特開 2022-179256 アタッチメントの姿勢制御装置

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公開特許公報(A)

(11)【公開番号】P2022179256

(43)【公開日】2022-12-02

(54)【発明の名称】アタッチメントの姿勢制御装置

(51)【国際特許分類】

   E02F 3/40 20060101AFI20221125BHJP

   E02F 9/00 20060101ALI20221125BHJP

【ＦＩ】

E02F3/40 E

E02F9/00 B

【審査請求】未請求

【請求項の数】3

【出願形態】書面

(21)【出願番号】P 2021109619

(22)【出願日】2021-05-21

(71)【出願人】

【識別番号】593003949

【氏名又は名称】ウエダ産業株式会社

(72)【発明者】

【氏名】植田 敏治

(72)【発明者】

【氏名】吉川 忠男

【テーマコード（参考）】

2D012

2D015

【Ｆターム（参考）】

2D012HA00

2D015BA02

(57)【要約】

【課題】油圧ショベル先端とアタッチメントとの間に配置し、アタッチメントの左右傾動と旋回を安定して行うアタッチメントの姿勢制御装置を提供する。
【解決手段】油圧ショベル先端に取り付ける本体フレーム（１）の本体軸受（２）に傾動ピン（４）で支承した傾動フレーム軸受（３）を上フレーム（１２）に固定し、上フレーム（１２）とウオーム歯車（１１）に下フレーム（１３）をボルト締めして傾動フレーム（１０）を構成し、傾動フレーム（１０）内の油圧機器に本体フレーム（１）から導く油圧配管部を前記傾動ピン（４）内に設け、前記、傾動フレームに設けた固定フック（１４）に対向して可動フック（１５）をネジ棒（２１）と螺合したパイプナット（２２）の回転でアタッチメントのピン間調整するようにしたアタッチメントの姿勢制御装置を提供する。
【選択図】図３

【特許請求の範囲】

【請求項1】

油圧ショベルの先端とアッタチメントの間に取り付け、アタッチメントを左右に傾動及び旋回させる装置において、本体フレーム（１）から傾動フレーム（１０）への油圧を傾動ピン（４）に設けた配管穴（８）に導くことを特徴とするアタッチメントの姿勢制御装置。

【請求項2】

アタッチメントを作動させる油圧又は電気を傾動フレーム（１０）に固定したウオーム歯車（１１）の旋回中心に設けたロータリージョイント（１６）によりアッタチメント（４３）に導くことを特徴とする請求項１。

【請求項3】

アタッチメントを取り付ける固定フック（１４）とこれに対向する可動フック（１５）の位置調整を、ネジ棒（２１）と螺合するパイプナット（２２）の回転により行い、ネジ棒（２１）の一端を可動フックに軸支し、パイプナット（２２）を傾動フレーム（１０）側に軸支したトラニオン（２６）に軸支したことを特徴とする請求項１。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

この発明は、油圧ショベルとアッタチメントの間に取り付けるアタッチメントの姿勢制御装置に関する。

【背景技術】

【0002】

油圧ショベルとアッタチメントの間にアタッチメントの姿勢制御装置を取り付け、油圧ショベルから本装置の本体フレーム（１）へ導く油圧ホース（５）が、本装置の傾動フレーム（１０）の左右傾動に伴い曲げ伸縮し、ホースの疲労破損と装置外へ突出して邪魔になることがある。

【0003】

アタッチメントの着脱には、固定フックに対向した可動フックでアタッチメントのピン間調整を、ネジ棒に螺合するナット又はネジ棒の回転で行う場合、その回転が困難になることがあった。

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0004】

この発明は、アタッチメントの姿勢制御装置として使用上の耐久性、安定性、便宜性を解決したアタッチメントの姿勢制御装置を提供することを目的とする。

【課題を解決するための手段】

【0005】

この発明では、本装置を油圧ショベルのアーム先端に取り付け、さらに本装置に作業用のアッタチメントを取り付け、油圧ショベルによる本装置の前後傾動と本装置によるアタッチメントの左右傾動と旋回を組み合わせて、アタッチメントの前後、左右の傾動と旋回する装置において、本装置を作動させる油圧を傾動ピン（４）内に設けた配管穴（８）に導き、傾動フレーム（１０）の下部に設けたアタッチメント（４３）作動用油圧をウオーム歯車（１１）中心に設けたロータリジョイント（１６）から導き、アタッチメントのピン間調整する可動フック（１５）の傾動をネジ棒（２１）とネジ棒を覆うパイプナット（２２）の回転により行うことを特徴とするアタッチメント姿勢制御装置を提供する。

【0006】

上記構成によれば、油圧ショベルのアーム先端に取り付けた本体フレーム（１）から、傾動フレーム（１０）へ油圧を導くホース（５）をスイベルジョイント（６）（７）により傾動ピン（４）に設けた配管穴（８）から傾動フレーム（１０）上のバルブブロック（９）に接合するので、ホース（５）の伸縮やねじれがなく固定的な配管にできる。

【0007】

さらに、傾動フレーム（１０）の下端に取り付けるアタッチメント（４３）作動用油圧は傾動フレーム（１０）のウオーム歯車（１１）中心に設備したロータリジョイント（１６）によりアタッチメント（４３）配管金具付近まで導くことができる。

【0008】

前記ロータリジョイント（１６）の中心に配線穴を設けロータリジョイント（１６）の下端にスリップリング（図示せず）を設けるとアタッチメント（４３）に電気を供給できる。

【0009】

また、各種のアタッチメント（４３）の取り付けには、ピン間距離を調整する必要があり、固定フック（１４）と対向した可動フック（１５）の傾動調整がネジ棒（２１）に螺合するパイプナット（２２）の回転により行える。ネジ棒（２１）を覆うパイプナット（２２）は玉軸受（２３）（２４）等でトラニオン（２６）に軸支され、トラニオンは固定フック側に軸受けされ、ネジ棒の一端は可動フックに軸支され、パイプナットは軽動力で回転できる。

【図面の簡単な説明】

【0009】

【図1】この発明の油圧ショベルに取付図

【図2】この発明の油圧ショベルに取付立面図

【図3】この発明の側面図

【図4】この発明の傾斜立面図

【発明を実施するための形態】

【0010】

図１はこの発明を油圧ショベル（４０）のアーム（４１）に取り付け、アタッチメント（４３）を４５°傾動させた状態を示す。（１）は本体フレーム、（３）は傾動フレーム軸受、（１０）はウオーム歯車、（２８）は傾動シリンダーを示す。
図２は図１の立面図である。

【0011】

図３はこの発明の側面図を示す。（１）本体フレームの（２）（２’）軸受に（３）（３’）傾動フレーム軸受が、（４）（４’）傾動ピンにより軸支されている。（３）（３’）傾動フレーム軸受は上フレーム（１２）に固定され（１０）ウオーム歯車とはボルト（１１）で結合され、ウオーム歯車（１０）に下フレーム（１３）がボルト締めされ、アタッチメント（４３）を取り付ける固定フック（１４）、可動フック（１５）が下フレーム（１３）に固定されている。

【0011】

傾動ピン（４）（４’）の中心部にスイベルジョイト（６）（６’）及び（７）が設けられ、かつ傾動ピン（４）（４’）の中心部に配管穴（８）（８’）を設け、この配管穴（８）（８’）はスイベルジョイント（６）（６’）連通し、ホース（５）（５’）がそれぞれ（６）（６’）のスイベルジョイントに接合されている。

【0012】

（３）（３’）の傾動フレーム軸受は上フレーム（１２）に固定され、上フレーム（１２）と下フレーム（１３）はウオーム歯車（１１）にそれぞれボルト締めされ傾動フレーム（１０）を構成する。傾動フレーム（１０）が傾動してもホース（５）（５’）の長さの変化がなく、固定配管のような作用をする。

【0013】

図３の配管穴（８）（８’）からバルブブロック（９）に固定的に配管され、ウオーム歯車（１１）の中心に設けたロータリージョイント（１６）を経てバルブブロック（９）の油圧がアッタチメントと接合口金（１７）（１８）（１９）等に導かれる。

【0014】

図３の傾動フック（１５）にピン（２０）で軸支されたネジ棒（２１）と螺合するパイプナット（２２）は、軸受け（２３）（２４）（２５）を介して固定フック（１４）側に軸支されたトラニオン（２６）に支承され、パイプナット（２２）のネジ頭（２７）の回転により可動フック（１５）をアタッチメント（４３）のピンにはめ込み固定する。

【0015】

図４は本体レーム（１）に軸支したシリンダー（２８）（２８’）の伸縮により傾動軸受（３）、ウオーム歯車（１１）が右４５°傾動した状態を示し、ホース（５）はスイベルジョイント（６）によりねじれないことを示している。

【符号の説明】

【0016】

１ 本体レーム
２ 本体軸受
３ 傾動フレーム軸受
４ 傾動ピン
５ ホース
６ スイベルジョイント
７ スイベルジョイント
８ 配管穴
９ バルブブロック
１０ 傾動フレーム
１１ ウオーム歯車
１２ 上フレーム
１３ 下フレーム
１４ 固定フック
１５ 可動フック
１６ ロータリジョイント
２１ ネジ棒
２２ パイプナット
２３ 玉軸受
２４ 玉軸受
２５ 軸受
２６ トラニオン
２８ シリンダー
４３ アタッチメント

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】