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特開2022-179409空気圧縮機のモータ結合位置決め装置
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  • 特開-空気圧縮機のモータ結合位置決め装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022179409
(43)【公開日】2022-12-02
(54)【発明の名称】空気圧縮機のモータ結合位置決め装置
(51)【国際特許分類】
   F04B 39/12 20060101AFI20221125BHJP
   F04B 39/14 20060101ALI20221125BHJP
【FI】
F04B39/12 G
F04B39/14
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022081228
(22)【出願日】2022-05-18
(31)【優先権主張番号】110118139
(32)【優先日】2021-05-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】501164676
【氏名又は名称】周 文三
(71)【出願人】
【識別番号】519443952
【氏名又は名称】周 承賢
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】周 文三
(72)【発明者】
【氏名】周 承賢
【テーマコード(参考)】
3H003
【Fターム(参考)】
3H003AA02
3H003AB07
3H003AC02
3H003CD01
3H003CE03
3H003CF04
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ねじを使用せずにモータをフレームに確実に固設するとともに、空気圧縮機を筐体内部に取り付けることができる空気圧縮機のモータ結合位置決め装置を提供する。
【解決手段】空気圧縮機10は、筐体の内空部に挿設されるとともに、フレーム1、シリンダー2、モータ4及び伝動機構6を備える。フレームは、第1の位置決め孔11及び第2の位置決め孔12を含む複数の位置決め孔を有する。シリンダーは、フレームに結合される。モータは、フレームと組み合わされる。フレームの第1の位置決め孔には、モータの芯端に設けた小歯車が挿入され、モータの内軸受座41が第1の位置決め孔内に収容される。伝動機構は、シリンダー内でピストン本体5を往復運動させて圧縮空気を発生させる。少なくとも1つの係合部材7によりフレームとモータとを密着させて組み合わせ、係合部材の一端をフレームに係合して他端をモータのハウジングに係合する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気圧縮機のモータ結合位置決め装置であって、
前記空気圧縮機は、筐体の内空部に挿設され、
前記空気圧縮機は、フレーム、シリンダー、モータ及び伝動機構を備え、
前記フレームは、複数の位置決め孔を有し、前記位置決め孔は、第1の位置決め孔及び第2の位置決め孔を含み、
前記シリンダーは、前記フレームに結合されるとともに、空気貯蔵ユニットに連通され、
前記モータは、前記フレームと組み合わされ、前記フレームの前記第1の位置決め孔には、前記モータの芯端に設けた小歯車が挿入され、前記モータの内軸受座が前記第1の位置決め孔内に収容され、
前記伝動機構は、前記シリンダー内でピストン本体を往復運動させて圧縮空気を発生させ、
少なくとも1つの係合部材により前記フレームと前記モータとを密着させて組み合わせ、前記係合部材の一端を前記フレームに係合し、前記係合部材の他端を前記モータのハウジングに係合するため、前記モータはねじを使用しなくても前記フレームと組み合わされて確実に固設されることを特徴とする、空気圧縮機のモータ結合位置決め装置。
【請求項2】
前記モータの前記ハウジングの周面上には、放熱口が形成され、前記係合部材の一端が前記フレームに係合され、前記係合部材の他端が前記モータの前記ハウジングの前記放熱口に係合されるため、前記モータはねじを使用しなくても前記フレームと組み合わされて確実に固設されることを特徴とする請求項1に記載の空気圧縮機のモータ結合位置決め装置。
【請求項3】
前記一端が前記小歯車を有する前記モータの前端面は、前記内軸受座の外周に形成された複数の凹部を有し、前記フレームの後方に形成された前記第1の位置決め孔の外周には、前記凹部に対応する複数のピンが突設され、前記モータを前記フレームに位置決めする際、前記モータの前記前端面に形成された複数の凹部が、前記フレーム上の複数のピンに対応されて係合されることを特徴とする請求項1に記載の空気圧縮機のモータ結合位置決め装置。
【請求項4】
前記係合部材の一端は開放端であり、前記係合部材の他端は閉鎖端であり、前記係合部材の前記開放端及び前記閉鎖端の末端頭部には、折曲げ係合部がそれぞれ設けられることを特徴とする請求項2に記載の空気圧縮機のモータ結合位置決め装置。
【請求項5】
前記伝動機構に対向し、前記シリンダーが上端に位置する箇所を前側面として用い、前記フレームの左端外側面及び右端外側面には、収容槽及び第3の位置決め孔がそれぞれ形成され、
前記係合部材は、前記フレームの前記収容槽中に収容され、前記係合部材の前記開放端の前記折曲げ係合部は、前記フレームの前記第3の位置決め孔に係合され、前記係合部材の前記閉鎖端の前記折曲げ係合部は、前記モータの前記ハウジングの周面に形成された前記放熱口に係合されることを特徴とする請求項4に記載の空気圧縮機のモータ結合位置決め装置。
【請求項6】
前記空気圧縮機は筐体内に配設され、前記筐体の内側壁面には押付け部が設けられ、前記押付け部は、前記筐体の内側壁面に設けた凹入槽を含み、前記凹入槽の壁面により、前記モータと前記フレームとの間に前記係合部材が位置拘束され、前記係合部材は、前記空気圧縮機が動作中に不用意に落下してしまう等、外力が加わって緩んでしまうことを防ぐことを特徴とする請求項1に記載の空気圧縮機のモータ結合位置決め装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気圧縮機のモータ結合位置決め装置に関し、特に、ねじを使用せずにモータをフレームに確実に固設することができるとともに、空気圧縮機を筐体内部に取り付けることができる、空気圧縮機のモータ結合位置決め装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の空気圧縮機は、フレームと、前記フレームに結合されたシリンダーと、フレームに取付けられたモータと、モータにより駆動されシリンダー内で往復運動するピストン本体と、を含み、モータによりシリンダー内でピストン本体を往復運動させることにより、ガスの吸入・圧縮を行い、加圧ガスを排出させ、空気圧縮機全体を筐体内に配設する。
【0003】
一般に、従来の空気圧縮機のモータの大部分は、ねじによりフレーム上にねじ止めされていたが、空気圧縮機を長期間使用すると、ねじが外れたり緩んだりして使用寿命が短くなることがあった。また、ねじはフレーム本体に挿通し、モータのハウジングのねじ孔に螺着しなければならなかったが、空間により制限され、ねじを締め付ける工具をフレーム本体及びその周辺部品に挿通させることが出来ないことがある。しかし、その場合ねじを使用してモータをフレーム上にスムーズにねじ止めすることが困難となることがあった。本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、本発明者は、長年にわたり空気圧縮機の研究・開発に力を注ぎ、空気圧縮機のモータ結合位置決め装置を発明した。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の主な課題は、モータが有する複数の凹部を、フレーム上の複数のピンに対応させて係合させるとともに、少なくとも1つの係合部材を介してフレームとモータとを密着させて組み合わせ、係合部材の一端をフレームに係合し、係合部材の他端をモータのハウジングに係合することにより、ねじを使用せずにモータをフレームと組み合わせて確実に固設することができる、空気圧縮機のモータ結合位置決め装置を提供することにある。
【0005】
本発明のもう一つの課題は、空気圧縮機を筐体内に配設し、筐体の内側壁面に押付け部が設けられ、この押付け部により、モータとフレームとの間に係合部材を位置拘束することにより、係合部材は、空気圧縮機が動作中に不用意に落下してしまう等、外力が加わって緩んでしまうことを防ぐことができる、空気圧縮機のモータ結合位置決め装置を提供することにある。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、本発明の一実施形態に係る空気圧縮機のモータ結合位置決め装置を示す斜視図である。
図2図2は、本発明の一実施形態に係る空気圧縮機のモータ結合位置決め装置の一部の部材を示す分解斜視図である。
図3図3は、本発明の一実施形態に係る空気圧縮機のモータ結合位置決め装置を示す側面図である。
図4図4は、本発明の一実施形態に係る空気圧縮機のモータ結合位置決め装置を示す断面図である。
図5図5は、本発明の一実施形態に係るフレームを示す平面図である。
図6図6は、本発明の一実施形態に係る空気圧縮機が筐体内に設置された状態を示す分解斜視図である。
図7図7は、本発明の一実施形態に係る空気圧縮機が筐体内に設置された状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、これによって本発明が限定されるものではない。
【0008】
図7を参照する。図7に示すように、本発明の一実施形態に係る空気圧縮機のモータ結合位置決め装置は、筐体8の内空部に挿設される。図1図4を併せて参照する。本実施形態に係る空気圧縮機10は、フレーム1と、フレーム1に結合されたシリンダー2と、フレーム1と組み合わせたモータ4と、モータ4により駆動されてシリンダー2内で往復運動するピストン本体5と、を含む。
【0009】
フレーム1は、複数の位置決め孔を有する。複数の位置決め孔は、第1の位置決め孔11及び第2の位置決め孔12を含む。第1の位置決め孔11には、モータ4の芯端に設けた小歯車61が挿入され、モータ4の内軸受座41が第1の位置決め孔11内に収容される。第2の位置決め孔12内には、軸受121が設けられる。前述したモータ4には、金属材料からなる電導コイル45が嵌設され、電導コイル45が導磁作用を有するため、モータ4が仕事をする際、モータ4の効率が向上する。
【0010】
シリンダー2は、フレーム1に一体成形される。シリンダー2は、空気貯蔵ユニット3と連通する。空気貯蔵ユニット3には、気体を出力するホース31と、圧力計32とが取り付けられる少なくとも1つのマニホールド30が設けられる。
【0011】
伝動機構6は、カウンターウェイトブロックを有する大歯車62を含む。大歯車62は、前述した小歯車61に噛合される。大歯車62は、偏心クランクを介して前述したピストン本体5のピストンロッド51と接続される。伝動機構6は、前述したシリンダー2内でピストン本体5を往復運動させて圧縮空気を発生させる。
【0012】
図2図5を参照する。図2図5に示すように、本発明の特徴は、少なくとも1つの係合部材7によりフレーム1とモータ4とを密着させて組み合わせ、係合部材7の一端を前述したフレーム1に係合し、係合部材7の他端を前述したモータ4のハウジングに係合することにより、ねじを使用せずにモータ4とフレーム1とを組み合わせて確実に固設させることにある。図2に示すように、本発明の一実施形態において、モータ4のハウジングの周面上の対称位置には、完全に貫通された放熱口44がそれぞれ形成される。放熱口44は、モータ4のハウジングの内部と、モータ4のハウジングの外部とに気体を流通させ、放熱機能を得る。前述したモータ4の前端面42は、内軸受座41の外周に形成された複数の凹部43を有する。フレーム1の後方に形成された第1の位置決め孔11の外周には、前述した凹部43に対応する複数のピン110が突設されている。モータ4をフレーム1に位置決めする場合、モータ4の前端面42に形成された複数の凹部43を、フレーム1上の複数のピン110に対応させて係合させることにより、ねじを使用しなくてもモータ4を位置決めすることができる。同時に、前述したモータ4の前端面42の内軸受座41をフレーム1上の第1の位置決め孔11内に収容するとともに、前述した係合部材7をモータ4及びフレーム1の対称位置にある2つの外側面に密着させて組み合わせると、係合部材7の一端がフレーム1の第3の位置決め孔16に係合され、係合部材7の他端がモータ4のハウジングの周面に形成された放熱口44に係合されるため、モータ4はねじを使用しなくてもフレーム1と組み合わされて確実に固設することができる。
【0013】
本発明を図2の実施形態で説明すると、前述した係合部材7の一端は開放端71であり、他端は閉鎖端72である。係合部材7の開放端71及び閉鎖端72の末端頭部には、折曲げ係合部710,720がそれぞれ設けられ、伝動機構6がフレーム1上に結合された状態で説明すると、伝動機構6に対向し、シリンダー2が上端に位置する箇所を前側面として用い、前述したフレーム1の左端外側面13及び右端外側面14には、収容槽15及び第3の位置決め孔16がそれぞれ形成される。前述した係合部材7は、フレーム1の収容槽15中に収容される。係合部材7の開放端71の折曲げ係合部710は、フレーム1の第3の位置決め孔16に係合される。係合部材7の閉鎖端72の折曲げ係合部720は、モータ4のハウジングの周面に形成された放熱口44に係合され、ねじを使用しなくても組み合わせてフレーム1に確実に固設させることができる。係合部材7がフレーム1の収容槽15中に収容されているため、係合部材7は位置がずれたり緩んだりすることがない(図3を参照する)。
【0014】
図6及び図7を参照する。図6及び図7に示すように、空気圧縮機10は筐体8内に配設される。筐体8の内側壁面には、押付け部81が設けられる。押付け部81は、筐体8の内側壁面に設けた凹入槽82を含む。凹入槽82の壁面により、モータ4とフレーム1との間に係合部材7を位置拘束することができるため、係合部材7は、空気圧縮機10が動作中に不用意に落下してしまう等、外力が加わって緩んでしまうことを防ぐことができる。
【0015】
上述したことから分かるように、本発明に係る空気圧縮機のモータ結合位置決め装置は、モータ4が有する複数の凹部43を、フレーム1上の複数のピン110上に対応させて係合させることができる上、少なくとも1つの係合部材7によりフレーム1とモータ4とを密着させて組み合わせることができる。即ち、係合部材7の一端を前述したフレーム1に係合し、係合部材7の他端を前述したモータ4のハウジングに係合することにより、モータ4はねじを使用しなくても組み合わせてフレーム上に確実に固設させることができる。
【符号の説明】
【0016】
1:フレーム
2:シリンダー
3:空気貯蔵ユニット
4:モータ
5:ピストン本体
6:伝動機構
7:係合部材
8:筐体
10:空気圧縮機
11:第1の位置決め孔
12:第2の位置決め孔
13:左端外側面
14:右端外側面
15:収容槽
16:第3の位置決め孔
30:マニホールド
31:ホース
32:圧力計
41:内軸受座
42:前端面
43:凹部
44:放熱口
45:電導コイル
51:ピストンロッド
61:小歯車
62:大歯車
71:開放端
72:閉鎖端
81:押付け部
82:凹入槽
110:ピン
121:軸受
710:折曲げ係合部
720:折曲げ係合部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7