(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022179264
(43)【公開日】2022-12-02
(54)【発明の名称】潮力、風力による揚水発電装置
(51)【国際特許分類】
F03B 13/06 20060101AFI20221125BHJP
F03G 3/08 20060101ALI20221125BHJP
F03D 1/06 20060101ALI20221125BHJP
F03B 13/14 20060101ALI20221125BHJP
H02J 15/00 20060101ALI20221125BHJP
H02K 7/02 20060101ALI20221125BHJP
【FI】
F03B13/06
F03G3/08 D
F03D1/06 A
F03B13/14
H02J15/00 C
H02K7/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2021110387
(22)【出願日】2021-05-20
(71)【出願人】
【識別番号】506100646
【氏名又は名称】株式会社善管
(72)【発明者】
【氏名】小林 栄次
【テーマコード(参考)】
3H074
3H178
5H607
【Fターム(参考)】
3H074AA02
3H074AA08
3H074AA12
3H074AA13
3H074BB06
3H074CC02
3H074CC28
3H178AA03
3H178AA40
3H178AA43
3H178AA63
3H178BB90
5H607BB02
5H607CC05
5H607EE02
5H607EE36
5H607EE42
5H607EE54
5H607FF26
5H607FF27
5H607FF28
(57)【要約】
【課題】地球温暖化の防止と電力供給の安定を両立させる発電装置の開発が求められており、緊急の課題となっている。
【解決手段】現在実用化している技術を利用して、安定した電力供給をするもので、潮流、波力、風力の自然エネルギーを蓄積して、需要に合った電気の供給が出来る装置を提供するものでる。
エネルギー蓄積の方法として、水の位置エネルギーを利用したもので、上池ダム又はタンクに自然の力を利用して送水しておき、必要時に水力発電として電気の供給をすることで、電力の安定供給と地球温暖化防止の両立を図るものである
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
風力、波力、潮流力を利用して、海水を上池に揚水して溜め、自然エネルギーを水の位置エネルギーとして蓄積し、水の落差を利用して発電をする装置
【請求項2】
波力の直線運動を回転運動に変換して、フライホイールに慣性エネルギーとして蓄積し、その回転力でポンプを駆動して揚水する装置。
【請求項3】
波力の直線運動を回転運動に変換して、フライホイールに慣性エネルギーとして蓄積し、その回転力で発電する装置。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は発電に関する。詳しくは自然の力を利用して水を高所に運び、水を位置エネルギーとして蓄積し、落差による水力発電装置。
【背景技術】
【0002】
経済の発展に伴い多くの電力供給が必要となり、数種の発電装置が開発され供給されている。
【0003】
2019年のデーターによると、現在日本国で発電されている発電エネルギーは火力によるものが75パーセントを占めている。内訳は石炭27.8パーセント、LNG36.0パーセント、石油2.6パーセント、その他の火力8.7パーセントとなっている。
【0004】
地球温暖化を抑制する為、温室効果ガスの排出を制限することが、国際的に叫ばれてきました。
【0005】
温室効果ガスの内、化石燃料の燃焼による二酸化炭素が大部分を占めています。
【0006】
日本国政府は、2020年10月26日に「2050年までに温室効果ガスの排出をゼロにする」と宣言しました。
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
化石燃料の火力に依存している発電を、他の方法に変換し、二酸化炭素の排出を抑えることが望まれます。
【0008】
核分裂による原子力発電は期待される発電ですが、危険性が高いのと、核廃棄物の処理技術が確立されていません。
【0009】
開発中の核融合による発電が期待されるところですが、早急な商業発電は未だ先のようです。
【0010】
自然エネルギーの利用として、太陽光、風力がありますが、安定的な供給とはなり難く季節、天候、時間帯によって大きく変化します。
【0011】
水力は安定した、電力供給となりますが、ダム建設という大きな施設を必要とします。
【0012】
水力は干ばつ等、気候に影響されます。
【0013】
自然エネルギーを利用した安定的な電力を供給する発電システムがあれば、化石燃料の燃焼による発電からの変換が出来、温室効果ガスの発生を抑えることが出来ます。
【課題を解決するための手段】
【0014】
自然エネルギーを蓄積して、必要な電力を安定的に供給する発電システムを構築する。
【0015】
利用する自然エネルギーは潮流、波力、風力、太陽光です。
【0016】
電力供給は、1日の時間的需要、季節による需要の変化に対応する必要があります。
【0017】
自然のエネルギーを蓄積することで、需要に応じた発電が可能となります。
【0018】
具体的には、潮流、波力、風力のエネルギーを利用して、海の近くに上池としての小規模の貯水ダム又は貯水タンクを設けて、海水を送水して位置エネルギーとして蓄積する。
【0019】
上池から落下する水で水力発電とする。
【0020】
上池へ供給する送水方法は、潮流、波力、風力による発電により、電動ポンプによる方法と直接揚水ポンプを駆動する方法がある。
【0021】
潮流、波力、風力によるエネルギーで直接発電して、電力を供給し、余った電力で上池に送水する事もできる。
【0022】
太陽光発電で、供給過剰となった電力で揚水する事もできる。
【発明を実施する為の最良の形態】
【実施例0023】
【0024】
▲1▼は上池又はタンクで海水を溜める装置であり、自然エネルギーを水の位置エネルギーとして蓄積し、▲7▼の発電所で発電する。
【0025】
揚水方法は、▲3▼の風力発電機で作られた電力で▲5▼の揚水ポンプを駆動し、上池に海水を送水する。
【0026】
▲4▼の潮流発電機で作られた電力で▲6▼の揚水ポンプを駆動し、上池に海水を送水する。
【0027】
波力を▲8▼の波受け板で受け、▲9▼のラックからピニオンギヤー▲10▼を駆動し、フライホイールを駆動して安定回転を得て▲17▼の揚水ポンプを駆動し、上池に海水を送水する。
【0028】
波力は、▲8▼の波受け板の往復運動を利用して、▲9▼のラックを動かし▲10▼のピニオンギヤで回転に変える。
【0029】
ピニオンギヤ▲10▼の駆動軸部はワンウエイクラッチを装備し、一方向に力を伝える構造とする。
【0030】
波受け板の復路は、往路と軸の反対方向の位置にラック▲11▼設置しておき、ピニオンギヤ▲12▼で往路と同じ回転方向で駆動軸を回転させる。
【0031】
ピニオンギヤ▲12▼の駆動軸部はワンウエイクラッチを装備し、一方向に力を伝える構造とする。
【0032】
ピニオンギヤによって往復運動を回転運動に変換し、フライホイールを回す際、波の力による回転力とフライホイールの慣性力の間に大きな衝撃が発生し、機器を破損する恐れがある。
これを防ぐ目的で▲13▼のトルクリミッタを設置する。
【0033】
トルクリミッタは永久磁石の磁力を利用し、非接触とすることで、波力の変化が激しくて滑りの回数が多くても、摩耗や破損をしない構造とする。
【0034】
▲15▼のフライホイールに充分な回転数を得る為に、▲14▼の調速機1で回転数を調整する。
【0035】
フライホイールが停止の状態から駆動する場合、調速機1で減速してトルクを大きくして回して始める。
【0036】
フライホイールの回転数が多くなると、調速機1で増速して高速回転の大きなエネルギーとして蓄積する。
【0037】
増速減速の制御は、フライホイールの回転数を検知して自動的に行い、断続的で強弱のある波力のエネルギーを連続したエネルギーとして蓄積する。
【0038】
高速回転となったフライホイール回転を▲16▼の調速機2で、揚水ポンプに適し回転数に増減して揚水ポンプを駆動して上池に海水を送水する。
【0039】
フライホイールからの回転で発電をして直接電力を供給する場合には、高速回転となったフライホイール回転を▲16▼の調速機2で▲18▼の発電機に適した回転数に増減して発電する。
【0040】
発電した電力で揚水する場合には、▲18▼の発電機で発電した電力を▲19▼の電動ポンプに供給して上池に送水する。
【0041】
風力、潮流力、波力で海水を上池またはタンクに揚水した海水の落下で、水力発電機を稼働して良質の電気を、需要に応じた量を供給できるものです。
【0042】
この装置の設置場所は、漁港の防波堤や未使用の海岸の利用が出来るため、他の産業、特に漁業の障害にならず多量の電力供給ができるものある。
本発明により、自然の力で発電する為、原材料の供給が無くコストの軽減が図れると共にエネルギーの蓄積により、需要に応じて安定した電力供給が出来、地球の温暖化防止と資源の節約が図れるものである。