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特開2022-179356デジタルコンピュータを用いたマイクロアセンブリ制御で使用する機械学習ベースの位置推定のためのシステム及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022179356
(43)【公開日】2022-12-02
(54)【発明の名称】デジタルコンピュータを用いたマイクロアセンブリ制御で使用する機械学習ベースの位置推定のためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   G06N 20/00 20190101AFI20221125BHJP
   G06N 3/08 20060101ALI20221125BHJP
   G06N 3/04 20060101ALI20221125BHJP
【FI】
G06N20/00 130
G06N3/08
G06N3/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022068987
(22)【出願日】2022-04-19
(31)【優先権主張番号】17/326,902
(32)【優先日】2021-05-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】504407000
【氏名又は名称】パロ アルト リサーチ センター インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(72)【発明者】
【氏名】アン・プロコヴィエッツ
(72)【発明者】
【氏名】アナンド・ラマクリシュナン
(72)【発明者】
【氏名】ウォーレン・ジャクソン
(72)【発明者】
【氏名】ララ・エス.・クロフォード
(72)【発明者】
【氏名】ブラッドリー・ラップ
(72)【発明者】
【氏名】セルゲイ・ブティルコフ
(72)【発明者】
【氏名】チョンピン・ル
(72)【発明者】
【氏名】ユージーン・エム.・チョウ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】デジタルコンピュータを用いたマイクロアセンブリ制御で使用するための機械学習ベースの位置推定のためのシステム及び方法を提供する。
【解決手段】物理学ベースのモデル及び機械学習モデルの両方を含むハイブリッドモデルを使用する、微小物体が移動する位置の予測において、制御ループ待ち時間が考慮に入れられる。モデルは、勾配ブースティングを使用し、訓練データとの比較に基づいて、以前の段階の間に計算された残差に基づいて適合される。各段階の損失関数は、作成されているモデルに基づいて選択される。ハイブリッドモデルは、過剰適合を防止し、十分な予測能力を有するために、訓練データから外挿及び内挿されたデータで評価される。物理学ベースのモデル及び機械学習モデルの両方を含めることにより、ハイブリッドモデルは、微小物体の動きに関与する決定論的構成要素及び確率論的構成要素の両方を考慮に入れることができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デジタルコンピュータを用いた機械学習対応マイクロアセンブリ制御のための方法であって、
複数の微小物体のうちの1つ以上を位置決めするための閉ループシステムの1つ以上のパラメータを取得するステップであって、前記システムが、複数のプログラム可能な電極を含み、前記電極は、前記電極の作動時に、前記微小物体が電極に近接しているときに前記微小物体の動きを誘導するように構成されており、前記作動の各々が、前記電極のうちの1つ以上による1つ以上の電位の生成を含む、取得するステップ、
前記作動のうちの先の作動に起因する、前記複数の前記微小物体のうちの1つ以上の以前の動きと関連付けられた状態を含む訓練データを取得するステップ、
前記作動のうちの1つ後の、前記微小物体のうちの少なくとも1つの位置を予測するための1つ以上の物理学ベースのモデルを定義するステップ、
勾配ブースティングを介して前記訓練データを使用して、前記作動のうちの1つ後の、前記微小物体のうちの少なくとも1つの位置を予測するためのハイブリッドモデルを構築するステップであって、前記ハイブリッドモデルが、前記物理学ベースのモデルのうちの1つ以上及び1つ以上の機械学習モデルを含む複数のモデルを含む、構築するステップ、
前記閉ループシステムを制御するステップであって、
少なくとも1つのセンサ測定に基づいて、前記作動のうちの1つ後の前記微小物体のうちの1つ以上の位置を予測することと、
前記微小物体のうちの1つ以上の更なる位置を受信することと、
予測された前記位置及び前記更なる位置を使用して、前記作動のうちの別の1つを実施することと、を含む、制御するステップ、を含み、
前記ステップが、好適にプログラムされたコンピュータによって実施される、方法。
【請求項2】
データセットを取得することと、
前記データセットを前記訓練データと内挿試験データとに分割することと、
前記以前の動きの状態を外挿して、外挿されたデータを生成することと、
前記内挿試験データ及び外挿された前記データを使用して、前記ハイブリッドモデルを試験することと、を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記勾配ブースティングが、複数の段階を含み、前記モデルのうちの1つが、前記段階の各々の間に構築され、前記方法が、
前記モデルの各々について、損失関数を使用して、前記訓練データの入力部分に基づいた前記1つのモデルの予測と、前記訓練データと関連付けられた出力データとの間の残差を決定すること、
前記段階のうちの第1の段階の間に構築された前記モデル以外の前記モデルの各々について、そのモデルが構築される前記段階の前の前記段階の間に構築された前記モデルと関連付けられた前記残差を使用して、そのモデルを定義すること、を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
そのモデルと関連付けられた前記段階に基づいた前記モデルの各々について、確率論的モデルに基づいて、前記モデルの各々の前記残差を決定するために使用される前記損失関数を選択することを更に含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記損失関数が、非相関関数である、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
Ljung-Box損失関数が、前記段階のうちの少なくとも1つについて前記損失関数を選択するために使用される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の段階の間に構築された前記モデルが、前記物理学ベースのモデルのうちの1つであり、前記段階のうちの最後の1つの間の前記モデルが、前記機械学習モデルのうちの1つである、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記1つ以上のプロセッサが、リカレントニューラルネットワークを定義する、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記機械学習モデルが、線形モデル、高密度モデル、深層モデル、及びARIMAモデルのうちの1つ以上を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記コンピュータが、中央処理ユニット及びグラフィック処理ユニットのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
デジタルコンピュータを用いた機械学習対応マイクロアセンブリ制御のためのシステムであって、
少なくとも1つのプロセッサであって、
複数の微小物体のうちの1つ以上を位置決めするための閉ループシステムの1つ以上のパラメータを取得することであって、前記システムが、複数のプログラム可能な電極を含み、前記電極は、前記電極の作動時に、前記微小物体が電極に近接しているときに前記微小物体の動きを誘導するように構成されており、前記作動の各々が、前記電極のうちの1つ以上による1つ以上の電位の生成を含む、取得すること、
前記作動のうちの先の作動に起因する、前記複数の前記微小物体のうちの1つ以上の以前の動きと関連付けられた状態を含む訓練データを取得すること、
前記作動のうちの1つ後の、前記微小物体のうちの少なくとも1つの位置を予測するための1つ以上の物理学ベースのモデルを定義すること、
勾配ブースティングを介して前記訓練データを使用して、前記作動のうちの1つ後の、前記微小物体のうちの少なくとも1つの位置を予測するためのハイブリッドモデルを構築することであって、前記ハイブリッドモデルが、前記物理学ベースのモデルのうちの1つ以上及び1つ以上の機械学習モデルを含む複数のモデルを含む、構築すること、
前記閉ループシステムを制御することであって、
少なくとも1つのセンサ測定に基づいて、前記作動のうちの1つ後の前記微小物体のうちの1つ以上の位置を予測することと、
前記微小物体のうちの1つ以上の更なる位置を受信することと、
予測された前記位置及び前記更なる位置を使用して、前記作動のうちの別の1つを実施することと、を含む、制御すること、を行うように構成されている、少なくとも1つのプロセッサを備える、システム。
【請求項12】
前記少なくとも1つのプロセッサが、
データセットを取得することと、
前記データセットを前記訓練データと内挿試験データとに分割することと、
前記以前の動きの状態を外挿して、外挿されたデータを生成することと、
前記内挿試験データ及び外挿された前記データを使用して、前記ハイブリッドモデルを試験することと、を行うように更に構成されている、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記勾配ブースティングが、複数の段階を含み、前記モデルのうちの1つが、前記段階の各々の間に構築され、前記少なくとも1つのプロセッサが、
前記モデルの各々について、損失関数を使用して、前記訓練データの入力部分に基づいた前記1つのモデルの予測と、前記訓練データと関連付けられた出力データとの間の残差を決定すること、
前記段階のうちの第1の段階の間に構築された前記モデル以外の前記モデルの各々について、そのモデルが構築される前記段階の前の前記段階の間に構築された前記モデルと関連付けられた前記残差を使用して、そのモデルを定義すること、を行うように更に構成されている、請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
前記少なくとも1つのプロセッサが、
そのモデルと関連付けられた前記段階に基づいた前記モデルの各々について、確率論的モデルに基づいて、前記モデルの各々の前記残差を決定するために使用される前記損失関数を選択するように更に構成されている、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記損失関数が、非相関関数である、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記Ljung-Box損失関数が、前記段階のうちの少なくとも1つについて前記損失関数を選択するために使用される、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記第1の段階の間に構築された前記モデルが、前記物理学ベースのモデルのうちの1つであり、前記段階のうちの最後の1つの間の前記モデルが、前記機械学習モデルのうちの1つである、請求項15に記載のシステム。
【請求項18】
前記1つ以上のプロセッサが、リカレントニューラルネットワークを定義する、請求項11に記載のシステム。
【請求項19】
前記機械学習モデルが、線形モデル、高密度モデル、深層モデル、及びARIMAモデルのうちの1つ以上を含む、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記少なくとも1つのプロセッサが、中央処理ユニット及びグラフィック処理ユニットのうちの少なくとも1つである、請求項11に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、一般に、マイクロアセンブリ制御に関し、特に、デジタルコンピュータを用いたマイクロアセンブリ制御で使用するための機械学習ベースの位置推定のためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
マイクロスケール及びナノスケールの粒子操作は、多くの研究者の関心を集めている。寸法がミクロン単位の物体である微小物体、及び寸法がナノメートル単位の物体であるナノ物体のアセンブリを制御することができる程度は、マイクロ製造、生物学、及び医学を含む多くの技術において、大きな違いを生む可能性がある。例えば、コンデンサ及び抵抗器などの微小物体の位置を正確に制御して、所望の挙動を有する回路を製造することができるようにすることによって、再構成可能な電気回路の製造を改善することができる。同様に、光起電力太陽電池アレイの生成は、アレイ上の特定の位置に特定の品質を有する光起電セルを置くことができることから利益を得ることができる。そのようなセルは、小さすぎて人間又はロボット操作を介したセルの所望の配置を可能にすることができず、別の種類の輸送機構が必要である。粒子のマイクロアセンブリ及びナノアセンブリは、組み立てられて組織となる生物学的細胞などの材料の微細構造の操作にも使用することができる。微細物体及びナノ物体のアセンブリの制御を増加させることにより大きな利点がもたらされ得る多くの他の技術分野が存在する。
【0003】
微小粒子操作及びナノ粒子操作に使用される技術の多くは、電極を使用して電極電位を生成し、目的の粒子を所望の方向に向かって移動させるものである。粒子の初期位置が、センサを使用して決定され、電極電位が、所望の位置及び初期位置に基づいて生成される。しかしながら、そのようなシステムのスループット及び精度は、粒子が特定の位置にあるときと、当該粒子が特定の位置にあることに基づいて電極電位が生成されるときとの間の遅延である制御ループ待ち時間によって著しく制限される。遅延の正確な長さは、粒子の操作に使用されるシステムのソフトウェア及びハードウェアに依存する。遅延は、複数の構成要素を有する。1つの構成要素は、スプライト(電極の制御信号)が生成されるときと、スプライトによって指定された電極電位が電極によって生成されるときとの間の遅延である作動遅延である。遅延の別の構成要素は、検知遅延であり、これは、特定の位置を占める粒子を観察するセンサとその時間との間の時間である。センサの信号の分析が完了して、粒子位置が取得される。そのような遅延には、捕捉された画像をメモリに流して記憶する時間、画像データを画像分析に送信して、その場所を決定する時間、及び画像分析アルゴリズムを実行する時間が含まれる。これらの遅延は、様々な遅延及びプロセッサ負荷に応じて、最大80ms~100ms、及び最大300ms以上となる可能性があり、60hz以下のフレームレートでは、最大5つのフレームを占めることもある。
【0004】
遅延を予測し、続いて、移動する必要がある微小サイズの粒子又はナノサイズの粒子の実際の位置を予測することにより、マイクロアセンブリ及びナノアセンブリの精度及び効率を改善することが可能となるであろう。そのようなモデリングは、一般に、操作セットアップ、環境(アセンブリが空気中、液体、地上、空間内、又は別の環境内にあるなど)、及び移動する粒子の既知の物理的特性を活用するモデルである、物理学ベースのモデルを活用する。しかしながら、閉ループシステムの物理学ベースのモデルは、粒子回転、ターゲット割り当て、及び粒子の小さいサブセット若しくは大きいサブセットで発生する転送など、微小粒子又はナノ粒子操作の間に生じる制御待ち時間における動的変化をもちろん考慮に入れない。そのような物理学ベースのモデルはまた、異なるタイプの粒子又は異なる照明条件の使用などの操作条件の異なる設定間の動的変化ももちろん考慮に入れない。そのような物理学ベースのモデルはまた、粒子のスティクション又は粒子の揺動運動などの特定の操作セットアップ内の特定の変数をモデル化する際に、又は制御サイクルの間に粒子が遷移する平均画素数などの未知の値を有するパラメータをモデル化する際にも堅牢ではない。
【0005】
したがって、生成された電極電位のために移動される粒子の実際の位置を予測するための制御ループ待ち時間を正確に考慮に入れるための方法が必要とされている。
【発明の概要】
【0006】
少なくとも1つの物理学ベースのモデル及び機械学習モデルの両方を含むハイブリッドモデルを使用することによる、微小物体が移動する位置の予測において、制御ループ待ち時間を考慮に入れられ得る。モデルは、勾配ブースティングを使用して結合され、段階のうちの少なくとも1つの間に作成されたモデルは、訓練データとの比較に基づいて、以前の段階の間に計算された残差に基づいて適合される。各段階の損失関数は、作成されているモデルに基づいて選択される。ハイブリッドモデルは、過剰適合を防止し、ハイブリッドモデルが十分な予測能力を有することを確実にするために、訓練データから外挿され、内挿されたデータで評価される。物理学ベースのモデル及び機械学習モデルの両方を含めることにより、ハイブリッドモデルは、微小物体の動きに関与する決定論的構成要素及び確率論的構成要素の両方を考慮することができ、したがって、マイクロアセンブリの精度及びスループットが高まる。
【0007】
一実施形態では、デジタルコンピュータを用いた機械学習対応マイクロアセンブリ制御のためのシステム及び方法が提供される。複数の微小物体のうちの1つ以上を位置決めするための閉ループシステムの1つ以上のパラメータが取得され、このシステムが、複数のプログラム可能な電極を含み、電極は、電極の作動時に、微小物体が電極に近接しているときに微小物体の動きを誘導するように構成されており、作動の各々が、電極のうちの1つ以上による1つ以上の電位の生成を含む。訓練データが取得され、この訓練データには、作動のうちの先の作動に起因する、複数の微小物体のうちの1つ以上の以前の動きと関連付けられた状態が含まれる。作動のうちの1つ後の、微小物体のうちの少なくとも1つの位置を予測するための1つ以上の物理学ベースのモデルが定義される。作動のうちの1つ後の、微小物体のうちの少なくとも1つの位置を予測するためのハイブリッドモデルは、勾配ブースティングを介して訓練データを使用して構築され、ハイブリッドモデルには、物理学ベースのモデルのうちの1つ以上及び1つ以上の機械学習モデルを含む複数のモデルが含まれる。作動のうちの1つ後の、微小物体のうちの1つ以上の位置は、少なくとも1つのセンサ測定に基づいて予測される。微小物体のうちの1つ以上の更なる位置が受信される。作動のうちの別の1つは、予測された位置及び更なる位置を使用して実施される。
【0008】
本発明の更に他の実施形態は、以下の詳細な説明から当業者に容易に明らかになり、本発明を実施するために企図される最良の形態を例示することによって本発明の実施形態を説明する。実現されるように、本発明は、他の異なる実施形態が可能であり、そのいくつかの詳細は、すべて本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、様々な明らかな点で修正することができる。したがって、図面及び詳細な説明は、本質的に例示的なものと見なされるべきであり、限定的ではない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】デジタルコンピュータを用いたマイクロアセンブリ制御で使用する機械学習ベースの位置推定のためのシステムを示すブロック図である。
図2】デジタルコンピュータを用いたマイクロアセンブリ制御で使用する機械学習ベースの位置推定のための方法を示すフロー図である。
図3】一実施形態による、図2の方法で使用する訓練データを生成するためのルーチンを示すフロー図である。
図4】一実施形態による、図2の方法で使用するハイブリッドモデルを構築するためのルーチンを示すフロー図である。
図5A】記録された訓練データにおける微小物体によって取られた位置(図5Aを参照して示される)及び記録された訓練データから外挿された微小物体の位置(図5Bを参照して示される)の例を示す図である。
図5B】記録された訓練データにおける微小物体によって取られた位置(図5Aを参照して示される)及び記録された訓練データから外挿された微小物体の位置(図5Bを参照して示される)の例を示す図である。
図6】機械学習モデルとしてARIMAモデルを含むハイブリッドモデルの使用と、機械学習モードとしてRNNモデルを含むハイブリッドモデルの使用とを比較した、推定器1.0の試験結果を示す図である。
図7】外挿試験データセット内のARIMAモデル及びRNNモデルに対する推定器1.0の使用の結果を示す図である。
図8】監視されていない訓練されたシステムIDモデルを使用した外挿データセット全体のシミュレーション(約50分)を示す図である。
図9-1】監視されていない訓練されたシステムIDモデルを使用した外挿データセットのシミュレーションを示す図である。
図9-2】監視されていない訓練されたシステムIDモデルを使用した外挿データセットのシミュレーションを示す図である。
図9-3】監視されていない訓練されたシステムIDモデルを使用した外挿データセットのシミュレーションを示す図である。
図10A】試験推定器2.0(ハイブリッドモデル)と、frugally-deep(cpp)を使用してマイクロアセンブラソフトウェアに実装された線形モデル、高密度モデル、及びARIMAモデルを示す図である。
図10B】試験推定器2.0(ハイブリッドモデル)と、frugally-deep(cpp)を使用してマイクロアセンブラソフトウェアに実装された線形モデル、高密度モデル、及びARIMAモデルを示す図である。
図11】一実施形態による、勾配ブースティングを示す図である。
図12】複雑な船体に関して定義されたときの、記録されたデータと、外挿データと、内挿データとの間の関係の図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に記載されるシステム及び方法は、制御信号を生成するときに制御ループ待ち時間を考慮することを可能にし、したがって、マイクロアセンブリ又はナノアセンブリを使用して達成される位置決めの精度を改善することができる。以下に説明するように、システム及び方法は、作動後の微小物体の位置を予測するためのハイブリッドモデルを活用し、ハイブリッドモデルは、1つ以上の物理学ベースのモデル及び1つ以上の機械学習モデルを含む。物理学ベースのモデルは、構築する任意のデータが不要であること、パラメータに適合するために使用されるデータ以外の外挿が可能であること、及びこれらの予測の解釈性が高いこと、という利点があるのに対し、マイクロアセンブリを実施するために使用されるシステムの挙動のごく一部しか捕捉することができない。システム10の完全な挙動は、モデル化されていない自由度を含み、機械学習モデルの使用により、これらのモデル化されていない自由度を捕捉することができる。Yによって与えられる合計システム挙動は、物理的モデルf(X、θ)であり、式中、Xは、以前の履歴及び測定値であり、θは、パラメータであり、ノイズN(ф)は、фが確率論的ノイズモデルのノイズパラメータである。ニューラルネットワーク関数NN(X、W)は、入力及び訓練可能な重みWの関数であり、以下の式に従ってモデル化されていない自由度を捕捉する。
【0011】
【数1】
【0012】
ハイブリッドモデルの使用により、物理学ベースのモデル(解釈性、安定性、及び外挿能力)の利点を、機械学習モデルの柔軟性及びモデル化されていない自由度を捕捉するためのそれらの能力と結合することを可能にし、その結果、微小物体の位置のより正確な予測、したがって、マイクロアセンブリの改善されたスループットをもたらす。物理学ベースのモデルは、システムの決定論的構成要素を考慮し、一方、機械学習モデルは、システムの確率論的構成要素を考慮する。
【0013】
以下の説明では、移動される物体が微小物体として説明されているが、ナノ物体の位置を制御するためにも同じ技術が適用され得る。更に、以下に記載されるハイブリッドモデルは、特定の作動ハードウェアに適用されるものとして説明されているが、更なる実施形態では、ハイブリッドモデルを使用して、異なるハードウェアセットアップを使用して始動させる微小(又はナノ)物体の位置を予測することができる。更に別の実施形態では、ハイブリッドモデルは、他の種類のシステムの制御に使用することができる。例えば、ハイブリッドモデルは、バックラッシュを有するモータ駆動型機械的リンク機構の制御に適用することができる。モータの物理学及び機械的リンク機構の回転は、モータの物理的パラメータ及び慣性モーメントなどのリンク、及び巻線の直列抵抗を含む物理的モデルを使用して容易にモデル化することができる。リンク機構のバックラッシュは、非線形であり、以前の履歴に依存しており、はるかに複雑である。モータシステムをランダムな一連の動きに供すると、様々な周波数及び振幅が制御され、測定された応答を物理的モデルから予想される応答と比較することで、入力とモータの状態との関数として物理的モデルの誤差を得ることができる。このデータは、バックラッシュ誤差を予測するように訓練されたニューラルネットワークの教師あり訓練に使用される。近傍の時間誤差は、無相関であることが強制され、過剰適合に対する更なる制約を提供する。残りの誤差は、この場合、独立した同一分布のガウスノイズである確率論的モデルに適合される。ノイズ分散は、物理学及びニューラルネットワークモデルからの残差から決定することができる。このハイブリッドモデルは、システム識別のために、すなわち、システムの機能の様々な制御動作及び過去並びに現在の状態として、システムの応答を予測するために使用される。この予測は、典型的な比例積分偏差(proportional integral derivative、PID)制御アルゴリズムなど、より単純な以前の制御アルゴリズムよりも改善された性能を達成するために、モデル予測制御などの様々な制御アルゴリズムに組み込むことができる。ハイブリッドモデルの更に他の使用が可能である。
【0014】
図1は、デジタルコンピュータを用いたマイクロアセンブリ制御で使用する機械学習ベースの位置推定のためのシステム10を示すブロック図である。システム10は、微小物体などのいくつかの物体11を含む協調アセンブリを可能にする。物体11のサイズは、ナノスケール(<1μm)とマイクロスケール(1μm~数百のμm)との間で変化するが、他のサイズが可能である。物体11は球形であり得るが、長方形のような他の形状も可能であるが、更に他の形状もまた可能である。一実施形態では、球形物体11の直径は5μm~50μmであるが、他の直径も可能である。一実施形態では、矩形物体11の寸法は、200μmx300μmx100μmであり得るが、他の寸法も可能である。物体11は、包囲体(図示せず)内に収容された誘電流体(図示せず)に浸漬され、フィルム(図示せず)の層は、包囲体内に収容された誘電流体の下にある。一実施形態では、誘電流体は、テキサス州スプリングにあるExxonMobil Chemical Companyによって製造されたIsopar(登録商標)Mであるが、他の誘電流体17も可能である。誘電流体は、ジ-2-エチルヘキシルスルホコハク酸(AOT)電荷誘導性分子など、1つ以上の添加剤を含むことができるが、他の添加剤も可能である。物体11は、酸化アルミニウム(aluminum oxide、AlOx)から作製することができるが、他の材料も可能である。物体11の各々は、半導体チップ、集積回路、粒子、ナノデバイス、もしくは構造、又は電極のアレイが物理的に操作できる任意の物体であり得る。以下の説明では、物体11は、微小物体11と呼ばれるが、物体11を名称する他の方法が可能である。
【0015】
吊り下げられた微小物体11の下には、複数のプログラム可能な電極12は、アレイ35を形成し、電極12は、双電気泳動(「dielectrophoretic、DEP」)と電気泳動(「electrophoretic、EP」)力の両方で物体を操作するための動的ポテンシャルエネルギー地形を生成するように構成されている。フィルムは、電極12上に積層される。一実施形態では、電極は、正方形の形状であり得、かつ銅から作製され得るが、他の形状及び材料もまた可能である。一実施形態では、正方形電極12の寸法は、16μm幅及び100nm厚さとすることができるが、更なる実施形態では、他の寸法も可能である。アレイ35は、電極12の多数の列を含むことができ、各列は多数の電極12を含む。
【0016】
電極12によって生成される電位は、ガラス上に設定されたアクティブマトリックス光トランジスタバックプレーンを含む光トランジスタのアレイ13によって制御される。バックプレーン上の多数の光トランジスタは、アレイ13を形成し、アレイ13内の光トランジスタの各々は、単一の電極12によって生成された電位を制御している。特に、アレイ13内の光トランジスタの各々は、1つの電極12に取り付けられている。光トランジスタのアレイ13は、その開示が参照により組み込まれる、Ruppらの「Chiplet micro-assembly printer」2019 IEEE 69th Electronic Components and Technology Conference(ECTC)、1312~1315ページ、2019年5月号に記載されているものなど、追加の特性を有することができる。
【0017】
アレイ13は、静電エネルギー電位の動的制御及び多数の微小物体11の位置の操作を同時に可能にするために、ビデオプロジェクタ14によって光学的に対処される。特に、ビデオプロジェクタ14は、各光トランジスタ制御電極12に対処するために使用され、容易なズーム係数の変更及びより大きなアレイへのステッチングを可能にする。ビデオプロジェクタ14は、以下に更に説明するように、微小物体11の所望の運動を実現するために電極が発生させるべき電位という制御入力に基づいて生成される予め定められたパターン、画像37を投影することによって、電極12を作動させる。画像を構成するプロジェクタ14によって投影された画素光は、その光トランジスタによって電極12が充電されるように、アレイ内の各個々の光トランジスタ13を必要な程度まで充電するので、電極12が所望の電位を生成する。一実施形態では、最大+/-200Vの電圧は、これらの光トランジスタによって制御されて、動的に変化する複雑なポテンシャル地形を表示する。単一の電圧信号は、各画素上の電荷蓄積コンデンサへの光学アドレッシングと同期される。動的電界パターンは、投影された画像パターン(制御入力)をリフレッシュすることによって生成される。50μm、10μm、更に3μmピッチを有するアレイ13が構築され、ピッチは、光トランジスタが取り付けられている電極の中心間の距離である。誘電流体17媒体(isopar M)、及び様々な添加剤を使用して、電荷を制御する。
【0018】
システム10は、移動される微小物体11の場所を追跡する高速カメラ15を更に含む。ビデオプロジェクタ14及びカメラ15の両方は、1つ以上のコンピューティングデバイス16にインターフェース接続され、プロジェクタ14を介して電極12を制御して、所望の微小物体11パターンの形成を誘導することができる。他の微小物体11パターンも可能である。更なる実施形態では、(容量検知を利用するなどの)別の種類のセンサを使用して、微小物体の位置を測定し、追跡することができる。更に別の実施形態では、電極アレイ35は、一体型アクティブマトリックスアドレッシング電子機器を有することができ、アレイの各電極上の電位は、生成された所望の微小物体の動きに必要な電極電位が生成されると、電子的に更新される。アレイ13、電極12、ビデオプロジェクタ14、及びカメラ15の追加の特性は、その開示が参照により組み込まれる、Plochowietzらによる2020年7月2日に公開された米国特許公開出願第2020/0207617号に記載されている。また、アレイ14、電極12、ビデオプロジェクタ14、及びカメラ15と相互作用するシステム10の追加の構成要素が可能である。
【0019】
1つ以上のコンピューティングデバイス16間の接続は、例えば、1つ以上のコンピューティングデバイス16に物理的に近接するようにワイヤもしくは無線接続などを介して直接であり得るか、又は接続は、インターネットもしくはセルラーネットワークなどを介して1つ以上のコンピューティングデバイス16を物理的に遠隔にするために、インターネット作業を介し得る。1つ以上のコンピューティングデバイス16には、コンピュータプロセッサなどのデータ処理を実施する1つ以上の回路が含まれるが、データを処理するための他の種類の回路が可能である。一実施形態では、コンピュータプロセッサは、中央処理ユニット(CPU)、グラフィック処理ユニット(GPU)、又はCPUとGPUとの混合物であり得るが、更に他の種類のプロセッサ又はプロセッサの混合物が可能である。一実施形態では、プロセッサのうちの2つ以上は、その開示が参照により組み込まれる、Mateiらの「System and Method For Multi-Object Micro-Assembly Control With The Aid of A Digital Computer」という名称の2020年11月16日に出願された米国特許出願第17/098,816号に更に記載されているように、処理を並行して行うことができる。追加の効率及び改善されたスケーラビリティは、多数の粒子を追跡するため、及び電圧パターン生成のために並列計算能力によって取得することができる。更に別の実施形態では、CPU及びGPU以外の回路は、上記のデータ処理を実施することができる。
【0020】
1つ以上のコンピューティングデバイス16がサーバとして示されているが、他のタイプのコンピュータデバイスが可能である。コンピューティングデバイス16は、本明細書に開示される実施形態を実行するための1つ以上のモジュールを含むことができる。モジュールは、従来のプログラミング言語でソースコードとして書かれたコンピュータプログラム又は手順として実装することができ、オブジェクト又はバイトコードとしてプロセッサによる実行のために提示される。あるいは、モジュールはまた、集積回路として、又は読み取り専用メモリコンポーネントに燃焼されたハードウェアに実装され得、コンピューティングデバイス16の各々は、特殊なコンピュータとして機能することができる。例えば、モジュールがハードウェアとして実装される場合、その特定のハードウェアは、上記の計算及び通信を実行するために特化されており、他のコンピュータは使用できない。更に、モジュールが読み取り専用メモリコンポーネントに燃焼されると、読み取り専用メモリを記憶するコンピュータは、他のコンピュータができない上述した動作を実行するために特殊化される。ソースコード及びオブジェクトコード及びバイトコードの様々な実装形態は、フロッピーディスク、ハードドライブ、デジタルビデオディスク(DVD)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、及び同様の記憶媒体などのコンピュータ可読記憶媒体に保持することができる。他のタイプのモジュール及びモジュール機能、並びに他の物理的ハードウェアコンポーネントが可能である。例えば、コンピューティングデバイス16は、入力/出力ポート、ネットワークインターフェース、及び不揮発性記憶装置などのプログラマブルコンピューティングデバイスに見られる他の構成要素を含むことができるが、他の構成要素も可能である。コンピューティングデバイス16がサーバである実施形態では、サーバはまた、クラウドベース又は専用サーバであり得る。
【0021】
1つ以上のコンピューティングデバイス16は、記憶装置17にインターフェース接続され、システム10のパラメータ19を取得し、パラメータ19を記憶装置17に記憶するハイブリッドモデル作成器18を実行する。パラメータ19は、微小物体11の直径、電極12の寸法、誘電流体定数(例えば、ε=2)電極12の固定位置、微小物体11及び電極12の材料、並びに微小物体11と電極12との間の垂直距離(微小物体11の「高さ」)を含み得る。他のパラメータ19が依然として可能である。ハイブリッドモデル作成器18はまた、特定の微小物体11の位置を予測するためのハイブリッドモデル24を作成し、これはまた、記憶装置17に記憶することができる。ハイブリッドモデル24は、生成された制御信号(及び結果として、電極によって生成される電位)、特定の時間における微小物体11の速度、及びカメラ15によって捕捉された微小物体画像29に基づいた開始位置28(作動前の位置)に基づいて、電極作動後の微小物体11の位置を予測する物理学ベースのモデル26を含む。物理学ベースのモデルの例は、J.Willard,X.Jia,S.Xu、M.Steinbach、及びV.Kumarによって「Integrating physics-based modeling with machine learning:A survey,」、arXiv:2003.04919[physics.stat](2020)に記載されており、その開示は、参照により組み込まれるが、他の物理学ベースのモデル26が可能である。ハイブリッドモデル24は、1つ以上の機械学習モデル27を更に含む。機械学習モデルは、深層モデル(複数の層で作製されたニューラルネットワークを利用する機械学習モデル)、線形モデル、高密度モデル、自己回帰和分移動平均(Autoregressive Integrated Moving Average、ARIMA)モデル、リカレントニューラルネットワーク(recurrent neural network、RNN)モデルを含むことができるが、他の種類の機械学習モデルが可能である。一実施形態では、ARIMAモデルのSimpleRNN層は、LSTM(長期短期記憶、RNNアーキテクチャ)に変更することができるが、他の種類のARIMAモデルが可能である。上述のように、物理学ベースのモデル26が、システム10の決定論的挙動を考慮に入れる一方、機械学習モデル27は、システム10の決定論的態様を考慮に入れる。したがって、システム10の全体としての挙動は、物理的モデルf(X、θ)の関数としてYによって与えられることができ、式中、Xは、システム10の以前の作動と関連付けられた、記録されたデータ(以下では訓練データ22と呼ばれる)であり、θは、パラメータであり、фは、фが確率論的ノイズモデルのノイズパラメータであり、システム挙動は、入力及び訓練可能な重みの関数であるニューラルネットワーク関数NN(X、W)(機械学習モデル27と関連付けられた)によって更に表現される。
【0022】
ハイブリッドモデル24は、訓練データ21を使用して構築される。訓練データには、(1)制御入力が電極を作動させる前の、微小物体11の位置及び速度を最小限度とする、微小物体の入力状態(ただし、向き及び角度などの他の状態も含むことができる)、(2)ビデオプロジェクタ14によって光トランジスタ制御電極12に適用される照明パターン(電極によって生成される電位を示す)又は微小物体11に加えられた別の力などの制御動作、(3)入力データから生じる出力状態(微小物体11の位置は、特定の時間及び微小物体の速度での作動後に達成される)を含む、微小物体11の動きと関連付けられた状態が記述される。訓練データ22は、図11に示されるように、ハイブリッドモデル24を構成する一連のパラメトリックモデルの教師あり訓練に使用される。図11に示される「従来」モデルは、物理学ベースのモデル24と、例えば、残差上の、及び残差に更なるモデルを適合させるモデル2のニューラルネットワークモデル(図11に示される)とすることができる。
【0023】
ハイブリッドモデルは、内挿データ33(内挿されたデータ33とも呼ばれる)及び外挿データ23(外挿されたデータ23とも呼ばれる)を使用して試験され、これらは、以下で更に説明するように、試験データ101として使用される。内挿データ33は、最初に訓練データ22と同じデータセットの一部とすることができ、入力状態、制御動作、及び値が訓練データ21の値の範囲内にある出力状態を含む。また、外挿された訓練データ23は、訓練データ21と同じデータセットの一部とすることができ、入力状態、制御動作、及び出力状態も含むが、入力状態、制御動作、及び出力状態のうちの少なくとも1つの値が、入力状態、制御動作、及び訓練データ21の出力状態の値の範囲外にあることを含む。例えば、微小物体11の位置、速度、又は微小物体11に適用される作動のうちの少なくとも1つは、訓練データ21で使用される値を超えて拡大する値のためのものである。
【0024】
図5A及び図5Bは、実験(21の記録された)データの注釈付き明視野画像であり、微小物体11は、白い円で強調表示され、微小物体が遷移する中間のターゲット位置のセットは、マゼンタ色の正方形によって強調表示されている。図5A及び図5Bは、2つの異なるターゲット位置のセットを有する2つの異なる実験を示す。この実験データ21は、訓練データ22として使用することができる。図12は、複雑な船体に関して定義されたときの、訓練データ22と、外挿されたデータ23と、内挿されたデータ33との間の関係の図である。更に他の種類の訓練データが可能である。
【0025】
図2の参照を始めとして以下で更に説明するように、ハイブリッドモデル24は、多くの段階で実装される勾配ブースティングを使用して作成され、その間に、1つ以上の物理学ベースのモデルは、損失関数を選択することによって訓練され、次の段階は、残差31及び以前の入力を新しい入力として使用して別のモデル(機械学習モデル27)を選択し、次の段階のパラメータをブースト(訓練)するための損失を選択することによって実装され、追加のモデルの作成が、この様式で複数回繰り返される。
【0026】
したがって、勾配ブースティングの間、最初に、少なくとも1つの物理学ベースのモデル26が定義され、次に、損失関数30(白化目的関数30とも呼ばれる)が、出力訓練データ22(作動後の特定の時間における微小物体11の位置)と、入力訓練データに基づいて同じ作動の後の、出力訓練データによって記述される同じ時間における微小物体11の達成位置に関する物理学ベースのモデル26を使用することにより行われる1つ以上の予測との間の差異を分析するために使用される。その分析の結果は、1つ以上の残差31(擬似残差31としても知られている)であり、各残差31は、1つの入力訓練データ22に基づいて物理学ベースのモデル26によって予測される1つの位置と、その予測が行われた1つの入力訓練データ22から生じる1つの出力訓練データ22との間の差異を記述する。続いて、次の段階の間、第1の機械学習モデル27は、最初の物理学ベースのモデル26を使用して導出された残差31を使用して構築され、第1の機械学習モデル27は、物理学ベースのモデル26の一般化された残差31に基づいて適合される。続いて、次の段階の間、残差31は、上記と同じ方法である損失関数30を使用して、訓練データ22に基づいて、第1の機械学習モデルに対して生成され、入力訓練データ22に基づいて予測された微小物体位置と、出力訓練データ21内の位置との間の差異を処理する。第1の機械学習モデル30からの残差31は、別の深層モデルを定義するために使用され、第2の深層モデルの残差31は、上記と同じ方法で計算される。1つの機械学習モデル27の一般化された残差を次の機械学習モデル27に適合することにより、所望の数のモデル26、27が生成されるまで複数の段階でカスケードとして継続される(所望の数のモデルは、一実施形態では、ある数のモデル26、27を含むハイブリッドモデルの精度に関する過去のデータに基づいており、更なる実施形態では、所望の数のモデル26、27は、所定数のモデルが所望の精度を生成するかどうかについての実証的な試験に基づいて設定される)。上記の説明では、単一の物理学ベースのモデル26のみがハイブリッドモデル24の一部として使用されるが、更なる実施形態では、複数の物理学ベースのモデル26をハイブリッドモデルの一部として使用することができる。ハイブリッドモデル24内の1つ以上の物理学ベースのモデル26は、予測がランダムな推測よりもわずかに良好であるだけのモデルである弱い学習器として機能し、訓練された機械学習モデル27は、弱い学習器よりも高い予測精度を有する強い学習器として機能する。モデル26、27の全ての予測は、異なるモデルの重みから予測を割り当て、その予測を平均化することなどによって、ハイブリッドモデル24の単一の予測に集約されるが、予測を集約するための他の方法も可能である。例えば、様々なモデル段階26、27の予測は、残差が差異ではなく因子として表現される場合、以下の式(2)に従ってハイブリッドモデル24の結合された予測に合計として、又は積の改良として集約することができる。様々な段階にも様々な重みを割り当てることができる。数学的に、ハイブリッドモデラ18によって実施される勾配ブースティングは、以下のように定義することができる。
【0027】
一連のM個の学習器を使用して、予測出力を改良する。弱い(又はベース)モデルは、予測可能であるが複雑な部分を捕捉するための機械学習モデルに続く物理学/決定論的モデル26を含む。
【0028】
【数2】
【0029】
式中、Mは、繰り返しの回数であり、
【0030】
【数3】
は、最初の推測値であり、
【0031】
【数4】
は、近似のブースト又は更なるファミリである
【数5】
【0032】
式中、
【0033】
【数6】
【0034】
式中、Ψ(.,.)は、段階Iの損失関数である。要約すると、順次方法は、特定の損失関数を使用して、モデルが以前の段階の残差に適合される複数の段階を含む。アセンブリ又は物理システムのドメイン知識を包含する物理的モデルの現在の場合では、第1の段階である。
【0035】
図11は、一実施形態による、勾配ブースティングを示す図である。
【0036】
図1に戻ると、訓練データ22は、ハイブリッドモデル24の作成後に、残差31を計算するために使用されているが、ハイブリッドモデラ18は、外挿された試験データ23及び内挿された試験データ33を使用して、ハイブリッドモデル24によって行われた予測を試験する。最初に、ハイブリッドモデル24は、内挿試験データ33に対して試験される。入力内挿されたデータ33に基づいてハイブリッドモデル24によって行われた位置予測が、出力内挿データ33(モデル24が十分に訓練されたことを示す)からのある誤差閾値内にある場合、ハイブリッドモデル24は、変化しないままである。ハイブリッドモデル24によって行われた位置予測が誤差閾値外にある場合、ハイブリッドモデル24は、修正される。そのような試験は、ハイブリッドモデル24の過剰適合を防止する。内挿データ33を用いた試験の後に、ハイブリッドモデルは、上記の内挿データ33と同じ方法である、入力外挿データ23に基づいてハイブリッドモデル24によって行われた位置予測を出力外挿データ23と比較することによって、外挿試験データ23を用いて試験される。入力外挿データ23に基づいてハイブリッドモデル24によって行われた位置予測が、出力内挿データ23からの特定の誤差閾値内にある場合、ハイブリッドモデル24は、変化しないままである。ハイブリッドモデル24によって行われた位置予測が誤差閾値外にある場合、ハイブリッドモデル24は、修正される。外挿データ23セットを使用するそのような試験は、それらハイブリッドモデル24が、単一の訓練データ22セットにのみ結び付けられるのではなく、十分な予測能力及び外挿能力を有することを確実にするのに役立つ。
【0037】
上述のように、以下にΨ(.,.)として示される損失関数30は、勾配ブースティングの段階の各々の間の残差31の計算中に使用され、損失関数30は、段階の各々についてハイブリッドモデル作成器18によって選択されなければならない。関数30の損失は、ハイブリッドモデル24が予測しようとしているデータと関連付けられた(及び結果としてハイブリッドモデル24を構築する各段階と関連付けられた)確率論的モデル102(モデル化されたシステムの態様を説明し、動作から動作まで変化することができるモデル)に基づいて選択される。例えば、ハイブリッドモデル24が連続データを予測するために使用されるとき(微小物体11の位置の場合など)、確率論的モデル102は、ガウスモデルである。予測データがカウントされている場合、確率論的モデル102は、ポアソンモデルである。予測モデルがカテゴリである場合、確率論的モデル102は、多項モデルである。更に他の種類の確率論的モデル102が可能である。
【0038】
異なる損失関数30を、勾配ブースティングの異なる段階で使用することができる。物理学ベースのモデル26のときの残差を計算する間に使用することができる1つの損失関数30は、平均平方誤差(mean squared error、MSE)である。
【0039】
【数7】
は、十分であり、式中、
【0040】
【数8】
は、残差の自己相関関数のi番目の遅延である。
=y-f(x) (6)
【0041】
しかしながら、MSEは、一般に、確率論的モデル102が、通常、独立同一分布(independent,identical distributed、IID)ランダム変数を仮定している状態で、上記のように計算された残差が確率論的モデル102と互換性があることを確実にするものではない。したがって、ハイブリッドモデル作成器18は、勾配ブースティングの各段階の間に計算された残差31を、分散σを伴うゼロ平均ガウスなどの自己相関関数を使用する確率論的モデル102と比較する。損失関数30を選択するために、ハイブリッドモデル作成器18は、Ljung-Box(Ljung-Box、LJB)損失関数を使用することができる。
【0042】
【数9】
式中、ρは、遅延kにおける自己相関関数であり、nは、サンプルサイズである。
【0043】
LJB関数を使用すると、損失関数30を使用して生成された非相関残差31及び確率論的モデル102との残差の適合性を確保する。式(7)では、Lは、可能な相関よりも大きいハイパーパラメータである。勾配ブースティングの各段階については、損失関数を使用して、出力残差31を所望の目標に向かって駆動する(損失関数を最適化する)ように選択される。その後の作動の計画を立てることにより、制御ループ待ち時間を補償することを可能にし、したがってシステム10の性能を改善する。一実施形態では、フレームレートが60Hz毎(ただし、フレームレートの他の値が可能である)で、粒子11が物理的位置にあるときから粒子がその位置にあると(画像処理分析の画像転送及び計算コストにより)評価されるときまで、約2~3フレームの制御ループと、作動のための約1フレームの遅延(粒子がある位置にあると決定されたときから電極電位が粒子11を移動させるために生成されるときまでの遅延)とが発生する。制御ポリシー34は、この3~4フレームの遅延を補償し、3~4フレームの前に粒子位置を推定することを可能にする。
【0044】
微小物体11を所望の位置35に移動させるには、ほとんどの場合、複数回の作動を要するので、各作動後に微小物体11の正確な開始位置28を有することは、微小物体11を所望の位置35に向けて最も迅速に移動させるために、その後の作動の間に適切な電位を生成するのに極めて重要である。図2は、一実施形態による、デジタルコンピュータを用いたマイクロアセンブリ制御で使用する機械学習ベースの位置推定のための方法40を示すフロー図である。方法40は、図1のシステム10を使用して実装することができる。最初に、システム10のパラメータ19が取得され、パラメータ19を使用して制御モデル39が生成される(ステップ41)。図3を参照して以下で更に説明されるように、訓練データ22が取得される(ステップ42)。図4を参照して以下で更に説明されるように、1つ以上の微小物体11の位置を予測するためのハイブリッドモデル24が構築される(ステップ43)。ハイブリッドモデル24の精度は、図1を参照して上記のような内挿データ33を使用して試験され(ステップ44)、試験の結果が満足のいくものであり、試験に合格した場合(ステップ45)、方法はステップ46に移る。試験の結果が満足のいくものでない場合、ルーチンはステップ43に戻る。ハイブリッドモデル24の精度は、図1を参照して上記のような外挿データを使用して更に試験され(ステップ46)、試験の結果が満足のいくものであり、試験に合格した場合(ステップ47)、方法はステップ48に移る。試験の結果が満足のいくものでない場合、ルーチンはステップ43に戻る。
【0045】
ユーザなどから、微小物体11のうちの1つ以上の所望の位置が受信される(ステップ48)。微小物体11の開始位置28は、微小物体11が静止している場合、カメラ15によって捕捉された画像29のみを使用するか、又は以前の作動が行われ、微小物体11が現在動いている(したがって、制御ループ待ち時間が、ここではそれらの位置を決定する際の要因である)場合、ハイブリッドモデル24(画像29から導出されるデータを考慮に入れる)を使用するかによって取得される(ステップ49)。微小物体11を所望の位置35に向かって移動させるための制御ポリシー34は、開始位置28、制御モデル39、及び所望の位置35を使用して生成され(ステップ50)、電極12は、制御ポリシー35を使用してビデオプロジェクタ14を介して作動される(ステップ51)。作動後に所望の位置35が達成された場合(ハイブリッドモデル24を使用して決定されるなど)(ステップ52)、方法40は終了する。所望の位置が達成されていない場合、方法40はステップ50に戻る。
【0046】
記録されたデータ21は、ハイブリッドモデル24の訓練及び試験の両方に必要である。図3は、一実施形態による、図2の方法40で使用する訓練データ22及び試験データ101を生成するためのルーチン60を示すフロー図である。記録されたデータ21のセットが取得され(ステップ61)、訓練データ22と試験データ101とに分割され、試験データには、内挿データ33(データは、訓練データ22としてデータセットの境界内にある)及び外挿データ23(データは、訓練データ22としてデータセットの境界外にある)が含まれ(ステップ62)、ルーチンを終了する。一実施形態では、訓練データとして使用されるデータは、データセットの80%であり、試験データ101として使用されるデータは、データセットの20%であるが、他の割合も可能である。
【0047】
勾配ブースティングを使用して構築されたハイブリッドモデル24は、システム10の確率論的及び決定論的ダイナミクスの両方を考慮に入れることにより、特定の時間(予測された位置を使用した電極作動が行われる時間)における微小物体の11の位置のより正確な予測を達成するために、少なくとも1つの物理学ベースのモデル26及び1つ以上の機械学習モデル27からの予測を組み合わせる。図4は、一実施形態による、図2の方法40で使用するハイブリッドモデル24を構築するためのルーチン70を示すフロー図である。最初に、ハイブリッドモデル24に含まれる複数のモデル26、27は、ユーザ入力などに基づいて、いくらかのモデル26、27を有するハイブリッドモデル24の過去の性能に基づいて、又は方法60の間に作成されるハイブリッドモデル24の継続的な試験に基づいて、設定される(ステップ71)。パラメータ19などを使用して、物理学ベースのモデル26が定義される(ステップ72)。1つ以上の予測は、特定の時間における1つ以上の微小物体11の位置に関して行われ、1つ以上の入力記録されたデータ21に基づいて、物理学ベースのモデル26を使用して行われる(ステップ73)。図1を参照して上記のように予測されるデータと関連付けられた確率論的モデル102及び損失関数30は、図1を参照して上記のように選択される(ステップ74)。1つ以上の残差31は、物理学ベースのモデルを使用して行われた予測と、予測を行うために使用される入力データと関連付けられた出力データ(入力データと関連付けられた作動によって達成される、記録された微小物体位置)との間の差異に基づいて、選択された損失関数30を使用して計算される(ステップ75)。繰り返し処理ループ(ステップ76~81)は、全ての残りのモデルについて開始される。モデルは、前述のモデルの残差に基づいて構築(適合)される(ステップ77)。予測は、特定の時間における1つ以上の微小物体11の位置に関して行われ、1つ以上の入力記録されたデータ21に基づいて、ステップ77で構築されたモデルを使用して行われる(ステップ78)。確率論的モデル102は、図1を参照して上記のように予測されるデータのために選択され、損失関数30は、図1を参照して上記のようにステップ77で構築されたモデルの確率論的モデル102に基づいて選択される(ステップ79)。1つ以上の残差31は、ステップ77で構築されたモデルを使用して行われた予測と、予測を行うために使用される入力データと関連付けられた出力データ(入力データと関連付けられた作動により、予測に使用されるのと同時に達成される、記録された微小物体位置)との間の差異に基づいて、選択された損失関数30を使用して計算される(ステップ80)。ステップ76~81の処理ループは、ステップ71で設定されたハイブリッドモデル24に含まれる複数のモデル26、27(ステップ62で定義された物理学ベースのモデル26を含む)が達成されるまで、次のモデルに移動し(ステップ81)、ルーチン70を終了する。上記の説明では、一実施形態において、ループ76~81の間に作成されたモデルの全ては、機械学習モデル27とすることができる。更なる実施形態では、ループ76~81の間に作成されたモデルのうちの少なくともいくつかは、物理学ベースのモデル26とすることができる。更に別の実施形態では、機械学習モデル27は、物理学ベースのモデル26の代わりに、ステップ72の間に作成することができ、少なくとも1つの物理学ベースのモデルは、ループ75~81の間に作成することができる。
【0048】
上記のハイブリッドモデル24を使用する利点は、実験的に試験されたことであり、実験データは、例示の目的で、限定ではなく、以下に示される。モデル24は、frugally-deep cppライブラリを使用してシステム10に実装されており(他の実装が可能であるが)、モデル24の性能は、以下の推定器1.0と呼ばれるものと比較され(ハイブリッドモデル24が採用されていないことを除いて、システム10と同様のシステムを使用して実装される)、推定器1.0は、時間1-#n*1/60sの制御サイクル待ち時間、制御サイクル遅延のための、推定された定数、#nにおけるフィードバック制御内の測定された位置を使用することによって、時間1における粒子位置を推定する。また、ハイブリッドモデル24の性能は、ハイブリッドモデル24の代わりに、機械学習モデル26のみが粒子位置を決定するために使用されることを除いて、システム10と同様のシステムの性能と比較された。図6は、機械学習モデル27(「RNNでブーストされた推定器1.0」)としてRNNモデルを含んだハイブリッドモデル24の使用、粒子位置を予測するためのARIMAモデルのみの使用、粒子位置を予測するためにRNNモデル(2つの機械学習モデル26)でブーストされたARIMAモデルの使用、及び機械学習モデル27としてのRNNモデルの使用と比較されたときの推定器1.0の試験結果を示す図である。ARIMAモデルを含んだハイブリッドモデル24、及びRNNモデルを含んだハイブリッドモデルは、推定器1.0よりも微小物体11(「粒子」と呼ばれる)の位置(ボックスによって囲まれているx、y)に関して2倍以上のより良好な予測を示した。これらの結果は、図5Aを参照して示される、記録されたデータ21を使用して得られた(位置は「ウェイポイント」とも呼ばれる)。
【0049】
外挿されたデータ23が試験に使用されても、ハイブリッドモデル24は、推定器1.0よりも良好な結果を示す。図7は、外挿試験データセット内のARIMAモデル及びRNNモデルに対する推定器1.0の使用の結果を示す図である。ARIMAモデルを含んだハイブリッドモデル24、及びRNNモデルでブーストされたARIMAモデルを含んだハイブリッドモデル24は、x及びy(ボックスによって囲まれている)における粒子(微小物体11)位置の約1.5倍のより良好な予測を示したが、RNNモデルは、外挿試験データセット(ボックスによって囲まれている)で最も悪い結果を示した。
【0050】
図8は、監視されていない訓練されたシステムIDモデルを使用した外挿データセット全体のシミュレーション(約50分)を示す図である。RNNでブーストされたARIMAモデルを含んだハイブリッドモデル24は、約10カメラ画素の累積RMSE誤差、10umの球形粒子(微小物体11)の最終位置に対する5umの不正確さで最も高い結果を示した。推定器1.0は、約200~300カメラ画素(最終粒子位置の約100~150umの不正確さ)の累積RMSE誤差をもたらした。
【0051】
図9は、監視されていない訓練されたシステムIDモデルを使用した外挿データセットのシミュレーションを示す図である。RNNでブーストされたARIMAモデルを含んだハイブリッドモデル24は、真(灰色)で最も高い結果を示し、約10カメラ画素の累積RMSE誤差、10umの球形粒子(微小物体11)の最終位置に対する5umの不正確さでわずかに逸脱する(黒)粒子位置を予測した。推定器1.0の使用により、約200~300カメラ画素(最終粒子位置の約100~150umの不正確さ)の累積RMSE誤差がもたらされた。RNNモデルは、粒子位置を正確に予測しなかった。
【0052】
【表1】
【0053】
ハイブリッドモデル24はまた、純粋な機械ベースの学習モデルを使用するよりも良好な結果を示す。表1は、ハイブリッドモデル24(表1では推定器2.0と呼ばれる)と、frugally-deep(cpp)を使用して実装された線形モデル、高密度モデル、及びArimaモデルの比較精度を示す。モデルは、2時間のランダムに生成されたウェイポイントセット(微小物体位置)で訓練され、マイクロアセンブラソフトウェアのシミュレータモードで新しいウェイポイントセットで1分間試験された。ARIMAモデルは再び、改善された推定器モデル推定器2.0と比較して、粒子位置を予測する際に2倍の改善を示した(色の濃いボックス)。実装形態では、数百個の粒子(微小物体11)の位置を予測するために60Hz(制御サイクルクロック)よりも速く動作するが、この特定の実験では、1000個の粒子まで拡張できなかった(色の薄いボックス)。
【0054】
図10A及び図10Bは、試験推定器2.0(ハイブリッドモデル24)と、frugally-deep(cpp)を使用してマイクロアセンブラソフトウェアに実装された線形モデル、高密度モデル、及びARIMAモデルを示す図である。図10Aは、改善された推定器2.0モデルと比較して、ArimaモデルをブーストしたRNN(LSTM)に対して>1であるカメラ画素によって減少された平均予測誤差率を示す。図10Bは、この特定の実験において、1000個の粒子に拡大していないが、<300個の粒子(微小物体11)の位置を予測するために、60Hz(内部制御サイクルクロック)よりも速く動作する深層モデル及びRNNモデルを使用した実装形態を示す。
【0055】
本発明は、その実施形態を参照して特に示され説明されてきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態及び詳細の前述及び他の変更がその中で行われ得ることを当業者は理解するであろう。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9-1】
図9-2】
図9-3】
図10A
図10B
図11
図12