(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022179435
(43)【公開日】2022-12-02
(54)【発明の名称】吸引装置およびこのような吸引装置用の吸引ホース
(51)【国際特許分類】
B23Q 11/00 20060101AFI20221125BHJP
B25F 5/00 20060101ALI20221125BHJP
【FI】
B23Q11/00 M
B25F5/00 Z
B25F5/00 C
【審査請求】有
【請求項の数】16
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022082238
(22)【出願日】2022-05-19
(31)【優先権主張番号】21175076
(32)【優先日】2021-05-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】519099036
【氏名又は名称】グイド ヴァレンティーニ
【氏名又は名称原語表記】Guido Valentini
【住所又は居所原語表記】4, Via Corridoni,20122 Milano, Italy
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】グイド ヴァレンティーニ
【テーマコード(参考)】
3C011
3C064
【Fターム(参考)】
3C011BB03
3C064AA08
3C064AB02
3C064AC01
3C064BA11
3C064BA12
3C064BB58
3C064BB82
3C064BB89
3C064CA03
3C064CA06
3C064CA44
3C064CB19
3C064CB25
3C064CB32
3C064CB71
3C064CB82
3C064CB95
(57)【要約】 (修正有)
【課題】手持ち式の電気または空気動力工具に接続された通信装置に対して、無線リンクをより簡単かつより迅速に確立することができ、吸引装置の真空発生装置の制御を動力工具の動作状態に応じて可能にする吸引装置を提供する。
【解決手段】吸引装置2であって、収集容器4と、真空発生装置8と、第1の端部14が吸引開口に接続され、第2の端部16が手持ち式の電気または空気動力工具20の空気出口18に接続可能な吸引ホース12と、無線信号30を受信するための無線受信機28と、吸引ホースの第2の端部またはその近傍に配置されており、動力工具の動作状態を検出するためのセンサ素子34および動力工具の動作状態を表す無線信号を送信するための無線送信機38を有する通信装置32と、を有する吸引装置に関する。通信装置と無線受信機とは、通信装置の無線送信機から吸引装置の無線受信機への単方向通信のみを実現するように設計されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸引装置(2)、特に真空掃除機または除塵システムであって、
-ダスト、ごみおよび微粒子(6)を収容するように適合させられた収集容器(4)と、
-前記収集容器(4)内に周囲圧力(p0)よりも低い低圧(pv)を発生させるための真空発生装置(8)と、
-前記収集容器(4)内の吸引開口(10)と、
-前記吸引開口(10)に接続された第1の端部(14)と、手持ち式の電気または空気動力工具(20)の空気出口(18)に接続可能な反対側の第2の端部(16)とを有する吸引ホース(12)と、
-前記収集容器(4)と前記真空発生装置(8)との間で、該真空発生装置(8)により発生させられた空気流(24)内に配置され、該空気流(24)からダスト、ごみおよび微粒子(6)を濾過するように適合させられたフィルタエレメント(22)と、
-前記空気出口(18)に前記吸引ホース(12)の前記第2の端部(16)が接続された前記手持ち式の電気または空気動力工具(20)の動作状態に応じて、任意にはさらなるパラメータを考慮して、前記真空発生装置(8)の動作状態を変化させるために、前記真空発生装置(8)を制御するように適合させられた制御装置(26)と、
-前記制御装置(26)に動作接続された、無線信号(30)を受信するための無線受信機(28)と、
-前記吸引ホース(12)の前記第2の端部(16)またはその近傍に配置された通信装置(32)であって、
-前記手持ち式の電気または空気動力工具(20)の目下の動作状態を検出し、検出された前記動力工具(20)の動作状態に応じてセンサ信号(36)を出力するためのセンサ素子(34)、
-無線信号(30)を送信するための無線送信機(38)、および
-一方では前記センサ素子(34)にかつ他方では前記無線送信機(38)に動作接続された処理装置(40)であって、前記無線送信機(38)に、前記センサ素子(34)から受信したセンサ信号(36)に応じた、かつ任意にはさらなるパラメータを考慮した無線信号(30)を発信させるように適合させられた処理装置(40)
を有する通信装置(32)と
を備える吸引装置(2)において、
前記通信装置(32)と前記無線受信機(28)とは、前記通信装置(32)の前記無線送信機(38)から前記吸引装置(2)の前記無線受信機(28)への単方向通信のみを実現するように設計されていることを特徴とする、吸引装置(2)。
【請求項2】
前記通信装置(32)の前記処理装置(40)は、前記動力工具(20)がオフ動作状態からオン動作状態に変化した場合に、前記無線送信機(38)に無線信号(30)を発信させるように適合させられており、前記制御装置(26)は、前記無線受信機(28)が前記無線信号(30)を受信した場合に、任意にはさらなるパラメータを考慮して、前記吸引装置(2)の前記真空発生装置(8)をオンに切り替えるように適合させられている、請求項1記載の吸引装置(2)。
【請求項3】
前記通信装置(32)の前記処理装置(40)は、前記動力工具(20)がオン動作状態からオフ動作状態に変化した場合に、前記無線送信機(38)に無線信号(30)を発信させるように適合させられており、前記制御装置(26)は、前記無線受信機(28)が前記無線信号(30)を受信した場合に、任意にはさらなるパラメータを考慮して、前記吸引装置(2)の前記真空発生装置(8)をオフに切り替えるように適合させられている、請求項1または2記載の吸引装置(2)。
【請求項4】
前記通信装置(32)の前記処理装置(40)は、前記無線送信機(38)に無線信号(30)を送信させる場合に、さらなるパラメータとして、前記センサ素子(34)からの前記センサ信号(36)の受信と、前記無線送信機(38)による前記無線信号(30)の送信との間の時間遅延を考慮するように適合させられている、請求項1から3までのいずれか1項記載の吸引装置(2)。
【請求項5】
前記制御装置(26)は、当該吸引装置(2)の前記真空発生装置(8)をオンまたはオフに切り替える場合に、さらなるパラメータとして、前記無線受信機(28)による前記無線信号(30)の受信と、前記真空発生装置(8)のオンおよび/またはオフへの切替えとの間の時間遅延を考慮するように適合させられている、請求項1から4までのいずれか1項記載の吸引装置(2)。
【請求項6】
前記無線送信機(38)の固有識別子は、前記無線受信機(28)にプリセットされており、前記無線受信機(28)の固有識別子は、前記無線送信機(38)にプリセットされている、請求項1から5までのいずれか1項記載の吸引装置(2)。
【請求項7】
前記無線信号(30)が送信されることによる前記無線送信機(38)と前記無線受信機(28)との間の無線リンクは、前記吸引装置(2)の出荷および使用前に、工場で前記吸引装置(2)の製造プロセスの一部として設定される、請求項1から6までのいずれか1項記載の吸引装置(2)。
【請求項8】
前記無線信号(30)が送信されることによる、前記無線送信機(38)と前記無線受信機(28)との間の無線リンクは、前記吸引装置(2)の出荷後かつ使用前に、前記吸引装置(2)のユーザにより、特に前記動力工具(20)または前記吸引装置(2)のユーザインタフェースを用いてまたは別の無線リンク(54)を用いて前記吸引装置(2)に接続されたモバイルエンドユーザデバイス(52)を用いて、手動で設定される、請求項1から6までのいずれか1項記載の吸引装置(2)。
【請求項9】
前記無線送信機(38)と前記無線受信機(28)との間の前記無線リンクは、前記吸引装置(2)のユーザにより、ハードウェアおよび/またはソフトウェアを用いて手動で設定される、請求項8記載の吸引装置(2)。
【請求項10】
前記通信装置(32)は、独立したローカル電力供給ユニット(42)を有している、請求項1から9までのいずれか1項記載の吸引装置(2)。
【請求項11】
前記吸引装置(2)は、前記通信装置(32)の前記電力供給ユニット(42)の状態を視覚的かつ/または音響的に前記吸引装置(2)のユーザに伝達する、視覚的かつ/または音響的な信号装置(44)を有している、請求項10記載の吸引装置(2)。
【請求項12】
前記通信装置(32)は、自給式ユニットとして、前記吸引ホース(12)の前記第2の端部(16)に取外し可能に取り付けられている、請求項1から11までのいずれか1項記載の吸引装置(2)。
【請求項13】
前記通信装置(32)は、好適には、前記吸引ホース(12)の前記第2の端部(16)および/または前記吸引ホース(12)の製造中に成形プロセスによって前記吸引ホース(12)の前記第2の端部(16)に組み込まれる、請求項1から11までのいずれか1項記載の吸引装置(2)。
【請求項14】
前記センサ素子(34)は、前記手持ち式の電気または空気動力工具(20)の動作中に前記吸引ホース(12)の振動を検出するための加速度センサとして設計されている、または前記動力工具(20)の動作中に、前記吸引ホース(12)の前記第2の端部(16)内の空気流(46)を検出するための流量センサとして設計されている、請求項1から13までのいずれか1項記載の吸引装置(2)。
【請求項15】
前記吸引装置(2)は、動作状態(I)と非作動状態(0)との間で前記吸引装置(2)を手動切替えするためのメインスイッチ(48)を有しており、前記制御装置(26)は、前記吸引装置(2)が動作状態(I)にある場合にのみ、前記空気出口(18)に前記吸引ホース(12)の前記第2の端部(16)が接続された前記手持ち式の電気または空気動力工具(20)の動作状態に応じて、前記真空発生装置(8)をオンにするように設計されている、請求項1から14までのいずれか1項記載の吸引装置(2)。
【請求項16】
吸引ホース(12)であって、吸引装置(2)の吸引開口(10)に接続されるように適合させられた第1の端部(14)と、手持ち式の電気または空気動力工具(20)の空気出口(18)に接続されるように適合させられた反対側の第2の端部(16)とを有しており、該第2の端部(16)は、好適には、前記吸引ホース(12)の前記第2の端部(16)および/または前記吸引ホース(12)の製造中に成形プロセスを介して前記第2の端部(16)に組み込まれた通信装置(32)を有しており、該通信装置(32)は、
-前記手持ち式の電気または空気動力工具(20)の目下の動作状態を検出し、検出された前記動力工具(20)の動作状態に応じてセンサ信号(36)を出力するためのセンサ素子(34)と、
-無線信号(30)を送信するための無線送信機(38)と、
-一方では前記センサ素子(34)にかつ他方では前記無線送信機(38)に動作接続された処理装置(40)であって、前記無線送信機(38)に、前記センサ素子(34)から受信したセンサ信号(36)に応じた、かつ任意にはさらなるパラメータを考慮した無線信号(30)を発信させるように適合させられた処理装置(40)とを有している、吸引ホース(12)において、
前記センサ素子(34)は、前記手持ち式の電気または空気動力工具(20)の動作中に前記吸引ホース(12)の振動を検出するための加速度センサの形態である、吸引ホース(12)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸引装置であって、ダストを含んだ空気流からダスト、ごみおよび微粒子を濾過し、ダスト、ごみおよび微粒子を収集容器内に収集しかつ一時的に保管するように適合させられた、例えば移動式の真空掃除機または移動式もしくは固定式の除塵システムの形態の吸引装置に関する。このような吸引装置は、例えば欧州特許出願公開第2628427号明細書から公知である。この公知の吸引装置は、
-ダスト、ごみおよび微粒子を収容するように適合させられた収集容器と、
-収集容器内に周囲圧力よりも低い低圧を発生させるための真空発生装置と、
-収集容器に設けられた吸引開口と、
-第1の端部において吸引開口に接続されておりかつ反対側の第2の端部において手持ち式の電気または空気動力工具の空気出口に接続可能な吸引ホースと、
-収集容器と真空発生装置との間で、収集容器内の低圧により生ぜしめられた空気流内に配置され、この空気流からダスト、ごみおよび微粒子を濾過するように適合させられたフィルタエレメントと、
-空気出口に吸引ホースの第2の端部が接続された手持ち式の電気または空気動力工具の動作状態に応じて、かつ任意にはさらなるパラメータを考慮して真空発生装置をオンまたはオフにするために、真空発生装置を制御するように適合させられた制御装置と、
-無線信号を受信するための無線受信機であって、制御装置に動作接続された無線受信機と、
-吸引ホースの第2の端部またはその近傍に配置された通信装置であって、
-手持ち式の電気または空気動力工具の目下の動作状態を検出し、動力工具の動作状態に応じてセンサ信号を出力するためのセンサ素子、
-無線信号を送信するための無線送信機、および
-一方ではセンサ素子にかつ他方では無線送信機に動作接続された処理装置であって、センサ素子から受信したセンサ信号に応じて、かつ任意にはさらなるパラメータを考慮して無線送信機に無線信号を発信させるように適合させられた処理装置
を有する通信装置と
を有している。
【0002】
さらに本発明は、上述した特定の種類の吸引装置のための吸引ホースに関する。
【0003】
公知の吸引装置は、手持ち式の動力工具に割り当てられた通信装置と吸引装置との間に双方向無線リンクを有している。このようにして、一方では動力工具の動作状態に応じて吸引装置を制御し、他方では吸引装置の動作状態に応じて動力工具を制御することが可能である。動力工具をオンまたはオフにする場合、吸引装置の真空発生装置を別個にオンまたはオフにしてもよい。真空発生装置の動作速度は、動力工具の動作速度に適合させられてもよい。反対に、動力工具の動作速度が、吸引装置の吸引および/または濾過能力に適合させられてもよい。例えば、フィルタエレメントがダスト、ごみおよび微粒子により部分的にふさがれた場合、または収集容器が一定の充填レベルに達した場合には、吸引装置の吸引能力が低下させられ、その結果、空気流を介して吸引装置に運ばれるダスト、ごみおよび微粒子の量を減少させるために、動力工具の動作速度が低下させられる。
【0004】
さらに、欧州特許出願公開第2628427号明細書では、手持ち式の動力工具に割り当てられた通信装置と吸引装置との間の無線リンクを設定、初期化および確立するために、双方向通信が必要である。無線リンクの確立の本質的な部分は、無線リンクの関与機としての、動力工具および吸引装置それぞれの無線送信機と無線受信機との固有識別子の交換である。さらに、無線リンクの確立には、いつ、どの関与機が、無線リンクを介して送信されたメッセージを送受信することができるのかを決定するための、初期化メッセージの交換が含まれる。要約すると、欧州特許出願公開第2628427号明細書から公知の、手持ち式の動力工具に割り当てられた通信装置と、吸引装置との間の双方向通信能力を有する無線リンクは、大量のリソースを必要とし、確立するのはかなり複雑である。
【0005】
その上、無線リンクを設定、初期化および確立するにはいくらか時間がかかり、無線リンクを介した双方向通信が完全に動作して機能するまで待機せねばならない。換言すると、無線リンクは、例えば吸引装置のメインスイッチが非作動状態から作動状態に手動で切り替えられることにより吸引装置がオンにされた直後には、完全に動作して機能することができない。
【0006】
したがって、本発明の目的は、手持ち式の電気または空気動力工具に接続された通信装置に対して、無線リンクをより簡単かつより迅速に確立することができ、しかも、吸引装置の真空発生装置の制御を、動力工具の目下の動作状態に応じて可能にする吸引装置を提供することにある。
【0007】
この目的を達成するために、一方では吸引装置の一部を形成しかつ手持ち式の動力工具に接続された通信装置と、他方では吸引装置の無線受信機とが、通信装置の無線送信機から無線受信機への単方向通信のみを実現するように設計されている、ということを提案する。特に、無線リンクの詳細の全て、例えば関与機、すなわち無線送信機および無線受信機の固有識別子、無線リンクに使用される周波数範囲または周波数帯域、信号およびメッセージのフォーマットおよび無線信号送信に使用されるプロトコル等は、無線リンクおよび吸引装置の意図的な使用の前にそれぞれプリセットされている、ということを提案する。したがって、無線送信機および無線受信機は、電力が供給され、無線リンクの関与機間で無線信号またはメッセージを送信する必要がない始動手順を完了させると直ちに、それぞれ無線信号の送信または受信の準備が整う。特に、無線送信機は、(プリセットされた固有識別子を有する)無線受信機に無線信号を送信する準備が整い、無線受信機は、(プリセットされた固有識別子を有する)無線送信機から無線信号を受信する準備が整う。さらに、無線リンクに使用される周波数範囲または周波数帯域、無線リンクを介して送信される信号およびメッセージのフォーマット、無線信号送信に使用されるプロトコルが、無線送信機と無線受信機とにプリセットされる。特に、無線送信機および無線受信機それぞれのハードウェアと、無線リンクを介した無線信号送信を制御するためのソフトウェアとは、吸引装置をオンにした後、ほぼ時間遅延なしに、所与の特性を備えた無線通信を行うことができるように具現化されかつ設計されている。さらに、無線リンクを介した無線通信は、無線リンクの初期化および確立のために無線送信機と無線受信機との間の相互データ送信を必要としない特定の専用プロトコルに従って行われる、ということを提案する。
【0008】
このことは、極めて限られたリソースを用いた動力工具と吸引装置とのそれぞれに割り当てられた各通信装置の間の無線リンクと、(無線通信の完全な動作および機能に達するまでの)無線リンクの迅速な有効性と、容易に実現される単方向無線信号送信とを提供し得る。それでもなお、単方向無線リンクは、手持ち式の電気または空気動力工具の目下の動作状態に応じた、吸引装置の真空発生装置の制御を可能にする。さらに本発明は、空気動力工具の場合でさえも、作動状態の確実かつ正確な確定を可能にする。さらに本発明は、無線通信機能を全く有さない既存の動力工具さえも組み合わせることができる。吸引ホースの第2の端部を動力工具に接続することにより、動力工具自体は無電流で作動し、その目下の動作状態を確立する手段を全く有さない場合であっても、通信装置のセンサ素子により簡単かつ確実に、動力工具の動作状態が確定され得る。
【0009】
動力工具の目下の動作状態は、動力工具に割り当てられた無線送信機と、吸引装置に割り当てられた無線受信機との間に予め確立された無線リンクを介した単方向通信により送信される。動力工具の動作状態は、吸引装置の真空発生装置の動作を制御するために考慮される。任意には、真空発生装置の制御のために、さらなるパラメータが考慮されてもよい。例えば、手持ち式の電気または空気動力工具のさらなる動作パラメータ(例えば、最後の停止からの連続動作時間、ポリシングまたは研磨パッドの最後の交換からの累積動作時間、動力工具の電子機器の温度、動力工具のバッテリの充電状態、動力工具により単位時間当たりに生ぜしめられるダストの量)または吸引装置のさらなる動作パラメータ(例えば、フィルタエレメントの最後の交換からの累積動作時間、(フィルタエレメントを通る空気流の方向に見た)フィルタエレメントの両側の圧力値または各差圧)、環境パラメータおよび手持ち式の電気または空気動力工具により加工される工作物のパラメータである。動力工具のさらなる動作パラメータも、好適には、動力工具に割り当てられた無線送信機と吸引装置に割り当てられた無線受信機との間に確立された無線リンクを介した単方向通信により送信される。環境パラメータは、吸引装置および/または動力工具の一部を形成する各センサにより取得され得る。工作物のパラメータは、例えば、動力工具または吸引装置のユーザインタフェースを介して、または例えば無線リンクを介して動力工具または吸引装置に接続されたユーザのモバイルデバイスを介して、動力工具または吸引装置のユーザにより手動で入力され得る。
【0010】
収集容器は、吸引装置の外側ハウジングの部分により形成され得る。好適には、収集容器はプラスチック材料から製造されている。収集容器には、吸引装置の意図された使用場所への誘導を可能にするために、外部ホイールが設けられていてもよい。収集容器は、容器を空にし、その中に収集されたダスト、ごみおよび微粒子を除去するための開口を有していてもよい。開口は、取外し可能な蓋またはカバー等により密閉されている。収集容器に開口を備える吸引装置は、例えば欧州特許出願公開第1262135号明細書から公知であり、その内容は参照により本明細書に組み込まれる。収集容器には、必要に応じて、繊維製または紙製のダストバッグが備え付けられていてもよい。ダストバッグは、収集容器の開口を介して取り外されてもよい。
【0011】
真空発生装置により収集容器内に低圧または真空が発生させられると、低圧と周囲圧力との差圧により、容器の吸引開口を通って収集容器内に吸引される空気流が形成される。この空気流は、動力工具の作業範囲からダストおよびその他の微粒子を運ぶことができる。ダストを含んだ空気流は、さらにフィルタエレメントを通り、真空発生装置に向かって吸引される。フィルタエレメントは、ダストを含んだ空気流からダストおよび粒子を分離し、これにより、清浄な空気流が得られる。真空発生装置は、濾過された清浄な空気流を、真空発生装置が収容されている吸引装置の外側ハウジングに設けられた各出口開口を介して環境中へ放出する。
【0012】
吸引装置は、1つ以上のフィルタエレメントを有していてもよい。2つ以上のフィルタエレメントが吸引装置に設けられている場合、フィルタエレメントは、好適にはそこを通過する空気流に対して平行に配置されている。したがって、空気流は、全てのフィルタエレメントを同時に通過することができるか、または1つ以上の選択されたフィルタエレメントのみを通過することができる。さらに、吸引装置の意図的な使用中に、ダストを含んだ空気流が第1の方向において1つ以上の選択されたフィルタエレメントを通る一方で、同時に、1つ以上の他の選択されたフィルタエレメントの一時的な洗浄ステップ中に、反対方向の清浄な空気流が、1つ以上の他の選択されたフィルタエレメントを通ってもよい。このために、1つ以上の選択されたフィルタエレメントは洗浄され得、これにより、吸引装置の意図的な使用が継続され得る。1つ以上のフィルタエレメントを通る空気流は、例えば吸引装置の制御装置により制御される空気圧ソレノイド弁および/または各空気フラップにより制御され得る。ダストを含んだ空気流の方向とは反対の方向の清浄な空気流で1つ以上の選択されたフィルタエレメントを逆洗することによる、フィルタエレメントのこのような洗浄は、例えば参照により本明細書に組み込まれる欧州特許出願公開第1997415号明細書に基づき実施され得る。
【0013】
真空発生装置は、収集容器から環境中へ流れかつフィルタエレメントを通過する空気流を発生させ、これにより収集容器内に低圧を形成するためのタービンを駆動するモータを有していてもよい。真空発生装置のモータは、好適には、特にブラシレスタイプの電動モータである。ただし、圧縮空気により作動させられる空気圧モータであってもよい。その場合、吸引装置の制御装置および無線受信機を作動させるために必要な電気エネルギは、バッテリまたは吸引装置の一部を形成する電気エネルギ発生装置(例えば、圧縮空気の空気流内に配置された空気圧式の発電機または空気圧モータにより作動させられる発電機)により提供され得る。
【0014】
吸引ホースは、好適には可撓性でありかつプラスチック材料または金属から製造された細長い中間区間を有している。中間区間は、ホースの長手方向軸線に対して実質的に垂直に延びる曲げ軸線を中心として曲げられた場合の中間区間の可撓性を高め、かつホースの長手方向軸線に対して実質的に垂直な方向において中間区間に作用する外力に対する中間区間の安定性および弾性を向上させるために、好適にはコルゲートである。
【0015】
吸引ホースの第1および第2の端部は、剛性の構造を有しており、細長い、好適には可撓性の中間区間に取り付けられている。特に、ホースの剛性の端部ピースの少なくとも1つは、中間区間に対してホースの長手方向軸線を中心として自由に回転可能に、細長い中間区間に取り付けられている、ということを提案する。第1および第2の端部ピースは、プラスチック材料または金属から製造され得る。吸引ホースの第1の端部は、容器の吸引開口に取り付けられており、第2の端部は、手持ち式の動力工具の空気出口に取り付けられている。動力工具の空気出口を、吸引ホースを介して容器の吸引開口に接続することにより、収集容器内の低圧が、空気出口から吸引ホースを介して収集容器内に流れる空気流を発生させる。空気出口における空気流は、動力工具の作業範囲において低圧を形成し、低圧は、ごみ、ダストおよび微粒子が空気流により作業範囲から引き出され、吸引装置により吸い上げられ、かつ吸引装置のフィルタエレメントにより、ダストを含んだ空気流から濾過される、ということを惹起する。
【0016】
吸引装置の収集容器の吸引開口への吸引ホースの第1の端部ピースの取付けおよび動力工具の空気出口への吸引ホースの第2の端部ピースの取付けはそれぞれ、差込み接続により実現され得る。第1および第2の端部ピースは、摩擦力、スナップイン接続、バヨネット接続、磁気力等により、吸引開口および/または空気出口に対してそれぞれ所定の位置に保持され得る。真空掃除機の収集容器の吸引開口および動力工具の空気出口にそれぞれ磁気的に固定された遠位端部ピースを有する吸引ホースは、例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれる欧州出願第20178759.5号明細書に記載されている。
【0017】
一般に、動力工具は任意の電気または空気動力工具であってよく、その意図的な使用中に、ある程度の量のダスト、ごみまたはその他の微粒子を生ぜしめる。動力工具には、ダスト、ごみおよび微粒子を動力工具の作業範囲から空気出口に向かって運ぶ内部空気流を形成する、自己生成式の除塵機能が装備されていてもよい。択一的に、動力工具は、自己生成式の除塵機能を有していなくてもよく、この場合、ダスト、ごみおよび微粒子は、吸引装置により形成された空気流により、動力工具の作業範囲から空気出口に向かって吸引される。
【0018】
動力工具は、好適には研磨工具(またはサンダ)または研削工具(またはグラインダ)である。研磨工具は、支持板を有していてもよく、この支持板に、研磨媒体(例えば研磨紙または研磨布、研磨パッド等)が、例えばベルクロ(登録商標)により取外し可能に取り付けられてもよい。動力工具の形式に応じて、支持板は純粋に回転式の、ランダムオービタル式の、エキセントリック式の、またはロータリーオービタル式(ギヤ駆動式)の作業動作を行う。ただし、研磨パッドは、支持板の形態の中間部材なしで、研磨工具に直接取り付けられてもよい。研削工具は、全体が剛性材料から製造された研削ホイールが取外し可能に取り付けられた支持体部材を有している。支持体部材と、これに取り付けられた研削ホイールとは、純粋に回転式の作業動作を行う。研削ホイールは、石および金属の切削に使用され得る。
【0019】
択一的に、動力工具は、ドリルビットが挿入されて固定されるドリルチャックを有するドリルまたはハンマドリルであってもよい。ドリルチャックおよびドリルビットは、純粋に回転式の作業動作を行う。ドリルまたはハンマドリルには、作業範囲と、ドリルビットの少なくとも一部と、場合によりドリルチャックも部分的にまたは全体的に覆うシュラウドが設けられていてもよい。シュラウドは、ドリルまたはハンマドリルのハウジングの前部に取り付けられていてもよい。シュラウドには、吸引ホースの第2の端部が取り付けられる空気出口が設けられていてもよい。
【0020】
1つの好適な実施形態に基づき、通信装置の処理装置は、動力工具がオフにされた動作状態からオンにされた動作状態に変化すると、無線送信機に無線信号を発信させるように適合させられており、その点で、制御装置は、無線受信機が無線信号を受信すると、任意にはさらなるパラメータを考慮して、吸引装置の真空発生装置をオンに切り替えるように適合させられている、ということを提案する。追加的または択一的に、通信装置の処理装置は、動力工具がオンにされた動作状態からオフにされた動作状態に変化すると、無線送信機に無線信号を発信させるように適合させられており、その点で、制御装置は、無線受信機が無線信号を受信すると、任意にはさらなるパラメータを考慮して、吸引装置の真空発生装置をオフに切り替えるように適合させられている、ということを提案する。
【0021】
もちろん、センサ素子が動力工具の動作を検出し、各無線信号が無線送信機により送信され、無線受信機により受信された後に、真空発生装置を遅延なくオンに切り替えること、および/またはセンサ素子が動力工具の動作の終了を検出し、各無線信号が無線送信機により送信され、無線受信機により受信された後に、真空発生装置を遅延なくオフに切り替えることが可能になる。
【0022】
好適には、真空発生装置のオンまたはオフの切替えの少なくとも一方は、センサ素子による動力工具の動作の開始または終了の検出に関して、かつ吸引装置の無線受信機による各無線信号の受信に関して、ある程度の時間遅延の後にのみ行われる。この時間遅延は、1~数秒の範囲内であってもよい。真空発生装置をオンに切り替える前の時間遅延は、動力工具がまずダスト、ごみまたは微粒子を発生させてから、その作動直後にダスト、ごみまたは微粒子を吸引装置により効率的に吸引することができるという点で、省エネルギである。真空発生装置をオフに切り替える前の時間遅延は、動力工具の意図的な使用中に発生したダスト、ごみおよびその他の微粒子の効率的な吸引をもたらす。動力工具の意図的な使用および動作の終了後に、作業範囲内および/または動力工具の空気出口内および/または吸引ホース内には依然としてダスト、ごみおよび微粒子が存在しており、それゆえ、ダスト、ごみおよび微粒子は、オフに切り替える前の時間遅延中は依然として動作中の吸引装置により除去される。このアイデアは、残されたダスト、ごみおよび微粒子が全て吸引装置内に吸引されて収集容器内に収集されるまで、真空発生装置はオンに切り替えられたままにするためのものである。
【0023】
このために、通信装置の処理装置は、無線送信機に無線信号を送信させるとき、センサ素子からのセンサ信号の受信と、無線送信機による無線信号の送信との間の時間遅延をさらなるパラメータとして考慮するように適合させられている、ということを提案する。追加的または択一的に、吸引装置の制御装置は、真空発生装置をオンまたはオフに切り替える際に、無線受信機による無線信号の受信と、真空発生装置のオンまたはオフの切替えとの間の時間遅延をさらなるパラメータとして考慮するように適合させられている、ということを提案する。
【0024】
本発明の特に好適な実施形態に基づき、無線信号が送信されている通信装置の無線送信機と吸引装置の無線受信機との間の無線リンクは、吸引装置の出荷および使用前に、工場で吸引装置の製造プロセスの一部として設定される、ということを提案する。例えば、無線リンクは、出荷前および使用前に、無線リンクの各パラメータ(周波数、チャネル、信号フォーマット、プロトコル)および無線通信の関与機の固有識別子を記憶素子に書き込むことによって設定され得る。記憶素子は、吸引装置の制御装置および/または動力工具に割り当てられた通信装置の処理装置の一部を形成していてもよい。択一的に、記憶素子は、無線送信機および/または無線受信機の一部を形成していてもよい。通信装置および吸引装置の始動時に、記憶されたパラメータおよび識別子が無線送信機および/または無線受信機にロードされ、これにより、プリセットされたパラメータおよび識別子に従って無線リンクが即座に確立され、無線通信が、所定のフォーマット/プロトコルに従って、所定の関与機間で行われる。無線リンクを確立して無線通信を行うために、無線通信の関与機の間で初期化メッセージを交換する必要はない。
【0025】
無線リンクには、Bluetooth、WLAN(WiFi)、NFCおよび任意の形式の専用形式の無線リンクを含むがこれらに限定はされない、任意の形式のまたは標準的な既知の短距離ワイヤレス無線リンクが含まれていてもよい。本発明の無線リンクは、TVおよびHiFi機器用の単方向遠隔制御に類似しており、これと同様に働く。
【0026】
さらに、無線送信機の固有識別子は、工場で無線受信機にプリセットされており、無線受信機の固有識別子は、工場で無線送信機にプリセットされている、ということを提案する。択一的に、通信パラメータおよび固有識別子は、ユーザにより、吸引装置および/または通信装置のユーザインタフェースを介してプリセットされ得る。無線リンクの異なる固有識別子および場合により別の通信パラメータが、工場で、吸引ホースに割り当てられた通信装置に記憶させられてよく、次いで、無線リンクを介した通信装置と受信機との間の単方向データ通信を実現するために、吸引装置の無線受信機の要件に従って、ユーザにより、特定の識別子および特定のパラメータが選択されてもよい。択一的に、異なる固有識別子および場合により別の無線リンクパラメータが、工場で、無線受信機または無線受信機に割り当てられた記憶装置に記憶させられてもよく、次いで、無線リンクを介して吸引ホースの通信装置と吸引装置の無線受信機との間の単方向データ通信を実現するために、通信装置またはその無線送信機それぞれの要件に従って、ユーザにより、特定の識別子および特定のパラメータが選択されてもよい。
【0027】
さらに、通信パラメータおよび固有識別子は、別の無線リンクを介して吸引装置および/または通信装置に接続されたモバイルエンドユーザデバイスを介して、ユーザにより設定され得る。
【0028】
無線信号を通信装置から吸引装置に送信する、無線送信機と無線受信機との間の無線リンクは、吸引装置の出荷後かつ使用前に、吸引装置のユーザにより手動で設定され得る。好適には、無線送信機と無線受信機との間の無線リンクは、吸引装置のユーザにより、ハードウェアおよび/またはソフトウェアを介して手動で設定される。ハードウェアの設定には、無線受信機および/または無線送信機における各ディップスイッチの設定、または吸引装置および/または通信装置の一部を形成するユーザインタフェースを介した通信パラメータおよび/または固有識別子の設定が含まれていてもよい。ソフトウェアの設定には、エンドユーザデバイス、例えばパーソナルコンピュータ、ラップトップまたはスマートフォン上で実行されるコンピュータプログラム、例えばアプリケーションまたはアプリを含んでいてもよく、このコンピュータプログラムに適切な設定を行うことができる。次いでコンピュータプログラムは、無線リンクを設定するために、設定を無線受信機および/または無線送信機に送信することができる。設定の送信は、ケーブルを介してまたはワイヤレスで行うことができる。
【0029】
さらに、通信装置は、独立したローカル電力供給ユニットを有している、ということを提案する。電力供給ユニットは、再充電可能かつ/または交換可能なバッテリを有していてもよい。バッテリに蓄えられた電気エネルギは、センサ素子、処理装置および無線送信機を作動させるために使用される。意図的な使用中に振動する動力工具により生ぜしめられた吸引ホースの第2の端部の振動を電気エネルギに変換することができるエネルギ変換装置を備えた通信装置を提供することも可能であり、電気エネルギは、再充電(機械的な動きからのエネルギハーベスティング)のためにバッテリに供給される、または通信装置の電気部品(例えばセンサ素子、無線送信機および処理装置)に直接に供給される。択一的に、エネルギ変換装置は、吸引ホースの第2の端部を通る空気流内に配置された空気圧式発電機を有していてもよく、この空気圧式発電機は、自己生成式の除塵機能を有する動力工具が作動させられると、通信装置の電気部品のための電気エネルギを発生させる。
【0030】
通信装置が無線信号を送信するのは、随時、動力工具がオンにされたときおよび/またはオフにされたときのみである、ということにより、電力供給ユニットは、電気エネルギを使い果たすことなしに、ほぼ無限の耐用年数を有している。このために、エネルギ変換装置は、圧電材料を含んでいてもよく、電気力学発電機または誘導発電機の形態であってもよく、または静電発電機の形態であってもよい。
【0031】
1つの別の好適な実施形態に基づき、吸引装置は、通信装置の電力供給ユニットの状態を視覚的かつ/または音響的に吸引装置のユーザに伝達する、視覚的かつ/または音響的な信号装置を有している、ということを提案する。信号装置は、動力工具に割り当てられた通信装置の部分に配置され、この部分を形成していてもよい。択一的に、信号装置は、低圧または真空が発生させられる吸引装置の部分に配置されていてもよい。例えば、視覚的かつ/または音響的な信号装置は、吸引装置のユーザがよく見ることかつ/または聞くことができるように、吸引装置の外側ハウジング内にまたは外側ハウジングに配置されてもよい。この場合、通信装置または無線送信機はそれぞれ、電力供給ユニットの目下の状態を、信号装置による出力のために吸引装置の無線受信機に伝達しなければならない。このことは、好適には、無線送信機と無線受信機との間に確立された無線リンクを介して各状態メッセージを送信することにより行われてもよい。電力供給ユニットの状態は、好適には、電力供給ユニットの充電レベルに相当する。1つの単純な実施形態では、状態には単に、通信装置の電気部品の適切な機能および完全な作動性を保証するために電力供給ユニットの充電レベルが十分である(青信号および/または音響信号なし)か否か(赤信号および/または点滅信号および/または音響信号)の情報のみが含まれていてもよい。択一的に、電力供給ユニットのバッテリの異なる充電レベルが、信号装置による、異なる視覚的かつ/または音響的な出力信号を誘発してもよい。
【0032】
通信装置は、様々な実施形態において実現され得る。1つの好適な実施形態によれば、通信装置は、ユーザの手首に取り付けられる腕時計と同様に、吸引ホースの第2の端部に取外し可能に取り付けられた自給式ユニットである。特に、通信装置は、内部に通信装置の全てのコンポーネントが配置された、例えばプラスチックまたはゴム材料から製造されたハウジングを有していてもよい。通信装置のハウジングは、コンポーネントの防湿・防塵密封を提供するために、完全に封止され得る。通信装置には、吸引ホースの第2の端部の周りに巻き付けられてから、例えばバックル、ベルクロ(登録商標)等により互いに固定される複数のストラップが設けられていてもよい。択一的に、吸引ホースの第2の端部に、ある種の固定構造体、例えば、ベルクロ(登録商標)またはスナップイン構造体が設けられていてもよく、通信装置は、この固定構造体に取外し可能に取り付けられている。この実施形態では、通信装置は、必要に応じてその全体が交換され得る。
【0033】
択一的に、通信装置は、好適には、吸引ホースの第2の端部ピースおよび/または吸引ホース全体の製造中に成形プロセスを介して、吸引ホースの第2の端部に組み込まれる、ということを提案する。この実施形態によれば、通信装置は、吸引ホースの第2の端部ピースの一体部分である。通信装置を交換するためには、第2の端部ピース全体および/または吸引ホース全体を交換しなければならない。この実施形態は、吸引ホースにおける通信装置のコスト効率の高い製造および組込みの点で、重要な利点を有し得る。なぜならば、吸引ホースの第2の端部は、通信装置およびそのコンポーネントのためのハウジングとして用いられてもよいからである。吸引ホースの第2の端部に組み込まれている場合でも、吸引ホースまたは第2の端部ピースにはそれぞれ、修理または交換のために、例えば、電力供給ユニットのバッテリが消耗した場合に交換するために、かつ/または無線送信機を交換して、無線信号を無線受信機に送信する周波数帯を変更するために、かつ/またはディップスイッチ等を切り替えて、無線送信機を別の無線通信周波数に設定するために、通信装置のコンポーネントへのアクセスを可能にする閉鎖可能なメンテナンス開口が設けられていてもよい。
【0034】
動力工具の動作状態を検出するためのセンサ素子は、多くの異なる方法で具現化され得る。好適な実施形態によれば、センサ素子は、手持ち式の電気または空気動力工具の動作中に吸引ホースの振動を検出するための加速度センサとして設計されているか、または動力工具の動作中に、動力工具の空気出口に取り付けられた吸引ホースの第2の端部内の空気流を検出するための流量センサとして設計されている。動力工具の動作は必然的に振動を引き起こし、この振動は、加速度センサにより検出され得る。これは特に、揺動式の動力工具、例えばランダムオービタルサンダ、ギヤ駆動式サンダ等の場合である。加速度センサは、圧電加速度計の形態であり得る。動力工具に自己生成式の除塵機能が設けられている場合、動力工具の動作は必然的に、作業範囲から動力工具の空気出口に流れる、場合によりダストを含んだ空気の空気流を生ぜしめる。この空気流は、流量センサにより検出され得る。流量センサは、好適には、空気流内に配置された測定プローブを有している。択一的に、流量センサは、超音波またはその他の電磁波を用いて、空気流を光学式に検出してもよい。
【0035】
択一的または追加的に、センサ素子には、吸引ホースの第2の端部を通過するダストを含んだ空気のダストおよびその他の微粒子の量を検出するための光学式または別の形式のセンサが含まれていてもよい。好適には、センサは、単位時間当たりのダストまたはその他の微粒子の量を測定する。測定された、好適には単位時間当たりのダストまたは微粒子の量を含むまたは示す状態メッセージが、無線送信機により無線リンクを介して吸引装置の無線受信機に送信され得る。真空発生装置の回転速度は、測定されたダストまたは微粒子の量に応じて上下させられてもよい。
【0036】
最後に、吸引装置は、吸引装置を動作状態(I)と非作動状態(0)との間で手動切替えするためのメインスイッチを有しており、制御装置は、吸引装置が動作状態(I)にある場合にのみ、空気出口に吸引ホースの第2の端部が接続された手持ち式の電気または空気動力工具の動作状態に応じて真空発生装置をオンにするように設計されている、ということを提案する。換言すると、吸引装置を動作状態(I)に切り替えることにより、吸引装置は、真空発生装置がまだ非作動状態にある一種の待機モードにもたらされてもよい。追加的に、吸引ホースが取り付けられた動力工具の動作をセンサ素子が検出した場合にのみ、真空発生装置がオンにされる。上述したように、真空発生装置をオンにすることは、動力工具の作動とほぼ同時にまたは時間遅延を伴って達成され得る。センサ素子が動力工具の動作終了を検出すると、真空発生装置はオフにされる。これもやはり、動力工具の非作動化とほぼ同時にまたは時間遅延を伴って達成され得る。
【0037】
以下、本発明の別の特徴および利点を、図示した好適な実施形態を参照して説明する。図示の各特徴は本発明の重要な態様であり得る、ということを強調しておく。さらに、図示の様々な特徴は、図面に明示的に示されておらずかつ/または説明において言及されていないとしても、任意の可能な形式で互いに組み合わせられてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【
図1】手持ち式の動力工具に取り付けられた本発明による吸引装置の1つの好適な実施形態を示す図である。
【
図2】手持ち式の動力工具の空気出口に取り付けられた、
図1に示した吸引装置の吸引ホースの第2の端部の第1の実施形態を示す図である。
【
図3】手持ち式の動力工具の空気出口に取り付けられた、
図1に示した吸引装置の吸引ホースの第2の端部の第2の実施形態を示す図である。
【0039】
図1は、移動式の真空掃除機または移動式の除塵システムの形態の、本発明による吸引装置2を示す。吸引装置2は、ダストを含んだ空気流24からダスト、ごみおよび微粒子を濾過し、かつダスト、ごみおよび微粒子6を収集容器4内に集めて一時的に保管するように適合させられている。特に吸引装置2は、
-ダスト、ごみおよび微粒子6を収容するように適合させられた収集容器4と、
-収集容器4内に周囲圧力p
0よりも低い低圧p
vを発生させるための真空発生装置8と、
-収集容器4に設けられた吸引開口10と、
-第1の端部14において吸引開口10に接続されておりかつ反対側の第2の端部16において手持ち式の電気または空気動力工具20の空気出口18に接続されている吸引ホース12と、
-真空発生装置8により発生させられた空気流24内で、収集容器4と真空発生装置8との間に配置され、空気流24からダスト、ごみおよび微粒子6を濾過するように適合させられたフィルタエレメント22と、
-空気出口18に吸引ホース12の第2の端部16が接続された手持ち式の電気または空気動力工具20の動作状態に応じて真空発生装置8をオンまたはオフにするために、真空発生装置8を制御するように適合させられた制御装置26と、
-制御装置26に動作接続された、無線信号30を受信するための無線受信機28と、
-吸引ホース12の第2の端部16またはその近傍に配置された通信装置32であって、
-手持ち式の電気または空気動力工具20の目下の動作状態を検出し、動力工具20の動作状態に応じてセンサ信号36を出力するためのセンサ素子34、
-無線信号30を送信するための無線送信機38、および
-一方ではセンサ素子34にかつ他方では無線送信機38に動作接続された処理装置40であって、無線送信機38に、センサ素子34から受信したセンサ信号36に応じたまたはセンサ素子34から受信したセンサ信号36を表す無線信号30を発信させるように適合させられた処理装置40
を有する通信装置と
を有している。
【0040】
一般に、動力工具20は、意図的に使用している間に一定量のダスト、ごみまたはその他の微粒子を生ぜしめる、任意の電気または空気動力工具であってもよい。動力工具20は、その作業部材82を動作させるための電動モータまたは空気圧モータ80を有している。
図1に示す実施形態では、動力工具20は研磨工具であり、作業部材82は支持板である。研磨媒体84(例えば研磨紙または研磨布、研磨パッド等)は、例えばベルクロ(登録商標)結合により、支持板82の底面に取外し可能に取り付けられてもよい。研磨工具の形式に応じて、支持板82は、純粋に回転式の、ランダムオービタル式の、エキセントリック式の、またはロータリーオービタル式(ギヤ駆動式)の作業動作を行う。
【0041】
動力工具20は、ファン86により実現される自己生成式の除塵機能を備えていてもよく、ファン86は、好適にはモータ80により駆動される。ファン86は、ダスト、ごみおよび微粒子を研磨工具20の作業範囲78から空気出口18に向かって運ぶ内部空気流46を形成する。択一的に、動力工具20は、自己生成式の除塵機能を有していなくてもよく、この場合、ダスト、ごみおよび微粒子は、吸引装置2により形成された空気流24,46により、作業範囲78から空気出口18に向かって吸引される。
【0042】
一方では吸引装置2の一部を形成しかつ手持ち式の動力工具20に接続された通信装置32の無線送信機38と、他方では吸引装置2の無線受信機28とは、通信装置32の無線送信機38から無線受信機28への単方向(かつ非双方向)通信のみを実現するように設計されていることを提案する。無線リンク30の全ての詳細、例えば無線送信機38および無線受信機28の固有識別子、無線リンク30のために使用される周波数範囲または周波数帯域、無線信号30およびメッセージのフォーマット、ならびに無線信号30の送信のために使用されるプロトコルは、それぞれ、無線リンク30および吸引装置2の意図的な使用の前にプリセットされ得る。したがって、無線送信機38と無線受信機28とに電気エネルギが供給され、無線リンク30の関与機38,28間で無線信号30または初期化メッセージが送信される必要のない無線送信機38と無線受信機28との始動手順が完了すると直ちに、無線送信機38および無線受信機28は、無線信号の送信または受信のためにそれぞれ準備が整った状態になる。
【0043】
特に、無線送信機38では、(プリセットされた固有識別子を有する)無線受信機28への無線信号30の送信準備が整い、無線受信機28では、(プリセットされた固有識別子を有する)無線送信機38からの無線信号30の受信準備が整う。さらに、無線リンク30に使用される周波数範囲または周波数帯域、無線リンク30を介して送信される信号およびメッセージのフォーマット、ならびに無線信号30の送信に使用されるプロトコルが、無線送信機38および無線受信機28においてプリセットされ得る。特に、吸引装置2および通信装置32をオンにした後に、所与の特性を有する無線送信がほぼ時間遅延なく実行され得るように、無線送信機38と無線受信機28とのそれぞれのハードウェア、および無線リンク30を介した無線信号送信を制御するためのソフトウェアが具現化されて設計されている。さらに、無線リンク30を介した無線通信は、無線リンク30の初期化および確立のために無線送信機38と無線受信機28との間での相互データ通信を必要としない特定の専用プロトコルに従って行われる、ということを提案する。
【0044】
吸引ホース12の第2の端部16を動力工具20に接続することにより、たとえ動力工具20自体が、無電力で動作し、かつ/または、目下の動作状態を確定して確定した動作状態を吸引装置2の無線受信機28に転送する何らかの手段を有していなくても、動力工具20の動作状態は、通信装置32のセンサ素子34により簡単かつ確実に確定され得る。
【0045】
動力工具20の目下の動作状態は、動力工具20に割り当てられた無線送信機38と、吸引装置2の無線受信機28との間に予め確立された無線リンク30を介して、単方向通信により送信される。動力工具20の動作状態は、吸引装置2の真空発生装置8の動作を制御するために考慮される。任意には、真空発生装置8の制御に関して、さらなるパラメータが考慮されてもよい。例えば、手持ち式の電気または空気動力工具20のさらなる動作パラメータ(例えば、最後の停止からの連続動作時間、ポリシングまたは研磨パッドの最後の交換からの累積動作時間、動力工具20の電子機器の温度、動力工具20のバッテリの充電状態、動力工具20の目下の動作中に動力工具20により単位時間当たりに生ぜしめられるダストの量)または吸引装置2のさらなる動作パラメータ(例えば、フィルタエレメント22の最後の交換からの累積動作時間、(フィルタエレメント22を通る空気流24の方向に見た)フィルタエレメント22の両側の圧力値pv,pinまたは各差圧pin-pv)、環境パラメータおよび手持ち式の電気または空気動力工具20により加工される工作物のパラメータである。
【0046】
動力工具20のさらなる動作パラメータも、好適には、動力工具20に割り当てられた無線送信機38と吸引装置2の無線受信機28との間に確立された無線リンク30を介した単方向通信により送信される。環境パラメータは、吸引装置2および/または動力工具20の一部を形成する各センサにより取得され得る。工作物のパラメータは、例えば、動力工具20または吸引装置2のユーザインタフェース50を介して、動力工具20または吸引装置2のユーザにより手動で入力され得る。ユーザインタフェース50は、GUIのタッチスクリーンおよび/またはボタンまたはキーおよび/またはコンピュータマウス等を有していてもよい。択一的に、工作物のパラメータは、例えば別の無線リンク54を介して動力工具20または吸引装置2に接続された、ユーザのモバイルエンドユーザデバイス52を介して、ユーザにより手動で入力され得る。エンドユーザデバイス52は、パーソナルコンピュータ、ラップトップ、スマートフォン等であってもよい。
【0047】
収集容器4は、吸引装置2の外側ハウジングの部分56により形成され得る。好適には、収集容器4はプラスチック材料から製造されている。吸引装置2の意図された使用場所への誘導を可能にするために、収集容器4には外部ホイール58が設けられてもよい。
【0048】
真空発生装置8により、収集容器4内に低圧pvまたは真空が発生させられると、低圧pvと周囲圧力p0との間の差圧により、容器の吸引開口10を通じて収集容器4内に吸引される空気流24が形成される。空気流24は、動力工具20の作業範囲からダストおよびその他の微粒子を運ぶことができる。ダストを含んだ空気流24は、さらにフィルタエレメント22を通って真空発生装置8に向かって吸引される。フィルタエレメント22は、ダスト含んだ空気流24からダストおよび粒子6を分離し、これにより、清浄空気流60が得られる。真空発生装置8は、濾過された清浄空気流60を、真空発生装置8が収容されている吸引装置2の外側ハウジングの別の部分64に設けられた各出口開口62を介して環境中へ放出する。吸引装置2の外側ハウジングの底側部分56と上側部分64とは、フィルタエレメント22を通って延びる平面66に沿って互いに分離され得る。好適には、フィルタエレメント22は、外側ハウジングの上側部分64に取り付けられている。
【0049】
図1には1つのフィルタエレメント22のみが示されているが、吸引装置2は、2つ以上のフィルタエレメント22を有していてもよい。清浄空気流60により、1つ以上の選択されたフィルタエレメント22を、ダストを含んだ空気流24の方向とは反対の方向に逆洗することにより、1つ以上のフィルタエレメント22は、一時的な洗浄ステップを受けることができる。洗浄ステップの間、目下洗浄ステップを受けていないフィルタエレメント22を通常の方法で(ダストを含んだ空気流24を通過させて)作動させることにより、吸引装置2の意図的な使用を継続することができる。
【0050】
真空発生装置8は、収集容器4から環境中へ流れかつフィルタエレメント22を通過する空気流24,60を発生させ、これにより収集容器4内に低圧pvを形成するためのタービン70を駆動するモータ68を有していてもよい。真空発生装置8のモータ68は、好適には、特にブラシレスタイプの電動モータである。しかしながら、圧縮空気により作動させられる空気圧モータであってもよい。
【0051】
吸引ホース12は、好適には可撓性でありかつプラスチック材料または金属から製造された細長い中間区間72を有している。吸引ホース12は、長手方向軸線74に沿って延びている。中間区間72は、ホース12の長手方向軸線74に対して実質的に垂直に延びる曲げ軸線を中心として曲げられた場合の可撓性を高め、かつホース12の長手方向軸線74に対して実質的に垂直な方向において中間区間72に作用する外力に対する中間区間72の安定性および弾性を向上させるために、好適にはコルゲートである。
【0052】
吸引ホース12の第1および第2の端部14,16は、剛性の構造を有しており、細長い中間区間72に取り付けられている。特に、ホース12の剛性の端部ピース14,16の少なくとも1つは、中間区間72に対してホース12の長手方向軸線74を中心として自由に回転可能に、細長い中間区間72に取り付けられている。自由に回転可能な接続部は、
図2および
図3に参照符号76で示されている。第1および第2の端部ピース14,16は、プラスチック材料または金属から製造され得る。吸引ホース12の第1の端部14は、容器の吸引開口10に取り付けられており、第2の端部16は、手持ち式の動力工具20の空気出口18に取り付けられている。動力工具20の空気出口18を、吸引ホース12を介して容器の吸引開口10に接続することにより、収集容器4内の低圧p
vが、空気出口18から吸引ホース12を介して収集容器4内に流れる空気流24を発生させる。空気出口18における空気流24は、動力工具20の作業範囲78において低圧p
wを形成し、低圧p
wは、ごみ、ダストおよび微粒子が空気流46により作業範囲78から引き出され、吸引装置2により吸い上げられ、かつ吸引装置2のフィルタエレメント22により、ダストを含んだ空気流24から濾過される、ということを惹起する。
【0053】
吸引ホース12の第1および第2の端部ピース14,16の、収集容器4の吸引開口10および動力工具20の空気出口18への取付けはそれぞれ、差込み接続により実現され得る。第1および第2の端部ピース14,16は、摩擦力、スナップイン接続、バヨネット接続、磁気力等により、吸引開口10および/または空気出口18に対してそれぞれ所定の位置に保持され得る。
【0054】
通信装置32の処理装置40は、動力工具20がオフ動作状態からオン動作状態に変化した場合に、無線送信機38に無線信号30を発信させるように適合させられており、吸引装置2の制御装置26は、無線受信機28が無線信号30を受信した場合に、任意にはさらなるパラメータを考慮して、真空発生装置8をオンに切り替えるように適合させられている、ということを提案する。追加的または択一的に、通信装置32の処理装置40は、動力工具20がオン動作状態からオフ動作状態に変化した場合に、無線送信機38に無線信号30を発信させるように適合させられており、制御装置26は、無線受信機28が無線信号30を受信した場合に、任意にはさらなるパラメータを考慮して、吸引装置2の真空発生装置8をオフに切り替えるように適合させられている、ということを提案する。
【0055】
本発明によれば、真空発生装置は、センサ素子34が動力工具20の動作を検出し、各無線信号30が無線送信機38により送信されかつ無線受信機28により受信された後に、いかなる追加的な遅延もなくオンに切り替えられてもよく、かつ/または真空発生装置8は、センサ素子34が動力工具20の動作の終了を検出し、各無線信号30が無線送信機38により送信されかつ無線受信機28により受信された後に、いかなる追加的な遅延もなくオフに切り替えられてもよい。
【0056】
好適には、真空発生装置8のオンまたはオフの切替えの少なくとも一方は、センサ素子34による動力工具20の動作の開始または終了の検出に関して、かつ吸引装置2の無線受信機28による各無線信号30の受信に関して、一定の時間遅延の後にのみ行われる。この時間遅延は、1~数秒の範囲内であってもよい。
【0057】
このために、通信装置32の処理装置40は、無線送信機38に無線信号30を送信させる場合に、さらなるパラメータとして、センサ素子34からのセンサ信号36の受信と、無線送信機38による無線信号30の送信との間の時間遅延を考慮するように適合させられている、ということを提案する。追加的または択一的に、吸引装置2の制御装置26が、真空発生装置8をオンまたはオフに切り替える場合に、さらなるパラメータとして、無線受信機28による無線信号30の受信と、真空発生装置8のオンまたはオフへの切替えとの間の時間遅延を考慮するように適合させられている、ということを提案する。
【0058】
本発明の1つの特に好適な実施形態により、無線信号30を送信する、通信装置32の無線送信機38と吸引装置2の無線受信機28との間の無線リンクは、吸引装置2の出荷および使用前に、工場で吸引装置2の製造プロセスの一部として設定される、ということを提案する。例えば、無線リンクは、出荷および使用前に、無線リンクの各パラメータ(周波数、チャネル、信号フォーマット、プロトコル)および無線通信の関与機38,28の固有識別子を記憶素子に書き込むことにより設定され得る。記憶素子は、吸引装置2の制御装置26および/または動力工具20に割り当てられた通信装置32の処理装置40の一部を形成していてもよい。択一的に、記憶素子は、無線送信機38および/または無線受信機28の一部を形成していてもよい。通信装置32および吸引装置2の始動時に、記憶されたパラメータおよび識別子が無線送信機38および/または無線受信機28にロードされ、これにより、プリセットされたパラメータおよび識別子に従って無線リンクが即座に確立され、無線通信が、所定のフォーマット/プロトコルに従って、所定の関与機38,28間で行われる。無線リンクを確立して無線通信を行うために、無線通信の関与機38,28の間で初期化メッセージを交換する必要はない。
【0059】
さらに、無線送信機38の固有識別子は、工場において、無線受信機28または無線受信機28がアクセスを有する記憶素子にプリセットされており、無線受信機28の固有識別子は、工場において、無線送信機38または無線送信機38がアクセスを有する記憶素子にプリセットされている、ということを提案する。択一的に、通信パラメータおよび固有識別子は、吸引装置2の出荷後かつ使用前に、ユーザにより、吸引装置2(
図1参照)および/または通信装置32(
図2参照)のユーザインタフェース50を介してプリセットされ得る。さらに、通信パラメータおよび固有識別子は、別の無線リンク54を介して吸引装置2(
図1参照)および/または通信装置32(
図2および
図3参照)に接続されたモバイルエンドユーザデバイス52を介して、ユーザによりプリセットされてもよい。
【0060】
吸引装置2の出荷後かつ使用前に、吸引装置2のユーザにより、無線リンク30を介した無線通信の関与機(無線送信機38および無線受信機28)の固有識別子を手動で設定する場合、無線リンク30は、好適には、吸引装置2および通信装置32のハードウェアおよび/またはソフトウェアを用いて設定される。ハードウェアによる設定には、無線受信機28および/または無線送信機38における各ディップスイッチの設定、または吸引装置2および/または通信装置32の一部を形成するユーザインタフェース50を介した通信パラメータおよび/または固有識別子の設定が含まれていてもよい。ソフトウェアによる設定には、コンピュータプログラム、例えば、エンドユーザデバイス52上で実行されるアプリケーションまたはアプリが含まれていてもよく、このコンピュータプログラムにおいて、適切な設定を行うことができる。次いで、コンピュータプログラムは、無線リンク30を設定するために、設定を無線受信機28および/または無線送信機38に送信してもよい。設定の送信は、ケーブルを介してまたは別個の無線リンク54を介して無線で行われてもよい。この場合、設定は、無線リンク30を介したデータ送信中に、無線送信機38および無線受信機28により考慮される。
【0061】
さらに、通信装置32は、通信装置32の電気部品(例えばセンサ素子34、無線送信機38、処理装置40、ユーザインタフェース50)の作動用の電力を供給するための独立したローカル電力供給ユニット42を有している、ということを提案する。電力供給ユニット42は、再充電可能かつ/または交換可能なバッテリを有していてもよい。電力供給ユニット42は、エネルギ変換装置も有していてもよく、エネルギ変換装置は、意図的な使用中に振動する動力工具20により生ぜしめられた吸引ホース12の第2の端部16の振動を電気エネルギに変換し、この電気エネルギは、再充電のためにバッテリに供給される(機械的な動きからのエネルギハーベスティング)か、または通信装置32の電気部品に直接に供給される。択一的に、エネルギ変換装置は、吸引ホース12の第2の端部16を通る空気流46内に配置された空気圧式発電機を有していてもよく、この空気圧式発電機は、自己生成式の除塵機能を有する動力工具20が作動させられて空気流46が形成されると、電気エネルギを発生させる。
【0062】
通信装置32が無線信号30を送信するのは、随時、動力工具20の動作状態が変化したときだけである、ということにより、電力供給ユニット42は、電気エネルギを使い果たすことなしに、ほぼ無限の耐用年数を有している。このために、エネルギ変換装置は、圧電材料を含んでいてもよく、電気力学発電機または誘導発電機の形態であってもよく、または静電発電機の形態であってもよい。
【0063】
1つの別の好適な実施形態では、吸引装置2は、通信装置32の電力供給ユニット42の状態を視覚的かつ/または音響的に吸引装置2のユーザに伝達する、視覚的かつ/または音響的な信号装置44を有している、ということを提案する。視覚的かつ/または音響的な信号装置44は、動力工具20に割り当てられた通信装置32の部分に配置され、この部分を形成していてもよい。好適には、信号装置44は、吸引装置2の真空発生コンポーネント(例えば、制御装置26、真空発生装置8)を収容する吸引装置2の外側ハウジングの上側部分64に配置されている。これにより、吸引装置2のユーザによる視認性および/または可聴性が大幅に向上させられる。この場合、通信装置32または無線送信機38はそれぞれ、電力供給ユニット42の目下の状態を吸引装置2の無線受信機28に伝達し、無線受信機28は、目下の状態を制御装置26へ転送し、制御装置26もまた、信号装置44により目下の状態が出力されるようにする。このために、各状態メッセージは、無線送信機38から無線リンク30を介して無線受信機28に送信される、ということを提案する。
【0064】
電力供給ユニット42の状態は、好適には、電力供給ユニット42の充電レベルに相当する。1つの単純な実施形態では、状態には単に、通信装置32の電気部品の適切な機能および完全な作動性を保証するために電力供給ユニット42のバッテリの充電レベルが十分である(青信号および/または音響信号なし)か、または十分でない(赤信号および/または点滅信号および/または音響信号)かの情報のみが含まれていてもよい。択一的に、電力供給ユニット42のバッテリの異なる充電レベルが、信号装置44による、異なる視覚的かつ/または音響的な出力信号を誘発してもよい。
【0065】
通信装置32は、様々な実施形態において実現され得る。
図3に示す1つの好適な実施形態によれば、通信装置32は、ユーザの手首に取り付けられる腕時計と同様に、吸引ホース12の第2の端部16に取外し可能に取り付けられた自給式ユニットである。特に、通信装置32は、内部に通信装置32の全てのコンポーネント(センサ素子34、無線送信機38、処理装置40、電力供給ユニット42、ユーザインタフェース50)が配置された、例えばプラスチックまたはゴム材料から製造されたハウジング88を有していてもよい。ハウジング88は、コンポーネントの防湿・防塵密封を提供するために、完全に封止され得る。通信装置32には、吸引ホース12の第2の端部16の周りに巻き付けられてから、例えばバックル、ベルクロ(登録商標)92等により互いに固定される複数のストラップ90が設けられていてもよい。択一的に、吸引ホース12の第2の端部16に、ある種の固定構造体、例えば、ベルクロ(登録商標)またはスナップイン構造体が設けられていてもよく、通信装置32のハウジング88は、この固定構造体に取外し可能に取り付けられている。
【0066】
図2に示す1つの択一的な実施形態によれば、通信装置32は、好適には、吸引ホース12の第2の端部ピース16および/または吸引ホース12全体の製造中に成形プロセスによって吸引ホース12の第2の端部16に組み込まれる。この実施形態によれば、通信装置32は、吸引ホース12の第2の端部ピース16の一体部分である。通信装置32を交換するためには、第2の端部ピース16全体および/または吸引ホース12全体を交換しなければならない。この実施形態は、吸引ホース12における通信装置32のコスト効率の高い製造および組込みの点で、重要な利点を有し得る。なぜならば、吸引ホース12の第2の端部16は、通信装置32およびそのコンポーネントのためのハウジングとして用いられてもよいからである。吸引ホース12の第2の端部16に組み込まれている場合でも、吸引ホース12または第2の端部ピース16にはそれぞれ、修理または交換のために、例えば、電力供給ユニット42のバッテリが消耗した場合に交換するために、かつ/または無線送信機38を交換して、無線信号30を無線受信機28に送信する周波数帯を変更するために、かつ/またはディップスイッチ等を切り替えて、無線送信機38を別の無線通信周波数に設定するために、通信装置32のコンポーネントへのアクセスを可能にする閉鎖可能なメンテナンス開口が設けられていてもよい。
【0067】
動力工具20の動作状態を検出するためのセンサ素子34は、多くの異なる方法で具現化され得る。好適な実施形態によれば、センサ素子34は、手持ち式の電気または空気動力工具20の動作中に吸引ホース12の振動を検出するための加速度センサとして設計されているか、動力工具20の動作中に、動力工具20の空気出口18に取り付けられた吸引ホース12の第2の端部16内の空気流46を検出するための流量センサとして設計されている。動力工具20の動作は必然的に振動を引き起こし、この振動は、加速度センサにより検出され得る。これは特に、揺動式の動力工具20、例えばランダムオービタルサンダ、ギヤ駆動式サンダ等の場合である。加速度センサは、圧電加速度計の形態であり得る。動力工具20に自己生成式の除塵機能が設けられている場合、動力工具20の動作は必然的に、作業範囲78から動力工具20の空気出口18と吸引ホース12の第2の端部16とを通る、場合によりダストを含んだ空気の空気流46を生ぜしめる。この空気流46は、流量センサにより検出され得る。流量センサは、好適には、空気流46内に配置された測定プローブを有している。流量センサは、超音波またはその他の形式の電磁波を用いて、空気流46を光学式に検出してもよい。
【0068】
択一的または追加的に、センサ素子34には、吸引ホース12の第2の端部16を通過するダストを含んだ空気流46中に含まれるダストおよびその他の微粒子の量を検出するための光学式または別の形式のセンサが含まれていてもよい。好適には、センサ素子34は、単位時間当たりのダストまたはその他の微粒子の量を測定する。測定された、好適には単位時間当たりのダストまたは微粒子の量を含むまたは示す状態メッセージが、無線送信機38により無線リンク30を介して吸引装置2の無線受信機28に送信され得る。真空発生装置8の回転速度は、測定されたダストまたは微粒子の量に応じて上昇または低下させられてもよい。
【0069】
最後に、吸引装置2は、吸引装置2を動作状態(I)と非作動状態(0)との間で手動切替えするためのメインスイッチ48を有しており、制御装置26は、吸引装置2が動作状態(I)にある場合にのみ、空気出口18に吸引ホース12の第2の端部16が接続された手持ち式の電気または空気動力工具20の動作状態に応じて真空発生装置8をオンにするように設計されている、ということを提案する。換言すると、吸引装置2を動作状態(I)に切り替えることにより、吸引装置2は、真空発生装置8がまだ非作動状態にある一種の待機モードにもたらされてもよい。追加的に、吸引ホース12が取り付けられた動力工具20の動作をセンサ素子34が検出した場合にのみ、真空発生装置8がオンにされる。上述したように、真空発生装置8をオンにすることは、動力工具20の作動とほぼ同時にまたは時間遅延を伴って達成され得る。センサ素子34が動力工具20の動作終了を検出すると、真空発生装置8はオフにされる。これもやはり、動力工具20の非作動化とほぼ同時にまたは時間遅延を伴って達成され得る。
【0070】
本発明による吸引ホース12は、異なるパラメータ(例えば周波数、チャネル等)および規格(例えば送信データパケットおよびデータフレームのサイズおよびフォーマット、データフレームの繰返し数等)に従って無線信号30を送信するために、異なる吸引装置2と共に、様々な形式の単方向無線リンクを確立するように使用され得る。使用される特定の形式の単方向無線リンクは、例えば、予め記憶させられた複数の識別子および/または通信パラメータから所定の固有識別子および/または通信パラメータを選択することにより、ユーザにより手動で設定され得る。選択は、ディップスイッチを介して行われてもよく、選択された識別子および/または選択パラメータを含む記憶ユニット(例えばUSBスティック、IC等)を、別の識別子および/またはさらなるパラメータを含む別の記録ユニットと交換することにより行われてよく、または別の無線リンク54を介して動力工具20または吸引装置2に接続された、ユーザのモバイルエンドユーザデバイス52を用いて行われてもよい。
【0071】
好適には、吸引ホース12は、吸引装置2の吸引開口10に接続されるように適合させられた第1の端部14と、手持ち式の電気または空気動力工具20の空気出口18に接続されるように適合させられた、反対側の第2の端部16とを有している。第2の端部16は、好適には吸引ホース12の第2の端部16および/または吸引ホース12の製造中の成形プロセスを介して第2の端部16に組み込まれた通信装置32を備えている。通信装置32は、手持ち式の電気または空気動力工具20の目下の動作状態を検出しかつ検出した動力工具20の動作状態に応じてセンサ信号36を出力するためのセンサ素子34を備えている。センサ素子34は、手持ち式の電気または空気動力工具20の作動中に吸引ホース12の振動を検出するための加速度センサの形態である、ということを提案する。
【0072】
したがって、本発明は、動力工具20の動作状態を検出するために動力工具20に取り付けられかつ動力工具20の動作状態または動作状態を表す信号を吸引装置2の無線受信機28に送信するための通信装置32が組み込まれた、高集積化された吸引ホース12を提供するものであり、この場合、無線送信の形式は、単方向送信に制限されており、単方向送信は、以下の、
-無線リンクは、始動直後にデータ通信の準備が整っている、
-無線リンクを介したデータ通信前に、設定または初期化手順を必要としない、
-(吸引ホース12を、それぞれ異なる吸引装置2および無線受信機28と共に使用するために)無線リンクの手動での設定が可能である、
という利点を有している。
【0073】
通信装置32は、吸引ホース12の第2の端部16の一体部分であり、これにより、通信装置32は第2の端部16の内部でダスト、湿気および機械的な応力から安全に保護されている。
【手続補正書】
【提出日】2022-09-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸引装置(2)、特に真空掃除機または除塵システムであって、
-ダスト、ごみおよび微粒子(6)を収容するように適合させられた収集容器(4)と、
-前記収集容器(4)内に周囲圧力(p0)よりも低い低圧(pv)を発生させるための真空発生装置(8)と、
-前記収集容器(4)内の吸引開口(10)と、
-前記吸引開口(10)に接続された第1の端部(14)と、手持ち式の電気または空気動力工具(20)の空気出口(18)に接続可能な反対側の第2の端部(16)とを有する吸引ホース(12)と、
-前記収集容器(4)と前記真空発生装置(8)との間で、該真空発生装置(8)により発生させられた空気流(24)内に配置され、該空気流(24)からダスト、ごみおよび微粒子(6)を濾過するように適合させられたフィルタエレメント(22)と、
-前記空気出口(18)に前記吸引ホース(12)の前記第2の端部(16)が接続された前記手持ち式の電気または空気動力工具(20)の動作状態に応じて、任意にはさらなるパラメータを考慮して、前記真空発生装置(8)の動作状態を変化させるために、前記真空発生装置(8)を制御するように適合させられた制御装置(26)と、
-前記制御装置(26)に動作接続された、無線信号(30)を受信するための無線受信機(28)と、
-前記吸引ホース(12)の前記第2の端部(16)またはその近傍に配置された通信装置(32)であって、
-前記手持ち式の電気または空気動力工具(20)の目下の動作状態を検出し、検出された前記動力工具(20)の動作状態に応じてセンサ信号(36)を出力するためのセンサ素子(34)、
-無線信号(30)を送信するための無線送信機(38)、および
-一方では前記センサ素子(34)にかつ他方では前記無線送信機(38)に動作接続された処理装置(40)であって、前記無線送信機(38)に、前記センサ素子(34)から受信したセンサ信号(36)に応じた、かつ任意にはさらなるパラメータを考慮した無線信号(30)を発信させるように適合させられた処理装置(40)
を有する通信装置(32)と
を備える吸引装置(2)において、
前記通信装置(32)と前記無線受信機(28)とは、前記通信装置(32)の前記無線送信機(38)から前記吸引装置(2)の前記無線受信機(28)への単方向通信のみを実現するように設計されていることを特徴とする、吸引装置(2)。
【請求項2】
前記通信装置(32)の前記処理装置(40)は、前記動力工具(20)がオフ動作状態からオン動作状態に変化した場合に、前記無線送信機(38)に無線信号(30)を発信させるように適合させられており、前記制御装置(26)は、前記無線受信機(28)が前記無線信号(30)を受信した場合に、任意にはさらなるパラメータを考慮して、前記吸引装置(2)の前記真空発生装置(8)をオンに切り替えるように適合させられている、請求項1記載の吸引装置(2)。
【請求項3】
前記通信装置(32)の前記処理装置(40)は、前記動力工具(20)がオン動作状態からオフ動作状態に変化した場合に、前記無線送信機(38)に無線信号(30)を発信させるように適合させられており、前記制御装置(26)は、前記無線受信機(28)が前記無線信号(30)を受信した場合に、任意にはさらなるパラメータを考慮して、前記吸引装置(2)の前記真空発生装置(8)をオフに切り替えるように適合させられている、請求項1または2記載の吸引装置(2)。
【請求項4】
前記通信装置(32)の前記処理装置(40)は、前記無線送信機(38)に無線信号(30)を送信させる場合に、さらなるパラメータとして、前記センサ素子(34)からの前記センサ信号(36)の受信と、前記無線送信機(38)による前記無線信号(30)の送信との間の時間遅延を考慮するように適合させられている、請求項1または2項記載の吸引装置(2)。
【請求項5】
前記制御装置(26)は、当該吸引装置(2)の前記真空発生装置(8)をオンまたはオフに切り替える場合に、さらなるパラメータとして、前記無線受信機(28)による前記無線信号(30)の受信と、前記真空発生装置(8)のオンおよび/またはオフへの切替えとの間の時間遅延を考慮するように適合させられている、請求項1または2記載の吸引装置(2)。
【請求項6】
前記無線送信機(38)の固有識別子は、前記無線受信機(28)にプリセットされており、前記無線受信機(28)の固有識別子は、前記無線送信機(38)にプリセットされている、請求項1または2記載の吸引装置(2)。
【請求項7】
前記無線信号(30)が送信されることによる前記無線送信機(38)と前記無線受信機(28)との間の無線リンクは、前記吸引装置(2)の出荷および使用前に、工場で前記吸引装置(2)の製造プロセスの一部として設定される、請求項1または2記載の吸引装置(2)。
【請求項8】
前記無線信号(30)が送信されることによる、前記無線送信機(38)と前記無線受信機(28)との間の無線リンクは、前記吸引装置(2)の出荷後かつ使用前に、前記吸引装置(2)のユーザにより、特に前記動力工具(20)または前記吸引装置(2)のユーザインタフェースを用いてまたは別の無線リンク(54)を用いて前記吸引装置(2)に接続されたモバイルエンドユーザデバイス(52)を用いて、手動で設定される、請求項1または2記載の吸引装置(2)。
【請求項9】
前記無線送信機(38)と前記無線受信機(28)との間の前記無線リンクは、前記吸引装置(2)のユーザにより、ハードウェアおよび/またはソフトウェアを用いて手動で設定される、請求項8記載の吸引装置(2)。
【請求項10】
前記通信装置(32)は、独立したローカル電力供給ユニット(42)を有している、請求項1または2記載の吸引装置(2)。
【請求項11】
前記吸引装置(2)は、前記通信装置(32)の前記電力供給ユニット(42)の状態を視覚的かつ/または音響的に前記吸引装置(2)のユーザに伝達する、視覚的かつ/または音響的な信号装置(44)を有している、請求項10記載の吸引装置(2)。
【請求項12】
前記通信装置(32)は、自給式ユニットとして、前記吸引ホース(12)の前記第2の端部(16)に取外し可能に取り付けられている、請求項1または2記載の吸引装置(2)。
【請求項13】
前記通信装置(32)は、好適には、前記吸引ホース(12)の前記第2の端部(16)および/または前記吸引ホース(12)の製造中に成形プロセスによって前記吸引ホース(12)の前記第2の端部(16)に組み込まれる、請求項1または2記載の吸引装置(2)。
【請求項14】
前記センサ素子(34)は、前記手持ち式の電気または空気動力工具(20)の動作中に前記吸引ホース(12)の振動を検出するための加速度センサとして設計されている、または前記動力工具(20)の動作中に、前記吸引ホース(12)の前記第2の端部(16)内の空気流(46)を検出するための流量センサとして設計されている、請求項1または2記載の吸引装置(2)。
【請求項15】
前記吸引装置(2)は、動作状態(I)と非作動状態(0)との間で前記吸引装置(2)を手動切替えするためのメインスイッチ(48)を有しており、前記制御装置(26)は、前記吸引装置(2)が動作状態(I)にある場合にのみ、前記空気出口(18)に前記吸引ホース(12)の前記第2の端部(16)が接続された前記手持ち式の電気または空気動力工具(20)の動作状態に応じて、前記真空発生装置(8)をオンにするように設計されている、請求項1または2記載の吸引装置(2)。
【請求項16】
吸引ホース(12)であって、吸引装置(2)の吸引開口(10)に接続されるように適合させられた第1の端部(14)と、手持ち式の電気または空気動力工具(20)の空気出口(18)に接続されるように適合させられた反対側の第2の端部(16)とを有しており、該第2の端部(16)は、好適には、前記吸引ホース(12)の前記第2の端部(16)および/または前記吸引ホース(12)の製造中に成形プロセスを介して前記第2の端部(16)に組み込まれた通信装置(32)を有しており、該通信装置(32)は、
-前記手持ち式の電気または空気動力工具(20)の目下の動作状態を検出し、検出された前記動力工具(20)の動作状態に応じてセンサ信号(36)を出力するためのセンサ素子(34)と、
-無線信号(30)を送信するための無線送信機(38)と、
-一方では前記センサ素子(34)にかつ他方では前記無線送信機(38)に動作接続された処理装置(40)であって、前記無線送信機(38)に、前記センサ素子(34)から受信したセンサ信号(36)に応じた、かつ任意にはさらなるパラメータを考慮した無線信号(30)を発信させるように適合させられた処理装置(40)とを有している、吸引ホース(12)において、
前記センサ素子(34)は、前記手持ち式の電気または空気動力工具(20)の動作中に前記吸引ホース(12)の振動を検出するための加速度センサの形態である、吸引ホース(12)。
【外国語明細書】