(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022179258
(43)【公開日】2022-12-02
(54)【発明の名称】ばね式クリップめがね
(51)【国際特許分類】
G02C 5/14 20060101AFI20221125BHJP
G02C 7/00 20060101ALI20221125BHJP
【FI】
G02C5/14
G02C7/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2021109622
(22)【出願日】2021-05-21
(71)【出願人】
【識別番号】594072627
【氏名又は名称】林谷 馨
(72)【発明者】
【氏名】林谷 馨
【テーマコード(参考)】
2H006
【Fターム(参考)】
2H006BA00
(57)【要約】 (修正有)
【課題】蔓で胸ポケット等着衣にクリップ留めしても、脱落を防ぐためのスプリング機能があり、および畳むと、両手で各蔓を同時に掴み易く、即応の展開使用が容易なめがねを提供する。
【解決手段】蔓12のカーブ部分を除去し短くして基部にスプリングを設け、両手でそれぞれ直接掴んで即座に展開可能とし、着衣内のめがねの一方の蔓を外に出して着衣にクリップ留めし、双方の12蔓の先端の間に着衣を表裏から挟んで、基部のスプリング効果により体勢の上下逆転にも脱落を防ぎ、水平視界付近以上のレンズ22部分を除去して裸眼による視野とする。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
耳掛けのカーブ部分を除去し短縮した蔓を備え、双方の蔓を閉じた際にその先端が接触する長さであってその基部にスプリングを設け、前記蔓の一方で着衣にクリップ取り付けし、その双方の蔓の先端で着衣をクランク状に屈曲させて前記スプリングが蔓を閉鎖させて脱落を防ぐめがね。
【請求項2】
水平視界以上のレンズ部分を除去して、レンズ上端を水平視線の瞳孔位置以下とした請求項1記載のめがね。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
耳掛けのカーブ部分を除去し基部にスプリングを設けて短縮した蔓を両手でそれぞれ同時に直接掴んで即座に展開可能とし、着衣にクリップ取り付けすれば、双方の蔓の先端の配置により、着衣をクランク状に屈曲させてスプリングで脱落を防ぎ、レンズの水平視界以上を裸眼による視野としためがねに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のめがねは、胸ポケット等着衣に蔓をクリップ機能部分として取り付けても脱落を防ぐための機能がなく、および、蔓を畳むと一方の蔓が他方の蔓の大部分に被さって双方同時の把握や、即座の展開が困難であり、また、水平視野よりも上、及び下が共にレンズの透視視界となっていた。
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
一方の蔓をクリップ機能部分として便宜的に胸ポケット等着衣にめがねを取り付けても、耳掛け部分のある双方の長い蔓全体が着衣の内外で手掛かりなくその着衣に滑らかに当接していたため、体勢の傾きにより脱落しやすく、ならば、とポケット内等に収納するとレンズが他の混蔵物により傷付くおそれがあるためメガネケースに格納してから収納するなどしたが、そのケースが収納内底部に沈み込んで速やかな取出しが困難であったり、逆に体勢により不如意に外に転げ落ちたりしたため、取り出して周辺に置いていて、その場所を忘れたりして即応の装着態勢が整わないなどもどかしいものであった。
【0004】
および、双方の蔓を畳むと互いに耳掛け部分のある長尺により、蔓の一方に他方が大部分重なったため、両手で各蔓を同時に掴み難く、即応の展開使用が困難であり、および、長時間装着すれば耳掛け部が耳に痛みや負担をあたえるものであった。
【0005】
従来の老眼鏡使用者は、手元の対象物を老眼鏡の凸レンズの下部分で透視し、目を上げてより遠景を見るとき、その凸レンズの上部分は不要ばかりか、視点をぼやかすものであるため、めがねを手でずらしたり、顔を俯けてめがねの上縁越しに裸眼で見て、凸レンズ機能を除外するなどしていたが、煩雑であり、それに対応して別注により、レンズの上部を部分的に素通しガラス状態等とするめがねもあったが、そのための製作時間と費用が必要であったし、湯気などの曇りにより、そのレンズの全面の視界が透視不能となったり、あるいは、敏感な上まぶたへの風のさわやかな吹き抜け感を損なうものであった。また、縦幅が短く横幅が長い老眼鏡は上縁越しに見るための顔を俯ける角度は小さいが、細長いなりに水平視界以上にも凸レンズ部分があり、水平視線における鮮明な遠景視界を阻害するものであった。
また、特許6281827の両蔓の先端が付き合わされた短蔓めがねは、衣服を両蔓の先端でランク屈曲させることにより蔓の先端と衣服との摩擦により脱落を防ぐ機能であったが、閉鎖機能の無い蔓は着衣状態の変化により前記クリップ中のクランク屈曲が容易に解除されてその屈曲が回復することはなく、摩擦が無くなり脱落する懼れがあった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明はその問題解決のため、めがねの蔓の耳掛けのカーブ部分を除去し短縮してその基部にスプリングを設け、そのスプリングの閉鎖効果により双方の蔓を閉じ、両端の基部から双方の蔓がおよそ直線状に中央で先端が接触する長さとすれば、そのスプリング効果は、その先端の間に厚薄適応して着衣を挟んでその閉鎖を維持させることを可能とする。
前記スプリングはボックス内に格納されて機能するスプリングとしてもよい。
【0007】
そのめがねを胸ポケット等着衣の内とし、一方の蔓を着衣外に出してめがねを着衣にクリップ取り付けし、双方の蔓を閉じてその先端が着衣を挟んだ連なりにおいて、あるいは、連なりが前後にずれた配置において、その部分の着衣をクランク状に屈曲させると、前記のスプリング機能は体勢の変化による着衣の動きに対応して双方の蔓の間を閉鎖し屈曲状態の維持を可能とする。
【0008】
胸ポケット等着衣の内としためがねが体勢の傾きにより着衣内から脱落せんとする場合、前記のスプリングの閉鎖機能は両先端による着衣のクランク状屈曲部分の摩擦抵抗を維持させて脱落を防ぐ。
【0009】
短縮した蔓は、前記スプリング効果により、装着状態において諸人汎用的に左右からこめかみを圧迫してめがねを保持し、加えて、その当接箇所の蔓の周囲に、着脱調整可能に柔軟素材を付設すれば、皮膚への圧迫感を和らげ、および、体格の個人差による蔓の圧迫具合を、その柔軟素材の厚薄、および、こめかみとの間隔差のある蔓の先端から基部のあいだにおける付設位置により調整を可能とする。
【0010】
水平視界以上のレンズ部分を除去して裸眼による視野のめがねとするため、レンズ枠内の上部当該部分を、レンズを除去した空間とし、あるいは、レンズ枠もともに除去した空間とし、残存下部は必要に応じ、あらたに枠囲いしたレンズ部分とする。
【0011】
水平視界以下にレンズ位置を確定するには、レンズ上端を水平視線の瞳孔位置以下として装着した蔓と、目頭の横辺りで鼻柱形状に沿って、下方向から支える左右のノーズパッドにより、前記レンズ上端と瞳孔の位置関係を安定させためがねとする。
【発明の効果】
【0012】
前記、基部にスプリングのある短縮した蔓の双方の先端により、めがねは胸ポケット等着衣に脱落を防ぐ構成でクリップ留めされるため、着衣へのめがねの取り付け確保が容易な習慣となり、他に収納場所を必要とせず、即応の使用装着態勢が整う。
また、めがね本体を襟元等着衣外とし、一方の蔓を着衣内に差し入れて前記様当該部分着衣をクランク状に屈曲させてクリップ留めしても同様の効果が得られる。
【0013】
当発明の短縮して畳んだ双方の蔓は重ならないので、両手でそれぞれ同時に直接掴んで即座に展開可能となり、また、長時間の装着にも耳に痛みや負担を与えることがない。
【0014】
本発明の水平視界以下にレンズ部分を設定した老眼鏡使用の場合、パソコンのキーボード操作や新聞購読等手元視界はレンズ部分で透視し、モニター画面や遠景視認等の目を上げての視野はレンズ上端以上で裸眼の視界とする、等が可能となり、その繰り返しにめがねを手でずらしたり、顔を俯けてめがねの上縁越しに見たりして凸レンズ機能部分を除外するなどの煩雑さがなくなり、および上部を部分的に素通しガラス状態等とした前記別注のめがねも不要となる。
【0015】
本件めがねのレンズ上端の水平視界位置を、状況により臨時に変更する場合、蔓の先端をこめかみの適宜位置に移動すれば即座に調整対応できる。さらに、視界状況にあわせてめがねを上下逆転装着してレンズ上端を下端部とし、レンズ部を臨時上部とする状態に容易に変更できるのも耳掛けのない蔓の短さの長所である。
また、本件の蔓は、近視用めがね、その他にも適用可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の実施の一例の形態を
図1、
図2、
図3、に基づいて説明する。
【0017】
図1は両端の基部から畳まれた双方の蔓11、12の各先端111、121が中央でおよそ直線状に接触する蔓を短縮した、水平視界よりも上、及び下が共に透視視界のレンズ22のめがね1。
図2は水平視界以下にレンズ22を設定して、レンズ上端221以上の遠景を裸眼で見ることを可能とし、その設定位置を支える機能のノーズパッド13と各基部にスプリングを格納したボックス112を設けた短縮した蔓11、12において、各先端111、121の間隔を広げるため、片蔓を引き開けた状態のめがね1。
図3は基部にスプリングを格納したボックス112、122を設けた蔓11,12を短縮しためがね1が着衣4の胸ポケット側着衣41の内側にあり、蔓11を胸ポケット側着衣41から外に出してクリップ留めし、その先端111と着衣内の蔓12の先端121で裏表から胸ポケット側着衣41を挟んでクランク状に屈曲させて、スプリング効果による閉鎖機能でめがね1を保持し、およびレンズ22とノーズパッド13の配置を記した概略断面図。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】 短縮した蔓を閉じた本考案のめがねの概略図
【
図2】 水平視界以下にレンズ部分を設定して基部にスプリングを設けた片方の蔓を引き開けた状態のめがねの概略図
【
図3】 本考案の胸ポケット側着衣をクランク状に挟んでめがねをクリップ留めした着衣概略断面図。
【符号の説明】
【0019】
1めがね
4着衣
11蔓
12蔓
13ノーズパッド
22レンズ
41胸ポケット側着衣
111先端
112ボックス
121先端
122ボックス
221レンズ上端