウントされた冷凍サイクル装置10の運転停止期間に関する情報を取得する。なお、本実施形態において、冷凍サイクル装置10の運転停止期間に関する情報は、随時取得されることが好ましい。このほか、制御部100は、検出部12によって検出された検出結果や、冷凍サイクル装置10の電源のオン・オフ、サーモオン・オフ、運転モード及び設定温度などに関する情報を取得するものであってもよい。制御部100が取得した情報は、記憶部40の所定の記憶領域に記憶される。
【0046】
冷凍サイクル装置10の運転停止期間に関する情報を取得した制御部100は、次に、冷凍サイクル装置10の運転停止期間が、第3期間を超過しているか否かを判断する。冷凍サイクル装置10の運転停止期間が第3期間を超過している場合、制御部100は、冷凍サイクル装置10の管理者に対する報知を行う。例えば、制御部100は、冷凍サイクル装置10の運転停止期間が第3期間を超過していることを示すメッセージを、管理者が所有する端末などに送信する。このとき、制御部100は、冷凍サイクル装置10の運転停止期間が第2期間を超えた場合は冷凍サイクル装置10を人手によって点検しなければならないことを示すメッセージを、同時に送信することが好ましい。
【0047】
次に、制御部100は、冷凍サイクル装置10に関する情報を再び取得する。このとき、制御部100によって取得される情報の中には、冷凍サイクル装置10の電源のオン・オフに関する情報や、タイマー20によってカウントされた冷凍サイクル装置10の運転停止期間に関する情報が含まれる。これにより、制御部100は、冷凍サイクル装置10の運転が開始されたか否かを確認することができる。冷凍サイクル装置10の運転が開始されている場合、制御部100はタイマー20のカウントをリセットする。一方で、冷凍サイクル装置10の運転が開始されていない場合も考えられる。
【0048】
冷凍サイクル装置10の運転が開始されていない場合、制御部100は、冷凍サイクル装置10の運転停止期間が、第1期間を超過しているか否かを判断する。冷凍サイクル装置10の運転停止期間が第1期間を超過している場合、制御部100は、冷凍サイクル装置10の管理者に対する報知を行う。例えば、制御部100は、冷凍サイクル装置10をこれから強制的に運転させることを示すメッセージを、管理者が所有する端末などに送信する。上記メッセージを送信してから所定の時間(例えば10分間)が経過したタイミングで、制御部100は冷凍サイクル装置10の運転を開始させる。ここでは、例えば制御部100は、冷凍サイクル装置10を冷房運転モードで5分程度運転させる。このとき、制御部100は、タイマー20によるカウントをリセットする。
【0049】
冷凍サイクル装置10の冷房運転を開始させた制御部100は、記憶部40に記憶されているプログラムを読み込むことで、冷媒回路11における冷媒漏洩の有無を判断する機能を発揮することができる。以下、詳細に説明する。
【0050】
(3-2-2)
冷凍サイクル装置10の運転を開始させた制御部100は、例えば、室外熱交換器73の出口側における冷媒の過冷却度に基づいて、冷媒回路11における冷媒漏洩の有無を判断する。室外熱交換器73の出口側における冷媒の過冷却度は、凝縮温度Tcと凝縮器(ここでは室外熱交換器73)の出口温度Tbとの温度差であって、Tc-Tbで表される。本実施形態において、凝縮器(室外熱交換器73)の出口温度Tbは、出口温度センサ80から取得することができる。また、本実施形態において、凝縮温度Tcは、吐出圧力センサ79が検出した吐出圧力Hpから算出することができる。
【0051】
凝縮温度Tcと出口温度Tbとから過冷却度を算出した制御部100は、次に、検出部12を通じて過冷却度の基準値を取得する。基準値は、例えば冷媒回路11における冷媒量、室外空気温度、圧縮機71の回転数、圧縮機71の電流値などから予測することができる。過冷却度の基準値を予測した制御部100は、算出された過冷却度と、予測された基準値との差を計算する。算出された過冷却度と予測された基準値との差が記憶部40に予め記憶されている所定値を超える場合、制御部100は、冷媒回路11において冷媒が漏洩していると判断する。一方で、算出された過冷却度と予測された基準値との差が所定値以下である場合、制御部100は、冷媒回路11において冷媒が漏洩していないと判断する。
【0052】
なお、制御部100による冷媒漏洩の判断方法は、上記の例に限定されるものではない。したがって、例えば制御部100は、室内温湿度や、室外温湿度や、吸入圧力(蒸発飽和温度)や、吸入ガス温度や、吐出ガス温度や、室内熱交換器の入口側における冷媒温度や、室内熱交換器の出口側における冷媒温度や、室外熱交換器の入口側における冷媒温度や、圧縮機71の回転数や、圧縮機71の電流値などを用いて、冷媒漏洩の有無を判断してもよい。
【0053】
また、以上で説明した制御部100の機能の一部又は全部は、室内側制御部127、137、147や、図示しない制御装置などによって実現されてもよい。
【0054】
(3-2-3)制御部の全体動作
制御部100が行う処理の流れについて、図3を参照しながら簡単に説明する。なお、図3に示す処理の流れは一例であって、適宜変更可能である。例えば、矛盾のない範囲でステップの順序が変更されてもよいし、一部のステップが他のステップと並列に実行されてもよいし、他のステップが新たに追加されてもよい。
【0055】
図3に示すように、ステップS1では、制御部100は、冷凍サイクル装置10の運転停止期間に関する情報(図3では、単に「情報」と記載)を取得する。
【0056】
ステップS2では、制御部100は、冷凍サイクル装置10の運転停止期間が第3期間を超過しているか否かを判断する。冷凍サイクル装置10の運転停止期間が第3期間を超過している場合、(ステップS2でYesの場合)制御部100の処理はステップS3に進む。それ以外の場合、(ステップS2でNoの場合)制御部100の処理はステップS1に戻る。
【0057】
ステップS3では、制御部100は、冷凍サイクル装置10の管理者に対して報知を行う。
【0058】
ステップS4では、制御部100は、冷凍サイクル装置10の電源のオン・オフに関する情報や、タイマー20によってカウントされた冷凍サイクル装置10の運転停止期間に関する情報(図3では、単に「情報」と記載)を取得する。
【0059】
ステップS5では、制御部100は、冷凍サイクル装置10の運転が開始されたか否かを確認する。冷凍サイクル装置10の運転が開始されている場合、(ステップS5でYesの場合)タイマー20のカウントをリセットしたうえで、制御部100の処理はステップS1に戻る。それ以外の場合(ステップS5でNoの場合)、制御部100の処理はステップS6に進む。
【0060】
ステップS6では、制御部100は、冷凍サイクル装置10の運転停止期間が第1期間を超過しているか否かを判断する。冷凍サイクル装置10の運転停止期間が第1期間を超過している場合、(ステップS6でYesの場合)制御部100の処理はステップS7に進む。それ以外の場合、(ステップS6でNoの場合)制御部100の処理はステップS4に戻る。
【0061】
ステップS7では、制御部100は、冷凍サイクル装置10の管理者に対して報知を行う。報知を行ってから所定時間が経過した場合、制御部100の処理はステップS8に進む。
【0062】
ステップS8では、制御部100は、冷凍サイクル装置10の運転を開始させる。また、ステップS8では、タイマー20によるカウントがリセットされる。
【0063】
ステップS9では、検出部12によって、運転中の冷凍サイクル装置10の冷媒回路11における冷媒の状態が検出される。
【0064】
ステップS10では、制御部100は、冷媒回路11における冷媒漏洩の有無を判断する。冷媒漏洩が無いと判断する場合(ステップS10でYesの場合)、制御部100の処理はステップS11に進む。それ以外の場合、(ステップS10でNoの場合)、制御部100の処理はステップS12に進む。
【0065】
ステップS11では、制御部100は、冷凍サイクル装置10の運転を停止させる。
【0066】
ステップS12では、制御部100は、冷媒漏洩が発生していることを管理者に報知したうえで、冷凍サイクル装置10の運転を停止させる。
【0067】
(4)特徴
(4-1)
本実施形態に係る冷媒漏洩管理システム1は、タイマー20と、制御部100と、を備える。タイマー20は、冷凍サイクル装置10の運転が停止している期間をカウントする。制御部100は、冷凍サイクル装置10の運転停止期間が所定の第1期間を超えているか否かを判断する。制御部100は、冷凍サイクル装置10の運転停止期間が第1期間を超えていると判断するとき、冷凍サイクル装置10を運転させる。
【0068】
本実施形態に係る冷媒漏洩管理システム1では、冷凍サイクル装置10を定期的に運転させることができる。この構成によれば、冷凍サイクル装置10の運転が長期間に亘って停止することが抑制される。したがって、運転時における冷凍サイクル装置10のデータを定期的に取得することができる。これにより、冷媒漏洩の有無を定期的に確認することができる。
【0069】
(4-2)
本実施形態に係る冷媒漏洩管理システム1では、第1期間は、第2期間よりも短い期間である。第2期間は、規則で定められている期間である。第2期間は、冷凍サイクル装置10を人手以外の方法によって点検することが許容されている期間である。
【0070】
冷凍サイクル装置の点検に関しては、様々な規則が設けられている。当該規則の中には、冷凍サイクル装置の運転停止期間が所定期間以上継続した場合、冷凍サイクル装置の人手による点検を義務付けるような規則が含まれていることが考えられる。
【0071】
本実施形態に係る冷媒漏洩管理システム1では、規則で定められている期間である第2期間が経過する前に、冷凍サイクル装置10を運転させることができる。このため、冷凍サイクル装置10の運転停止期間が第2期間を超えることが抑制される。したがって、冷凍サイクル装置10を人手以外の方法によって点検し続けることができる。
【0072】
(4-3)
本実施形態に係る冷媒漏洩管理システム1では、制御部100は、冷凍サイクル装置10の運転停止期間が第2期間を超えた場合は冷凍サイクル装置10を人手によって点検しなければならないことを管理者に報知する。
【0073】
本実施形態に係る冷媒漏洩管理システム1では、第2期間が経過する前に、冷凍サイクル装置10を運転させるように管理者に促すことができる。このため、第2期間が経過する前に、冷凍サイクル装置10の運転が開始されることが期待できる。
【0074】
(4-4)
本実施形態に係る冷媒漏洩管理システム1では、制御部100は、第2期間を超える前に冷凍サイクル装置10が運転されたことを検知したとき、タイマー20のカウントをリセットする。
【0075】
この構成によれば、冷凍サイクル装置10の運転停止期間が正確にカウントされる。
【0076】
(4-5)
本実施形態に係る冷媒漏洩管理システム1では、制御部100は、冷凍サイクル装置10の運転停止期間が第3期間を超えていると判断するとき、冷凍サイクル装置10の管理者に報知する。第3期間は、第1期間よりも短い期間である。
【0077】
この構成によれば、第2期間が経過する前に、冷凍サイクル装置10の運転が開始されることが期待できる。
【0078】
(4-6)
本実施形態に係る冷媒漏洩管理システム1は、検出部12をさらに備える。検出部12は、冷凍サイクル装置10の冷媒回路11における冷媒の状態を検出する。制御部100は、検出部12の検出結果に基づいて冷媒回路11からの冷媒漏洩の有無を判断する。
【0079】
この構成によれば、制御部100は、冷媒回路11における冷媒漏洩を検出することができる。
【0080】
(5)変形例
上記実施形態の変形例を以下に示す。変形例は、互いに矛盾しない範囲で適宜組み合わされてもよい。なお、上記実施形態と同様の構成については同様の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0081】
(5-1)変形例1A
上記実施形態では、冷凍サイクル装置10の運転停止期間が第1期間を超えているときに、制御部100が冷凍サイクル装置10を運転させる例について説明した。しかしながら、制御部100による制御の態様はこれに限定されるものではない。
【0082】
本変形例に係る冷媒漏洩管理システム1では、冷凍サイクル装置10の運転停止期間が第1期間を超えているとき、制御部100は管理者に対する報知を行う。具体的には、制御部100は、冷凍サイクル装置10の運転停止期間が第1期間を超過していることを示すメッセージを、管理者が所有する端末などに送信する。このとき、制御部100は、冷凍サイクル装置10の運転停止期間が第2期間を超えた場合は冷凍サイクル装置10を人手によって点検しなければならないことを示すメッセージを、同時に送信することが好ましい。
【0083】
本変形例に係る冷媒漏洩管理システム1では、冷凍サイクル装置10を運転させるように管理者に促すことができる。このため、冷凍サイクル装置10の運転が長期間に亘って停止することが抑制される。
【0084】
(5-2)変形例1B
上記実施形態では、記憶部40に、第1期間、第2期間及び第3期間についての設定が予め記憶されている例について説明した。しかしながら、記憶部40に記憶される情報はこれに限定されるものではなく、例えば第4期間についての設定が記憶されているものであってもよい。第4期間は、第3期間よりも長く、第1期間よりも短い期間である。具体的には、第4期間は、第1期間の3日前を期日とする期間である。
【0085】
本変形例に係る冷媒漏洩管理システム1では、冷凍サイクル装置10の運転停止期間が第4期間を超えているとき、制御部100は、例えば管理者に対する報知を行う。具体的には、制御部100は、冷凍サイクル装置10の運転停止期間が第4期間を超過していることを示すメッセージを、管理者が所有する端末などに送信する。
【0086】
本変形例に係る冷媒漏洩管理システム1では、冷凍サイクル装置10の運転が開始されることが期待できる。
【0087】
(5-3)変形例1C
上記実施形態では説明を省略したが、タイマー20のカウントは、冷凍サイクル装置10が人手によって点検された場合にもリセットすることができる。
【0088】
(5-4)変形例1D
上記実施形態では、第2期間を3ヵ月として定めている規則の例について説明した。しかしながら、上記の規則はあくまでも一例であり、規則は、本開示に係る冷媒漏洩管理システムが用いられる地域や時期に応じて、適宜変更可能である。したがって、第1期間、第2期間、第3期間についての設定も、適宜変更可能である。
【0089】
(5-5)変形例1E
上記実施形態では、冷凍サイクル装置10の運転停止期間が第1期間を超過している場合に、制御部100が冷凍サイクル装置10を5分程度運転させる例について説明した。しかしながら、制御部100による冷凍サイクル装置10の制御の態様はこれに限定されるものではない。
【0090】
本変形例に係る冷媒漏洩管理システム1では、制御部100は、例えば、冷凍サイクル装置10を30分程度運転させる。この構成によれば、検出部12によって取得される情報の量が増加する。したがって、冷媒漏洩の検知精度が向上する。
【0091】
(5-6)変形例1F
上記実施形態では、冷媒漏洩管理システム1の一例としての冷凍サイクル装置10について説明した。しかしながら、冷媒漏洩管理システムの構成はこれに限定されるものではない。例えば、冷媒漏洩管理システムは、冷凍サイクル装置10と、第1装置61とを備える冷媒漏洩管理システム1Aであってもよい(図4参照)。第1装置61は、通信線50を介して取得した冷凍サイクル装置10の運転データに基づいて、冷凍サイクル装置10を集中的に管理する機能を有する装置である。第1装置61は、例えばローカルコントローラである。
【0092】
冷媒漏洩管理システム1Aでは、記憶部40及び制御部100は、第1装置61に含まれる。また、冷媒漏洩管理システム1Aでは、冷凍サイクル装置10の図示しない室外ユニットは、室外ユニットを構成する各種機器の動作を制御する図示しない制御装置を有する。
【0093】
本変形例に係る構成でも、上記実施形態に係る構成と同様の作用効果が実現される。
【0094】
(5-7)変形例1G
上記実施形態では、冷媒漏洩管理システム1の一例としての冷凍サイクル装置10について説明した。しかしながら、冷媒漏洩管理システムの構成はこれに限定されるものではない。例えば、冷媒漏洩管理システムは、冷凍サイクル装置10と、第2装置62とを備える冷媒漏洩管理システム1Bであってもよい(図5参照)。第2装置62は、冷凍サイクル装置10が設置されている建物とは異なる建物から冷凍サイクル装置10と通信を行うことで、冷凍サイクル装置10を管理する機能を有する装置である。第2装置62は、例えばサーバである。
【0095】
冷媒漏洩管理システム1Bでは、記憶部40及び制御部100は、第2装置62に含まれる。また、冷媒漏洩管理システム1Bでは、冷凍サイクル装置10の図示しない室外ユニットは、室外ユニットを構成する各種機器の動作を制御する図示しない制御装置を有する。
【0096】
本変形例に係る構成でも、上記実施形態に係る構成と同様の作用効果が実現される。
【0097】
(5-8)変形例1H
上記実施形態では、冷凍サイクル装置10の運転停止期間が第1期間を超過している場合に、制御部100が冷凍サイクル装置10を冷房運転モードで運転させる例について説明した。しかしながら、制御部100による制御の態様は、これに限定されるものではない。
【0098】
例えば、制御部100は、冷凍サイクル装置10の運転停止期間が第1期間を超過している場合に、冷凍サイクル装置10を暖房運転モードで運転させるものであってもよい。また、制御部100は、冷凍サイクル装置10の前回運転時に設定された運転モードで運転させてもよい。あるいは、制御部100が冷凍サイクル装置10を冷房運転モード又は暖房運転モードで運転させた後に、冷凍サイクル装置10の管理者やユーザなどがリモコンを通じて冷凍サイクル装置10の運転モードの設定を行った場合は、制御部100は当該選択された運転モードによる運転に切り替えるものであってもよい。
【0099】
あるいは、冷凍サイクル装置10の運転停止期間が第1期間を超過している場合に制御部100が実行させる運転モードは、冷凍サイクル装置10の管理者やユーザなどによって予め設定されているものであってもよい。
【0100】
<他の実施形態>
以上、本開示に係る実施形態を説明したが、特許請求の範囲の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。
【0101】
本開示は、上記各実施形態そのままに限定されるものではない。本開示は、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、本開示は、上記各実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の開示を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素は削除してもよい。さらに、異なる実施形態に構成要素を適宜組み合わせてもよい。したがって、本実施形態はあらゆる点で一例に過ぎず、限定するものではないと考えるべきであり、これにより、当業者に自明のあらゆる修正が実施形態に含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0102】
1、1A、1B 冷媒漏洩管理システム
10 冷凍サイクル装置
11 冷媒回路
12 検出部
20 タイマー
100 制御部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0103】
【特許文献1】特開2021-055956号公報
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2022-10-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷凍サイクル装置(10)の運転が停止している期間をカウントするタイマー(20)と、
前記冷凍サイクル装置の運転停止期間が所定の第1期間を超えているか否かを判断する制御部(100)と、
を備え、
前記制御部は、前記冷凍サイクル装置の運転停止期間が前記第1期間を超えていると判断するとき、
前記冷凍サイクル装置を運転させ又は、前記冷凍サイクル装置の管理者に前記冷凍サイクル装置の運転を促すための報知を行い
前記冷凍サイクル装置が運転されたことを検知したとき、前記タイマーのカウントをリセットし、
前記第1期間は、規則で定められている期間である第2期間よりも短い期間であり、
前記第2期間は、前記冷凍サイクル装置を人手以外の方法によって点検することが許容されている期間であり、かつ前記冷凍サイクル装置の運転停止期間が前記第2期間を超えた場合は前記冷凍サイクル装置を人手によって点検しなければならない期間である、
冷媒漏洩管理システム(1、1A、1B)。
【請求項2】
前記制御部は、前記冷凍サイクル装置の運転停止期間が前記第2期間を超えた場合は前記冷凍サイクル装置を人手によって点検しなければならないことを管理者に報知する、
請求項に記載の冷媒漏洩管理システム。
【請求項3】
前記制御部は、前記冷凍サイクル装置の運転停止期間が前記第1期間よりも短い期間である第3期間を超えていると判断するとき、前記冷凍サイクル装置の管理者に報知する、
請求項1又は2に記載の冷媒漏洩管理システム。
【請求項4】
前記冷凍サイクル装置の冷媒回路(11)における冷媒の状態を検出する検出部(12)をさらに備え、
前記制御部は、前記検出部の検出結果に基づいて前記冷媒回路からの冷媒漏洩の有無を判断する、
請求項1からのいずれかに記載の冷媒漏洩管理システム。