(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022179382
(43)【公開日】2022-12-02
(54)【発明の名称】目詰まり防止機構を有するコールドプレート
(51)【国際特許分類】
H01L 23/473 20060101AFI20221125BHJP
G06F 1/20 20060101ALI20221125BHJP
H05K 7/20 20060101ALI20221125BHJP
【FI】
H01L23/46 Z
G06F1/20 A
G06F1/20 C
H05K7/20 N
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022078703
(22)【出願日】2022-05-12
(31)【優先権主張番号】63/191,648
(32)【優先日】2021-05-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/445,374
(32)【優先日】2021-08-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】508018934
【氏名又は名称】廣達電腦股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Quanta Computer Inc.
【住所又は居所原語表記】No.188,Wenhua 2nd Rd.,Guishan Dist.,Taoyuan City 333,Taiwan
(74)【代理人】
【識別番号】100108833
【弁理士】
【氏名又は名称】早川 裕司
(74)【代理人】
【識別番号】100162156
【弁理士】
【氏名又は名称】村雨 圭介
(72)【発明者】
【氏名】陳 朝榮
(72)【発明者】
【氏名】黄 玉年
(72)【発明者】
【氏名】李 國▲ウェイ▼
【テーマコード(参考)】
5E322
5F136
【Fターム(参考)】
5E322AA01
5E322AA05
5E322AA11
5E322DA01
5E322DA04
5E322EA05
5E322FA01
5F136CB07
5F136CB08
5F136FA02
5F136FA03
5F136FA34
5F136GA02
(57)【要約】 (修正有)
【課題】目詰まり防止機構を有するコールドプレートを提供する。
【解決手段】コールドプレートは、下部供給マニホールドハウジング140及び下部回収マニホールドハウジングを有する蓋部材112と、複数のフィン212によって画定された複数の冷却剤チャネルを含むベース部材110を有する。各フィンは、上部セクション226と、底部セクションと、弧状セクション224と、を有する。底部セクションは、内面220に取り付けられる。弧状セクションは、上部セクションと底部セクションの間にあり、各フィンの弧状セクション、ベース部材の内面及び下部供給マニホールドハウジングによって内部空洞が画定されており、フィンの上部セクションで下部供給マニホールドハウジングによって内部角部190が形成されているベース部材と、冷却剤を受けるためのコネクタを有し、上部入口マニホールド120と、上部出口マニホールドと、を備える。
【選択図】
図2E
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発熱部品を冷却するためのコールドプレートであって、前記コールドプレートは、
下部供給マニホールドハウジング及び下部回収マニホールドハウジングを有する蓋部材と、
前記発熱部品と接触するための外面と、反対側の内面と、を有するベース部材であって、前記ベース部材は、複数のフィンによって画定された複数の冷却剤チャネルを含み、各フィンは、上部セクションと、底部セクションと、弧状セクションと、を有しており、前記底部セクションは、前記内面に取り付けられており、前記弧状セクションは、前記上部セクションと前記底部セクションとの間にあり、各フィンの前記弧状セクション、前記ベース部材の前記内面、及び、前記下部供給マニホールドハウジングによって内部空洞が画定されており、前記フィンの前記上部セクションで前記下部供給マニホールドハウジングによって内部角部が形成されている、ベース部材と、
冷却剤を受けるためのコネクタを有する上部入口マニホールドであって、前記下部供給マニホールドハウジングと流体連通している上部入口マニホールドと、
冷却剤を循環させるためのコネクタを有する上部出口マニホールドであって、前記下部回収マニホールドハウジングと流体連通している上部出口マニホールドと、を備えるコールドプレート。
【請求項2】
前記下部供給マニホールドハウジングは入口開口を含む、請求項1に記載のコールドプレート。
【請求項3】
前記下部供給マニホールドハウジングは、前記下部供給マニホールドハウジングの長さにわたって間隔を空けて配置された複数の入口開口を含む、請求項1に記載のコールドプレート。
【請求項4】
前記入口マニホールドの前記コネクタはチューブコネクタを含む、請求項1に記載のコールドプレート。
【請求項5】
前記蓋部材及び前記ベース部材は、銅、銅合金、ステンレス鋼及びアルミニウム合金のグループのうち何れかから製造されている、請求項1に記載のコールドプレート。
【請求項6】
前記蓋部材及び前記ベース部材は一緒にはんだ付けされている、請求項1に記載のコールドプレート。
【請求項7】
前記入口マニホールドは、前記下部供給マニホールドハウジングに対して回転可能である、請求項1に記載のコールドプレート。
【請求項8】
前記蓋部材は、前記下部供給マニホールドハウジングと前記下部回収マニホールドハウジングとの間に配置されたカバープレート部材を更に含み、前記蓋部材は、前記複数のフィンの前記上部セクションに接触している、請求項1に記載のコールドプレート。
【請求項9】
コンピュータシステムであって、
発熱コンピュータ部品と、
高温冷却剤コネクタと、
低温冷却剤コネクタと、
コールドプレートと、を備え、
前記コールドプレートは、
下部供給マニホールドハウジング及び下部回収マニホールドハウジングを有する蓋部材と、
前記発熱コンピュータ部品に接触する外面と、反対側の内面と、を有するベース部材であって、前記ベース部材は、複数のフィンによって画定された複数の冷却剤チャネルを含み、各フィンは、上部セクションと、前記内面に取り付けられた底部セクションと、前記上部セクションと前記底部セクションとの間の弧状セクションと、を有しており、各フィンの前記弧状セクション、前記ベースの前記内面、及び、前記下部供給マニホールドハウジングによって内部空間が画定されており、前記フィンの前記上部セクションで前記下部マニホールドハウジングの下部供給マニホールドハウジングによって内部角部が形成されている、ベース部材と、
前記低温冷却剤コネクタから冷却剤を受けるためのコネクタを有する上部入口マニホールドであって、前記下部供給マニホールドハウジングと流体連通している上部入口マニホールドと、
冷却剤を前記高温冷却剤コネクタに循環させるためのコネクタを有する上部出口マニホールドであって、前記下部回収マニホールドハウジングと流体連通している上部出口マニホールドと、を含む、
コンピュータシステム。
【請求項10】
前記上部入口マニホールドの前記コネクタは、前記低温冷却剤コネクタに流体結合された管に結合されたチューブコネクタを含む、請求項9に記載のコンピュータシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2021年3月21日に出願された米国仮特許出願番号第63/191648号の「Anti-clog of Efficient Cold Plate in Liquid Cooling」の優先権を主張するものであり、これらの全ては引用によって本願に援用される。
【0002】
本発明は、液体冷却システムに関し、特に、デブリが内部チャネルを詰まらせるのを防ぐために配置された異なるレベルのマニホールドを有するコールドプレートに関するものである。
【背景技術】
【0003】
サーバー等の電子部品は、共通の電源から電力供給される多くの電子部品を含む。サーバーは、コントローラ、プロセッサ、メモリ等の内部電子機器の動作により、大量の熱を発生する。このような熱を効率的に除去することができないことによる過熱は、このような装置の動作を停止又は阻害する可能性がある。従って、現在のサーバーは、サーバーの内部を通る気流に頼って、電子部品から発生した熱を運び去るように設計されている。サーバーは、多くの場合、処理ユニット等の電子部品に取り付けられた様々なヒートシンクを含む。ヒートシンクは電子部品からの熱を吸収するため、部品から熱を伝達排除する。ヒートシンクからの熱は、サーバーから排出する必要がある。このような熱を排出するための気流は、多くの場合、ファンシステムによって生成される。
【0004】
高性能システムの向上により、電子部品の世代が新しくなる毎に、除去する必要のある熱量が大きくなっている。より高性能な部品の出現により、ファンシステムと組み合わせた従来の空冷では、新世代の部品によって生成された熱を十分に除去するのが不十分である。液体冷却の開発が、冷却を向上させる必要性によって発展してきている。液体冷却は、液体冷却による優れた熱性能により、迅速な除熱のために現在受け入れられているソリューションである。室温では、空気の熱伝達係数はわずか0.024W/mKであるが、水等の冷却材の熱伝達係数は空気の24倍の0.58W/mKである。従って、液体冷却は、熱源からラジエーターに熱を伝達排除するのにより効果的であり、騒音を出さずに、重要な部品から除熱することができる。
【0005】
ラックレベルの液体冷却システムの設計では、冷却液源は、熱交換を促進するための閉ループ冷却システムと開ループ冷却システムとを含む。既知の閉ループ液体冷却システムは、熱交換を用いて、サーバー等の熱源から加熱された温水を冷却している。次いで、ファン壁に近接したラジエーター等の開ループシステムを介して、閉ループ液体冷却システムの温水から除熱される。閉ループ冷却システムは、熱源と熱交換器とを含む。液流管(liquid flow pipe)は、冷却液を熱源に運ぶ。熱源で発生した熱は、冷却液に伝達される。液流管は、加熱された液体を熱源から運び去る。
【0006】
ラックは一連のサーバーを搭載している。各サーバー内では、導入管(inlet tube)が、冷却液を、プロセッサチップ等の発熱性電気部品に取り付けられたコールドプレートに運ぶ。コールドプレートは、コールドプレート内で冷却剤を循環させる内部導管又はチャネルのネットワークを有する。サーバー内の各プロセッサは、専用のコールドプレートを有してもよいし、コールドプレートを別のプロセッサと共有してもよい。プロセッサによって生成された熱はコールドプレートに伝達され、次に、コールドプレートを通って循環する冷却液に伝達される。出口管(outlet tube)は、加熱された液体をコールドプレートから運び去る。
【0007】
図1Aは、部品に取り付けられたコールドプレートを有する従来技術のサーバー10の斜視図である。サーバー10は、メモリカード16及びプロセッサ18等の部品を実装した回路基板14を有するシャーシ12を含む。この例では、4つのコールドプレート22,24,26,28が、プロセッサ18等の発熱性電気部品の上に実装されており、プロセッサ18から熱を伝達排除する。一連の管30が、冷却剤をコールドプレート22,24,26,28に循環させ、加熱された冷却剤を回収するように設けられている。一般に、シャーシ12は、熱交換器が実装されたラックに流体連通され得る流体コネクタを含む。
【0008】
図1Bは、
図1Aのコールドプレート22の斜視図である。コールドプレート22は、ベース部材40及び蓋部材42を含む。蓋部材42は、入口コネクタ(inlet connector)44及び2つの出口コネクタ(outlet connector)46を含む。入口コネクタ44は、
図1Aの管30のうち何れかに連結されており、コールドプレート22に冷却剤を供給することができる。加熱された冷却剤は、2つの出口コネクタ46に集められ、
図1Aの別の管30を通って再循環される。
図1Bに示すように、冷却剤は、入口コネクタ44に入り、コールドプレート22の中心に導かれる。加熱された冷却剤は、蓋部材42の側部に循環して、2つの出口コネクタ46のうち何れかに循環する。
【0009】
図1Cは、
図1Bのベース部材40の断面斜視図である。ベース部材40は、コールドプレート22を、プロセッサチップを保持するプロセッサソケットに篏合するためのファスナ58用の孔56を含む、2つのサイドタブ52,54を含む上面50を含む。蓋部材42は、一般に、上面50の中心にはんだ付けされる。上面50は、蓋部材42の対応する壁の篏合を可能にする窪み60を画定する。窪み60は、
図1Bの蓋部材42の入口コネクタ44から冷却剤を受ける入口スリット62を含む。スリット62は、冷却剤がベース部材40の底部から熱を吸収することを可能にするベース40の内部の一連の内部フィンに冷却剤を循環させることを可能にする。循環した冷却剤は、冷却剤が
図1Bの何れかの出口コネクタ46によってベース部材40の側部に集められたときに、熱を運び去る。従って、従来技術の設計のコールドプレート22は、冷却剤入口スリット62がベース部材40の中心にある分流した冷却剤経路を有する。しかしながら、この設計は、スリット62を通って冷却剤によって運ばれる粒子又は泥等のデブリで詰まり易い。このデブリは、ベース部材40の内部チャネルに捕捉され、それにより冷却剤の流れを阻害する可能性がある。さらに、このような分流設計は、表面積が異なる装置に冷却剤を効果的に分配しない単一の入口しかないため、1つのチップに任意の複数の熱源を適応させることができない。
【0010】
従って、冷却剤を均一に分配し、冷却範囲を最大化させることができるコールドプレートの設計が必要である。冷却剤の吸入流量を制御するコールドプレート機構も必要である。デブリが内部フィンに引っ掛かり、それにより冷却剤の循環を阻害するのを防ぐ別のコールドプレートの設計も必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
目詰まり防止機構を有するコールドプレートを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
実施形態という用語及び同様の用語(例えば、実施、構成、態様、例及びオプション等)は、本開示及び以下の請求項の発明の全てを広く指すことを意図している。これらの用語を含む記載は、本明細書に記載された発明を限定するものではなく、また以下の請求項の意味又は範囲を限定するものでもないことを理解されたい。本明細書でカバーされる本開示の実施形態は、本概要ではなく、以下の請求項によって定義される。この概要は、本開示の様々な態様の高レベルの概要であり、以下の詳細な説明のセクションでさらに説明されるいくつかの概念を紹介するものである。この概要は、請求された発明の重要な又は必須の特徴を特定することを意図していない。また、この概要は、請求された発明の範囲を決定するために単独で用いられることを意図していない。この発明は、本開示の明細書全体、一部又は全ての図面、及び、各請求項の適切な部分を参照することによって理解されるべきである。
【0013】
本開示の特定の態様によれば、発熱部品を冷却するための例示的なコールドプレートが開示される。コールドプレートは、下部供給マニホールドハウジング及び下部回収マニホールドハウジングを有する蓋部材を有する。コールドプレートは、発熱部品と接触する外面と、反対側の内面と、を有するベース部材を含む。ベース部材は、複数のフィンによって画定された冷却剤チャネルを含む。各フィンは、内面に取り付けられた上部セクション及び底部セクションを有する。内部空洞は、各フィンの弧状セクション、ベース部材の内面、及び、下部供給マニホールドハウジングによって画定される。内部角部は、フィンの上部にある下部マニホールドハウジングの下部供給マニホールドハウジングによって形成される。上部入口マニホールドは、冷却剤を受けるためのコネクタを有する。入口マニホールドは、下部供給マニホールドハウジングと流体連通している。上部出口マニホールドは、冷却剤を循環させるためのコネクタを有する。上部出口マニホールドは、下部回収マニホールドハウジングと流体連通している。
【0014】
例示的なコールドプレートのさらなる実施態様は、下部供給マニホールドハウジングが入口開口を含むことである。もう1つの実施態様は、下部供給マニホールドハウジングが、下部供給マニホールドハウジングの長さにわたって間隔を置いて配置された複数の入口開口を含むことである。もう1つの実施形態は、入口マニホールドのコネクタがチューブコネクタを含むことである。もう1つの実施形態は、蓋部材及びベース部材が、銅、銅合金、ステンレス鋼及びアルミニウム合金のグループのうち何れかから製造されることである。もう1つの実施形態は、蓋部材及びベース部材が一緒にはんだ付けされることである。もう1つの実施形態は、入口マニホールドが下部供給マニホールドハウジングに対して回転され得ることである。もう1つの実施形態は、蓋部材が、下部マニホールドハウジングの間に配置されたカバープレート部材を含むことである。蓋部材は、複数のフィンの上部セクションに接触している。
【0015】
本開示の特定の態様によれば、例示的なコンピュータシステムが開示される。コンピュータシステムは、発熱コンピュータ部品と、高温冷却剤コネクタと、低温冷却剤コネクタと、を含む。コンピュータシステムは、下部供給マニホールドハウジング及び下部回収マニホールドハウジングを有する蓋部材を有するコールドプレートも含む。コールドプレートは、発熱コンピュータ部品に接触する外面と、反対側の内面と、を有するベース部材を有する。ベース部材は、複数のフィンによって画定された冷却剤チャネルを含む。各フィンは、上部セクションと、内面に取り付けられた底部セクションと、上部セクションと底部セクションとの間の弧状セクションと、を有する。内部空洞は、各フィンの弧状セクション、ベースの内面及び下部供給マニホールドハウジングによって画定される。内部角部は、フィンの上部にある下部マニホールドハウジングの下部供給マニホールドハウジングによって形成される。上部入口マニホールドは、低温冷却剤コネクタから冷却剤を受けるためのコネクタを有する。入口マニホールドは、下部供給マニホールドハウジングと流体連通している。上部出口マニホールドは、冷却剤を高温冷却剤コネクタに循環させるためのコネクタを有する。上部出口マニホールドは、下部回収マニホールドハウジングと流体連通している。
【0016】
例示的なコンピュータシステムのさらなる実施態様は、下部供給マニホールドハウジングが入口開口を含むことである。もう1つの実施態様は、下部供給マニホールドハウジングが、下部供給マニホールドハウジングの長さにわたって間隔を置いて配置された複数の入口開口を含むことである。もう1つの実施形態は、入口マニホールドコネクタが、低温冷却剤コネクタに流体結合された管に結合されたチューブコネクタを含むことである。もう1つの実施形態は、蓋部材及びベース部材が銅から製造されることである。もう1つの実施形態は、蓋部材及びベース部材が一緒にはんだ付けされることである。もう1つの実施形態は、入口マニホールドが下部供給マニホールドハウジングに対して回転され得ることである。もう1つの実施形態は、蓋部材が、下部マニホールドハウジングの間に配置されたカバープレート部材を更に含むことである。蓋部材は、複数のフィンの上部セクションに接触している。もう1つの実施形態は、発熱コンピュータ部品がプロセッサチップであることである。
【0017】
上述した概要は、本開示の各実施形態又は全ての態様を表すことを意図するものではない。むしろ、上述した概要は、本明細書に記載された新規な態様及び特徴のいくつかの例を提供するに過ぎない。本開示の上述した特徴及び利点、並びに、他の特徴及び利点は、添付の図面及び添付の特許請求の範囲と関連して、本発明を実施するための代表的な実施形態及び態様についての以下の詳細な説明から容易に明らかとなるであろう。本開示の追加の態様は、図面を参照してなされた様々な実施形態の詳細な説明を考慮して、当業者には明らかであり、その簡単な説明が以下に提供される。
【0018】
本開示、並びに、その利点及び図面は、例示的な実施形態の以下の説明及び添付の図面からより良く理解されるであろう。これらの図面は、例示的な実施形態のみを示しており、従って、様々な実施形態又は特許請求の範囲を限定するものと見なされるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1A】本開示の特定の態様による、液体冷却システムを有する従来技術のコンピュータシステムの斜視図である。
【
図1B】
図1Aの従来技術のコールドプレートの斜視図である。
【
図1C】
図1Aの従来技術のコールドプレートのベース部材の斜視断面図である。
【
図2A】本開示の特定の態様による、例示的なデュアルレベルマニホルドコールドプレートの斜視図である。
【
図2B】本開示の特定の態様による、
図2Aの例示的なコールドプレートの蓋部材の斜視図である。
【
図2C】本開示の特定の態様による、
図2Aの例示的なコールドプレートのベース部材の斜視図である。
【
図2D】本開示の特定の態様による、
図2Aの例示的なコールドプレートの下位(lower level)マニホールドに関連する入口及び出口上位(upper level)マニホールドの断面斜視図である。
【
図2E】本開示の特定の態様による、
図2Aの例示的なコールドプレートのベース部材の冷却剤チャネルを形成するフィンの断面斜視図である。
【
図3】本開示の特定の態様による、
図2A~
図2Eの例示的なコールドプレートの計算流体力学(CFD)図である。
【
図4A】本開示の特定の態様による、もう1つの例示的なコールドプレートの斜視図である。
【
図4B】本開示の特定の態様による、
図4Aの例示的なコールドプレートの蓋部材の斜視図である。
【
図4C】本開示の特定の態様による、
図4Aの例示的なコールドプレートの断面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
添付の図面を参照しながら様々な実施形態を説明するが、同様の参照番号は、全体を通して同様又は同一の要素を示すのに用いられる。図面は、単に本開示の態様及び特徴を説明するためのものであり、縮尺通りに描かれるとは限らない。本開示の特定の態様及び特徴の十分な理解を提供するために、多数の特定の詳細、関係及び方法が示されているが、当業者には、これらの態様及び特徴が1つ以上の特定の詳細なしに、他の関係又は他の方法を用いて行い得ることが理解できるであろう。いくつかの例では、周知の構造又は動作は、説明のために詳細には記述されていない。本明細書に開示された様々な実施形態は、必ずしも描かれた動作又はイベントの順序に限定されるものではなく、いくつかの動作は、異なる順序及び/又は他の動作若しくはイベントと同時に起こり得る。本開示の特定の態様及び特徴を実施するために、全ての描かれた動作又はイベントが必ずしも必要とされるわけではない。
【0021】
詳細な説明の目的のために、適当な状況下で、具体的にそうではないと主張されない限り、単数形は複数形を含み、複数形は単数形を含む。「含む」という用語は、「制限なしに含む」ことを意味する。また、例えば、「約(about)」、「ほとんど(almost)」、「実質的に(substantially)」、「おおよそ(approximately)」等の近似の用語は、ここでは、「…で(at)、…近くで(near)、…に近接して(nearly at)」、「…の3~5%内で」、「製造誤差の許容範囲内で」、又は、これらの任意の論理的組み合わせの意味を含むことができる。同様に、「垂直」又は「水平」という用語は、それぞれ垂直又は水平方向の「3~5%以内」を追加的に含むことを意図している。また、「上」、「下」、「左」、「右」、「上方」及び「下方」等の方向の用語は、参照図に描かれているのと同等の方向、目的(複数可)又は要素(複数可)に一般的に用いられる位置等の参照されている目的又は要素から文脈的に理解される方向、又は、本明細書に別途記載される方向と関連付けられることを意図している。
【0022】
本開示は、二重マニホールド設計を有するコールドプレートに関するものである。上位入口マニホールドは、コールドプレートに供給された冷却剤の主要な液量流量を調整する目的がある。上位入口マニホールドは、コールドプレート蓋部材の上面にある。もう1つの上位出口マニホールドは、戻り(return)冷却剤のコネクタを提供する。上位入口及び出口マニホールドは、蓋部材及びベース部材によって形成された下部マニホールドに流体連通され得る。角部特徴(corner feature)は、下部マニホールドに形成されており、ベース部材のフィンを通って循環するデブリを捕捉する。少なくとも2つの入口が上部マニホールドと下部マニホールドとの間に形成されており、コールドプレートに熱的に取り付けられたチップの熱源の位置に合わせて冷却剤をよりよく分配することができる。
【0023】
図2Aは、冷却剤の流れを分配し、デブリが冷却剤の流れを妨げるのを防ぐ二重レベルのマニホールド設計を有する例示的なコールドプレート100の斜視図である。コールドプレート100は、チップソケットに取り付けられており、コールドプレート100がプロセッサチップ等の発熱部品と熱的に接触することができる。この例では、チップは、ストレージサーバー、アプリケーションサーバー、ネットワークスイッチ又は他の電子機器等のコンピュータ部品の一部であってもよい。コンピュータ部品は、完全に密閉されたシャーシを有しており、液体冷却システムによってシャーシ内の内部要素を冷却する冷却剤を循環させることができる。
【0024】
コンピュータ部品は、一般に、低温(cold)冷却剤マニホールド及び高温(hot)冷却剤マニホールドを有する液体冷却システムを備えたラックに配置されている。密閉されたシャーシは、電源、回路基板、デバイスカード、プロセッサ、メモリデバイス等の電子機器や、コンピュータ部品の他の要素を囲む。この例では、シャーシの後部は、低温冷却剤マニホールドの流体カプラに接続され得る入口コネクタを含む。また、シャーシの後部は、高温冷却剤マニホールドの流体カプラに接続され得る出口コネクタを含む。シャーシは、コールドプレート100等のコールドプレートに冷却剤を循環させる流体管の内部ネットワークを含み得る。
【0025】
液体冷却システムは、一般に、高温冷却剤マニホールドから高温冷却剤を受ける熱交換器を含む。熱交換器は、一般に、高温冷却剤を循環させるラジエーターを含む。ファン壁は、ラジエーター内の冷却剤の冷却を行う。冷却された冷却剤は、冷却剤分配ユニットのポンプによって低温冷却剤マニホールドに循環される。
【0026】
コールドプレート100は、ベース部材110及び蓋部材112を有する。ベース部材110及び蓋部材112は、アルミニウム合金、銅、銅合金又はステンレス鋼等の熱伝導性金属から製造される。この例では、ベース部材110及び蓋部材112は、銅から別々に加工され、一緒にはんだ付けされる。ベース部材110は、プロセッサチップ等の発熱部品と熱接触するように配置された平坦な底面114を含む。底面114とプロセッサチップとの間により良い熱流動を生成するために、サーマルペーストが底面114に塗布されてもよい。プロセッサチップの表面積は、ベース部材110の底面114のほぼ全表面積から、ベース部材110の底面の全面積の一部までの範囲であってもよい。
【0027】
説明されるように、ベース部材110は、冷却剤を循環させる役割を果たすフィンによって画定される内部チャネルを含む。熱は、ベース部材110の底面から伝達される。蓋部材112は、上部入口マニホールド120及び上部出口マニホールド122に取り付けられており、冷却剤を循環させる。上部入口マニホールド120の目的は、冷却剤を供給し、主要な液量流量を調整することである。上部出口マニホールド122は、液体冷却システムを通って循環させるために加熱された冷却剤を回収する。
【0028】
図2Bは、
図2Aの例示的なコールドプレートの蓋部材112の斜視図である。
図2Cは、
図2Aの例示的なコールドプレートのベース部材110の斜視図である。
図2Dは、ベース部材110及び蓋部材112によって形成された下位マニホールドに関連する上位入口及び出口マニホールド120,122の断面斜視図である。
【0029】
図2A~
図2Bに示すように、蓋部材112は、2つのサイドタブ130,132を含む。サイドタブ130,132の両方は、ねじ又はボルト等の留め具を用いて、コールドプレート100をコンピュータ部品のマザーボード上のチップソケットに取り付けることの可能ないくつかの孔134を含む。蓋部材112は、長方形下部供給マニホールドハウジング140及び長方形下部回収マニホールドハウジング142を含む。長方形供給マニホールドハウジング140は、冷却剤を、ベース部材110に形成されたチャネルに供給する。長方形下部回収マニホールドハウジング142は、加熱された冷却剤を、ベース部材110のチャネルから回収する。
【0030】
長方形供給マニホールドハウジング140は、外側部144と、反対側の内側部146と、上部パネル148と、を含む。センタープレート150は、マニホールドハウジング140,142を結合する。長方形下部回収マニホールドハウジング142は、外側部154と、反対側の内側部156と、上部パネル158と、を含む。従って、センタープレート150の幅は、長方形供給マニホールドハウジング140の接続された内側部146と、長方形下部回収マニホールドハウジング142の内側部156と、によって画定される。
【0031】
図2Cに示すように、ベース部材110は、ベース部材110の長さに沿って延びるチャネル214を画定する一連の平行なフィン212を含む冷却剤流動セクション210を含む。
図2Eは、チャネル214の拡大図を示している。各フィン212は、ベース部材の底面114の反対側の内面220に取り付けられた底部セクションを有する。各フィン212は、対向する弧状セクション222,224を含む。各フィン212は、弧状セクション222,224を結合する上部セクション226も含む。各フィン212の上部セクション226は、蓋部材112のプレート150の底部と接触し、チャネル214の高さを画定する。ベース部材110は、2つのサイドウィング230,232を含む。各ウィング230,232は、蓋部材112上の位置合わせ特徴(registration feature)に結合され得るエッジタブ234を有する。
【0032】
図2Dは、例示的なコールドプレート100のベース部材110内に冷却剤チャネル214を形成するフィン212の断面斜視図である。側部144,146、長方形下部供給マニホールドハウジング140の上部パネル148、及び、フィン212の弧状セクション224は、ベース部材110と組み合わせて、流体がベース部材110に分配されることを可能にする内部空洞160を形成する。長方形供給マニホールドハウジング140の上部パネル148は、長方形供給マニホールドハウジング140の内部空洞160に流体がアクセスできるようにする冷却剤開口162を含む。上部入口マニホールド120は、冷却剤開口162の上に実装されており、冷却剤が、冷却剤開口162に流入して、供給マニホールドハウジング140及びベース部材110によって生成された下部供給マニホールドに流れることを可能にする。ベース部材110と組み合わせた長方形下部回収マニホールドハウジング142の側部154,156及び上部パネル158は、内部空洞164を形成して、ベース部材110からの流体の回収を可能にする。長方形下部回収マニホールドハウジング142の上部パネル158は、長方形下部回収マニホールドハウジング142の内部空洞164に流体がアクセスできるようにする冷却剤開口166を含む。出口マニホールド122は、冷却剤開口166の上に実装されており、回収された冷却剤が、冷却剤開口166から流出することを可能にする。ベース部材110のサイドウィング230,232は、内部空洞160,164の底部をそれぞれ形成する。
【0033】
この例の入口マニホールド120は、上部パネル148の表面に対して回転することができ、冷却剤ホースの接続の柔軟性をより大きくするのを可能にする。あるいは、入口マニホールド120は、固定された方向にあってもよい。入口マニホールド120は、冷却剤開口162との流体連通を提供する開放端を有する横方向内部導管170を含む。コネクタソケット172は、ねじ山付き内面(threaded interior surface)174で形成されている。コネクタソケット172は、コネクタがねじ山付き内面174を通って嵌合及び固定されるのを可能にする。コネクタは、冷却剤を入口マニホールド120に供給する冷却剤供給ホースの一端に接続されてもよい。
【0034】
この例の出口マニホールド122は、上部パネル158の表面に対して回転することができ、冷却剤ホースの接続の柔軟性をより大きくするのを可能にする。出口マニホールド120は、冷却剤開口166との流体連通を提供する開放端を有する横方向内部導管180を含む。コネクタソケット182は、ねじ山付き内面(threaded interior surface)184で形成されている。コネクタソケット182は、コネクタがねじ山付き内面184を通って嵌合及び固定されるのを可能にする。コネクタは、冷却剤をコンピュータ部品から流出させる冷却剤回収ホースの一端に接続されてもよい。
【0035】
図2Eは、ベース部材110のフィン212と、供給マニホールドハウジング140の内面によって形成された角部と、の拡大斜視図である。
図2A~
図2Dの類似の要素は、
図2Eでは同一の参照番号でラベル付けされている。この例では、供給マニホールドハウジング140の内側部146は、内側部146が上部パネル148と結合する内部角部190を画定する内面を有する。説明されるように、フィン212の弧状セクション224に関連する内部角部190は、デブリがチャネル214に入る前にデブリを捕捉する。
【0036】
従って、例示的なコールドプレート100は、
図2Dに示すように、ベース部材110及び蓋部材112の組み合わせによって形成される。上位入口マニホールド120は、冷却剤を、内部空洞160によって画定された下位供給マニホールドに導く。各フィン212は、弧状前縁セクション224を有する。内部角部190は、フィン212の上部に形成されている。他の角部は、ベース部材110のウィング232に取り付けられたフィン212の底部に形成されている。流入する冷却剤にデブリがない場合、冷却剤は、上部セクション226とフィン212の下部との間の短距離経路を通って流れる。冷却剤が粒子又は泥等のデブリを運ぶ場合、内部角部190はデブリを捕捉するが、冷却剤は、依然として、フィン212によって画定されたチャネル214を通って流れることができる。
【0037】
図3は、
図2Cに示す例示的なベース部材110における液体速度分布の計算流体力学(CFD)分析
図300である。速度は、表310の陰影によって表されている。フィン212間のチャネル214内の冷却剤の液体速度は、入口開口162及び出口開口166の位置によって制御される。
図300に示すように、入口開口162の近傍が最高速度となる。しかしながら、冷却剤の流れの流速、ひいては冷却は、入口開口162から離れたベース部材110の底面114の領域で減少する(compromised)。従って、コールドプレート100による冷却剤の分配は、主にベース部材110の中央と接触するより小さな表面積を有するチップに最適である。入口開口162から比較的遠い底面114の領域と接触しているチップの部分は同じレベルの冷却を受けないため、より大きな表面積を有するチップの冷却は最適でない可能性がある。
【0038】
他の例のコールドプレートは、ベース部材の長さに沿ってより均一な流体速度を可能にする、より長い長さの入口マニホールドを有し得る。従って、このコールドプレートは、より均一な冷却剤の分配を可能にし、よって、ベース部材の全領域を囲む可能性のあるチップの異なる表面積に合わせて調整することができる。このタイプのコールドプレートは、特定のチップの熱源特性に適合するように、1つ以上の入口開口を有することができる。
【0039】
図4Aは、発熱部品の大きさに合わせて冷却剤を分配するのを可能にするもう1つの例示的なコールドプレート400の斜視図である。
図4Aのコールドプレート400は、
図2A~
図2Eのコールドプレート100と同様の2つのレベルのマニホールドの配置を有しており、冷却剤で運ばれたデブリによる目詰まりを防ぐ。例示的なコールドプレート400は、上位入口及び出口マニホールドを下位マニホールドに結合する3つの入口及び出口を有する。入口及び出口は、コールドプレート400の長さに沿って冷却剤の流速を均一に分配するように配置されており、コールドプレート400の表面積とほぼ同じ表面積を有するチップの最適な冷却を可能にする。
【0040】
コールドプレート400は、ベース部材410及び蓋部材412を有する。ベース部材410及び蓋部材412は、アルミニウム合金又は銅等の熱伝導性金属から製造される。この例では、ベース部材410及び蓋部材412は、別々に加工され、一緒にはんだ付けされる。ベース部材410は、プロセッサ等の発熱部品と熱接触するように配置された平坦な底面を含む。
図2Cのベース部材110と同様に、ベース部材410は、弧状前縁を有するフィンによって画定された内部チャネルを含み、冷却剤を循環させ、ベース部材410の底面から熱を伝達する。蓋部材412は、上位入口マニホールド420及び上位出口マニホールド422に取り付けられている。入口マニホールド420の目的は、冷却剤を供給し、主要な液量流量を調整することである。従って、入口マニホールド420は、冷却剤供給管428に接続されている。出口マニホールド422は、液体冷却システムを通って循環させるために加熱された冷却剤を回収し、よって、冷却剤戻り管(return tube)426に接続されている。
【0041】
図4Bは、
図4Aの例示的なコールドプレート400の蓋部材412の斜視図である。
図4Cは、
図4Aの例示的なコールドプレート400のベース部材410及び蓋部材412によって形成されたより低いレベルのマニホールドに関連する入口及び出口マニホールド420,422の断面斜視図である。
【0042】
図4A~
図4Cに示すように、蓋部材412は、2つのサイドタブ430,432を含む。サイドタブ430,432の両方は、ねじ又はボルト等の留め具を用いて、コールドプレート400をコンピュータ部品のマザーボード上のチップソケットに取り付けることを可能にする。蓋部材412は、下位供給マニホールドハウジング440及び下位回収マニホールドハウジング442を含む。供給マニホールドハウジング440は、冷却剤を、ベース部材410の内部のフィンで形成されたチャネルに供給する。回収マニホールドハウジング442は、加熱された冷却剤をベース部材410のチャネルから回収する。
【0043】
長方形供給マニホールドハウジング440は、外側部444と、反対側の内側部446と、上部パネル448と、を含む。センタープレート450は、長方形下位マニホールドハウジング440,442を結合する。長方形下部回収マニホールドハウジング442は、外側部454と、反対側の内側部456と、上部パネル458と、を含む。従って、センタープレート450の幅は、長方形供給マニホールドハウジング440の接続された内側部446と、長方形下部回収マニホールドハウジング442の内側部456と、によって画定される。
【0044】
図4Cに示すように、側部444,446及び長方形供給マニホールドハウジング440の上部パネル448は、ベース部材410と組み合わせて、流体がベース部材410に分配されるのを可能にする内部空洞460を形成する。長方形供給マニホールドハウジング440の上部パネル448は、長方形供給マニホールドハウジング440の内部空洞460に流体がアクセスできるようにする3つの冷却剤入口開口462,464,466を含む。この例の入口マニホールド420は、供給マニホールドハウジング440の全長をカバーする長方形のハウジングを有し、全ての冷却剤開口462,464,466との流体連通を可能にし、冷却剤がコールドプレート400の長さにわたって流れることを可能にする。ベース部材410と組み合わせた長方形回収マニホールドハウジング442の側部454,456及び上部パネル458は、内部空洞470を形成して、ベース部材410からの流体の回収を可能にする。長方形回収マニホールドハウジング442の上部パネル458は、長方形回収マニホールドハウジング442の内部空洞470に流体がアクセスできるようにする、3つの間隔が空いた冷却剤開口472,474,476を含む。この例の出口マニホールド422は、全ての3つの冷却剤開口472,474,476をカバーする領域を有する長方形のハウジングを有しており、回収された冷却剤が冷却剤開口166に流入するのを可能にする。
【0045】
ベース部材410は、ベース部材410の長さに沿って延びるチャネルを画定する一連の平行なフィン482を含む冷却剤流動セクション480を含む。フィン482は、発熱要素と熱接触するベース部材410の一部を形成する内面に形成されている。各フィン482は、フィン482の上部をフィン482の下部と結合する弧状のセクションを含む。この例では、内側部446は、上部パネル448の外面との角部を画定する内面を有する。上述したコールドプレート100と同様に、フィン482の湾曲したセクションに関連する角部は、デブリがチャネルセクション480に入る前にデブリを捕獲する。
【0046】
この例では、入口開口462,464,466は、コールドプレート400に取り付けられたチップの長さに合うように間隔を空けて配置されている。したがって、コールドプレート400は、コールドプレート400とほぼ同じ長さを有するチップに対して、冷却剤の効率的な速度分布を提供する。長さが短いチップに対しては、より少ない開口が設けられてもよい。例えば、コールドプレート400の長さの約半分しかない長さを有するチップには、2つの開口のみが設けられてもよい。あるいは、複数の開口の代わりに、チップとほぼ同じ長さを有するスリットが設けられてもよい。そのようなスリットは、チップの長さに沿って冷却剤を分配することができる。
【0047】
本発明を1つ以上の実施形態に関して詳細に述べてきたが、本明細書及び図面を読み、理解すれば、当業者には、同等の修正及び変更が生じ得るであろう。また、本発明の特定の特徴は、複数の実施形態のうち何れかのみに関連して述べられているが、このような特徴は、所定又は特定の用途に対して所望され有利となるように、他の実施形態の1つ以上の特徴と組み合わせられてもよい。
【0048】
本開示の様々な実施形態について上述したが、それらは限定ではなく例として提示されたものであることを理解されたい。本開示の趣旨又は範囲から逸脱することなく、開示された実施形態に対する多数の変更を、本明細書の開示に従って行うことができる。従って、本開示の幅及び範囲は、上記の実施形態の何れかによって限定されるべきではない。むしろ、本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲及びその均等物に従って定義されるべきである。
【符号の説明】
【0049】
10…サーバー
12…シャーシ
14…回路基板
16…メモリカード
18…プロセッサ
22,24,26,28,100,400…コールドプレート
30…管
40,110,410…ベース部材
42,112,412…蓋部材
44…入口コネクタ
46…出口コネクタ
50…上面
52,54,130,132,430,432…サイドタブ
56,134,434…孔
58…ファスナ
60…窪み
62…スリット
114…底面
120,420…上部入口マニホールド
122,422…上部出口マニホールド
140,440…長方形下部供給マニホールドハウジング
142,442…長方形下部回収マニホールドハウジング
144,146…内側部/外側部
148,158,448,458…上部パネル
150,450…センタープレート
154,444,454…外側部
156,446,456…内側部
160,164,460…内部空洞
162,166,462,464,466,472,474,476…冷却剤開口
170,180…横方向内部導管
172,182…コネクタソケット
174,184…ねじ山付き内面
190…内部角部
210,480…冷却剤流動セクション
212,482…フィン
214…チャネル
220…内面
222,224…弧状セクション
226…上部セクション
230,232…ウィング
234…エッジタブ
300…図
310…表
426…冷却剤戻り管
428…冷却剤供給管
470…内部空洞