(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022179276
(43)【公開日】2022-12-02
(54)【発明の名称】スレートの研磨装置、及び研磨方法
(51)【国際特許分類】
B24B 23/02 20060101AFI20221125BHJP
B24B 55/06 20060101ALI20221125BHJP
B24B 29/00 20060101ALI20221125BHJP
B24B 29/02 20060101ALI20221125BHJP
E04D 1/00 20060101ALI20221125BHJP
E04D 1/12 20060101ALI20221125BHJP
E04D 13/00 20060101ALI20221125BHJP
E04G 23/02 20060101ALI20221125BHJP
【FI】
B24B23/02
B24B55/06
B24B29/00 D
B24B29/02
E04D1/00 Z
E04D1/12 F
E04D13/00 Z
E04G23/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021153065
(22)【出願日】2021-09-21
(31)【優先権主張番号】P 2021084511
(32)【優先日】2021-05-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】512064354
【氏名又は名称】日本パーミル株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】508324112
【氏名又は名称】株式会社ユーディー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】安西 英男
【テーマコード(参考)】
2E176
3C047
3C158
【Fターム(参考)】
2E176AA02
2E176AA23
2E176BB36
3C047FF09
3C047HH13
3C158AA06
3C158AC05
3C158CA01
3C158CB06
(57)【要約】
【課題】より的確に波状のスレートの表層を研磨することが可能でありながら、研磨の際に発生する粉塵の飛散を抑制することができるスレートの研磨装置を提供する。
【解決手段】研磨装置10は、スレートの表面に対して所定の中心軸m10を中心に縦回転することによりスレートの表層を研磨するブラシ60と、ブラシ60の周囲を囲うように設けられるカバー20と、を備える。スレートの表面に接触するブラシ60の外周部は、中心軸m10が延びる方向に波状に形成されている。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スレートの表層を研磨する研磨装置であって、
前記スレートの表面に対して所定の中心軸を中心に縦回転することにより前記スレートの表層を研磨するブラシと、
前記ブラシの周囲を囲うように設けられるカバーと、を備え、
前記スレートの表面に接触する前記ブラシの外周部は、前記中心軸が延びる方向に波状に形成されている
スレートの研磨装置。
【請求項2】
前記カバーにおいて前記スレートの表面に対向する端部は、前記中心軸が延びる方向に波状に形成されている
請求項1に記載のスレートの研磨装置。
【請求項3】
前記カバーは、弾性材料により形成されている
請求項2に記載のスレートの研磨装置。
【請求項4】
前記ブラシは、前記中心軸を中心とする外径の長さが異なる複数のブラシ部材を前記中心軸に沿った方向に組み合わせることにより形成されている
請求項1~3のいずれか一項に記載のスレートの研磨装置。
【請求項5】
前記ブラシは、単一の一体物として形成されている
請求項1~3のいずれか一項に記載のスレートの研磨装置。
【請求項6】
前記カバーの外部に漏れたアスベストを検出することが可能なセンサ装置を更に備える
請求項1~5のいずれか一項に記載のスレートの研磨装置。
【請求項7】
前記スレートの表面に液体を噴射する噴射部を更に備える
請求項1~6のいずれか一項に記載のスレートの研磨装置。
【請求項8】
前記カバーにより囲われた内側の空間から前記カバーの外部に排出される排水を回収する回収装置を更に備える
請求項1~7のいずれか一項に記載のスレートの研磨装置。
【請求項9】
スレートの表層を研磨する研磨方法であって、
アスベストを含有する屋根材又は外壁材を建築物から取り外すステップと、
請求項1~8のいずれか一項に記載の研磨装置を用いて、前記建築物から取り外された前記屋根材又は外壁材を研磨するステップと、
前記研磨装置により研磨された前記屋根材又は前記外壁材を前記建築物に取り付けるステップと、を有する
スレートの研磨方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スレートの研磨装置、及び研磨方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、セメント及びアスベスト(石綿)を主材料とするスレートがある。スレートは、粘土瓦と比較して非常に軽く且つ安価であるため、外装材や屋根材として多く使用されている。しかしながら、アスベストの粉塵が発生する環境下で人が長時間滞在する等してアスベストを大量に吸い込むと、肺癌の発生率が上昇するおそれがあることが指摘されている。そのため、スレートを使用している建築物の解体工事や改装工事には非常に厳しい規制が課せられている。このようなスレートを除去することが可能な装置としては、下記の特許文献1に記載のスレート除去装置がある。
【0003】
特許文献1に記載のスレート除去装置は、吸塵機と、フードとを備えている。吸塵機は、建築物の外装材や屋根に固定されたスレートを取り外す際に発生する粉塵を、フィルタを介して吸引する。フードは、吸塵機から延設される吸引ホースの先端部に取り付けられており、スレートの表面に当接している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、屋根にスレートを使用している建築物が老朽化してきている場合には、屋根を張り替えることが望ましいが、その建築物が例えば工場の建屋である場合、屋根の張り替えを行うことが困難な場合がある。具体的には、工場の建屋の屋根を張り替えるとなると、屋根の張り替えを行っている期間、長期間に亘ってその建屋で製品を製造することができなくなるおそれがある。また、屋根を張り替えには多額の資金が必要である。このような事情から、老朽化してきている屋根の張り替えに踏み切れない事業者が多く存在する。
【0006】
そこで、発明者は、スレートの表面に所定の補強剤を塗布することにより屋根を補強して、屋根を延命化する方法を検討している。このような方法でスレートを補強する場合、スレートの表面に補強剤を適切に塗布するためには、スレートの表層を研磨する等して、スレートの表面に堆積している異物等を除去する必要がある。この点、特許文献1に記載のスレート除去装置は、屋根に固定されたスレートを取り外す際に発生する粉塵を吸引することはできるものの、スレートの表層を研磨する機能を有していない。そのため、スレートの表層を研磨することが可能な新たな装置が望まれている。また、スレートの表層を実際に研磨するとなると、研磨の際に発生するスレートの粉塵が周囲に飛散する可能性があるため、それを抑制する対策が必要である。
【0007】
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、より的確に波状のスレートの表層を研磨することが可能でありながら、研磨の際に発生する粉塵の飛散を抑制することができるスレートの研磨装置、及び研磨方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するスレートの研磨装置は、スレートの表層を研磨する研磨装置であって、スレートの表面に対して所定の中心軸を中心に縦回転することによりスレートの表層を研磨するブラシと、ブラシの周囲を囲うように設けられるカバーと、を備える。スレートの表面に接触するブラシの外周部は、中心軸が延びる方向に波状に形成されている。
【0009】
この構成によれば、スレートの表面に接触するブラシの外周部が波状に形成されているため、より的確にブラシの外周部を波状のスレートに接触させることができる。そのため、スレートの表面に対してブラシを縦回転させた際に、より適切に波状のスレートの表層を研磨することが可能となる。しかも、ブラシの周囲を囲うように設けられるカバーにより、ブラシがスレートの表層を研磨することにより発生する粉塵の飛散も抑制できる。
【0010】
上記のスレートの研磨装置において、カバーにおいてスレートの表面に対向する端部は、中心軸が延びる方向に波状に形成されていることが望ましい。
この構成によれば、波状のスレートの表面に沿うようにカバーの端部が配置されるため、スレートの表面とカバーの端部との間に形成される隙間を可能な限り狭くすることができる。結果的に、ブラシがスレートの表層を研磨することにより発生する粉塵が、スレートの表面とカバーの端部との間に形成される隙間を通じてカバーの内部から外部に飛散することを抑制できる。
【0011】
上記のスレートの研磨装置において、カバーは、弾性材料により形成されていることが望ましい。
この構成によれば、カバーの弾性変形を利用することによりカバーをスレートの表面に密着させることが可能となるため、カバーの内部から外部への粉塵の飛散をより的確に抑制することができる。
【0012】
上記のスレートの研磨装置において、ブラシは、中心軸を中心とする外径の長さが異なる複数のブラシ部材を中心軸に沿った方向に組み合わせることにより形成されていることが望ましい。
この構成によれば、外径の長さが異なる既存のブラシ部材を複数用いることにより、波状の外形を有するブラシを容易に実現することができる。
【0013】
上記のスレートの研磨装置において、ブラシは、単一の一体物として形成されていることが望ましい。
この構成は、例えば一定の外径を有する単一のブラシの外周部を波状にカットすることにより実現可能であるため、波状の外形を有するブラシを容易に形成することができる。
【0014】
上記のスレートの研磨装置において、カバーの外部に漏れたアスベストを検出することが可能なセンサ装置を更に備えることが望ましい。
この構成によれば、仮にカバーの外部にアスベストが漏れたような場合であっても、それを検出することができるため、より的確に作業者の安全性を確保することが可能である。
【0015】
上記のスレートの研磨装置において、スレートの表面に液体を噴射する噴射部を更に備えることが望ましい。
この構成によれば、スレートの表層に液体を含ませることができるため、研磨の際に発生する粉塵の飛散をより的確に抑制することができる。
【0016】
上記のスレートの研磨装置において、カバーから排出される排水を回収する回収装置を更に備えることが望ましい。
この構成によれば、仮に粉塵を含む排水がカバーの外部に排出されたような場合であっても、その排水を確実に回収することが可能である。
【0017】
上記課題を解決するスレートの研磨方法は、スレートの表層を研磨する研磨方法であって、アスベストを含有する屋根材又は外壁材を建築物から取り外すステップと、上記の研磨装置を用いて、建築物から取り外された屋根材又は外壁材を研磨するステップと、研磨装置により研磨された屋根材又は外壁材を建築物に取り付けるステップと、を有する。
【0018】
この方法によれば、建築物にスレートが取り付けられたままの状態では、そのスレートの研磨が難しい場合であっても、スレートの表層をより確実に研磨することが可能である。
【発明の効果】
【0019】
本発明のスレートの研磨装置、及び研磨方法によれば、より的確に波状のスレートの表層を研磨することが可能でありながら、研磨の際に発生する粉塵の飛散を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】第1実施形態のスレートの研磨装置の概略構成を模式的に示す図。
【
図2】第1実施形態のスレートの斜視構造を示す斜視図。
【
図3】(A)は、小波スレートの側面構造を示す側面図。(B)は、大波スレートの側面構造を示す側面図。
【
図4】第1実施形態の研磨機本体の斜視構造を示す斜視図。
【
図5】第1実施形態の研磨機本体の部分断面構造を示す断面図。
【
図6】第1実施形態のハンドルの正面構造を示す正面図。
【
図7】第1実施形態のブラシ部材の斜視構造を示す斜視図。
【
図8】第1実施形態の研磨機本体のカバーの側面構造を示す側面図。
【
図9】第2実施形態の研磨機本体のカバーの側面構造を示す側面図。
【
図10】第3実施形態のスレートの研磨装置の概略構成を模式的に示す図。
【
図11】第3実施形態のスレートの研磨装置の概略構成を模式的に示す図。
【
図12】第3実施形態の変形例の凹状回収部の断面構造を示す断面図
【
図13】第4実施形態の研磨方法の手順を示すフローチャート。
【
図14】他の実施形態のブラシの斜視構造を示す斜視図。
【
図15】他の実施形態の研磨機本体のカバーの側面構造を示す側面図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
<第1実施形態>
以下、スレートの研磨装置の一実施形態について図面を参照しながら説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
【0022】
図1に示されるように、本実施形態のスレートの研磨装置10は、建築物2の屋根材として用いられているスレート3の表層を研磨するための装置である。スレート3は、セメント及びアスベスト(石綿)を主材料とするものであり、
図2に示されるように矢印X1,X2で示される方向に山部3aと谷部3bとを交互に有して波状に形成されている。なお、スレート3には、
図3(A)に示されるように波ピッチP10が大きな値L11に設定された大波スレートや、
図3(B)に示されるように波ピッチP10が小さな値L12に設定された小波スレート等が存在する。その他、スレート3には、波ピッチP10が「L11」及び「L12」の中間の値に設定された中波スレート等も存在する。
【0023】
なお、以下では、スレート3の表面に対して垂直な方向のうち、鉛直方向前方に向かう方向を「上方Z1」と称し、鉛直方向下方に向かう方向を「下方Z2」と称する。また、矢印X1で示される方向を「右方向X1」と称し、矢印X2で示される方向を「左方向X2」と称する。
【0024】
図1に示されるように、研磨装置10は、研磨機本体11と、粉塵回収缶12と、吸塵機13とを備えている。研磨機本体11及び粉塵回収缶12は第1ホース14を介して互いに接続されている。粉塵回収缶12及び吸塵機13は第2ホース15を介して互いに接続されている。
【0025】
研磨機本体11はスレート3の表層を実際に研磨する部分である。研磨機本体11は、スレート3の上面に設置された後、作業者により操作される。作業者が研磨機本体11をスレート3の上面に対してスライド移動させることにより、スレート3の表層が研磨機本体11により研磨される。なお、
図1では、作業者がスレート3の下り方向に向かって研磨機本体11を押すように操作している状況が一例として図示されているが、作業者はスレート3の上り方向に向かって研磨機本体11を押すように操作してもよい。研磨機本体11の移動方向は、
図2に示される矢印Y1,Y2で示される方向、すなわちスレート3が波状に形成されている方向X1,X2に直交する方向である。以下では、矢印Y1で示される方向を「前方Y1」と称し、矢印Y2で示される方向を「後方Y2」と称する。
【0026】
研磨機本体11がスレート3の表層を研磨することにより発生する粉塵は、吸塵機13の吸引力に基づいて第1ホース14を通じて粉塵回収缶12に吸引される。
粉塵回収缶12は、研磨機本体11がスレートの表層を研磨することにより発生する粉塵のうち、粉塵残土等の比較的大きなアスベスト含有粉塵を回収する部分である。粉塵回収缶12で回収することができない比較的小さなアスベスト含有粉塵は、吸塵機13の吸引力に基づいて、第2ホース15を通じて吸塵機13に更に吸引される。
【0027】
吸塵機13は、電力の供給に基づいて駆動することにより、研磨機本体11がスレート3の表層を研磨することにより発生する粉塵を吸引する装置である。吸塵機13は、粉塵回収缶12から第2ホース15を通じて吸引される空気中に含まれる小さなアスベスト含有粉塵を捕集するダストパック130や、ダストパック130で回収することができない更に微少なアスベスト含有粉塵を捕集するための多層フィルタ構造131を内部に有している。多層フィルタ構造は、例えばメインフィルタ、マイクロフィルタ、及びHEPA(High Efficiency Particulate Air)フィルタ等の複数のフィルタを組み合わせることにより構成されている。メインフィルタは、ダストパックで捕集することができないアスベスト含有粉塵を捕集することが可能なフィルタである。マイクロフィルタは、メインフィルタで捕集することができないミクロン単位の粉塵を捕集することが可能なフィルタである。HEPAフィルタは、マイクロフィルタで捕集することができないナノ単位の粉塵を捕集することが可能なフィルタである。
【0028】
次に、本実施形態の研磨機本体11の具体的な構造について説明する。
図4に示されるように、研磨機本体11は、カバー20と、フレーム30と、モータ40とを備えている。
カバー20は、上側カバー21と、下側カバー22とを有している。
【0029】
上側カバー21は、中心軸m10を中心に半円筒状に形成される円周板210と、円周板210の両側部をそれぞれ閉塞するように設けられる右側面板211及び左側面板212とを有している。中心軸m10は左右方向X1,X2に平行な方向である。円周板210及び側面板211,212は金属材料により形成されている。具体的には、円周板210はSPC材等の鋼材により形成されており、側面板211,212はアルミニウム等により形成されている。側面板211,212の板厚は円周板210の板厚よりも若干厚くなっている。上側カバー21は、その開口部が下方Z2を向くように配置されている。
【0030】
下側カバー22は、略矩形環状に形成されており、上側カバー21の下端部に全周に渡って接着等により接合されている。下側カバー22は、弾性材料、例えば透明なゴムにより形成されている。下側カバー22において前方Y1に配置される前側裾部220の下端部は、左右方向X1,X2に谷部220a及び山部220bを交互に有するように波状に形成されている。同様に、下側カバー22において後方Y2に配置される後側裾部221の下端部も、左右方向X1,X2に谷部221a及び山部221bを交互に有するように波状に形成されている。前側裾部220及び後側裾部221のそれぞれの波ピッチは、例えば
図3(A)に示される小波スレートのピッチP10に対応した値L11や、
図3(B)に示される大波スレートのピッチP10に対応した値L12等、研磨するスレート3の波ピッチP10に対応した値に設定されている。なお、下側カバー22において右方向X1に配置される右側裾部222の下端部、及び左方向X2に配置される左側裾部223の下端部は直線状に形成されており、波状には形成されていない。
【0031】
図4に示されるように、フレーム30は、右側縦フレーム31と、左側縦フレーム32と、横フレーム33とを有している。フレーム30は、アルミニウム等の金属材料により形成されている。
右側縦フレーム31は上側カバー21の右側面板211に沿って配置されている。左側縦フレーム32は上側カバー21の左側面板212に沿って配置されている。左側縦フレーム32は右側縦フレーム31よりも長く形成されている。
図5に示されるように、右側縦フレーム31の上端部は横フレーム33の右端部にボルト34により締結されて固定されている。横フレーム33の左端部は左側縦フレーム32の中央部付近にボルト35により締結されて固定されている。このような締結構造により、右側縦フレーム31、左側縦フレーム32、及び横フレーム33は一体的に連結されている。
【0032】
図4に示されるように、横フレーム33の上面には突出部330が形成されている。突出部330には、ねじ穴331が形成されている。ねじ穴331には、
図6に示されるハンドル100が組み付けられる。
図6に示されるように、ハンドル100は略T字状に形成されており、上下方向Z1,Z2に延びるように形成される軸部101と、左右方向に延びるように形成される把持部102とを有している。把持部102は、作業者が両手で掴む部分である。軸部101の先端部には、ねじ部101aが形成されている。ねじ部101aが、
図4に示される横フレーム33のねじ穴331にねじ込まれることにより、横フレーム33にハンドル100が一体的に固定される。
【0033】
図5に示されるように、右側縦フレーム31の先端部には、回転軸50の右端部に設けられる右軸部51が連結されている。左側縦フレーム32の先端部には、回転軸50の左端部に設けられる左軸部52が連結されている。具体的には、右側縦フレーム31の先端部には、その厚さ方向に貫通する挿入穴310が形成されている。挿入穴310にはベアリング311が設けられている。同様に、左側縦フレーム32の先端部にも、その厚さ方向に貫通する挿入穴320が形成されている。挿入穴320にはベアリング321が設けられている。回転軸50の右軸部51及び左軸部52は右側縦フレーム31の挿入穴310及び左側縦フレーム32の挿入穴320にそれぞれ挿入されるとともに、ベアリング321により回転可能に支持されている。
【0034】
右側縦フレーム31と左側縦フレーム32との間に配置される回転軸50の外周部分にはブラシ60が組み付けられている。ブラシ60は、中心軸m10に沿った方向に交互に配置される小径ブラシ部材61と大径ブラシ部材62とにより構成されている。ブラシ60は、中心軸m10を中心に回転することによりスレート3の表層を研磨する部分である。
【0035】
図7に示されるように、小径ブラシ部材61は、中心部に軸孔610aが形成される円盤状の芯材610と、芯材610の外周面から径方向外側に延びるように設けられる多数のブラシ片611とを有している。芯材610は例えば金属材料により形成される。ブラシ片611は例えば6,4-ナイロンなどの樹脂材料により形成される。なお、
図7では、小径ブラシ部材61に設けられるブラシ片611の一部のみが図示されており、図示が省略されているブラシ片611の外周部分が二点鎖線で示されている。
図5に示されるように、芯材610の軸孔610aには回転軸50が挿入されて固定されている。これにより、回転軸50に対して小径ブラシ部材61が一体的に組み付けられている。
【0036】
大径ブラシ部材62は、小径ブラシ部材61よりも大きい外径を有していることを除き、小径ブラシ部材61と類似の構造を有している。
図5に示されるように、ブラシ60において左方向X2の端に配置される大径ブラシ部材62と左側縦フレーム32との間には回転軸50のフランジ部53が配置されている。ブラシ60において右方向X1の端に配置される大径ブラシ部材62と右側縦フレーム31との間には、圧縮された状態でワッシャ70が配置されている。複数の小径ブラシ部材61及び複数の大径ブラシ部材62は、回転軸50のフランジ部53とワッシャ70とにより挟み込まれることにより、中心軸m10に沿った方向において一体的に組み付けられている。
【0037】
本実施形態の研磨機本体11では、中心軸m10に沿った方向に小径ブラシ部材61と大径ブラシ部材62とが交互に配置されることにより、ブラシ60の外周面が擬似的に波状に形成されている。ブラシ60の波ピッチは、
図4に示される下側カバー22の前側裾部220及び後側裾部221のそれぞれの波ピッチと同様に、研磨するスレート3の波ピッチP10に対応した値に設定されている。
【0038】
図5及び
図8に示されるように、ブラシ60は、
図4に示されるカバー20の内部に収容されている。なお、
図5では、カバー20の外形のみが二点鎖線で示されており、その詳細な構造は割愛されている。
図8に示されるように、上側カバー21において後方Y2に配置される背面には円筒状の吸塵口213が設けられている。吸塵口213はカバー20の内部空間に連通されている。吸塵口213には、
図1に示される第1ホース14が接続される。
【0039】
図8に示されるように、上側カバー21において前方Y1に配置される前面には水管110が設けられている。
図4に示されるように、水管110は、上側カバー21の前面において左右方向X1,X2に延びるように形成されている。水管110の底面には、左右方向X1,X2に所定の間隔で複数の噴射口が形成されている。水管110にはホース111を介して水が供給されている。ホース111の途中には、水管110への水の供給及び供給の停止を作業者が手動で切り替えることが可能なコックバルブ112が設けられている。本実施形態では、水管110が噴射部に相当する。また、水管110から噴射される水が、スレート3の表面に噴射される液体に相当する。
【0040】
図4に示されるように、左側縦フレーム32の上端部には減速機80を介してモータ40が連結されている。
モータ40はコード41を介して図示しない電源に接続されている。モータ40は、電源からコード41を介して供給される電力に基づいて駆動する。
【0041】
減速機80は、モータ40の出力トルクを複数の歯車を介して減速して出力する。
図5に示されるように、減速機80の出力軸81は左側縦フレーム32を貫通して左側縦フレーム32の側面から突出するように配置されている。研磨機本体11は、減速機80の出力軸81と回転軸50の左軸部52とを連結するベルト90を更に備えている。
【0042】
具体的には、回転軸50の左軸部52の先端部は、左側縦フレーム32の左側面から突出するように配置されている。回転軸50の左軸部52の先端部にはプーリ92が設けられている。同様に、減速機80の出力軸81の先端部にもプーリ91が設けられている。各プーリ91,92にベルト90が巻回されることにより、減速機80の出力軸81がベルト90を介して回転軸50の左軸部52に連結されている。
【0043】
次に、本実施形態の研磨装置10の動作例について説明する。
まず、研磨機本体11は、スレート3の表面に対して例えば
図8に示されるように配置される。すなわち、大径ブラシ部材62の外周の下端部がスレート3の谷部3bに接触し、且つ小径ブラシ部材61の外周の下端部がスレート3の山部3aに接触するように研磨機本体11が配置される。このとき、スレート3の谷部3b及び山部3aの中間部分には、小径ブラシ部材61及び大径ブラシ部材62のそれぞれの一部が接触することになる。
【0044】
また、下側カバー22は弾性材料により形成されているため、下側カバー22の下端部が全周に渡ってスレート3の表面に密着する。例えば、
図4に示される下側カバー22の前側裾部220及び後側裾部221のそれぞれの谷部220a,221aはスレートの山部3aに接触するとともに、下側カバー22の前側裾部220及び後側裾部221のそれぞれの山部220b,221bはスレートの谷部3bに接触する。また、下側カバー22の右側裾部222及び左側裾部223はスレート3の谷部3bに接触する。このように下側カバー22の下端部が全周に渡ってスレート3の表面に密着することにより、カバー20の内部から外部への粉塵の飛散が抑制される。
【0045】
図8に示されるように研磨機本体11をスレート3の表面に配置した後、
図4に示されるコックバルブ112を作業者が開操作すると、ホース111を介して水管110に水が供給されて、水管110から、カバー20の前方Y1に位置しているスレート3の所定の範囲に水が噴射される。これにより、スレート3の表層に水を含ませることができるため、ブラシ60によりスレート3の表層を研磨した際に発生する粉塵が空気中に飛散することを抑制することが可能である。
【0046】
作業者は、スレート3の表層を実際に研磨する際には、
図4に示されるコード41を電源に接続することによりモータ40に電力を供給する。これによりモータ40が駆動すると、モータ40の出力トルクが減速機80及びベルト90を介して回転軸50に伝達されることにより、ブラシ60が回転軸50と一体となって中心軸m10を中心に回転する。すなわち、
図8に示されるように、ブラシ60がスレート3の表面に対して縦回転する。このとき、ブラシ60の下端部がスレート3の表面に接触しているため、ブラシ60の回転により、スレート3の表面から所定の深さまでの領域に存在する表層が削り取られる。この時に発生する粉塵には、スレート3の表面に付着している異物だけでなく、スレート3の表層の一部、すなわちアスベストが含まれている。このカバー20内に発生するアスベスト含有粉塵は、
図1に示される吸塵機13の吸引力に基づいて吸塵口213及び第1ホース14を介して粉塵回収缶12に吸引される。
【0047】
粉塵回収缶12では、第1ホース14を介して吸引される粉塵のうち、比較的大きなアスベスト含有粉塵が回収される。粉塵回収缶12で回収することができないアスベスト含有粉塵は吸塵機13の吸引力に基づいて第2ホース15を通じて吸塵機13に更に吸引される。吸塵機13では、その内部に設けられるダストパック130及び多層フィルタ構造131により、微少なアスベスト含有粉塵が回収される。
【0048】
作業者はハンドル100を把持しつつ研磨機本体11をスレート3の表面に対して前後方向Y1,Y2にスライド移動させることにより、スレート3の任意の領域を研磨することができる。
以上説明した本実施形態の研磨装置10によれば、以下の(1)~(5)に示される作用及び効果を得ることができる。
【0049】
(1)スレート3の表面に接触するブラシ60の外周部は、中心軸m10が延びる方向に波状に形成されている。この構成によれば、より的確にブラシ60の外周部を波状のスレート3に接触させることができるため、スレート3の表面に対してブラシ60を縦回転させた際に、より適切に波状のスレート3の表層を研磨することができる。しかも、ブラシ60の周囲を囲うように設けられるカバー20により、ブラシ60がスレート3の表層を研磨することにより発生する粉塵の飛散も抑制できる。
【0050】
(2)カバー20においてスレート3の表面に対向する前側裾部220及び後側裾部221のそれぞれの下端部は、中心軸m10が延びる方向に波状に形成されている。この構成によれば、スレート3の表面とカバー20の裾部220,221との間に形成される隙間を可能な限り狭くすることができる。結果的に、ブラシ60がスレート3の表層を研磨することにより発生する粉塵が、スレート3の表面とカバー20との間に形成される隙間を通じてカバー20の内部から外部に飛散することを抑制できる。
【0051】
(3)カバー20はゴムにより形成されている。この構成によれば、カバー20の弾性変形を利用することによりカバー20の裾部220~223をスレート3の表面に密着させることができるため、カバー20の内部から外部への粉塵の飛散をより的確に抑制することが可能となる。
【0052】
(4)ブラシ60は、中心軸m10を中心とする外径の長さが異なる小径ブラシ部材61及び大径ブラシ部材62を中心軸m10に沿った方向に組み合わせることで形成されている。この構成によれば、外径の長さが異なる既存のブラシ部材61,62を複数用いることにより、波状の外径を有するブラシ60を容易に実現することができる。
【0053】
(5)研磨装置10は、スレート3の表面に水を噴射する水管110を更に備える。この構成によれば、スレート3の表層に水を含ませることができるため、研磨の際に発生する粉塵の飛散をより的確に抑制することができる。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態の研磨装置10について説明する。以下、第1実施形態の研磨装置10との相違点を中心に説明する。
【0054】
図9に示されるように、本実施形態の研磨機本体11は、アスベストを検出することが可能なセンサ装置16を更に備えている。センサ装置16は、周知のアスベスト検出装置であり、検出部160と、表示部161とを備えている。検出部160は、その周囲に存在する空気中に含まれるアスベストを検出する部分である。表示部161は、例えばディスプレイであり、検出部160によりアスベストが検出されているか否かを文字や画像等により出力する。なお、表示部161に代えて、検出部160によりアスベストが検出されているか否かを音声で出力するスピーカ等、適宜の出力装置を用いてもよい。
【0055】
以上説明した本実施形態の研磨装置10によれば、以下の(6)に示される作用及び効果を更に得ることができる。
(6)アスベストを含む粉塵がカバー20の外部に漏れたような場合、そのアスベストは検出部160により検出される。この場合、アスベストが検出された旨が表示部161に表示されるため、作業者は、表示部161を視認することにより、カバー20の外部にアスベストが漏れていることに気付き易くなる。よって、より的確に作業者の安全性を確保することが可能である。
【0056】
<第3実施形態>
次に、第3実施形態の研磨装置10について説明する。以下、第1実施形態の研磨装置10との相違点を中心に説明する。
図10に示されるように、本実施形態の研磨装置10は、建築物2の外壁材として用いられるスレート4を研磨するために用いられる。
図11に示されるように、スレート4の山部4a及び谷部4bは鉛直方向に延びている。このように外壁材としてスレート4が用いられている場合、
図10に示されるように、作業者はスレート4に対して水平方向から研磨機本体11を押し付けた後、当該研磨機本体11を鉛直方向上方及び下方に操作すれば、スレート4の表層を研磨することができる。
【0057】
このような構成を有する研磨装置10では、
図11に示されるように、水管110からカバー20の前方に噴射された水がスレート4に沿って下方に流れることによりカバー20の内部に進入する。カバー20の内部においてブラシ60により研磨されたスレート4の粉塵は、カバー20の内部を流れる水と共にカバー20の後方から排出される。したがって、カバー20の後方から排出される水にはアスベストが含まれている可能性がある。本実施形態の研磨装置10は、このアスベストを含む排出水を回収する回収装置17を更に備えている。
【0058】
回収装置17は、第1吸引部171と、第2吸引部172と、凹状回収部173と、回収缶174とを備えている。
第1吸引部171は下側カバー22の後部に取り付けられている。第1吸引部171はホース175aを介して回収缶174に接続されている。第1吸引部171は、回収缶174の吸引力に基づいて、カバー20の内部に存在する排水を吸引する。
【0059】
第2吸引部172は、研磨機本体11の後方においてスレート4の谷部4bに配置されている。第2吸引部172はホース175bを介して回収缶174に接続されている。第2吸引部172は、研磨機本体11のカバー20の内側の空間からカバー20の外部に排出された排水を回収缶174の吸引力に基づいて吸引する。
【0060】
凹状回収部173は、スレート4の鉛直方向下方の端部に配置されている。凹状回収部173は塩化ビニル、鉄、ゴム等により形成されている。凹状回収部173には、第1吸引部171及び第2吸引部172により吸引することができなかった排水が流れ込む。凹状回収部173はホース175cを介して回収缶174に接続されている。
【0061】
回収缶174はホース175a,175bを介して第1吸引部171及び第2吸引部172から排水を吸引する。また、回収缶174は、凹状回収部173に溜まっている排水を、ホース175cを介して吸引する。
以上説明した本実施形態の研磨装置10によれば、以下の(7)に示される作用及び効果を更に得ることができる。
【0062】
(7)仮にアスベストを含む排水がカバー20から排出されたとしても、その排水を回収装置17により確実に回収することができる。
(変形例)
次に、第3実施形態の研磨装置10の変形例について説明する。
【0063】
図11に示されるような凹状回収部173を用いる場合、スレート4の下端部と地面との間に所定の隙間が存在しなければ凹状回収部173を配置することができない。そこで、
図12に示されるように、凹状回収部173をゴムにより形成した上で、その一側壁部173aをスレート4の谷部3bに密着させるように凹状回収部173を配置してもよい。このような構成によれば、スレート4の下端部と地面との間に隙間が存在しないような場合であっても、スレート4の下端部まで流れた排水を凹状回収部173により回収することが可能となる。
【0064】
<第4実施形態>
次に、第4実施形態の研磨装置10について説明する。以下、第1実施形態の研磨装置10との相違点を中心に説明する。
図10に示されるように、外壁材を構成するスレート4に沿って研磨機本体11を配置した場合、作業者は研磨機本体11を鉛直方向に操作しなければならない。しかしながら、このように研磨機本体11を操作する場合、研磨機本体11の全重量を作業者が支えなければならず、研磨機本体11を適切に操作することができないおそれがある。
【0065】
そこで、外壁材を構成するスレート4を研磨する場合には、例えば
図13に示されるような研磨方法を採用することが有効である。
図13に示されるように、作業者は、まず、建築物2からスレート4を一旦取り外す(ステップS10)。続いて、作業者は、取り外されたスレート4を平坦面においた後、研磨装置10を用いてスレート4の表層を研磨する(ステップS11)。その後、作業者は、研磨されたスレート4を建築物2に取り付ける(ステップS12)。
【0066】
なお、本実施形態の方法は、外壁材を構成するスレート4に限らず、屋根材を構成するスレート3に用いることも可能である。本実施形態では、スレート4が、アスベストを含有する外壁材に相当し、スレート3が、アスベストを含有する屋根材に相当する。
以上説明した本実施形態の研磨方法によれば、以下の(8)に示される作用及び効果を更に得ることができる。
【0067】
(8)外壁材としてスレート4が用いられている場合であっても、そのスレート4の表層をより確実に研磨することが可能である。
<他の実施形態>
なお、上記実施形態は、以下の形態にて実施することもできる。
【0068】
・第1実施形態の研磨装置10では、研磨された粉塵を含む排水が、建築物2の屋根材を構成するスレート3の谷部3bに沿って下方に流れる可能性がある。この排水を回収する装置として、第3実施形態の回収装置17に類似の装置を用いてもよい。例えば、
図1に示されるスレート3の下端部に凹状回収部173を配置する。この凹状回収部173としては、建築部2の屋根に設けられる樋を流用することができる。この凹状回収部173に集められた排水を、ホース175cを通じて回収缶174により回収する。この構成によれば、粉塵を含む排水をより確実に回収することが可能となる。
【0069】
・下側カバー22は、上側カバー21に対して交換可能に取り付けられていてもよい。これにより、波ピッチが異なる複数の下側カバー22を予め用意した上で、研磨するスレート3の波ピッチP10に対応した下側カバー22を上側カバー21に取り付けることにより、一つの研磨機本体11で、波ピッチの異なる複数のスレート3に対応することが可能となる。
【0070】
・ブラシ60は、外径の長さが異なる2種類の小径ブラシ部材61及び大径ブラシ部材62の組み合わせで形成されているものに限らず、外径の長さが異なる3種類以上の複数のブラシ部材の組み合わせで形成されていてもよい。
・ブラシ60の形状は適宜変更可能である。例えば
図14に示されるように、ブラシ60は、中心軸m10が延びる方向に外周部が波状に形成された単一の一体物として形成されていてもよい。この構成は、例えば一定の外径を有する単一のブラシの外周部を波状にカットすることにより実現可能であるため、波状の外径を有するブラシを容易に形成することができる。
【0071】
・下側カバー22は、弾性材料とは異なる任意の材料により形成されていてもよい。
・
図15に示されるように、カバー20には、スレート3の表面に接触するローラ部121を有するレベルローラ120が更に設けられていてもよい。この構成によれば、波状に形成されたスレート3に対する研磨機本体11のスライド移動を安定化させることができる。
【0072】
・本開示は上記の具体例に限定されるものではない。上記の具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本開示の特徴を備えている限り、本開示の範囲に包含される。前述した各具体例が備える各要素、及びその配置、条件、形状等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。前述した各具体例が備える各要素は、技術的な矛盾が生じない限り、適宜組み合わせを変えることができる。
【符号の説明】
【0073】
m10…中心軸、3…スレート、10…研磨装置、20…カバー、60…ブラシ、61…小径ブラシ部材、62…大径ブラシ部材、110…水管(噴射部)。