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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022179392
(43)【公開日】2022-12-02
(54)【発明の名称】コイル部品
(51)【国際特許分類】
   H01F 27/32 20060101AFI20221125BHJP
   H01F 27/29 20060101ALI20221125BHJP
   H01F 17/00 20060101ALI20221125BHJP
【FI】
H01F27/32 140
H01F27/29 123
H01F17/00 B
H01F27/29 P
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022079847
(22)【出願日】2022-05-13
(31)【優先権主張番号】10-2021-0064596
(32)【優先日】2021-05-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ-メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チャ、ユーン ミ
(72)【発明者】
【氏名】ヤン、ジュ ホワン
(72)【発明者】
【氏名】リム、スン モ
(72)【発明者】
【氏名】パク、ノ イル
(72)【発明者】
【氏名】チョ、タイ ヨン
(72)【発明者】
【氏名】ムーン、ビョン チョル
【テーマコード(参考)】
5E044
5E070
【Fターム(参考)】
5E044CA10
5E044CB10
5E070BB03
5E070CB06
5E070CB12
5E070DA15
5E070EA01
(57)【要約】
【課題】コイル部品を開示する。
【解決手段】本発明の一側面によるコイル部品は、一面、上記一面とそれぞれ連結されて互いに向かい合う一端面及び他端面を有する本体と、互いに離隔した第1及び第2引き出し部を含み、上記本体内に配置されるコイル部と、上記本体の一端面及び他端面のそれぞれと上記本体の一面とが接する角部に形成され、上記第1及び第2引き出し部を露出する第1及び第2スリット部と、上記本体の一面に互いに離隔して配置され、それぞれ上記第1及び第2スリット部に延びて上記第1及び第2引き出し部と連結される第1及び第2外部電極と、上記第1及び第2スリット部で上記第1及び第2外部電極の少なくとも一部を覆うスリット絶縁層と、上記スリット絶縁層上に配置され、上記第1及び第2外部電極のうち上記本体の一面に配置された領域の少なくとも一部を覆うように延びる表面絶縁層と、を含むことができる。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一面、及び互いに向かい合う一端面及び他端面を有する本体と、
互いに離隔した第1引き出し部及び第2引き出し部を含み、前記本体内に配置されるコイル部と、
前記本体の一端面及び他端面のそれぞれと前記本体の一面とが隣接する領域において前記本体の角に形成され、前記第1引き出し部及び前記第2引き出し部を露出する第1スリット部及び第2スリット部と、
前記本体の一面に互いに離隔して配置され、それぞれ前記第1スリット部及び前記第2スリット部に延びて前記第1引き出し部及び前記第2引き出し部と連結される第1外部電極及び第2外部電極と、
前記第1スリット部及び前記第2スリット部で前記第1外部電極及び前記第2外部電極の少なくとも一部を覆うスリット絶縁層と、
前記スリット絶縁層上に配置され、前記第1外部電極及び前記第2外部電極のうち前記本体の一面に配置された領域の少なくとも一部を覆うように延びる表面絶縁層と、を含む、コイル部品。
【請求項2】
前記表面絶縁層は、Parylene-N(C1614Cl)、EGDMA(Ethylene glycol dimethacrylate、C1014)、GMA(Glycidyl methacrylate、C10)、V3D3(2,4,6-trivinyl-2,4,6-trimethyl cyclotrisiloxane、C18Si)、V4D4(2,4,6,8-tetramethyl-2,4,6,8-tetravinyl cyclotetrasiloxane、C1224Si)、PFDMA(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10-heptadecafluorodecyl methacrylate、C1417)、4VP(4-vinyl-pyridine、CN)、EGDA(Ethylene glycol diacrylate、C1014)、EA(Ethyl acrylate、C)、HEMA(2-hydroxyethylmethacrylate、C10)、MAA(Methacrylic acid、C)、MAH(Methacrylic anhydride、C10)、またはDVB(Divinylbenzene、C1010)のうち少なくとも1つの成分を含む、請求項1に記載のコイル部品。
【請求項3】
前記第1外部電極及び前記第2外部電極はそれぞれ、
前記第1スリット部及び前記第2スリット部に配置され、前記第1引き出し部及び前記第2引き出し部と接触して連結される連結部と、前記連結部から前記本体の一面に延びるパッド部と、を含み、
前記スリット絶縁層は、前記連結部、前記第1スリット部及び前記第2スリット部のそれぞれの表面と、前記表面絶縁層との間に配置される、請求項1に記載のコイル部品。
【請求項4】
前記本体の一面のうち前記第1外部電極及び前記第2外部電極を除いた領域の少なくとも一部を覆う下部絶縁層をさらに含み、
前記表面絶縁層は、前記下部絶縁層上にさらに配置される、請求項1に記載のコイル部品。
【請求項5】
前記表面絶縁層は、前記第1外部電極及び前記第2外部電極のそれぞれと前記下部絶縁層との境界部分で前記第1外部電極及び前記第2外部電極の少なくとも一部を覆うように延びる、請求項4に記載のコイル部品。
【請求項6】
前記本体は、前記本体の一面と向かい合う他面、前記一面及び前記他面とそれぞれ連結されて互いに向かい合う一側面及び他側面を有し、
前記表面絶縁層は、前記本体の他面、一側面及び他側面のそれぞれにさらに配置される、請求項1に記載のコイル部品。
【請求項7】
前記本体内に配置される基板をさらに含み、
前記第1引き出し部及び前記第2引き出し部は、前記本体の一面と向かい合う前記基板の下面に互いに離隔して配置され、
前記コイル部は、
前記第1引き出し部から離隔し、前記第2引き出し部と連結されるように前記基板の下面に配置される第1コイルパターンと、前記本体の他面と向かい合う前記基板の上面に配置される第2コイルパターンと、前記基板の上面に配置されて前記第2コイルパターンと連結される第1ダミー引き出し部と、をさらに含む、請求項1から6の何れか1つに記載のコイル部品。
【請求項8】
前記第1引き出し部及び前記第2引き出し部は、前記本体の一端面及び他端面にそれぞれ露出する、請求項7に記載のコイル部品。
【請求項9】
前記コイル部は、
前記基板を貫通し、前記第1コイルパターン及び前記第2コイルパターンを互いに連結する第1ビアと、
前記基板を貫通し、前記第1引き出し部と前記第1ダミー引き出し部を互いに連結する第2ビアと、をさらに含む、請求項7に記載のコイル部品。
【請求項10】
前記コイル部は、
前記基板の上面で前記第2コイルパターン及び前記第1ダミー引き出し部とそれぞれ離隔して配置された第2ダミー引き出し部と、
前記基板を貫通し、前記第2引き出し部と前記第2ダミー引き出し部を互いに連結する第3ビアと、をさらに含む、請求項9に記載のコイル部品。
【請求項11】
一面、前記一面とそれぞれ連結されて互いに向かい合う一端面及び他端面を有する本体と、
互いに離隔し、前記本体の一端面及び他端面にそれぞれ露出する第1引き出し部及び第2引き出し部を含むコイル部と、
前記本体の一面に互いに離隔して配置され、それぞれ前記本体の一端面及び他端面に延びて前記第1引き出し部及び前記第2引き出し部と連結される第1外部電極及び第2外部電極と、
前記本体の一面のうち前記第1外部電極及び前記第2外部電極を除いた領域の少なくとも一部を覆う下部絶縁層と、
前記本体の一端面及び他端面でそれぞれ前記第1外部電極及び前記第2外部電極の少なくとも一部を覆い、前記本体の一面で前記下部絶縁層上に配置される表面絶縁層と、を含み、
前記表面絶縁層は、
前記第1外部電極及び前記第2外部電極のうち前記本体の一面に配置された領域の少なくとも一部を覆い、前記第1外部電極及び前記第2外部電極のそれぞれと前記下部絶縁層との境界部分で前記第1外部電極及び前記第2外部電極の少なくとも一部を覆うように延びる、コイル部品。
【請求項12】
前記本体内に配置される基板をさらに含む、請求項11に記載のコイル部品。
【請求項13】
前記コイル部は、
前記本体の一面と向かい合う前記基板の下面に配置され、前記第2引き出し部と連結される第1コイルパターンと、
前記本体の他面と向かい合う前記基板の上面に配置され、前記第1引き出し部と連結される第2コイルパターンと、
前記基板を貫通し、前記第1コイルパターン及び前記第2コイルパターンを互いに連結する第1ビアと、をさらに含み、
前記第1外部電極及び前記第2外部電極はそれぞれ、
前記本体の一端面及び他端面に配置され、前記第1引き出し部及び前記第2引き出し部と接触して連結される連結部と、前記連結部から前記本体の一面に延びるパッド部と、を含む、請求項12に記載のコイル部品。
【請求項14】
前記表面絶縁層は、
前記コイル部品の外面のうち、前記パッド部を除いた残りの面の少なくとも一部を覆い、前記連結部と前記パッド部が接する角部分から前記パッド部上に一部が延びて、前記パッド部の少なくとも一部をさらに覆う、請求項13に記載のコイル部品。
【請求項15】
前記コイル部は、
表面が被覆部で被覆された金属線を巻き取った巻き取りコイルである、請求項11から14の何れか1つに記載のコイル部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コイル部品に関する。
【背景技術】
【0002】
コイル部品の1つであるインダクター(inductor)は、抵抗(resistor)及びキャパシター(capacitor)とともに電子機器に用いられる代表的な受動電子部品である。
【0003】
電子機器のさらなる高性能化及び小型化に伴い、電子機器に用いられる電子部品は、その数が増加し、小型化してきている。
【0004】
コイル部品の外部電極は、通常、部品本体の長さ方向に向かい合う両端面に伝導性ペーストを塗布及び硬化して形成されるが、この場合、部品全体の長さが増加することがある。また、前述の外部電極が形成された部品を基板に実装する場合、基板の実装面において半田などの結合部材が部品から部品の幅方向及び長さ方向にそれぞれ延びて形成され、部品の有効実装面積が増加するようになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2018-107346号公報(2018.07.05.公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の実施形態による目的の1つは、コイル部品のダイシング工程中における、下面角部分のチッピング(chipping)不良を改善することにある。
【0007】
本発明の実施形態による目的の他の1つは、軽薄短小化が可能なコイル部品を提供し、実装を容易にすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一側面によると、一面、及び互いに向かい合う一端面及び他端面を有する本体と、互いに離隔した第1引き出し部及び第2引き出し部を含み、上記本体内に配置されるコイル部と、上記本体の一端面及び他端面のそれぞれと上記本体の一面とが隣接する領域において上記本体の角に形成され、上記第1及び第2引き出し部を露出する第1スリット部及び第2スリット部と、上記本体の一面に互いに離隔して配置され、それぞれ上記第1スリット部及び第2スリット部に延びて上記第1引き出し部及び第2引き出し部と連結される第1外部電極及び第2外部電極と、上記第1スリット部及び第2スリット部で上記第1外部電極及び第2外部電極の少なくとも一部を覆うスリット絶縁層と、上記スリット絶縁層上に配置され、上記第1外部電極及び第2外部電極のうち上記本体の一面に配置された領域の少なくとも一部を覆うように延びる表面絶縁層と、を含むコイル部品が提供される。
【0009】
本発明の他の側面によると、一面、上記一面とそれぞれ連結されて互いに向かい合う一端面及び他端面を有する本体と、互いに離隔し、上記本体の一端面及び他端面にそれぞれ露出する第1引き出し部及び第2引き出し部を含むコイル部と、上記本体の一面に互いに離隔して配置され、それぞれ上記本体の一端面及び他端面に延びて上記第1引き出し部及び第2引き出し部と連結される第1外部電極及び第2外部電極と、上記本体の一面のうち上記第1外部電極及び第2外部電極を除いた領域の少なくとも一部を覆う下部絶縁層と、上記本体の一端面及び他端面でそれぞれ上記第1外部電極及び第2外部電極の少なくとも一部を覆い、上記本体の一面で上記下部絶縁層上に配置される表面絶縁層と、を含み、上記表面絶縁層は、上記第1外部電極及び第2外部電極のうち上記本体の一面に配置された領域の少なくとも一部を覆い、上記第1外部電極及び第2外部電極のそれぞれと上記下部絶縁層との境界部分で上記第1外部電極及び第2外部電極の少なくとも一部を覆うように延びる、コイル部品が提供される。
【発明の効果】
【0010】
本発明の実施形態によると、磁性材料の有効体積を向上させることができ、電極部のめっき滲み及び短絡(short-circuit)を防止することができ、実装面積が減少することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態によるコイル部品を概略的に示す斜視図である。
図2図1のコイル部品を下部側から見て示した図である。
図3図1のI-I'線に沿った断面を示す図である。
図4図3のA領域を示す拡大図である。
図5図3のB領域を示す拡大図である。
図6図1のII-II'線に沿った断面を示す図である。
図7】コイル部の連結関係を概略的に示す図である。
図8】一変形例を図3に対応するように示した図である。
図9】本発明の他の実施形態によるコイル部品を概略的に示す斜視図である。
図10図9のコイル部品を下部側から見て示した図である。
図11図9のIII-III'線に沿った断面を示す図である。
図12図11のC領域を示す拡大図である。
図13】本発明のさらに他の実施形態によるコイル部品を概略的に示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本出願で用いられた用語は、特定の実施形態を説明するために用いられたものであるだけで、本発明を限定する意図ではない。単数の表現は文脈上明確に異なる意味でない限り、複数の表現を含む。本出願において、「含む」または「有する」などの用語は、明細書に記載の特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品、またはこれらの組み合わせが存在することを指定するものであり、1つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品、またはこれらの組み合わせの存在または付加可能性をあらかじめ排除するものではないと理解されるべきである。また、明細書全体において、「上に」とは、対象部分の上または下に位置することを意味し、必ずしも重力方向を基準として上側に位置することを意味するものではない。
【0013】
また、「結合」とは、各構成要素間の接触関係において、各構成要素の間において物理的に直接接触する場合のみを意味するのではなく、他の構成が各構成要素の間に介在し、その他の構成に構成要素がそれぞれ接触する場合も包括する概念で用いられる。
【0014】
図面に示された各構成の大きさ及び厚さは、説明の便宜のために任意に示したものであるため、本発明が必ずしも示されたものに限定されない。
【0015】
図面において、L方向は第1方向または長さ方向、W方向は第2方向または幅方向、T方向は第3方向または厚さ方向と定義されることができる。
【0016】
以下、本発明の実施形態によるコイル部品を添付図面を参照して詳細に説明する。添付図面を参照して説明するにあたり、同一または対応する構成要素には同一の図面番号を付け、これについての重複説明は省略する。
【0017】
電子機器には種々の電子部品が用いられるが、かかる電子部品の間には、ノイズの除去などを目的として種々のコイル部品が適宜用いられることができる。
【0018】
すなわち、電子機器におけるコイル部品は、パワーインダクター(Power Inductor)、高周波インダクター(HF Inductor)、通常のビーズ(General Bead)、高周波用ビーズ(GHz Bead)、コモンモードフィルター(Common Mode Filter)などに用いられることができる。
【0019】
(第1実施形態及び変形例)
図1は本発明の一実施形態によるコイル部品を概略的に示す斜視図である。図2図1のコイル部品を下部側から見て示した図である。図3図1のI-I'線に沿った断面を示す図である。図4図3のA領域を示す拡大図である。図5図3のB領域を示す拡大図である。図6図1のII-II'線に沿った断面を示す図である。図7はコイル部の連結関係を概略的に示す図である。図8は一変形例を図3に対応するように示した図である。
【0020】
図1から図7を参照すると、本発明の一実施形態によるコイル部品1000は、本体100と、基板200と、コイル部300と、スリット部S1、S2と、外部電極410、420と、絶縁層510、520、530と、を含み、絶縁膜IFをさらに含むことができる。
【0021】
本体100は、本実施形態によるコイル部品1000の外観を成すものであって、内部に基板200とコイル部300を埋設する。
【0022】
本体100は、全体的に六面体形状を有することができる。
【0023】
本体100は、図1から図6の方向を基準として、長さ方向(L)に互いに向かい合う第1面101及び第2面102、幅方向(W)に互いに向かい合う第3面103及び第4面104、厚さ方向(T)に向かい合う第5面105及び第6面106を含む。本体100の第1面101、第2面102、第3面103、第4面104はそれぞれ、本体100の第5面105と第6面106を連結する本体100の壁面に該当する。以下では、本体100の両端面(一端面及び他端面)は本体100の第1面101及び第2面102を意味し、本体100の両側面(一側面及び他側面)は本体100の第3面103及び第4面104を意味することができる。また、本体100の一面及び下面は本体100の第6面106を意味し、本体100の他面及び上面は本体100の第5面105を意味し得る。
【0024】
本体100は、例示的に、後述の外部電極410、420及び絶縁層510、520、530が形成された本実施形態によるコイル部品1000が、1.4mmの長さ、1.2mmの幅、及び0.5mmの厚さを有するように形成されるか、または、2.0mmの長さ、1.2mmの幅、及び0.65mmの厚さを有するように形成されることができるが、これに制限されるものではない。一方、上述の数値は、工程誤差などを反映していない設計上の数値に過ぎないため、工程誤差と認められる範囲までは、本発明の範囲に属するとすべきである。
【0025】
上述のコイル部品1000の長さとは、コイル部品1000の幅方向(W)の中央部における長さ方向(L)-厚さ方向(T)の断面(cross-section)に対する光学顕微鏡またはSEM(Scanning Electron Microscope)写真を基準に、上記断面写真に示されたコイル部品1000の最外側の境界線を連結し、長さ方向(L)に平行な複数の線分の長さのうち最大値を意味するものであってよい。または、上記断面写真に示されたコイル部品1000の最外側の境界線を連結し、長さ方向(L)に平行な複数の線分のうち少なくとも3本以上の長さの算術平均値を意味するものであってよい。
【0026】
上述のコイル部品1000の厚さとは、コイル部品1000の幅方向(W)の中央部における長さ方向(L)-厚さ方向(T)の断面(cross-section)に対する光学顕微鏡またはSEM(Scanning Electron Microscope)写真を基準に、上記断面写真に示されたコイル部品1000の最外側の境界線を連結し、厚さ方向(T)に平行な複数の線分の長さのうち最大値を意味するものであってよい。または、上記断面写真に示されたコイル部品1000の最外側の境界線を連結し、厚さ方向(T)に平行な複数の線分のうち少なくとも3本以上の長さの算術平均値を意味するものであってよい。
【0027】
上述のコイル部品1000の幅とは、コイル部品1000の長さ方向(T)の中央部における幅方向(W)-厚さ方向(T)の断面(cross-section)に対する光学顕微鏡またはSEM(Scanning Electron Microscope)写真を基準に、上記断面写真に示されたコイル部品1000の最外側の境界線を連結し、幅方向(W)に平行な複数の線分の長さのうち最大値を意味するものであってよい。または、上記断面写真に示されたコイル部品1000の最外側の境界線を連結し、幅方向(W)に平行な複数の線分のうち少なくとも3本以上の長さの算術平均値を意味するものであってよい。
【0028】
または、コイル部品1000の長さ、幅、及び厚さはそれぞれ、マイクロメータ測定法により測定されてもよい。マイクロメータ測定法は、Gage R&R(Repeatability and Reproducibility)されたマイクロメータで零点を設定し、マイクロメータのチップの間に本実施形態によるコイル部品1000を挿入し、マイクロメータの測定レバーを回して測定することができる。一方、マイクロメータ測定法によりコイル部品1000の長さを測定するにあたり、コイル部品1000の長さは、1回測定された値を意味してもよく、複数回測定された値の算術平均を意味してもよい。これは、コイル部品1000の幅及び厚さにも同様に適用可能である。
【0029】
本体100は、磁性材料と樹脂を含むことができる。具体的に、本体100は、磁性材料が樹脂に分散した磁性複合シートを1つ以上積層して形成されることができる。但し、本体100は、磁性材料が樹脂に分散した構造以外に、他の構造を有してもよい。例えば、本体100は、フェライトのような磁性材料からなってもよい。
【0030】
磁性材料は、フェライトまたは金属磁性粉末であることができる。
【0031】
フェライトは、例えば、Mg-Zn系、Mn-Zn系、Mn-Mg系、Cu-Zn系、Mg-Mn-Sr系、Ni-Zn系などのスピネル型フェライト、Ba-Zn系、Ba-Mg系、Ba-Ni系、Ba-Co系、Ba-Ni-Co系などの六方晶型フェライト類、Y系などのガーネット型フェライト、及びLi系フェライトのうち少なくとも1つ以上であることができる。
【0032】
金属磁性粉末は、鉄(Fe)、シリコン(Si)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、ニオブ(Nb)、銅(Cu)、ホウ素(B)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、リン(P)、及びニッケル(Ni)からなる群から選択される何れか1つ以上を含むことができる。例えば、金属磁性粉末は、純鉄粉末、Fe-Si系合金粉末、Fe-Si-Al系合金粉末、Fe-Ni系合金粉末、Fe-Ni-Mo系合金粉末、Fe-Ni-Mo-Cu系合金粉末、Fe-Co系合金粉末、Fe-Ni-Co系合金粉末、Fe-Cr系合金粉末、Fe-Cr-Si系合金粉末、Fe-Si-Cu-Nb系合金粉末、Fe-Ni-Cr系合金粉末、Fe-Cr-Al系合金粉末のうち少なくとも1つ以上であることができる。
【0033】
金属磁性粉末は非晶質および/または結晶質を含むことができる。例えば、金属磁性粉末はFe-Si-B-Cr系非晶質合金粉末であることができるが、必ずしもこれに制限されるものではない。
【0034】
金属磁性粉末はそれぞれ、平均直径が約0.1μm~30μmであることができるが、これに制限されるものではない。
【0035】
本体100は、樹脂に分散された2種類以上の磁性材料を含むことができる。ここで、磁性材料が異なる種類とは、樹脂に分散された磁性材料が、平均直径、組成、結晶性、及び形状のうち何れか1つによって互いに区別されることを意味する。
【0036】
樹脂は、エポキシ(epoxy)、ポリイミド(polyimide)、液晶結晶性ポリマー(Liquid Crystal Polymer)などを単独または混合して含むことができるが、これに限定されるものではない。
【0037】
本体100は、後述のコイル部300を貫通するコア110を含む。コア110は、磁性複合シートがコイル部300の内側の貫通孔に充填されることで形成されることができるが、これに制限されるものではない。
【0038】
基板200は本体100内に配置される。基板200は、後述のコイル部300を支持する構成である。
【0039】
基板200は、エポキシ樹脂などの熱硬化性絶縁樹脂、ポリイミドなどの熱可塑性絶縁樹脂、または感光性絶縁樹脂を含む絶縁材料で形成されるか、このような絶縁樹脂にガラス繊維または無機フィラーなどの補強材が含浸された絶縁材料で形成されることができる。例えば、基板200は、プリプレグ(prepreg)、ABF(Ajinomoto Build-up Film)、FR-4、BT(Bismaleimide Triazine)樹脂、PID(Photo Imagable Dielectric)、銅張積層板(Copper Clad Laminate、CCL)などの絶縁材料で形成されることができるが、これに制限されるものではない。
【0040】
無機フィラーとしては、シリカ(二酸化ケイ素、SiO)、アルミナ(酸化アルミニウム、Al)、炭化ケイ素(SiC)、硫酸バリウム(BaSO)、タルク、クレー、雲母粉、水酸化アルミニウム(Al(OH))、水酸化マグネシウム(Mg(OH))、炭酸カルシウム(CaCO)、炭酸マグネシウム(MgCO)、酸化マグネシウム(MgO)、窒化ホウ素(BN)、ホウ酸アルミニウム(AlBO)、チタン酸バリウム(BaTiO)、及びジルコン酸カルシウム(CaZrO)からなる群から選択される少なくとも1つ以上が使用できる。
【0041】
基板200が補強材を含む絶縁材料で形成される場合、基板200は、より優れた剛性を提供することができる。基板200がガラス繊維を含まない絶縁材料で形成される場合、基板200は、コイル部300の全厚さの薄型化において有利である。基板200が感光性絶縁樹脂を含む絶縁材料で形成される場合、コイル部300の形成のための工程数が減少して生産コストの低減に有利であり、微細なビアを形成することができる。
【0042】
基板200の厚さは、例えば、10μm以上50μm以下であることができるが、これに制限されるものではない。
【0043】
スリット部S1、S2は、本体100の第6面106の角部に形成される。具体的に、スリット部S1、S2は、本体100の第1面101及び第2面102のそれぞれと本体100の第6面106との角部に沿って形成される。すなわち、第1スリット部S1は、本体100の第1面101と本体100の第6面106との角部に沿って形成され、第2スリット部S2は、本体100の第2面102と本体100の第6面106との角部に沿って形成される。スリット部S1、S2は、本体100の第3面103から第4面104まで延びた形態を有する。一方、スリット部S1、S2は本体100の第5面105まで延びない。すなわち、スリット部S1、S2は、本体100の厚さ方向(T)に本体100を貫通しない。
【0044】
スリット部S1、S2は、各コイル部品が個別化される前の状態であるコイルバーのレベルで、各コイル部品を個別化する仮想の境界線のうち、各コイル部品の幅方向と一致する仮想の境界線に沿ってコイルバーの一面にプレダイシング(pre-dicing)を行うことで形成されることができる。かかるプレダイシング(pre-dicing)は、スリット部S1、S2の内面に後述の引き出し部331、332が露出するようにその深さが調節される。スリット部S1、S2の内面は、本体100の第1面101及び第2面102に実質的に平行な内壁、及び内壁と本体100の第1面101及び第2面102を連結する底面を有することができる。一方、以下では、説明の便宜のために、スリット部S1、S2が内壁と底面を有すると説明するが、本発明の範囲がこれに制限されるものではない。例えば、第1スリット部S1の内面は、長さ方向(L)-厚さ方向(T)の断面において、本体100の第1面101と第6面106を連結する曲線の形態を有するように形成され、前述の内壁と底面が区分されないこともある。
【0045】
一方、スリット部S1、S2の内面も本体100の表面に該当するものであるが、本明細書では、発明の理解及び説明の便宜のために、スリット部S1、S2の内面を、本体100の表面である第1面101、第2面102、第3面103、第4面104、第5面105、第6面106と区別する。
【0046】
コイル部300は本体100に埋設され、コイル部品の特性を発現する。例えば、本実施形態によるコイル部品1000がパワーインダクターとして活用される場合、コイル部300は、電場を磁場として貯蔵して出力電圧を維持することで、電子機器の電源を安定させる役割を果たすことができる。
【0047】
コイル部300は、コイルパターン311、312と、ビア321、322、323と、引き出し部331、332と、ダミー引き出し部341、342と、を含む。
【0048】
図1図3図6、及び図7を参照すると、図3及び図6の方向を基準として、本体100の第6面106と向かい合う基板200の下面に第1コイルパターン311、引き出し部331、332が配置され、本体100の第5面105と向かい合う基板200の上面に第2コイルパターン312及びダミー引き出し部341、342が配置される。基板200の下面で、第1コイルパターン311は第2引き出し部332と接触して連結され、第1コイルパターン311及び第2引き出し部332はそれぞれ第1引き出し部331から離隔して配置される。第2引き出し部332は、第1コイルパターン311の最外側のターン(turn)から延びて形成されることができる。
【0049】
第1引き出し部331は、本体100の第1面101及び第1スリット部S1の内面のそれぞれに露出する。第1引き出し部331は、本体100の第1面101、第1スリット部S1の底面、及び第1スリット部S1の内壁に連続的に露出することができる。
【0050】
第2引き出し部332は、本体100の第2面102及び第2スリット部S2の内面のそれぞれに露出する。第2引き出し部332は、本体100の第2面102、第2スリット部S2の底面、及び第2スリット部S2の内壁に連続的に露出することができる。
【0051】
図3及び図7を参照すると、基板200の上面で、第2コイルパターン312は第1ダミー引き出し部341と接触して連結され、第2コイルパターン312及び第1ダミー引き出し部341はそれぞれ第2ダミー引き出し部342から離隔して配置される。第1ダミー引き出し部341は、第2コイルパターン312の最外側のターン(turn)から延びて形成されることができる。第1ダミー引き出し部341は本体100の第1面101に露出する。第2ダミー引き出し部342は本体100の第2面102に露出する。
【0052】
図6を参照すると、第1ビア321は、基板200を貫通し、第1コイルパターン311の最内側のターン(turn)と第2コイルパターン312の最内側のターン(turn)にそれぞれ接触して連結される。
【0053】
図3を参照すると、第2ビア322は、基板200を貫通し、第1引き出し部331と第1ダミー引き出し部341を互いに連結する。第3ビア323は、基板200を貫通し、第2引き出し部332と第2ダミー引き出し部342を互いに連結する。このようにすることで、コイル部300が全体的に1つのコイルとして機能することができる。
【0054】
ここで、図3に対応する一変形例を示した図8を参照すると、第2ダミー引き出し部342はコイル部300の残りの構成の電気的連結と関係がないため、本変形例において、第2ダミー引き出し部342及び第3ビア323は省略されてもよい。この場合、第2ダミー引き出し部342に対応する体積だけ、本体100内の磁性材料の体積が増加する効果があるのに対し、非対称構造により、基板200の反り(warpage)が発生する可能性もある。
【0055】
第1コイルパターン311と第2コイルパターン312はそれぞれ、コア110を軸として少なくとも1つのターン(turn)を形成した平面スパイラル状(planar spiral)の形態であることができる。例えば、第1コイルパターン311は、基板200の一面において、コア110を軸として少なくとも1つのターン(turn)を形成することができる。
【0056】
第1引き出し部331と第2引き出し部332は、スリット部S1、S2の底面と内壁に露出する。すなわち、スリット部S1、S2は、第1引き出し部331及び第2引き出し部332の少なくとも一部に延びて形成されるように深さが調節される。スリット部S1、S2の内壁と底面に露出した第1及び第2引き出し部331、332の一面は、第1引き出し部331及び第2引き出し部332の他の表面より表面粗さが高いことができる。例えば、第1引き出し部331及び第2引き出し部332を電解めっきにより形成した後、第1引き出し部331及び第2引き出し部332と本体100にスリット部S1、S2を形成する場合、第1引き出し部331及び第2引き出し部332の一部は、スリット部S1、S2の形成のためのプレダイシング(pre-dicing)工程で除去される。これにより、スリット部S1、S2の内壁と底面に露出した第1引き出し部331及び第2引き出し部332の一面は、プレダイシングチップ(pre-dicing tip)の研磨により、第1引き出し部331及び第2引き出し部332の残りの表面に比べて表面粗さが高く形成される。スリット部S1、S2の底面と内壁に露出した第1引き出し部331及び第2引き出し部332には、後述の外部電極410、420が形成されてコイル部300と外部電極410、420が連結され、外部電極410、420は薄膜で形成されるため、第1引き出し部331及び第2引き出し部332との結合力が弱い。ここで、相対的に表面粗さが高い第1引き出し部331及び第2引き出し部332の一面に外部電極410、420が接触連結されることで、外部電極410、420と第1引き出し部331及び第2引き出し部332との結合力が向上することができる。これにより、コイル部300と外部電極410、420との結合信頼性を向上させることができる。
【0057】
コイルパターン311、312、ビア321、322、323、引き出し部331、332、及びダミー引き出し部341、342のうち少なくとも1つは、1つ以上の導電層を含むことができる。例えば、第1コイルパターン311、引き出し部331、332、ビア321、322、323を基板200の下面側にめっきにより形成する場合、第1コイルパターン311、引き出し部331、332、及びビア321、322、323は、それぞれ無電解めっきなどにより形成された第1導電層と、第1導電層に配置された第2導電層と、を含むことができる。
【0058】
第1導電層は、基板200に第2導電層をめっきにより形成するためのシード層であることができる。第2導電層は電解めっき層であることができる。ここで、電解めっき層は、単層構造であってもよく、多層構造であってもよい。多層構造の電解めっき層は、何れか1つの電解めっき層を、他の1つの電解めっき層が覆うコンフォーマル(conformal)な膜構造で形成されてもよく、何れか1つの電解めっき層の一面にのみ他の1つの電解めっき層が積層された形状で形成されてもよい。第1コイルパターン311のシード層と第2引き出し部332のシード層は一体に形成され、相互間に境界が形成されないことができるが、これに制限されるものではない。第1コイルパターン311の電解めっき層、第2引き出し部332の電解めっき層は一体に形成され、相互間に境界が形成されないことができるが、これに制限されるものではない。
【0059】
コイルパターン311、312、引き出し部331、332、及びダミー引き出し部341、342は、例えば、図3及び図6に図示されたように、基板200の下面及び上面にそれぞれ突出して形成されることができる。他の例として、第1コイルパターン311と引き出し部331、332は基板200の下面に突出して形成され、第2コイルパターン312とダミー引き出し部341、342は基板200の上面に埋め込まれて上面が基板200の上面に露出することができる。この場合、第2コイルパターン312の上面及びダミー引き出し部341、342の上面のうち少なくとも1つには凹部が形成され、基板200の上面と第2コイルパターン312の上面、及び/またはダミー引き出し部341、342の上面は、同一平面上に位置しない。
【0060】
コイルパターン311、312、ビア321、322、323、引き出し部331、332、及びダミー引き出し部341、342はそれぞれ、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、またはこれらの合金などの導電性材料で形成されることができるが、これに限定されるものではない。
【0061】
絶縁膜IFは、コイルパターン311、312、引き出し部331、332、及びダミー引き出し部341、342を本体100から絶縁させる。絶縁膜IFは、例えば、パリレンを含むことができるが、これに制限されるものではない。絶縁膜IFは、気相蒸着などの方法により形成されることができるが、これに制限されるものではなく、絶縁フィルムを基板200の両面に積層することで形成されてもよい。一方、絶縁膜IFは、コイル部300を電解めっきにより形成する際に用いられためっきレジスト中の一部を含む構造であることができるが、これに制限されるものではない。
【0062】
外部電極410、420は、本体100の一面106に互いに離隔して配置され、それぞれ第1スリット部S1及び第2スリット部S2に延びて第1引き出し部331及び第2引き出し部332と連結される。
【0063】
具体的に、第1外部電極410は、第1スリット部S1の底面と内壁に配置され、第1スリット部S1の底面と内壁に露出した第1引き出し部331と接触して連結された第1連結部411と、第1連結部411から本体100の第6面106に延びた第1パッド部412と、を含む。
【0064】
第2外部電極420は、第2スリット部S2の底面と内壁に配置され、第2スリット部S2の底面と内壁に露出した第2引き出し部332と接触して連結された第2連結部421と、第2連結部421から本体100の第6面106に延びた第2パッド部422と、を含む。
【0065】
第1パッド部412と第2パッド部422は、本体100の第6面106で互いに離隔して配置される。
【0066】
連結部411、421は、スリット部S1、S2の内面のうち幅方向(W)の中央部に配置されることができる。パッド部412、422は、本体100の第6面のうち幅方向(W)の中央部に配置されることができる。すなわち、連結部411、421及びパッド部412、422はそれぞれ本体100の第3及び第4面103、104まで延びないことができる。
【0067】
一方、図1及び図2では、幅方向(W)に沿った連結部411、421の長さと、幅方向(W)に沿ったパッド部412、422の長さが互いに同一に図示されているが、これは例示的なものに過ぎないため、本発明の範囲が図1及び図2に図示された事項に制限されるものではない。例示的に、幅方向(W)に沿ったパッド部412、422の長さは、幅方向(W)に沿った連結部411、421の長さより長いことができる。
【0068】
外部電極410、420はそれぞれ、スリット部S1、S2の内面と本体100の第6面106に沿って形成される。すなわち、外部電極410、420は、スリット部S1、S2の内面及び本体100の第6面106にコンフォーマル(conformal)な膜の形態で形成される。外部電極410、420はそれぞれ、スリット部S1、S2の内面と本体100の第6面106で一体に形成されることができる。この場合、外部電極410、420はスパッタリング工程またはめっき工程のような薄膜工程により形成されることができる。
【0069】
外部電極410、420は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、クロム(Cr)、チタン(Ti)、またはこれらの合金などの導電性材料で形成されることができるが、これに限定されるものではない。
【0070】
外部電極410、420は、複数層の構造で形成されることができる。例えば、外部電極410、420はそれぞれ、銅(Cu)を含む第1層と、第1層上に形成される第2層413と、を含むことができる。第1層は、連結部411、421とパッド部412、422から構成されることができる。第2層413、423はパッド部412、422に配置されることができ、単層または複数層の構造で形成されることができる。第2層413、423が複数層の構造を有する場合、第2層413、423は、ニッケル(Ni)を含む第1導電層と、スズ(Sn)を含む第2導電層と、を含むことができる。
【0071】
第1層は、電解めっきにより形成されるか、スパッタリングなどの気相蒸着により形成されるか、または、銅(Cu)及び/または銀(Ag)などの導電性粉末を含む導電性ペーストを塗布及び硬化することで形成されることができる。第2層413、423は電解めっきにより形成されることができる。
【0072】
本実施形態において、コイル部品1000の外側面に配置される絶縁層は、本体100の第6面106に配置される下部絶縁層510と、最外側で外部電極410、420のパッド部412、422を除いた面を全体的に覆う表面絶縁層520と、スリット部S1、S2で表面絶縁層520と外部電極410、420の連結部411、421との間に配置されるスリット絶縁層530と、を含むことができる。以下、各絶縁層が形成される工程順序に従って、下部絶縁層510、スリット絶縁層530、表面絶縁層520の順に詳細に説明する。
【0073】
図2図3及び図6を参照すると、下部絶縁層510は、本体100の第6面106に配置される。下部絶縁層510は、外部電極410、420のパッド部412、422が配置される領域を除いた本体100の第6面106の少なくとも一部を覆うことができる。
【0074】
下部絶縁層510は、平均厚さが15μmに近い値を有することができる。ここで、下部絶縁層510の平均厚さとは、コイル部品1000の幅方向(W)の中央部における長さ方向(L)-厚さ方向(T)の断面(cross-section)に対する光学顕微鏡またはSEM(Scanning Electron Microscope)写真を基準に、上記断面写真に示された本体100の第6面106と接する下部絶縁層510の内部面に該当する内側の境界線と、下部絶縁層510の外部面に該当する外側の境界線とを連結し、厚さ方向(T)に平行な複数の線分のうち、等間隔の少なくとも3本以上の線分のそれぞれの長さの算術平均値を意味し得る。
【0075】
下部絶縁層510は、外部電極410、420をめっきにより形成する際に用いられためっきレジストであることができる。下部絶縁層510は、本体100の第6面106の全体に下部絶縁層形成用絶縁物質を形成した後、外部電極410、420のパッド部412、422が配置される領域に対応する一部を除去することで形成されることができる。または、下部絶縁層510は、本体100の第6面106のうちパッド部412、422が配置される領域を除いた領域に、下部絶縁層形成用絶縁物質を選択的に形成することで形成されることができる。下部絶縁層510は、エポキシなどの絶縁樹脂を含むことができる。
【0076】
スリット絶縁層530は、第1外部電極410及び第2外部電極420のそれぞれの連結部411、421の少なくとも一部を覆うようにスリット部S1、S2に配置される。スリット絶縁層530は連結部411、421の少なくとも一部を覆うことで、本実施形態によるコイル部品1000と他の電子部品との短絡(short-circuit)を防止することができる。
【0077】
スリット絶縁層530の平均厚さは40μm以上50μm以下であることができる。ここで、スリット絶縁層530の平均厚さとは、コイル部品1000の幅方向(W)の中央部における長さ方向(L)-厚さ方向(T)の断面(Cross-section)に対する光学顕微鏡またはSEM(Scanning Electron Microscope)写真を基準に、上記断面写真に示されたスリットS1の内壁と接するスリット絶縁層530の内部面に該当する内側の境界線と、スリット絶縁層530の外部面に該当する外側の境界線とを連結し、長さ方向(L)に平行な複数の線分のうち、等間隔の少なくとも3本以上の線分のそれぞれの長さの算術平均値を意味し得る。または、上記断面写真に示されたスリットS1の底面と接するスリット絶縁層530の内部面に該当する内側の境界線と、スリット絶縁層530の外部面に該当する外側の境界線とを連結し、厚さ方向(T)に平行な複数の線分のうち、等間隔の少なくとも3本以上の線分のそれぞれの長さの算術平均値を意味し得る。
【0078】
スリット絶縁層530は、連結部411、421が形成されたスリット部S1、S2に、印刷法、気相蒸着、スプレー塗布法、フィルム積層法などの方法によりスリット絶縁層530形成用絶縁物質を形成することで形成されることができるが、これに制限されるものではない。
【0079】
スリット絶縁層530は、ポリスチレン系、酢酸ビニル系、ポリエステル系、ポリエチレン系、ポリプロピレン系、ポリアミド系、ゴム系、アクリル系などの熱可塑性樹脂、フェノール系、エポキシ系、ウレタン系、メラミン系、アルキド系などの熱硬化性樹脂、感光性樹脂、パリレン、SiO、またはSiNを含むことができる。
【0080】
表面絶縁層520は、本体100の第1面101及び第2面102、スリット部S1、S2にそれぞれ配置される。表面絶縁層520は、スリット部S1、S2で外部電極410、420の連結部411、421を覆うスリット絶縁層530の少なくとも一部を覆うように配置されることができる。
【0081】
図3及び図4を参照すると、表面絶縁層520は、スリット部S1、S2から一部が延びて、本体100の第6面106に配置された外部電極410、420のパッド部412、422の少なくとも一部を覆うように配置されることができる。すなわち、外部電極410、420の連結部411、421とパッド部412、422とが垂直に当接する角部上に、表面絶縁層520の少なくとも一部が延びることができる。また、表面絶縁層520は、引き出し部331、332のうち本体100の第1面101及び第2面102に露出した領域の少なくとも一部を覆う。
【0082】
このように、表面絶縁層520とスリット絶縁層530からなる二重絶縁構造と、表面絶縁層520が外部電極410、420の角部上に少なくとも一部が延びる構造を有することで、本実施形態によるコイル部品1000の表面のめっき滲みを防止することができ、プリント回路基板などの実装基板に実装する際に、本実施形態によるコイル部品1000と隣接して実装された他の電子部品との短絡(short-circuit)を防止することができる。
【0083】
図4を参照すると、表面絶縁層520の平均厚さは1μm以上5μm以下であることができる。表面絶縁層520を上述の厚さで形成する理由は、同一の部品サイズに対比して、本体100の有効体積及び磁性材料の有効体積を増加させるためである。具体的に、表面絶縁層520の厚さが1μm未満である場合には、絶縁電圧の正常範囲の最小値に達せず、5μmを超える場合には、生産性の低下、部品の全体サイズの増加、同一サイズの部品を基準として磁性材料の有効体積の減少などの問題が発生する恐れがある。
【0084】
すなわち、表面絶縁層520により上昇する耐電圧特性は、表面絶縁層520の厚さに比例して上昇するが、逆に、コイル部品1000のインダクタンス特性に影響を与えない表面絶縁層520の厚さが厚くなるほど、同一の部品サイズに対比して本体100の有効体積は減少する恐れがある。したがって、耐電圧特性の維持及び有効体積の点から、従来の工法よりも効果を得るための表面絶縁層520の最適な厚さは、1μm以上5μm以下であることができる。
【0085】
従来、本体の表面に形成される表面絶縁層は、絶縁ペーストを印刷する厚膜(thick-film)工程により形成され、その厚さが相対的に厚いという問題があった。本発明は、表面絶縁層520を薄膜(thin-film)工程により形成することで、同一の部品サイズに対比して本体100の有効体積及び磁性材料の有効体積が増加することができる。
【0086】
表1は、外部電極410、420の形態毎に、コイル部品1000の表面絶縁層520の厚さと有効体積を導出した実験データである。表1を参照すると、表面絶縁層520の厚さが5μm以下の値を有する場合、部品の有効体積が93.2%と最も高いことが確認できる。
【0087】
【表1】
【0088】
一方、表面絶縁層520の平均厚さとは、コイル部品1000の幅方向(W)の中央部における長さ方向(L)-厚さ方向(T)の断面(cross-section)に対する光学顕微鏡またはSEM(Scanning Electron Microscope)写真を基準に、上記断面写真に示された本体100の第1面101と接する表面絶縁層520の内部面に該当する内側の境界線と、表面絶縁層520の外部面に該当する外側の境界線とを連結し、長さ方向(L)に平行な複数の線分のうち、等間隔の少なくとも3本以上の線分のそれぞれの長さの算術平均値を意味し得る。
【0089】
一方、表面絶縁層520は、スリット絶縁層530の表面上に配置され、外部電極410、420のパッド部412、422の少なくとも一部を覆うように延びて配置されることができる。すなわち、表面絶縁層520の少なくとも一部が外部電極410、420の連結部411、421及びパッド部412、422が接する角部上に延びるように形成されることができる。
【0090】
図4を参照すると、表面絶縁層520が延びる領域の長さL1は、1μm以上50μm以下であることができる。ここで、延びる領域の長さL1は、本体100の第1面101及び第2面102に実質的に平行であって表面絶縁層520を含む仮想の平面から、表面絶縁層520が外部電極410、420の連結部411、421及びパッド部412、422が接する角部上に延びる端部までの最短距離と定義されることができる。
【0091】
一方、スリット絶縁層530なしに、連結部411、421上に表面絶縁層520が直接配置される場合には、表面絶縁層520が延びる領域の長さL1は、1μm以上30μm以下であることができる。
【0092】
表面絶縁層520は、本体100の第3面103、第4面104、第5面105にそれぞれさらに配置されることができる。すなわち、例えば、表面絶縁層520は、本体100の第1面101、第2面102、第3面103、第4面104、第5面105、及びスリット部S1、S2のそれぞれの少なくとも一部を覆うことができる。この場合、表面絶縁層520は、本体100の第1面101、第2面102、第3面103、第4面104、第5面105、及びスリット部S1、S2に一体に形成されることができる。
【0093】
図3及び図5を参照すると、本体100の第6面106に下部絶縁層510が形成された状態で表面絶縁層520が形成されることができる。この場合、表面絶縁層520は、本体100の第3面103及び第4面104と同一平面上にある下部絶縁層510の両側面のそれぞれの少なくとも一部を覆う形態で形成されることができるが、本発明の範囲がこれに制限されるものではない。
【0094】
図5を参照すると、下部絶縁層510と外部電極410、420のパッド部412、422との境界面で、下部絶縁層510は、パッド部412、422と接する面で本体100の第6面106とパッド部412、422との間に形成され、パッド部412、422及び第2層413、423の一部と重なることができる。
【0095】
一方、表面絶縁層520は、下部絶縁層510の表面上に配置され、外部電極410、420のパッド部412、422のそれぞれと下部絶縁層510との境界部分で、パッド部412、422の少なくとも一部を覆うように延びることができる。すなわち、本体100の第6面106において外部電極410、420のパッド部412、422を除いた領域に、下部絶縁層510及び表面絶縁層520を含む二重絶縁構造が形成されることができ、表面絶縁層520の少なくとも一部がパッド部412、422及び第2層413、423上に延びるように形成されることができる。
【0096】
ここで、表面絶縁層520が延びる領域の長さL2は、1μm以上30μm以下であることができる。ここで、延びる領域の長さL2は、本体100の第6面106に実質的に垂直な仮想の平面のうち、下部絶縁層510とパッド部412、422のそれぞれとの境界面の最外側を通る平面と、表面絶縁層520の延びた端部を通る平面との間の平均距離と定義されることができる。
【0097】
表面絶縁層520は、化学気相蒸着(Chemical Vapor Deposition、CVD)などの気相蒸着(Vapor Deposition、VD)により形成されることができるが、これに制限されるものではない。表面絶縁層520は、例えば、Parylene-N(C1614Cl)、EGDMA(Ethylene glycol dimethacrylate、C1014)、GMA(Glycidyl methacrylate、C10)、V3D3(2,4,6-trivinyl-2,4,6-trimethyl cyclotrisiloxane、C18Si)、V4D4(2,4,6,8-tetramethyl-2,4,6,8-tetravinyl cyclotetrasiloxane、C1224Si)、PFDMA(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10-heptadecafluorodecyl methacrylate、C1417)、4VP(4-vinyl-pyridine、CN)、EGDA(Ethylene glycol diacrylate、C1014)、EA(Ethyl acrylate、C)、HEMA(2-hydroxyethylmethacrylate、C10)、MAA(Methacrylic acid、C)、MAH(Methacrylic anhydride、C10)、またはDVB(Divinylbenzene、C1010)のうち少なくとも1つの成分を含むことができるが、これに制限されるものではない。
【0098】
上述の構成を有することで、本実施形態によるコイル部品1000は、コイル部品の大きさを小さくするとともに、下部電極構造を容易に実現することができる。すなわち、従来と異なって、外部電極410、420が本体100の両端面101、102または両側面103、104から突出形成されないため、コイル部品1000の全長さ及び幅を増加させない。また、外部電極410、420が薄膜工程により形成されるため、相対的に薄く形成され、コイル部品1000の厚さ増加を最小化することができる。また、本実施形態によるコイル部品1000は、表面絶縁層520が薄膜工程により相対的に薄く形成されるため、磁性材料の有効体積を極大化することができる。
【0099】
また、スリット絶縁層530及び表面絶縁層520、または下部絶縁層510及び表面絶縁層520のような二重絶縁構造により、単一絶縁構造に比べて絶縁電圧が上昇することができる。表2は、下部絶縁層510をアクリル樹脂でインクジェット絶縁により形成した場合の、絶縁層の厚さ(μm)による絶縁電圧の大きさ(V)を示した表である。表3は、アクリル樹脂でインクジェット絶縁により形成した下部絶縁層510が15μmの厚さを有する場合に、下部絶縁層510上にさらに形成される表面絶縁層520の厚さによる、追加的に上昇する絶縁電圧の大きさ(V)を示した表である。表4は、薄膜絶縁層の形成時、コイル部品の規格上の正常範囲の最小値と、本発明によるコイル部品の特性、従来の工法によるコイル部品の特性を順に示した表である。
【0100】
表2及び表3を参照すると、絶縁層の厚さによる絶縁電圧特性に関する実験により、下部絶縁層510を厚さ15μmのアクリル樹脂(膜当たりの絶縁電圧:25V/μm)でインクジェット絶縁した場合に375Vの絶縁電圧を有していたことに比べて、厚さ2μmのEGDMA(膜当たりの絶縁電圧:9.37V/μm)成分の表面絶縁層520を下部絶縁層510上にさらに配置した場合、絶縁電圧が追加的に18.74V上昇する。結果として、かかる二重絶縁構造により、393.74Vの絶縁電圧を有するようになり、単一絶縁構造に比べて約4.76%の絶縁電圧上昇の効果がある。
【0101】
表4を参照すると、本発明の二重絶縁構造は、下部絶縁層510の厚さが、インクジェット絶縁時に絶縁層の視認性を確保するための最小の厚さである5μm以上の範囲に該当し、表面絶縁層520の厚さは、従来の工法に比べて薄膜である2μmで形成されることができる。このような構造を有することで、絶縁電圧は、正常範囲の最小値である80V以上の393.74Vの値を有するとともに、従来の工法に比べて向上した93%の有効体積率を有するコイル部品を提供することができる。
【0102】
【表2】
【0103】
【表3】
【0104】
【表4】
【0105】
(第2実施形態)
図9は本発明の他の実施形態によるコイル部品3000を概略的に示す斜視図である。図10図9のコイル部品3000を下部側から見て示した図である。図11図9のIII-III'線に沿った断面を示す図である。図12図11のC領域を示す拡大図である。
【0106】
図9から図12を参照すると、本発明の他の実施形態によるコイル部品3000は、本発明の一実施形態によるコイル部品1000と比較した時に、コイル部300及び外部電極410、420の形態が異なり、スリット部S1、S2がない点において異なる。したがって、本実施形態を説明するにあたり、本発明の一実施形態と異なるコイル部300及び外部電極410、420についてのみ説明する。本実施形態のその他の構成は、本発明の一実施形態での説明をそのまま適用することができる。
【0107】
本実施形態に適用されるコイル部300は、コイルパターン311、312と、第1ビア321と、引き出し部331、332と、を含む。
【0108】
本体100の第6面106と向かい合う基板200の下面に第1コイルパターン311、第2引き出し部332が配置され、本体100の第5面105と向かい合う基板200の上面に第2コイルパターン312及び第1引き出し部331が配置される。基板200の下面で、第1コイルパターン311は第2引き出し部332と接触して連結され、第1コイルパターン311及び第2引き出し部332はそれぞれ第1引き出し部331から離隔して配置される。第2引き出し部332は、第1コイルパターン311の最外側のターン(turn)から延びて形成されることができる。第1引き出し部331及び第2引き出し部332はそれぞれ本体100の第1面101及び第2面102に露出することができる。
【0109】
第1ビア321は、基板200を貫通し、第1コイルパターン311の最内側のターン(turn)と第2コイルパターン312の最内側のターン(turn)にそれぞれ接触して連結される。このようにすることで、コイル部300は全体的に1つのコイルとして機能することができる。
【0110】
本実施形態に適用される外部電極410、420は本体100の一面106に互いに離隔して配置され、それぞれ本体100の第1面101及び第2面102に延びて第1及び第2引き出し部331、332と連結される。
【0111】
具体的に、第1外部電極410は、本体100の第1面101に配置され、第1引き出し部331と接触して連結された第1連結部411と、第1連結部411から本体100の第6面106に延びた第1パッド部412と、を含む。
【0112】
第2外部電極420は、本体100の第2面102に配置され、第2引き出し部332と接触して連結された第2連結部421と、第2連結部421から本体100の第6面106に延びた第2パッド部422と、を含む。
【0113】
連結部411、421は、本体100の第1面101及び第2面102の全体を覆う形態を有することができる。第1パッド部412と第2パッド部422は、本体100の第6面106で互いに離隔して配置され、本体100の幅方向(W)の長さと実質的に同一の長さを有することができる。すなわち、連結部411、421及びパッド部412、422はそれぞれ、幅方向(W)に本体100の第3及び第4面103、104まで延びることができる。
【0114】
図10及び図11を参照すると、本実施形態に適用されるコイル部品3000は、スリット部S1、S2及びスリット絶縁層530を含まず、外部電極410、420の連結部411、421上に表面絶縁層520が直接配置されることができる。
【0115】
表面絶縁層520は、外部電極410、420の連結部411、421上から一部が延びて、本体100の第6面106に配置された外部電極410、420のパッド部412、422の少なくとも一部を覆うように配置されることができる。すなわち、外部電極410、420の連結部411、421とパッド部412、422が垂直に接する角部上に、表面絶縁層520の少なくとも一部が延びることができる。
【0116】
このように、表面絶縁層520が、外部電極410、420の角部上に少なくとも一部が延びる構造を有することで、本実施形態によるコイル部品3000の表面のめっき滲みを防止することができ、プリント回路基板などの実装基板に実装する際に、本実施形態によるコイル部品3000と隣接して実装された他の電子部品との短絡(short-circuit)を防止することができる。
【0117】
(第3実施形態)
図13は本発明のさらに他の実施形態によるコイル部品4000を概略的に示す斜視図である。
【0118】
図13を参照すると、本実施形態によるコイル部品4000は、巻き取りタイプのコイル部300を含むことができる。この場合、本実施形態によるコイル部品4000は基板200を含まない。
【0119】
コイル部300は、金属線及び金属線の表面を被覆する被覆層を含む銅ワイヤ(Cu-wire)などの金属ワイヤを巻き取って形成された巻き取りコイルであることができる。したがって、コイル部300の複数のターン(turn)のそれぞれの表面全体は被覆層で被覆される。
【0120】
一方、金属ワイヤは平角線であることができるが、これに制限されるものではない。平角線でコイル部300を形成した場合、コイル部300の各ターン(turn)の断面は直四角形の形態であることができる。
【0121】
被覆層は、エポキシ(epoxy)、ポリイミド(polyimide)、液晶結晶性ポリマー(Liquid Crystal Polymer)などを単独または混合して含むことができるが、これに制限されるものではない。
【0122】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、当技術分野において通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載の本発明の思想から外れない範囲内で、構成要素の付加、変更、または削除などによって本発明を多様に修正及び変更可能であり、これも本発明の権利範囲内に含まれるといえる。
【符号の説明】
【0123】
100 本体
110 コア
200 基板
300 コイル部
311、312 コイルパターン
321、322、323 ビア
331、332 引き出し部
341、342 ダミー引き出し部
410、420 外部電極
411、421 連結部
412、422 パッド部
413、423 第2層
510 下部絶縁層
520 表面絶縁層
530 スリット絶縁層
IF 絶縁膜
S1、S2 スリット部
1000、2000、3000、4000 コイル部品
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13