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特開2022-179326ディスク装置用サスペンション、電子部品、および、サスペンションと電子部品の接続方法
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  • 特開-ディスク装置用サスペンション、電子部品、および、サスペンションと電子部品の接続方法 図1
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  • 特開-ディスク装置用サスペンション、電子部品、および、サスペンションと電子部品の接続方法 図12
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  • 特開-ディスク装置用サスペンション、電子部品、および、サスペンションと電子部品の接続方法 図15
  • 特開-ディスク装置用サスペンション、電子部品、および、サスペンションと電子部品の接続方法 図16
  • 特開-ディスク装置用サスペンション、電子部品、および、サスペンションと電子部品の接続方法 図17
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022179326
(43)【公開日】2022-12-02
(54)【発明の名称】ディスク装置用サスペンション、電子部品、および、サスペンションと電子部品の接続方法
(51)【国際特許分類】
   G11B 21/21 20060101AFI20221125BHJP
   G11B 5/60 20060101ALI20221125BHJP
【FI】
G11B21/21 A
G11B21/21 C
G11B21/21 D
G11B5/60 P
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022035473
(22)【出願日】2022-03-08
(31)【優先権主張番号】202110552691.6
(32)【優先日】2021-05-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】000004640
【氏名又は名称】日本発條株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】呉 継忠
(72)【発明者】
【氏名】陶 文
(72)【発明者】
【氏名】齊 振洲
(72)【発明者】
【氏名】曾 俊
【テーマコード(参考)】
5D059
【Fターム(参考)】
5D059AA01
5D059BA01
5D059CA16
5D059DA24
5D059DA26
5D059DA36
(57)【要約】
【課題】 端子同士を良好に接続すること。
【解決手段】 一実施形態に係るディスク装置用サスペンションは、ロードビームと、前記ロードビームに重ねられたフレキシャと、前記フレキシャに設けられた第1端子と、前記第1端子の上面に配置された第1バンプと、を備えている。前記第1端子は、第1方向において第1幅を有し、かつ前記第1端子の中心を含む幅狭部と、前記第1方向において前記第1幅よりも大きい第2幅を有し、かつ前記第1方向と交差する第2方向において前記幅狭部と並ぶ幅広部と、を含んでいる。前記第1バンプは、前記中心において、前記第1端子の下面を基準とした第1高さを有している。前記第1高さは、前記第1幅よりも大きい。
【選択図】 図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロードビームと、
前記ロードビームに重ねられたフレキシャと、
前記フレキシャに設けられた第1端子と、
前記第1端子の上面に配置された第1バンプと、
を備え、
前記第1端子は、
第1方向において第1幅を有し、かつ前記第1端子の中心を含む幅狭部と、
前記第1方向において前記第1幅よりも大きい第2幅を有し、かつ前記第1方向と交差する第2方向において前記幅狭部と並ぶ幅広部と、
を含み、
前記第1バンプは、前記中心において、前記第1端子の下面を基準とした第1高さを有し、
前記第1高さは、前記第1幅よりも大きい、
ディスク装置用サスペンション。
【請求項2】
前記第1端子は、前記第1方向と交差する第1辺および第2辺を有し、
前記第1辺および前記第2辺の少なくとも一方は、前記幅狭部において前記第1方向に窪む凹部を含む、
請求項1に記載のディスク装置用サスペンション。
【請求項3】
前記第1端子は、一対の前記幅広部を含み、
前記幅狭部は、前記第2方向において前記一対の幅広部の間に位置している、
請求項1に記載のディスク装置用サスペンション。
【請求項4】
前記第1高さは、前記第2幅よりも小さい、
請求項1乃至3のうちいずれか1項に記載のディスク装置用サスペンション。
【請求項5】
請求項1に記載のディスク装置用サスペンションと、第2端子および当該第2端子の上面に配置された第2バンプを備える電子部品と、を電気的に接続する接続方法であって、
前記第1バンプを平坦化すること、
前記第1バンプと前記第2バンプとが近接し、かつ、前記第1端子の上面を含む第1平面と前記第2端子の上面を含む第2平面とが交差するように、前記サスペンションと前記電子部品とを位置合わせすること、
前記第1バンプおよび前記第2バンプを溶融させることにより、前記第1バンプと前記第2バンプとを接続すること、
を含む接続方法。
【請求項6】
平坦化された前記第1バンプは、前記中心において、前記第1端子の前記下面を基準とした第2高さを有し、
前記第2高さは、前記第1高さよりも15%以上小さい、
請求項5に記載の接続方法。
【請求項7】
前記第2高さは、前記第1幅よりも小さい、
請求項6に記載の接続方法。
【請求項8】
前記電子部品は、フレキシブルプリント基板または磁気ヘッドを構成するスライダである、
請求項5乃至7のうちいずれか1項に記載の接続方法。
【請求項9】
ディスク装置用サスペンションと電気的に接続される電子部品であって、
第2端子と、
前記第2端子の上面に配置された第2バンプと、
を備え、
前記第2端子は、
第1方向において第1幅を有し、かつ前記第2端子の中心を含む幅狭部と、
前記第1方向において前記第1幅よりも大きい第2幅を有し、かつ前記第1方向と交差する第2方向において前記幅狭部と並ぶ幅広部と、
を含み、
前記第2バンプは、前記中心において、前記第2端子の下面を基準とした第1高さを有し、
前記第1高さは、前記第1幅よりも大きい、
電子部品。
【請求項10】
前記第2端子は、前記第1方向と交差する第1辺および第2辺を有し、
前記第1辺および前記第2辺の少なくとも一方は、前記幅狭部において前記第1方向に窪む凹部を含む、
請求項9に記載の電子部品。
【請求項11】
前記第2端子は、一対の前記幅広部を含み、
前記幅狭部は、前記第2方向において前記一対の幅広部の間に位置している、
請求項9に記載の電子部品。
【請求項12】
前記第1高さは、前記第2幅よりも小さい、
請求項9乃至11のうちいずれか1項に記載の電子部品。
【請求項13】
第1端子および当該第1端子の上面に配置された第1バンプを備えるディスク装置用サスペンションと、請求項9に記載の電子部品と、を電気的に接続する接続方法であって、
前記第2バンプを平坦化すること、
前記第1バンプと前記第2バンプとが近接し、かつ、前記第1端子の上面を含む第1平面と前記第2端子の上面を含む第2平面とが交差するように、前記サスペンションと前記電子部品とを位置合わせすること、
前記第1バンプおよび前記第2バンプを溶融させることにより、前記第1バンプと前記第2バンプとを接続すること、
を含む接続方法。
【請求項14】
平坦化された前記第2バンプは、前記中心において、前記第2端子の前記下面を基準とした第2高さを有し、
前記第2高さは、前記第1高さよりも15%以上小さい、
請求項13に記載の接続方法。
【請求項15】
前記第2高さは、前記第1幅よりも小さい、
請求項14に記載の接続方法。
【請求項16】
前記電子部品は、フレキシブルプリント基板または磁気ヘッドを構成するスライダである、
請求項13乃至15のうちいずれか1項に記載の接続方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハードディスク装置等に使用されるディスク装置用サスペンション、当該サスペンションに実装される電子部品、および、これらサスペンションと電子部品の接続方法に関する。
【背景技術】
【0002】
パーソナルコンピュータ等の情報処理装置に、ハードディスク装置(HDD)が使用されている。ハードディスク装置は、スピンドルを中心に回転する磁気ディスクや、ピボット軸を中心に旋回するキャリッジなどを含んでいる。キャリッジはアクチュエータアームを有し、ボイスコイルモータ等のポジショニング用モータによってピボット軸を中心にディスクのトラック幅方向に旋回する。
【0003】
上記アクチュエータアームにディスク装置用サスペンション(これ以降、単にサスペンションと称す)が取り付けられている。サスペンションは、ロードビームや、ロードビームに重ねられたフレキシャなどを含んでいる。フレキシャの先端付近に形成されたジンバル部に、磁気ヘッドを構成するスライダが設けられている。スライダには、データの読み取りや書き込みを行なうための素子(トランスジューサ)が設けられている。
【0004】
フレキシャは、複数の配線を有している。これら配線は、サスペンションの先端側に設けられた端子(パッド)と、テール側に設けられた端子とに接続されている。先端側の端子は、はんだによってスライダの端子と接続されている。テール側の端子は、はんだによってフレキシブルプリント基板(FPC)と接続されている。
【0005】
端子同士をはんだにより接続する方法として、例えば特許文献1および特許文献2に記載の技術が知られている。これら文献の方法においては、端子にはんだバンプを形成し、このバンプを平坦化し、平坦化したバンプを接続相手の端子と近接させる。その後、バンプを溶融させて、接続相手の端子と接合させる。バンプを平坦化することにより、端子同士の位置合わせの許容度が高まる。
【0006】
近年では、サスペンションの高機能化に伴い、フレキシャに設けられる配線および端子の数も増加しつつある。これに伴い、端子同士の間隔を小さくすると、隣接する端子に形成したバンプがショートする可能性が生じる。
【0007】
この対策としては、バンプを構成するはんだの量を減らすことが考えられる。しかしながら、この場合には、端子同士の接続に不良が生じる可能性がある。
【0008】
また、特許文献3および特許文献4には、バンプの中央部の高さや幅を減少させるために、端子の中央部の幅を狭くする方法が開示されている。しかしながら、バンプの高さが減少すると、上述のようにバンプを平坦化後に溶融させる際に、当該バンプが接続相手のバンプと上手く接合されない可能性がある。また、平坦化前後のバンプの高さの差が小さくなるために、端子同士の位置合わせの許容度が低下し得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平7-320434号公報
【特許文献2】特開平11-110925号公報
【特許文献3】実開平5-67048号公報
【特許文献4】特開2013-33570号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上述のように、サスペンションの端子と、スライダやフレキシブルプリント基板等の電子部品の端子との接続に関しては、種々の改善の余地があった。そこで、本発明は、端子同士を良好に接続することが可能なサスペンション、電子部品、および、サスペンションと電子部品の接続方法を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
一実施形態に係るディスク装置用サスペンションは、ロードビームと、前記ロードビームに重ねられたフレキシャと、前記フレキシャに設けられた第1端子と、前記第1端子の上面に配置された第1バンプと、を備えている。前記第1端子は、第1方向において第1幅を有し、かつ前記第1端子の中心を含む幅狭部と、前記第1方向において前記第1幅よりも大きい第2幅を有し、かつ前記第1方向と交差する第2方向において前記幅狭部と並ぶ幅広部と、を含んでいる。前記第1バンプは、前記中心において、前記第1端子の下面を基準とした第1高さを有している。前記第1高さは、前記第1幅よりも大きい。
【0012】
一実施形態に係る接続方法は、前記ディスク装置用サスペンションと、第2端子および当該第2端子の上面に配置された第2バンプを備える電子部品と、を電気的に接続する接続方法であって、前記第1バンプを平坦化すること、前記第1バンプと前記第2バンプとが近接し、かつ、前記第1端子の上面を含む第1平面と前記第2端子の上面を含む第2平面とが交差するように、前記サスペンションと前記電子部品とを位置合わせすること、前記第1バンプおよび前記第2バンプを溶融させることにより、前記第1バンプと前記第2バンプとを接続すること、を含んでいる。
【0013】
一実施形態に係る電子部品は、ディスク装置用サスペンションと電気的に接続される。前記電気部品は、第2端子と、前記第2端子の上面に配置された第2バンプと、を備えている。前記第2端子は、第1方向において第1幅を有し、かつ前記第2端子の中心を含む幅狭部と、前記第1方向において前記第1幅よりも大きい第2幅を有し、かつ前記第1方向と交差する第2方向において前記幅狭部と並ぶ幅広部と、を含んでいる、前記第2バンプは、前記中心において、前記第2端子の下面を基準とした第1高さを有している。前記第1高さは、前記第1幅よりも大きい。
【0014】
一実施形態に係る接続方法は、第1端子および当該第1端子の上面に配置された第1バンプを備えるディスク装置用サスペンションと、前記電子部品と、を電気的に接続する接続方法であって、前記第2バンプを平坦化すること、前記第1バンプと前記第2バンプとが近接し、かつ、前記第1端子の上面を含む第1平面と前記第2端子の上面を含む第2平面とが交差するように、前記サスペンションと前記電子部品とを位置合わせすること、前記第1バンプおよび前記第2バンプを溶融させることにより、前記第1バンプと前記第2バンプとを接続すること、を含んでいる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、端子同士を良好に接続することが可能なサスペンション、電子部品、および、サスペンションと電子部品の接続方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、ディスク装置の一例を示す概略的な斜視図である。
図2図2は、ディスク装置の一部を示す概略的な断面図である。
図3図3は、サスペンションとスライダとを備えたヘッドジンバルアセンブリの一例を示す概略的な平面図である。
図4図4は、サスペンションとフレキシブルプリント基板の接続構造の一例を示す概略的な斜視図である。
図5図5は、サスペンションとスライダの接続構造の一例を示す概略的な斜視図である。
図6図6は、第1実施形態に係る端子の一例を示す概略的な平面図である。
図7図7は、拡大した端子の概略的な平面図である。
図8図8は、図7におけるVIII-VIII線に沿う端子(幅広部)およびバンプの概略的な断面図である。
図9図9は、図7におけるIX-IX線に沿う端子(幅狭部)およびバンプの概略的な断面図である。
図10図10は、サスペンションと電子部品の接続方法の一例を示すフローチャートである。
図11図11は、端子と平坦化されたバンプを示す概略的な断面図である。
図12図12は、位置合わせされたサスペンションとフレキシブルプリント基板の概略的な断面図である。
図13図13は、溶融後に一体化したバンプが冷えて固化した状態を示す概略的な断面図である。
図14図14は、端子およびバンプの実施例と比較例を示す表である。
図15図15は、第1変形例に係る端子の概略的な平面図である。
図16図16は、第2変形例に係る端子の概略的な平面図である。
図17図17は、第3変形例に係る端子の概略的な平面図である。
図18図18は、端子に適用し得る他の構造を示す概略的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[第1実施形態]
図1乃至図14を用いて第1実施形態について説明する。
<ディスク装置>
図1は、ディスク装置(HDD)1の一例を示す概略的な斜視図である。このディスク装置1は、ケース2と、スピンドル3を中心に回転する複数のディスク4と、ピボット軸5を中心に旋回可能なキャリッジ6と、キャリッジ6を駆動するためのポジショニング用モータ(ボイスコイルモータ)7と、コネクタ8とを備えている。ケース2は、図示しない蓋によって密閉される。コネクタ8は、図示せぬ制御基板に接続されている。
【0018】
図2は、ディスク装置1の一部を示す概略的な断面図である。図1および図2に示すように、キャリッジ6には複数のアーム6a(キャリッジアーム)が設けられている。各アーム6aの先端部には、サスペンション10が取り付けられている。各サスペンション10の先端部には、磁気ヘッドを構成するスライダ12が設けられている。スライダ12は、ディスク4へのデータの書き込みおよびディスク4からのデータの読み取りを行う。ディスク4が高速で回転すると、ディスク4とスライダ12との間に空気が流入することによって、エアベアリングが形成される。
【0019】
ポジショニング用モータ7によってキャリッジ6が旋回すると、サスペンション10がディスク4の径方向に移動する。これにより、スライダ12は、ディスク4の所望トラックまで移動することが可能である。
【0020】
<サスペンション>
図3は、サスペンション10とスライダ12とを備えたヘッドジンバルアセンブリの一例を示す概略的な平面図である。サスペンション10は、ベースプレート15と、ロードビーム16と、フレキシャ20とを備えている。ベースプレート15は、ボス部15aを有している。ボス部15aは、図1および図2に示したキャリッジ6のアーム6aに固定される。
【0021】
ロードビーム16およびフレキシャ20は、サスペンション10の長さ方向Xに長尺な形状を有している。例えば、ロードビーム16は、ステンレス鋼の板により形成されている。フレキシャ20は、ロードビーム16に重なる先端部21と、先端部21からベースプレート15の後方(図中下方)に延びるテール部22とを有している。
【0022】
テール部22の端には、パッド部23が設けられている。パッド部23には、フレキシブルプリント基板11の一端が接続されている。フレキシブルプリント基板11の他端は、図1に示したコネクタ8に接続されている。先端部21には、揺動可能なジンバル部として機能するタング24が形成されている。タング24には、スライダ12が搭載されている。
【0023】
図4は、サスペンション10とフレキシブルプリント基板11の接続構造の一例を示す概略的な斜視図である。例えば、フレキシャ20は、ベースメタルと、ベースメタルの一面を覆う絶縁層とを備えている。さらに、フレキシャ20は、絶縁層の上に形成された複数の配線30と、これら配線30にそれぞれ接続された複数の端子31とを備えている。
【0024】
複数の端子31は、テール部22の一方の面23aに形成され、例えば長さ方向Xと略平行な方向において間隔を空けて並んでいる。
【0025】
フレキシブルプリント基板11は、一方の面11aに設けられた複数の端子32を備えている。面11aは、面23aと所定の角度で交差している。図4の例においては、面11aと面23aが垂直を成している。各端子32は、フレキシブルプリント基板11に設けられた複数の配線34にそれぞれ接続されている。
【0026】
複数の端子32は、例えば長さ方向Xと略平行な方向において間隔を空けて並んでいる。各端子32は、対応する端子31と導電性の接続部材33を介して接続されている。後述するように、接続部材33は、接続前の端子31に配置されたバンプ33Aと、接続前の端子32に配置されたバンプ33Bとが溶融後に一体化し、固化することで形成される。
なお、図4においては10組の端子31,32を示しているが、端子31,32の数はこの例に限られない。
【0027】
図5は、サスペンション10とスライダ12の接続構造の一例を示す概略的な斜視図である。図示した例においては、スライダ12が直方体形状を有しているが、この例に限られない。スライダ12は、タング24に搭載されている。
【0028】
上述の配線30の多くは、フレキシャ20のテール部22および先端部21を通ってタング24に至る経路で形成されている。図4に示した複数の配線30の一部は、例えば先端部21においてサスペンション10が備えるスライダ12以外の電子部品に接続されている。このような電気部品としては、例えばタング24を揺動させるためのアクチュエータ素子が挙げられる。
【0029】
フレキシャ20は、タング24の一方の面24a(スライダ12が搭載される面)に形成された複数の端子41を備えている。複数の端子41は、例えば長さ方向Xと直交する方向において間隔を空けて並んでいる。
【0030】
スライダ12は、長さ方向Xと交わる側面12aを有している。側面12aは、面24aと所定の角度で交差している。図5の例においては、側面12aと面24aが垂直を成している。
【0031】
スライダ12は、例えばMR素子のように磁気信号を電気信号に変換可能な複数の素子12bを有している。これらの素子12bによって、ディスク4からのデータの読み取りが行なわれる。また、スライダ12は、ディスク4にデータを書き込むための磁界を発生させるコイルを備えている。
【0032】
スライダ12は、側面12aに設けられた複数の端子42をさらに備えている。これら端子42は、例えば長さ方向Xと直交する方向において間隔を空けて並んでいる。各端子42は、対応する端子41と導電性の接続部材43を介して接続されている。後述するように、接続部材43は、接続前の端子41に配置されたバンプ43Aと、接続前の端子42に配置されたバンプ43Bとが溶融後に一体化し、固化することで形成される。
なお、図5においては6組の端子41,42を示しているが、端子41,42の数はこの例に限られない。
【0033】
<端子の構造>
図6は、本実施形態に係る接続前の端子31,32の一例を示す概略的な平面図である。パッド部23に設けられた複数の端子31は、第1方向D1において一定の間隔Gを空けて並んでいる。端子31は、第1方向D1と交差する第2方向D2に長尺な形状を有している。本実施形態においては、第1方向D1と第2方向D2が直交する。第1方向D1は、例えば長さ方向Xと平行である。
【0034】
各端子31の第2方向D2における一端には、配線30が接続されている。各端子31の上には、導電性のバンプ33Aが配置されている。バンプ33Aは、金属材料で形成されている。バンプ33Aの金属材料は、例えば合金であり、好ましくははんだである。
【0035】
フレキシブルプリント基板11に設けられた複数の端子32は、端子31と同じく、第1方向D1において一定の間隔Gを空けて並んでいる。端子32の形状は、例えば端子31と同様である。各端子32の第2方向D2における一端には、配線34が接続されている。各端子32の上には、導電性のバンプ33Bが配置されている。バンプ33Bは、バンプ33Aと同じ材料で形成されている。
【0036】
なお、タング24に設けられた端子41およびスライダ12に設けられた端子42には、端子31,32と同様の形状および配置態様を適用できる。端子42と接続される前の端子41には、バンプ33Aと同様のバンプ43Aが配置されている。端子41と接続される前の端子42には、バンプ33Bと同様のバンプ43Bが配置されている。図6においては、タング24、スライダ12、端子41,42およびバンプ43A,43Bの符号を、それぞれ対応する要素に対して併記している。
【0037】
以下、図7乃至図9を用いて端子31およびバンプ33Aの構造を説明する。端子32およびバンプ33Bには、図7乃至図9を用いて説明する端子31およびバンプ33Aと同様の構造を適用できる。また、端子41,42およびこれらに配置されるバンプ43A,43Bについても、図7乃至図9を用いて説明する端子31およびバンプ33Aと同様の構造をそれぞれ適用できる。
【0038】
図7は、拡大した端子31の概略的な平面図である。端子31は、第1方向D1と交わる第1辺S1および第2辺S2と、第2方向D2と交わる第3辺S3および第4辺S4とを有している。これらの辺S1,S2,S3,S4は、端子31の外形を構成する。第1辺S1および第2辺S2は、第3辺S3および第4辺S4よりも長い。配線30は、第3辺S3に接続されている。
【0039】
第1辺S1および第2辺S2は、第1方向D1において端子31の中心Oに向けて窪んだ凹部Rをそれぞれ有している。中心Oは、端子31の第1方向D1における中心線C1と、端子31の第2方向D2における中心線C2とが交わる点である。中心線C1は第2方向D2と平行であり、中心線C2は第1方向D1と平行である。端子31は、例えば中心線C1,C2のそれぞれに関して線対称の外形を有しているが、この例に限られない。
【0040】
凹部Rが設けられたことにより、端子31の外形においては、第2方向D2における両端部よりも、これら両端部の間の中央部が括れている。具体的には、端子31は、幅狭部NPと、一対の幅広部WPとを有している。幅狭部NPは、凹部Rに対応する部分であり、第2方向D2において一対の幅広部WPの間に位置している。すなわち、幅狭部NPおよび幅広部WPは、第2方向D2に並んでいる。幅狭部NPは、中心Oを含む。
【0041】
幅狭部NPは、第1方向D1において幅Wa1(第1幅)を有している。各幅広部WPは、第1方向D1において幅Wa2(第2幅)を有している。幅Wa2は、幅Wa1よりも大きい(Wa1<Wa2)。図7の例においては、幅狭部NPの第2方向D2における長さが、各幅広部WPの第2方向D2における長さよりも大きい。ただし、幅狭部NPの第2方向D2における長さが、各幅広部WPの第2方向D2における長さより小さくてもよい。
【0042】
破線で示すバンプ33Aは、幅狭部NPおよび各幅広部WPにおいて、端子31の上面F1に配置されている。バンプ33Aは、凹部Rにおいて第1辺S1および第2辺S2よりも第1方向D1に張り出している。
【0043】
図8は、図7におけるVIII-VIII線に沿う端子31(幅広部WP)およびバンプ33Aの概略的な断面図である。端子31は、導電層310と、導電層310の上面および側面を覆うめっき層311とを備えている。例えば、導電層310とめっき層311は、異なる金属材料で形成されている。配線30は、例えば導電層310と同じ金属材料により、導電層310と一体的に形成されている。
【0044】
端子31の下面F2は、パッド部23の面23aに接触している。面23aは、ポリイミド等の絶縁層の表面に相当する。下面F2は、めっき層311で覆われていない導電層310の表面に相当する。端子31の上面F1は、めっき層311の表面に相当する。
【0045】
バンプ33Aは、上面F1を覆っている。図8の例においては、バンプ33Aが第1辺S1および第2辺S2における端子31の側面には接触していないが、これら側面の少なくとも一部をバンプ33Aが覆っていてもよい。図8の断面において、バンプ33Aの表面RFは、楕円形の一部に相当する形状である。
【0046】
図9は、図7におけるIX-IX線に沿う端子31(幅狭部NP)およびバンプ33Aの概略的な断面図である。この断面は、図7に示した中心線C2に沿うものであり、中心Oを通っている。
【0047】
上述の通り、幅狭部NPの幅Wa1は幅広部WPの幅Wa2よりも小さいために、バンプ33Aが上方に盛り上がる。これにより、図8の例に比べ、表面RFが正円形に近づく。
【0048】
中心Oにおいて、バンプ33Aは、高さZ1(第1高さ)を有している。高さZ1は、端子31の下面F2(あるいは面23a)を基準としたものである。すなわち、高さZ1は、下面F2から中心Oにおける表面RFまでの距離に相当する。高さZ1は、バンプ33Aと端子31を併せた高さと言うこともできる。高さZ1は、幅Wa1よりも大きい(Z1>Wa1)。
【0049】
例えば、バンプ33Aの高さは、中心Oにおいて最も大きい。この場合において、高さZ1は、バンプ33Aの高さの最大値である。例えば、図7に示した中心線C1に沿うバンプ33Aの断面において、バンプ33Aの高さは、中心Oから第3辺S3および第4辺S4に近づくに連れて漸次減少する。当該断面において、幅狭部NPにおけるバンプ33Aの高さが全体的に幅広部WPにおけるバンプ33Aの高さよりも大きいと言うこともできる。
【0050】
図9の断面において、バンプ33Aは、幅Wb1を有している。例えば、幅Wb1は、幅Wa1よりも大きい(Wb1>Wa1)。なお、図7のバンプ33Aの外形からも分かるように、幅広部WPに配置されたバンプ33Aの第1方向D1における幅は、幅狭部NPに配置されたバンプ33Aの第1方向D1における幅よりも大きい。
【0051】
バンプ33Aは、例えばはんだ等のバンプ33Aの基となる材料の層をスクリーン印刷により端子31の上面F1に形成し、これを炉に入れて溶融(リフロー)させ、再度固化させることで形成される。溶融時の表面張力により、バンプ33Aの表面RFが図8および図9に示すように丸くなる。
【0052】
図9においては、比較例に係る端子31Xおよびバンプ33Xの外形を鎖線で示している。端子31Xは、凹部Rを有していない。すなわち、図9に示す端子31Xは、図8の断面における端子31と同じ形状である。このような端子31Xに形成されたバンプ33Xの幅は、幅Wb1よりも大きくなる。
【0053】
<サスペンションと電子部品の接続方法>
図10は、サスペンション10と電子部品(フレキシブルプリント基板11およびスライダ12)の接続方法の一例を示すフローチャートである。
【0054】
先ず、サスペンション10、フレキシブルプリント基板11およびスライダ12を用意する(工程ST1)。サスペンション10においては、端子31に図7乃至図9を用いて説明したバンプ33Aが配置されている。フレキシブルプリント基板11の端子32、サスペンション10の端子41、スライダ12の端子42にも、バンプ33Aと同様のバンプ33B,43A,43Bがそれぞれ配置されている。
【0055】
続いて、各端子31に配置されたバンプ33A、各端子32に配置されたバンプ33B、各端子41に配置されたバンプ43A、各端子42に配置されたバンプ43Bを平坦化する(工程ST2)。この平坦化は、例えばバンプ33A,33B,43A,43Bを機械的にプレスすることにより実施される。
【0056】
図11は、端子31と平坦化されたバンプ33Aを示す概略的な断面図である。この断面は、図9と同じく中心線C2に沿うものであり、中心Oを通っている。以下、平坦化されたバンプ33Aをバンプ33Afと呼ぶ。
【0057】
図11の例においては、バンプ33Afの表面RFに平坦面FLTが形成されている。平坦面FLTは、例えば下面F2と平行である。中心Oにおいて、バンプ33Afは、高さZ2(第2高さ)を有している。高さZ2は、高さZ1と同じく端子31の下面F2を基準としたものである。すなわち、高さZ2は、下面F2から中心Oにおける表面RF(平坦面FLT)までの距離に相当する。
【0058】
例えば、高さZ2は、端子31の幅Wa1よりも小さい(Z2<Wa1)。すなわち、中心Oにおけるバンプ33Aの高さは、平坦化前は幅Wa1よりも大きいが、平坦化後には幅Wa1よりも小さくなる。高さZ2は、高さZ1よりも15%以上小さいことが好ましい。
【0059】
図11の断面において、バンプ33Afは、幅Wb2を有している。幅Wb2は、幅Wb1よりも大きい(Wb1<Wb2)。すなわち、平坦化によってバンプ33Aの第1方向D1における幅が増大する。
【0060】
なお、平坦面FLTは、幅狭部NPにおけるバンプ33Afの表面RFだけでなく、幅広部WPにおける表面RFにも及んでいる。ただし、幅広部WPにおいては幅狭部NPに比べてバンプ33Aの高さが小さい。そのため、幅広部WPにおけるバンプ33Aの幅からバンプ33Afの幅への増加率は、幅狭部NPにおけるバンプ33Aの幅からバンプ33Afの幅への増加率に比べて小さい。
【0061】
平坦化されたバンプ33Bと端子32の関係、平坦化されたバンプ43Aと端子41の関係、および、平坦化されたバンプ43Bと端子42の関係は、図11に示したバンプ33Afと端子31の関係と同様である。
【0062】
バンプ33A,33B,43A,43Bを平坦化した後、サスペンション10とフレキシブルプリント基板11、および、サスペンション10とスライダ12を、それぞれ接続に適した状態に位置合わせする(図10の工程ST3)。
【0063】
図12は、位置合わせされたサスペンション10(パッド部23)とフレキシブルプリント基板11の概略的な断面図である。以下、平坦化されたバンプ33Bをバンプ33Bfと呼ぶ。図4に示した例においては、フレキシブルプリント基板11の面11aとパッド部23の面23aとが垂直を成す。そこで、工程ST3においても、面11a,23aが垂直を成すようにパッド部23とフレキシブルプリント基板11とが位置合わせされる。
【0064】
他の観点から言えば、パッド部23とフレキシブルプリント基板11は、端子31の上面F1を含む仮想平面V1(第1平面)と、端子32の上面F1を含む仮想平面V2(第2平面)とが交差するように位置合わせされる。図12の例においては、これら仮想平面V1,V2が直交している。
【0065】
パッド部23とフレキシブルプリント基板11とが位置合わせされた状態においては、バンプ33Af,33Bfが近接している。バンプ33Af,33Bfは、図12に示すように離間していてもよい。また、バンプ33Af,33Bfは、接触していてもよい。
【0066】
なお、サスペンション10(タング24)とスライダ12は、端子41,42が図12に示す端子31,32と同様の関係となるように位置合わせされる。このとき、近接したバンプ43A,43Bが離間していてもよいし、接触していてもよい。
【0067】
サスペンション10とフレキシブルプリント基板11、および、サスペンション10とスライダ12をそれぞれ位置合わせした後、バンプ33A,33B,43A,43Bを例えば局所的に加熱し、これらを溶融(リフロー)させる(図10の工程ST4)。
【0068】
図12においては、溶融したバンプ33A,33Bの形状を鎖線で示している。バンプ33A,33Bは、溶融することにより、工程ST2にて平坦化される前の形状に近づく。これにより、バンプ33A,33Bが接触し、一体化される。
【0069】
図13は、一体化したバンプ33A,33Bが冷えて固化した状態を示す概略的な断面図である。一体化したバンプ33A,33Bが固化すると、上述の接続部材33が形成される。これにより、端子31,32が接続部材33を介して電気的に接続される。
【0070】
溶融したバンプ43A,43Bも同様に一体化した状態で固化し、上述の接続部材43が形成される。これにより、端子41,42が接続部材43を介して電気的に接続される。
【0071】
<実施形態の効果>
本実施形態から得られる効果を例示する。なお、以下の説明においては主に端子31とバンプ33Aに着目するが、端子32とバンプ33B、端子41とバンプ43A、端子42とバンプ43Bに関しても同様の効果を得ることができる。
【0072】
端子31を高密度で配置する必要がある場合には、図6に示した間隔Gが小さくなる。この場合、隣接する端子31に配置されたバンプ33A同士がショートするリスクが高まる。特に、本実施形態のようにバンプ33Aを平坦化する場合、このリスクが顕著となる。仮に端子31が単純な長方形状である場合、平坦化する前後において、バンプ33Aの幅は、第2方向D2における中央部で最も大きくなる。
【0073】
これに対し、本実施形態においては、端子31が凹部Rを有している。これにより、平坦化する前後で、中央部(幅狭部NP)におけるバンプ33Aの幅を低減できる。結果として、隣接する端子31に配置されたバンプ33A同士がショートするリスクを低減できる。
【0074】
上記ショートのリスクを低減する他の方法として、端子31に配置するバンプ33Aの量を減らすことが考えられる。しかしながら、この場合には、平坦化前のバンプ33Aの高さも低減される。そのため、図12のように位置合わせした後に溶融させたバンプ33A,33Bが接触しないなど、端子31,32の接続に不良が生じる可能性がある。
【0075】
これに対し、本実施形態においては、平坦化前のバンプ33Aの中心Oにおける高さZ1が、幅狭部NPにおける端子31の幅Wa1よりも大きい。この程度に高さZ1を確保すれば、平坦化後に溶融したバンプ33A,33Bが良好に接続する。
【0076】
本実施形態においては、サスペンション10とフレキシブルプリント基板11の位置合わせの前にバンプ33A,33Bを平坦化する。仮に平坦化せずに位置合わせする場合、バンプ33A,33Bが干渉して位置合わせの精度が低下する可能性がある。これに対し、バンプ33A,33Bが平坦化されていれば、平坦化後のバンプ33Af,33Bfが干渉しにくいので、位置合わせの精度を高めることができる。溶融前のバンプ33Af,33Bfの間に隙間があったとしても、溶融後にはバンプ33Af,33Bfが平坦化前の形状に戻り、高さが増す。そのため、バンプ33A,33Bの接続が可能である。
【0077】
図9に示した比較例に係る端子31Xは、上述の通り凹部Rを有していない。仮に、この端子31Xに配置されるバンプ33Xが中心Oにおいてバンプ33Aと同じ高さZ1を有している場合、図9に示す断面近傍においては、バンプ33Aを構成する材料をバンプ33Xよりも少なくできる。結果として、バンプ33Aの中心Oにおける高さZ1を大きくしつつも、バンプ33Aを構成する材料の量を減らすことができる。
【0078】
なお、本実施形態においては幅広部WPの間に幅狭部NPを設けることで中心O付近のバンプ33Aの高さを増加させる方法を開示した。中心O付近のバンプ33Aの高さを増加させる他の方法として、端子31を全体的に幅狭部NPと同等の幅で形成することが考えられる。しかしながら、この場合には、スクリーン印刷でバンプ33Aを形成し、バンプ33Aを図9のような形状とすべく溶融させる際に、バンプ33Aが端子31から零れ落ちる可能性がある。
【0079】
これに対し、本実施形態のように幅広部WPが設けられていれば、溶融したバンプ33Aのうち幅狭部NPで保持しきれない分が幅広部WPに流れる。これにより、バンプ33Aが端子31から零れ落ちにくくなる。本実施形態においては、端子31の幅を小さくしてバンプ33Aの高さを確保したうえで、バンプ33Aが端子31から零れ落ちないように端子31の第2方向D2における両端部を広げたと考えることもできる。
以上の他にも、本実施形態からは種々の好適な効果を得ることができる。
【0080】
<実施例>
図14は、端子31およびバンプ33Aの実施例1,2と比較例を示す表である。実施例1,2に係る端子31は、いずれも図7に示した形状を有している。比較例に係る端子31Xは、凹部Rを有していない。実施例1,2に係る端子31の幅広部WPの第1方向D1における幅は、端子31Xの第1方向D1における幅と同じである。実施例1,2に係る端子31の第2方向D2における長さは、端子31Xの第2方向D2における長さと同じである。
【0081】
実施例1に係る端子31の幅Wa1(図9参照)は0.145mmであり、当該端子31の幅Wa2(図8参照)は0.185mmである。この端子31に対して、中心Oにおける高さZ1(図9参照)が0.160mmのバンプ33Aを形成した。
【0082】
実施例2に係る端子31の幅Wa1は0.145mmであり、当該端子31の幅Wa2は0.215mmである。この端子31に対して、中心Oにおける高さZ1が0.151mmのバンプ33Aを形成した。
【0083】
比較例に係る端子31Xは、第2方向D2のいずれの位置においても、0.185mmの幅を有している。この端子31Xに対して、中心Oにおける高さZ1が0.163mmのバンプ33Xを形成した。
【0084】
実施例1に係るバンプ33Aの中心Oにおける幅Wb1(図9参照)は0.205mmとなり、平坦化後の当該バンプ33A(バンプ33Af)の中心Oにおける幅Wb2(図11参照)は0.303mmとなった。実施例2に係るバンプ33Aの中心Oにおける幅Wb1は0.193mmとなり、平坦化後の当該バンプ33A(バンプ33Af)の中心Oにおける幅Wb2は0.275mmとなった。
【0085】
一方、比較例に係るバンプ33Xの中心Oにおける幅Wb1は0.229mmとなり、平坦化後の当該バンプ33Xの中心Oにおける幅Wb2は0.337mmとなった。
【0086】
実施例1,2に係るバンプ33Aの幅Wb1は、いずれも比較例に係るバンプ33Xの幅Wb1よりも小さい。また、実施例1,2に係るバンプ33A(バンプ33Af)の幅Wb2は、いずれも比較例に係るバンプ33Xの幅Wb2よりも小さい。これらのことから、実施例1,2に係る端子31およびバンプ33Aにおいては、平坦化前後の双方で隣接するバンプ33Aがショートするリスクが比較例よりも低減されていることが分かる。
【0087】
なお、実施例1,2においては、いずれも端子31から零れ落ちない良好な形状のバンプ33Aを形成することができた。さらに、バンプ33Aを本実施形態の接続方法にて他の端子32のバンプ33Bと接続したところ、良好な形状の接続部材33を形成することができた。
【0088】
なお、端子31とバンプ33A、端子32とバンプ33B、端子41とバンプ43A、端子42とバンプ43Bは、全てが同じ構造を有している必要はない。例えば、端子31,32,41,42がそれぞれ異なる幅Wa1,Wa2を有してもよい。また、平坦化前のバンプ33A,33B,43A,43Bがそれぞれ異なる幅Wb1および高さZ1を有してもよく、平坦化後のバンプ33A,33B,43A,43Bがそれぞれ異なる幅Wb2および高さZ2を有してもよい。
【0089】
第1実施形態においては、端子31とバンプ33A、端子32とバンプ33B、端子41とバンプ43A、端子42とバンプ43Bがいずれも図7乃至図9を用いて説明した構造を有する場合を例示した。しかしながら、必ずしもこれら端子とバンプの組み合わせの全てに当該構造を適用する必要はない。この観点に基づくいくつかの実施形態を以下に開示する。各実施形態において、特に言及しない構成は第1実施形態と同様である。
【0090】
[第2実施形態]
第2実施形態においては、サスペンション10の端子31とバンプ33Aが図7乃至図9を用いて説明した構造を有している。一方で、フレキシブルプリント基板11の端子32とバンプ33Bが図7乃至図9を用いて説明した構造を有していない。例えば、端子32は、第1方向D1における幅が一定の長方形状である。このような構成であっても、端子31とバンプ33Aに関しては、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0091】
[第3実施形態]
第3実施形態においては、サスペンション10の端子41とバンプ43Aが図7乃至図9を用いて説明した構造を有している。一方で、スライダ12の端子42とバンプ43Bが図7乃至図9を用いて説明した構造を有していない。例えば、端子42は、第1方向D1における幅が一定の長方形状である。このような構成であっても、端子41とバンプ43Aに関しては、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0092】
[第4実施形態]
第4実施形態においては、サスペンション10の端子31とバンプ33Aが図7乃至図9を用いて説明した構造を有していない。一方で、フレキシブルプリント基板11の端子32とバンプ33Bが図7乃至図9を用いて説明した構造を有している。例えば、端子31は、第1方向D1における幅が一定の長方形状である。このような構成であっても、端子32とバンプ33Bに関しては、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0093】
[第5実施形態]
第5実施形態においては、サスペンション10の端子41とバンプ43Aが図7乃至図9を用いて説明した構造を有していない。一方で、スライダ12の端子42とバンプ43Bが図7乃至図9を用いて説明した構造を有している。例えば、端子41は、第1方向D1における幅が一定の長方形状である。このような構成であっても、端子42とバンプ43Bに関しては、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0094】
[変形例]
図7に示した端子31の形状は、端子31,32,41,42に適用し得る形状の一例に過ぎない。端子31,32,41,42には、その他の種々の形状を適用し得る。以下に、端子31の形状に関する第1乃至第3変形例を開示する。これら変形例に係る端子31の形状は、端子32,41,42にも適用できる。
【0095】
図15は、第1変形例に係る端子31の概略的な平面図である。第1変形例においては、第2辺S2に凹部Rが設けられ、第1辺S1には凹部Rが設けられていない。このような構成であっても、端子31に幅狭部NPと幅広部WPが形成される。したがって、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0096】
図16は、第2変形例に係る端子31の概略的な平面図である。第2変形例においては、第1辺S1、第2辺S2および第4辺S4にそれぞれ凹部Rが設けられている。このように第4辺S4にも凹部Rを形成すれば、中心Oにおけるバンプ33Aの高さZ1をさらに高めることができる。
【0097】
図17は、第3変形例に係る端子31の概略的な平面図である。第3変形例において、端子31は、破線で示す円CRに沿う外径を有している。さらに、端子31の外形は、中心Oに向けて窪んだ4つの凹部Rを有している。凹部Rは、例えば半円形状である。端子31がこのような形状を有する場合であっても、中心Oにおけるバンプ33Aの高さZ1を高めることができる。
【0098】
端子31,32,41,42の断面構造は、図8および図9に示した例に限られない。
図18は、端子31に適用し得る他の構造を示す概略的な断面図である。この図に示す端子31の構造は、端子32,41,42にも適用できる。
【0099】
図18の例においては、パッド部23の面23aに導電層310が形成され、導電層310がめっき層311で覆われている。さらに、めっき層311の上に絶縁層320が形成されている。絶縁層320は、開口OPを有している。めっき層311は、開口OPを通じて絶縁層320から露出している。この露出した領域が端子31に相当する。
【0100】
このように絶縁層320の開口OPによって定められる端子31の形状に対しても、上述の各実施形態における端子31と同様の形状を適用できる。これにより、上述の各実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0101】
各実施形態および変形例は、本発明の範囲をこれら実施形態および変形例にて開示した構成に限定するものではない。本発明は、各実施形態および変形例にて開示した構成を種々の態様に変形して実施することができる。
【符号の説明】
【0102】
1…ディスク装置、10…サスペンション、11…フレキシブルプリント基板、12…スライダ、31,32,41,42…端子、33,43…接続部材、33A,33B,43A,43B…バンプ、R…凹部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18