(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022179284
(43)【公開日】2022-12-02
(54)【発明の名称】電池パックの充電システムおよびその充電方法
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20221125BHJP
H01M 10/44 20060101ALI20221125BHJP
H01M 10/48 20060101ALI20221125BHJP
【FI】
H02J7/00 301A
H01M10/44 Q
H01M10/48 Z
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021166697
(22)【出願日】2021-10-11
(31)【優先権主張番号】202121093398.X
(32)【優先日】2021-05-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202110705172.9
(32)【優先日】2021-06-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】521010344
【氏名又は名称】烟台創為新能源科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Yantai Chungway New Energy Technology Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】No. 163 Jinshajiang Road, Economic and Technological Development Zone, Yantai City, Shandong Province, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】▲とう▼ 毅
(72)【発明者】
【氏名】張 立磊
(72)【発明者】
【氏名】李 明明
(72)【発明者】
【氏名】王 春力
(72)【発明者】
【氏名】王 洋
(72)【発明者】
【氏名】時 暁▲とん▼
【テーマコード(参考)】
5G503
5H030
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BA02
5G503BB02
5G503CB04
5G503FA01
5G503FA06
5H030AA09
5H030AS06
5H030AS08
5H030FF51
(57)【要約】 (修正有)
【課題】電池パックに対して、電池熱暴走を予防し、電池パックの安全を守る充電システムを提供する。
【解決手段】電池パック4と、窒素置換装置1内蔵しており、電池パックに対して充電及び窒素充填を行う充電キャビネットと、を含む電池パックの充電システムにおいて、窒素置換装置と電池パックの間に窒素充填流量を自動に調整するために、コントローラー6、流量調整弁及びガス輸送ライン3を備えるガス充填保護装置を配置する。電池パックに対して、同時に充電可能及び電池パックの内部に窒素充填可能な電池キャビネットを与えることによって、電池熱暴走を徹底的に予防し、さらに、電池パックの内部に窒素を充填するために新たな方法を提供することにより、二重電磁弁および酸素濃度センサの欠点を回避する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池パックと、窒素置換装置が内蔵されており、前記電池パックに対して充電および窒素充填を行う充電キャビネットとを含む電池パックの充電システムにおいて、前記窒素置換装置と電池パックの間に窒素充填流量を自動に調整するためのガス充填保護装置が配置されることを特徴とする、
電池パックの充電システム。
【請求項2】
前記ガス充填保護装置は、コントローラーと、流量調整弁と、ガス輸送ラインとを備え、前記窒素置換装置は、ガス輸送ラインの入口端部に電磁弁により接続され、前記ガス輸送ラインの出口端部にいくつかの分岐路が配置され、それぞれ電池パックに1対1で対応していくつかの電池パックに流量調整弁により接続され、電池パックに電池パックのガス情報を検出するための検知器が設けられ、コントローラーは、それぞれ電磁弁、検知器および流量調整弁に電気的に接続されていることを特徴とする、
請求項1に記載の電池パックの充電システム。
【請求項3】
前記流量調整弁は、シールキャビティである収容チャンバーとガス流路に分けられている弁箱、前記ガス流路に設けられる流量センサ、前記収容チャンバーに配置されるモーター、前記ガス流路に設けられるバルブディスクと回転軸を含み、前記モーターが回転軸の一端部に接続され、前記回転軸の他端部がガス流路に延入してバルブディスクに接続され、前記流量センサがガス流路内のガス流量を検出し、流量情報を検知器に転送するために用いられることを特徴とする、
請求項2に記載の電池パックの充電システム。
【請求項4】
前記バルブディスクと流量センサは、ガスの流れ方向に沿って順次設置されていることを特徴とする、
請求項3に記載の電池パックの充電システム。
【請求項5】
前記バルブディスクは、断面の大きさがガス流路と合致し、回動角度θが0°≦θ≦90°であることを特徴とする、
請求項3に記載の電池パックの充電システム。
【請求項6】
前記検知器は、電池パックのガス情報を検出して、検出情報をコントローラーに転送するためのセンサ、および流量調整弁を制御するための制御モジュールを含むことを特徴とする、
請求項2に記載の電池パックの充電システム。
【請求項7】
前記充電キャビネットは、キャビネット本体、前記キャビネット本体の内部に設置される充電システム、および前記キャビネット本体の内部に設置される窒素置換装置を含み、前記充電システムと窒素置換装置がそれぞれ独立して設置され、キャビネット本体の側壁に、充電システムに電気的に接続される充電ポートと窒素置換装置に連結される窒素ポートがそれぞれ設けられ、前記充電キャビネットは、充電ポートを介して電池パックを充電し、窒素ポートを介して電池パックを窒素充填することを特徴とする、
請求項1に記載の電池パックの充電システム。
【請求項8】
前記キャビネット本体の側壁には、それぞれが1つの充電ポートおよび1つの窒素ポートを並行して配置している1つ以上のソケットが開設されていることを特徴とする、
請求項7に記載の電池パックの充電システム。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか1項に記載の電池パックの充電システムを含み、かつ、
ステップ1において、二輪車、三輪車の電池パックに圧力リリーフ弁、窒素吸気口、充電ソケット、BMSシステムおよび検知器を追加し、
ステップ2において、電池パックを充電キャビネットに入れ、窒素吸気口を窒素ポートに、充電ソケットを充電ポートに接続し、
ステップ3において、充電キャビネットの窒素置換装置に、圧縮空気をドライヤーに通して水分を飛ばして、フィルターによって空気の大粒子不純物を除去し、そして、窒素発生装置で、ガスラインから各充電キャビネットソケットの窒素ポートに流れる高濃度窒素を発生させ、
ステップ4において、充電システムを起動させ、充電キャビネットにおける電池パックをそれぞれ同時に充電および窒素充填し、窒素充填過程において、ガス充填保護装置の操作方法は、1)制御パラメータは、電池パック窒素事前充填時間Tmと電池パック内外最大圧力差△Pをコントローラーに入力し、窒素置換装置を起動させ、電池パックへの窒素充填を開始し、同時に時間tを記録し始めるようにプリセットされ、2)電池パック外圧Pwと電池パック内圧Pnを採取して電池パック内外圧力差を算出し、電池パック内外圧力差が△Pよりも小さい場合、電池パック窒素実充填時間Tsを採取し、3)電池パック窒素実充填時間Tsが電池パック窒素事前充填時間Tm以上であるかどうかを判断し、Yesの場合、窒素置換装置を停止し、電池パックの窒素充填が終了し、電池パックにおける1回の窒素充填プロセスを完成させ、Noの場合、2)に戻る、
電池パックの充電システムの充電方法。
【請求項10】
前記2)において、電池パック内外圧力差が△P以上の場合、窒素置換装置を停止し、電池パックの窒素充填が終了し、電池パック外圧Pwと電池パック内圧Pnをもう一度採取して電池パック内外圧力差を算出し、電池パック内外圧力差が△Pを超える場合、システムがセルフチェックを行い、Noの場合、電池パック内外圧力差が△Pよりも小さいかどうかを判断し、または、電池パック窒素充填停止時間Tt’を採取することを特徴とする、
請求項9に記載の電池パックの充電システムの充電方法。
【請求項11】
電池パック内外圧力差が△Pよりも小さいかどうかを判断し、Yesの場合、1)に戻り、窒素置換装置をもう一度起動させ、電池パックをもう一度窒素充填し、Noの場合、電池パック外圧Pwと電池パック内圧Pnを採取し続けて、電池パック内外圧差と△Pの関係を判断することを特徴とする、
請求項10に記載の電池パックの充電システムの充電方法。
【請求項12】
電池パック窒素充填停止時間Tt’を採取する場合、1)における前記制御パラメータは、ガス充填一時停止時間Tzをさらに含み、Tt’がTz以上かどうかを判断し、Yesの場合、1)に戻り、窒素置換装置をもう一度起動させ、電池パックをもう一度窒素充填し、Noの場合、電池パックガス充填停止時間Tt’を採取し続けて、Tt’とTzの関係を判断することを特徴とする、
請求項10に記載の電池パックの充電システムの充電方法。
【請求項13】
前記1)における制御パラメータは、窒素充填間隔時間Tjをさらに含み、前記3)における電池パックの窒素充填が終了後、電池パックガス充填停止時間Ttを採取して、TtがTj以上かどうかを判断し、Yesの場合、1)に戻り、窒素置換装置をもう一度起動させ、電池パックをもう一度窒素充填し、Noの場合、電池パックガス充填停止時間Ttを採取し続けて、TtとTjの関係を判断することを特徴とする、
請求項9に記載の電池パックの充電システムの充電方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動自転車の電池パックの充電の技術分野に関し、具体的に、電池パックの充電システムおよびその充電方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電動自転車などの電動製品は、便利さや経済性などの特性があるため、近距離の外出がますます人気になっており、その保有量もそれにつれて急激に増えていくが、その電池出火による安全事故が次から次へと発生している。
【0003】
2019年には、新たな中国標準規格時代が本格的に到来し、全市場も鉛蓄電池からリチウム電池へ変わり、同時に、“バッテリー交換”のビジネスモデルも言及され始めた。“車と電力分離、バッテリー交換共有”のモデルは、電気車両産業発展の新たなきっかけになっている。“車と電力分離、バッテリー交換共有”では、共有充電キャビネットを提供し、電気車両の電池残量が不足の場合、電気車両の電池パックを取り外して、共有充電キャビネットで充電して補充してよい。しかし、電動自転車は、その取り外し可能な小型リチウムイオン電池パックの安全性を無視することができない。現在、電動自転車の電池パックには、充電ポートしかなく、充電を保護する圧力リリーフ弁、窒素充填するなどの保護対策がない。
【0004】
現在、電動自動車に用いられる大型の電池パックは、窒素を充填する技術について、電池パックの熱暴走を防止するように密閉空間内の電池パックの外に窒素を充填するのが一般的である。本出願人は、窒素置換装置で窒素を生成し、吸気管と排気管により電池パック内の窒素充填、他のガス(例えば酸素)の排出を達成し、吸気管と排気管に吸気と排気のオンオフを制御する電磁弁をそれぞれセットするなどの電池パック内に窒素を充填する特許を先に提供した。この先に出願された技術による実際のガス充填操作において、電池パックに酸素濃度センサが装着され、電池パックにおける酸素の含有量を検出して、電磁弁の開閉を順次に制御することにより、最終的に、各電池パックにおける低酸素要求を達成したが、当該技術では、1つだけの電池パックに窒素を一度に流し込むため、ガス充填に時間がかかり、効率が低く、かつ、車用電磁弁が高価のため、ガス充填のコストが増えてしまう。
【0005】
上記の電池パックへの窒素充填方法の作動原理は、酸素濃度センサで電池パック内部の酸素実時間濃度を検出し、検出された電池パック内部の酸素が過剰になると、電池パックのBMSシステムがアラーム通知を行い、オペレータが窒素を直ちに充填することにより電池パック内の余分の酸素を排出し、さらに、電気車両における電池パックの安全を守る。しかしながら、酸素濃度センサは、高価で、使用可能寿命が短く、一度故障が発生すると早期警報に役立つことができなく、また、電池パックが被覆されると、酸素濃度センサの交換にも手間がかかる。
【発明の概要】
【0006】
本発明は、従来技術の不足を解消することを目的とし、圧力リリーフ弁、窒素吸気口、充電ソケット、BMSシステムおよび検知器が増設され電動自転車に適用される電池パックと、窒素置換装置、充電装置および充電ケースが内蔵している電池キャビネットとを含み、窒素置換装置と充電装置が充電ケースにおける電池パックを充電および窒素充填し、電池パックと窒素置換装置の間に、窒素ガスの充填流量を自動に調整するために用いられるガス充填保護装置が配置される電池パックの充電システムを提供する。さらに、従来の技術の酸素濃度センサによるガス充填の検出の形態が特別の革新的なガス充填方法に取り替えられた電池パックの充電システムの充電方法を提供する。本発明は、まず、従来の電動自転車の電池パック形態を変え、従来の電動自転車の電池パックの“バッテリー交換共有”に実行可能な技術サポートを与え、続いて、電動自転車の電池パックの改善に基づき、電池パックに対して、同時に充電可能および電池パックの内部に窒素充填可能な電池キャビネットを与えることによって、電池熱暴走を徹底的に予防し、さらに、電池パックの内部に窒素を充填するために新たな方法を提供することにより、従来の技術に用いられる二重電磁弁および酸素濃度センサの欠点を回避する。
【0007】
本発明は、電池パックと、窒素置換装置が内蔵されており、上記の電池パックに対して充電および窒素充填を行う充電キャビネットとを含み、上記の窒素置換装置と電池パックの間に窒素充填流量を自動に調整するためのガス充填保護装置が配置される電池パックの充電システムとしての技術的対策によって、目的が達成される。
【0008】
さらに、上記のガス充填保護装置は、コントローラーと、流量調整弁と、ガス輸送ラインとを備え、上記の窒素置換装置は、ガス輸送ラインの入口端部に電磁弁により接続され、上記のガス輸送ラインの出口端部にいくつかの分岐路が配置され、それぞれ電池パックに1対1で対応していくつかの電池パックに流量調整弁により接続され、電池パックに電池パックのガス情報を検出するための検知器が設けられ、コントローラーは、それぞれ電磁弁、検知器および流量調整弁に電気的に接続されている。
【0009】
さらに、上記の流量調整弁は、シールキャビティである収容チャンバーとガス流路に分けられている弁箱、上記のガス流路に設けられる流量センサ、上記の収容チャンバーに配置されるモーター、上記のガス流路に設けられるバルブディスクと回転軸を含み、上記のモーターが回転軸の一端部に接続され、上記の回転軸の他端部がガス流路に延入してバルブディスクに接続され、上記の流量センサがガス流路内のガス流量を検出し、流量情報を検知器に転送するために用いられる。
【0010】
さらに、上記のバルブディスクと流量センサは、ガスの流れ方向に沿って順次設置されている。
【0011】
さらに、上記のバルブディスクは、断面の大きさがガス流路と合致し、回動角度θが0°≦θ≦90°である。
【0012】
さらに、上記の検知器は、電池パックのガス情報を検出して、検出情報をコントローラーに転送するためのセンサ、および流量調整弁を制御するための制御モジュールを含む。
【0013】
さらに、上記の充電キャビネットは、キャビネット本体、上記のキャビネット本体の内部に設置される充電システム、および上記のキャビネット本体の内部に設置される窒素置換装置を含み、上記の充電システムと窒素置換装置がそれぞれ独立して設置され、キャビネット本体の側壁に、充電システムに電気的に接続される充電ポートと窒素置換装置に連結される窒素ポートがそれぞれ設けられ、上記の充電キャビネットは、充電ポートを介して電池パックを充電し、窒素ポートを介して電池パックを窒素充填する。
【0014】
さらに、上記のキャビネット本体の側壁には、それぞれが1つの充電ポートおよび1つの窒素ポートを並行して配置している1つ以上のソケットが開設されている。
【0015】
電池パックの充電システムの充電方法は、上記の電池パックの充電システムを含み、かつ、
ステップ1において、二輪車、三輪車の電池パックに圧力リリーフ弁、窒素吸気口、充電ソケット、BMSシステムおよび検知器を追加し、
ステップ2において、電池パックを充電キャビネットに入れ、窒素吸気口を窒素ポートに、充電ソケットを充電ポートに接続し、
ステップ3において、充電キャビネットの窒素置換装置に、圧縮空気をドライヤーに通して水分を飛ばして、フィルターによって空気の大粒子不純物を除去し、そして、窒素発生装置で、ガスラインから各充電キャビネットソケットの窒素ポートに流れる高濃度窒素を発生させ、
ステップ4において、充電システムを起動させ、充電キャビネットにおける電池パックをそれぞれ同時に充電および窒素充填し、窒素充填過程において、ガス充填保護装置の操作方法は、1)制御パラメータは、電池パック窒素事前充填時間Tmと電池パック内外最大圧力差△Pをコントローラーに入力し、窒素置換装置を起動させ、電池パックへの窒素充填を開始し、同時に時間tを記録し始めるようにプリセットされ、2)電池パック外圧Pwと電池パック内圧Pnを採取して電池パック内外圧力差を算出し、電池パック内外圧力差が△Pよりも小さい場合、電池パック窒素実充填時間Tsを採取し、3)電池パック窒素実充填時間Tsが電池パック窒素事前充填時間Tm以上であるかどうかを判断し、Yesの場合、窒素置換装置を停止し、電池パックの窒素充填が終了し、電池パックにおける1回の窒素充填プロセスを完成させ、Noの場合、2)に戻る。
【0016】
さらに、上記の2)において、電池パック内外圧力差が△P以上の場合、窒素置換装置を停止し、電池パックの窒素充填が終了し、電池パック外圧Pwと電池パック内圧Pnをもう一度採取して電池パック内外圧力差を算出し、電池パック内外圧力差が△Pを超える場合、システムがセルフチェックを行い、Noの場合、電池パック内外圧力差が△Pよりも小さいかどうかを判断し、または、電池パック窒素充填停止時間Tt’を採取する。
【0017】
さらに、電池パック内外圧力差が△Pよりも小さいかどうかを判断し、Yesの場合、1)に戻り、窒素置換装置をもう一度起動させ、電池パックをもう一度窒素充填し、Noの場合、電池パック外圧Pwと電池パック内圧Pnを採取し続けて、電池パック内外圧差と△Pの関係を判断する。
【0018】
さらに、電池パック窒素充填停止時間Tt’を採取する場合、1)における上記の制御パラメータは、ガス充填一時停止時間Tzをさらに含み、Tt’がTz以上かどうかを判断し、Yesの場合、1)に戻り、窒素置換装置をもう一度起動させ、電池パックをもう一度窒素充填し、Noの場合、電池パックガス充填停止時間Tt’を採取し続けて、Tt’とTzの関係を判断する。
【0019】
さらに、上記の1)における制御パラメータは、窒素充填間隔時間Tjをさらに含み、上記の3)における電池パックの窒素充填が終了後、電池パックガス充填停止時間Ttを採取して、TtがTj以上かどうかを判断し、Yesの場合、1)に戻り、窒素置換装置をもう一度起動させ、電池パックをもう一度窒素充填し、Noの場合、電池パックガス充填停止時間Ttを採取し続けて、TtとTjの関係を判断する。
【0020】
本発明は、従来の技術よりも、まず、従来の電動自転車の電池パック形態を変え、従来の電動自転車の電池パックの“バッテリー交換共有”に実行可能な技術サポートを与え、続いて、電動自転車の電池パックの改善に基づき、電池パックに対して、同時に充電可能および電池パックの内部に窒素充填可能な電池キャビネットを与えることによって、電池熱暴走を徹底的に予防し、さらに、電池パックの内部に窒素を充填するために新たな方法を提供することにより、従来の技術に用いられる二重電磁弁および酸素濃度センサの欠点を回避するなどの有用な効果がある。充電キャビネットの内部には、複数の電池パックを1回だけで充電および/または窒素充填することができ、かつ、充電および/または窒素充填は、効率が高く、速度が速い。1つの電磁弁で窒素置換装置の窒素オンオフを制御することができるために、電磁弁の投入コストが低くなる。酸素濃度センサの検出によらず、流量調整弁および新たなガス充填方法で電池パックの窒素充填調整を完成することになる。
以下、図面と実施形態に合わせて、本発明を詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の一実施例による電池パックの充電システムの接続構造の模式図の一例である。
【
図2】ガス充填保護装置における流量調整弁の構造模式図の一例である。
【
図3】充電キャビネットの構造模式図の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1~4に示されるように、一実施例による電池パックの充電システムは、電池パック4と、窒素置換装置1が内蔵されて上記の電池パック4に対して充電および窒素充填を行う充電キャビネットとを含み、上記の窒素置換装置1と電池パック4の間に、窒素ガス充填流量を自動に調整するためのガス充填保護装置が配置される。
【0023】
上記のガス充填保護装置は、コントローラー6と、流量調整弁5と、ガス輸送ライン3とを備え、上記の窒素置換装置1は、ガス輸送ライン3の入口端部に電磁弁2により接続され、上記のガス輸送ライン3の出口端部にいくつかの分岐路が配置され、それぞれ電池パック4に1対1で対応していくつかの電池パック4に流量調整弁5により接続され、電池パック4に電池パック4のガス情報を検出するための検知器7が設けられ、コントローラー6は、それぞれ電磁弁2、検知器7および流量調整弁5に電気的に接続されている。
【0024】
検知器7は、検出情報をコントローラー6に転送し、コントローラー6は、検出情報を受け取ると流量調整弁5を制御し、上記のコントローラー6は、検知器7の検出情報に基づいで電磁弁2のオン/オフを制御するために用いられる。具体的に、窒素は窒素置換装置1によって与えられるが、窒素置換装置1を他の難燃性ガス生成装置に取り替えることにより、電池パック4に他の難燃性ガス、例えばヘリウムなどを供給してもよく、窒素は、ガス輸送ライン3を経由してそれぞれ複数の電池パック4に流れ込むと同時に、流量調整弁5によって各電池パック4に流れ込んだ窒素の流量を調整することによって、短時間に窒素が各電池パック4に均一に充填され、短い充填時間と高い充填効率が達成され、同時に、ガス輸送ライン3の入口端部のみに1つの電磁弁2が設けられ、1つの電磁弁2により窒素ガスのオンオフを制御するために、電磁弁2の使用数が減少され、ガス充填コストが低下される。
【0025】
上記の流量調整弁5は、シールキャビティである収容チャンバー8とガス流路9に分けられる弁箱と、ガス流路9に設けられる流量センサ13と、収容チャンバー8に配置されるモーター10と、ガス流路9に設けられるバルブディスク12と、回転軸11とを含み、上記のモーター10が回転軸11の一端部に接続され、上記の回転軸11の他端部がガス流路9に延入してバルブディスク12に接続され、上記の流量センサ13がガス流路9のガス流量を検出して、流量情報を検知器7に転送するために用いられる。具体的に、上記の流量センサ13は、上記のモーター10を制御するための上記の検知器7に通信接続される。
【0026】
流量情報は、流量センサ13により検出されて検知器7に転送され、検知器7は、検出された流量情報を設定値と比較し、さらに、実行コマンドを出し、実行コマンドによりモーター10の回動を、モーター10の回動で回転軸11の回動を促し、さらに、バルブディスク12の回動を促すように制御し、バルブディスク12の回動によりガス流路9における流体のフロー断面の大きさを調整することによって、ガス流路9中でのガス流量を自動的に調整することができる。なお、収容チャンバー8をガス流路9から離間し、モーター10および回路などを収容チャンバー8に設置することによってモーター10および回路の保護に役立ち、モーター10と回路に対するガスフローによる衝撃を減少し、同時に、ガスが収容チャンバー8に流して渦巻きを起こしてガス流量変動を生じることを回避し、流量センサ13の検出精度を向上することができる。
【0027】
上記のバルブディスク12と流量センサ13は、ガスの流れ方向に沿って順次設置されている。すなわち、上記のバルブディスク12は、ガス流路9の入口端寄りに設置され、上記の流量センサ13は、ガス流路9の出口端寄りに設置され、流量センサ13がバルブディスク12に設置されると、流量センサ13で検出される流量情報が電池パック4に流れ込んだガス流量により近づくことを確保し、流量センサ13の検出精度をさらに向上させることができる。
【0028】
上記のバルブディスク12は、断面の大きさがガス流路9の断面と合致し、回動角度θが0°≦θ≦90°である。具体的に、バルブディスク12は、θが0°の場合、ガス流路9の軸中心線に垂直になり、ガス流路9をシールし、この時、電池パック4にガスを充填せず、θが90°の場合、ガス流路9の軸中心線に平行になり、ガス流路9内の流速が最大になり、この時、電池パック4にガスを最大流速で充填する。
【0029】
上記の検知器7は、電池パック4のガス情報を検出して検出情報をコントローラー6に転送するためのセンサと、流量調整弁5を制御するための制御モジュールとを含む。具体的に、上記の制御モジュールは、モーター10の制御に用いられる。センサは、電池パック4の検出されるガス情報をコントローラー6に転送し、コントローラー6で設定値と比較した後、コントローラー6が実行コマンドを出し、電磁弁2のオン/オフを達成する。コントローラー6によりガス輸送ライン3内のガスのオンオフを制御し、同時に、制御モジュールによりガス輸送ライン3内のガス流量を調整することによって、それぞれ互いに非干渉に制御する。
【0030】
上記のセンサは、圧力センサや濃度センサの1種類または複数種類である。具体的に、圧力センサの場合、電池パック4内の圧力の検出に用いられ、電池パック4内の圧力が設定値になると、電磁弁2をオフにし、ガスの導入を停止することによって、過剰圧力による電池パック4の損傷を回避する。濃度センサの場合、電池パック4内のガス濃度変化を検出するために、酸素濃度センサまたは窒素濃度センサであってよく、酸素濃度が設定値よりも低く、または、窒素濃度が設定値よりも高くなると、電磁弁2をオフにし、ガスの導入を停止してよい。上記のセンサは、また、煙センサ、VOCセンサ、水素センサ、COセンサ、温度センサなどであってよい。
【0031】
上記の制御モジュールは、モーター駆動モジュールを介して流量調整弁5に接続される。具体的に、上記のモーター10の駆動モジュールは、L298Nモーター駆動モジュールであって、モーター10の制御に用いられ、モーター10の正回転と逆回転を実現し、さらに、流量のターンアップ/ターンダウンを実現する。
【0032】
上記の充電キャビネットは、充電ケースと、キャビネット本体14と、充電装置18と、窒素置換装置1とを含み、充電ケースがキャビネット本体14に並びながら隣接して設置され、電池パック4が充電ケース内で充電および窒素充填を完成し、上記の充電装置18と窒素置換装置1がキャビネット本体14の内部に設置され、かつそれぞれ独立して設置されており、キャビネット本体14の側壁に、充電装置18に電気的に接続される充電ポート16と窒素置換装置1に連結される窒素ポート17がそれぞれ設けられ、上記の充電キャビネットが充電ポート16を介して電池パック4を充電し、窒素ポート17を介して電池パック4を窒素充填する。電池パック4に対しては、該充電キャビネットによって、充電機能を付与すると同時に、さらに窒素充填機能を付与することができる。従来の技術において、電動自転車の電池パック4は、熱暴走から守る上で、ただ充電プロセスの保護だけがあり、すなわち、充電プロセスにおける電池パック4に対して充電キャビネットの窒素置換で降温するか、または窒素消火する。電動自転車の電池パック4は、使用プロセスにおいて安全保護不足と言える。最初から充電プロセスにおける電池パック4の熱暴走を本格的に解決すれば、さらに、使用プロセスにおける電池パック4の熱暴走を解決し、使用プロセスに電池パック4の安全保護に役立つ。充電ポート16と窒素ポート17は、同時に操作可能であるし、単独で窒素充填または単独で充電可能でもある。充電ポート16は、電池パック4の残量が不足の場合に使用される。また、窒素ポート17は、電池パック4の充電プロセスにも、または“バッテリー交換”プロセスにも使用されることができる。電池パック4は、電動自転車をある時間経過して使用すると、残量が残る可能性があるが、使用につれて電池パック4の内部に酸素濃度が増加し、正常に使用すれば、酸素濃度がゆっくり増加するが、電池パック4の内部の酸素濃度が所定の比率まで増加すると、やはり危険であって熱暴走が発生しやすくなるため、電動自転車がある時間経過して使用されると、電池パック4は、該充電キャビネット中で窒素を補うことによって、熱暴走から電池パック4をよりよく安全に守る必要がある。本充電キャビネットと一体化して使用される電池パック4に窒素充填口と排気口などを設置すべきことは当然のことである。
【0033】
上記の充電ポート16および窒素ポート17は、キャビネット本体14の同一側壁に配置されている。上記の充電ポート16および窒素ポート17は、充電ケース側寄りに配置されている。充電ポート16および窒素ポート17は、それぞれキャビネット本体14の異なる側壁に配置されてよいが、ただし、キャビネット本体14の同一側壁に配置すれば、電池パック4との接続がより容易になり、また、キャビネット本体14の作成の難しさも低下する。
【0034】
上記のキャビネット本体14の側壁に、それぞれが1つの充電ポート16と1つの窒素ポート17を並行して配置している1つ以上のソケット15が開設されている。ソケット15とは、キャビネット本体14に開設され充電ポート16および/または窒素ポート17を収容するための空間である。この設計は、1つのソケット15が1つの電池パック4を対応することを実現することができる。
【0035】
上記のキャビネット本体14の側壁に複数のソケット15が開設されている場合に、複数のソケット15内の充電ポート16間が並列になり、複数のソケット15内の窒素ポート17間が並列になる。並列とする設計は、個々の充電ポート16または個々の窒素ポート17の個々の正常使用を保証することができる。
【0036】
上記の窒素置換装置1は、エアコンプレッサー、エアドライヤ、エアフィルタ、窒素発生装置などを含み、上記のエアコンプレッサー、エアドライヤ、エアフィルタおよび窒素発生装置が順次接続されると、窒素発生装置の出口端部が電磁弁2を介してガス充填保護装置に接続される。窒素発生装置には、膜分離窒素発生装置、圧力変動吸着窒素発生装置などが用いられる。
【0037】
電池パックの充電システムの充電方法は、上記の電池パックの充電システムを含み、かつ、
ステップ1において、二輪車、三輪車の電池パック4に圧力リリーフ弁19、窒素吸気口20、充電ソケット21、BMSシステム22および検知器7を追加し、BMSシステム22によって、電池パックの作動モード、すなわち電池パックの充電または放電を制御し、また、電池パックの電圧と電流を検出し、また、検知器の制御に役立つ。圧力リリーフ弁19は、電池パックの頂上部または一側に装着され、防水通気性膜構造または一方向圧力保持機能を持つ防水通気性膜構造であってよい。電池パック4は、電池パックハウジング23を含み、上記の圧力リリーフ弁19、窒素吸気口20、充電ソケット21がそれぞれ電池パックハウジング23の外側壁に、BMSシステム22が電池パックハウジング23の内側壁に、検知器7が電池パックハウジング23に設置されている。窒素吸気口20と充電ソケット21は、電池パックハウジング23の同一側壁に設置されている。
【0038】
ステップ2において、電池パック4を充電キャビネットの充電ケースに入れ、窒素吸気口20を窒素ポート17に、充電ソケット21を充電ポートに接続し、
ステップ3において、充電キャビネットの窒素置換装置1に、圧縮空気をドライヤーに通して水分を飛ばして、フィルターによって空気の大粒子不純物を除去し、そして、窒素発生装置で、ガスラインから各充電キャビネットソケットの窒素ポート17に流れる高濃度窒素を発生させ、
ステップ4において、充電システムを起動させ、充電キャビネットにおける電池パック4をそれぞれ同時に充電および窒素充填し、窒素充填過程において、ガス充填保護装置の操作方法は、1)制御パラメータが電池パック4の窒素事前充填時間Tmと電池パック4の内外最大圧力差△Pをコントローラー6に入力し、窒素置換装置1を起動させ、電池パック4への窒素充填を開始し、同時に時間tを記録し始めるようにプリセットされ、具体的に、型番の異なる電池パック4の残容量、保護ガスの濃度および保護ガスの流量から、型番の異なる電池パック4の窒素事前充填時間Tmをセットする。電池パック4は、熱暴走を起こすと膨らむ場合があり、そして、圧力リリーフ弁19が爆破して圧力を逃すため、電池パック4の内外最大圧力差△Pの値は、電池パック4が膨らむ場合に受けた圧力差により特定される。
【0039】
2)電池パック外圧Pwと電池パック内圧Pnを採取して電池パック内外圧力差を算出し、電池パック内外圧力差が△Pよりも小さい場合、電池パック窒素実充填時間Tsを採取して、具体的に、電池パック4の圧力リリーフ弁19は、膜構造であって、通気機能を持ち、電池パック4へ保護ガスを導入すれば、電池パック4内の空気が圧力リリーフ弁19から電池パック4へ排気するため、電池パック4の内外圧力差が△Pよりも小さい場合、電池パック4内に保護ガスを連続的に流すことができるため、電池パック4内の空気置換が達成される。
【0040】
3)電池パック窒素実充填時間Tsが電池パック窒素事前充填時間Tm以上かどうかを判断し、Yesの場合、窒素置換装置1を停止し、電池パックの窒素充填が終了し、電池パックにおける1回の窒素充填プロセスを完成させ、Noの場合、2)に戻る。具体的に、電池パック4のガス実充填時間TsがTmになると、電池パック4が保護ガスで満たされることを示し、電池パック4における1回のガス充填プロセスを完成する。本発明は、圧力と時間パラメータに基づいてリチウムイオン電池パック4の保護ガス充填を制御する方法を提供し、酸素濃度モニターを設置する必要がなく、低コストで、機器の使用可能寿命が長い。
【0041】
上記の2)において、電池パック内外圧力差が△P以上であれば、窒素置換装置1を停止し、電池パックの窒素充填が終了し、電池パック外圧Pwと電池パック内圧Pnをもう一度採取して電池パック内外圧力差を算出し、電池パック内外圧力差が△Pを超える場合、システムセルフチェックを行い、Noの場合、電池パック内外圧力差が△Pよりも小さいかどうかを判断し、または、電池パック窒素充填停止時間Tt’を採取する。具体的に、電池パック4の内外圧力差が△Pになると、ガス充填装置を直ちに停止し、電池パック4の保護ガス充填を終わらせることによって、過剰圧力による電池パック4の膨らみを回避する必要がある。この時、電池パック4外圧Pwと電池パック4内圧Pnをもう一度採取して電池パック4の内外圧力差を算出し、電池パック4の内外圧力差が△Pを超えると、圧力検知器またはコントローラー6が故障することを示し、システムセルフチェックを起動させることによって、コントローラー6および圧力検知器に対して故障の検出を行い、そして、故障早期警報を直ちに出す。電池パック4の内外圧力差が△P以下であれば、ガス充填流量が大きくなることによって電池パック4の内圧が△Pまで増大することを示し、ガス充填を一時停止し、電池パック4の圧力回復を待つ必要がある。圧力パラメータ変化に基づいて電池パック4のガス充填状態を判断し、ガス充填プロセスにおいて電池パック4に膨らみ現象が発生しないことを確保し、電池パック4の使用安全性を保障すると同時に、ガス充填プロセスにおいて検知器7またはコントローラー6などのシステム故障を直ちに発見し、早期警報知らせを直ちに出し、判断精度を上げる。
【0042】
電池パック内外圧力差が△Pよりも小さいかどうかを判断し、Yesの場合、1)に戻り、窒素置換装置1をもう一度起動させて、電池パックをもう一度窒素充填し、Noの場合、電池パック外圧Pwと電池パック内圧Pnを採取し続けて電池パック内外圧差と△Pの関係を判断する。具体的に、エアレーションを停止すると、圧力リリーフ弁19が通気機能を持つため、電池パック4の内外圧力差が徐々に低下し、さらに、電池パック4の内外圧力差が△Pよりも低くなると、エアレーション装置をもう一度起動させ、電池パック4内にガス充填を続け、電池パック4内の空気置換を進めていく。
【0043】
電池パック窒素充填停止時間Tt’を採取する場合、1)における上記の制御パラメータは、ガス充填一時停止時間Tzをさらに含み、Tt’がTz以上かどうかを判断し、Yesの場合、1)に戻り、窒素置換装置1をもう一度起動させ、電池パックをもう一度窒素充填し、Noの場合、電池パックガス充填停止時間Tt’を採取し続けてTt’とTzの関係を判断する。具体的に、圧力リリーフ弁19は、構造が異なるため、通気性能が異なり、また、電池パック4は、シール性が種類により異なるため、電池パック4の内圧低下速度も異なり、そのため、ガス充填一時停止時間Tzは、電池パック4の型番と構造により決められ、電池パック4のシール性がよく、かつ、圧力リリーフ弁19の通気性が悪い場合に、Tzは長くセットされてよく、また、電池パック4のシール性が悪く、かつ、圧力リリーフ弁19の通気性がよい場合に、Tzが短くセットされてよい。エアレーションをTz時間停止した後、電池パック4の内圧が低下し、そして、電池パック4の内外圧力差が△Pよりも小さい場合、ガス充填装置をもう一度起動させて、電池パック4内にガス充填を続け、電池パック4内の空気置換を進めていく。また、ガス充填装置をもう一度起動させて、ガス充填をもう一度行う場合、この時の電池パック4のガス実充填時間Tsはアレーション停止前の電池パック4のガス充填時間ともう一度ガスを充填した後の電池パック4のガス充填時間との和になる。
【0044】
上記の1)における制御パラメータは、窒素充填間隔時間Tjをさらに含み、上記の3)における電池パックの窒素充填が終了した後、電池パックガス充填停止時間Ttを採取して、TtがTj以上かどうかを判断し、Yesの場合、1)に戻り、窒素置換装置1をもう一度起動させて、電池パックをもう一度窒素充填し、Noの場合、電池パックガス充填停止時間Ttを採取し続けてTtとTjの関係を判断する。具体的に、ガス充填間隔時間Tjは、電池パック4のシール性と圧力リリーフ弁19の通気性により決められ、電池パック4のシール性がよく、かつ圧力リリーフ弁19の通気性が悪い場合に、Tjが長くセットされてよく、電池パック4のシール性が悪く、かつ、圧力リリーフ弁19の通気性がよい場合に、Tjが短くセットされてよい。ガス充填を停止した後は、圧力リリーフ弁19および電池パック4の通気性により、電池パック4内の保護ガスの濃度が徐々に低下し、電池パック4内の酸素含有量が徐々に上昇し、電池パック4の熱暴走リスクが増えていく。ガス間欠充填の態様が用いられる場合、電池パック4内の保護ガスが高い濃度範囲に維持され、電池パック4の熱暴走が抑え続けられ、電池パック4の安全性が増大する。
【0045】
本発明は、当該技術分野における当業者にとって、上記例示的実施例の詳細に限定されることなく、本発明の趣旨または基本的な特徴を逸脱しない範囲に、他の具体的態様で達成されることは言うまでもない。従って、実施例は、いずれかの点において、決して限定的ではなく例示的ものであって、本発明の範囲が上記の説明ではなく添付の請求項により限定され、そのため、請求項における同等要素の意味および範囲におけるすべての変化が本発明に含まれている。請求項におけるいずれの図面符号も、係る請求項を限定しない。
【0046】
なお、本明細書は、実施形態に従って解釈を行ったが、各実施形態は、それぞれ独立な技術的形態を1つしか含まないわけではなく、また、明細書は、このような記載が、詳しい説明のために過ぎず、当該技術分野における当業者が、該明細書を1つの全体として、各実施例における技術的態様を適切に組合わせることによって、想到の容易な他の実施形態を形成することができる。
【符号の説明】
【0047】
1 窒素置換装置
2 電磁弁
3 ガス輸送ライン
4 電池パック
5 流量調整弁
6 コントローラー
7 検知器
8 収容チャンバー
9 ガス流路
10 モーター
11 回転軸
12 バルブディスク
13 流量センサ
14 キャビネット本体
15 ソケット
16 充電ポート
17 窒素ポート
18 充電装置
19 圧力リリーフ弁
20 窒素吸気口
21 充電ソケット
22 BMSシステム
23 電池パックハウジング