(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022179232
(43)【公開日】2022-12-02
(54)【発明の名称】UWBベースの群れ飛行用位置測位方法
(51)【国際特許分類】
G01S 5/02 20100101AFI20221125BHJP
G05D 1/10 20060101ALI20221125BHJP
G08G 5/00 20060101ALI20221125BHJP
【FI】
G01S5/02 Z
G05D1/10
G08G5/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021086608
(22)【出願日】2021-05-24
(31)【優先権主張番号】10-2021-0064858
(32)【優先日】2021-05-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】521223243
【氏名又は名称】株式会社 ラオン コンバージェンス
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】カン チャング
(72)【発明者】
【氏名】キム ヨングワン
【テーマコード(参考)】
5H181
5H301
5J062
【Fターム(参考)】
5H181AA26
5H181BB04
5H181CC04
5H181CC12
5H181CC14
5H181CC15
5H181CC17
5H181CC27
5H181FF04
5H181FF13
5H181FF27
5H181MA50
5H181MC02
5H301AA06
5H301CC04
5H301CC07
5H301DD07
5H301GG09
5H301GG16
5H301GG17
5H301KK08
5H301LL06
5J062AA01
5J062AA08
5J062BB03
5J062CC07
5J062CC18
(57)【要約】
【課題】実施形態は、UWBベースの群れ飛行用位置測定方法に関する。
【解決手段】具体的には、このような位置測位方法は、群れ飛行用位置測位が行われる場合に、それぞれの飛行体をUWB上のオブジェクトとして定義し、別途のアンカーなしに位置追跡を行うことにより、自由空間で位置をリアルタイムで探索する。特に、このようなUWB TWR方式に基づいてマスター/スレーブ形式のレンジングスケジューリングとプル-プッシュ関係から群れフォーメーション上の相対位置を算出することにより、群れ飛行に適した位置測位をリアルタイムで提供する。よって、さらに、群れ型無人飛行体の位置精度を高めて、群れ飛行を維持するために複数台の飛行体及び無人飛行体を同時に制御する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多数の群れ飛行体が飛行する場合、それぞれのメイン制御部で位置を測位して、群れ飛行動作をフォーメーション別に異なるように制御させる方法であって、
前記位置測位が行われる場合、多数の群れ飛行体内に予め設定されたマスター飛行体とスレーブ飛行体でGPS情報に基づいて基準位置を算出する第1ステップと、
前記基準位置が算出されるとき、前記マスター飛行体でTWR(Two-Way Ranging)フォーマットに応じて予め設定されたプリング信号をフォーメーション別に対応するスレーブレンジングスケジューリングに従って送出して、マスター/スレーブ飛行体で周辺飛行体からのプッシング信号を受信してレンジングする第2ステップと、
レンジングされたプル-プッシュ関係から、前記マスター飛行体はTWR時間情報によってマスター/スレーブ別にフォーメーション上の相対位置を算出し、前記スレーブ飛行体はRSSI(Received signal Strength Indicator)とToA(Time of Arrival)によってスレーブ/スレーブ別にフォーメーション上の相対位置を算出する第3ステップと、
前記算出されたマスター/スレーブ別のフォーメーション上の全体相対位置によってフォーメーション別にフィンガープリントマップを異なるように生成する第4ステップと、
前記生成されたフィンガープリントマップによって群れ飛行体の位置を算出する第5ステップと、を含むことを特徴とする、UWBベースの群れ飛行用位置測位方法。
【請求項2】
前記第2ステップは、
前記レンジングが行われる場合、多数の異なるフォーメーション類型別に対応するルーチンと順序によってスレーブ飛行体をスケジューリングして、フォーメーション類型別にレンジングを行うことを特徴とする、請求項1に記載のUWBベースの群れ飛行用位置測位方法。
【請求項3】
前記群れ類型別にレンジングが行われる場合に、フォーメーション類型別のルーチンに対するシーケンスを含めてスケジューリングすることにより、群れ形態でもレンジングを行うことを特徴とする、請求項2に記載のUWBベースの群れ飛行用位置測位方法。
【請求項4】
前記第3ステップは、
前記マスターとスレーブ別にフォーメーション上の全体相対位置が算出される場合、前記レンジングされたプル-プッシュ関係からドップラー周波数偏移によるRSSI変化値を用いて、前記相対位置に方向性を提供することを特徴とする。請求項3に記載のUWBベースの群れ飛行用位置測位方法。
【請求項5】
前記第4ステップは、
前記フィンガープリントマップが生成される場合に、多数の異なるフォーメーション別のプル-プッシュ関係によるRSSIを基にして、予め登録されたレンジング用電波地
図DBからマスター/スレーブ別の相対位置を算出して、多数のフォーメーション別にフィンガープリントマップを統合生成することを特徴とする、請求項3に記載のUWBベースの群れ飛行用位置測位方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示された内容は、群れ飛行(スワーム飛行)用位置測位方法に係り、より詳細には、群れ飛行体が特定の用事を実行するために飛行する場合に、それぞれの飛行体で群れ飛行情報に基づいて飛行を制御するので、群れ飛行を行うことができるようにする技術に関する。
【背景技術】
【0002】
本明細書で別に表示されない限り、このセクションで説明される内容は、この出願の請求項に対する従来技術ではなく、このセクションに含まれるからといって、従来技術として認められるものではない。
【0003】
一般的に、飛行体の技術が急速に発展するにつれて、普及型飛行体や超小型ミニ飛行体など、多様なタイプの飛行体に対する需要が大幅に増加している。このような状況で、無人飛行体の性能を向上させるために、複数台の飛行体がフォーメーション(formation)グループを形成して飛行する群れ飛行について盛んに研究されている。
【0004】
このような状況で人が直接飛行体の操縦に介入しない無人飛行体についての研究も進められている。無人飛行体は、最近、一般人のレジャー活動や映画撮影などの様々な目的のために活用される。最近では、通信及びコンピューティング技術の発展に伴い、単にシングル飛行体の無人飛行ではなく、一台以上の飛行体がフォーメーションを形成して災害救援などの特殊な用事を実行する群れ飛行についての研究が進められている。
【0005】
しかし、このような無人飛行体の位置測位技術は、RTK-GPSと映像などを活用しており、UWB(Ultra Wide Band)を利用した群れ飛行体の位置測位技術は未だ適用されておらず、RTK-GPSと映像などを活用した群れ飛行の限界を克服していない。
【0006】
さらに、UWB無線通信技術は、与えられた放射制限電力と全帯域の範囲内でチャンネル当たり約500MHz以上の超広帯域の占有帯域幅を持つ無線通信技術を意味する。従来の狭帯域システムや広帯域CDMAシステムに比べて広い周波数帯域にわたって相対的に低いスペクトル電力密度を持つので、従来の通信システムと一緒に使用することができるというのが特徴である。
【0007】
○屋外測位技術
屋外測位技術としては、GPS、SBAS1)、LPWA2)、RTK3)技術などがあり、GPSは、GPS衛星を利用した最も一般的で大衆的な測位技術であるものの、精度が相対的に劣るという欠点がある。このようなGPSを補完するために、SBAS、RTK技術が開発・適用されており、IoT環境の拡散によってLPWAも開発されて商用化サービスが提供されている。
【0008】
○屋内位置測位技術
屋内位置測位技術としては、Wi-Fi、BLE Beacon、UWB、Geo-Magnetic4)などの技術があり、最近、慣性センサーを活用した測位技術も開発されているが、技術ごとに精度が異なり、利点及び欠点があるので、導入の目的と用途に応じて様々な分野に活用される。
【0009】
1.RTK-GPS:地上局で補正されたGPS信号を伝送する方式であり、地上局のスペース限界を持つ。
【0010】
2.映像+レーダー:映像とレーダーセンサーを用いた方式、夜間識別の限界を持つ。
【0011】
3.一般RTLS:LTE、5G、Wifiなどを適用して、飛行体同士の間で5m程度の群集限界を持つ低密度群集
4.UWB RTLS:一般RTLSの問題である低密度群集の限界を克服し、飛行体別30cm級の群集
このような背景の先行技術は、下記の特許文献に開示されている程度である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】韓国登録特許第10-1905052号公報 参考までに、このような特許文献1の技術は、異機種、飛行体の老巧化、相異なる性能及び部品などによる飛行格差を補償してマルチ飛行体を同期化することができる制御を提供するものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
開示された内容は、群れ飛行体が特定の用事を実行するために飛行を行う場合、飛行する自由空間でUWBをベースに位置をリアルタイムで探索することにより、群れ飛行用位置測位を円滑に行うことができるようにする、UWBベースの群れ飛行用位置測位方法を提供しようとする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
実施形態に係るUWBベースの群れ飛行用位置測位方法は、
基本的に、従来と同様に、多数の群れ飛行体が飛行を行う場合に、それぞれのメイン制御部で位置を測位して、群れ飛行動作をフォーメーション別に異なるように制御させる。
【0015】
このような状態でこのように群れ飛行用位置測位が行われる場合に、それぞれの飛行体をUWB上のオブジェクトとして定義し、別のアンカーなしに位置追跡を行う。
【0016】
特に、このようUWB TWR方式に基づいてマスター/スレーブ形式のレンジングスケジューリングとプル-プッシュ(Pull-Push)関係から群れフォーメーション上の相対位置を算出することを特徴とする。
【0017】
具体的には、次の通りである。
【0018】
つまり、多数の群れ飛行体が飛行する場合、それぞれのメイン制御部で位置を測位して、群れ飛行動作をフォーメーション別に異なるように制御させる方法であって、
前記位置測位が行われる場合、多数の群れ飛行体内に予め設定されたマスター飛行体とスレーブ飛行体でGPS情報に基づいて基準位置を算出する第1ステップと、
前記基準位置が算出されるとき、前記マスター飛行体でTWRフォーマットに応じて予め設定されたプリング(pulling)信号をフォーメーション別に対応するスレーブレンジングスケジューリングに従って送出して、マスター/スレーブ飛行体で周辺飛行体からのプッシング(pushing)信号を受信してレンジングする第2ステップと、
前記レンジングされたプル-プッシュ関係から、前記マスター飛行体はTWR時間情報によってマスター/スレーブ飛行体別にフォーメーション上の相対位置を算出し、前記スレーブ飛行体はRSSIと、ToA(Time of Arrival)によってマスター/スレーブ飛行体別にフォーメーション上の相対位置を算出する第3ステップと、
前記算出されたマスター/スレーブ飛行体別のフォーメーション上の相対位置によってフォーメーション別にフィンガープリントマップを異なるように生成する第4ステップと、
前記生成されたフィンガープリントマップによって群れ飛行体の位置を算出する第5ステップと、を含むことを特徴とする。
【0019】
さらに、このような場合に、群れフォーメーション別にレンジングスケジューリングを異なるように実行することにより、さまざまな群れ形態に合わせて位置測位が行われる。
【0020】
具体的には、このようなレンジングが行われる場合、多数の異なるフォーメーション類型別に対応するルーチンと順序によってスレーブをスケジューリングして、群れ類型別にレンジングを行う。
【0021】
または、前記群れ類型別にレンジングが行われる場合に、フォーメーション類型別のルーチンに対するシーケンスを含めてスケジューリングすることにより、群れ形態でもレンジングを行う。
【0022】
これに加えて、マスター/スレーブ飛行体別にフォーメーション上の相対位置が算出される場合、前記レンジングされたプル-プッシュ関係からドップラー周波数偏移によるRSSI変化値を用いて、前記相対位置に方向性を提供することを特徴とする。
【0023】
これに加えて、このようなレンジングが行われる場合に、下記の距離測定フォーマットからプル-プッシュ関係に合う位置認識を実行することにより、マスター/スレーブ群れ別に群れ特性に合わせてレンジングを行うことを特徴とする。
【0024】
ここで、前記距離測定フォーマットは、
a)前記マスター飛行体がフォーメーション別に同じグループIDを持つスレーブ飛行体別に該当するプリング信号をコマンド形式で送出して、スレーブに報告を指示し、
b)前記スレーブはフォーメーション別のプル-プッシュ関係を記録したユーザーメモリーを備えて、前記プリング信号が送出されるときに前記ユーザーメモリーを通して該当するプッシング信号をイベントドリブン形式で返信することにより、マスターに報告する。
【0025】
また、このようなユーザーメモリーを介してレンジングが行われるすべての場合に、前記スレーブで前記プリング信号が受信されるときに、予め設定されたユーザーメモリーアドレスを読み出し、前記ユーザーメモリー内にプル-プッシュ関係別に異なるプッシング信号を連続的に書き込む動作を繰り返し行うことにより、プル-プッシュ情報を用いて相対位置が算出されるようにする。
【0026】
さらに、このようなユーザーメモリーを介してレンジングが行われる場合に、群れ類型に対応するマスタースレーブ形式別に前記距離測定フォーマット用コマンドを互いに異なるように設定することにより、群れ形態に合わせてレンジングを提供する。
【発明の効果】
【0027】
実施形態によれば、このようなUWB測位技術を利用して、無人飛行体の高密度群れ飛行を目指してUWB RTLSを搭載した無人飛行体群れ飛行を提供する。
【0028】
具体的には、このように群れ飛行用位置測位が行われる場合に、それぞれの飛行体をUWB上のオブジェクトとして定義し、別のアンカーなしに位置追跡を行うことにより、自由空間で位置をリアルタイムで探索する。
【0029】
特に、このようなUWB TWR方式に基づいてマスター/スレーブ形式のレンジングスケジューリングとプル-プッシュ関係から群れフォーメーション上の相対位置を算出することにより、群れ飛行に適した位置測位をリアルタイムで提供する。
【0030】
そのため、さらに群れ型無人飛行体の位置精度を高めて、群れ飛行を維持するために複数台の飛行体及び無人飛行体を同時に制御する。
【0031】
また、各飛行体の最初の目標であったフォーメーションを構成し、これを維持することができ、移動するときにもリアルタイムでフォーメーションを維持することができる。
【0032】
併せて、いずれか一台の飛行体が故障しても、他の飛行体の位置情報に基づいて、故障した飛行体の位置を見つけることができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】一実施形態に係るUWBベースの群れ飛行用位置測位方法が適用されたシステムを概略的に説明するための図である。
【
図2】一実施形態に係るUWBベースの群れ飛行用位置測位方法を概念的に説明するための図である。
【
図3】一実施形態に係るUWBベースの群れ飛行用位置測位方法が適用されたシステムを全体的に示す図である。
【
図4】一実施形態に係るUWBベースの群れ飛行用位置測位方法が適用された飛行体の構成を示すブロック図である。
【
図5】一実施形態に係るUWBベースの群れ飛行用位置測位方法の動作の手順を順次示すフローチャートである。
【
図6】一実施形態に係るUWBベースの群れ飛行用位置測位方法の情報取得方式を他の形態で示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
図1は一実施形態によるUWVベースの群れ飛行用位置測位方法が適用されたシステムを概念的に説明するための図である。
【0035】
図1に示すように、一実施形態に係るシステムは、従来の如く、基本的には、多数の群れ飛行体が飛行を行う場合に、それぞれのメイン制御部で、予め設定された群れ飛行情報を同一に使用して飛行を制御するので、複数台で特定の用事を実行することができるようにする。
【0036】
このような場合に、一実施形態に係るシステムは、UWBベースの群れ飛行用TWR位置測位方式(下記の
図2を参照)から群れに属する周辺飛行体の相対位置をリアルタイムで算出するので、管理者所望の様々なフォーメーション別に群れ飛行が行われる。
【0037】
まず、このようなUWBベースの群れ飛行用位置測位方式を説明する前に、一般的な群れ飛行を概略的に説明する。
【0038】
優先的に、群れ飛行は、特定の用事が実行されるときに、多数の飛行体1、2、3、4で例えば長方形平面からなる幾何学的関係を持つことにより、フォーメーションを形成する。
【0039】
この時、それぞれの飛行体1、2、3、4は、特定の幾何学的関係を形成し、リアルタイムで周辺飛行体の相対位置を検知する。
【0040】
このような場合、それぞれの飛行体1、2、3、4は、フォーメーションと周辺飛行体の相対位置を比較して飛行誤差を検知する。
【0041】
例えば、第1飛行体1は、残りの3台の飛行体2、3、4がなす平面上の三角形構造に基づいて、自分の相対的な位置を検知する。このため、第1~第4飛行体は、無線通信で周辺飛行体の直線距離、角度及び直線距離比率などの情報を相互に送受信する。例えば、第1直角三角形及び第2直角三角形の対応する各辺の長さを比較して、互いに異なる場合に、第1飛行体1の飛行に誤差が発生したと判断する。
【0042】
それでは、第1飛行体1は、第1直角三角形と第2直角三角形の対応する各辺の長さが同一になるまで飛行を制御することにより、飛行誤差を補正する。
【0043】
したがって、これにより、このような群れ飛行は、多数の群れ飛行体が飛行する場合に、群れ型無人飛行体の位置精度を高めて、群れ飛行を維持するために複数台の無人飛行体を同時に制御することができるという利点がある。
【0044】
併せて、いずれか一台の飛行体が故障しても、他の飛行体の位置情報に基づいて、故障した飛行体の位置を見つけることができる。
【0045】
図2は一実施形態に係るUWBベースの群れ飛行用位置測位方法を概念的に説明するための図である。
【0046】
図2に示すように、一実施形態の位置測位方法は、群れ飛行用位置測位が行われるとき、UWBベースの群れ飛行用TWR位置測位方式から、群れに属する周辺飛行体の相対位置をリアルタイムで算出するので、管理者所望の多様なフォーメーション別に群れ飛行が行われる。
【0047】
このような場合、前記UWBベースの群れ飛行用TWR位置測位方式は、次のとおりに行われる((a)参照)。
【0048】
まず、前記位置測位方式は、位置測位が行われる場合、多数の群れ飛行体内に予め設定されたマスター飛行体100とスレーブ飛行体110-1~110-3でGPS情報に基づいて基準位置を算出する。
【0049】
その後、このように基準位置が算出されるとき、マスター飛行体100でTWRフォーマットに応じて予め設定されたプリング信号をフォーメーション別に対応するスレーブレンジングスケジューリングに従って送出して、マスター/スレーブ飛行体100、110で周辺飛行体からのプッシング信号を受信してレンジングする。
【0050】
このため、このようなレンジングされたプル-プッシュ関係から、前記マスター飛行体100は、TWR時間情報によってマスター-スレーブ100、110別にフォーメーション上の相対位置を算出する。
【0051】
つまり、レンジングされたプル-プッシュ関係からスレーブでスケジューリングに従ってレンジングし、マスターとスレーブのTWR時間情報に基づいて距離を算出することにより、フォーメーション上の相対位置を算出する。
【0052】
一般的に、TWR方式は、次のとおりに行われる。
【0053】
つまり、マスター側は、プリング信号と最終信号を送り出した時間と、スレーブ側の応答信号を受け取った時間に関する情報をメッセージの形で最終信号に含めて送れば、スレーブ側はプリング信号と最終信号を受け取った時間と応答信号を送り出した時間に関する情報、及びマスター側が送り出したプリング信号と最終信号を送り出した時間とスレーブ側の応答信号を受け取った時間に関する情報を利用して、マスター側とスレーブ側との間の距離を求める。
【0054】
また、これに加えて、前記スレーブ飛行体110-1~110-3は、RSSI(Received Signal Strength Indicator)と、ToA(Time of Arrival)によってスレーブ-スレーブ100、110別にフォーメーション上の相対位置を算出する。
【0055】
具体的には、スレーブ110-1~110-3でスケジューリングに従ってレンジングする。これに加えて、プル-プッシュ関係別に予め設定された基準RSSIと、現在レンジングされたプル-プッシュ関係による信号強度の変化、すなわち、RSSIの比率、及びマスターとスレーブのTWR時間情報に基づいて距離を算出することにより、フォーメーション上の相対位置を算出する。
【0056】
その後、このようなマスター-スレーブとスレーブ-スレーブ100、110別のフォーメーション上の相対位置によってフォーメーション別にフィンガープリントマップを異なるように生成する。
【0057】
その後、これにより、前記フィンガープリントマップによって、すなわち群れ形態別のフィンガープリントマップによって群れ飛行体の位置を算出する。
【0058】
したがって、これにより、一実施形態は、群れ飛行用位置測位が行われる場合に、このようなUWB TWR方式をベースにマスター/スレーブ形式のレンジングスケジューリングとプル-プッシュ関係から群れフォーメーション上の相対位置を算出することにより、群れ飛行に適した位置測位をリアルタイムで提供する。
【0059】
そして、このような場合に、群れフォーメーション別にレンジングスケジューリングを異なるように実行することにより、さまざまな群れ形態に合わせて位置測位が行われる。
【0060】
敷衍すれば、このような位置測位方式は、基本的に次のとおりに行われる。
【0061】
つまり、まず、飛行体の位置を算出するときに、基準となるマスター飛行体を定め、GPS座標を基準にして周辺スレーブ飛行体間の距離をTWR(Two Way Ranging)方式で測定して位置を計算することにより、それぞれの飛行体の相対座標を算出する。
【0062】
一方で、このようなレンジングスケジューリングは、例えば、次のとおりに行われる。
【0063】
まず、マスターノードは、予め設定されたフレームを分割してスレーブノードに割り当てる。ここで、フレームは、予め設定した時間間隔で行われ、マスターノードは、フレームをスレーブノードのためのスレーブ送信時間に分割することができる。そして、マスターノードは、それぞれのスレーブノードにそれぞれのスレーブ送信時間を割り当てることができる。また、マスターノードは、スケジューリング結果としてスケジューリング情報を生成する。
【0064】
次に、マスターノードは、スケジューリング情報を送信する。このとき、スケジューリング情報は、マスターノードとスレーブノードの識別情報をさらに含むことができる。そして、マスターノードは、ビーコンメッセージにスケジューリング情報を挿入して送信することができる。ビーコンメッセージは、位置追跡システム内の時間同期化のためのものである。また、マスターノードはビーコンメッセージを放射することができる。または、マスターノードは、タグノードとスレーブノードの識別情報を用いてビーコンメッセージを送信することもできる。
【0065】
また、このとき、通信システム及び座標設定方式において、測位のためのフレームは、スロットを多様に設定して行われることもある。
【0066】
例えば、測位のためのフレームは、マスターの個数別にスロットが構成され、例えば、マスターが3つである場合には、3つのスロットで構成される。そして、マスターがそれぞれ一つのスロットを制御する。
【0067】
このような場合に、前記スロットは、初期化区間とスレーブ測位区間から構成されることもある。
【0068】
図2の(b)は、このようなスロットを示す例示図である。
【0069】
図2の(b)に示すように、前記初期化区間は、マスター別にプリング信号、プッシング信号(応答信号)及び最終信号を用いて、スレーブ間の距離を測定する区間である。
【0070】
そして、スレーブ測位区間は、スレーブがプリング信号とプッシング信号を用いて自分の位置を算出する区間である。
【0071】
より具体的には、例えば、スロット別に、すなわち、Slot0、Slot1、Slot2で構成された作業を初期化区間とする。
【0072】
この区間の間に、マスターを含むすべての飛行体間の距離を測定し、これに基づいて3次元座標(x、y、z)を計算する。
【0073】
その後、初期化区間が終わった後、Slot0の作業を繰り返し行ってスレーブの位置を計算する。
【0074】
そして、スレーブの位置が変更された場合またはリセットが必要な場合、外部の入力を用いて初期化区間を再び行うようにして、システムの効率を高める。
【0075】
付加的に、このようなレンジングスケジューリングに関連して、マスター/スレーブ飛行体は、タイミングプロファイルを一つのタイミングプロファイルに統合したりもする。たとえば、マスター飛行体とスレーブ飛行体との間に使用してマスターを基準に時間同期化して、一つの測位システムを構成する。
【0076】
参考までに、従来のTWR方式を概略的に説明する。
【0077】
まず、TWR方式は、2つのパケットを用いて距離を計算する。
【0078】
また、特定の装置Aが周辺装置にレンジングを開始するというパケットを伝達する。
【0079】
このとき、装置Aは、パケットを伝送した時点からラウンドトリップ時間((tround))を測定する。
【0080】
そして、装置Aからパケットの伝送を受けた装置は、これに対する応答として、システムで定めた一定の時間である応答遅延時間(eA : A応答遅延時間, eB : B 応答遅延時間)の後に、装置Aへ、レンジングデータが含まれたパケットを伝送する。
【0081】
このとき、応答遅延時間は、受信されたパケット端と次の伝送パケットの開始部分に対する応答遅延時間をいう。
【0082】
それで、当該パケットの伝送を受けた装置Aは、応答時間(treply)は 下記[式1]の演算過程を経て装置Aから周辺装置までの信号到達時間(tp)を推定する。
【0083】
このとき、このように推定された信号到達時間から装置Aと周辺装置との距離を推定する。
【0084】
tp = 1/2(tround(1+eA) - treply(1+eB)) …[式1]
また、従来のToA方式について説明する。
【0085】
(a)まず、RT-ToA方式の動作原理は、例えば、A送受信機が信号Aを送信すると、B送受信機が信号Aを受信し、受信終了後、応答信号である信号Bを送信する。
【0086】
(b)B送受信機で受信した信号Aの終了時点から送信した信号Bの終了時点までの経過時間を介して、A送受信機で測定した値を伝達する。B送受信機が測定値をA送受信機に伝達するときには、測定値を伝達するためのデータ伝達信号とそれに対するA送受信機からの応答信号など、2回の追加の信号を必要とする。
【0087】
(c)そして、全体的にToA=(Tround-Treply)/2の値を計算する。ToA値に媒質(Medium)の信号伝達速度cを掛けると、A送受信機とB送受信機との空間的な距離(Spatial Distance)値を求めることができる。
【0088】
図3は一実施形態に係るUWBベースの群れ飛行用位置測位方法が適用されたシステムを全体的に示す図である。
【0089】
図3に示すように、一実施形態に係るシステムは、基本的に、従来と同様に、多数の群れ飛行体が飛行を行う場合に、それぞれのメイン制御部で位置を測位して、群れ飛行動作をフォーメーション別に異なるように制御させる。
【0090】
このような場合に、一実施形態のシステムは、それぞれの飛行体をUWB上のオブジェクトとして定義し、別のアンカーなしに位置追跡を行うことにより、自由空間で位置をリアルタイムで探索する。
【0091】
つまり、自由空間内で特定の位置を制限しない方式で使用する場合、UWBを各飛行体にアンカー/タグの区分なしに各オブジェクトとして使用して三角測量構造の3D位置を探索する。
【0092】
参考までに、現在、RTK-GPSの空間限界、映像の夜間識別限界、一般RTLSの飛行体密度限界を克服しておらず、特に一般RTLSはUWBを除く現在技術であって、RTLSを適用する場合、5m程度の距離を保障する程度である。
【0093】
そして、このような場合には、前記位置測位は、前述したように、マスター/スレーブ形式のレンジングスケジューリングとプル-プッシュ関係から群れフォーメーション上の相対位置を算出することにより、群れ飛行に適した位置測位をリアルタイムで提供する。
【0094】
この時、前記位置測位は、例えば、三角測量を活用する。付加的に、このような三角測量は、TWR(Two-Way Ranging)を利用したもので、例えば、2D RTLSまたは3D RTLSで実際の距離を測定する。
【0095】
図4は一実施形態によるUWBベースの群れ飛行用位置測位方法が適用された飛行体の構成を示すブロック図である。
【0096】
図4に示すように、一実施形態に係る飛行体は、データベース110、駆動部130、センサー部150、制御部170及び通信部190を含む。
【0097】
そして、このような飛行体は、群れ飛行のための幾何学的関係を含む関連情報を格納し、このような群れ飛行情報に基づいて運用される。
【0098】
参考までに、群れ飛行情報は、外部サーバーによって生成されるか、或いは外部サーバーから通信部190を介して受信されてデータベース110に格納される。
【0099】
前記制御部170は、データベース110から群れ飛行情報を抽出して、これにより駆動部130の動作を制御して飛行する。このような場合に、前記制御部170は、群れ飛行用位置測位が行われる場合に、一実施形態によってUWB TWR方式に基づいてマスター/スレーブ形式のレンジングスケジューリングとプル-プッシュ関係から群れフォーメーション上の相対位置を算出することにより、群れ飛行に適した位置測位をリアルタイムで提供する。また、このとき、群れフォーメーション別にレンジングスケジューリングを互いに異なるように実行することにより、さまざまな群れ形態に合わせて位置測位が行われる。さらに、フォーメーションを一定に保つために、前記制御部170は、群れ飛行情報と、周辺飛行体との距離を比較して飛行誤差を検知する。このため、例えば、周辺飛行体との距離を測定して幾何学的関係を算出し、予め設定された特定の幾何学的関係と一致するか否かを判断する。それで、前記判断の結果、一致しない場合に群れ飛行が変更されたと判断し、飛行誤差を補正する。ここで、特定の幾何学的関係は、例えば、周辺飛行体との直線距離、直線距離間の比率、及び直線距離がなす角度のうちの少なくとも一つが特定の値に予め設定される。また、特定の幾何学的関係情報は、特定の図形に適用される数式情報を含むことができる。この時、特定の図形は、2次元の三角形、四角形、円形などと、3次元の円錐、四角錐、四角柱、正六角柱及び球を含む。
【0100】
前記センサー部150は、例えば、GPS、RTLS(位置追跡システム)、ジャイロセンサー、加速度センサー、カメラセンサー及び磁力計センサーのうちの少なくとも一つで構成される。そして、前記センサー部150は、飛行体の位置情報を算出するために、周辺飛行体との距離を測定するための値(すなわち、レンジング用信号)を取得する。また、このとき、ジャイロセンサー及び加速度センサーの測定値、及び予め設定された時間内に前記センサーの測定変更値を分析することにより、飛行体の方位値を算出し、或いは飛行体の高度および高度変化を推論する。
【0101】
前記通信部190は、飛行体間のメッセージ及び飛行情報をソケット通信を介して送受信する。
【0102】
図5は一実施形態によるUWBベースの群れ飛行用位置測位方法の動作の手順を順次示すフローチャートである。
【0103】
図5に示すように、一実施形態に係るUWBベースの群れ飛行用位置測位方法は、まず、群れ飛行用位置測位が行われる場合、多数の群れ飛行体に予め設定されたマスター飛行体100とスレーブ飛行体110-1、110-2でGPS情報に基づいて基準位置を算出する。
【0104】
その後、このように基準位置が算出されるとき、前記マスター飛行体100でTWRフォーマットに応じて予め設定されたプリング信号をフォーメーション別に対応するスレーブレンジングスケジューリングに従って送出して、マスター/スレーブ飛行体100、110で周辺飛行体からのプッシング信号を受信してレンジングする。
【0105】
例えば、このようなレンジングが行われる場合、多数の異なるフォーメーション類型別に対応するルーチンと順序によってスレーブをスケジューリングして、群れ類型別にレンジングを行う。または、このような群れ類型別にレンジングが行われる場合に、フォーメーション類型別のルーチンに対するシーケンスを含めてスケジューリングすることにより、群れ形態でもレンジングする。
【0106】
このため、このようなレンジングされたプル-プッシュ関係から、前記マスター飛行体100は、TWR時間情報によってマスター-スレーブ100、110別にフォーメーション上の相対位置を算出する。
【0107】
これに加えて、前記スレーブ飛行体110-1、110-2は、RSSIと、ToAによってスレーブ-スレーブ100、110別にフォーメーション上の相対位置を算出する。
【0108】
付加的に、このような場合に相対位置に方向性を提供して正確に位置測位を行ったりもする。
【0109】
例えば、前記マスター-スレーブ100、110別にフォーメーション上の相対位置が算出される場合、前記レンジングされたプル-プッシュ関係からドップラー周波数偏移によるRSSI変化値を用いて、前記相対位置に方向性を提供する。このとき、ドップラー周波数偏移は、ドップラー周波数方向と偏移値を含む。
【0110】
その後、このように算出されたマスター-スレーブとスレーブ-スレーブ100、110別のフォーメーション上の相対位置によってフォーメーション別にフィンガープリントマップを異なるように生成する。
【0111】
このとき、これに関連して、他の形態では、前記フィンガープリントマップが生成される場合に、多数の異なるフォーメーション別のプル-プッシュ関係によるRSSIに基づいて、予め登録されたレンジング用電波地
図DBからマスター/スレーブ100、110別の相対位置を算出して、多数のフォーメーション別にフィンガープリントマップを統合生成する。
【0112】
例えば、前記レンジング用電波地
図DBは、まず、レンジング用信号、すなわち、フォーメーション別のプル-プッシュ関係によるRSSIレベル別に位置を区分する。
【0113】
そして、実際群れ飛行用相対位置が算出される場合に、実際のRSSIレベルと(または、レート)、登録されたRSSIレベルとを比較してマップを生成する。また、付加的にレンジング用送/受信信号間のドップラー原理を利用した方向情報、すなわち、ドップラー周波数偏移情報に基づいて方位値を算出したりもする。
【0114】
これにより、前記生成されたフィンガープリントマップによって群れ飛行体の位置を算出する。
【0115】
以上の如く、一実施形態は、群れ飛行用位置測位が行われる場合に、それぞれの飛行体をUWB上のオブジェクトとして定義し、別のアンカーなしに位置追跡を行うことにより、自由空間で位置をリアルタイムで探索する
特に、このようなUWB TWR方式に基づいてマスター/スレーブ形式のレンジングスケジューリングとプル-プッシュ関係から群れフォーメーション上の相対位置を算出することにより、群れ飛行に適した位置測位をリアルタイムで提供する。
【0116】
このような場合に、群れフォーメーション別にレンジングスケジューリングを異なるように実行することにより、さまざまな群れ形態に合わせて位置測位が行われる。
【0117】
他方で、他の実施形態に係る飛行体の群れ制御方法は、従来の方式通りに、TWRを用いた三角測量で位置が測位される場合に、送信側と受信側の両ノード間のクロック差による誤差の発生を減らすことができるようにする。
【0118】
このため、このような位置測位は、飛行体の位置がリアルタイムで追跡されるとき、対称両面(Symmetric Double-Sided)TWRから両ノード間のクロック差を補償することにより、誤差を減少する。
【0119】
ここで、前記TWRは、プロセスがRequest>ACK+Request>ACK>DATA Reportの順に行われる。そして、ToFは{(troundA-treplyA)+(troundB-treplyB)}/4となる。このため、このように追加メッセージの交換によって両ノード間のクロック差を補償することにより、誤差を低減する。
【0120】
参考までに、従来のTWRは、プロセスがRequest>ACKの順に行われる。また、ToFは(troundA-treply/2)である。したがって、両ノード間のクロック差による誤差発生可能性があり、少ないパケット交換による多くのタグ収容可能性がある。
【0121】
特に、このような従来の方式に加えて、一実施形態によって前記マスターとスレーブ100、110別の相対位置が全体的にすべて算出される場合、前記多数の異なるフォーメーション別のプル-プッシュ関係に対応する対称両面TWRから両ノード間のクロック差を補償して、多数のフォーメーション別に誤差を減少する。
【0122】
この時、異なるフォーメーション別にクロック差が補償される場合に、同じフォーメーション内にスレーブ別に異なるレンジングスケジューリングに従って対称両面を使用して、両ノード間のクロック差を2次に補償する。
【0123】
参考までに、マスター/スレーブ飛行体の設計の際に、同じアンテナとアンテナからMMICチップまでの電極距離を使用し、同じプロセスと信号処理プログラムを使用すると、基本的に同じ受信遅延を持つので、上述の方式で誤差を最小化する。
【0124】
他方では、他の実施形態は、前述した一実施形態のレンジングが行われる場合、次の距離測定フォーマットからプル-プッシュ関係に適した位置認識を行うことにより、マスター/スレーブ群れ別に群れ特性に合わせてレンジングを行うことができるようにする。
【0125】
具体的には、前記距離測定フォーマットは、次のとおりに行われる。
【0126】
(a)まず、前記マスター飛行体100が、フォーメーション別に同じグループIDを持つスレーブ飛行体別に、該当するプリング信号をコマンド形式で送出して、スレーブに報告を指示する。
(b)その後、前記スレーブは、フォーメーション別のプル-プッシュ関係を記録したユーザーメモリーを備えて、前記プリング信号が送出されるときに前記ユーザーメモリーを通して該当するプッシング信号をイベントドリブン形式で返信することにより、マスターに報告する。
【0127】
さらに、前記ユーザーメモリーを介してレンジングが行われる場合に、前記スレーブから前記プリング信号が受信されるときに、予め設定されたユーザーメモリーアドレスを読み出して、前記ユーザーメモリー内にプル-プッシュ関係別に異なるプッシング信号を連続的に書き込む動作を繰り返し行うことにより、プル-プッシュ情報を用いて相対位置が算出されるようにする。
【0128】
このとき、このようなプル-プッシュ関係によるデータの読み出しと書き込み動作は、全体的に、マスターとスレーブ間の距離に対応して行われることにより、プル-プッシュレート情報を取得することができるようにする。
【0129】
付加して、このようなユーザーメモリーを介してレンジングが行われる場合に、群れ類型に対応するマスタースレーブ形式別に前記距離測定フォーマット用コマンドを異なるように設定することにより、群れ形態に合わせてレンジングを提供する。
【0130】
図6は一実施形態に係るUWBベースの群れ飛行用位置測位方法の情報取得方式を他の形態で示す図である。
【0131】
図6に示すように、一実施形態に係る情報取得方式は、SDS TWR(Symetric Double Side Two-Way Ranging)方式による位置情報取得過程で行われたりもする。
【0132】
ここで、TWRは飛行体同士の間で複数のパケットをやりとりし、距離を算出して測位する方式に該当する。
【0133】
そして、TDOAに比べて飛行体AP間のクロック同期(clock sync)が不要であり、外部測位の精度が高いという利点がある。また、TWR方式は、3つ以上の周辺飛行体で距離を求め、三角法で位置を算出する特徴がある。
【0134】
具体的には、このようなTWR方式は、SDS-TWRに該当する。
【0135】
まず、マスターがスレーブにプリングパケットを送ると、プッシングパケットで応答が行われる。
【0136】
そして、再びマスターが最終パケットを送ると、各パケットに対する時間値を用いて距離を算出する。
【0137】
このとき、最終パケットには、プリングTx時間(Poll Tx Time)、プッシングRx時間(Resp RX Time)及び最終Tx時間(Finale Rx Time)をのせて送り、これにより、最終パケットに送った3つの時間を合わせて全部で6つの時間値(応答 Tx 時間(Rsep Tx Time), 最終 Rx 時間(Finale Rx Time), 応答 Rx 時間(Resp Rx Time))を用いて距離値を算出する。
【0138】
このような場合、前記距離値の出力は、下記[式2]の通りである。
【0139】
一方、付加的に、このような情報取得過程に適用される方位角算出方式は、次の通りである。
【0140】
まず、それぞれのマスターとスレーブは、前述したUWB通信を介してSDS-TWR方式による距離を確認する。
【0141】
その後、SDS-TWR実行時点で、例えば、4つからなる飛行体のうち、平面上で垂直軸と水平軸に区分されて位置する2対の集合を設定する。
【0142】
このような各対をなす2つの飛行体と、周辺飛行体との方位角を算出することにより、2つの方位角情報である第1方位角情報及び第2方位角情報を取得する。すなわち、4つのうち、2つ間の距離が長い組み合わせで方位角を算出する。
【0143】
このとき、算出された方位角に対してカルマンフィルタ処理を行うことにより、平滑化(smoothing)効果を与えたりもする。
【0144】
その後、このように算出された2つの方位角のうち、軸間の角度が相対的に垂直に近い方位角に対して重みを適用した後、2つの方位角に対する平均値を算出する。
【0145】
これにより、前述した位置情報の取得に使用される方位角算出方式が行われる。
【0146】
次に、他の付加的な面として、次の時間プロファイル(Tx1, Tx2)を説明する。ちなみに、時間プロファイルは、マスターとスレーブの動作を示す。
【0147】
具体的には、まず、マスターは2つの信号を一定の間隔をおいて送信する。すると、多数のスレーブがそれぞれその2つの信号を受信する。この時、時間間隔は一定である。
【0148】
そして、マスターの信号送信間隔(△Tx)は、下記式3の通りである。
【0149】
その後、スレーブの信号受信間隔(△Rx)は、下記式4のとおりである。
【0150】
その後、マスターで使用されるクロックと各スレーブで使用されるクロックとが同じであれば、基本的に、△Txと△Rxは同じである。
【0151】
しかし、現実的にマスターとスレーブに使用されるクロック、より具体的には内部オシレータは周波数に偏差があり、△Txと△Rxは値が異なる。
【0152】
このため、受信機クロックの送信機クロックに対するスキュー(skew)は、下記式5のとおりである。
【0153】
skew = △Rx/△Tx…[式5]
一方、送信機で、遅延伝送(To)を介して伝送時間のメッセージを含む2つの送信信号を一定の間隔で送信する。すると、受信機では、受信時間を記録して、受信機クロックの送信機クロックに対するスキューを下記式6のように求める。
【0154】
skew = (ToR2 - ToR1)/(ToT2 - ToT1) …[式6]
このため、以後、受信機のスキューが分かれば、測位が行われるときに基準となる送信機の時間に、受信された時間を補正することにより、正確な位置を計算する。
【0155】
付加的に、このような位置測位方式が使用される状況について、例を挙げて説明する。
【0156】
まず、n個(nは任意の整数)の無人群れ飛行体が特定の用事を実行する場合に、この群れ飛行体のうちの少なくとも一つの無人飛行体が、前述した相対位置を基準にフォーメーション上で一定距離だけ離れた場合などに、飛行経路の変更を知らせるアラーム信号を伝送する。
【0157】
その後、マスター飛行体で、衝突可能な周辺スレーブ飛行体を探索する。
【0158】
そして、衝突可能な飛行体の個数が0になるまで、飛行経路を相互に調整する。
【0159】
このため、衝突可能な飛行体の数が0になるn個の飛行体の飛行経路を確定する。
【0160】
これにより、全体的に、このように確定された飛行経路に飛行経路を変更する。
【0161】
このような衝突回避方式は、少なくとも一つの無人飛行体が突然に飛行経路を変更する場合、他の無人飛行体が対応して飛行経路を変更することにより、現在飛行しているn個の無人飛行体全体の飛行経路が最適化される過程を含む。
【0162】
つまり、多数の無人飛行体が、指定された経路に沿って飛行していても、突発状況が起こる可能性があるので、このような方式を用いて無人飛行体間の飛行経路を相互に調整し、このような突発状況に容易に対処する。
【0163】
特に、最初に経路を変更した無人飛行体は、緊急に障害物を回避する回避行動を行った場合であり得るので、これを除いた残りの無人飛行体の飛行経路を相互に調整して、最初の回避行動を維持しながら、n個の飛行している無人飛行体全体の飛行経路を最適化する。
【0164】
これにより、飛行地域に分散しているか或いは群れをなして飛行している多数の無人飛行体の相互間の衝突や他の物体との衝突などを防止しながら、多数の無人飛行体を効果的に制御する。
【0165】
これに加えて、n個の無人飛行体は、制御局と通信しながら飛行することができる。n個の無人飛行体と制御局は、遠距離無線通信方式でデータを交換する。それぞれの無人飛行体は、それぞれ飛行能力を備えており、制御局と通信しながら、プログラムされた飛行経路に沿って所望の方向に飛行する。
【0166】
そして、n個の無人飛行体は、それぞれ撮影された映像、センサー(近接センサーと温度センサーを含む)で検知した検知信号、飛行状況に関連した位置データ、及び天気に関するデータなどを収集して制御局に伝送する。すると、制御局は、このようなデータを受信して、無人飛行体の飛行状況を観察し、無人飛行体が飛行する地域を監視したり関連データを蓄積したりする。このとき、制御局は、場合に応じて追加のデータを伝送し、特定の用事を実行するための飛行経路の変更を命令したりもする。
【0167】
このように、飛行しているn個の無人飛行体のうちの少なくとも一つが障害物に会って飛行経路の変更を知らせるアラーム信号を伝送したりもする。このとき、障害物は、プログラムされた飛行経路上には現れていないもので、突然発見されたものであり得る。だから、これを検知した無人飛行体は、迅速にこれを回避する障害物回避プロセスを実行する。これにより、無人飛行体の飛行経路の間で干渉が発生する問題が生じることがある。
【0168】
このため、アラーム信号を伝送した無人飛行体は、障害物回避プロセスによって飛行経路を即座に変更した後でアラーム信号を伝送するか、或いは、アラーム信号を伝送した後で飛行経路を変更する。つまり、無人飛行体は、迅速に障害物を回避するために、先ず回避飛行を行った後、これを制御局に伝送して知らせる。そして、適切な距離から障害物が検知される場合には、回避飛行を開始する前、または、回避飛行を行う途中でもアラーム信号を伝送する。このとき、無人飛行体の位置、速度、飛行経路などを一緒に提供する。
【0169】
これにより、無人飛行体の飛行経路が算出された場合に、n個の無人飛行体全体の飛行経路を相互に比較して、衝突可能な無人飛行体を探索する。
【0170】
例えば、衝突可能な無人飛行体は、各無人飛行体の飛行経路と、これに加えて飛行データ全般と各無人飛行体の大きさなどを総合的に考慮して探索する。このとき、アラーム信号を伝送した無人飛行体の変更された飛行経路が他の無人飛行体の飛行経路と隣接する程度に応じて、些細な気流変換などによっても衝突が可能である。このため、これを考慮して、衝突可能な無人飛行体を把握する。そして、このような方式でn個の無人飛行体全体の飛行経路を相互に比較して、衝突可能な無人飛行体を探索する。
【0171】
そして、衝突可能な無人飛行体が探索されると、衝突可能な無人飛行体の数が0になるまで、アラーム信号を伝送した無人飛行体を除く残りの無人飛行体の飛行経路を相互に調整する。
【0172】
具体的には、最初に回避飛行を行った無人飛行体の障害物回避行動を維持しながら、残りの無人飛行体の飛行経路をそれに対応して調整し、追加の衝突可能性を除去する。
【0173】
これにより、回避飛行による飛行経路の変更及び飛行経路の調整によって発生可能な2次、3次の追加的な衝突を防止し、多数の無人飛行体をより最適化された飛行経路で飛行するように制御する。
【0174】
付加的に、このような飛行経路の調整は、次のとおりに行われる。
【0175】
つまり、無人飛行体のGPS情報、地形地物情報、無人飛行体がリアルタイムで撮影した映像情報、無人飛行体のセンシング情報などを考慮して、無人飛行体の飛行経路を最適化する。
【0176】
これにより、各無人飛行体の現在位置、周辺状況、障害物などを把握してより能動的に飛行経路を調整する。
【0177】
一方、最初にいずれか一つの無人飛行体が障害物を避けて飛行経路を変更しても、残りの無人飛行体はこれとは異なる方式で飛行経路を変更するように調整することができる。
【0178】
例えば、飛行経路の調整によって追加の飛行経路の干渉が発生する可能性のある無人飛行体の飛行経路変動幅を、最初に飛行経路を変更した無人飛行体の飛行経路変動幅よりも小さく設定する。
【0179】
このとき、飛行経路変動幅は、前述した飛行経路データから無人飛行体間の距離、大きさなどを把握し、相互間で回避が円滑な限度内で適正の割合で順次減少するように設定する。
【0180】
このように、飛行経路変動幅を調節すると、飛行経路の調整によって引き起こされる無人飛行体間の飛行経路の追加的な干渉を最小限に抑える。つまり、無人飛行体の相互間の距離などを勘案して飛行経路を有機的に調整することにより、連鎖的な干渉を最小限に抑え、飛行経路の変更なしに元の経路で飛行可能な無人飛行体の個数を増加させる。これにより、多数の無人飛行体を衝突の危険から外れるようにしようながらも、元の任務を逃さず、スムーズに行うように無人飛行体全体の経路を最適化する。
【0181】
一方、無人飛行体が互いに反対方向などに交差飛行するなどの場合にも、このような飛行経路の調整及び最適化が容易に行われることができる。例えば、互いに反対方向に飛行する無人飛行体も、最初の飛行経路変動幅と同じ変動幅を持つように、衝突可能な無人飛行体を含む残りの無人飛行体の飛行経路を調整することができる。これにより、無人飛行体間の相互衝突だけでなく、無人飛行体と障害物間の衝突も回避するように飛行経路を設定する。
【0182】
また、無人飛行体の飛行経路調整過程は、衝突可能な無人飛行体が互いに交差する地点で無人飛行体の水平方向または垂直方向の経路変更のうちの少なくとも一つを介して衝突を回避する過程を含む。つまり、最初に障害物を回避した無人飛行体が水平方向に移動して、隣接する無人飛行体の飛行経路を干渉する場合、自分の飛行経路に干渉する無人飛行体を避けて、隣接する無人飛行体が垂直方向に経路を変更するように飛行経路を調整する。これにより、無人飛行体全体の飛行経路の変動量を極小化する。
【0183】
他方で、これとは異なる障害物回避動作をさらに説明する。
【0184】
具体的には、無人飛行体がリモートコントロールされて飛行する途中で障害物が検知されると、飛行方向を自動的に変えるように処理する。
【0185】
つまり、無人飛行体が飛行中にリアルタイムで外部へ電磁波を発生させる。このとき、電磁波による反射波が受信されるかを判別する。
【0186】
反射波が受信されると、つまり、障害物によって電磁波が反射されて受信されると、障害物との距離を計算する。その後、計算された距離と無人飛行体の速度などを勘案して、障害物との衝突を予測する。例えば、障害物との距離を計算して、しきい値の範囲内に障害物が入ってくると、衝突が発生すると予測する。
【0187】
その後、障害物が検知されると、無人飛行体でリモートコントロールによる調整が遮断されるようにし、飛行方向を反対方向に変えるようにする。
【0188】
次いで、無人飛行体の飛行方向が反対方向に切り替えられて一定時間(例えば、2~5秒程度)が経過すると、無人飛行体でリモートコントロールによる調整が許容されるようにする。
【符号の説明】
【0189】
100 飛行体
110 データベース
130 駆動部
150 センサー部
170 制御部
190 通信部