(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022179426
(43)【公開日】2022-12-02
(54)【発明の名称】灌流モニタリングおよび制御システム
(51)【国際特許分類】
A61M 1/14 20060101AFI20221125BHJP
A61B 5/145 20060101ALI20221125BHJP
A61M 60/113 20210101ALN20221125BHJP
A61M 60/279 20210101ALN20221125BHJP
A61M 60/38 20210101ALN20221125BHJP
【FI】
A61M1/14 110
A61B5/145
A61M60/113
A61M60/279
A61M60/38
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022082093
(22)【出願日】2022-05-19
(31)【優先権主張番号】17/325,397
(32)【優先日】2021-05-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】500204326
【氏名又は名称】テルモ カーディオバスキュラー システムズ コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100212705
【弁理士】
【氏名又は名称】矢頭 尚之
(74)【代理人】
【識別番号】100219542
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 郁治
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】リチャード・エム.・マトビーナ
(72)【発明者】
【氏名】スザンヌ・オズボーン
【テーマコード(参考)】
4C038
4C077
【Fターム(参考)】
4C038KK03
4C038KL01
4C038KX01
4C077AA02
4C077BB06
4C077DD07
4C077DD12
4C077HH03
4C077HH13
4C077HH14
4C077HH15
4C077HH20
4C077HH21
4C077JJ03
4C077JJ12
4C077JJ16
4C077JJ18
4C077JJ22
4C077JJ27
4C077JJ28
(57)【要約】 (修正有)
【課題】医療手技中に患者のパラメータをモニタするための医療システムを提供する。
【解決手段】半自律的な調整についてのパラメータ設定の入力可能である半自律的な調整は、患者パラメータに対する感知されたリアルタイム変化に基づいて、手技中に実行可能である。コンピュータシステムは、リアルタイムで、患者パラメータをモニタ可能でありGUI表示を生成可能である。GUI表示は、患者パラメータの感知されたリアルタイム変化と、パラメータの各々についての範囲を調整するための制御機構と、半自律的な調整を遂行するための制御機構とを出力可能である。コンピュータシステムはまた、リアルタイムパラメータについての傾向を生成し、手技中に患者パラメータを調整するためにユーザによって使用可能である。半自律的な調整のユーザ選択は、心/肺機械におけるコンピュータシステムによって実行可能である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療手技中に患者の患者パラメータをモニタおよび制御するためのシステムであって、前記システムは、
連続的血液ガスモニタで使用される心/肺機械と、
パラメータプリセット、患者パラメータ、半自律的なパラメータ傾向応答調整、パラメータ範囲、および制御限度のうちの1つまたは複数を記憶するためのデータストアと、
患者パラメータのモニタリングおよび制御能力を提供するためのユーザデバイスと、ここで、前記ユーザデバイスは、医療手技前に表示画面上に第1のグラフィカルユーザインターフェース(GUI)表示を出力し、医療手技前の前記第1のGUI表示を介して、(i)前記患者パラメータの各々についての範囲と、(ii)前記患者パラメータのうちの1つまたは複数に対する半自律的なパラメータ傾向応答調整とに対するパラメータ設定を示すユーザ入力を受け取るように構成され、前記半自律的なパラメータ傾向応答調整は、前記患者パラメータの感知されたリアルタイム変化に基づいて医療手技中に実行されるものであり、
医療手技中にリアルタイムで、前記患者パラメータをモニタおよび制御するためのコンピュータシステムと
を備え、前記コンピュータシステムは、
医療手技前に前記ユーザデバイスから、前記パラメータ設定を受信することと、
パラメータ設定を示す前記ユーザ入力に基づいて、医療手技前に、医療手技中に前記ユーザデバイスの前記表示画面によって出力されることになる第2のGUI表示を生成することと、ここで、前記第2のGUI表示は、(i)前記患者パラメータの感知された前記リアルタイム変化の表示、(ii)表示された前記患者パラメータの各々についての範囲のうちの1つまたは複数を調整するための制御機構、および(iii)表示された前記患者パラメータのうちの1つまたは複数に半自律的な前記パラメータ傾向応答調整のうちの1つまたは複数を遂行するための制御機構を提供するものであり、
(i)医療手技中に前記心/肺機械と1つまたは複数のセンサとのうちの少なくとも1つから受信されたリアルタイム患者パラメータと、(ii)前記パラメータ設定とに基づいて、前記リアルタイム患者パラメータの各々についての計画された傾向を生成することと、
前記リアルタイム患者パラメータの各々についての計画された前記傾向をさらに提供するために前記第2のGUI表示を更新することと、
前記ユーザデバイスの前記表示画面によって出力されることになる更新された前記第2のGUI表示を前記ユーザデバイスに送信することと、
前記ユーザデバイスから、表示された前記リアルタイム患者パラメータに対する半自律的な前記パラメータ傾向応答調整のうちの1つまたは複数を遂行するための前記制御機構のうちの1つまたは複数の選択を示すユーザ入力を受け取ることと、
半自律的な前記パラメータ傾向応答調整のうちのユーザ選択された1つまたは複数を実行することと
を行うように構成される、システム。
【請求項2】
前記コンピュータシステムは、
(i)前記心/肺機械と前記1つまたは複数のセンサのうちの少なくとも1つから、(ii)半自律的な前記パラメータ傾向応答調整のうちのユーザ選択された1つまたは複数の実行後に、更新されたリアルタイム患者パラメータを受信することと、
更新された前記リアルタイム患者パラメータに基づいて、更新された前記リアルタイム患者パラメータの各々についての更新された傾向を決定することと、
更新された前記リアルタイム患者パラメータと、更新された前記リアルタイム患者パラメータの各々についての更新された前記傾向とをさらに提供するために前記第2のGUI表示を更新することと、
前記ユーザデバイスの前記表示画面によって出力されることになる更新された前記第2のGUI表示を前記ユーザデバイスに送信することと、
前記データストア中に、半自律的な前記パラメータ傾向応答調整のうちの実行された1つまたは複数と、(ii)更新された前記リアルタイム患者パラメータと、(iii)更新された前記リアルタイム患者パラメータの各々についての更新された前記傾向とを記憶することと
を行うようにさらに構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記1つまたは複数のセンサは、カメラ、動脈短絡センサ、静脈短絡センサ、空気検出器、気泡センサ、動脈光蛍光センサ、静脈光蛍光センサ、動脈光反射センサ、静脈光反射センサ、ヘマトクリットレベルセンサ、およびヘモグロビンセンサのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記1つまたは複数のセンサは、医療手技前および医療手技中にリアルタイムで、前記患者の血液ガスレベル、血流、静脈リザーバ血液レベル、温度、および圧力のうちの少なくとも1つをモニタするように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
半自律的な前記パラメータ傾向応答調整のうちの1つまたは複数は、前記患者の動脈血流を調整することと、前記患者の静脈血流を調整することと、静脈真空源を調整することと、血液濃縮器回路流を調整することと、排ガス流および濃度をモニタすることと、麻酔ガス入り口および出口をモニタすることと、換気ガス流を調整することと、換気ガス濃度を調整することと、入り口ガス換気をモニタすることと、排ガス換気をモニタすることとを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記第2のGUI表示は、単一のインターフェースにおいて、表示された前記リアルタイム患者パラメータの各々について、(i)前記リアルタイム患者パラメータの感知された変化と、(ii)表示された前記リアルタイム患者パラメータに対する半自律的な前記パラメータ傾向応答調整のうちの1つまたは複数を遂行するための前記制御機構と、(iii)表示された前記リアルタイム患者パラメータに対する1つまたは複数の手動調整を遂行するための制御機構と、(iv)表示された前記リアルタイム患者パラメータの各々についての計画された前記傾向とを提供する、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記コンピュータシステムは、前記ユーザデバイスから、医療手技中に、(i)表示された前記リアルタイム患者パラメータのうちの1つまたは複数についての更新された範囲と、(ii)表示された前記リアルタイム患者パラメータのうちの1つまたは複数に対する更新された半自律的なパラメータ傾向応答調整とを示す更新されたユーザ入力を受け取るようにさらに構成されている、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記コンピュータシステムによって、前記リアルタイム患者パラメータの各々についての計画された前記傾向を生成することは、所定の時間の期間にわたって前記リアルタイム患者パラメータの各々についての勾配を決定することを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記患者パラメータの各々についての範囲は、上限および下限を含み、前記コンピュータシステムは、計画された前記傾向と同時に前記上限および下限をさらに提供するために前記第2のGUI表示を更新するようにさらに構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
半自律的な前記パラメータ傾向応答調整のうちの1つまたは複数は、(i)前記パラメータ設定および計画された前記傾向に基づいて、上限に達するまで表示された前記リアルタイム患者パラメータのうちの1つまたは複数の勾配を増分的に増加させることと、(ii)前記パラメータ設定および計画された前記傾向に基づいて、下限に達するまで表示された前記リアルタイム患者パラメータのうちの1つまたは複数の勾配を増分的に減少させることとを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記コンピュータシステムによって、半自律的な前記パラメータ傾向応答調整のうちのユーザ選択された1つまたは複数を実行することは、(i)前記リアルタイム患者パラメータのうちの1つの勾配が前記パラメータ設定によって規定された第1の閾値範囲内に入るまで前記リアルタイム患者パラメータのうちの前記1つの勾配を半自律的に増加させることと、(ii)前記リアルタイム患者パラメータのうちの別のものの勾配が前記パラメータ設定によって規定された第2の閾値範囲内に入るまで前記リアルタイム患者パラメータのうちの別のものの勾配を半自律的に減少させることとのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記コンピュータシステムは、表示された前記リアルタイム患者パラメータのうちのユーザ選択されたリアルタイム患者パラメータに対する変化を図示するグラフをさらに提供するために前記第2のGUI表示を更新するようにさらに構成され、前記グラフに図示された傾向ラインは、リアルタイムで前記コンピュータシステムによって、(i)ユーザ選択された前記リアルタイム患者パラメータの感知された変化と、(ii)ユーザ選択された前記リアルタイム患者パラメータと関連づけられた1つまたは複数の他のリアルタイム患者パラメータの感知された変化と、(iii)1つまたは複数の半自律的なパラメータ傾向応答調整の実行とに応答して調整される、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記コンピュータシステムは、
前記1つまたは複数のセンサから、医療手技中に、静脈リザーバ中の血液レベルを示す信号を受信することと、
前記血液レベルが所定の閾値を満たすことを示す前記信号に基づいて、前記静脈リザーバと流体連通している血液濃縮器のクランプを自動的に開放することと、ここで、前記所定の閾値は、前記パラメータ設定によって規定されるものであり、
前記血液濃縮器の前記クランプを開放することに応答して、医療手技中に、所定の量だけ前記血液濃縮器の真空機構を作動させることと、ここで、前記所定の量は、前記パラメータ設定によって規定されるものであり、
前記1つまたは複数のセンサから、医療手技中に、前記静脈リザーバ中の前記血液レベルを示す更新された信号を受信することと、
前記信号が所定の閾値未満であると決定することに応答して前記血液濃縮器の前記クランプを閉鎖することと
を行うようにさらに構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
医療手技中に患者の患者パラメータをモニタおよび制御するための方法であって、前記方法は、
医療手技前にユーザデバイスから、(i)医療手技中にモニタされる患者パラメータについての範囲と、(ii)前記患者パラメータのうちの1つまたは複数に対する半自律的なパラメータ傾向応答調整とを示すパラメータ設定を受信することと、ここで、半自律的な前記パラメータ傾向応答調整は、前記患者パラメータの感知されたリアルタイム変化に基づいて医療手技中に実行されるものであり、
前記パラメータ設定に基づいて、医療手技前に、医療手技中に前記ユーザデバイスの表示画面によって出力されることになるグラフィカルユーザインターフェース(GUI)表示を生成することと、ここで、前記GUI表示は、(i)前記患者パラメータの感知された前記リアルタイム変化の表示、(ii)表示された前記患者パラメータの各々についての範囲のうちの1つまたは複数を調整するための制御機構、および(iii)表示された前記患者パラメータのうちの1つまたは複数に半自律的な前記パラメータ傾向応答調整のうちの1つまたは複数を遂行するための制御機構を提供するものであり、
(i)医療手技中に心/肺機械と1つまたは複数のセンサとのうちの少なくとも1つから受信されたリアルタイム患者パラメータと、(ii)前記パラメータ設定とに基づいて、前記リアルタイム患者パラメータの各々についての計画された傾向を生成することと、
前記リアルタイム患者パラメータの各々についての前記計画された傾向をさらに提供するために前記GUI表示を更新することと、
前記ユーザデバイスの前記表示画面によって出力されることになる前記更新されたGUI表示を前記ユーザデバイスに送信することと、
前記ユーザデバイスから、表示された前記リアルタイム患者パラメータに対する半自律的な前記パラメータ傾向応答調整のうちの1つまたは複数を遂行するための前記制御機構のうちの1つまたは複数の選択を示すユーザ入力を受け取ることと、
半自律的な前記パラメータ傾向応答調整のうちのユーザ選択された1つまたは複数を実行することと
を備える、方法。
【請求項15】
(i)前記心/肺機械と前記1つまたは複数のセンサのうちの少なくとも1つから、(ii)半自律的な前記パラメータ傾向応答調整のうちのユーザ選択された1つまたは複数の実行後に、更新されたリアルタイム患者パラメータを受信することと、
更新された前記リアルタイム患者パラメータに基づいて、更新された前記リアルタイム患者パラメータの各々についての更新された傾向を決定することと、
更新された前記リアルタイム患者パラメータと、更新された前記リアルタイム患者パラメータの各々についての更新された前記傾向とをさらに提供するために前記GUI表示を更新することと、
前記ユーザデバイスの前記表示画面によって出力されることになる更新された前記GUI表示を前記ユーザデバイスに送信することと、
データストア中に、半自律的な前記パラメータ傾向応答調整のうちの実行された1つまたは複数と、(ii)更新された前記リアルタイム患者パラメータと、(iii)更新された前記リアルタイム患者パラメータの各々についての更新された前記傾向とを記憶することと
をさらに備える、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記ユーザデバイスから、医療手技中に、(i)表示された前記リアルタイム患者パラメータのうちの1つまたは複数についての更新された範囲と、(ii)表示された前記リアルタイム患者パラメータのうちの1つまたは複数に対する更新された半自律的なパラメータ傾向応答調整とを示す更新されたユーザ入力を受け取ることと、
更新された前記ユーザ入力をさらに提供するために前記GUI表示を更新することと、
前記ユーザデバイスの前記表示画面によって出力されることになる更新された前記GUI表示を前記ユーザデバイスに送信することと
をさらに備える、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記リアルタイム患者パラメータの各々についての計画された前記傾向を生成することは、所定の時間の期間にわたって前記リアルタイム患者パラメータの各々についての勾配を決定することを備える、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記患者パラメータの各々についての範囲は、上限および下限を含み、前記方法は、計画された前記傾向と同時に前記上限および下限をさらに提供するために前記GUI表示を更新することをさらに備える、請求項14に記載の方法。
【請求項19】
半自律的な前記パラメータ傾向応答調整のうちのユーザ選択された1つまたは複数は、(i)前記リアルタイム患者パラメータのうちの1つの勾配が前記パラメータ設定によって規定された第1の閾値範囲内に入るまで前記リアルタイム患者パラメータのうちの前記1つの勾配を半自律的に増加させることと、(ii)前記リアルタイム患者パラメータのうちの別のものの勾配が前記パラメータ設定によって規定された第2の閾値範囲内に入るまで前記リアルタイム患者パラメータのうちの別のものの勾配を半自律的に減少させることとのうちの少なくとも1つを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項20】
前記表示されたリアルタイム患者パラメータのうちのユーザ選択されたリアルタイム患者パラメータに対する変化を図示するグラフをさらに提供するために前記GUI表示を更新することをさらに備え、前記グラフに図示された傾向ラインは、リアルタイムで、(i)ユーザ選択された前記リアルタイム患者パラメータの感知された変化と、(ii)ユーザ選択された前記リアルタイム患者パラメータと関連づけられた1つまたは複数の他のリアルタイム患者パラメータの感知された変化と、(iii)1つまたは複数の半自律的なパラメータ傾向応答調整の実行とに応答して調整される、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本文書は、手動および半自律的な動作を遂行するためにモニタリングおよび制御特徴を統合した医療システムに関する。たとえば、本文書は、リアルタイムの手動および半自律的な灌流モニタリングおよび制御動作を容易にするためにキャリブレーション済み血液ガスモニタと統合された心/肺機械システムに関する。
【背景技術】
【0002】
心/肺機械(「HLM」)システムは、体外回路および中空糸人工肺とともに、心肺バイパス(「CPB」)手術などの医療手技中の患者の循環および血液ガス交換必要性を満たすために使用される。体外回路のリザーバ内で十分な体積を維持するために必要とされる量の流れを得るために、患者からの血液が重力により排出される、またはVAVD(陰圧補助脱血:vacuum assisted venous drainage)が使用される、のどちらかである。磁気駆動システムと結合された蠕動ポンプまたは遠心ポンプなどのポンプは、時には、リザーバから、人工肺を通って、最終的に患者に戻る血液をポンプ圧送するために、体外回路の主要ライン内で使用される。心/肺機械自体に加えて、心肺機械システムは、心/肺機械に関連して使用される複数のタイプの患者モニタリングデバイスを含むことができる。
【0003】
CPB手術中に、HLMは、手術中に機能していない患者の心臓および肺を血液がバイパスする間に患者の全身を循環するように適切な圧力で動脈血流を提供可能である。1つまたは複数のカニューレが、心臓の右側に配置可能であり、身体からの低酸素/高二酸化炭素(不飽和)血液が体外回路に入ることを可能にする。不飽和血液は、回路を通って、二酸化炭素を除去しながら血液を酸素化するという、肺と同じ役目を遂行する人工肺へと流れる。HLM上の機械式(動脈)ポンプは、心臓の機能に取って代わることができる。このポンプは、特定の患者に適切な心拍出量を提供可能である。患者に送達される心拍出量は、通常の循環中の患者のニーズに類似するように選択可能である。再酸素化した血液は、次いで、大動脈内に配置された別のカニューレを介して身体に返すことができる。
【発明の概要】
【0004】
本文書は、手動および半自律的な動作を遂行するためにモニタリングおよび制御特徴を統合した医療システムについて説明する。たとえば、本文書は、HLMの機能とキャリブレーション済み血液ガスモニタの機能とを統合する灌流モニタリングおよび制御システムについて説明し、それは、限定するものではないが、CPB手術などの医療手技中に患者を安全かつ効果的に灌流させるために使用可能である。統合された機能は、動脈および静脈血流のリアルタイム制御およびモニタリング、人工肺への換気ガス送達、連続的インライン血液ガスパラメータモニタリング(動脈および静脈)、ならびに任意選択のユーザ構成可能な半自動モニタリングおよびパラメータ傾向応答特徴を提供可能である。カプノグラフィを使用して、統合された機能はまた、人工肺からの呼気ガスを測定するためにリアルタイム排ガスモニタリングを提供可能である。本明細書において説明されるシステムはまた、望ましい範囲に灌流パラメータを維持し、任意の望ましくない傾向をすばやく識別し、あらかじめ構成された訂正パラメータ傾向応答能力を提供するユーザ(たとえば、実務家、灌流技師、臨床家)のニーズを満たすためにユーザによってカスタマイズ可能である相乗的なモニタリングおよび制御機能を提供可能である。その結果、灌流プラクティスの安全性および有効性が改善可能である。
【0005】
一態様では、本開示は、医療手技中に患者の患者パラメータをモニタするためのシステムを対象とする。このシステムは、連続的血液ガスモニタで使用される心/肺機械と、パラメータプリセット、患者パラメータ、半自律的なパラメータ傾向応答調整、パラメータ範囲、および制御限度のうちの1つまたは複数を記憶するためのデータストアと、患者パラメータのモニタリングおよび制御能力を提供するためのユーザデバイスと、ここにおいて、ユーザデバイスは、医療手技前に表示画面上に第1のグラフィカルユーザインターフェース(GUI)表示を出力し、医療手技前の第1のGUI表示を介して、(i)患者パラメータの各々についての範囲と、(ii)患者パラメータのうちの1つまたは複数に対する半自律的なパラメータ傾向応答調整とに対するパラメータ設定を示すユーザ入力を受け取るように構成され、半自律的なパラメータ傾向応答調整は、患者パラメータの感知されたリアルタイム変化に基づいて医療手技中に実行される、医療手技中にリアルタイムで、患者パラメータをモニタおよび制御するためのコンピュータシステムとを含むことができ、コンピュータシステムは、医療手技前にユーザデバイスから、パラメータ設定を受信することと、パラメータ設定を示すユーザ入力に基づいて、および医療手技前に、医療手技中にユーザデバイスの表示画面によって出力されることになる第2のGUI表示を生成することと、ここにおいて、第2のGUI表示は、(i)患者パラメータの感知されたリアルタイム変化の表示、(ii)表示された患者パラメータの各々についての範囲のうちの1つまたは複数を調整するための制御機構、および(iii)表示された患者パラメータのうちの1つまたは複数に半自律的なパラメータ傾向応答調整のうちの1つまたは複数を遂行するための制御機構を提供する、(i)医療手技中に心/肺機械と1つまたは複数のセンサとのうちの少なくとも1つから受信されたリアルタイム患者パラメータと、(ii)パラメータ設定とに基づいて、リアルタイム患者パラメータの各々についての計画された傾向を生成することと、リアルタイム患者パラメータの各々についての計画された傾向をさらに提供するために第2のGUI表示を更新することと、ユーザデバイスの表示画面によって出力されることになる更新された第2のGUI表示をユーザデバイスに送信することと、ユーザデバイスから、表示されたリアルタイム患者パラメータに対する半自律的なパラメータ傾向応答調整のうちの1つまたは複数を遂行するための制御機構のうちの1つまたは複数の選択を示すユーザ入力を受け取ることと、半自律的なパラメータ傾向応答調整のユーザ選択された1つまたは複数を実行することとを行うように構成される。
【0006】
医療手技中に患者の患者パラメータをモニタするためのそのようなシステムは、任意選択で、以下の特徴のうちの1つまたは複数を含んでよい。たとえば、コンピュータシステムは、(i)心/肺機械と1つまたは複数のセンサのうちの少なくとも1つから、および(ii)半自律的なパラメータ傾向応答調整のうちのユーザ選択された1つまたは複数の実行後に、更新されたリアルタイム患者パラメータを受信することと、更新されたリアルタイム患者パラメータに基づいて、更新されたリアルタイム患者パラメータの各々についての更新された傾向を決定することと、更新されたリアルタイム患者パラメータと、更新されたリアルタイム患者パラメータの各々についての更新された傾向とをさらに提供するために第2のGUI表示を更新することと、ユーザデバイスの表示画面によって出力されることになる更新された第2のGUI表示をユーザデバイスに送信することと、データストア中に、半自律的なパラメータ傾向応答調整のうちの実行された1つまたは複数と、(ii)更新されたリアルタイム患者パラメータと、(iii)更新されたリアルタイム患者パラメータの各々についての更新された傾向とを記憶することとを行うようにさらに構成可能である。
【0007】
1つまたは複数のセンサは、カメラ、動脈短絡センサ、静脈短絡センサ、空気検出器、気泡センサ、動脈光蛍光センサ、静脈光蛍光センサ、動脈光反射センサ、静脈光反射センサ、ヘマトクリットレベルセンサ、およびヘモグロビンセンサのうちの少なくとも1つを含むことができる。1つまたは複数のセンサは、医療手技前および医療手技中にリアルタイムで、患者の血液ガスレベル、血流、静脈リザーバ血液レベル、温度、および圧力のうちの少なくとも1つをモニタするように構成可能である。
【0008】
半自律的なパラメータ傾向応答調整のうちの1つまたは複数は、患者の動脈血流を調整することと、患者の静脈血流を調整することと、静脈真空源を調整することと、血液濃縮器回路流を調整することと、排ガス流および濃度をモニタすることと、麻酔ガス入り口および出口をモニタすることと、換気ガス流を調整することと、換気ガス濃度を調整することと、入り口ガス換気をモニタすることと、排ガス換気をモニタすることとを含むことができる。
【0009】
第2のGUI表示は、単一のインターフェースにおいて、および表示されたリアルタイム患者パラメータの各々について、(i)リアルタイム患者パラメータの感知された変化と、(ii)表示されたリアルタイム患者パラメータに対する半自律的なパラメータ傾向応答調整のうちの1つまたは複数を遂行するための制御機構と、(iii)表示されたリアルタイム患者パラメータに対する1つまたは複数の手動調整を遂行するための制御機構と、(iv)表示されたリアルタイム患者パラメータの各々についての計画された傾向とを提供可能である。
【0010】
コンピュータシステムは、ユーザデバイスから、および医療手技中に、(i)表示されたリアルタイム患者パラメータのうちの1つまたは複数についての更新された範囲と、(ii)表示されたリアルタイム患者パラメータのうちの1つまたは複数に対する更新された半自律的なパラメータ傾向応答調整とを示す更新されたユーザ入力を受け取るようにさらに構成可能である。
【0011】
コンピュータシステムによって、リアルタイム患者パラメータの各々についての計画された傾向を生成することは、所定の時間の期間にわたってリアルタイム患者パラメータの各々についての勾配を決定することを含むことができる。
【0012】
患者パラメータの各々についての範囲は、上限および下限を含むことができ、コンピュータシステムは、計画された傾向と同時に上限および下限をさらに提供するために第2のGUI表示を更新するようにさらに構成可能である。
【0013】
半自律的なパラメータ傾向応答調整のうちの1つまたは複数は、(i)パラメータ設定および計画された傾向に基づいて、上限に達するまで表示されたリアルタイム患者パラメータのうちの1つまたは複数の勾配を増分的に増加させることと、(ii)パラメータ設定および計画された傾向に基づいて、下限に達するまで表示されたリアルタイム患者パラメータのうちの1つまたは複数の勾配を増分的に減少させることとを含むことができる。
【0014】
コンピュータシステムによって、半自律的なパラメータ傾向応答調整のうちのユーザ選択された1つまたは複数を実行することは、(i)リアルタイム患者パラメータのうちの1つの勾配がパラメータ設定によって規定された第1の閾値範囲内に入るまでリアルタイム患者パラメータのうちの1つの勾配を半自律的に増加させることと、(ii)リアルタイム患者パラメータのうちの別のものの勾配がパラメータ設定によって規定された第2の閾値範囲内に入るまでリアルタイム患者パラメータのうちの別のものの勾配を半自律的に減少させることとのうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0015】
コンピュータシステムはまた、表示されたリアルタイム患者パラメータのうちのユーザ選択されたリアルタイム患者パラメータに対する変化を図示するグラフをさらに提供するために第2のGUI表示を更新するように構成可能であり、グラフに図示された傾向ラインは、リアルタイムでコンピュータシステムによって、(i)ユーザ選択されたリアルタイム患者パラメータの感知された変化と、(ii)ユーザ選択されたリアルタイム患者パラメータと関連づけられた1つまたは複数の他のリアルタイム患者パラメータの感知された変化と、(iii)1つまたは複数の半自律的なパラメータ傾向応答調整の実行とに応答して調整される。
【0016】
さらに、コンピュータシステムは、1つまたは複数のセンサから、および医療手技中に、静脈リザーバ中の血液レベルを示す信号を受信することと、血液レベルが所定の閾値を満たすことを示す信号に基づいて、静脈リザーバと流体連通している血液濃縮器のクランプを自動的に開放することと、ここにおいて、所定の閾値は、パラメータ設定によって規定される、血液濃縮器のクランプを開放することに応答して、および医療手技中に、所定の量だけ血液濃縮器の真空機構を作動させることと、ここにおいて、所定の量は、パラメータ設定によって規定される、1つまたは複数のセンサから、および医療手技中に、静脈リザーバ中の血液レベルを示す更新された信号を受信することと、信号が所定の閾値未満であると決定することに応答して血液濃縮器のクランプを閉鎖することとを行うようにさらに構成可能である。
【0017】
別の態様では、本開示は、医療手技中に患者の患者パラメータをモニタするための方法を対象とする。方法は、医療手技前にユーザデバイスから、(i)医療手技中にモニタされる患者パラメータについての範囲と、(ii)患者パラメータのうちの1つまたは複数に対する半自律的なパラメータ傾向応答調整とを示すパラメータ設定を受信することと、ここにおいて、半自律的なパラメータ傾向応答調整は、患者パラメータの感知されたリアルタイム変化に基づいて医療手技中に実行される、パラメータ設定に基づいて、および医療手技前に、医療手技中にユーザデバイスの表示画面によって出力されることになるグラフィカルユーザインターフェース(GUI)表示を生成することと、ここにおいて、GUI表示は、(i)患者パラメータの感知されたリアルタイム変化の表示、(ii)表示された患者パラメータの各々についての範囲のうちの1つまたは複数を調整するための制御機構、および(iii)表示された患者パラメータのうちの1つまたは複数に半自律的なパラメータ傾向応答調整のうちの1つまたは複数を遂行するための制御機構を提供する、(i)医療手技中に心/肺機械と1つまたは複数のセンサとのうちの少なくとも1つから受信されたリアルタイム患者パラメータと、(ii)パラメータ設定とに基づいて、リアルタイム患者パラメータの各々についての計画された傾向を生成することと、リアルタイム患者パラメータの各々についての計画された傾向をさらに提供するためにGUI表示を更新することと、ユーザデバイスの表示画面によって出力されることになる更新されたGUI表示をユーザデバイスに送信することと、ユーザデバイスから、表示されたリアルタイム患者パラメータに対する半自律的なパラメータ傾向応答調整のうちの1つまたは複数を遂行するための制御機構のうちの1つまたは複数の選択を示すユーザ入力を受け取ることと、半自律的なパラメータ傾向応答調整のうちのユーザ選択された1つまたは複数を実行することとを含むことができる。
【0018】
医療手技中に患者の患者パラメータをモニタするためのそのような方法は、任意選択で、以下の特徴のうちの1つまたは複数を含んでよい。たとえば、方法は、(i)心/肺機械と1つまたは複数のセンサのうちの少なくとも1つから、および(ii)半自律的なパラメータ傾向応答調整のうちのユーザ選択された1つまたは複数の実行後に、更新されたリアルタイム患者パラメータを受信することと、更新されたリアルタイム患者パラメータに基づいて、更新されたリアルタイム患者パラメータの各々についての更新された傾向を決定することと、更新されたリアルタイム患者パラメータと、更新されたリアルタイム患者パラメータの各々についての更新された傾向とをさらに提供するためにGUI表示を更新することと、ユーザデバイスの表示画面によって出力されることになる更新されたGUI表示をユーザデバイスに送信することと、データストア中に、半自律的なパラメータ傾向応答調整のうちの実行された1つまたは複数と、(ii)更新されたリアルタイム患者パラメータと、(iii)更新されたリアルタイム患者パラメータの各々についての更新された傾向とを記憶することとをさらに含むことができる。
【0019】
方法はまた、ユーザデバイスから、および医療手技中に、(i)表示されたリアルタイム患者パラメータのうちの1つまたは複数についての更新された範囲と、(ii)表示されたリアルタイム患者パラメータのうちの1つまたは複数に対する更新された半自律的なパラメータ傾向応答調整とを示す更新されたユーザ入力を受け取ることと、更新されたユーザ入力をさらに提供するためにGUI表示を更新することと、ユーザデバイスの表示画面によって出力されることになる更新されたGUI表示をユーザデバイスに送信することとを含むことができる。
【0020】
別の例として、リアルタイム患者パラメータの各々についての計画された傾向を生成することは、所定の時間の期間にわたってリアルタイム患者パラメータの各々についての勾配を決定することを含むことができる。患者パラメータの各々についての範囲はまた、上限および下限を含むことができ、方法は、計画された傾向と同時に上限および下限をさらに提供するためにGUI表示を更新することをさらに含むことができる。
【0021】
半自律的なパラメータ傾向応答調整のうちのユーザ選択された1つまたは複数を実行することは、(i)リアルタイム患者パラメータのうちの1つの勾配がパラメータ設定によって規定された第1の閾値範囲内に入るまでリアルタイム患者パラメータのうちの1つの勾配を半自律的に増加させることと、(ii)リアルタイム患者パラメータのうちの別のものの勾配がパラメータ設定によって規定された第2の閾値範囲内に入るまでリアルタイム患者パラメータのうちの別のものの勾配を半自律的に減少させることとのうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0022】
方法はまた、表示されたリアルタイム患者パラメータのうちのユーザ選択されたリアルタイム患者パラメータに対する変化を図示するグラフをさらに提供するためにGUI表示を更新することを含むことができ、グラフに図示された傾向ラインは、リアルタイムで、(i)ユーザ選択されたリアルタイム患者パラメータの感知された変化と、(ii)ユーザ選択されたリアルタイム患者パラメータと関連づけられた1つまたは複数の他のリアルタイム患者パラメータの感知された変化と、(iii)1つまたは複数の半自律的なパラメータ傾向応答調整の実行とに応答して調整される。
【0023】
別段に定義されない限り、本明細書において使用されるすべての技術的用語および科学的用語は、本発明が関連する当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。本発明を実践するために本明細書において説明される方法および材料に類似したまたは等しい方法および材料が使用可能であるが、適切な方法および材料が本明細書において説明される。矛盾する場合、定義を含めて、本明細書が、支配する。さらに、材料、方法、および例は、例示にすぎず、限定的であることを意図したものではない。そのうえ、特徴または対象A~Nに対するすべての参照は、無数のそのような特徴または対象があることができることを意味する。
【0024】
本文書において説明される技術は、1つまたは複数の利益を提供可能である。たとえば、ユーザおよび/またはHLMシステムは、そのようなパラメータのリアルタイムモニタリングに基づいて、灌流パラメータを制御して維持可能である。開示されるシステムは、医療手技中にモニタされる異なるパラメータを評価するためにユーザによって使用可能である統合システムを提供する。したがって、ユーザは、ユーザインターフェースを介してリアルタイムでパラメータ傾向を見ることができる。そのユーザインターフェースから、ユーザは、要望に応じて、表示されたパラメータを望ましい値の範囲内に維持するために調整を行うことができる。この能力は、本明細書において説明されるHLMシステムを使用して灌流中に患者安全性を改善可能である。したがって、開示されるシステムおよび方法は、安全かつ効果的な灌流のために、統合された相乗的なHLMおよび血液ガスモニタ機能を有する単一デバイスの解決策を提供する。
【0025】
別の例として、本明細書において説明されるシステムおよび方法を使用して、ユーザは、灌流プラクティス中に任意の望ましくない傾向をよりすばやく識別可能である。パラメータが連続的にモニタされ、リアルタイムでユーザインターフェース上に表示されるので、ユーザは、パラメータの各々の傾向を容易に見て取ることができる。パラメータがどのような傾向にあるかをリアルタイムで見ることができることは、ユーザが潜在的な望ましくない傾向をよりすばやく識別し、それらに応答するのに有利であり得る。その結果、ユーザは、患者が任意の危害を経験する前に1つまたは複数のパラメータを調整可能である。
【0026】
さらに別の例として、いくつかの実施形態では、開示される技術は、医療手技中に、あらかじめ構成された訂正パラメータ傾向能力を提供可能である。ユーザが望ましくない傾向を識別すると、ユーザは、パラメータのうちの1つまたは複数を調整するユーザインターフェース上でオプションを選択可能である。結果として、望ましくない傾向は、是正可能または回避可能である。医療手技前に、いくつかの実施形態では、ユーザは、パラメータのうちの1つまたは複数のための調整をプログラムまたはカスタマイズ可能である。言い換えれば、ユーザは、望ましくない様式の傾向にあるパラメータを訂正するためにどの行動が取られ得るかを選択可能である。したがって、医療手技中に、ユーザが、パラメータの望ましくない傾向を識別すると、ユーザは、ユーザが以前に確立したあらかじめ識別された調整に基づいてパラメータを訂正するためのオプションを容易に選択可能である。あらかじめ識別された調整は、即時に遂行可能であり、パラメータ傾向は、ユーザインターフェース上にリアルタイムで更新可能である。これは、ユーザが医療手技中にパラメータに対する調整を手動で計算または推定しなくてもよいように有利である。したがって、ユーザが手技前にパラメータに対する調整を識別および計算可能であり、必要とされる場合、手技中にそのような調整を実施可能であるので、患者の安全性および灌流効力が改善可能である。
【0027】
開示される技術はまた、医療手技中に使用される1つまたは複数のデバイスの半自律的な制御を提供可能である。半自律的な制御は、医療手技前にユーザによって構成されるパラメータ、設定、およびパラメータ調整に基づくことができる。たとえば、手技中に、ユーザは単に、1つまたは複数のデバイスを半自律的に制御させるユーザインターフェース上のオプションを選択可能である。これは、ユーザがすべてのパラメータをモニタすることに時間を集中可能であるので、効果的な灌流プラクティスを遂行する際にユーザを助けることができ、手技が正しく遂行されることを保証可能である。高ストレスの状況中に、ユーザがすべてのパラメータをモニタし、患者の安全性を維持するために1つまたは複数のデバイスに対する調整を行うことは難題であり得る。したがって、手技より前にユーザ規定された設定に基づいて1つまたは複数のデバイス/パラメータの半自律的な制御を呼び出すためのオプションを有することで、患者安全性および全体的な灌流プラクティスが改善可能である。
【0028】
さらに、開示される技術は、HLMを使用する医療手技へのより包括的なアプローチを提供する。開示される技術は、中央環境内のHLM、モニタリングデバイス、およびセンサの機能を組み合わせ可能である。したがって、ユーザは、たとえば単一のユーザインターフェースによって中央環境内のすべてのパラメータをモニタ可能である。集中型モニタリング能力を用いて、ユーザは、パラメータの傾向をより容易かつすばやく識別し、任意の必要な調整を行って、患者安全性および効果的な灌流プラクティスを保証可能である。さらに、灌流プラクティスへのこの包括的なアプローチは、症例記録目的および後症例分析のための高度なデータ収集を提供する。この包括的なアプローチはまた、動脈血流および目標血液ガスパラメータ値へのガス送達などの態様のより高度なサーボ制御のための基礎的な機能を提供する。
【0029】
開示される技術はまた、HLMを使用する医療手技を改善可能なより多くのツールをユーザに提供可能である。開示される技術を用いて、ユーザは、手技中に傾向パラメータ、健康状態、および他の設定に適切に応答する能力を改善可能である。たとえば、ユーザは、医療手技中にモニタされる1つまたは複数のパラメータについてのカスタム設定を作成可能である。ユーザは、手技全体を通してパラメータに動作して欲しい範囲を規定可能である。ユーザはまた、パラメータがユーザ規定された範囲外にあるときの状況にシステムはどのように応答するかをあらかじめ構成可能である。あらかじめ構成されたシステム応答は、次いで、手技中にユーザによって手動で実施可能であるか、またはシステムによって半自律的に実施可能である。これらのツールは、より効果的かつ安全な医療手技を遂行する際にユーザを助ける。
【0030】
開示される技術は、異なる医療プラクティス分野についてのパラメータおよび設定を規定する際にユーザを助けることができる。したがって、開示される技術は、幅広いユーザおよび機関の選好およびプラクティスに対処するために制御およびモニタリングの高度のユーザカスタマイゼーションを提供可能である。言い換えれば、ユーザは、第1のタイプの医療手技についてのパラメータおよび設定を規定可能である。それらのパラメータおよび設定は、第1のタイプの医療手技を受けるどの患者にも適用可能である。ユーザは、次いで、第2のタイプの医療手技についての異なるパラメータおよび設定を規定可能である。それらのパラメータおよび設定は、第2のタイプの医療手技を受けるどの患者にも適用可能である。これは、手技前のより速くより効率的な準備と、手技中の健康状態のモニタリングおよび制御とを容易にする合理化されたモニタリングおよび制御システムを提供する。その結果、患者安全性が全体的に改善可能である。
【0031】
開示される技術は、灌流プラクティスにおける任意選択のユーザ構成可能な半自動機能を提供可能である。たとえば、ユーザが構成可能な半自動機能のうちのいくらかは、キーパラメータの傾向、望ましい制御範囲/アラート/アラーム限度を規定すること、望ましくないパラメータ傾向への訂正応答を規定すること、および訂正応答をすばやく開始する能力を含む。そのようなユーザ構成可能な半自動機能は、ユーザが手技中に完全な手動制御能力を依然として維持している間に実行可能である。したがって、灌流プラクティスおよび患者成果が改善可能である。
【0032】
本発明の1つまたは複数の実施形態の詳細は、添付の図面および本明細書における説明に記載される。本発明の他の特徴、目的、および利点は、説明および図面から、ならびに特許請求の範囲から、明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】従来のHLMシステムと体外回路とを使用してサポートされながら開心術を受ける患者の概略図。
【
図2】医療手技中に使用される例示的なモニタリングおよび制御システムの概略図。
【
図3】本明細書において説明される例示的なモニタリングおよび制御システムの別の概略図である。
【
図4】医療手技についてのパラメータをモニタおよび制御するための例示的なプロセスのフローチャート。
【
図5A】手技中の例示的なモニタリングおよび制御システムのブロック図。
【
図5B】血液濃縮器をモニタおよび制御するための例示的なHLMシステムのブロック図。
【
図5C】本明細書において説明される例示的なモニタリングおよび制御システムの入力および出力のブロック図。
【
図6】本明細書において説明されるモニタリングおよび制御システムのいくつかの実施形態についての例示的なユーザインターフェース。
【
図7】本明細書において説明されるモニタリングおよび制御システムを構成するための例示的なユーザインターフェースを例示する。
【
図8】血液ガスパラメータをモニタおよび制御するための例示的なプロセスのフローチャート。
【
図9】酸素分圧パラメータ(PaO2)をモニタおよび制御するための例示的なプロセスのフローチャート。
【
図10】
図9の酸素分圧パラメータをモニタおよび制御するグラフ図。
【
図11】二酸化炭素分圧パラメータ(PaCO2)をモニタおよび制御するための例示的なプロセスのフローチャート。
【
図12】
図11の二酸化炭素分圧パラメータをモニタおよび制御するグラフ図。
【
図13A】グローバル酸素送達パラメータ(DO2)をモニタおよび制御するための例示的なプロセスのフローチャート。
【
図13B】血液濃縮器を制御するための例示的なプロセスのフローチャート。
【
図14】
図13A~13Bのグローバル酸素送達パラメータをモニタおよび制御するグラフ図。
【発明を実施するための形態】
【0034】
同じ参照番号は、全体を通して対応する部分を表す。
【0035】
本文書は、手動および半自律的な動作を遂行するためにモニタリングおよび制御特徴を統合した医療システムについて説明する。たとえば、本文書は、HLMシステムの機能とキャリブレーション済み血液ガスモニタの機能とを統合する灌流モニタリングおよび制御システムについて説明する。
【0036】
HLMを使用する医療手技中に(たとえば、CPB、心臓移植など)、実務家(たとえば灌流技師)は、患者生理学的パラメータおよび体外回路パラメータを連続的にモニタ可能である。そのようなモニタリングに応答して、実務家は、患者のニーズを満たすために、HLMシステムパラメータに対して頻繁な調整を行うことができる。患者のニーズは、バイパス手技にわたって変化する可能性がある(たとえば、患者固有の生理学的特性、手術イベントへの応答、または健康状態など)。
【0037】
連続的なモニタリングおよび調整の目的のうちのいくつかは、意図される血流および酸素化したガス混合物が患者に適切に送達されることを保証することと、患者内の灌流の効率を保証することと、問題が発生する前の訂正を容易にするために可能性のある患者パラメータ傾向/方向性を診断することとを含むことができる。多くの異なる送達方法、外科医固有のプロトコル、モニタリング技法、および患者管理戦略が用いられ得る。これらもまた、特定の患者、実務家(たとえば灌流技師)、外科医、または機関に基づいて変化する可能性がある。本明細書において開示される医療システムは、上記の目的をより効率的に達成するために、HLMおよび血液ガスモニタ機能の統合された解決策を提供可能である。
【0038】
ここで図を参照すると、
図1では、患者10が、生命維持HLMシステム100に接続される間、さまざまなタイプの医療手技が、患者10に対して遂行可能である。この例では、患者10は開心術を受けており、その間、患者10の心臓12および肺は一時的に意図的に機能を中止させられる。しかしながら、患者10の身体は、医療手技中に循環する酸素化した血液の供給を受ける代謝要求を引き続き有するので、HLMシステム100は、そのような機能を遂行する。すなわち、以下でさらに説明されるように、HLMシステム100は、患者10に接続され、患者10が開心術中に生きて健康なままであるように患者10の心臓12および肺の機能を遂行する。
【0039】
HLMシステム100は、多くの異なるタイプの医療手技のために使用可能である。たとえば、HLMシステム100が使用可能である医療手技は、限定するものではないが、冠状動脈バイパスグラフト、心臓弁修復、心臓弁置換、心臓移植、肺移植、アブレーション手技、中隔欠損の修復、先天性心臓欠損の修復、動脈瘤の修復、肺血管内膜摘除、肺血栓除去などを含む。
【0040】
HLMシステム100は一般的に、灌流技師と呼ばれる特別に訓練された臨床家によってセットアップおよび動作される。灌流技師は、心臓外科医と麻酔科医と看護師とを含む、より幅広い心臓血管手術チームの一部を形成する。HLMシステム100を使用する医療手技中、灌流技師は多くの責務が課せられ、その中で特に重要なのは、患者10の血液中の酸素および二酸化炭素のレベルを調節する、患者の組織への血流を維持する様式でHLMシステム100を動作させることによって、患者10が生かされ、健康が保たれることを保証することである。灌流技師の他の責務は、限定するものではないが、血液製剤を投与することと、麻酔剤または麻酔薬を投与することと、選択された臨床検査値(血球数など)を測定することと、循環をモニタすることと、血液ガスをモニタすることと、抗凝固を監視することと、低体温の導入と、血液希釈を含む。灌流技師の責務は、多様で動的であり、HLMシステム100を使用して患者10に対して遂行された手技の良好な成果を達成するために決定的に重要である。
【0041】
図示の例では、HLMシステム100は、HLM110、体外回路120、1つまたは複数の温度制御システム130、血液モニタリングシステム140(たとえば、CDI(登録商標)血液パラメータモニタリングシステム)、灌流データ管理システム150、および局所オキシメトリシステム160などの、構成要素とサブシステムとを含む。HLMシステム100を使用するいくつかのタイプの手技は、図示される構成要素およびサブシステムのすべてを必要とするとは限らないことがある。HLMシステム100を使用するいくつかのタイプの手技は、図示されない追加の構成要素および/またはサブシステムを必要とすることがある。
【0042】
体外回路120は、患者10に、およびHLM110に接続される。温度制御システム130、血液モニタリングシステム140、および灌流データ管理システム150などの他のシステムは、体外回路120とインターフェースするように構成されてもよい。体外回路120は、患者の心臓12において患者10に接続される。患者10からの酸素を使い果たした血液(静脈血)は、静脈カテーテル121を使用して患者の心臓12において患者10から抽出される。以下でさらに説明されるように、血液は、酸素を受け取り、二酸化炭素を除去するために、体外回路120を循環する。次いで、酸素化した血液は、体外回路120を通って、大動脈カニューレ129を介して患者の心臓12に返される。
【0043】
体外回路120は、少なくとも、静脈カテーテル121に結合される静脈チューブ122と、血液リザーバ123と、遠心ポンプ124と、人工肺125と、動脈フィルタ126と、1つまたは複数の気泡検出器128と、大動脈カニューレ129に結合される動脈チューブ127とを含むことができる。静脈カテーテル121および静脈チューブ122は、患者10の循環系の静脈側と流体連通する。静脈チューブ122は、リザーバ123への入り口とも流体連通する。リザーバ123からの出口は、管類によってポンプ124の入り口に接続される。ポンプ124の出口は、管類によって人工肺125の入り口に接続される。人工肺125の出口は、管類によって動脈フィルタ126の入り口に接続される。動脈フィルタ126の出口は、動脈チューブ127に接続される。1つまたは複数の圧力トランスデューサは、動脈チューブ127内の血液の心/肺機械(HLM)システムライン圧力を検出するために動脈チューブ127に沿って配置可能であり、この圧力は、HLM110によって測定され、灌流技師によってモニタされる。動脈チューブ127は動脈カニューレ129に接続され、動脈カニューレ129は、心臓12と物理的に接触し、患者10の循環系の動脈側と流体連通する。
【0044】
手短に言えば、体外回路120は、静脈カテーテル121を介して患者10からの静脈の、酸素を使い果たした血液を除去し、静脈チューブ122を介してリザーバ123に静脈血を入れることによって、動作する。いくつかの場合では、重力が、血液を患者10からリザーバ123に流れさせるまたは排出させるために使用される。いくつかの場合では、血液が患者10からリザーバ123に流れるのを助けるために真空が使用される。少なくとも何らかの量の血液が、手術手技中常時、リザーバ123内で維持されることが意図されている。そうでない場合、リザーバ123が空になった場合、空気は、体外回路120へと、および潜在的に患者10の脈管構造へとポンプ圧送され得る。そのような結果は、おそらく、患者10にとって破局的となる。したがって、灌流技師は、リザーバ123内の血液のレベルを視覚的にモニタすることが課せられる。さらに、レベル検出器が、リザーバ123内の低レベル健康状態の検出に応答してアラームを発行するために、リザーバ123と併せて含まれ得る。さらに、1つまたは複数の気泡検出器128は、体外回路120に沿ってさまざまな部位に配置可能である。
【0045】
リザーバ123からの血液は、ポンプ124によってリザーバ123から引き出される。図示の実施形態は、ポンプ124として単回使用遠心ポンプを含むが、いくつかの場合では、HLM110の蠕動ポンプが代わりに使用される。ポンプ124によって生成される圧力は、人工肺125を通して血液を推進する。灌流技師は、体外回路120の血液中で微小空気を作製し得るネガティブキャビテーション(negative cavitation)などの動作問題を回避しながら、要望に応じて動作するようにポンプ124を調整する。人工肺125内で、静脈血は酸素が豊富にされ、二酸化炭素が血液から除去される。現在の酸素の豊富な動脈血は、人工肺125を出て、塞栓を除去する動脈フィルタ126を通って、動脈チューブ127を通って大動脈カニューレ129を介して移動する。体外回路120は、限定するものではないが、患者10の心臓内に蓄積する血液のドレナージ、手術野の可視性を維持するために外科的吸引を提供すること、手技中の患者10の心臓12への心筋保護液の送達、血液パラメータを測定すること、血液から空気を除去すること、血液濃縮、薬剤追加、血液サンプルを取得すること、血液の加熱および冷却などの機能を容易にするための管類と他の構成要素とも含むことができる。
【0046】
HLMシステム100を使用する手術手技中、患者10のさまざまなバイタルサインが測定および/またはモニタされる。たとえば、患者平均動脈圧(「MAP」)が測定されることがある。患者10のMAPは、HLMシステム100を動作する灌流技師が手術手技中に要望に応じてHLMシステム100が機能していることを保証するためにモニタするパラメータである。いくつかの場合では、MAP読み取り値が、麻酔システムのスクリーン上に表示される、および/または手術室スクリーン上に表示される。患者10のMAPが望ましい範囲外にある場合、灌流技師は、患者10のMAPを改善するためにHLMシステム100に対する調整をなすことがある。
【0047】
HLMシステム100はまた、HLM110を含む。HLM110は、手術手技中に灌流技師によってすべてモニタおよび動作/調整される、複数のポンプと、モニタと、制御機構と、ユーザインターフェースと、アラームと、安全性デバイスなどとを含む複雑なシステムである。たとえば、図示のHLM110は、動脈ポンプ111(図示される使い捨て遠心ポンプ124または蠕動ポンプのための駆動システムとすることができる)、吸引ポンプ112と、ベント/ドレナージポンプ113と、心筋保護液ポンプ114と、心筋保護液送達ポンプ115とを含む。HLM110は、管類閉鎖器、ガス混合器、血液濃縮器などのデバイスも含むことができる、またはこれとインターフェースされ得る。回転速度などのHLM110のパラメータおよびポンプの各々の他のパラメータは、灌流技師によって設定および調整される。たとえば、動脈ポンプ111の速度は、リザーバ123内の血液の望ましいレベルを維持し、患者10における必要なレベルの血液循環を提供するように調整される。
【0048】
HLM機械システム100は、1つまたは複数の温度制御システム130も含む。第1の態様では、温度制御システム130は、熱交換器を介して人工肺125内の患者の血液を加熱および冷却するために使用される。さらに、温度制御システム130は、患者10の心臓12に送達されている心筋保護液を加熱および冷却するために使用される。一般に、温度制御システム130は、(代謝要求を減少させるために)手技中は冷却モードで使用され、その後、手術手技がその終了に近づいているとき、血液および/または心筋保護液を温めるために使用される。灌流技師は、手術手技中に必要に応じて温度制御システム130をモニタおよび調整することが課せられる。
【0049】
HLMシステム100は、図示のように、血液モニタリングシステム140も含む。血液モニタリングシステム140は、手術手技中に患者10の動脈および/または静脈体外血液をモニタするために、体外回路120(たとえば、静脈チューブ122、動脈チューブ127など)に沿ったさまざまな場所に配置された1つまたは複数の血液ガスセンサ(たとえば、静脈短絡センサ、動脈短絡センサ、H/Sキュベットなど)を使用する。血液モニタリングシステム140はまた、1つまたは複数の他の血液ガスセンサを使用可能であり、これらは、空気検出器、気泡センサ、動脈光蛍光センサ、静脈光蛍光センサ、動脈光反射センサ、静脈光反射センサ、ヘマトクリットレベルセンサ、および/またはヘモグロビンセンサを含むことができる。モニタされるパラメータは、限定するものではないが、pH、pCO2、pO2、K+、温度、SO2、ヘマトクリット、ヘモグロビン、塩基過剰、重炭酸塩、酸素消費量、および酸素輸送量を含むことができる。灌流技師は、手術手技中に血液モニタリングシステム140をモニタすることが課せられる。いくつかの場合では、灌流技師は、血液モニタリングシステム140からの読み取り値に応答してHLMシステム100の他の構成要素またはサブシステムを調整する必要がある。
【0050】
HLMシステム100は、図示のように、灌流データ管理システム150と、局所オキシメトリシステム160も含む。これらのシステムはまた、手術手技中に患者10のステータスおよび/またはHLMシステム100のステータスをモニタするために灌流技師によって使用可能である。
【0051】
上記の説明から、灌流技師は、従来のHLMシステム100を使用する手術手技中に膨大な量の非常に重要な責務が課せられることが観察および理解可能である。したがって、本明細書において説明されるHLMシステムは、灌流技師を助けるための革新的なシステムおよび技法を提供する。
【0052】
図2は、医療手技200中に使用される例示的なモニタリングおよび制御システムの概略図である。手技200は、患者10および実務家(医師)206を含むことができる。実務家206は、手技200および/または手技200の一部分を遂行する灌流技師または他の専門家とすることができる。患者10は、本開示全体を通して図示および説明されるように、HLM(たとえばHLMシステム100)と連結可能であるか、または連通可能である。センサ208はまた、患者10または体外回路に取り付け可能である。センサ208は、手技200中に使用されるHLMシステム100および/または任意の他のデバイスとさらに通信可能である。センサ208は、患者10、HLMシステム100、および手技200中にモニタされているパラメータのリアルタイム健康状態を捕捉可能である。
【0053】
実務家206は、患者10、HLMシステム100、および手技200中に使用される他のデバイスの状態またはパラメータをモニタするためにユーザデバイス204を使用可能である。いくつかの実施形態では、ユーザデバイス204は、HLMシステム100の一部であるか、またはそれに物理的に取り付けられる。いくつかの実施形態では、ユーザデバイス204は、HLMシステム100とは別個とすることができる。いくつかの実施形態では、ユーザデバイス204は、スマートフォンまたはタブレットなどのモバイルコンピューティングデバイスとすることができる。ユーザデバイス204はまた、コンピュータまたはラップトップとすることができる。ユーザデバイス204は、モニタされる健康状態およびパラメータをリアルタイムで表示するように構成されたユーザインターフェース(たとえば、タッチスクリーン、モニタなど)を有することができる。ユーザデバイス204はまた、実務家206から調整を受けるように構成された1つまたは複数の入力デバイスを有することができる。実務家206は、ユーザデバイス204に入力を提供することによって健康状態およびパラメータのうちのどの1つに対しても調整を行うことができる。
【0054】
ユーザデバイス204は、コンピュータシステム202(たとえば、モニタリングおよび制御システム)と通信可能である。いくつかの実施形態では、コンピュータシステム202は、HLMシステム100の一部である。いくつかの実施形態では、ユーザデバイス204は、コンピュータシステム202の一部である。さらに、コンピュータシステム202は、1つまたは複数の入力デバイスおよび/またはディスプレイを含むことができる。
【0055】
コンピュータシステム202は、モニタされる健康状態およびパラメータを表示するユーザインターフェースをユーザデバイス204に提供するように構成可能である。いくつかの実装形態では、コンピュータシステム202およびユーザデバイス204は、同じシステムとすることができる。他の実装形態では、コンピュータシステム202およびユーザデバイス204は、互いからリモートとすることができる。コンピュータシステム202はまた、手技200中に実務家206によって行われるまたは提案される1つまたは複数の調整を容易にすることができる。したがって、コンピュータシステム202はまた、HLMシステム100、センサ208、および手技200中に使用される任意の他のデバイスと通信可能である。1つまたは複数の構成要素(たとえば、ユーザデバイス204、HLM110、センサ208、およびコンピュータシステム202)間の通信は、ネットワーク210を介してワイヤレスおよび/またはワイヤードとすることができる。
【0056】
依然として
図2を参照すると、手技200が始まる前に、実務家206は、ユーザデバイス204においてパラメータ範囲および半自律的な調整を設定可能である(A)。ユーザデバイス204は、実務家206に表示を提供可能であり、手技200中にモニタされるであろうパラメータの各々についての値を設定することを実務家206に促すことができる。実務家206はまた、実務家が規定したパラメータ範囲からパラメータが外れる場合に、実務家206が手技200中に実施することを望み得るパラメータへの望ましい調整を入力することを促され得る。言い換えれば、手技200前に、実務家206は、手技200前に実務家206が同様に規定した理想範囲をパラメータのうちのいずれかが超えるまたは下回る場合に、どの行動(たとえば、あらかじめ規定された調整)が取られ得るかを示すことができる。次いで、手技200中に、パラメータのうちのいずれかが、実際に、実務家が規定した範囲外に外れている場合、実務家206は、あらかじめ規定された調整のうちの1つを選択および遂行可能である。そのような調整は、実務家206によって手動で遂行可能である。そのような調整はまた、コンピュータシステム202によって半自律的に遂行可能である。
【0057】
実務家206は、すべての同様の手技または固有のプラクティス分野に一般的に適用されるパラメータ範囲および半自律的な調整を設定可能である。したがって、どの患者が手技200を受けるかに関係なく、同じパラメータ範囲および半自律的な調整が手技200に適用可能である。これは、実務家206がすべての手技を同じように遂行するのに有益であり得、これは、患者安全性および全体的な手技成果を改善可能である。さらに、固有のプラクティス分野における同じパラメータ範囲および半自律的な調整を使用することは、コンピュータシステム202がパラメータ傾向分析をより正確に予測および/または生成するのに有利であり得る。他の例では、実務家206は、手技ごと、患者ごとにパラメータ範囲および半自律的な調整を設定可能である。言い換えれば、第1および第2の患者は、同じ手技を受けることができる。しかしながら、実務家206は、患者の各々について異なるパラメータ範囲および調整を設定可能である。これは、患者が異なる健康状態または感受性を有する場合に有益であり得る。
【0058】
次に、コンピュータシステム202は、ユーザデバイス204からパラメータ設定を受信可能である(B)。これらのパラメータ設定は、実務家が規定したパラメータ範囲および/または半自律的なパラメータ調整のうちの1つまたは複数とすることができる。
【0059】
受信されたパラメータ設定に基づいて、コンピュータシステム202は、1つまたは複数のユーザインターフェース表示を生成可能である(C)。たとえば、コンピュータシステム202は、ユーザインターフェース上に対話型/選択的なオプションを生成可能であり、選択的なオプションの各々は、実務家206がユーザデバイス204において規定した半自律的な調整に相関する。言い換えれば、実務家206がHLMシステム100中の体外回路を通して血流を増加させるように調整を規定した場合、コンピュータシステム202は、手技200中に実務家206によってクリックされると、回路を通して血流を自動的に増加させることができるボタンを生成可能である。別の例として、コンピュータシステム202はまた、実務家206がユーザデバイス204において規定したパラメータの各々についての1つもしくは複数のグラフまたは他の描写を生成可能である。
【0060】
生成されたユーザインターフェース表示は、ユーザデバイス204において受信可能である(D)。言い換えれば、ユーザインターフェースは、手技200中にユーザデバイス204上に表示可能である。表示は、パラメータ、パラメータ傾向、および/または患者10の健康状態のリアルタイム変化を反映するために、手技200中に更新可能である。表示は、本開示全体を通して図示および説明されるように、モニタされるまたは規定されたパラメータの各々についての情報を単一のユーザインターフェース上に提供可能である。その結果、いくつかの実施形態では、実務家206は、手技200中にすべてのパラメータを同時にモニタ可能である。他の実装形態では、実務家206は、複数の異なるユーザインターフェース表示/画面間を切り替えることができる。ユーザインターフェース表示/画面の各々は、特定のパラメータに関連し得る。ユーザインターフェースの各々は、実務家が規定したパラメータのすべてのサブセットに関連し得る。
【0061】
いくつかの場合では、パラメータを単一のユーザインターフェース表示に統合することは有利であり得る。これは、実務家206が手技200中にすべてのパラメータをより容易かつ連続的にモニタ可能であるためである。リアルタイム更新により、実務家206はまた、パラメータのどんな望ましくない変化にもよりすばやく正確に応答可能である。
【0062】
いくつかの実装形態では、ユーザデバイス204は、本開示全体を通して説明されるように、パラメータを設定するための第1のユーザインターフェース(たとえば、GUI)と、パラメータに対するリアルタイム変化を見て取るための第2のユーザインターフェース(GUI)とを表示可能である。したがって、第1および第2のユーザインターフェースは、ユーザデバイス204上に存在可能である。いくつかの実装形態では、第1および第2のユーザインターフェースのうちの1つまたは複数は、ユーザデバイス204とは別個および/または異なる別のユーザデバイスおよび/またはコンピューティングシステム上に配置可能であるか、または別様に表示可能である。
【0063】
ユーザデバイス204は、手技中にHLMシステム100および/またはセンサ208からリアルタイムパラメータ情報を受信可能である(E)。コンピュータシステム202はまた、HLMシステム100および/またはセンサ208からリアルタイムパラメータ情報を受信可能である(E)。リアルタイムパラメータ情報に基づいて、コンピュータシステム202は、パラメータ傾向を生成可能である(F)。たとえば、コンピュータシステム202は、モニタされるパラメータの各々の傾向分析を図示するグラフを生成可能である。グラフは、モニタされるパラメータの過去の、現在の、および計画された傾向を示すことができる。グラフはまた、実務家が規定したパラメータ範囲に関連するモニタされるパラメータの過去の、現在の、および計画された傾向を示すことができる。
【0064】
生成されたパラメータ傾向は、コンピュータシステム202からユーザデバイス204に提供可能である。したがって、パラメータ傾向は、ユーザインターフェースにおいて表示可能である(G)。したがって、ユーザインターフェースは、リアルタイムパラメータ情報が受信され(E)、パラメータ傾向が生成される(F)と、動的に更新可能である。いくつかの実装形態では、ユーザデバイス204は、パラメータ傾向を決定および生成可能である。ユーザデバイス204はまた、HLMシステム100および/またはセンサ208から受信されたリアルタイムパラメータ情報を表示可能である(G)。たとえば、ユーザデバイス204は、センサ208によってリアルタイムで感知されるパラメータ値でユーザインターフェースを更新可能である。ユーザインターフェースはまた、コンピュータシステム202によって生成されるパラメータ傾向を反映するために更新可能である(F)。このことから、ユーザインターフェースは、過去または現在のパラメータ値と、計画されたパラメータ傾向との両方を表示可能である。本開示全体を通して説明されるように、データは、傾向パラメータ値から外挿可能であり、手技200中に患者10の健康状態を予測するために使用可能である。現在の傾向ラインはまた、履歴データに基づいてパラメータに対して決定可能である。現在の傾向ラインは、パラメータがどこにあり、どのような傾向にあるのかについて情報を提供可能である。いくつかの実装形態では、計画されたパラメータ傾向は、手技200中に1つまたは複数の調整を行うために実務家206によって使用可能である。たとえば、実務家206は、傾向パラメータを見て取って、静脈リザーバについての経時的な低下率を決定して、次いで動脈ポンプを制御することができる。したがって、計画されたパラメータ傾向は、手技200中に患者安全性を改善し、異なるパラメータおよび/またはシステム構成要素を制御するのに有利であり得る。さらに、1つの場所においてすべてのこの情報を提供することは、手技200中にパラメータを連続的にモニタおよび制御する際に実務家を助けることができる。
【0065】
すべてのこの情報がユーザデバイス204において実務家206に表示されると、実務家は、モニタされるパラメータに影響を与えるために任意の調整を行うかどうかを選ぶことができる。たとえば、パラメータのうちの1つがパラメータについての実務家が規定した範囲外になるという傾向にあるように計画される場合、実務家206は、ユーザインターフェースから実務家206のあらかじめ規定されたパラメータ調整のうちの1つを選択可能である。言及されたように、あらかじめ規定されたパラメータ調整は、ボタンなどの選択可能なオプションとしてユーザインターフェース中に表示可能である。
【0066】
実務家206があらかじめ規定されたパラメータ調整のうちの1つまたは複数を選択すると、コンピュータシステム202は、ユーザデバイス204から調整を受信可能である(I)。いくつかの実装形態では、実務家206は、1つよりも多くのあらかじめ規定されたパラメータ調整を選択可能である。実務家206による選択は、コンピュータシステム202によって同時に通信および遂行可能である。
【0067】
パラメータ調整が次いで遂行可能である(J)。いくつかの実施形態では、パラメータ調整は、コンピュータシステム202によって半自律的に遂行可能である。言い換えれば、実務家206は、手技200が始まる前に調整を規定した。実務家206が手技200中にあらかじめ規定されたパラメータ調整を選択すると、コンピュータシステム202は、調整を実行するための命令を受信した。したがって、実務家206は、どのタイプの調整が手技200中に発生するかの制御を維持する。いくつかの実施形態では、コンピュータシステム202は、どの調整を行うべきかを予測または実務家206に提案しない。代替的に、いくつかの実施形態では、コンピュータシステム202は、どの調整を行うべきかを実務家206に提案しない。
【0068】
他の例では、調整は、実務家206によって手動で遂行可能である。実務家206はまた、ユーザデバイス204、HLMシステム100、および/または手技200中に使用される任意の他のデバイスの1つもしくは複数のボタンまたは他の物理的構成要素を選択的に制御することによって半自律的な調整をオーバライド可能である。たとえば、実務家206は、第1の値によって体外回路の特定の部分を通して圧力を増加させることを必要とした手技200前に、あらかじめ規定されたパラメータ調整を確立していることがある。手技200中に、実務家206は、依然として、その調整を遂行することを望み得るが、第1の値の代わりに第2の値によって体外回路の特定の部分を通して圧力を増加させることを望み得る。第2の値は、第1の値よりも大きくあり得るか、または小さくあり得る。したがって、実務家206は、第2の値によって圧力を調整するために、1つまたは複数の物理的ボタンを手動で制御および動作可能である。これは、あらかじめ規定された調整の手動または半手動の遂行とすることができる。
【0069】
ユーザデバイス204およびコンピュータシステム202は、そのような1つまたは複数の調整が行われた後に、手技200中にリアルタイムパラメータ情報を受信し続けることができる。その結果、実務家206は、パラメータを連続的にモニタし、手技200全体を通して任意の必要な調整を行うことができる。
【0070】
図3は、本明細書において説明される例示的なモニタリングおよび制御システムの概略システム図である。図示されるように、コンピュータシステム202(たとえば、モニタリングおよび制御システム)、センサ208、およびHLMシステム100は、ネットワーク210を介して通信可能である(たとえば、ワイヤードおよび/またはワイヤレス)。いくつかの実施形態では、
図2を参照して図示および説明されたユーザデバイス204は、コンピュータシステム202とは別個とすることができる。
図3に図示されるように示されているように、いくつかの実施形態では、ユーザデバイス204およびコンピュータシステム202は、同じシステムの一部分とすることができる。
【0071】
コンピュータシステム202は、入力デバイス302、出力デバイス304、プロセッサ306、パラメータセットアップモジュール308、HLMコントローラ310、パラメータモニタリングモジュール316、および通信インターフェース320を含む。入力デバイス302は、1つまたは複数のタッチスクリーンディスプレイ、マイクロフォン、キーボード、マウス、またはコンピュータシステム202に入力を提供するために使用される任意の他のデバイスとすることができる。実務家206は、入力デバイス302を介してコンピュータシステム202にパラメータ設定、範囲、および/または調整を提供/確立可能である。出力デバイス304は、コンピュータシステム202からの出力を提供するために使用される任意のタイプのディスプレイとすることができる。たとえば、ディスプレイは、スマートフォン、ラップトップ、タブレット、または他のコンピュータなどのモバイルデバイス上のスクリーンとすることができる。出力デバイス304は、パラメータ調整のための傾向パラメータおよび選択可能なオプションのグラフ描写を含むリアルタイムパラメータ情報を提供するユーザインターフェース表示を出力可能である。
【0072】
プロセッサ306は、本明細書に説明されるように、コンピュータシステム202によって1つまたは複数の動作を遂行するように構成可能である。さらに、通信インターフェース320は、ネットワーク210を介してコンピュータシステム202、センサ208、および/またはHLMシステム100間の通信(たとえば、ワイヤードおよび/またはワイヤレス)を提供するように構成可能である。
【0073】
コンピュータシステム202を依然として参照すると、パラメータセットアップモジュール308は、医療手技中にモニタされることになるパラメータに関する入力を実務家206から受け取るように構成可能である。本開示全体を通して説明されるように、実務家206は、どのパラメータをモニタするべきかを識別可能であり、パラメータ範囲を設定可能であり、半自律的な調整を規定可能である。これらの入力は、コンピュータシステム202によって受信可能であり、パラメータ範囲データベース322に記憶可能である。パラメータ範囲データベース322は、過去からのおよび現在の実務家が規定したパラメータ範囲および半自律的な調整を記憶可能である。その結果、ユーザインターフェースは、(たとえば、パラメータセットアップモジュール308において)コンピュータシステム202によってよりすばやく生成可能である。さらに、生成されたユーザインターフェースは、パラメータ範囲データベース322に記憶可能である。これらの記憶されたユーザインターフェースは、次いで、他のおよび/または同様の手技のためにユーザインターフェースを生成する際にコンピュータシステム202によって使用可能である。
【0074】
パラメータセットアップモジュール308は、パラメータ範囲データベース322からこれらの入力にアクセス可能である。モジュール308は、ユーザインターフェース表示を生成するためにこれらの入力を使用可能である。ユーザインターフェース表示は、実務家がモニタリングのために識別したパラメータと、パラメータの各々についてのグラフ描写と、実務家が規定した半自律的な調整の各々についての選択可能なオプションを反映可能である。ユーザインターフェースは、次いで、出力デバイス304によって表示可能である。
図2にあるような他の例では、ユーザインターフェースは、表示のためにコンピュータシステム202からユーザデバイス204に送信可能である。
【0075】
HLMコントローラ310は、半自律的な制御機構312および手動制御機構314を有することができる。手技中に、実務家があらかじめ規定された調整のうちの1つを選択する場合、HLMコントローラ310が作動可能である。したがって、コンピュータシステム202に調整を遂行することを要求する調整を実務家が選択する場合、半自律的な制御機構312が作動可能である。たとえば、調整が弁に所定の量だけ開放または閉鎖されることを要求する場合、半自律的な制御機構312は、弁を所定の量だけ開放または閉鎖させることができる。実務家が調整を選択するが、実務家が自身で調整を遂行する場合(たとえば、ユーザデバイス204またはコンピュータシステム202上のボタンを物理的にひねるか、または作動させることによって)、手動制御機構314が作動可能である。
【0076】
パラメータモニタリングモジュール316は、傾向分析318を含むことができる。パラメータモニタリングモジュール316は、センサ208および/またはHLMシステム100からリアルタイムパラメータ健康状態を受信可能である。それらの受信された値に基づいて、傾向分析318は、モニタされるパラメータの各々のグラフ描写を生成可能である。グラフ描写は、パラメータの過去の、現在の、および計画された傾向を示すことができる。グラフ描写はまた、パラメータ傾向が実務家のあらかじめ規定された範囲内にあるかどうかを示すことができる。リアルタイムパラメータ健康状態および生成されたグラフ描写/傾向は、出力デバイス304を介してユーザインターフェース表示において実務家に出力可能である。
【0077】
手技が完了すると、手技結果が、手技結果データベース324に記憶可能である。データベース324はまた、モニタされるパラメータの生成されたグラフ描写および傾向を記憶可能である。データベース324に記憶された情報は、他の手技におけるパラメータ傾向をより正確に生成および予測するためにコンピュータシステム202によって使用可能である。したがって、コンピュータシステム202は、手技結果データベース324に記憶されたデータから1つまたは複数のアルゴリズムまたは構成要素(たとえば、パラメータモニタリングモジュール316)を訓練するために機械学習および/またはディープラーニングを用いることができる。
【0078】
HLMシステム100は、動脈ポンプ326、静脈閉鎖器328、人工肺330、換気ガス送達システム332、心筋保護液送達システム333、血液濃縮器回路334、静脈リザーバ342、調節済み静脈真空源344、および通信インターフェース346を含むことができる。動脈ポンプ326および静脈閉鎖器328は、HLMシステム100と患者との間の血流を制御可能である。さらに、センサ208のうちの1つまたは複数は、インライン血液ガス、流れ、圧力、温度などをモニタするためにHLMシステム100の任意の1つまたは複数の構成要素に対して構成可能である。
【0079】
心筋保護液送達システム333は、動脈ポンプ326に類似した心筋保護液ポンプを含むことができる。カリウムが高い心筋保護液が、心肺バイパスを受ける患者の心臓を停止するために使用可能である。溶液は、拡張期心停止を可能にし、連続的に静止する心臓を有するために、システム333を介してさまざまな比率および濃度の薬剤成分で送達可能である。血清カリウムが、インライン血液ガス分析器によってモニタ可能である。血清カリウムは、心筋停止を維持するために血清カリウムを増加させる必要性の手技頻度(procedural cadence)に依存して、追加の心筋保護液投与のために評価可能である。逆に、心肺バイパスの終了時に、カリウムレベルが、心筋細胞の電気的活動をサポートするために狭い範囲内に調整可能である。
【0080】
カリウムのユーザ制御は、必要とされるレベルの半自動制御のために利用可能であるユーザ選択可能な限度(たとえば、目標、範囲、アラート/アラーム閾値)を含むことができる。半自動制御は、血液溶液対カリウム晶質液の比率に対して行われ得る変更、心筋保護液の量、血液濃縮の変化およびさまざまな薬理学的プロトコルを含むことができる。
【0081】
さらに、システム333は、血清カリウムレベル対(高い)患者設定ポイントを分析するように構成可能である。システム333は、心筋保護液比率および量のセット、レベル検出ポイント、およびEKG電気的活動を評価可能である。システム333はまた、心筋保護液投与のための晶質比に対する血液の増加または減少、血液濃縮、または流出率の増加および/もしくは減少、ならびに/またはプロトコル化されたインスリンおよび重炭酸ナトリウム、もしくは腎臓利尿剤の投与を提案可能である。いくつかの実装形態では、システム333は、コンピュータシステム202と同じまたはその一部とすることができる。いくつかの実装形態では、システム333は、コンピュータシステム202とは異なり得る。
【0082】
換気ガス送達システム332は、人工肺330に送達されるガス流量および濃度(たとえば、空気の混合物、酸素)を制御するために使用可能である。血液は、人工肺330を通って流れる。システム332は、血液が人工肺330内にあるときに、O2および/または周囲空気を追加して、O2、CO2、ならびに血液及び患者に対するスイープ速度(たとえば、呼吸速度)を物理的に制御するために使用可能である。システム332は、本明細書において説明されるように、実務家によって手動で制御可能であり、および/またはコンピュータシステム202によって半自律的に制御可能である。たとえば、実務家は、人工肺330内の血液に追加されることになるガスの混合物のレベルまたは濃度に対する調整を規定可能である。手技中に、実務家は、この調整が遂行されることを選択可能であり、これは、換気ガス送達システム332を制御し、実務家が手技前に規定したガスの混合物のレベルまたは濃度を提供することをコンピュータシステム202に促す。
【0083】
さらに、換気ガス送達システム332は、人工肺330の排ガス内の呼気二酸化炭素測定値(呼気CO2)および麻酔ガスを決定およびモニタ可能である。システム332は、呼気CO2を独立体積数(VCO2)および/または患者体表面積インデックスづき値(VCO2i)に変換可能である。呼気CO2の測定およびVCO2の評価は、二酸化炭素生成が末端組織への酸素送達からの細胞代謝の副産物であることから、灌流の効率を増大可能である。二酸化炭素生成(VCO2、呼気CO2、VCO2/DO2比率)の測定値は、患者への適切な酸素送達の制御を助けることができる。ユーザ選択可能な二酸化炭素変数(範囲)は、末端組織への酸素送達の調整された増加または代謝要求の減少をトリガ可能である。
【0084】
インライン血液ガスモニタリングシステム(たとえば、
図1に示された血液モニタリングシステム140)はまた、さまざまな患者パラメータの連続的なリアルタイム測定値を提供して、患者の最適な代謝性能をモニタおよび維持するために使用可能である。血液ガスパラメータの調節は、準最適な血液ガスパラメータ制御に関連する負の成果を回避するのに有益であり得る。たとえば、血液ガスパラメータをモニタすることは、心機能、腎機能、肺機能、脳機能、輸血の必要性(たとえば、輸血の必要性を減少させる)、換気の必要性(たとえば、換気に掛かる時間の量を減少させる)、ICU滞在(たとえば、ICUでの日数を減少させる)、および/または術後入院(たとえば、入院の日数を減少させる)における改善を提供可能である。
【0085】
血液濃縮器回路334は、真空源336、クランプ338(たとえば、クランプ機構)、および血液濃縮器340をさらに含む。回路334は、血液から水分を除去するために使用可能である。クランプ338は、患者に提供される動脈血内のヘモグロビン数を増加させる(たとえば、血液希釈を減少させる)手段として、血液濃縮器340を通る短絡された動脈血流を制御し、静脈リザーバ342に戻すために使用可能である。本明細書において図示および説明されるように、クランプ338を開放および閉鎖することは、自動化可能であるか、またはコンピュータシステム202によって半自律的に遂行可能である。調節された静脈真空源344は、静脈血流を静脈リザーバ342へと補足するために使用可能である。最後に、通信インターフェース346は、ネットワーク210を介してHLM、センサ208、および/またはコンピュータシステム202間の通信を容易にするように構成される。
【0086】
さらに、動脈血流は、流れプローブで測定可能である。心肺バイパス回路を通る流れは、センサ208などの1つまたは複数のセンサを使用して、回路内のどこでも測定可能である。流れを測定するための最も一般的なエリアは、患者に送達される動脈流であるが、回路内には、実務家が流れ(静脈、心筋保護液、修正された限外濾過、患者のエリアへの選択的な灌流など)をモニタすることを選び得る他のエリアがある。流れの決定は、ローラポンプが前方流を生成するために用いられるときに計算される流量、または遠心ポンプが使用されるときに流れプローブで測定される流量のうちのどちらかで行われ得る。モニタされる流れは、コンピュータシステム202の出力デバイス304において表示可能である。モニタされる流れは、患者に送達される酸素化した動脈血の流量を示すことができる。推定される心拍出量はまた、患者の体表面積(BSA)およびそのような患者の代謝要求(心拍出量=BSA×心係数)を反映可能である。これらは、手技成果を改善するためにどの他の調整が必要とされ得るかを決定するためにも実務家が使用可能であるパラメータである。
【0087】
全体を通して説明されるように、HLMシステム100およびコンピュータシステム202は、同じシステムとすることができる。HLMシステム100およびコンピュータシステム202はまた、互いからリモートとすることができる。同様に、センサ208および/またはユーザデバイス204は、HLMシステム100、コンピュータシステム202、またはそれらの組み合わせのうちのどの1つの一部とすることもできるか、またはどの1つとも統合可能である。センサ208および/またはユーザデバイス204はまた、HLMシステム100、コンピュータシステム202、またはそれらの組み合わせのうちのどの1つからもリモートとすることができる。
【0088】
図4は、医療手技についてのパラメータをモニタおよび制御するための例示的なプロセス400のフローチャートである。プロセス400は、本明細書において説明されるように、コンピュータシステム202によって遂行可能である。プロセス400はまた、1つまたは複数の他のコンピュータシステムによって遂行可能である。
【0089】
ユーザ規定されたパラメータ設定が402において受信可能である。たとえば、コンピュータシステム202のパラメータセットアップモジュール308は、設定を受信可能である(たとえば、
図3を参照)。実務家は、入力デバイス(たとえば、
図3のコンピュータシステム202の入力デバイス302)および/またはユーザデバイス(たとえば、
図2のユーザデバイス204)に設定を入力可能である。本開示全体を通して説明されるように、実務家は、どのパラメータをモニタしたいのか、およびそれらのパラメータが手技中に留まるべき範囲を示すことができる。実務家はまた、モニタされるパラメータが手技中にユーザ規定された範囲から外れる場合に取られ得る1つまたは複数の調整を示すことができる。実務家はまた、ユーザインターフェースがどのように表示されてほしいかを示すことができる。たとえば、実務家は、ユーザインターフェース上に異なる表示および制御機構を選択および配置可能である。実務家は、パラメータのうちのいくつかのみについてのグラフまたは傾向ラインを表示することを選ぶことができる。実務家はまた、いくつのパラメータをユーザインターフェース上に表示するべきか、およびどの制御オプションをパラメータの各々について有するべきかを選ぶことができる。実務家は、1次および/または2次表示特徴を選択可能である。実務家はまた、モニタされるパラメータの各々についての数値および傾向フォーマットを示すことができる。さらに、実務家は、パラメータがユーザ規定パラメータ範囲のうちの1つに向かう傾向にあるときはいつでもアラームまたはアラートが作動するように設定可能である。
【0090】
ユーザ規定されたパラメータ設定は、手技前に受信可能である。これらの設定は、手技のプラクティス分野またはタイプに一般的に適用可能とすることができる。いくつかの例では、これらの設定は、特定の患者および/または特定の手技に適用可能とすることができる。
【0091】
ユーザインターフェース(UI)表示が、404において生成可能である。たとえば、表示を生成することは、コンピュータシステム202のパラメータセットアップモジュール308および/またはパラメータモニタリングモジュール316によって遂行可能である(たとえば、
図3を参照)。ユーザインターフェース表示は、402における実務家が規定した設定に基づいて生成可能である。UIを生成することは、各モニタされるパラメータについてグラフを作成することを含むことができる。グラフは、ユーザ規定されたパラメータ範囲についてのインジケータを含むことができる。UIを生成することはまた、ユーザ規定された調整の各々について、ボタンなどの選択可能なオプションを作成することを含むことができる。生成されたグラフおよび選択可能なオプションは、単一のユーザインターフェース表示内に提示可能である。これは、実務家が同時にすべてのパラメータをモニタするのに有利であり得る。言い換えれば、実務家は、手技中にパラメータの各々をモニタするために異なるデバイスまたは表示を見なくてもよくなる。さらに、この構成は、パラメータが互いに対してどのような傾向にあるのかを実務家が識別可能であるので、有利である。その結果、実務家は、手技中に、モニタされるパラメータ健康状態のうちのいずれの変化にもより適切かつ正確に応答可能である。
【0092】
いくつかの例では、追加のユーザインターフェース表示が生成可能である。たとえば、いくつかのパラメータが表示内で一緒にグループ化されることを実務家が望むことをユーザ規定された設定(402)において実務家が示す場合、追加のUIが生成可能である。追加のUIはまた、たとえば、多くのパラメータがモニタされることになることをユーザ規定された設定(402)が示す場合に生成可能である。多くのパラメータがモニタされるとき、パラメータの各々についてのグラフおよび選択可能なオプションがUI表示に押し寄せ得、それによって、実務家が同じ表示からすべてのパラメータをモニタすることを困難にし得るか、または紛らわしくし得る。したがって、1つまたは複数のパラメータは、異なるUI表示に一緒にグループ化可能である。コンピュータシステム202は、どのパラメータを一緒にグループ化するべきかを決定可能である。他の例では、実務家は、どのパラメータを一緒にグループ化するべきかをユーザ規定された設定(402)において示すことができる。さらに他の例では、コンピュータシステム202は、単一のUI表示を生成し、モニタされるパラメータの各々についての選択可能なオプションを提供可能である。したがって、実務家は、モニタされるパラメータについての情報を見て取るために、選択可能なオプションのうちの任意の1つをクリック可能である。
【0093】
リアルタイムパラメータ健康状態が406において受信可能である。言い換えれば、手技中に、パラメータ健康状態は、1つまたは複数のセンサおよび/またはデバイスによって連続的に感知可能である(たとえば、
図2を参照)。
図3を参照して図示されるように、パラメータ健康状態は、パラメータモニタリングモジュール316によって受信可能である。1つまたは複数の流れセンサが、患者からHLMに流れて患者に戻る血流を測定するために、インライン血流回路の構成要素上に配置可能である。402~404は、手技が始まる前に遂行可能である。いくつかの例では、UI表示は、手技中に生成可能であり(404)、次いで、手技の持続時間にわたって連続的に更新可能である。
【0094】
パラメータ傾向が、408において、ユーザ規定された設定およびリアルタイムパラメータ健康状態に基づいて生成可能である。コンピュータシステム202のパラメータモニタリングモジュール316、および具体的には傾向分析318は、パラメータ傾向を生成可能である(たとえば、
図3を参照)。たとえば、以下のさらに詳細に説明されるように、モニタされるパラメータの各々についてグラフが生成可能である(たとえば、
図10、12、14を参照)。グラフは、モニタされるパラメータの過去に感知された健康状態、現在感知されている健康状態、および計画された感知される健康状態を示す傾向ラインを含むことができる。計画された感知される健康状態は、過去に感知された健康状態、リアルタイムの現在感知されている健康状態、およびモニタされるパラメータの計画された傾向に影響を及ぼし得る任意の他のパラメータの分析に基づいて決定可能である。グラフはまた、ユーザ規定されたパラメータ範囲のインジケータまたはマーカを含むことができる。したがって、集計グラフは、ユーザ規定されたパラメータ範囲の中でパラメータ傾向を図示可能であり、それは、モニタされるパラメータがいつ規定された範囲のうちの1つを超え、手技中に危害または他の関連事項を引き起こし得るかを決定または識別する際に実務家を助けることができる。
【0095】
手技の持続時間にわたって、408において生成されたパラメータ傾向は、感知されたリアルタイムパラメータ健康状態(406)の変化を反映するために連続的に更新可能である。これは、実務家が手技中にパラメータの変化をより正確にモニタし、それに応答するのに有利であり得る。
【0096】
生成されたパラメータ傾向は、410において表示のためにユーザデバイス(たとえば、
図2のユーザデバイス204)に送信可能である。言い換えれば、404において生成されたUI表示は、生成されたパラメータ傾向を反映するために更新可能である。この更新されたUI表示は、ユーザデバイスにおいて送信および出力可能である。コンピュータシステム202およびユーザデバイスが同じシステムである実装形態では、生成されたパラメータ傾向は、タッチスクリーン、LCDモニタ、または他のタイプのディスプレイもしくはスクリーン(たとえば、
図3のコンピュータシステム202の出力デバイス304)などの出力デバイス上に表示のために出力可能である。
【0097】
手技中に、パラメータ調整が、412において受信可能である。たとえば、実務家は、ユーザデバイスにおいてパラメータをモニタ可能であり、インライン血流回路の1つまたは複数の構成要素を通してパラメータのうちの1つについての流量を調整することを決めることができる。実務家は、パラメータ傾向がある量の時間内にユーザ規定された範囲を超えるように計画されるのを見ることに基づいてこの決定を行うことができる。実務家は、パラメータ調整が行われる必要があることを示す入力を(たとえば、ユーザインターフェース表示上の選択可能なオプションを選択するか、またはユーザデバイス上の物理的なボタンを押す/作動させることによって;
図3のコンピュータシステム202の入力デバイス302および/または
図2のユーザデバイス204を使用して)コンピュータシステム202に提供可能である。コンピュータシステム202のHLMコントローラ310は、実務家の入力を受信可能である(たとえば、
図3を参照)。いくつかの例では、実務家は、実務家のユーザ規定された調整のうちの1つを選択可能である。他の例では、実務家は、手技が始まる前に実務家が規定しなかったパラメータ調整を開始可能である。
【0098】
調整は、414においてHLMに送信可能である。いくつかの例では、調整は、実務家によって手動で遂行可能である。他の例では、調整は、コンピュータシステム202または任意の他のシステムによって半自律的に遂行可能である。HLMコントローラ310の半自律的な制御機構312は、半自律的な調整を遂行可能である(たとえば、
図3を参照)。手動制御機構314は、一方、実務家が自身で調整を遂行するときに作動可能である(たとえば、
図3を参照)。
【0099】
実務家がユーザ規定された調整のためにUI表示上の選択可能なオプションのうちの1つを選択するときに、半自律的な調整が行われ得る。実務家がオプション(たとえば、ボタン)を選択すると、コンピュータシステム202は、調整を即時遂行可能である。リアルタイムパラメータ健康状態は、再び感知および受信可能であり(406)、UI表示は、半自律的な調整に基づいてパラメータに対する変化を反映するために更新可能である。
【0100】
実務家が手技中にパラメータのうちのいずれかを変更するときに、手動調整が行われ得る。たとえば、実務家は、インライン血流回路の一部分を通る血流量を増加または減少させるために、物理的なボタンまたはダイヤルを使用可能である。別の例として、実務家は、入力デバイス(たとえば、タッチスクリーン、キーボード、マウスなど)を使用して、血流量についての異なる値をユーザデバイスに入力可能である。実務家の手動調整は、実務家が手技中にパラメータの制御を維持可能であるように、どの半自律的な調整もオーバライド可能である。実務家は、あらかじめ規定された調整がパラメータのリアルタイムで感知されている健康状態または計画された感知される健康状態に適用可能でないことがあることを実務家が認識したときに、手動調整を遂行することを選び得る。言い換えれば、あらかじめ規定された調整は、パラメータが手技中に実際にどのような傾向にあるのかを考慮しないことがある。手技中に半自律的および手動調整を遂行する能力を有することは、実務家が手技の意思決定に対する管理を維持し、患者安全性を保証し、手技成果を改善するのを助けることができる。
【0101】
ユーザ規定された設定および手技結果は、416において記憶可能である。たとえば、
図3に図示されるように、ユーザ規定された設定は、パラメータ範囲データベース322に記憶可能であり、手技結果は、手技結果データベース324に記憶可能である。いくつかの実装形態では、ユーザ規定された設定は、設定が402において受信されると記憶可能である。手技結果は、手技の持続時間にわたってモニタされるパラメータの各々の傾向またはグラフを含むことができる。手技結果はまた、どの調整が行われたのかについての情報と、そのような調整のパラメータ傾向に対する効果とを含むことができる。
【0102】
任意選択で、コンピュータシステム202は、システム202の1つまたは複数の構成要素またはアルゴリズムを改善するために、記憶されたユーザ規定された設定および/または手技結果を使用可能である。たとえば、パラメータモニタリングモジュール316の傾向分析318は、傾向分析318が計画されたパラメータ傾向をより正確に予測可能となるように、手技結果を使用して訓練可能である。より正確な計画されたパラメータ傾向を予測することによって、手技中により少ないパラメータ調整が行われる必要があり得る。その結果、患者安全性および手技成果が改善可能である。
【0103】
他の実装形態では、実務家はまた、実務家がプラクティスを改善可能となるように、記憶されたユーザ規定された設定および/または手技結果を見直すことができる。たとえば、実務家は、他の調整が実施された手技結果に基づいて異なる調整を作成するべきであると決定可能である。
【0104】
さらに他の実装形態では、記憶されたユーザ規定された設定および/または手技結果は、ユーザフレンドリーな読みやすいUI表示をよりすばやく効率的に生成するために、コンピュータシステム202によって使用可能である。言い換えれば、コンピュータシステム202は、同様のUI表示を同じ手技を遂行している異なる実務家に提供するために、記憶されたユーザ規定された設定を使用可能である。これは、UI表示を生成するプロセスを合理化可能であり、その標準的で効果的なプラクティスが同じプラクティス分野において使用されることを保証可能である。その結果、患者安全性および手技成果が、プラクティス分野において全体的に改善可能である。
【0105】
404~416は、手技の持続時間にわたって繰り返し可能である。たとえば、パラメータ調整が414において行われると、UI表示が生成および/または更新可能であり(404)、リアルタイムパラメータ健康状態が受信可能であり(406)、パラメータ傾向が調整およびリアルタイム健康状態を反映するために更新可能であり(408)、これらの更新された傾向がユーザデバイスにおいて表示可能である(410)。実務家は、任意選択で、連続的にモニタされるリアルタイムパラメータ健康状態に基づいて、手技(412~414)の持続時間にわたってパラメータ調整を遂行し続け得る。
【0106】
図5Aは、手技中の例示的なモニタリングおよび制御システムのブロック図である。流れ500は、HLMシステム100の構成要素と患者10との間の血流を示す。(
図5Aにおいて破線によって表される)流れ502は、人工肺330を出入りする換気および麻酔ガスの流れを示し、それは、換気ガス送達システム332および気化器350によって制御される。本明細書において説明されるように(たとえば、
図3を参照)、換気ガス送達システム332はまた、排ガスをモニタ可能である。カプノグラフィおよび/またはさまざまなセンサの使用によって、排ガスモニタリングは、人工肺330からの呼気ガスのリアルタイム測定値を提供可能である。インライン血液ガスモニタリング、流れ、圧力、および温度センサ208A~N(たとえば、プローブ)が、HLMシステム100の体外回路の静脈環流セクションと動脈供給セクションとの両方において図示される。これらのセンサ208A~Nは、手技中にモニタされるパラメータのリアルタイム測定値を提供可能である。
【0107】
患者10からの静脈環流血液は、HLMシステム100の1つまたは複数の構成要素を通る流れ500をたどることができる。血液がHLMシステム100回路を通って移動するにつれて、1つまたは複数のセンサ208A~Nは、血液のリアルタイム健康状態を測定(または計算するために使用)可能である。たとえば、それらの健康状態のうちのいくつかは、pH、pCO2、pO2、K+、温度、SO2、ヘマトクリット、ヘモグロビン、塩基過剰、重炭酸塩、酸素消費量、および酸素輸送量を含むことができる。本明細書において説明されるように、センサ208A~Nによって感知されるこれらの値のうちのいずれも、コンピュータシステム202に送信可能である。
【0108】
血液は、次いで、閉鎖器328を通って静脈リザーバ342に流れることができる。真空源または調節器344は、静脈リザーバ342内の血液を調節するように構成可能である。血液が静脈リザーバ342内にある間、リザーバ342内の血液レベルおよび体積レベルが、センサ208Nによって感知/モニタ可能である。レベル感知システムは、リザーバ342がどれくらい血液で満たされているかを決定するために使用可能である。ある量の体積が、血液濃縮器回路334を開放し、血液の異なるレベルを調整するために必要とされ得る。真空源/調節器344は、したがって、静脈リザーバ342内の体積レベルを調整するために使用可能である。たとえば、感知される体積は、コンピュータシステム202に送信可能である。感知される体積レベルに基づいて、実務家は、コンピュータシステム202に真空源344を半自律的に調整させる調整を選択可能である。
【0109】
静脈リザーバ342から、血液は、動脈ポンプ326を通って流れることができる。1つまたは複数の手動および/または半自律的な調整が、動脈ポンプ326において遂行可能である。たとえば、コンピュータシステム202によって遂行される半自律的な調整は、動脈ポンプ326を通る血流を調整することを含むことができる。
【0110】
血液は、次いで、人工肺330に流れる。換気ガス送達システム332は、排ガスをモニタし、人工肺330内の血液から除去または血液に追加されるソースガスのレベルを調整するように構成可能である(たとえば、
図3を参照)。コンピュータシステム202は、スイープ速度を調整する半自律的な調整を遂行可能である。この調整は、換気ガス送達システム332において遂行可能である。周囲空気、酸素、および/または二酸化炭素などのソースガスは、流れ502を介してシステム332に至ることができる。ソースガスは、気化器350を通過可能であり、ここで、麻酔ガスが、ユーザ(たとえば、実務家)によって投与可能である。ガス気化器350は、人工肺330の投入ガス混合物に吸入麻酔薬(たとえば、イソフルラン、セボフルランなど)を送達するために、ガス送達ライン内に配置可能である。たとえば、ガス気化器350は、液体麻酔薬から蒸気を作成可能であり、人工肺330の投入ガス混合物に蒸気の形態で気体麻酔薬を送達可能である。麻酔ガスは、したがって、人工肺330の投入ガス混合物に投与可能であり、ガス気化器350を用いてユーザによって調整可能である。吸入麻酔薬は、全身麻酔を維持するために心肺バイパス中に使用可能である。
【0111】
気化器350を通ると、ガスは、換気ガス入り口を介して人工肺330に入る前にガスセンサ352を通過可能である。ガスセンサ352は、ガスのレベルおよび/または濃度を決定可能であり、そのような値をコンピュータシステム202に報告可能である。ガス(麻酔ガスを含む)をモニタすることは、患者安全性を制御するのに有利であり得る。ガスセンサ352は、ガスにおいて、麻酔剤の存在または欠如、および測定される投入割合を感知可能である。そのようなセンサ356は、したがって、人工肺330に送達される吸入麻酔薬と患者への実際の投薬量との間の差を計算するために、コンピュータシステム202によって使用可能である排ガスにおける割合を検出可能である。麻酔ガスの入り口および出口割合もまた、ユーザデバイスディスプレイにおいて実務家に対して表示可能かつ傾向を示すことができる。排ガスは、人工肺330から放出可能であり、ガスセンサ356を通過可能であり、ガス収集システムに送達可能である。ガスセンサ356は、排ガスのレベルおよび/または濃度を決定可能であり、そのような値をコンピュータシステム202に報告可能である。
【0112】
血液が人工肺330を通過すると、血液は、血液濃縮器回路334を通過可能である。1つまたは複数の調整は、コンピュータシステム202によって血液濃縮器回路334の構成要素に対して半自律的に遂行可能である。血液は、静脈リザーバ342、動脈ポンプ326、および人工肺330を通って戻ることができる。
【0113】
血液は、次いで、動脈血供給として、患者10に戻るように流れることができる。血液が患者10に戻るように運ばれると、1つまたは複数のセンサ208A~Nは、血流のリアルタイム健康状態を測定可能である。たとえば、センサ208A~Nは、血液ガスおよびH/Sat値、流量、温度、ならびに圧力を測定可能である。感知される健康状態は、コンピュータシステム202に送信可能である。
【0114】
図5Bは、血液濃縮器334をモニタおよび制御するように構成された例示的な心/肺機械システム332のブロック図である。
図3および
図5Aを参照して説明されるように、調整可能な弁514、HLM真空制御およびモニタリングサブシステム332を使用して、実務家は、動脈血におけるヘモグロビンのレベルを調整する目的で外部血液濃縮器334を制御可能である。さらに、この制御は、以下にさらに説明されるように(たとえば、
図13~14を参照)、DO2の制御およびモニタリングを改善するのに有利であり得る。
【0115】
図示されるように、サブシステム332は、静脈リザーバ真空機構344および外部真空源512などの少なくとも2つのHLM調整可能な真空源を提供可能である。少なくとも1つの真空源(たとえば、真空機構512)は、流出出口を介した血液濃縮器334と(たとえば、流れ520を介した)流体収集部510との間の流れを制御するために使用可能である。少なくとも別の真空機構(たとえば、静脈リザーバ真空機構344)は、静脈環流ラインを介して調整可能な陰圧補助静脈血環流を提供するために静脈リザーバ342に接続可能である。
【0116】
サブシステム332の追加の機能は、(たとえば、流れセンサ208Aを介した)流れ感知および調整可能な弁514の制御を含む。弁514は、(たとえば、流れ522を介した)血液濃縮器334の血液入り口への0~100%の流れを提供するように調整可能である。結果として得られるヘモグロビン濃度は、コンピュータシステム202などのシステム血液ガスパラメータモニタによって測定可能である。調整可能な真空弁516および518などの追加の調整可能な弁は、実務家が望む真空流を提供するためにサブシステム332によって制御可能である。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の追加の調整可能な弁は、開示される灌流回路に流体制御のより正確な手段を提供するために、血液濃縮器334、静脈リザーバ342、および/または流体収集部510における流出出口に追加可能である。
【0117】
さらに、図示されるように、サブシステム332は、弁516および/または518などの1つまたは複数の構成要素を自動的に調整するために、コンピュータシステム202から命令を受信可能である。たとえば、実務家は、コンピュータシステム202および/またはサブシステム332によって半自律的に遂行可能である出口調整および弁制御をコンピュータシステム202に入力可能である。実務家は、開示される灌流回路のリアルタイム使用前にこれらの調整を規定可能である。次いで、回路のリアルタイム使用中に、実務家は、コンピュータシステム202において半自律的な調整を作動可能であり、それによって、1つまたは複数の弁(たとえば、弁514、516、および/または518)に、そのような弁を通して異なる流れまたは圧力を提供するように調整させることができる。別の例として、コンピュータシステム202は、(たとえば、センサ208A~Nから)入り口および/または出口圧力モニタリング値を受信可能である。これらの値は、コンピュータシステム202および/またはディスプレイデバイスにおいて表示可能である。実務家は、次いで、開示される灌流回路全体を通る圧力および流れのリアルタイム更新を見て取ることができる。表示された圧力および流れに基づいて、実務家は、手動調整を行うことができ、および/または手技前に実務家が規定した半自律的な調整を作動可能である。
【0118】
図5Cは、本明細書において説明される例示的なモニタリングおよび制御システムの入力504および出力506のブロック図である。図示されるように、コンピュータシステム202は、さまざまな入力504を受信可能である。入力504は、手技中にリアルタイムでセンサ208A~Nによって測定される値とすることができる。たとえば、測定される入力504のうちのいくつかは、pO2、pCO2、K+、SO2、HCT、Hgb、血流、および血液温度を含むことができる。コンピュータシステム202は、1つまたは複数のパラメータのリアルタイム表示および制御を生成するために入力504を使用可能である。したがって、コンピュータシステム202は、HLMシステムの構成要素を調整し、および/またはユーザデバイスにおいて表示するための調整出力506を提供可能である。出力506は、ユーザ調整されたおよび/または半自動化された制御とすることができる。調整出力506のうちのいくつかは、動脈血流、静脈血流、静脈真空源、血液濃縮器回路流、換気ガス流、換気ガス濃度、排ガスモニタリングに関し得る。
【0119】
図5Aに図示されるような静脈および動脈センサ208A~Nは、コンピュータシステム202によって表示および処理されるリアルタイム測定値(たとえば、入力504)を提供可能である。計算される値はまた、これらの測定値から導出され、コンピュータシステム202によっておよび/またはCDI(たとえば、心係数、酸素抽出率、VCO2、DO2、およびVCO2)によってさらに処理され得る。コンピュータシステム202はまた、本開示全体を通して説明されるように、動脈ポンプ326、静脈閉鎖器328、血液濃縮器回路334、調節された静脈真空源344、および換気ガス送達システム332を調整するために使用されるユーザインターフェース制御機構または半自動制御特徴を含むことができる。したがって、コンピュータシステム202は、動的な患者のニーズを満たし、患者安全性を保証し、手技成果を改善するために実務家によって使用可能である。
【0120】
図6は、本明細書において説明される例示的なモニタリングおよび制御システムの例示的なユーザインターフェース600である。ユーザインターフェース600は、動脈流制御機構およびパラメータ618と静脈流制御機構およびパラメータ620、換気ガス送達616、ならびにモニタされる血液ガスパラメータ602を含むことができる。血液ガスパラメータ602は、システム構成中に実務家によってユーザ選択可能とすることができる(たとえば、
図2~4を参照)。このユーザインターフェース600は、タッチスクリーン、モニタ、または他のスクリーンなどの任意のディスプレイまたは他の出力デバイスにおいて展開可能である。加えて、ユーザインターフェース600は、表示画面の比率に基づいて外観を調整可能である。いくつかの例では、ユーザインターフェース600は、モバイルデバイス上に展開可能である。たとえば、モバイルデバイスは、遠隔搭載可能とすることができる。実務家は、本開示全体を通して図示および説明されるように、近くの関連づけられた動脈/静脈回路構成要素(たとえば、静脈リザーバ、人工肺、血液濃縮器、真空源)などのデバイスを望ましい場所に位置決め可能である。完全に統合されたユーザインターフェース600は、実務家が複数の異なるモニタリングおよび制御デバイスとの相互作用に依拠する必要性を減少させることによって、有用性および患者安全性を改善可能である。
【0121】
ユーザインターフェース600は、動脈-静脈灌流回路(たとえば、HLMシステム100の1つまたは複数の構成要素)の1次制御を対象としているが、1つまたは複数の追加の表示が、表示および制御能力を補足するために利用可能である。いくつかの実装形態では、追加の表示のうちのいずれの内容も、冗長性または実務家の選好の目的でコンピュータシステム202との同期を保たれ得る。他の表示もまた、あまり重大でないパラメータのモニタリングおよび制御ならびに/または補助特徴のための追加の空間を提供可能である。表示の各々に関連づけられたユーザインターフェースは、高度のユーザ構成可能性(たとえば、表示および制御機構の選択および配置、1次および2次表示特徴の選択、パラメータおよび関連づけられた数値/傾向フォーマット、パラメータアラート/アラーム限度の選択など)を提供可能である。
【0122】
図6を参照すると、モニタされる血液ガスパラメータ602は、パラメータ傾向情報を含むことができる。リアルタイム血液ガスおよび生理学的パラメータモニタリング602機能は、ユーザ固有の血液ガスパラメータ管理プラクティスの範囲にわたって、必要または要望に応じて表示されることになるユーザ選択可能なパラメータを提供可能である。その結果、表示602は、患者灌流の適切なガス送達および効率を保証するのを助けるために使用可能である。ユーザ選択可能な表示フォーマットは、数値、グラフ傾向、または両方の組み合わせとすることができる。ユーザ選択されたパラメータの場合、手動モニタリングおよび制御、ならびに任意選択の半自動または高度なサーボパラメータ制御のために利用可能である限度(たとえば、目標、範囲、アラート/アラーム閾値)を選択またはセットアップするための能力を実務家に提供可能である。
【0123】
表示602内のパラメータ傾向情報は、グラフ601を含むことができる。グラフ601は、手技中にモニタされる1つまたは複数のパラメータに関連づけ可能である。実務家は、どのパラメータがモニタおよびグラフ化されるかを規定可能である。例示的なユーザインターフェース600では、実務家は、傾向パラメータとして二酸化炭素分圧(PaCO2)を選択した。実務家はまた、PaCO2モニタリングのためにパラメータ範囲603A~Nを設定した。たとえば、実務家は、上方アラーム、アラート、および制御限度についての範囲603A~Nを設定した。実務家はまた、下方アラーム、アラート、および制御限度について範囲603D~Nを設定した。範囲603A~Nは、実務家が目標パラメータPaCO2をその内部に維持することを望む範囲である。傾向ライン608は、過去に感知された健康状態、現在感知されている健康状態、およびパラメータPaCO2の計画された健康状態を示す。選択可能なオプション604A~Nもまた、グラフ601の上部に沿って配置可能である。選択可能なオプション604A~Nは、タッチスクリーンユーザインターフェース上のワンタッチボタンとすることができる。実務家は、これらのオプションのうちのいずれかを選択して、選択されたオプションに対応する調整を作動可能であるたとえば、実務家がボタン「PaCO2勾配を増加」を選択した場合、本明細書において説明されるコンピュータシステム202は、実務家が手技前に規定したPaCO2の増加量に基づいて、PaCO2勾配を半自律的に増加可能である。傾向608は、この半自律的な調整を反映するためにリアルタイムで更新可能である。
【0124】
別の例として、実務家は、傾向608が時間Aにおいて増加していることを見ることができる。時間Aにおいて、実務家は、傾向608が上方制御限度603Cに達することを回避するために、オプション「PaCO2勾配を減少」を選択可能である。コンピュータシステム202は、実務家が手技前に規定したPaCO2の減少量に基づいて、PaCO2勾配を半自律的に減少可能である。この調整は、リアルタイムで傾向608に反映可能である。この構成は、PaCO2勾配をどれほど増加または減少させると手動で決定し、次いで、PaCO2を手動で増加または減少させるために実務家が手技中に時間を費やさなくてもよいので、有利である。実務家は、手技中にすべてのパラメータをより効果的にモニタおよび制御可能である。
【0125】
実務家は、望ましい制御範囲を確立可能であり、実務家の開始に際してコンピュータシステム202によって自動的に実行可能である制御調整の1つまたは複数のあらかじめ規定されたシーケンスおよび関連づけられたタイミングを指定可能である。実務家の開始は、一般的な患者血液ガスパラメータ目標訂正シナリオに対する望ましい傾向効果に応答するものとすることができる。そのような機能は、実務家が開始の完全な制御を保持している間に適時かつ一貫した応答を提供可能である。この半自動機能の1次安全性および有用性の利益は、任意の望ましくないパラメータまたはグループ化されたパラメータ傾向の早期検出の手段を実務家に提供可能である。したがって、実務家は、適時かつ一貫した訂正応答を行うことができる。
【0126】
任意の実務家が選択した血液ガスパラメータの傾向を訂正することに応答して、実務家は、動脈血流量、静脈血流還流量、血液濃縮器を通る血流、スイープガス流量、FiO2、および/またはFiCO2の任意の組み合わせに対して制御調整のあらかじめ規定されたシーケンスを確立可能である。本明細書において説明されるように、任意の制御調整パラメータに対して、実務家は、増分/減分の量および上方/下方調整限度を指定可能である。加えて、実務家は、各調整の時間持続時間、許容される調整の数、および調整のシーケンスの総持続時間を指定可能である。
【0127】
パラメータを制御するために行われたどの調整も、半自動または手動にかかわらず、グラフ601に反映可能である。グラフ601は、モニタされるパラメータ傾向に対するリアルタイム変化を反映可能である。これは、手技の持続時間にわたってパラメータを正確にモニタおよび制御する際に実務家を助けるのに有益である。
【0128】
実証されているように、複数のガスパラメータまたは制御が、グラフ601に図示可能である。たとえば、傾向ライン610は、スイープ制御の傾向を示すことができる。傾向ライン612は、吸入酸素濃度(FiCO2)制御の傾向を示すことができる。スイープおよびFiCO2は、PaCO2の傾向に基づいて半自律的に調整可能である追加の制御である。これらの制御はまた、手技前に実務家によって構成可能である。たとえば、実務家は、どの追加のパラメータおよび制御をPaCO2パラメータとともにグラフ601に表示するべきかを決定可能である。別の例として、実務家は、PaCO2勾配が増加および/または減少するときにどの半自律的な調整がスイープおよび/またはFiCO2に行われるべきかを決定可能である。したがって、PaCO2勾配が減少すると、スイープは、それに応答して自動的に増加可能である。したがって、実務家は、調整がPaCO2パラメータに行われるとき、1つまたは複数の調整が1つまたは他の関連するパラメータにも(たとえば、同時にまたは異なる時間に)行われ得ると決めることができる。
【0129】
608におけるPaCO2の傾向は、患者または回路の生理学的変化に起因してリアルタイムで動的に更新可能である。PaCO2パラメータをもたらすように発生する変化はまた、スイープおよび/またはFiCO2をあらかじめ構成された半自律的な行動(たとえば、スイープおよび/またはFiCO2の勾配の増加または減少)に依存して変化させるであろう。スイープおよび/またはFiCO2に対する変化は、グラフ601の傾向610および612にリアルタイムで反映可能である。
【0130】
たとえば、グラフ601に示されるように、時間Aにおいて、PaCO2パラメータ608は、上向き勾配の傾向にあった。実務家は、PaCO2パラメータ608の上向き勾配を減少させるために、スイープ610を上向きに調整した。グラフ601に示されるような追加の例として、時間Bにおいて、PaCO2パラメータは、下向き勾配の傾向にあった。下向き勾配のスイープ610の調整、および/または上向き勾配612のFiCO2により、傾向ライン608は、ゆっくり増加している。これは、PaCO2パラメータに発生する生理学的変化がスイープおよびFiCO2パラメータの両方の傾向にも影響可能であることを実証する。スイープおよびFiCO2の傾向に対する効果は、グラフ601にリアルタイムで反映可能である。
【0131】
依然として
図6を参照すると、選択可能なオプション604A~Nは、「手動制御を有効」および「セットアップ」オプションを含むことができる。「手動制御を有効」オプションは、実務家がパラメータ調整の完全な制御を引き継ぐことを可能にする。言い換えれば、実務家は、コンピュータシステム202があらかじめ規定された調整を半自律的に遂行することを可能にするオプションを選択しない。実務家は、ユーザインターフェース600に図示された1つまたは複数のボタンを押すことによってパラメータを手動で制御可能である。実務家はまた、ユーザインターフェース600の下の物理的なボタン620A~N(たとえば、ノブ)のうちの任意の1つを使用することによってパラメータを手動で制御可能である。物理的なボタン620A~Nは、ユーザデバイスの一部とすることができる。ボタン620A~Nはまた、ユーザインターフェース600、ならびに/またはユーザデバイス、コンピュータシステム202、および/もしくはHLMシステムの1つもしくは複数の構成要素にワイヤレスおよび/またはワイヤードに接続可能である。さらに他の例では、ボタン620A~Nは、実務家が手動で制御している1つまたは複数のデバイスまたはHLM上に配置可能である。例示的なボタン620A~Nは、実務家が動脈流、静脈閉鎖、ガス流、FiO2、および/またはFiCO2を調整することを可能にすることができる。1つまたは複数のパラメータおよび/または健康状態は、ボタン620A~Nによってモニタ可能であり、調整可能とすることができる。いくつかの実装形態では、より少ないまたはより多い物理的なボタン620A~Nが、手技中に増加した手動制御を有するために実務家に提供可能である。実務家が手動調整を行うとき、グラフ601は、そのような変更を反映するためにリアルタイムで更新可能である。
【0132】
「セットアップ」の選択可能なオプションは、第2のユーザインターフェースを実務家に提供可能である(たとえば、
図7を参照)。第2のユーザインターフェースは、実務家がユーザインターフェース600をカスタマイズまたは構成、パラメータを設定、パラメータ傾向および範囲を設定、ならびにパラメータ調整を確立するためのオプションを含むことができる。実務家は、手技が始まる前にこの第2のユーザインターフェースにアクセス可能である。
【0133】
ユーザインターフェース600は、実務家の選好に調整可能であり、それによって、高度の表示レイアウトカスタマイゼーションを可能にすることができる。このカスタマイゼーションは、動脈流制御機構およびパラメータ618、静脈流制御機構およびパラメータ620、ガス送達制御機構616、およびパラメータ602の左、右、上、および下の向きを含むことができる。実務家は、コンピュータシステム202を介して提供される規定されたレイアウトフレームワークを使用してそのようなレイアウトカスタマイゼーションを決めることができる。規定されたレイアウトフレームワークを使用することは、ユーザインターフェース600が実務家によって適切に使用可能であり、および/または多すぎる情報でいっぱいにされないことができることを保証可能である。たとえば、規定されたレイアウトフレームワークは、実務家が制御機構、表示、またはグラフを互いに対して近すぎるように配置することを防止可能である。規定されたレイアウトフレームワークはまた、異なるスクリーン比率に合うように適合可能である。たとえば、スマートフォンまたはタブレットのモバイルデバイススクリーンなどのモバイルデバイススクリーンは、実務家にコンピュータスクリーンまたはモニタよりも少ない制御機構または表示をユーザインターフェース600上に含めることを許容し得る。
【0134】
実務家はまた、オプション604A~Nの「セットアップ」オプション(たとえば、ボタン)を選択する(たとえば、押す、タッチする、クリックするなど)によって手技中にこの第2のユーザインターフェースにアクセス可能である。実務家が手技中に任意のユーザ規定された調整を行う場合、それらの調整は、ユーザインターフェース600に自動的に反映可能である。
【0135】
依然として
図6を参照すると、モニタされる血液ガスパラメータ602はまた、選択可能なオプション614A~Nを含むことができる。これらのオプション614A~Nは、実務家がクリック、選択および/またはタッチするボタンとすることができる。オプション614A~Nの各々は、異なるモニタされるパラメータに関連づけられたグラフを実務家に提供可能である。この例では、オプション614A~Nは、実務家が「PaO2傾向」、「PaCO2傾向」、「DO2傾向」、「O2ER傾向」、および「心係数傾向」についてのグラフ間をフリップすることを可能にする。実務家がユーザインターフェース600についてのパラメータおよび設定を設定するとき、実務家は、どのパラメータがモニタおよび表示されるべきか、およびそのようなパラメータを表示する順序を示すことができる。したがって、オプション614A~Nは、ユーザ規定された設定に基づいて動的に調整可能である。
【0136】
他の実装形態では、ユーザインターフェース600は、複数の傾向パラメータおよびそれらの関連づけられたグラフを同じ画面上に提示可能である。たとえば、手技前にユーザインターフェース600をセットアップするとき、実務家は、PaO2、PaCO2、DO2、O2ER、VCO2、比率など、および/または心係数傾向グラフがすべて同じユーザインターフェース600上にあることを望むことを示すことができる。したがって、実務家は、オプション614A~Nを選択することによってグラフ間を移動しなくてよいであろう。一度にユーザインターフェース600上に複数の傾向パラメータを表示することによって、実務家は、パラメータをより容易かつ効率的にモニタおよび制御可能である。これは、患者安全性を保証し、患者成果を改善することをもたらすことができる。
【0137】
言及されるように、実務家はまた、ユーザインターフェース600を使用してガス送達616をモニタ可能である。換気ガス送達616機能は、混合ガスの構成(たとえば、空気、95/5、CO2)、ガス流量および濃度の制御(たとえば、FiO2、FiCO2)、排ガスのモニタリング、および安全性特徴を含む。安全性特徴は、ユーザ選択可能なFiO2およびFiCO2限度を含むことができる。加えて、人工肺転送効率を考慮するために、ガス対血流の比率が表示可能である。最適な代替として、ガスおよび血流量が、ユーザ選択可能な目標比率を維持するために「同期して」またはリアルタイムで調整されることを可能にするための特徴が追加可能である。これは、(たとえば、患者温度および/または関連づけられた代謝の必要性に応答して)ガス送達パラメータが医療手技中に変えられるので、人工肺を通る最適なガス転送を達成するのに有益であり得る。
【0138】
したがって、ガス/血流比率は、実務家がガスまたは血流を互いに比例して調整することを可能にすることができる。結局、人工肺は、ガスおよび血流が(たとえば、1対1の比率で)比例して調整されるときにより効率的に遂行可能である。ガス送達616を使用することによって、実務家は、HLM内の真空機構(たとえば、
図3の真空源336および/または調節された静脈真空源344)の動作を制御可能である。実務家は、ガス/血流についてのリアルタイム情報を見て取り、任意の必要な調整を行うために、「情報」、「設定」、および/または「ステータス/障害情報」などのオプション/ボタンを選択可能である。たとえば、ユーザインターフェース600は、キーボードなどの入力デバイスと通信可能である。実務家は、ガス送達616のために健康状態のうちの任意のものを調整するためにキーボードにおいて値を入力可能である。これらの値は、更新されたガス送達616に反映可能である。
【0139】
ガス送達616はまた、人工肺排ガス分析に呼気二酸化炭素測定値(呼気CO2)を含めることができ、独立体積数(VCO2)または患者体表面積インデックスづき値(VCO2i)に変換可能である。呼気CO2の測定およびVCO2の評価は、二酸化炭素生成が末端組織への酸素送達からの細胞代謝の副産物であるので、灌流の効率を増大可能である。二酸化炭素生成(VCO2、呼気CO2、VCO2/DO2比率)値の測定値は、患者への適切な酸素送達の制御を助けることができる。ユーザ選択可能な二酸化炭素変数(たとえば、範囲)は、末端組織への酸素送達の調整された増加または代謝要求の減少をトリガ可能である。
【0140】
同様に、実務家は、動脈流制御機構およびパラメータ618を介して動脈血流を、静脈流制御機構およびパラメータ620を介して静脈血流をモニタ可能である。動脈制御機構およびパラメータ618に関して、1つまたは複数の選択可能なオプションが、手動および半自律的な調整能力を実務家に提供するために、ユーザインターフェース600上に提示可能である。たとえば、実務家は、ガス622を見て取ることができる。実務家は、気泡検出(ABD)およびクランプ制御機構624を介してABDをモニタ可能である。制御機構624は、「ステータスを検出」、「有効/無効/リセット」、および「開放/閉鎖」を含むことができる。実務家はまた、動脈、キャピオックス、およびデルタQ制御機構626を介して流れを制御およびモニタ可能である。制御機構626は、「停止」および「手動」機能を含むことができる。実務家はまた、ステータス/障害情報および血液濃縮器制御機構628を介してステータス、障害情報、および血液濃縮器を制御およびモニタ可能である。制御機構628は、「設定/リセット」および「血液濃縮器オン/オフ」のための選択可能なオプションを含むことができる。
【0141】
動脈制御機構およびパラメータ618は、遠心またはローラポンプの使用に応じて調整可能である。遠心ポンプを用いる動脈ポンプ圧送のために、ユーザインターフェース600は、コントローラ624内のクランプのための「開放/閉鎖」選択可能なオプションを含む。安全性イベントへのトリガされた応答を構成することに加えて(たとえば、気泡が動脈ライン内で検出された場合にクランプを作動させる)、クランプステータスの関連づけられたグラフインジケータ(たとえば、開放または閉鎖位置の止血鉗子アイコン)とともに、実務家がクランプを手動で開放または閉鎖することを可能にするための制御機構が設けられ得る。したがって、クランプは、コンピュータシステム202によって半自律的に開放または閉鎖可能であり、実務家によって手動で制御可能でもある。
【0142】
ABD制御機構624のための「ステータスを検出」および「有効/無効/リセット」オプションは、安全性モニタリング特徴を提供可能である。気泡検出のために、気泡検出を手動および/または半自律的に有効、無効、およびリセットし、検出目的で小、中、または大の気泡サイズ設定を選択するための制御機構が設けられ得る。気泡検出ステータスは、視覚(たとえば、カラーアイコン)および/またはテキスト(たとえば、動脈血流618の下部の「ステータス/障害情報」ウィンドウ内のメッセージ)手段によって示され得る。
【0143】
静脈流制御機構およびパラメータ620に関して、1つまたは複数の選択可能なオプションが提示可能である。たとえば、実務家は、手技中にリアルタイムでモニタされるようにガス630を見て取ることができる。閉鎖器制御機構632は、静脈血流に関連づけられた「キャリブレーション」、「開放」、および「閉鎖」構成要素に対する選択可能なオプションを含むことができる。静脈レベル制御機構634は、「ステータスを検出」、「有効/無効」、および「静脈真空オン/オフ」に対する選択可能なオプションを含むことができる。静脈レベルのための「ステータスを検出」および「有効/無効/リセット」オプションは、安全性モニタリング特徴を提供可能である。実務家はまた、静脈流636のリアルタイム測定値を見て取ることができる。静脈リザーバレベル検出のために、検出を有効または無効にし、検出モード(たとえば、アラートのみ、アラートおよびアラームレベル検出閾値など)を選択するための制御機構634が設けられ得る。レベル検出ステータスはまた、ABDを参照して上記で説明されたように、視覚および/またはテキスト手段によって示され得る。静脈リザーバ体積のために、測定された値は、視覚および/またはテキスト手段によって示され得、それは、動脈流および補足血液濃縮器流を増加させるかどうかを決定する際に実務家によって利用可能である。
【0144】
閉鎖器制御機構632は、実務家が静脈リザーバへの血流を制御することを可能にすることができる。静脈流プローブ(たとえば、センサ)が利用される場合、静脈リザーバ内の血液レベルが増加しているか、または減少しているかの傾向インジケーションを含む、動脈-静脈灌流回路内の流れの動的バランスを実務家に知らせるための傾向インジケータとともに、計算された「デルタQ」値(たとえば、動脈-静脈血流)が表示可能である。静脈レベルおよび真空制御機構634はまた、実務家が調節された真空源を有効または無効にすることを可能にすることができる。真空源は、静脈リザーバに補足静脈環流血流を提供可能である。加えて、真空圧力のモニタリングが、静脈流制御機構およびパラメータ620に示され得る。
【0145】
制御機構628に戻って参照すると、どの構成要素トリガの安全性イベント応答の概要も、制御機構628の「ステータス/障害情報」ウィンドウを介して動脈ポンプおよび/または静脈閉鎖器に提供可能である。血液濃縮器制御機構およびステータス表示は、実務家が完全開放/閉鎖クランプ機構(たとえば、血液濃縮器の基端および/または先端)を有効または無効にすることを可能にすることができる。たとえば、完全開放/閉鎖クランプ機構または弁は、0~100%の流れから、血液濃縮器を通る完全に調整可能な流れを提供可能である。いくつかの実装形態では、クランプ機構は、0~100%の流動能力を有する調整可能な弁とすることができる。調整可能な弁は、血液濃縮器を通る血流を適切に制御するために必要に応じて、血液濃縮器の基端および/または先端に配置可能である。さらに、本明細書において図示および説明されるように、流れセンサが、血液濃縮器を通る血流を測定するために使用可能である。測定される血流は、ユーザインターフェース600に出力可能である。実務家は、医療手技において流体の正確な管理を必要とする小児科および他の臨床応用を助けることができるので、測定された血流を見て取ることから利益を得ることができる。
【0146】
これらの制御機構および表示628はまた、血液濃縮器を通って静脈リザーバに戻る動脈血の流出を制御するために調節された真空源を実務家が調整することを可能にすることができる。これらの調整のうちのいずれも、ユーザがユーザインターフェース600上の制御機構を選択するときに、実務家によって手動で、またはコンピュータシステム202によって半自律的に遂行可能である。血液濃縮器の制御は、動脈血におけるヘモグロビンのレベルを調整する能力をユーザに提供可能である。図示されていないが、ユーザインターフェース600は、血液から流体を引き抜くために血液濃縮器回路に接続された真空源の圧力を調整する際にユーザを助ける追加の選択可能なオプションを提供可能である。たとえば、制御機構は、静脈ラインにおける血流の環流を補足するために使用可能である第2の真空源にリンク可能である。
【0147】
1つまたは複数の他の選択可能なオプションは、ユーザインターフェース600内に設けられ得る。さらに、ユーザインターフェース600をセットアップするとき、実務家は、どの選択可能なオプション、HLM構成要素、パラメータ、および/またはリアルタイム健康状態が表示されるべきかを示すことができる。
【0148】
図7は、本明細書において説明されるモニタリングおよび制御システムを構成するための例示的なユーザインターフェースを例示する。1次構成画面700および2次構成画面702が図示される。画面700および702は、PaO2目標パラメータについて、本明細書において説明されるモニタリングおよび制御システムを構成することに関する。各目標パラメータは、限度および傾向応答についての構成オプションのパラメータ固有のセットを有することができる。いくつかの実装形態では、別の目標パラメータは、
図7に図示されるように、PaO2目標パラメータとは異なる構成オプションを有することができる。
【0149】
1次構成画面700を参照すると、目標パラメータ704が識別可能である。
図7の例では、PaO2が目標パラメータ704である。実務家は、表示タイプ706を選択するためのオプションを有し、それは、「グラフ」または「数値」とすることができる。いくつかの実装形態では、実務家は、モニタリングおよび制御システムにおいて表示されることになるグラフおよび数値表示タイプの両方を選択可能である。オプション「グラフ」および「数値」の各々は、ユーザインターフェース画面700上に提示される選択可能なボタンとすることができる。実務家は、次いで、画面700の限度設定部分708において目標パラメータ704に対する限度を規定可能である。実務家は、どのオプションをモニタリングおよび制御システムにおいて目標パラメータ704のために表示するべきかを選択可能である。この例では、実務家は、望ましい制御範囲710、アラート限度712、およびアラーム限度714のうちの1つまたは複数の表示を有効にすることができる。アラート限度712は、目標パラメータ704がアラーム状態に向かう傾向にある状態とすることができる。アラーム限度714は、より高い優先度とすることができ、目標パラメータ704が患者のケアおよび安全性に悪影響を与える可能性がある範囲にあることを実務家に知らせるより緊急の状態とすることができる。異なる目標パラメータを有する他の例では、1つまたは複数の他のまたは追加のオプションが、実務家の構成のために画面700上に表示可能である。ここでは、実務家は、望ましい制御範囲710およびアラーム限度714の表示を有効にするように選択した。実務家は、特定の灌流技師、外科医プロトコル、および/または機関にとって興味深いカスタムパラメータ比率の傾向およびデータ収集を可能にするためにパラメータ比率(たとえば、ガス/血流、DO2/VCO2など)を設定可能である。
【0150】
実務家はまた、オプション710、712、および714の各々についての値または範囲を設定可能である。下限716A~Nおよび上限718A~Nは、各オプション710、712、および714に対してそれぞれ設定可能である。ここでは、実務家は、望ましい制御範囲710についての下限716Aを100mmHgに、上限718Aを250mmHgに設定した。アラート限度712については、実務家は、このオプションの表示を有効にしなかったが、実務家は、下限716Bを80mHgに、上限718Bを270mmHgに設定した。アラーム限度714については、実務家は、下限716Nを60mmHgに、上限718Nを300mmHgに設定した。
【0151】
図示されるように、実務家は、画面700上に表示される選択可能な上および下ボタン(たとえば、+および-ボタン)を使用して、下限716A~Nおよび上限718A~Nを設定可能である。他の実装形態では、実務家は、キーボード、物理的なボタン、マイクロフォン、および/またはタッチスクリーンディスプレイなどの1つまたは複数の入力デバイスを使用して、下限716A~Nおよび上限718A~Nを設定可能である。
【0152】
画面700は、確定ボタン720、次へボタン722、およびメインに戻るボタン724をさらに含む。確定ボタン720を選択することは、画面700上で実務家によって行われた構成選択を保存可能である。構成選択は、これらの構成選択が将来その後の類似した手技のために使用可能となるように、データストア(たとえば、
図3のパラメータ範囲データベース322)に保存可能である。次へボタン722を選択することは、実務家を
図7に図示された2次構成画面702などの新しい構成画面に至らせることができる。他の実装形態では、次へボタン722を選択することは、実務家を異なる目標パラメータのための別の1次構成画面700へと至らせることができる。したがって、実務家は、モニタリングおよび制御システムのメイン画面に戻り、次いで、構成するための異なる目標パラメータを選択しなければならないのではなく、1つのシームレスプロセスにおいて各目標パラメータを構成可能である。メインに戻るボタン724を選択することは、実務家をモニタリングおよび制御システムのメイン画面(たとえば、
図6のユーザインターフェース600を参照)に戻すことができる。メイン画面は、1次構成画面700において実務家によって行われた構成選択を反映するためにシームレスに更新可能である。
【0153】
1次構成画面700に図示されるように、1つまたは複数の選択可能なオプションは、グローまたはハイライト効果を有することができる。このタイプの視覚化は、どの選択を行ったかを見直すまたは見る際に実務家を助けることができる。たとえば、「グラフ」ボタンは、実務家が表示タイプ706についてそのオプションを選択したことから、グロー効果を有する。望ましい制御範囲710およびアラーム限度714のためのラジオボタンは、実務家がそれらの限度を有効にすることを選んだので、グロー効果を有する。さらに、確定ボタン720および次へボタン722は、ユーザがそれらのオプションを選択することを促すグロー効果を有することができる。
【0154】
依然として
図7を参照すると、2次構成画面702は、目標パラメータ726、画面702のパラメータ傾向増加部分728、および画面702のパラメータ傾向減少部分730を含むことができる。この例では、2次構成画面702は、実務家が1次構成画面700において次へボタン722を選択すると実務家に促される。したがって、2次構成画面702は、1次構成画面700の同じ目標パラメータ704:PaO2を表示する。他の実装形態では、2次構成画面702は、1次構成画面700の目標パラメータ704とは異なる目標パラメータ726を提示可能である。
【0155】
2次構成画面702は、目標パラメータ726に基づいて追加の構成可能なパラメータまたはプロパティを自動的に追加可能である。ここでは、例示的な目標パラメータ726がPaO2であるので、パラメータ傾向増加部分728は、FiO2を増加732させ、FiCO2を減少734させるための選択可能なオプションを提示している。画面700と同様に、2次構成画面702では、実務家は、FiO2を増加732および/またはFiCO2を減少734させることを有効にするための1つまたは複数のラジオボタンを選択可能である。実務家がFiO2を増加732を有効にするために選択した実務家の選択は、図示されるように、グロー効果を有することができる。実務家は、次いで、FiO2を増加732の傾向のためにステップを増加736および/または間隔を増加738させるように調整または選択可能である。この例では、実務家は、0.05だけステップを増加736させ、15秒だけ間隔を増加738させることを選んだ。FiCO2を減少734の制御に関連して、実務家は、ステップを減少740および/または間隔を減少742させるように調整または選択可能である。実務家は、画面上に表示される1つまたは複数の選択可能な上および下オプションまたはボタン(たとえば、+および-ボタン)を使用して、ステップを増加736、間隔を増加738、ステップを減少740、および間隔を減少742についての値を調整可能である。他の実装形態では、実務家は、キーボード、物理的なボタン、マイクロフォン、および/またはタッチスクリーンディスプレイなどの1つまたは複数の入力デバイスを使用可能である。
【0156】
例示的な2次構成画面702では、パラメータ傾向減少部分730は、FiO2を減少744させ、FiCO2を増加746させるための選択可能なオプションを提示している。上記で言及されるように、これらの傾向は、目標パラメータ736に応じて異なり得る。画面700と同様に、2次構成画面702では、実務家は、FiO2を減少744および/またはFiCO2を増加746することを有効にするための1つまたは複数のラジオボタンを選択可能である。実務家がFiO2を減少744を有効にするために選択した実務家の選択は、図示されるように、グロー効果を有することができる。実務家は、次いで、FiO2を減少744の傾向のためにステップを減少748および/または間隔を減少750させるように調整または選択可能である。この例では、実務家は、0.05だけステップを減少748させ、15秒だけ間隔を減少750させることを選んだ。FiCO2を増加746の傾向に関連して、実務家は、ステップを増加752および/または間隔を増加754させるように調整または選択可能である。実務家は、画面上に表示される1つまたは複数の選択可能な上および下オプションまたはボタン(たとえば、+および-ボタン)を使用して、ステップを減少748、間隔を減少750、ステップを増加752、および間隔を増加754についての値を調整可能である。他の実装形態では、実務家は、キーボード、物理的なボタン、マイクロフォン、および/またはタッチスクリーンディスプレイなどの1つまたは複数の入力デバイスを使用可能である。
【0157】
依然として構成画面702を参照すると、実務家は、確定ボタン756および/またはメインに戻るボタン758を選択可能である。確定ボタン756を選択することは、実務家が画面702内で行った構成選択を保存可能である。画面700を参照して上記で言及されたように、画面702内で行われた選択は、データベース内に保存可能であり、その後の類似した医療手技において使用可能である。メインに戻るボタン758を選択することは、実務家を
図6に図示されたユーザインターフェース600に戻すことができる。実務家がメイン画面(たとえば、
図6のユーザインターフェース600)に戻ると、メイン画面は、実務家が1次構成画面700および/または2次構成画面702内で行った構成選択のうちのいずれも反映するために自動的に更新可能である。たとえば、傾向パラメータの勾配を増加または減少させるための選択可能なオプションは、実務家が画面700および702内で行われた選択に基づいて勾配を増加または減少させるようにプログラム可能である。
【0158】
実務家が画面702のパラメータ傾向増加部分728およびパラメータ傾向減少部分730内で行う選択は、医療手技中に半自律的に遂行可能である。本開示全体を通して説明されるように、実務家は、手技中に手動または半自律的に遂行可能である測定値または調整値を設定する。これらの調整値は、2次構成画面702を使用して設定される。手技中に、
図6に図示されるように、ユーザインターフェース600は、実務家が2次構成画面702を使用して設定した測定値または調整値を呼び出すための選択可能なオプションを表示可能である。たとえば、
図7の画面702のパラメータ傾向増加部分728では、実務家は、FiO2を増加732させるためにステップを増加736させるように選択した。
図6に図示されるように、手技中に、実務家は、「PaCO2勾配を増加」させるために、ボタン604A~Nのうちの1つを選択可能である。実務家がボタンを選択すると、モニタリングおよび制御システムは、実務家が2次構成画面702内で設定したように、FiO2を増加732の傾向のために0.05だけステップを増加736させることによってPaCO2勾配を半自律的に増加可能である。
【0159】
いくつかの実装形態では、構成画面700および702内で構成可能な選択を行う実務家は、医療手技を遂行する実務家と同じではないことがある。たとえば、1人の実務家またはユーザは、医療手技に先立って構成可能な選択を行うことができる。第2の実務家は、次いで、第1の実務家によって行われた構成可能な選択をすでに反映しているモニタリングおよび制御システムを使用して後の時間に医療手技を遂行可能である(たとえば、第1の実務家の選択は、データベース内の保存可能であり、次いで、データベースから取り出し可能であり、医療手技の直前にモニタリングおよび制御システムに適用可能である)。その結果、第2の実務家は、手技における傾向パラメータに対して選択のうちのいずれも調整するまたは行う必要なしに、手技を即時に遂行し始めることができる。
【0160】
図8は、血液ガスパラメータをモニタおよび制御するためのプロセス800のフローチャートである。プロセス800は、目標パラメータの半自律的な調整を実施するために使用可能である例示的なアルゴリズムである。このプロセス800は、実務家(たとえば、ユーザ)が、同時にモニタ可能である目標血液ガスパラメータおよび他の関連づけられたパラメータ(たとえば、
図7の構成画面を参照)とともに数値またはグラフ表示タイプを選択することを可能にする。本開示全体を通して説明されるように、プロセス800はまた、望ましい制御範囲、アラート限度、および/またはアラーム限度を選択および設定することを実務家に提供する。
【0161】
実務家の選択が本明細書において説明されるモニタリングおよび制御システムによって実施されると、選択されたパラメータは、リアルタイムでサンプリングおよび表示可能である。したがって、傾向勾配が、モニタリングおよび制御システムにおいて決定および表示可能である。実務家がリアルタイムで手技中にパラメータ傾向をモニタするとき、パラメータは、実務家が手技前に行った(たとえば、傾向を半自律的に増加または減少させるための)あらかじめ規定された制御調整シーケンスを開始するためのオプションとともに提示可能である。パラメータはまた、実務家によって完全な手動モニタリングおよび制御機能を有効にするためのオプションとともに提示可能である。実務家が制御調整シーケンスを開始する場合、本明細書において説明されるモニタリングおよび制御システムは、実務家の構成(たとえば、
図7を参照)によってあらかじめ規定されたようにその制御調整シーケンスを実行可能である。制御調整の実行が始まると、実務家は、モニタリングおよび制御システムにおいて表示されるパラメータ傾向の方向の訂正を見て取ることができる。
【0162】
任意選択で、実務家はまた、目標パラメータが望ましい制御範囲の限度のうちの1つに達した場合に、訂正傾向応答(たとえば、制御調整シーケンス)が自動的に開始するように構成可能である。
【0163】
プロセス800が医療手技中に目標パラメータに対する調整を遂行する際に実務家を助けるだけでなく、プロセス800はまた、本明細書において説明されるモニタリングおよび制御システムのデータ収集技法を改善する。たとえば、追加のパラメータ、イベント、および連続的なリアルタイム傾向パターンが、手技中に追跡、モニタ、および記録(たとえば、データベースに記憶)可能である。そのような高度なデータ収集では、収集時間枠が拡張可能であり、より速いサンプリングレートが生成可能である。手技中に、すべてのパラメータ読み取り値、制御調整値、イベント、ユーザ選択された患者サイズ情報、ユーザ選択された機器構成、手技タイプ、外科医/外科的プロトコル、ユーザ選択された制御範囲、アラート/アラーム限度、ユーザ選択されたパラメータ傾向応答、安全性/トリガ、および範囲外制御/限度イベントを含むデータが収集可能である。高度なデータ収集はまた、後手技分析、履歴分析、および将来の手技および/または目標パラメータのためのより正確な手技調整値の生成のために使用可能となるように、灌流記録をよりロバストに行うことができる。たとえば、後手技データ分析は、患者別および/または手技カテゴリ別の統計分析、ユーザ選択された制御範囲および調整値の分析、ならびに半自動化アルゴリズム開発のためのデータ分析を含むことができる。したがって、手技中により多くの情報を同時にモニタすることは、実務家がより効果的および/または正確な手技調整値を生成することを可能にする。これらの手技調整値は、患者安全性および手技成果を維持および改善可能である。
【0164】
図8のプロセス800を参照すると、ユーザ(たとえば、実務家)は、表示タイプ、目標血液ガスパラメータ、およびモニタするための他のパラメータを802において選択する。本開示全体を通して説明されるように、ユーザは、モニタされるパラメータの各々について数値および/またはグラフ表示を選択可能である。ユーザはまた、デフォルト設定としてパラメータ調整の手動制御を有効にすることができる。したがって、ユーザまたは別の実務家は、手技中に任意のパラメータ調整を遂行する。モニタリングおよび制御システムは、イベントの発生に際してユーザのあらかじめ規定されたパラメータ調整を半自律的に実行しないことがある。いくつかの実装形態では、しかしながら、ユーザは、システムにユーザのあらかじめ規定されたパラメータ調整を遂行させる、モニタリングおよび制御システムのディスプレイ上のボタンを手技中に選択可能である。
【0165】
804では、ユーザは、望ましい制御範囲ならびに最小および/または最大アラートおよび/またはアラーム限度を選択する。ユーザは、ユーザが802においてモニタリングのために選択した目標血液ガスパラメータおよび任意の他のパラメータのためにこれらの選択を行うことができる。いくつかの実装形態では、ユーザは、目標パラメータおよび他のパラメータの各々についてのあらかじめ設定されたオプションを提示され得る。ユーザは、あらかじめ設定されたオプションを維持、無視、または修正することを選ぶことができる。
【0166】
あらかじめ設定されたオプションは、同じ目標パラメータおよび他のパラメータについての以前の構成とすることができる。以前の構成は、データベース(たとえば、
図3のパラメータ範囲データベース322)に記憶可能である。以前の構成は、同じユーザもしくは異なるユーザによって、および/または同じ手技もしくは異なる手技に対して行われた可能性がある。他の実装形態では、あらかじめ設定されたオプションはまた、モニタリングおよび制御システムによって生成された提案とすることができる。たとえば、システムは、最適な範囲、限度、アラーム、および/またはアラートを決定するために、先の手技中に収集された以前の構成および他のデータ(たとえば、
図3の手技結果データベース324に記憶されたデータ)を集計可能である。
【0167】
ユーザはまた、カスタムオプションを提示され得る。言い換えれば、あらかじめ設定されたオプションを受け取る代わりに、ユーザは、制御範囲、アラート、および/またはアラーム限度を手動でゼロから設定可能である。ユーザは、以前の構成または提案された構成を提示されないことがある。
【0168】
804および806は、
図6を参照して図示されるように、1つまたは複数の構成画面において遂行可能である。804および806はまた、手技前におよび/または手技の開始時に遂行可能である。いくつかの実装形態では、ユーザは、これらの設定を使用するであろう任意の手技が発生する前に804および806を遂行可能である。たとえば、ユーザは、手技が発生するときに、モニタリングおよび制御システムがユーザ規定された設定で即時に準備およびロード可能となるように、どのスケジュールされた手技にも先立ってモニタリングおよび制御システムを構成可能である。さらに他の実装形態では、ユーザは、手技中に804および/または806を遂行可能である。たとえば、いくつかのユーザ規定された構成は、手技前に設定されていることがあるが、手技がどのようにリアルタイムでうまくいくかに基づいて、ユーザは、ユーザ規定された構成のうちの1つまたは複数を更新または修正することを決め得る。したがって、804および/または806は、手技中に遂行可能である。
【0169】
目標パラメータは、806においてサンプリングおよび/または表示される。目標パラメータは、本明細書において説明されるように、モニタリングおよび制御システムのディスプレイ上のユーザインターフェース内に表示可能である(たとえば、
図6のユーザインターフェース600を参照)。いくつかの実装形態では、目標パラメータは、サンプリング可能であり、それは、個々の測定値を表示することを含む。いくつかの実装形態では、目標パラメータが表示可能であり、それは、複数の測定値の移動平均値を表示することを含むことができる。目標パラメータは、リアルタイムで表示される。したがって、手技の持続時間にわたって、ユーザは、目標パラメータがどのような傾向にあるのかを見ることができ、必要とされる場合、任意の必要な調整を行うことができる。ユーザがモニタするために選択した任意の他のパラメータ(802)もまた、806においてサンプリングおよび/または表示可能である。たとえば、他のパラメータは、目標パラメータと同じユーザインターフェース内に表示可能である。他のパラメータは、目標パラメータと同じグラフ上に表示可能である。他の例では、他のパラメータは、異なるユーザインターフェース画面内に表示可能である。ユーザは、モニタリングおよび制御システムのディスプレイ上の選択可能なオプションまたはボタンを選択することによって、異なるユーザインターフェース画面に切り替えることができる。他のパラメータもまた、異なるグラフに表示可能である。
【0170】
目標パラメータの傾向および/または勾配が、808において決定される。いくつかの実装形態では、モニタリングおよび制御システムは、目標パラメータの傾向および/または勾配が決定可能である。他の実装形態では、他のモニタされるパラメータのうちの1つまたは複数の傾向および/または勾配が決定可能である。目標パラメータの傾向および/または勾配は、手技中にリアルタイムで決定される。
【0171】
決定されたパラメータ傾向および/または勾配は、810において表示される(たとえば、
図6のユーザインターフェース600を参照)。たとえば、目標パラメータの勾配は、グラフにおけるラインとして表示可能である。決定されたパラメータ傾向および/または勾配に対する任意の変化が、リアルタイムで表示可能である。さらに、制御限度、アラート限度、アラーム限度、アラートステータス、およびアラームステータスが、810においてリアルタイムで表示および更新可能である。1つまたは複数の選択可能なオプションまたはボタンが表示可能である。ユーザは、モニタされるパラメータに対して何らかの行動を遂行するために、これらのボタンのうちのいずれかを選択可能である。たとえば、ボタンのうちの1つを選択することは、モニタリングおよび制御システムに、ユーザのあらかじめ規定された制御調整を半自律的に遂行させることができる。ボタンのうちの別のものを選択することは、ユーザがモニタされるパラメータのうちの任意のものの任意の1つまたは複数の設定を手動で制御または調整することを可能にすることができる。追加のボタンは、手技中に灌流または任意の他のタスクを遂行する際にユーザを助けるためにユーザに表示可能である。
【0172】
上記で説明されたすべてのものがユーザに表示されると、ユーザは、812においてユーザ選択を行わないことを選ぶことができる。言い換えれば、ユーザが行ったどの以前の選択も、アクティブなままである。たとえば、ユーザが目標パラメータの勾配を半自律的に増加させるためのオプションを以前に選択した場合、ユーザは、完了するまでその半自律的な調整を続けさせることを決めることができる(たとえば、ユーザは、望ましい勾配が達成されると自動的に終了するように、この調整を前に規定した)。別の例として、ユーザは、いかなる以前の選択も行っていないことがある。代わりに、ユーザは、パラメータをモニタしていることがあり、その時にパラメータのうちのどれに対しても調整が行われる必要がないと決めた。このことから、ユーザは、812において選択を行わないことがあり、代わりにすべてのモニタされるパラメータの傾向および/または勾配をリアルタイムで見続けることができる。
【0173】
プロセス800は、次いで、806において目標パラメータおよび他のモニタされるパラメータをサンプリングおよび/または表示することに戻ることができる。1つまたは複数のステップは、フィードバックループでプロセス800において繰り返し可能である。言い換えれば、目標パラメータおよび他のモニタされるパラメータは、ユーザが812において調整選択を行わないときであっても、手技の持続時間にわたってリアルタイムで連続的に表示および更新される。
【0174】
加えてまたは代替的に、上記で説明されたすべてのものがユーザに表示されると(810)、ユーザは、814において手動制御を有効にすることができる。ユーザは、ユーザがモニタされるパラメータに対してすべての調整を行うことを可能にするオプションまたはボタンを選択可能である。したがって、ユーザ規定された制御調整は、モニタリングおよび制御システムによって自動的に実行されないことがある。代わりに、ユーザは、それらの以前のユーザ規定された制御調整を手動で行うことができる(たとえば、804を参照)。ユーザはまた、ユーザが802および/または804において以前に規定しなかった任意の他の調整を手動で遂行可能である。この開示全体を通して説明されるように、ユーザは、ディスプレイ上の選択可能なオプションを使用して調整を行うことができる。たとえば、ディスプレイは、タッチスクリーンとすることができる。ユーザは、任意の手動調整を行うために、モニタされるパラメータの1つまたは複数の設定に関連づけられた上および下ボタン(たとえば、+および-ボタン)を押すことができる。ユーザはまた、手動調整を行うために物理的なボタンおよび/またはダイヤルを押すことができるか、または使用可能である。物理的なボタンおよび/またはダイヤルは、モニタリングおよび制御システムの一部とすることができる。物理的なボタンおよび/またはダイヤルはまた、モニタリングおよび制御システムとは別個とすることができ、システムと(たとえば、ワイヤードおよび/またはワイヤレス)通信可能である。
【0175】
プロセス800は、次いで、806において目標パラメータおよび他のモニタされるパラメータをサンプリングおよび/または表示することに戻ることができる。1つまたは複数のステップは、プロセス800において繰り返し可能である。言い換えれば、目標パラメータおよび他のモニタされるパラメータは、ユーザが814において手動制御を有効にするときであっても、手技の持続時間にわたってリアルタイムで連続的に表示および更新される。
【0176】
手動制御が有効にされる(814)か、または半自律的な調整(たとえば、812における以前のユーザ選択)がアクティブなままであるかにかかわらず、ユーザは、816において傾向勾配を増加させるために制御調整を開始する。ユーザはまた、818において傾向勾配を減少させるために制御調整を開始可能である。本明細書において説明されるように、ユーザは、816および/または818のためにユーザインターフェース内に提示された選択可能なオプション(たとえば、ボタン)を押すことができる。ユーザが804において制御範囲を規定したとき、ユーザインターフェース内の1つまたは複数の選択可能なオプションまたはボタンが、ユーザ規定された制御範囲を反映するために更新された。このことから、傾向勾配を増加させるために制御調整を開始するボタン(816)は、勾配をどれくらい増加させるべきかを示すユーザ規定された構成にリンク可能である。さらに、傾向勾配を減少させるために制御調整を開始するボタン(818)は、勾配をどれくらい減少させるべきかを示すユーザ規定された構成にリンク可能である。
【0177】
ユーザが816または818において制御調整を開始すると、その制御調整は、820において実行される。上記で言及されたように、開始される制御調整に関連づけられたユーザ規定された構成は、モニタリングおよび制御システムによって半自律的に実行される。したがって、制御調整は、ユーザの望ましい訂正傾向効果(たとえば、816において傾向勾配を増加させるか、または818において傾向勾配を減少させる)のために実行される。
【0178】
1つまたは複数の例示的な制御は、820においてモニタリングおよび制御システムによって半自律的に実行可能である。たとえば、システムは、動脈pCO2対患者設定ポイントを分析可能である。この分析に基づいて、システムは、30秒ごとに0.1L/minだけスイープガスを減少させることによって、動脈pCO2をゆっくり増加または減少可能である。システムはまた、15秒ごとに.01だけ(メモ:by抜け)FICO2を増加または減少可能である。別の例として、システムは、動脈pO2対患者設定ポイントを分析可能である。この分析に基づいて、システムは、15秒ごとに0.05だけFiO2の割合を増加させることによって、動脈pO2をゆっくり増加または減少可能である。
【0179】
さらに別の例として、システムは、DO2(インデックスづき)対患者設定ポイントを分析可能である。システムは、.05L/minだけ×15秒ごとに動脈血流をゆっくり増加可能である。そうする際、システムはまた、レベル検出を評価可能であり、FiO2設定ポイントを評価可能である。システムはまた、15秒ごとに0.05だけFiO2の割合を増加させることによって、pO2をゆっくり増加または減少可能である。さらに、システムはまた、血液濃縮、流出率の増加、および/または輸血について提案を行うことができる。
【0180】
別の例として、システムは、酸素抽出率、O2ER(VO2/DO2)、対患者設定ポイントを半自律的に分析可能である。その結果、システムは、.05L/minだけ×15秒ごとに動脈血流をゆっくり増加可能である。そうする際、システムは、レベル検出および/またはFiO2設定ポイントを評価可能である。システムはまた、15秒ごとに0.05だけFiO2の割合を増加させることによって、pO2をゆっくり増加または減少可能である。さらに、システムは、血液濃縮、流出率の増加、輸血、温度を増加または減少させること、および/または鎮静剤を増加または減少させることについてさまざまな提案を行うことができる。
【0181】
さらに別の例として、システムは、心係数(CI)対患者設定ポイントを半自律的に分析可能である。システムは、動脈流、静脈流、およびレベル検出システムを評価可能である。システムはまた、そのような半自律的な評価に基づいて提案を行うことができる。たとえば、動脈流が静脈流にX%だけ等しくない場合、システムは、実務家に静脈ドレナージを増加させることを提案可能である。静脈が動脈にX%だけ等しくない場合、システムは、動脈流を増加させることを提案可能である。
【0182】
さらに別の例として、システムは、血清カリウムレベル対(高いまたは低い)患者設定ポイントをモニタ可能である。システムは、以前に送達された心筋保護液量および比率、クロスクランプ配置の時間、送達後経過時間およびEKG電気的活動対カリウム設定範囲を評価可能である。システムは、次いで、応答の代替を決定可能である。たとえば、カリウムが設定範囲レベルよりも高い場合、システムは、投与される心筋保護液率および/または量を変更可能であり、同時に、レベル検出ポイントが閾値を上回る場合、血液濃縮または流出率の増加が、血清カリウムレベルを減少させるために発生可能である。さらに、システムは、実務家にプロトコル化されたインスリンおよび重炭酸ナトリウムまたは腎臓利尿剤の投与を開始することを提案可能である。
【0183】
モニタリングおよび制御システムは、本開示全体を通して説明されるように、1つまたは複数の追加の半自律的な制御および機能の実行を提供可能である。いくつかの実装形態では、システムは、動脈および静脈血流ならびにユーザ指定された目標血液ガスパラメータ値へのガス送達の最適な高度なサーボ制御のために必要とされる基礎的な機能を提供可能である。
【0184】
820における制御調整の実行後、プロセス800は、806に戻ることができ、プロセス800におけるステップのうちの1つまたは複数を繰り返すことができる。言い換えれば、目標パラメータおよび他のモニタされるパラメータは、手技の持続時間にわたってリアルタイムで連続的に表示および更新される。表示された目標パラメータおよび他のモニタされるパラメータは、制御調整の実行(820)により生じるそのようなパラメータに対する変化を反映するためにリアルタイムで更新可能である。
【0185】
図9は、酸素分圧パラメータ(PaO2)をモニタおよび制御するためのプロセス900のフローチャートである。プロセス900は、
図8を参照して図示および説明されたプロセス800の例示的な使用である。例示的なプロセス900では、実務家(たとえば、ユーザ)は、902において目標血液ガスパラメータとしてPaO2を選択した。実務家はまた、FiO2およびFiCO2をモニタするための他のパラメータとして選択した。実務家は、
図10に示されるように、グラフ表示タイプを選択した。
【0186】
実務家は、次いで、904において100~250mmHgの望ましい制御範囲、80mmHgの最小アラート、270mmHgの最大アラート、60mmHgの最小アラーム、および300mmHgの最大アラームを選択する。これらの選択は、
図7を参照して図示および説明されるように、1次構成画面700内で行われ得る。
【0187】
PaO2、FiO2、およびFiCO2は、906においてグラフ表示内にサンプリングおよび表示される(たとえば、
図10を参照)。PaO2傾向および/または勾配は、908においてサンプルの時間の期間にわたって変化可能である(たとえば、
図10を参照)。
図8を参照して説明されるように、パラメータ傾向、勾配、制御限度、およびアラート/アラーム限度ステータスは、910において選択可能なボタンでユーザインターフェース内に表示可能である。実務家は、912において選択を行わないことができ、および/または914において手動制御を有効にすることができる。1つのオプションとして、実務家は、916においてPaO2の傾向を増加させるために、FiO2を増加またはFiCO2を減少可能である。別のオプションとして、実務家は、918においてPaO2の傾向を減少させるために、FiO2を減少またはFiCO2を増加可能である。916または918の実務家の選択に基づいて、本明細書において説明されるモニタリングおよび制御システムは、920において15秒ごとに0.05だけFiO2または0.01だけFiCO2を半自律的に増加または減少可能である。
【0188】
図10は、
図9の酸素分圧パラメータをモニタおよび制御するグラフ図である。グラフ1000は、PaO2傾向1002、FiO2傾向1004、およびFiCO2制御1006を含む。
図9においてプロセス900を参照して説明されるように、これらは、実務家がモニタリングのために選択したパラメータである。グラフ1000は、任意選択で、
図10に示されるように、リアルタイム数値を含むことができる。グラフ1000には、最大アラーム1008、最大アラート1010、上方制御限度1012、下方制御限度1014、最小アラート1016、および最小アラーム1018が図示されている。
図9を参照して説明されるように、これらの値は、実務家によって構成または設定された。さらに、グラフ1000は、PaO2勾配を増加ボタン1020、PaO2勾配を減少ボタン1022、および手動制御を有効ボタン1024を含む。本開示全体を通して説明されるように、ボタン1020、1022、および1024のうちの1つまたは複数は、実務家の構成または選択に基づいて異なる機能を提供可能である。実務家がボタン1020または1022を選択すると、モニタリングおよび制御システムは、選択されたボタンに関連づけられた実務家が規定した制御調整を半自律的に実行可能である。実務家がボタン1024を選択する場合、実務家は、モニタされるパラメータに任意の手動調整を行うことができる。
【0189】
パラメータに対して行われるどの調整も、半自動または手動にかかわらず、グラフ1000に反映可能である。したがって、グラフ1000は、モニタされるパラメータ傾向に対するリアルタイム変化を反映可能である。これは、手技の持続時間にわたってパラメータを正確にモニタおよび制御する際に実務家を助けるのに有益である。
【0190】
初期PaO2 1002およびFiO2 1004値が表示可能であり、時間が経過するにつれて傾向を示すことができる。時間Aより前に、実務家は、PaO2 1002が望ましい制御範囲の上限1012に向かって上向き傾向にあることを観察可能である。時間Aにおいて、実務家は、PaO2勾配を減少ボタン1022を押すことによって傾向を訂正するために、あらかじめ規定された制御調整行動を開始可能である。あらかじめ規定された制御調整は、15秒ごとに0.05だけFiO2 1004を減少させることによってPaO2 1002勾配を減少させるようにモニタリングおよび制御システムに命令可能である。結果として生じる効果は、PaO2 1002およびFiO2 1004の下向き傾向勾配に図示される。このあらかじめ規定された制御調整は、
図7を参照して図示および説明されるように、2次構成画面702において実務家によって決定された。
【0191】
依然として
図10を参照すると、時間Bより前に、実務家は、PaO2 1002が望まれるよりも下向き傾向にあることを観察可能である。時間Bにおいて、実務家は、PaO2勾配を増加ボタン1020を押すことによってPaO2 1002傾向を訂正するために、あらかじめ規定された制御調整行動を開始可能である。あらかじめ規定された制御調整は、15秒ごとに0.01だけFiCO2 1006を減少させることによってPaO2 1002勾配を増加させるようにモニタリングおよび制御システムに命令可能である。このあらかじめ規定された制御調整は、
図7を参照して図示および説明されるように、2次構成画面702において実務家によって決定された。さらに、いつでも、実務家は、(たとえば、手動制御を有効ボタン1024を押すことによって)FiO2 1004の手動制御を有効にするためのオプションを有する。そうすることは、FiO2 1004または他のパラメータのうちの1つのどのインプロセス半自動制御調整も即時に終了可能である。
【0192】
図11は、二酸化炭素分圧パラメータ(PaCO2)をモニタおよび制御するためのプロセスのフローチャートである。プロセス1100は、
図8を参照して図示および説明されたプロセス800の例示的な使用である。例示的なプロセス1100では、実務家(たとえば、ユーザ)は、1102において目標血液ガスパラメータとしてPaCO2を選択した。実務家はまた、FiCO2、FiO2、およびスイープをモニタするための他のパラメータとして選択した。実務家は、
図12に示されるように、グラフ表示タイプを選択した。
【0193】
実務家は、次いで、1104において35~50mmHgの望ましい制御範囲、30mmHgの最小アラート、65mmHgの最大アラート、25mmHgの最小アラーム、および70mmHgの最大アラームを選択した。これらの選択は、
図7を参照して図示および説明されるように、1次構成画面700内で行われ得る。
【0194】
PaCO2、FiCO2、FiO2、およびスイープは、1106においてグラフ表示内にサンプリングおよび表示される(たとえば、
図12を参照)。PaCO2傾向および/または勾配は、1108においてサンプルの時間の期間にわたって変化可能である(たとえば、
図12を参照)。
図8を参照して説明されるように、パラメータ傾向、勾配、制御限度、およびアラート/アラーム限度ステータスは、1110において選択可能なボタンでユーザインターフェース内に表示可能である。実務家は、1112において選択を行わないことができ、および/または1114において手動制御を有効にすることができる。1つのオプションとして、実務家は、1116においてPaCO2の傾向を増加させるために、スイープまたはFiO2を減少可能である。別のオプションとして、実務家は、1118においてPaCO2の傾向を減少させるために、スイープまたはFiO2を増加可能である。1116または1118の実務家の選択に基づいて、本明細書において説明されるモニタリングおよび制御システムは、1120において15秒ごとに0.1L/minだけスイープまたは0.02だけFiO2を半自律的に増加または減少可能である。
【0195】
図12は、
図11の二酸化炭素分圧パラメータをモニタおよび制御するグラフ図である。グラフ1200は、PaCO2傾向1202、スイープ傾向1204、FiCO2傾向1206、およびFiO2傾向1208を含む。
図11においてプロセス1100を参照して説明されるように、これらは、実務家がモニタリングのために選択したパラメータである。グラフ1200は、任意選択で、
図12に示されるように、リアルタイム数値を含むことができる。グラフ1200には、最大アラーム1210、最大アラート1212、上方制御限度1214、下方制御限度1216、最小アラート1218、および最小アラーム1220が図示されている。
図11を参照して説明されるように、これらの値は、実務家によって構成または設定された。さらに、グラフ1200は、PaCO2勾配を増加ボタン1222、PaCO2勾配を減少ボタン1224、手動制御を有効ボタン1226、およびセットアップボタン1228を含む。本開示全体を通して説明されるように、ボタン1222、1224、1226、および1228のうちの1つまたは複数は、実務家の構成または選択に基づいて異なる機能を提供可能である。実務家がボタン1222または1224を選択すると、モニタリングおよび制御システムは、選択されたボタンに関連づけられた実務家が規定した制御調整を半自律的に実行可能である。実務家がボタン1226を選択する場合、実務家は、モニタされるパラメータに任意の手動調整を行うことができる。
【0196】
パラメータに対して行われるどの調整も、半自動または手動にかかわらず、グラフ1200に反映可能である。したがって、グラフ1200は、モニタされるパラメータ傾向に対するリアルタイム変化を反映可能である。これは、手技の持続時間にわたってパラメータを正確にモニタおよび制御する際に実務家を助けるのに有益である。
【0197】
図12に図示されるように、初期PaCO2 1202、スイープ1204、およびFiCO2 1206値が表示可能であり、時間が経過するにつれて傾向を示すことができる。時間Aより前に、実務家は、PaCO2 1002が望ましい制御範囲の上限1214に向かって上向き傾向にあることを観察可能である。時間Aにおいて、実務家は、PaCO2勾配を減少ボタン1224を押すことによって傾向を訂正するために、あらかじめ規定された制御調整行動を開始可能である。この制御調整は、15秒ごとに0.1L/minだけスイープ1204を増加させることによってPaCO2 1202の勾配を減少させるように、本明細書において説明されるモニタリングおよび制御システムに命令可能である。結果として生じる効果は、PaCO2 1202、スイープ1204、およびFiCO2 1206の下向き傾向勾配に記される。
【0198】
時間Bより前に、実務家は、PaCO2 1202が望まれるよりも下向き傾向にあることを観察可能である。時間Bにおいて、実務家は、PaCO2勾配を増加ボタン1222を押すことによって傾向を訂正するために、あらかじめ規定された制御調整行動を開始可能である。この制御調整は、15秒ごとに0.01だけFiCO2 1206を増加および0.02だけFiO2 1208を減少させることによってPaCO2 1202の勾配を増加させるようにモニタリングおよび制御システムに命令可能である。さらに、いつでも、実務家は、(たとえば、ボタン1226を押すことによって)スイープ1204の手動制御を有効にするためのオプションを有し、それは、スイープ1204のどのインプロセス半自動制御調整も即時に終了するであろう。
【0199】
図13Aは、グローバル酸素送達パラメータ(DO2)をモニタおよび制御するためのプロセス1300のフローチャートである。送達される酸素は、心肺バイパス中に末端器官に送達される酸素を決定するCDIからのさまざまな測定された入力を有する計算されたパラメータである。たとえば、DO2は、以下のような式を使用して決定可能である:DO2= [10×CO(動脈)×((Hb×1.36×SaO2)+(.0031×PaO2))]/患者BSA,インデックスづきの場合。この例示的な式への入力は、心拍出量(Q)患者動脈流(CO)、ヘモグロビンまたは赤血球酸素運搬能力(Hb)、血液の動脈飽和度(SaO2)、酸素分圧(PaO2)、および体表面積(BSA)を含む。
【0200】
末端器官への酸素の最適な送達を維持することは、より良い患者成果を提供可能である。たとえば、バイパス中の急性腎障害(AKI)の発症率は、腎臓の外髄質への酸素の欠如に関連があり得る。272~280ml/min/m2の臨界酸素送達閾値が、成人患者に対してバイパス中に確立および維持可能である。AKIの発症率は、腎臓への患者の計算された酸素送達がこの閾値を下回ったときに2倍になり得る。
【0201】
さらに、酸素送達と二酸化炭素生成との間には生理学的関係がある。酸素は、末端細胞に送達され得、二酸化炭素は、代謝の老廃物としてそれらの細胞から生成され得る。細胞が好気的代謝にあるとき、送達される酸素が使用され得、二酸化炭素が生成され得る。細胞が嫌気的代謝にある場合、ブドウ糖および貯蓄された溶存酸素が使用され得る。したがって、ラクテートが生成され得る。ラクテートが細胞によって生成されている場合、重炭酸塩は乳酸を緩衝し得、より多くの二酸化炭素を作成し得る。乳酸の重炭酸塩ベースの緩衝は、嫌気的代謝中に発生するので、余分なCO2生成の増加が、灌流の悪い重病の敗血症患者で発生し得る。酸素送達(DO2)が適切でないことがある臨床的状況があり得、したがって、細胞レベルでの嫌気的代謝が発生し、CO2の増加を生成する。ラクテートレベル対全体的なCO2生成の評価は、DO2が十分でないことがある患者を予測するのを助けることができる。5.3未満の酸素送達と二酸化炭素生成との間の比率、乳酸の増加を伴う60ml/minを上回るVCO2の絶対値は、AKIの予測子とすることができる。
【0202】
したがって、DO2パラメータを変え得る要因に対するリアルタイムモニタリングおよび1次制御を提供することは、患者成果および安全性を改善可能である。
図13Aに図示されるようなプロセス1300を使用してDO2をモニタするときに、実務家は、絶対DO2値への入力である変数とともに考慮するためのDO2に対する絶対値を有することができる。最小閾値に達すると、実務家は、DO2に対するその絶対数を増加させるために1つ以上の要因を考慮に入れることができる。それらの要因のうちのいくつかは、患者の心拍出量を増加させること、患者のヘモグロビン数を増加させること(たとえば、血液希釈を減少させること)、利用可能なヘモグロビン質量の飽和度を増加させること、および/またはPaO2を変えることによって溶存酸素成分を増加させることを含むことができる。
【0203】
開示されるプロセス1300を使用して、実務家は、手技中に臨床決定および/または調整をより良く優先可能である。心拍出量(たとえば、動脈流)を増加させることによって全体的なDO2がまず増加するように、決定が優先可能である。次に、ヘモグロビン数を増加させること(たとえば、血液希釈の減少)によって、全体的なDO2が増加可能である。次いで、FiO2の増加によってPaO2およびO2飽和度を増加させることによって、DO2が増加可能である。
【0204】
各臨床行動または決定では、1つまたは複数の要因が、(たとえば、
図13Aのプロセス1300にしたがって)DO2を改善するために実務家によって修正可能である。たとえば、心拍出量を増加させるために、実務家は、本明細書において説明されるシステムを使用して、患者の血行力学を評価可能であり、流体の手術野をあふれさせないために流れの増加に対する耐性があるかどうか、および流れの増加(たとえば、心拍出量)を可能にする量の流体がリザーバ内にあるかどうかを評価可能である。流れの増加が許容可能である場合、実務家は、陰圧補助静脈環流(vacuum-assisted venous return)を可能にすることができ、それは、静脈環流を助けることができ、患者への心拍出量を助けることができる。別の例として、患者のヘモグロビン値を増加させるために、実務家は、血液濃縮を実施するためのリザーバ内の体積、赤血球の輸血を実施するためのリザーバ内の体積、デルタQ、および手技(たとえば、心肺バイパス)の終了時間を構成可能である。本開示全体を図示および説明されるように、血液濃縮を実施するために、実務家は、リザーバ内に十分な体積を構成可能であり、それは、血液濃縮器回路を通る動脈血のルーティングを可能にする。赤血球の輸血を実施するために、実務家は、輸血を必要とするリザーバ内の低体積を構成可能である。さらに、デルタQは、動脈流および静脈流の許容可能な差とすることができる。
【0205】
さらに他の例として、利用可能なヘモグロビン質量の飽和度を増加させるために、実務家は、FiO2を増加させるようにモニタリングおよび制御システムを構成可能である。PaO2を増加させることによって溶存酸素を増加させるために、実務家は、FiO2を増加させるようにモニタリングおよび制御システムを構成可能である。
【0206】
別の例として、DO2モニタリング、呼気CO2および体積二酸化炭素(VCO2)の増強された制御およびモニタリングとともに、DO2対VCO2比率およびラクテート生成は、心肺バイパスを受ける患者の代謝要求を助けることができる。酸素送達の関係は、末端器官への酸素送達が減少すると、二酸化炭素生成が増加し、その逆も同様であり、細胞への酸素送達が増加すると、二酸化炭素生成が減少するような関係である。したがって、絶対呼気CO2、VCO2を減少させるために、実務家は、DO2を増加させ、ガス流を増加およびFiCO2を減少させ、追加の麻酔管理を提案し、ならびに/または薬理学的管理を提案するようにモニタリングおよび制御システムを構成可能である。DO2対VCO2比率を増加させるために、実務家は、DO2を増加させ、ガス流を増加およびFiCO2を減少させ、追加の麻酔管理を提案し、ならびに/または追加の薬理学的管理を提案するようにモニタリングおよび制御システムを構成可能である。さらに、ラクテート生成を減少させるために、実務家は、DO2を増加させ、ガス流を増加およびFiCO2を減少させ、追加の麻酔管理を提案し、ならびに/または薬理学的管理を提案するようにモニタリングおよび制御システムを構成可能である。
【0207】
依然として
図13Aを参照すると、プロセス1300は、
図8を参照して図示および説明されたプロセス800の例示的な使用である。例示的なプロセス1300では、実務家(たとえば、ユーザ)は、1302において目標血液ガスパラメータとしてDO2を選択した。実務家はまた、動脈流、ヘモグロビン(Hb)、FiO2、およびリザーバ体積をモニタするための他のパラメータとして選択した。実務家は、
図14に示されるように、グラフ表示タイプを選択した。
【0208】
実務家は、次いで、1304において300ml/min/m2の望ましい制御範囲、1000mlの最小リザーバ体積、285ml/min/m2の最小アラート、および275ml/min/m2の最小アラームを選択した。これらの選択は、
図7を参照して図示および説明されるように、構成画面内で行われ得る。
【0209】
DO2、流れ、Hb、FiO2、およびリザーバ体積は、1306においてグラフ表示内にサンプリングおよび表示される(たとえば、
図14を参照)。DO2傾向および/または勾配は、1308においてサンプルの時間の期間にわたって変化可能である(たとえば、
図14を参照)。
図8を参照して説明されるように、パラメータ傾向、勾配、制御限度、およびアラート/アラーム限度ステータスは、1310において選択可能なボタンでユーザインターフェース内に表示可能である。実務家は、1312において選択を行わないことができ、および/または1314において手動制御を有効にすることができる。1つのオプションとして、実務家は、1316においてDO2の傾向を増加させるために、流れを増加ならびに/または血液濃縮器および/もしくはFiO2を有効にすることができる。別のオプションとして、実務家は、1318においてDO2の傾向を減少させるために、流れを減少ならびに/または血液濃縮器および/もしくはFiO2を無効にすることができる。
【0210】
1316または1318の実務家の選択に基づいて、本明細書において説明されるモニタリングおよび制御システムは、1320において半自律的な調整を行うことができる。たとえば、最小リザーバ体積が存在する場合、動脈流が15秒ごとに0.05L/minだけ増加および/または減少可能である。加えてまたは代替的に、血液濃縮器流は、Hbを増加させるために有効にされ得る。加えてまたは代替的に、モニタリングおよび制御システムは、15秒ごとに0.02だけFiO2を増加または減少可能である。
【0211】
図13Bは、血液濃縮器(たとえば、
図3の血液濃縮器回路334)を制御するためのプロセス1350のフローチャートである。プロセス1350は、
図13Aを参照して図示および説明されたプロセス1300とともに遂行可能である。さらに、プロセス1350は、
図3を参照して図示および説明されるように、血液濃縮器回路334を半自律的に制御するために遂行可能である。
【0212】
プロセス1350を参照すると、パラメータ範囲が1352において設定可能である。実務家は、
図13Aを参照して図示および説明されるプロセス1300にしたがってパラメータ範囲を設定可能である。リアルタイムパラメータ値が1354において受信可能である。たとえば、患者の血流は、本開示全体を通して図示および説明されるように、1つまたは複数のセンサを使用して識別可能である。パラメータ傾向は、本明細書において説明されるように、1356において決定可能である。
【0213】
次に、1358においてリザーバ体積が所定の閾値を満たすかどうかが決定可能である。所定の閾値は、モニタされるパラメータを構成するときに実務家によって決定可能である(たとえば、
図7、13Aを参照)。
【0214】
体積が所定の閾値を満たす場合、血液濃縮器クランプが1360において開放可能である。本明細書において説明されるモニタリングおよび制御システムは、クランプを半自律的に開放可能である。代替的に、実務家は、クランプを手動で開放可能である。血液濃縮器クランプを開放することによって、血液は、血液濃縮器に流れることができる。その結果、ヘモグロビンレベルが増加可能であり、それはまた、患者のDO2レベルを増加させるであろう。
【0215】
加えてまたは代替的に、真空機構が、1362において圧力を増加させて血液を移動させるために作動可能である。本明細書において説明されるモニタリングおよび制御システムは、真空機構を半自律的に作動可能である。代替的に、実務家は、真空機構を手動で作動可能である。真空機構は、膜間圧を増加させるための代替機構として血液濃縮器の両側に位置付け可能である。ステップ1354~1358は、次いで、手技の持続時間にわたって繰り返し可能である。
【0216】
体積が所定の閾値を満たさない場合、血液濃縮器クランプは、1364において閉鎖されたままとすることができる。ステップ1354~1358は、次いで、手技の持続時間にわたって繰り返し可能である。
【0217】
血液濃縮器クランプを半自律的に調整することは、より高いまたはより低い膜間圧を作成して、回路を通る血流量をより速くまたは遅くするのに有利であり得る。血液濃縮器クランプは、血流の圧力が血液濃縮器の血液側で制御可能となるように、血液濃縮器の出口側に位置付け可能である。さらに、いくつかの実装形態では、本明細書において説明されるモニタリングおよび制御システムは、リアルタイム感知されるパラメータ値、範囲、および/または傾向に基づいて、血液濃縮器クランプを半自律的または自動的に調節可能である。
【0218】
図14は、
図13A~13Bのグローバル酸素送達パラメータをモニタおよび制御するグラフ図である。グラフ1400は、DO2傾向1402、リザーバ体積傾向1404、動脈流傾向1406、Hb傾向1408、およびFiO2傾向1410を含む。
図13Aにおいてプロセス1300を参照して説明されるように、これらは、実務家がモニタリングのために選択したパラメータである。グラフ1400は、任意選択で、
図14に示されるように、リアルタイム数値を含むことができる。グラフ1400には、DO2下方制御限度1412、DO2最小アラート1414、DO2最小アラーム1416、およびリザーバ体積下方制御限度1418が図示されている。
図13Aを参照して説明されるように、これらの値は、実務家によって構成または設定された。さらに、グラフ1400は、DO2傾向を増加ボタン1420、手動制御を有効ボタン1422、およびセットアップボタン1424を含む。本開示全体を通して説明されるように、ボタン1420、1422、および/または1424のうちの1つまたは複数は、実務家の構成または選択に基づいて異なる機能を提供可能である。実務家がボタン1420を選択すると、モニタリングおよび制御システムは、選択されたボタンに関連づけられた実務家が規定した制御調整を半自律的に実行可能である。実務家がボタン1422を選択する場合、実務家は、モニタされるパラメータに任意の手動調整を行うことができる。
【0219】
パラメータに対して行われるどの調整も、半自動または手動にかかわらず、グラフ1400に反映可能である。したがって、グラフ1400は、モニタされるパラメータ傾向に対するリアルタイム変化を反映可能である。これは、手技の持続時間にわたってパラメータを正確にモニタおよび制御する際に実務家を助けるのに有益である。
【0220】
図示されるように、初期DO2 1402、リザーバ体積1404、動脈流1406、Hb1408、およびFiO2 1410値が表示可能であり、時間が経過するにつれて傾向を示すことができる。時間Aより前に、実務家は、DO2 1402が最小の望ましい閾値、下方制御限度1412に向かってわずかに下向き傾向にあることを観察可能である。時間Aにおいて、実務家は、DO2傾向を増加ボタン1420を押すことによって傾向を訂正するために、あらかじめ規定された制御調整行動を開始可能である。この制御調整は、15秒ごとに0.05L/minだけ動脈流1406を増加させることによってDO2勾配1402を半自律的に増加させるようにモニタリングおよび制御システムに命令可能である(たとえば、DO2傾向を増加させる第1のレベル)。
【0221】
時間Bより前に、実務家は、DO2 1402が依然としてわずかに下向き傾向にあることを観察可能である。時間Bにおいて、実務家は、再びDO2傾向を増加ボタン1420を押すことができ、それは、15秒ごとに0.05L/minだけ動脈流1406を増加させ続けるが、血液希釈を減少させ、ヘモグロビン1408を増加させるために、血液濃縮器を通る流れも有効にする(たとえば、DO2傾向を増加させる第2のレベル)。
【0222】
時間Cより前に、実務家は、DO2 1402が上向き傾向にあることを観察可能である。実務家は、傾向1402をさらに増加させることを望み得る。したがって、時間Cにおいて、実務家は、再びDO2傾向を増加ボタン1420を押すことができ、それは、15秒ごとに0.05L/minだけ動脈流1406を増加させ続け、血液希釈を減少させ、ヘモグロビン1408を増加させ、また、15秒ごとに0.02だけFiO2 1410を増加させるために、血液濃縮器を通る流れを有効にし続ける(たとえば、DO2傾向を増加させる第3のレベル)。
【0223】
実務家は、上記で説明されたように、DO2傾向1402を増加する複数のレベルを構成可能である。さらに、いつでも、実務家は、動脈流1406、FiO2 1410の手動制御を有効にすることができ、血液濃縮器を有効にすることができ、ならびに/または血液濃縮器クランプおよび/もしくは真空機構を調整可能である。いかなる手動制御も、DO2 1402の現在のインプロセス半自動制御調整を即時に終了可能である。
【0224】
本明細書は多くの特定の実装詳細を含むが、これらは、任意の発明の範囲に関するまたは何が特許請求され得るかの制限と解釈されるべきでなく、むしろ、特定の発明の特定の実施形態に固有である特徴の説明と解釈されるべきである。本明細書において別個の実施形態の文脈で説明されるいくつかの特徴はまた、単一の実施形態において組み合わせて実施可能である。逆に、単一の実施形態の文脈で説明されるさまざまな特徴はまた、複数の実施形態において別個にまたは任意の適切な副組み合わせで実施可能である。さらに、特徴は、上記ではいくつかの組み合わせで働くものとして説明され、そのようなものとして最初に特許請求されることすらあり得るが、特許請求される組み合わせからの1つまたは複数の特徴は、いくつかの場合では、組み合わせから削除可能であり、特許請求される組み合わせは、副組み合わせまたは副組み合わせの変形形態を対象とすることがある。
【0225】
同様に、動作は、図面では特定の順序で図示されているが、これは、所望の結果を達成するために、そのような動作が、示される特定の順序でもしくは逐次的な順序で遂行されるべきであること、またはすべての示される動作は遂行されるべきであることを必要とすると理解されるべきでない。いくつかの環境では、マルチタスク処理および並列処理が有利であることがある。さらに、上記で説明された実施形態におけるさまざまなシステム構成要素の分離は、すべての実施形態においてそのような分離を必要とすると理解されるべきでなく、説明されるプログラム構成要素およびシステムは、一般に、単一のソフトウェア製品において一緒に統合可能であるまたは複数のソフトウェア製品にパッケージ化可能であることが理解されるべきである。
【0226】
主題の特定の実施形態が説明されてきた。他の実施形態は、以下の特許請求の範囲内に入る。たとえば、特許請求の範囲に記載される行動は、異なる順序で遂行可能であり、所望の結果を依然として達成することができる。一例として、添付の図に図示されるプロセスは、所望の結果を達成するために、示される特定の順序、または逐次的な順序を必ずしも必要としない。いくつかの実装形態では、マルチタスクおよび並列処理が有利であることがある。
【外国語明細書】